JP2009288091A - 鋼帯の表面検査装置及び表面欠陥の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面検査装置56では、プロセスコンピュータ46が、システムサーバ44から送信された表面欠陥情報に基づいて表面欠陥が検出された亜鉛めっき鋼帯16における表面欠陥の位置を判断すると共に、この表面欠陥がマスキング領域に含まれるか否かを判断し、この表面欠陥がマスキング領域以外の領域に含まれる場合には、表面欠陥情報を亜鉛めっき鋼帯16に関連付けられた品質情報記録として記録し、この表面欠陥がマスキング領域Mに含まれる場合には、表面欠陥情報を品質情報記録の記録対象とはしない。
【選択図】図2
Description
本発明の目的は、上記事実を考慮し、鋼帯接合体に穿設されたマーキングホール内の残留物により生じた変色部を鋼帯の表面欠陥として検出することで、その表面欠陥情報が鋼帯に関連付けられた品質情報の一部として記録されることを防止できる鋼帯の表面検査装置及び表面欠陥の検出方法を提供することにある。
これにより、欠陥判定手段が、第1の撮像情報及び第2の撮像情報に基づいて、鋼帯接合体の一方又は他方の面から何らかの表面欠陥を検出し、この表面欠陥の位置情報を含む表面欠陥情報を出力しても、その表面欠陥が鋼帯接合体におけるマーキングホールの位置を基準として設定されたマスキング領域内に位置する場合には、例えば、その表面欠陥情報が鋼帯に関連付けられた品質情報の一部として記録されることを防止できる。
また本発明の請求項3に係る鋼帯の表面検査装置は、請求項1又は2記載の鋼帯の表面検査装置において、前記鋼帯接続体を構成する鋼帯は、前記マーキング手段により前記マーキングホールが穿設された後に、化成処理液により化成処理を施されたものであることを特徴とする。
図1には、本発明の実施形態に係る亜鉛めっき鋼帯の表面検査装置の構成が示され、図2には、図1に示される表面検査装置が用いられた亜鉛めっき鋼帯の製造ラインの構成が示されている。この亜鉛めっき鋼帯の製造ライン(以下「製造ライン」という。)10には、鋼帯の搬送経路に沿って、亜鉛めっき鋼帯の加工素材となる鋼帯を巻き取った鋼帯コイルが装填されるペイオフリール、溶接装置、溶接装置に付設されたパンチ装置、入側ルーパ、熱処理装置、めっき処理装置及び化成処理装置(それぞれ図示省略)が順に配置されている。
2台の撮像装置34、36は、図1に示されるように、それぞれリニア光源38及び2台のリニアCCD(Charge Coupled Device)カメラ40、42を備えている。リニア光源38には、亜鉛めっき鋼帯16の幅方向Wに沿って線状に延在する発光部が設けられており、リニア光源38から出射された照明光は、所定の入射角を持って亜鉛めっき鋼帯16の表面部16S又は裏面部16Rに入射する。一方のラインCCDカメラ40は、亜鉛めっき鋼帯16により反射される反射光の正反射位置に支持されており、亜鉛めっき鋼帯16の他方の面(表面部)16S又は一方の面(裏面部)16Rを明視野で撮像する。他方のラインCCDカメラ42は、正反射位置から所定角度ずれた暗視野位置に支持されており、亜鉛めっき鋼帯16の表面部16S又は裏面部16Rを暗視野で撮像する。以下、「他方の面」を「表面部」、「一方の面」を「裏面部」という。
撮像装置34、36は、2台のラインCCDカメラ40、42からそれぞれ出力された撮像信号SB、SDを処理する画像処理部48を備えている。画像処理部48は、アナログの撮像信号SB、SDをそれぞれディジタル信号に変換すると共に、信号出力のゲイン調整の後、撮像信号SB及び撮像信号SDを重畳して、亜鉛めっき鋼帯16の表面部16S又は裏面部16Rのイメージに対応する画像信号SIを生成する。画像処理部48は、画像信号SIを表面欠陥判定用のシステムサーバ44へ送信する。
システムサーバ44は、表面部16S又は裏面部16Rから何らかの表面欠陥を検出すると、表面欠陥の種類及び表面欠陥の位置に対応する位置情報を含む表面欠陥情報を上位のプロセスコンピュータ46に送信する。ここで、表面欠陥の鋼帯長手方向に沿った位置情報は、例えば、光学センサ37からの同期信号Tの入力から表面欠陥が発見されたタイミングまでの時間長をカウントすることより生成され、表面欠陥の鋼帯幅方向に沿った位置情報は、画像信号SIにより形成されるイメージ画像における表面欠陥の相対位置を数値化することにより生成される。
製造ライン10では、前述したように、溶融亜鉛めっき処理を受けた鋼帯接合体13に化成処理液を付着させ、鋼帯接合体13における化成処理液の付着量を均一化することにより、鋼帯接合体13の表面に化成処理を施す。この際、ローラ等により鋼帯接合体13の表面部16S及び裏面部16Rから余剰な化成処理液を除去することで、鋼帯接合体13における化成処理液の付着量が均一化するが、マーキングホール15内に溜まった化成処理液については、ローラ等により殆ど除去されないままになる。このため、マーキングホール15が化成処理装置から走査搬送部18まで搬送される間に、マーキングホール15内の化成処理液が徐々に滲み出し、又は、この化成処理液が化成処理装置の下流側のロールにこすられて鋼帯接続体13の表面に拡げられる。このため、鋼帯接合体13(亜鉛めっき鋼帯16)の表面部16S又は裏面部16Rには、図5(A)に示されるように、マーキングホール15付近に化成処理液により種々な形状を有する変色部54が形成されることがある。
