JP2009287541A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、極少噴射量領域におけるHCの排出を確実に抑制することを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の制御装置は、気筒毎に設けられた燃料インジェクタから燃料を1サイクル中に複数回に分けて噴射させる噴射制御手段と、要求燃料噴射量を算出する要求燃料噴射量算出手段と、燃料インジェクタの1回当たりの燃料噴射量が、着火を確保するために必要な最小噴射量以上になるか否かを判定する最小噴射量条件判定手段と、1回当たりの燃料噴射量が最小噴射量以上にならないと判定された場合に、燃料噴射を実行する気筒の数を減少させ、その減少させた気筒の分の燃料噴射量を、燃料噴射を継続する気筒の燃料噴射量に上乗せする減筒処理を行う減筒手段とを備える。噴射制御手段は、減筒処理後に燃料噴射を継続する気筒の1サイクル中の燃料噴射回数が、当該減筒処理前と同じか、それ以上になるように制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
ディーゼルエンジン車両において、アクセルペダルがオフされ、且つエンジン回転数が所定回転数以上の場合、燃料カットが行われる。しかしながら、いきなり燃料カットが実行されると、急激なエンジンブレーキがかかり、ショックが発生し易い。そこで、ショックを抑制するために、燃料カットへ移行する準備段階の運転領域として、極少量の燃料を噴射する極少噴射量領域(ノーロード以下の領域)を設ける技術が知られている。アクセルペダルのオフ時には、この極少噴射量領域を必ず通過する。また、傾斜が緩やかな山道の下りなどにおいては、燃料カットをするかしないかの状態になり易いので、極少噴射量領域が多用される。
ところで、近年、ディーゼルエンジンの燃費やエミッションを改善するため、低圧縮比化が進められる傾向にある。低圧縮比のディーゼルエンジンでは、圧縮端温度が低くなる。このため、極少噴射量領域に入って筒内の混合気が過度に希薄化したとき、燃焼温度が従来よりも低くなる傾向がある。その結果、燃料が十分に燃焼しにくくなり、排気ガス中の未燃燃料成分(つまりHC)が多くなり易いという問題がある。
特開2004−137932号公報には、エンジン負荷を徐々に抜きながらディーゼルエンジンを停止させるエンジン停止工程中に、エンジン負荷が所定負荷以下になったとき、複数の燃焼室のうち、一部の燃焼室への燃料供給を停止する減筒運転制御手段を備えたディーゼルエンジンが開示されている。これにより、気筒当たりの負荷を増加させ、白煙の発生を抑制することができる、と同公報には記載されている。
特開2004−137932号公報 特開2005−325781号公報 特開2004−316552号公報 特開2006−307677号公報 特開2001−227390号公報
上記公報に開示された発明では、エンジンを停止させる際の白煙の発生を防止することを目的として減筒運転を行うようにしている。極少噴射量領域のHCを低減するために、減筒運転を応用することも考えられる。しかしながら、単に減筒運転を行うだけでは、HCを十分に低減することは困難である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、極少噴射量領域におけるHCの排出を確実に抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
多気筒内燃機関の気筒毎に設けられ、気筒内に燃料を噴射する燃料インジェクタと、
前記燃料インジェクタから燃料を1サイクル中に複数回に分けて噴射させる噴射制御手段と、
前記内燃機関に対する要求燃料噴射量を算出する要求燃料噴射量算出手段と、
前記要求燃料噴射量に基づいて、前記燃料インジェクタの1回当たりの燃料噴射量が、着火を確保するために必要な最小噴射量以上になるか否かを判定する最小噴射量条件判定手段と、
前記1回当たりの燃料噴射量が前記最小噴射量以上にならないと判定された場合に、燃料噴射を実行する気筒の数を減少させ、その減少させた気筒の分の燃料噴射量を、燃料噴射を継続する気筒の燃料噴射量に上乗せする減筒処理を行う減筒手段と、
を備え、
前記噴射制御手段は、前記減筒処理後に燃料噴射を継続する気筒の1サイクル中の燃料噴射回数が、当該減筒処理前と同じか、それ以上になるように制御することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記噴射制御手段は、前記減筒処理後に燃料噴射を継続する気筒において、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を複数回行うことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記減筒手段は、燃料噴射を停止させた気筒の吸気弁および排気弁の稼動を継続させることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記減筒手段は、前記要求燃料噴射量が少なくなるに従って、燃料噴射を実行する気筒の数を多段階に減少させる多段階減筒手段を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記多段階減筒手段は、燃料噴射を実行する気筒の数を各段階で半減させることを特徴とする。
また、第6の発明は、第4の発明において、
前記多段階減筒手段は、燃料噴射を実行する気筒の数を各段階で一つずつ減少させることを特徴とする。
また、第7の発明は、第4乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記多段階減筒手段は、燃料噴射を実行する気筒の数を最小で2まで減少させることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記噴射制御手段は、前記減筒処理前に1サイクル中の燃料噴射回数を一時的に減らした後、当該減筒処理後に1サイクル中の燃料噴射回数を元の回数に戻す噴射回数制御手段を含むことを特徴とする。
また、第9の発明は、第1乃至第8の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の代表温度を取得する代表温度取得手段と、
前記代表温度に応じて、前記減筒手段による減筒パターンを変更する減筒パターン切替手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第10の発明は、第1乃至第8の発明の何れかにおいて、
標高またはその相関値を取得する標高取得手段と、
標高に応じて、前記減筒手段による減筒パターンを変更する減筒パターン切替手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第11の発明は、第1乃至第8の発明の何れかにおいて、
機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
機関回転数に応じて、前記減筒手段による減筒パターンを変更する減筒パターン切替手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第12の発明は、第1乃至第11の発明の何れかにおいて、
前記減筒手段は、各気筒の燃料インジェクタの作動回数が均一化されるように、燃料噴射を停止させる気筒を選択する噴射停止気筒選択手段を含むことを特徴とする。
また、第13の発明は、第1乃至第12の発明の何れかにおいて、
燃料噴射を実行している気筒の数が所定の最小気筒数まで減らされている場合において、前記1回当たりの燃料噴射量が前記最小噴射量以上にならないと判定された場合に、燃料噴射を禁止するカットオフ手段を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、極少噴射量領域において複数回噴射を行う場合に、1回当たりの燃料噴射量が、着火を確保するために必要な最小噴射量以上にならないと判定された場合には、燃料噴射を実行する気筒の数を減少させる減筒処理を実行する。これにより、1回当たりの燃料噴射量を最小噴射量以上にし、且つ複数回噴射を行うことのできる領域を、より少噴射量側に拡大することができる。このため、極少噴射量領域におけるHCの排出を確実に抑制することができる。
