JP2009286758A - 流動層反応装置及びそれを用いた気相発熱反応方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に除熱管を有する流動層反応器を用いて気相発熱反応させる際に、蒸気を効率的に除熱管内に流通して反応器の温度制御を行うことで、十分にプロセス安定性及び経済性を満足する気相発熱反応方法を提供することを目的とする。
【解決手段】内部に複数の除熱管を有する流動層反応器に反応原料を供給し、気相発熱反応させる方法であって、(a)一の前記除熱管の内部に第1の蒸気及び/又は前記第1の蒸気を構成する物質の液体を流通して前記流動層反応器を除熱すると共に前記第1の蒸気及び/又は前記液体から過熱蒸気を生成する工程と、(b)前記過熱蒸気に前記第1の蒸気を構成する物質の液体を接触させて第2の蒸気を生成する工程と、(c)前記第2の蒸気を他の前記除熱管の内部に流通する工程とを有する気相発熱反応方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、除熱管を有する流動層反応装置及びそれを用いた気相発熱反応方法に関する。
流動層技術は19世紀後半に開発されて以来、各種の製造技術に応用がなされてきた。流動層の主たる工業的応用としては、石炭ガス化炉、FCCプラント、プロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリル製造プラント、ポリエチレン気相重合プラント、無水マレイン酸製造プラントなどが挙げられる。流動層反応器は、反応熱の除去又は付加が容易であるため、層内を均一温度に維持できること、爆発範囲の高濃度ガスの処理ができ、生産性が高いことなどが特徴として挙げられ、今後も各方面での応用、改良が期待されている。
気相発熱反応を行う流動層反応器は、その内部に除熱管を有し、水や蒸気を流通させることで反応熱を除去し、反応温度を制御している。
流動層反応器の内部に設置された除熱管に関わる発明として、例えば特許文献1には、炭素数4以上の脂肪族炭化水素を流動層反応器に供給して気相酸化反応により無水マレイン酸を製造するに際し、流動層反応器の希薄層温度を濃厚層温度より下げるよう除熱管を設置して、高収率で安定的に無水マレイン酸を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、流動層反応器において、熱を除去する、及び/又は、熱を与える熱交換チューブの配置が開示されている。
さらに、定常速度で冷媒を供給する除熱管と可変速度で冷媒を供給する除熱管とを用いて、反応温度を精密に制御する方法が特許文献3に記載されている。
特開平2−19370号公報 特開2002−213886号公報 国際公開第95/21692号パンフレット
反応温度は、流動層反応器を運転する際の重要な制御因子の一つである。反応温度の安定化は、目的生成物の収率を高位に維持する観点、及び安全運転の観点から必須の事項である。また、流動層反応器から副生する蒸気は重要な用役であり、工業規模での製造プラントにおいて、蒸気の効率的な使用は、経済性を大きく左右するのは言うまでもない。しかしながら、プロセス安定性及び経済性の両方を満足する流動層反応器の冷却方法については、いまだ改善の余地がある。
本発明は、内部に除熱管を有する流動層反応器を用いて気相発熱反応させる際に、蒸気を効率的に除熱管内に流通して反応器の温度制御を行うことで、十分にプロセス安定性及び経済性を満足する気相発熱反応方法及び流動層反応装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、流動層反応器の除熱管に冷媒として蒸気を安定的かつ経済的に流通する方法を鋭意検討した結果、この課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりの気相発熱反応方法及び流動層反応装置である。
[1]内部に複数の除熱管を有する流動層反応器に反応原料を供給し、気相発熱反応させる方法であって、(a)一の前記除熱管の内部に、第1の蒸気及び/又は前記第1の蒸気を構成する物質の液体を流通して前記流動層反応器を除熱すると共に、前記第1の蒸気及び/又は前記液体から過熱蒸気を生成する工程と、(b)前記過熱蒸気に前記第1の蒸気を構成する物質の液体を接触させて第2の蒸気を生成する工程と、(c)前記第2の蒸気を他の前記除熱管の内部に流通する工程とを有する気相発熱反応方法。