またシステムサーバ44は、同期信号Tに基づいて接合部14の位置を常にトラッキングしており、鋼帯接合体13における接合部14を含む切捨部の先端が分割シャー20に達すると同時に、出側ルーパ17により鋼帯接合体13の一時格納を開始すると共に、出側ルーパ17の下流側における鋼帯接合体13の搬送を一時停止する。このタイミングで、分割シャー20は鋼帯接合体13を幅方向Wに沿って剪断し、先行する亜鉛めっき鋼帯16を後続する亜鉛めっき鋼帯16から分離する。
具体的には、表面部16Sについては、データ上におけるマーキングホール15の位置に対して実際のマーキングホール15が上流側にずれた位置に存在し、また裏面部16Rについては、データ上におけるマーキングホール15の位置に対して実際のマーキングホール15が下流側にずれた位置に存在することを考慮し、例えば、裏面部16Rについては、マスキング領域Mをマーキングホール15から上流側へ向かってdの範囲に設定すると共に、マーキングホール15から下流側へ向かって(D/2+d)の範囲に設定し、表面部16Sについては、マスキング領域Mをマーキングホール15から上流側へ向かって(D/2+d)の範囲に設定すると共に、マーキングホール15から下流側へ向かってdの範囲に設定する。このようにマスキング領域Mを設定することで、実際に存在する表面欠陥を変色部54と誤って認識する可能性を極めて低いものにできる。
11、12 鋼帯
13 鋼帯接合体
14 接合部
15 マーキングホール
16 鋼帯
16R 裏面部(一方の面)
16S 表面部(他方の面)
17 出側ルーパ
18 走査搬送部
19 目視検査台
20 分割シャー
22 テンションリール
25 第1バックアップロール
26 第1折返しロール
27 第2バックアップロール
28 第2折返しロール
29 第3折返しロール
34 撮像装置(第2の撮像手段)
36 撮像装置(第1の撮像手段)
37 光学センサ(マーキング検出手段)
38 リニア光源
40、42 ラインCCDカメラ
44 システムサーバ(欠陥判定手段)
46 プロセスコンピュータ(マスキング設定手段)
48 画像処理部
52 コイル
54 変色部
56 表面検査装置
B 距離
D 経路長
L 距離
M マスキング領域
T 同期信号
Claims (4)
- 先行する鋼帯の後端部に後続する鋼帯の先端部が接合されて構成される鋼帯接合体を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
鋼帯接合体における先行する鋼帯と後続する鋼帯との接合部に対応する部位にマーキングホールを穿設するマーキング手段と、
前記搬送手段により搬送される鋼帯接合体の前記マーキングホールを検出して、該マーキングホールの位置に対応する同期信号を出力するマーキング検出手段と、
前記搬送手段により搬送される鋼帯接合体の一方の面を第1の撮像位置で撮像し、第1の撮像情報を出力する第1の撮像手段と、
前記搬送手段により搬送される鋼帯接合体の他方の面を第2の撮像位置で撮像し、第2の撮像情報を出力するする第2の撮像手段と、
前記第1の撮像情報及び前記第2の撮像情報に基づいて表面欠陥を検出し、該表面欠陥の位置情報を含む表面欠陥情報を出力する欠陥判定手段と、
前記同期信号に基づいて、前記搬送手段により搬送される鋼帯接合体に前記マーキングホールの位置を基準とするマスキング領域を設定するマスキング設定手段と、
前記表面欠陥情報に基づいて表面欠陥が検出された鋼帯における表面欠陥の位置を判断すると共に、該表面欠陥が前記マスキング領域に含まれるか否かを判断し、該判断結果に基づき前記表面欠陥情報を鋼帯に関連付けられた品質情報の一部として記録する欠陥記録手段と、
を有することを特徴とする鋼帯の表面検査装置。 - 前記搬送経路に沿って、前記第1の撮像位置と前記第2の撮像位置をそれぞれ異なる位置に設定すると共に、前記マーキング検出手段による前記マーキングホールの検出位置を前記第1の撮像位置と前記第2の撮像位置との中間に設定したことを特徴とする請求項1記載の鋼帯の表面検査装置。
- 前記鋼帯接続体を構成する鋼帯は、前記マーキング手段により前記マーキングホールが穿設された後に、化成処理液により化成処理を施されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の鋼帯の表面検査装置。
- 請求項1〜3の何れか1項記載の鋼帯の表面検査装置を用いて表面欠陥を検出するにあたり、
前記欠陥記録手段が、前記表面欠陥情報に基づいて鋼帯に表面欠陥が検出された場合に、鋼帯における表面欠陥の位置を判断すると共に、該表面欠陥が前記マスキング領域に含まれるか否かを判断し、該表面欠陥が前記マスキング領域以外の領域に含まれる場合には、前記表面欠陥情報を鋼帯に関連付けられた品質情報の記録対象として記録し、該表面欠陥が前記マスキング領域に含まれるときには、前記表面欠陥情報を鋼帯に関連付けられた品質情報の記録対象とはしないことを特徴とする表面欠陥の検出方法。
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