第2の発明によれば、減筒処理後の燃焼気筒において、パイロット噴射とメイン噴射とを合わせて3回以上の噴射を行うことができる。これにより、HCの排出をより確実に抑制することができる。
第3の発明によれば、減筒処理によって燃料噴射を停止させた気筒の吸気弁および排気弁の稼動を継続させる。このため、吸気弁や排気弁の休止機構が不要であり、ECUのソフトウェアの対応のみで実現することができる。よって、コストアップを回避することができる。また、燃料噴射を停止させた気筒の吸気弁および排気弁が稼動を続けるので、空気が排気通路へ送られる。このため、燃焼気筒から排出されたHCが空気で希釈されるので、排気ガス中のHC濃度を更に低減することができる。
第4の発明によれば、要求燃料噴射量が少なくなるに従い、燃料噴射を実行する気筒の数を多段階に減少させることができる。これにより、燃焼気筒数の切替時の音やトルクの変化をより確実に抑制することができる。また、噴射量がより少ない領域まで複数回噴射を維持することができるので、HCの排出をより確実に抑制することができる。
第5の発明によれば、燃料噴射を実行する気筒の数を多段階に減少させるに際し、その数を各段階で半減させるができる。これにより、減筒後も爆発間隔を等間隔に維持することができるので、振動をより確実に抑制することができる。
第6の発明によれば、燃料噴射を実行する気筒の数を多段階に減少させるに際し、その数を各段階で一つずつ減少させることができる。これにより、燃焼気筒数の切替時における、一つの燃焼気筒当たりの噴射量の変化幅を小さくすることができる。よって、切替時の音やトルクの変化をより確実に抑制することができる。
第7の発明によれば、燃料噴射を実行する気筒の数を最小で2まで減少させる。これにより、爆発間隔の長い1気筒運転を回避することができるので、振動をより確実に抑制することができる。
第8の発明によれば、減筒処理前に噴射回数を一時的に減らした後、減筒処理後に噴射回数を元の回数に戻すことができる。これにより、減筒後の燃焼気筒における噴射量絶対値を小さくすることができる。このため、切り替わり時に、音の変化(増大)や、トルク段差をより確実に抑制することができる。また、切り替わり時に燃焼気筒の噴射量が増大することによる燃焼騒音上昇を、噴射回数を増やすことによる燃焼騒音低減によって相殺することができる。このため、切り替わり時の音の変化をより確実に抑制することができる。
第9の発明によれば、内燃機関の代表温度に応じて、減筒パターンを変更することができる。減筒運転による振動の発生のし易さは、内燃機関の暖機状態に応じて異なる。第9の発明によれば、内燃機関の暖機状態を考慮した上で、振動を抑制できる範囲内においてHCを可能な限り低減可能な、最適な減筒パターンを選択することができる。
第10の発明によれば、標高に応じて、減筒パターンを変更することができる。標高の高い高地では、HCの排出量が多くなり易い一方で、減筒運転による振動は発生しにくい。第10の発明によれば、標高に応じた最適な減筒パターンを選択することにより、HCと振動との双方を、より確実に抑制することができる。
第11の発明によれば、機関回転数に応じて、減筒パターンを変更することができる。減筒運転による振動の発生のし易さは、機関回転数に応じて異なる。第11の発明によれば、機関回転数に応じた最適な減筒パターンを選択することにより、HCと振動との双方を、より確実に抑制することができる。
第12の発明によれば、各気筒の燃料インジェクタの作動回数が均一化されるように、燃料噴射を停止させる気筒を選択することができる。これにより、各気筒の燃料インジェクタの劣化や、摩耗の度合い、寿命を均一化することができる。
第13の発明によれば、燃料噴射を実行している気筒の数が所定の最小気筒数まで減らされている場合において、1回当たりの燃料噴射量が最小噴射量以上にならないと判定された場合に、燃料噴射を禁止することができる。これにより、HCの排出を更に抑制することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、4サイクルのディーゼルエンジン(圧縮着火内燃機関)10を備えている。ディーゼルエンジン10は、車両に動力源として搭載されている。本実施形態のディーゼルエンジン10は、1番〜4番の気筒を有する直列4気筒型である。以下では、気筒番号を#1〜#4と表記する。なお、本発明におけるディーゼルエンジンの気筒数および気筒配置は、直列4気筒型に限定されるものではなく、直列3気筒、直列5気筒、直列6気筒、V型6気筒、V型8気筒などであってもよい。
ディーゼルエンジン10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射する燃料インジェクタ12が設置されている。各気筒の燃料インジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。コモンレール14内には、サプライポンプ16によって加圧された高圧の燃料が貯留されている。そして、コモンレール14内から、各燃料インジェクタ12へ、燃料が供給される。
燃料インジェクタ12は、1サイクル中に複数回、燃料を筒内に噴射することができる。すなわち、燃料インジェクタ12は、メイン噴射と、このメイン噴射に先立って行われる1回または複数回のパイロット噴射とを、1サイクル中に実施することができる。
ディーゼルエンジン10の排気通路18は、排気マニホールド20により枝分かれして、各気筒の排気ポート22(図2参照)に接続されている。本実施形態のディーゼルエンジン10は、ターボ過給機24を備えている。排気通路18は、ターボ過給機24の排気タービンに接続されている。
排気通路18の、ターボ過給機24より下流側には、排気ガスを浄化するための触媒(排気浄化装置)26が設けられている。触媒26としては、例えば、酸化触媒、吸蔵還元型または選択還元型のNOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)のうちの一つ、またはこれらの組み合わせなどを用いることができる。
ディーゼルエンジン10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24の吸気圧縮機で圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により、各気筒の吸気ポート35(図2参照)に分配される。
吸気通路28の、インタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。また、吸気通路28の、エアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するエアフローメータ38が設置されている。
吸気通路28の吸気マニホールド34の近傍には、EGR通路40の一端が接続されている。EGR通路40の他端は、排気通路18の排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、このEGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28に還流させること、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことができる。
EGR通路40の途中には、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。EGR通路40におけるEGRクーラ42の下流には、EGR弁44が設けられている。このEGR弁44の開度を調整することにより、EGR率を制御することができる。