[2]前記反応原料が炭素数2〜4のアルカン及び/又はアルケンを含む、[1]の気相発熱反応方法。
[3]前記アルカンがプロパン及び/又はイソブタンである、[2]の気相発熱反応方法。
[4]前記アルケンがプロピレン及び/又はイソブチレンである、[2]の気相発熱反応方法。
[5]前記気相発熱反応がアンモ酸化反応である、[1]〜[4]のいずれか一つの気相発熱反応方法。
[6]流動層反応器と、その内部に配置された複数の除熱管と、一の前記除熱管と他の前記除熱管とに接続されたデスーパーヒーターと、を有する気相発熱反応用の流動層反応装置であって、(a)前記一の除熱管は、第1の蒸気及び/又は前記第1の蒸気を構成する物質の液体をその内部に流通して前記流動層反応器を除熱すると共に、前記第1の蒸気及び/又は前記液体から過熱蒸気を生成するものであり、(b)前記デスーパーヒーターは、前記過熱蒸気に前記第1の蒸気を構成する物質の液体を接触させて第2の蒸気を生成するものであり、(c)前記他の除熱管は、前記第2の蒸気をその内部に流通するものである流動層反応装置。
[7]複数の前記除熱管が下記式(1)で表される条件を満たすように配置されている、[6]の流動層反応装置。
0.70Smax≦Smin (1)
(式(1)中、Smaxは、前記流動層反応器を、その内部における反応原料及び反応生成物の流通方向に略直交する断面の中心を通り且つ前記断面に直交する仮想平面で4つの領域に等分した場合の、各前記領域における前記除熱管の外表面積合計値のうち最も大きな外表面積合計値を示し、Sminは、各前記領域における前記除熱管の外表面積合計値のうち最も小さな外表面積合計値を示す。)
[8]複数の前記除熱管のうち、最小の外表面積を有する前記除熱管の前記外表面積を基準として、それ以外の前記除熱管の前記外表面積がそれぞれ1〜10倍である、[6]又は[7]の流動層反応装置。
本発明によると、内部に除熱管を有する流動層反応器を用いて気相発熱反応させる際に、蒸気を効率的に除熱管内に流通して反応器の温度制御を行うことで、十分にプロセス安定性及び経済性を満足する気相発熱反応方法及び流動層反応装置を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、装置や部材の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態の気相発熱反応方法は、内部に複数の除熱管を有する流動層反応器に反応原料を供給し、気相発熱反応させる方法であって、(a)一の上記除熱管の内部に水蒸気及び/又は水を流通して流動層反応器を除熱すると共に上記水蒸気及び/又は水から過熱水蒸気を生成する工程と、(b)上記過熱水蒸気に水を接触させて水蒸気を生成する工程と、その水蒸気を他の上記除熱管の内部に流通する工程とを有する。
図1は、本実施形態の複数の除熱管を有する流動層反応装置の一例を概念的に示す概略図である。この流動層反応装置は気相発熱反応に用いられるもので、流動層反応器9と、その内部に配置された複数の除熱管を有する除熱システムとを有する。除熱システムは、具体的にはそれぞれ除熱管である冷却コイル2、スーパーヒートコイル3、蒸気コイル4、5、6と、気液分離容器1と、それぞれ複数の蒸気コイルに接続されたデスーパーヒーター7、8とを備える。流動層反応器9は、公知のものと同様であればよく、例えば、その下部に、反応原料であるガスの分散管及び/又は分散板を有し、その上部に、反応器から流出する反応ガスに混入した触媒を捕集するサイクロンを有しているものであってもよい。この場合、反応原料及び反応生成物は概して下から上へと流通する。
反応原料は、流動層反応器9の下側から接続された原料供給管(図示せず。)を経由して、必要量の流動層触媒が充填されている流動層反応器9に供給される。気相発熱反応で発生する熱は、流動層反応器9内に設けられた除熱管であるコイル2、3、4、5、6で冷却により除熱され、反応温度が制御される。
気相発熱反応としては特に限定されないが、例えば、酸化反応、アンモ酸化反応、アルキル化反応が挙げられる。