そして、本実施形態のシステムは、大気圧を検出する大気圧センサ47と、車両の運転席のアクセルペダル位置を検出するアクセルポジションセンサ48と、ECU(Electronic Control Unit)50とを更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが電気的に接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼルエンジン10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼルエンジン10の一つの気筒の断面を示す図である。以下、ディーゼルエンジン10について更に説明する。図2に示すように、ディーゼルエンジン10のクランク軸60の近傍には、クランク軸60の回転角度を検出するクランク角センサ62が取り付けられている。このクランク角センサ62は、ECU50に電気的に接続されている。ECU50は、クランク角センサ62の信号に基づいてエンジン回転数を算出することができる。
また、ディーゼルエンジン10には、吸気弁52を駆動する吸気動弁装置54と、排気弁56を駆動する排気動弁装置58とが備えられている。更に、ディーゼルエンジン10には、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ68が設置されている。この冷却水温センサ68は、ECU50に電気的に接続されている。
図3は、ディーゼルエンジン10の運転領域を示す図である。図3に示すように、ディーゼルエンジン10では、燃料噴射量がノーロード時の燃料噴射量以下となる運転領域が設けられている。この運転領域を以下「極少噴射量領域」と称する。アクセルペダルがオフされ、ディーゼルエンジン10の燃料カットが行われる場合には、その前にこの極少噴射量領域を必ず通過する。これにより、燃料噴射量を漸減させて燃料カットに移行することができる。よって、燃料がいきなりカットされることによるトルクショックが生ずることを防止することができる。また、緩やかな下りの山道を走行している場合などにおいては、極小噴射量領域での運転が多用される場合がある。
極少噴射量領域においては、筒内の混合気が過度に希薄化するとともに、発熱量が少ないために筒内温度が低くなり易い。その結果、燃料が完全燃焼しにくくなる。このため、極少噴射量領域では、一般に、排気ガス中の未燃燃料成分(つまりHC)が多くなり易い。
HCの排出を抑制する方法としては、1サイクル中の燃料噴射を多数回(例えば、2回のパイロット噴射と、メイン噴射との合計3回)に分けて実施することが有効である。多数回噴射を行うと、燃料インジェクタ12からの1回当たりの燃料噴射量が少なくなる。1回当たりの燃料噴射量が少なくなると、次の二点で、HC低減に有利である。第一には、燃料の気化熱による筒内温度の低下を抑制することができる。このため、燃料を十分に気化させることができるので、未燃燃料が残存することを確実に抑制することができる。第二には、燃料インジェクタ12の噴孔から噴射された燃料の貫徹力が小さくなるので、その噴射された燃料が燃焼室の壁に衝突することを確実に抑制することができる。すなわち、燃焼室の壁への燃料付着を防止することができるので、壁に付着した燃料が気化して排気ガスに混合することを防止することができる。
しかしながら、1回当たりの実際の燃料噴射量が、ある着火最低量よりも少ないと、物理的に燃料が着火しなくなる。着火しなかった燃料は、排気ガス中のHCとなってしまう。従って、HCを低減するためには、1回当たりの実際の燃料噴射量が、着火最低量以上に確実になるようにすることが重要である。その際、燃料インジェクタ12の噴射量精度を考慮することも必要である。例えば、着火最低量が0.7mm3/stであり、噴射量精度が±0.8mm3/stである場合には、1回当たりの実際の燃料噴射量を確実に0.7mm3/st以上とするためには、1回当たりの燃料噴射量指令値を1.5mm3/st以上に設定することが必要となる。すなわち、この場合には、着火を確保するために必要な1回当たりの最小の燃料噴射量指令値は、1.5mm3/stとなる。以下、本実施形態では、着火を確保するために必要な1回当たりの最小の燃料噴射量指令値のことを単に「最小噴射量」と称し、その値が1.5mm3/stであるものとして説明する。また、以下の説明では、特に断らない限り、燃料噴射量指令値のことを単に「噴射量」と称する。
上述したように、HCの排出を抑制するには、多数回噴射を行うことが有効である。しかしながら、確実に着火させるためには、1回当たりの噴射量を、上記最小噴射量以上にする必要がある。従って、例えば3回の噴射を行うためには、1サイクル中の1気筒当たりの噴射量が、最小噴射量である1.5mm3/stの3倍の4.5mm3/st以上であることが必要となる。すなわち、1サイクル中の1気筒当たりの噴射量が4.5mm3/st未満の領域では、3回噴射を行うことはできず、2回または1回噴射にせざるを得ない。
このように、従来、極少噴射量領域においては、HCを低減するために燃料噴射回数を多くしたい(例えば3回噴射したい)という要求があるにもかかわらず、逆に燃料噴射回数を減らすことが必要となる場合があった。このため、HCの低減が困難であった。
そこで、本実施形態では、極少噴射量領域において、ディーゼルエンジン10の一部の気筒で燃料噴射を停止させる減筒運転を行うこととした。減筒運転を行う場合には、燃料噴射を停止させる気筒(すなわち燃焼を停止させる気筒)の分の噴射量を、燃料噴射を継続する気筒(以下「燃焼気筒」と称する)の噴射量に上乗せすることができる。このため、全気筒の平均噴射量が4.5mm3/st未満の領域でも、燃焼気筒においては噴射量を4.5mm3/st以上にすることができる。よって、HC低減に必要な噴射回数(例えば3回噴射)を維持することができる。このため、HCの排出を確実に低減することができる。
本実施形態では、上記減筒運転時に、燃料噴射停止気筒の吸気弁52および排気弁56の作動を休止させることはしない。このため、本実施形態は、吸気弁52や排気弁56の休止機構が不要であり、ECU50のソフトウェアの対応のみで実現することができる。よって、コストアップを回避することができる。
また、減筒運転時に燃料噴射停止気筒において吸気弁52および排気弁56の作動が継続するので、燃料噴射停止気筒からは空気が排気通路18へ送られる。そして、燃焼気筒から排出されたHCは、その空気によって希釈されることとなる。このため、排気ガス中のHC濃度を更に低減することができる。
なお、減筒運転を行った場合には、爆発間隔が伸びることから、振動が大きくなることが一般に問題となる。しかしながら、本実施形態では、燃料噴射量が微量である極少噴射量領域において減筒運転を行うので、燃焼による振動は軽微である。このため、振動に対する対策は、不要または簡易である。
図4は、実施の形態1における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。図4中の一番上のグラフは、ディーゼルエンジン10の全4気筒を平均した1サイクル中の噴射量(以下「全気筒平均噴射量」と称する)を示している。この全気筒平均噴射量を4倍した値がディーゼルエンジン10の全噴射量となる。減筒運転を行わない場合には、前述したように、全気筒平均噴射量が4.5mm3/st未満の領域では、3回噴射を行うことはできない。そこで、本実施形態では、全気筒平均噴射量が4.5mm3/st未満の領域においては、#1および#4気筒の燃料噴射(燃焼)を停止させ、#2および#3気筒のみで燃料噴射を実行する減筒運転を行うこととした(図4の上から2番目および3番目のグラフ)。
図4の下から2番目のグラフは、1サイクル中の噴射回数(パイロット噴射とメイン噴射とを合わせた回数)を示している。上述したように、本実施形態の減筒運転においては、全4気筒のうちの半分の二つの気筒で燃料噴射を行う。よって、減筒運転時には、燃焼気筒である#2および#3気筒の噴射量を、全気筒運転時の2倍にすることができる。このため、3回噴射が可能な領域を、全気筒平均噴射量で2.25mm3/stまで拡大することができる。よって、HCの排出を確実に抑制することができる。
また、全気筒運転の場合には、2回噴射が可能な領域は、全気筒平均噴射量が3mm3/st以上の領域である。これに対し、本実施形態では、減筒運転を実施することにより、2回噴射が可能な領域を、全気筒平均噴射量で1.5mm3/stまで拡大することができる。よって、HCの排出を更に抑制することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、クランク角に同期して、サイクル毎に繰り返し実行されるものとする。図5に示すルーチンによれば、まず、全気筒運転を行った場合に、燃料インジェクタ12からの1回当たりの噴射量が、着火を確保することのできる最小噴射量Qmin以上になるか否かが、次式に基づいて判定される(ステップ100)。
Q<Qmin×N ・・・(1)
上記(1)式中のQは、現在要求されている全気筒平均噴射量である。すなわち、この全気筒平均噴射量Qは、現在要求されているディーゼルエンジン10の全噴射量の4分の1である。ECU50は、アクセルポジションセンサ48の信号やエンジン回転数などに基づいて、全気筒平均噴射量Qを逐次算出している。最小噴射量Qminは、前述したように、本実施形態では1.5mm3/stとしている。上記(1)式中のNは、極少噴射量領域においてHCを十分に低減するために必要とされる所定の噴射回数(以下「所望噴射回数」と称する)である。本実施形態では、所望噴射回数Nは、3回に設定されているものとする。すなわち、本実施形態では、Qmin×N=4.5mm3/stとなる。
上記ステップ100において、上記(1)式が成立しないと判別された場合、つまり全気筒平均噴射量QがQmin×N以上であると判別された場合には、全気筒運転でN回噴射を行ったとしても、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin以上になると判定できる。この場合には、減筒運転を行う必要はないので、全気筒で燃料噴射(燃焼)を行う通常運転が実行される(ステップ102)。
一方、上記ステップ100において、上記(1)式が成立すると判別された場合、つまり全気筒平均噴射量QがQmin×N未満であると判別された場合には、全気筒運転でN回噴射を行ったとすると、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin未満になると判断できる。この場合には、1回当たりの噴射量を最小噴射量Qmin以上にするべく、減筒運転が必要となる。そこで、引き続き、減筒運転を行った場合に1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin以上になるか否かが、次式に基づいて判定される(ステップ104)。
g<Qmin×(N−i) ・・・(2)
上記(2)式中のQgは、減筒運転を行う場合の、一つの燃焼気筒当たりの要求噴射量(以下「減筒運転時要求噴射量」と称する)である。本実施形態において、減筒運転時の燃焼気筒数は全気筒数の半分になる。よって、減筒運転時要求噴射量Qgは、全気筒平均噴射量Qの2倍として算出される。また、上記(2)式中の変数iの初期値は0に設定されている。
上記ステップ104において、上記(2)式が成立しないと判別された場合、つまり減筒運転時要求噴射量QgがQmin×(N−i)以上であると判別された場合には、(N−i)回噴射での減筒運転を行った場合に、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin以上になると判断できる。そこで、この場合には、(N−i)回噴射での減筒運転が実行される(ステップ106)。
減筒運転時要求噴射量Qgが4.5mm3/st以上の領域、すなわち全気筒平均噴射量Qが2.25mm3/st以上の領域においては、i=0にて、上記(2)式の成立を否定できる。従って、全気筒平均噴射量Qが2.25mm3/st以上の領域においては、(N−0)回、つまり3回噴射での減筒運転が実行される。このように、上記の処理によれば、3回噴射が可能な領域を、全気筒平均噴射量Qで2.25mm3/stのラインまで拡大することができる。このため、HCの排出を確実に抑制することができる。
一方、上記ステップ104において、上記(2)式が成立すると判別された場合、つまり減筒運転時要求噴射量QgがQmin×(N−i)未満であると判別された場合には、(N−i)回噴射での減筒運転を行った場合に、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin未満になると判断できる。この場合には、変数iをインクリメントし(ステップ108)、その後、上記ステップ104以下の処理が再度実行される。
減筒運転を行っただけでは1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin以上にならないほどに全気筒平均噴射量Qが少なくなった場合には、上記ステップ108を通るループにより、噴射回数を所望噴射回数Nよりも少なくすることができる。すなわち、噴射回数を2回あるいは1回に減らすことにより、1回当たりの噴射量を最小噴射量Qmin以上にすることができる。このため、排気ガス中のHCの増加を抑制することができる。
上述した実施の形態1においては、ECU50が、図4に示す燃料噴射制御を実行することにより前記第1、第2および第3の発明における「噴射制御手段」が、全気筒平均噴射量Qを算出することにより前記第1の発明における「要求燃料噴射量算出手段」が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「最小噴射量条件判定手段」が、上記ステップ104および106の処理を実行することにより前記第1の発明における「減筒手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。実施の形態2のシステム構成は、前述した実施の形態1と同様に、図1および図2に示す構成である。
図6は、実施の形態2における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。図6に示すように、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、全気筒平均噴射量が4.5mm3/st未満になった場合には、#1および#4気筒の燃料噴射を停止させ、#2および#3気筒のみで燃料噴射を実行する減筒運転(以下、「2気筒運転」と称する)を行う。2気筒運転では、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を全気筒運転の場合の2倍にすることができる。よって、2気筒運転に切り替えることにより、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を4.5mm3/st以上にすることができ、3回噴射を維持することができる。
そして、実施の形態2では、2気筒運転において一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が4.5mm3/st未満になった場合(つまり、全気筒平均噴射量が2.25mm3/st未満になった場合)には、#2気筒の燃料噴射も停止させ、#3気筒のみで燃料噴射を実行する減筒運転(以下、「1気筒運転」と称する)を行う。1気筒運転では、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を全気筒運転の場合の4倍にすることができる。従って、全気筒平均噴射量が1.125mm3/st(4.5mm3/stの4分の1)になるまで、3回噴射を維持することができる。すなわち、実施の形態2によれば、3回噴射が可能な領域を実施の形態1よりも更に少噴射量側に拡大することができる。よって、HCの排出をより確実に抑制することができる。また、この場合には、#3気筒から排出されるHCを、#1、#2および#4の3個の気筒から排出される空気によって、4倍に希釈することができる。このため、排気ガス中のHC濃度を更に低くすることができる。
[実施の形態2における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために実施の形態2においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。以下、図7において、図5に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
図7に示すルーチンによれば、まず、全気筒運転でN回噴射を行った場合に、燃料インジェクタ12からの1回当たりの噴射量が、最小噴射量Qmin以上になるか否かが、次式に基づいて判定される(ステップ100)。
Q<Qmin×N ・・・(3)