反応原料としては気相発熱反応の原料となるものであれば特に限定されず、例えば、アルカン、アルケン、アルコール、芳香族炭化水素が挙げられる。具体的には、上記アンモ酸化反応の場合、炭化水素等の有機化合物と、酸素や空気などの酸化剤と、アンモニアとが反応原料として用いられる。アンモ酸化反応の原料の一つとなる炭化水素の例として、アルカン及びアルケンが挙げられる。有機化合物及び酸化剤はそれぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
アルカンとしては炭素数1〜4のもの(メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン)が挙げられ、アルケンとしては炭素数2〜4のもの(エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン)が挙げられる。これらの中では、生成するニトリル化合物の化学品中間原料としての価値の観点から、アルカンとしてプロパン及び/又はイソブタン、アルケンとしてはプロピレン及び/又はイソブチレンが好ましい。
また、流動層反応器内に充填される気相発熱反応の触媒としては、その反応に通常用いられ固体触媒であれば特に限定されないが、例えば、シリカ等に担持された金属酸化物触媒が挙げられる。
気液分離容器1から飽和温度の水がポンプ1aを用いて冷却コイル2に供給される。冷却コイル2での水の圧力は、20〜60kg/cm2Gであるのが好ましく、さらに好ましくは、25〜50kg/cm2Gである。
冷却コイル2は、飽和温度の水の蒸発潜熱により流動層反応器9内の除熱を行うもので、反応器9の内部に1系列又は並列に複数系列配置される。図1には、直管部とU字型のベンド部とからなる1系列の冷却コイルの例が示されているが、冷却コイルはこの形態に限定されない。冷却コイル2の一端は、流動層反応器9の壁部でポンプ1aから送出された水を流通するラインと接続される。冷却コイル2はベンド部で反応器下方に曲げられ、直管部を経てさらにベンド部で上方に反転するように曲げられる。これを1パスと呼ぶ。図1における冷却コイル2は、3パスの例である。冷却コイル2はその他端で、気液分離容器1に連結されたラインと接続される。これを一つの系列と呼び、好ましくは複数系列の冷却コイル2が設置される。なお、本発明において、複数系列の除熱管が設置される場合、各系列の除熱管が一つの除熱管であり、複数系列の除熱管は複数の除熱管から構成される。
冷却コイル2のコイル径は、外径基準で20mm〜200mm、直管部の長さLcは、反応器長さをLrとした場合、Lc/Lrが0.05〜0.8となるような長さであることが好ましい。さらに好ましくは、Lc/Lrが0.2〜0.7である。冷却コイル2のパス数は、1〜10パスであることが好ましい。冷却コイル2の材質は、例えば、JIS G−3458に規定される鋼管とJIS B−2311に規定されるエルボ管とが採用でき、温度、圧力の使用条件が満たされれば特に限定されない。
冷却コイル2内を流通する水は、流動層反応容器9内での発熱反応に起因して加熱され、その少なくとも一部が蒸発する。この蒸発により発生する水蒸気量は、下記式(2)で計算される蒸発率Rvが、5〜30%となることが好ましい。
Rv=(水蒸気質量)/(冷却コイル2に供給される水の質量)×100 (2)
また、冷却コイル2は、下記式(3)で計算される必要除熱量Qcの70〜95%の除熱を担うことが好ましい。
Qc=Qr−(Qe−Qi)−Qd (3)
ここで、式(3)中、Qcは必要除熱量、Qrは反応器9での気相発熱反応の反応発熱量、Qeは反応器9から流出するガスの顕熱量、Qiは反応器9に供給する原料ガスの顕熱量、Qdは反応器9での放熱量をそれぞれ示し、各熱量の単位は互いに同一である。
冷却コイル2で発生した水蒸気及び水は、冷却コイル2の他端に接続されたラインを経由して気液分離容器1に戻り、気液分離容器1の上部より水蒸気が取り出される。気液分離容器1の水位調整のため、図示されていないラインから気液分離容器1に水が供給される。
気液分離容器1から取り出された水蒸気(高圧水蒸気)は、ライン10を介して、例えば高圧水蒸気を必要とする他設備に供給される。また、必要に応じ、ライン10から分岐したラインを介して、必要量の高圧水蒸気を流動層反応器9内に設けられたスーパーヒートコイル3に供給することができる。スーパーヒートコイル3は、高圧水蒸気を内部に流通し、水蒸気の顕熱変化で流動層反応器9内を除熱する以外は、冷却コイル2と同様の仕様とすることができる。スーパーヒートコイル3は、必要除熱量Qcの0〜15%の除熱を担うことが好ましい。スーパーヒートコイル3で過熱された高圧水蒸気はライン10から分岐した上記とは別のラインを介して、ライン10に戻される。