上記ステップ100において、上記(3)式が成立しないと判別された場合、つまり全気筒平均噴射量QがQmin×N以上であると判別された場合には、全気筒運転でN回噴射を行ったとしても、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin以上になると判定できる。この場合には、減筒運転を行う必要はないので、全気筒で燃料噴射(燃焼)を行う通常運転が実行される(ステップ102)。
一方、上記ステップ100において、上記(3)式が成立すると判別された場合、つまり全気筒平均噴射量QがQmin×N未満であると判別された場合には、全気筒運転でN回噴射を行ったとすると、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin未満になると判断できる。この場合には、1回当たりの噴射量を最小噴射量Qmin以上にするべく、減筒運転が必要となる。この場合には、続いて、1気筒当たりの減筒運転時要求噴射量Qgが次式に基づいて算出される(ステップ110)。
g=Q×Ncyl÷Ng[i] ・・・(4)
上記(4)中の記号の意味は次の通りである。Ncylは、ディーゼルエンジン10の気筒数である。つまり、本実施形態では、Ncyl=4である。iは、1以上の整数値をとる変数である。変数iの初期値は、1である。変数iに対しては、許容最大値imaxが設定されている。本実施形態では、imax=2である。Ng[i]は、減筒運転時の燃焼気筒の数を大きい順に並べた数列である。すなわち、本実施形態では、Ng[1]=2、Ng[2]=1である。
上記ステップ110によれば、燃焼気筒の数が2である場合には、減筒運転時要求噴射量Qgは、全気筒平均噴射量Qの2倍として算出される。また、燃焼気筒の数が1である場合には、減筒運転時要求噴射量Qgは、全気筒平均噴射量Qの4倍として算出される。
上記ステップ110の処理に続いて、Ng[i]個の気筒を燃焼させる減筒運転を行った場合に、所望噴射回数N(本実施形態では3回)が実現可能であるか否かが、次式に基づいて判定される(ステップ112)。
g<Qmin×N ・・・(5)
上記ステップ112において、上記(5)式が成立しないと判別された場合には、Ng[i]個の気筒を燃焼させる減筒運転においてN回噴射(3回噴射)を行った場合に、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin以上になると判断できる。そこで、この場合には、Ng[i]個の気筒でN回噴射を行う減筒運転が実行される(ステップ114)。
一方、上記ステップ112において、上記(5)式が成立すると判別された場合には、Ng[i]個の気筒を燃焼させる減筒運転においてN回噴射(3回噴射)を行ったとすると、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin未満になると判断できる。この場合には、変数iがインクリメントされた後(ステップ116)、変数iがimaxを超えたか否かが判別される(ステップ118)。
上記ステップ118で、変数iがimaxを超えていないと判別された場合には、燃焼気筒の数を更に減少させることができると判断できる。そこで、この場合には、上記ステップ110以下の処理が再度実行される。
一方、上記ステップ118で、変数iがimaxを超えていると判別された場合には、燃焼気筒の数をこれ以上減少させることはできないと判断できる。この場合には、噴射回数を減らすことによって1回当たりの噴射量を最小噴射量Qmin以上にさせるべく、以下の処理が実行される。まず、次式が判別される(ステップ120)。
g<Qmin×(N−j) ・・・(6)
上記(6)式中の変数jの初期値は、1である。上記ステップ120において、上記(6)式が成立しないと判別された場合には、噴射回数を(N−j)回に減らすことにより、1回当たりの噴射量を最小噴射量Qmin以上にすることができると判断できる。そこで、この場合には、Ng[imax]個の気筒で(N−j)回噴射を行う減筒運転が実行される(ステップ122)。
一方、上記ステップ120において、上記(6)式が成立すると判別された場合には、噴射回数を(N−j)回に減らしたとしても、1回当たりの噴射量が最小噴射量Qmin未満になると判断できる。そこで、この場合には、噴射回数を更に減らすべく、変数jをインクリメントした後(ステップ124)、上記ステップ120以下の処理が再度実行される。
上述した実施の形態2においては、ECU50が、図7に示すルーチンに基づき、燃焼気筒(燃料噴射を実行する気筒)の数を4→2→1と2段階に減少させることにより、前記第4および第5の発明における「多段階減筒手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
図8は、実施の形態3における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。図8に示すように、実施の形態3では、全気筒平均噴射量が4.5mm3/st未満になった場合には、#1気筒の燃料噴射を停止させ、#2、#3および#4の三つの気筒のみで燃料噴射を実行する減筒運転(以下、「3気筒運転」と称する)を行う。3気筒運転では、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を、全気筒運転の場合の4/3倍にすることができる。このため、3気筒運転に切り替えることにより、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を4.5mm3/st以上にすることができ、3回噴射を維持することができる。
そして、3気筒運転において、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が4.5mm3/st未満になった場合(つまり、全気筒平均噴射量が3.375mm3/st未満になった場合)場合には、#4気筒の燃料噴射も停止させ、#2および#3気筒のみで燃料噴射を実行する2気筒運転に切り替える。これにより、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を4.5mm3/st以上にすることができ、3回噴射を更に継続することができる。
更に、2気筒運転において一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が4.5mm3/st未満になった場合には、#2気筒の燃料噴射も停止させ、#3気筒のみで燃料噴射を実行する1気筒運転を行う。これにより、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を4.5mm3/st以上にすることができ、3回噴射を更に継続することができる。
すなわち、実施の形態3では、全気筒平均噴射量が少なくなるにつれて、燃焼気筒の数を4→3→2→1と一つずつ減少させることとした。それゆえ、燃焼気筒の数を減少させる場合に、前述した実施の形態と比べて、燃焼気筒における噴射量の変化を小さくすることができるとともに、噴射量絶対値も小さくすることができる(図8中の破線の楕円で囲った箇所を参照)。これにより、燃焼気筒の数が減少する際の、音の変化、振動、トルク段差等を、より確実に抑制することができる。
実施の形態3は、前述した図7に示すルーチンにおいて、imax=3、Ng[1]=3、Ng[2]=2、Ng[3]=1とすることにより、実現することができる。従って、制御のフローチャートについては図示を省略する。
実施の形態3においては、ECU50が、燃焼気筒の数を4→3→2→1と一つずつ3段階に減少させることにより、前記第4および第6の発明における「多段階減筒手段」が実現されている。
[実施の形態3の変形例]
なお、上述した実施の形態3では、燃焼気筒の数を2→1とするときに、燃焼気筒における噴射量が2倍となるので、噴射量の変化や噴射量絶対値が大きくなる。そこで、燃焼気筒の数の最小値を2とし、1気筒のみの減筒運転をしないようにしてもよい。これにより、音の変化、振動、トルク段差等を更に確実に抑制することができる。この場合、前述した図7に示すルーチンにおいて、imax=2、Ng[1]=3、Ng[2]=2とすればよい。
実施の形態4.
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態3との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。図9は、実施の形態4における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。
前述した実施の形態3では、2気筒運転において一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が4.5mm3/st未満になった場合には、1気筒運転に切り替えることにより、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量を4.5mm3/st以上にし、3回噴射を維持するようにしている。
これに対し、本実施の形態4においては、図9に示すように、2気筒運転において一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が4.5mm3/st未満になった場合には、2気筒運転を維持したままで、3回噴射を2回噴射に減らすこととした。2気筒運転においては、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が3mm3/stになるまで、2回噴射を維持することができる。そして、2気筒運転において、一つの燃焼気筒当たりの1サイクル中の噴射量が3mm3/st未満になった場合には、1気筒運転に切り替えるとともに、噴射回数を3回に戻すこととした(図9中のAで示す破線の楕円内を参照)。
このような実施の形態4の制御によれば、実施の形態3と比べて、更に次のような利点がある。第1の利点としては、1気筒運転でカバーする領域を減らすことができる(図9中のBで示す破線の楕円内を参照)。1気筒運転は、爆発間隔が長いので、振動が生ずる場合がある。よって、1気筒運転の領域を減らすことにより、振動を抑制することができる。
第2の利点としては、1気筒運転に切り替わった後の噴射量絶対値を小さくすることができる(図9中のCで示す破線の楕円内を参照)。このため、切り替わり時に、音の変化(増大)や、トルク段差をより確実に抑制することができる。
また、2気筒運転から1気筒運転に切り替わるときに、噴射回数を2回から3回に増やすことができる。一般に、燃焼騒音は、噴射回数が多いほど、少なくなる。このため、2気筒運転から1気筒運転に切り替わるときに、燃焼気筒の噴射量が増大することによる燃焼騒音上昇を、噴射回数を増やすことによる燃焼騒音低減によって相殺することができる。このため、切り替わり時の音の変化をより確実に抑制することができる。
上述したような実施の形態4は、ECU50が、アクセルポジションセンサ48の信号やエンジン回転数などに基づいて算出される全気筒平均噴射量(図9の一番上のグラフ)に応じて、各気筒の燃料噴射の有無、燃料噴射量および噴射回数を、図9の上から2〜5番目のグラフのように制御することにより、実現することができる。
実施の形態4においては、ECU50が、2気筒運転から1気筒運転への減筒処理の実施前に噴射回数を2回に減らし、1気筒運転の開始とともに噴射回数を3回に戻すように制御することにより、前記第8の発明における「噴射回数制御手段」が実現されている。
実施の形態5.
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
上述した各実施の形態において、いくつかの減筒パターンを説明した。本実施形態においては、これらの減筒パターンの中から、ディーゼルエンジン10の冷却水温に応じて、減筒パターンを選択することとした。
HCの排出を抑制する上では、噴射量がなるべく少ない領域まで多数回噴射を維持することが望ましい。従って、1気筒運転まで減筒を行うことが望ましい。しかしながら、2気筒運転から1気筒運転に切り替えると、爆発間隔が長くなったり、一つの燃焼気筒当たりの噴射量変化が大きかったりするので、振動が生じ易い傾向がある。
振動に関しては、ディーゼルエンジン10が暖機されていない状態の方が有利である。ディーゼルエンジン10が暖機されていない状態では、エンジンオイルの粘度が高いため、フリクションが大きい。このため、燃焼圧がクランク軸60の回転力に変換されにくい。よって、爆発間隔の延長や噴射量変化などに対し、振動面で鈍感になる。その結果、1気筒運転まで減筒を行った場合であっても、振動が生じにくい。
このような事情に鑑みて、本実施形態では、減筒パターンを次のように選択することとした。図10は、実施の形態5において、ECU50が減筒パターンを選択するために実行するルーチンのフローチャートである。図10に示すルーチンによれば、まず、冷却水温センサ68によって検出される、ディーゼルエンジン10の冷却水温が読み込まれる。そして、その冷却水温が、所定の低水温域、中水温域、および高水温域の何れにあるかが判別される(ステップ130)。
上記ステップ130で、低水温域にあると判別された場合には、減筒運転による振動は発生しにくい状態であると判断できる。そこで、この場合には、前述した実施の形態3で説明した減筒パターン、すなわち、燃焼気筒の数を4→3→2→1と減少させる減筒パターンが選択される(ステップ132)。
一方、上記ステップ130で、中水温域にあると判別された場合には、低水温域よりは、やや振動が発生し易い状態であると判断できる。この場合には、前述した実施の形態4で説明した減筒パターンが選択される(ステップ134)。すなわち、この場合には、燃焼気筒の数を4→3→2→1と減少させるに際し、2気筒運転から1気筒運転への切り替え前に噴射回数を一旦2回に減らし、1気筒運転への切り替えと同時に噴射回数を3回に戻す減筒パターンが選択される。これにより、爆発間隔の大きい1気筒運転の領域を減らすことができるので、振動の増加を抑制することができる。ただし、上記ステップ132の減筒パターンと比べると、2気筒運転で噴射回数を2回に減らしたときに、HCがやや増加することとなる。
また、上記ステップ130で、高水温域にあると判別された場合には、中水温域よりも振動が発生し易い状態であると判断できる。そこで、この場合には、前述した実施の形態3の変形例として説明した減筒パターン、すなわち、燃焼気筒の数を4→3→2と減少させ、1気筒運転は行わない減筒パターンが選択される(ステップ136)。これにより、爆発間隔の大きい1気筒運転を行わないので、振動の増加を抑制することができる。ただし、上記ステップ134の減筒パターンと比べると、HCがやや増加することとなる。