気液分離容器1から取り出された高圧水蒸気の余剰分は、ライン10から分岐したライン11を経由して、蒸気コイル4に供給され、更にデスーパーヒーター7、蒸気コイル5、デスーパーヒーター8、蒸気コイル6に流通する。ライン11を流通する余剰の高圧水蒸気は、例えば、気液分離容器1から発生する全水蒸気量の5〜50%である。水蒸気が不足する場合など必要があれば、外部からライン12を介して高圧水蒸気を導入することもできる。
ライン11からの高圧水蒸気は、まず、ライン11aを経由して蒸気コイル4に供給される。蒸気コイル4は、1系列であってもよいが、流動層反応器9における気相発熱反応の反応温度のバラツキを減らし、均一な反応進行を達成させる目的で複数系列が設置されるとより好ましい。蒸気コイル4の一端及び他端は、それぞれ流動層反応容器9の壁部でライン11a、ライン13と接続される。
蒸気コイル4のコイル径は、外径基準で20mm〜200mm、直管部の長さLv4は、反応器長さをLrとした場合、Lv4/Lrが0.05〜0.8となるような長さであると好ましい。さらに好ましくは、Lv4/Lrが0.2〜0.7である。蒸気コイル4のパス数は、1〜10パスであることが好ましい。蒸気コイル4の材質は、JIS G−3458に規定される鋼管とJIS B−2311に規定されるエルボ管とが採用でき、温度、圧力の使用条件が満たされれば特に限定されない。
ライン11からの高圧水蒸気の一部は、蒸気コイル4をバイパスするように設けられたライン11bを経由して、デスーパーヒーター7に供給されてもよい。ライン11a及び11bのそれぞれを流通する高圧水蒸気量(蒸気コイル4への高圧水蒸気の供給量と蒸気コイル4をバイパスする高圧水蒸気量とのバランス)は、流動層反応器9内の温度を調整するよう制御されると好ましい。例えば、ライン11aから蒸気コイル4内に流通する高圧水蒸気量は、反応器9内に設置された少なくとも1つの温度計で示される温度を参照して手動で制御されてもよい。あるいは、反応器9内の温度が目標の温度となるように、ライン11aを流通する水蒸気量が自動制御されてもよい。水蒸気量を自動制御する場合、設定した目標温度となるよう、蒸気コイル4内を流通する水蒸気量を、ライン11aに設置した図示しない弁の全開放/全閉止により制御してもよく、あるいはライン11a及び/又はライン11bに設置した図示しない流量制御弁によって制御してもよい。蒸気コイル4内を流通する水蒸気の流量制御は、頻繁に行われるのがよい。この流量制御は、1時間に1回以上、好ましくは30分に1回以上行われることが好ましい。
上記温度計は、ケミカルプラントに用いられる通常のものであれば、特に形式など限定されない。温度計は触媒層の温度分布を把握できる箇所に複数個設置することが好ましい。温度計の設置個数は、流動層反応器9の高さをLrとすると、反応器9の下端より0.1Lr〜0.5Lrの範囲に、反応器9の容積1m3当たり0.01〜10個であると好ましい。
蒸気コイル4内を流通する高圧水蒸気は、流動層反応器9内での発熱反応に起因して加熱され、過熱水蒸気となって更にライン13を流通する。当該過熱水蒸気と蒸気コイル4をバイパスした高圧水蒸気とは合流し、デスーパーヒーター7に供給される。
デスーパーヒーター7内の圧力は、例えば気液分離容器1の圧力よりも2〜8kg/cm2低い圧力に設定される。デスーパーヒーター7では、ポンプ7aを用いて、水をスプレー循環方式により循環させ、供給した水蒸気と向流接触させ、一部の水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に、過熱水蒸気の温度を低下させる。循環させる水の、スプレーによりデスーパーヒーター7に供給する際の温度は、水の飽和温度±3℃とするのが好ましい。デスーパーヒーター7には、外部から図示していないラインを介して水が供給される。過熱水蒸気の温度をデスーパーヒーターによって低下させることにより、水蒸気と反応温度との温度差がある程度大きく保たれ、冷媒として再利用できる。