なお、本実施形態では、ディーゼルエンジン10の暖機度合いを示す代表温度として冷却水温を用いたが、代わりにディーゼルエンジン10の他の部位の温度を用いてもよい。
上述した実施の形態5においては、冷却水温センサ68が前記第9の発明における「代表温度取得手段」に想到している。また、ECU50が、図10に示すルーチンを実行することにより前記第9の発明における「減筒パターン切替手段」が実現されている。
[実施の形態5の変形例]
3気筒運転を行うと、爆発間隔が不等間隔になる。このため、エンジンの機種による特性の違いや、エンジン搭載方法、エンジンマウントの諸元等によっては、振動が発生し易い場合もある。そのような場合には、以下に説明するように、3気筒運転を除外してもよい。図11は、実施の形態5の変形例において、ECU50が減筒パターンを選択するために実行するルーチンのフローチャートである。図11に示すルーチンによれば、ディーゼルエンジン10の冷却水温が、所定の低水温域、中水温域、および高水温域の何れにあるかが判別される(ステップ140)。
上記ステップ140で、低水温域にあると判別された場合には、減筒運転による振動は発生しにくい状態であると判断できる。そこで、この場合には、前述した実施の形態2で説明した減筒パターン、すなわち、燃焼気筒の数を4→2→1と減少させる減筒パターンが選択される(ステップ142)。
一方、上記ステップ140で、中水温域にあると判別された場合には、低水温域よりは、やや振動が発生し易い状態であると判断できる。この場合には、燃焼気筒の数を4→2→1と減少させるに際し、2気筒運転から1気筒運転への切り替え前に噴射回数を一旦2回に減らし、1気筒運転への切り替えと同時に噴射回数を3回に戻す減筒パターンが選択される(ステップ144)。これにより、爆発間隔の大きい1気筒運転の領域を減らすことができるので、振動の増加を抑制することができる。ただし、上記ステップ142の減筒パターンと比べると、2気筒運転で噴射回数を2回に減らしたときに、HCがやや増加することとなる。
また、上記ステップ140で、高水温域にあると判別された場合には、中水温域よりも振動が発生し易い状態であると判断できる。そこで、この場合には、前述した実施の形態1で説明した減筒パターン、すなわち、燃焼気筒の数を4→2と減少させ、1気筒運転は行わない減筒パターンが選択される(ステップ146)。これにより、爆発間隔の大きい1気筒運転を行わないので、振動の増加を抑制することができる。ただし、上記ステップ144の減筒パターンと比べると、HCがやや増加することとなる。
なお、不等間隔爆発になる3気筒運転において振動が生じるかどうかは、エンジン回転数によって変化する場合もある。そこで、エンジン回転数に応じて減筒パターンを選択するようにしてもよい。例えば、不等間隔爆発による振動が生じ易い回転域においては図11に示すルーチンに従って減筒パターンを選択し、それ以外の回転域においては図10に示すルーチンに従って減筒パターンを選択するようにしてもよい。
実施の形態6.
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態6について説明するが、上述した実施の形態5との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
本実施形態では、複数の減筒パターンの中から、標高に応じて、減筒パターンを選択することとした。標高の高い高地では、酸素濃度が低い。このため、燃料インジェクタ12から噴射された燃料と酸素分子との衝突機会が減少する結果、失火が生じ易くなる傾向がある。その結果、HCの排出が増え易いため、標高の低い低地と比べて、HCを低減することがより強く要求される。
その一方で、高地では、筒内に吸入される空気の質量が低地に比べて少なくなるので、最大筒内圧Pmaxが小さくなる。このため、エンジンの振動は発生しにくい。
このような事情に鑑みて、本実施形態では、高地においては、振動面でやや不利でもHCを最大限に低減できる減筒パターンを選択し、低地においては、HC低減幅はやや小さくても振動抑制に有利な減筒パターンを選択することとした。
図12は、実施の形態6において、ECU50が減筒パターンを選択するために実行するルーチンのフローチャートである。図12に示すルーチンによれば、まず、大気圧センサ47によって検出される大気圧が読み込まれる。そして、その大気圧から推定される標高に基づいて、現在地が、高地、低地、および中地(高地と低地との中間の標高域)の何れであるかが判別される(ステップ150)。
上記ステップ150で、高地であると判別された場合には、前述した実施の形態3で説明した減筒パターン、すなわち、燃焼気筒の数を4→3→2→1と減少させる減筒パターンが選択される(ステップ152)。
一方、上記ステップ150で、中地であると判別された場合には、前述した実施の形態4で説明した減筒パターンが選択される(ステップ154)。すなわち、この場合には、燃焼気筒の数を4→3→2→1と減少させるに際し、2気筒運転から1気筒運転への切り替え前に噴射回数を一旦2回に減らし、1気筒運転への切り替えと同時に噴射回数を3回に戻す減筒パターンが選択される。
また、上記ステップ150で、低地であると判別された場合には、前述した実施の形態3の変形例として説明した減筒パターン、すなわち、燃焼気筒の数を4→3→2と減少させ、1気筒運転は行わない減筒パターンが選択される(ステップ156)。
なお、本実施形態では、標高を大気圧によって推定することとしたが、標高の検出方法はこれに限定されるものではない。例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて標高を検出しても良い。また、本実施形態では、前述した図10と同様の減筒パターンを選択したが、前述した図11と同様の減筒パターンを選択してもよい。
上述した実施の形態6においては、大気圧センサ47が前記第10の発明における「標高取得手段」に想到している。また、ECU50が、図12に示すルーチンを実行することにより前記第10の発明における「減筒パターン切替手段」が実現されている。
実施の形態7.
次に、図13を参照して、本発明の実施の形態7について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
燃料インジェクタ12の噴射特性は、経年による劣化や摩耗に応じて変化する。その噴射特性の変化を相殺するために、劣化や摩耗の度合いに応じた補正を行っている。
しかしながら、減筒運転を行うと、各気筒の燃料インジェクタ12の作動回数に差が生ずる。その作動回数の差が経年により拡大すると、燃料インジェクタ12毎の劣化や摩耗の度合いに差が生じ、上記のような補正が困難になる。
そこで、本実施形態では、減筒運転時に各気筒の燃料インジェクタ12の作動回数をカウントしておき、各気筒の燃料インジェクタ12の作動回数が均一化されるように、燃焼停止気筒を選択することとした。
[実施の形態7における具体的処理]
図13は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図13に示すルーチンによれば、まず、燃焼気筒を減少させることを要求する減筒指令の有無が判別される(ステップ160)。減筒指令が出されている場合には、次に、各気筒の燃料インジェクタ12の作動回数が読み込まれる(ステップ162)。
本実施形態において、ECU50は、減筒運転時における各気筒の燃料インジェクタ12の通算の作動回数をカウントしている。そして、その作動回数の多い順に、燃焼を停止させる優先順位が上位にランクされる。例えば、各気筒の燃料インジェクタ12の作動回数と、燃焼停止優先順位とは、次のような関係になる。
#1気筒・・・作動回数:9600回(優先順位4位)
#2気筒・・・作動回数:10000回(優先順位3位)
#3気筒・・・作動回数:10200回(優先順位1位)
#4気筒・・・作動回数:10100回(優先順位2位)
上記ステップ162の処理に続いて、上記優先順位に基づき、燃焼停止気筒が選択される(ステップ164)。具体的には、上記の例の場合には、次のようになる。4気筒運転から3気筒運転への減筒指令である場合には、優先順位1位の#3気筒の燃料噴射が停止される。また、4気筒運転から2気筒運転への減筒指令である場合には、優先順位1位の#3気筒と、#2気筒との燃料噴射が停止される。このように、2気筒運転の場合には、爆発間隔を等間隔にするため、#2および#3気筒と、#1および#4気筒とをそれぞれ組にして、何れかの組の燃料噴射を停止することが好ましい。
以上説明した実施の形態7によれば、各気筒の燃料インジェクタ12の作動回数を均一化することができる。このため、劣化や摩耗の度合いに差が生ずることが防止され、噴射特性の補正を容易かつ正確に行うことができる。また、各燃料インジェクタ12の寿命を均一化することもできる。
上述した実施の形態7においては、ECU50が図13に示すルーチンを実行することにより、前記第13の発明における「噴射停止気筒選択手段」が実現されている。
実施の形態8.
次に、図14を参照して、本発明の実施の形態8について説明するが、上述した実施の形態2との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。図14は、実施の形態8における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。
図14に示すように、本実施形態では、1気筒運転まで減筒して3回噴射を行っている状態において、この燃焼気筒の1サイクル中の噴射量が、3回噴射が可能な最少の噴射量である4.5mm3/stを下回った場合には、燃料噴射を禁止することとした。つまり、燃料噴射量を4.5mm3/stでカットオフすることとした。これにより、HCの排出量を更に低減することができる。
また、本実施形態では、1気筒運転まで減筒した状態で燃料噴射量をカットオフするので、カットオフ時の全気筒平均噴射量を極めて少ない量とすることができる(図14の一番上のグラフ参照)。このため、カットオフ時のトルク段差を十分に抑制することができる。
上述した実施の形態8では、ECU50が1気筒運転時に燃料噴射量を4.5mm3/stでカットオフすることにより、前記第13の発明における「カットオフ手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼルエンジンの一つの気筒の断面を示す図である。 本発明の実施の形態1のディーゼルエンジンの運転領域を示す図である。 本発明の実施の形態1における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態4における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態5において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態5の変形例において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態6において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態7において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態8における極少噴射量領域の燃料噴射制御を説明するための図である。
符号の説明
10 ディーゼルエンジン
12 燃料インジェクタ
14 コモンレール
18 排気通路
20 排気マニホールド
22 排気ポート
24 ターボ過給機
26 触媒
28 吸気通路
34 吸気マニホールド
35 吸気ポート
36 吸気絞り弁
38 エアフローメータ
40 EGR通路
44 EGR弁
48 アクセルポジションセンサ
50 ECU
52 吸気弁
54 吸気動弁装置
56 排気弁
58 排気動弁装置
62 クランク角センサ
64 ピストン
68 冷却水温センサ

Claims (13)

  1. 多気筒内燃機関の気筒毎に設けられ、気筒内に燃料を噴射する燃料インジェクタと、
    前記燃料インジェクタから燃料を1サイクル中に複数回に分けて噴射させる噴射制御手段と、
    前記内燃機関に対する要求燃料噴射量を算出する要求燃料噴射量算出手段と、
    前記要求燃料噴射量に基づいて、前記燃料インジェクタの1回当たりの燃料噴射量が、着火を確保するために必要な最小噴射量以上になるか否かを判定する最小噴射量条件判定手段と、
    前記1回当たりの燃料噴射量が前記最小噴射量以上にならないと判定された場合に、燃料噴射を実行する気筒の数を減少させ、その減少させた気筒の分の燃料噴射量を、燃料噴射を継続する気筒の燃料噴射量に上乗せする減筒処理を行う減筒手段と、
    を備え、
    前記噴射制御手段は、前記減筒処理後に燃料噴射を継続する気筒の1サイクル中の燃料噴射回数が、当該減筒処理前と同じか、それ以上になるように制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記噴射制御手段は、前記減筒処理後に燃料噴射を継続する気筒において、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を複数回行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記減筒手段は、燃料噴射を停止させた気筒の吸気弁および排気弁の稼動を継続させることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記減筒手段は、前記要求燃料噴射量が少なくなるに従って、燃料噴射を実行する気筒の数を多段階に減少させる多段階減筒手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記多段階減筒手段は、燃料噴射を実行する気筒の数を各段階で半減させることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記多段階減筒手段は、燃料噴射を実行する気筒の数を各段階で一つずつ減少させることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記多段階減筒手段は、燃料噴射を実行する気筒の数を最小で2まで減少させることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記噴射制御手段は、前記減筒処理前に1サイクル中の燃料噴射回数を一時的に減らした後、当該減筒処理後に1サイクル中の燃料噴射回数を元の回数に戻す噴射回数制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記内燃機関の代表温度を取得する代表温度取得手段と、
    前記代表温度に応じて、前記減筒手段による減筒パターンを変更する減筒パターン切替手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  10. 標高またはその相関値を取得する標高取得手段と、
    標高に応じて、前記減筒手段による減筒パターンを変更する減筒パターン切替手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  11. 機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
    機関回転数に応じて、前記減筒手段による減筒パターンを変更する減筒パターン切替手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記減筒手段は、各気筒の燃料インジェクタの作動回数が均一化されるように、燃料噴射を停止させる気筒を選択する噴射停止気筒選択手段を含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  13. 燃料噴射を実行している気筒の数が所定の最小気筒数まで減らされている場合において、前記1回当たりの燃料噴射量が前記最小噴射量以上にならないと判定された場合に、燃料噴射を禁止するカットオフ手段を備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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