デスーパーヒーター7によって冷却された水蒸気は、デスーパーヒーター7の上部から取り出され、蒸気コイル5に供給される。また、デスーパーヒーター7から取り出された水蒸気は、その一部が蒸気コイル5をバイパスして、デスーパーヒーター8に直接供給されてもよい。蒸気コイル5の仕様(ラインとの接続、系列の数、コイル径、直管部の長さ、パス数、材質など)は蒸気コイル4の仕様と同様であればよい。また、蒸気コイル5への水蒸気の供給量と蒸気コイル5をバイパスする水蒸気量とのバランスは、蒸気コイル4への高圧水蒸気の供給量と蒸気コイル4をバイパスする高圧水蒸気量とのバランスと同様にして制御すればよい。蒸気コイル5内を流通する水蒸気は、流動層反応器9内での発熱反応に起因して加熱され過熱水蒸気となる。この過熱水蒸気と蒸気コイル5をバイパスした水蒸気とは合流し、デスーパーヒーター8に供給される。
デスーパーヒーター8内の圧力は、例えばデスーパーヒーター7の圧力よりも2〜8kg/cm2低い圧力に設定される。デスーパーヒーター8では、ポンプ8aを用いて、水をスプレー循環方式により循環させ、供給した水蒸気と向流接触し、一部の水を蒸発させることで、過熱水蒸気の温度を低下させる。循環させる水の、スプレーによりデスーパーヒーター8に供給する際の温度は、水の飽和温度±3℃とするのが好ましい。デスーパーヒーター8には、外部から図示していないラインを介して水が供給される。過熱水蒸気の温度をデスーパーヒーターによって低下させることにより、水蒸気と反応温度との温度差がある程度大きく保たれ、冷媒として再利用できる。
デスーパーヒーター8によって冷却された水蒸気は、デスーパーヒーター8の上部から取り出され、蒸気コイル6に供給される。また、デスーパーヒーター8から取り出された水蒸気は、その一部が蒸気コイル6をバイパスしてもよい。蒸気コイル6の仕様(ラインとの接続、系列の数、コイル径、直管部の長さ、パス数、材質など)は蒸気コイル4の仕様と同様であればよい。また、蒸気コイル6への水蒸気の供給量と蒸気コイル6をバイパスする水蒸気量とのバランスは、蒸気コイル4への高圧水蒸気の供給量と蒸気コイル4をバイパスする高圧水蒸気量とのバランスと同様にして制御すればよい。蒸気コイル6内を流通する水蒸気は、流動層反応器9内での発熱反応に起因して加熱され過熱水蒸気となる。この過熱水蒸気と蒸気コイル6をバイパスした水蒸気とは合流し、例えば中低圧水蒸気を必要とする他設備に供給される。
上述の蒸気コイル4、5、6は、例えば必要除熱量Qcの5〜20%の除熱を担う。
図2は、本実施形態に係る流動層反応器9における、上記各コイル(除熱管)の配置を説明するための図である。この図2は、反応器9内を図1のS方向から見た場合に上記各コイルが存在する位置を示す模式図である。
なお、図2は流動層反応器9において、コイルの存在位置と、各コイルの外表面積をマスを用いて模式的に示すものであり、反応器9の特定の高さにおけるS方向に直交する断面(以下、単に「横断面」という。)を表すものではない。また、反応器9の高さ位置により、その横断面の態様は異なるが、図2は反応器9に固有のものである。1マスは外表面積の単位面積を表し、互いに接する複数のマスは単独のコイルを構成する。各コイルの外表面積比は、互いに接するマスの合計値で表現している。また、マスで覆われた領域が反応器9内における各コイルの存在する位置を示している。最小の外表面積を有するコイルの外表面積を基準(1マス)として、それ以外のコイルの外表面積がそれぞれ1〜10倍となっているのが好ましく、1〜5倍となっているのがより好ましい。外表面積の比較においては、冷却コイル、スーパーヒートコイル、蒸気コイルの種類は区別せず、全てのコイルの中で外表面積が最小のコイルの外表面積を基準として、その他全てのコイルの外表面積がその何倍であるかを比較する。図2において、最小の外表面積は1マスであり、各コイルの外表面積は、1〜10マスの範囲となっており、最小の外表面積を有するコイルの外表面積を基準(1マス)として、それ以外のコイルの外表面積がそれぞれ1〜10倍という条件を満足している。
さらに、横断面の中心を通る仮想平面(図2中、一点鎖線で示した線)により4つの領域(0〜90°、90〜180°、180〜270°、270〜0°;図2において扇状で示される。)に等分している。表1に、マス数で表される各コイルの外表面積合計値を示す。
Figure 2009286758
まず、0〜90°、90〜180°、180〜270°及び270〜0°の各扇状の領域内に存在する冷却コイル、スーパーヒートコイル及び蒸気コイルの外表面積合計値は、上記表1の各欄に示すとおりである。表1の最下欄に示すとおり、図2に示すコイルのSmaxは270〜0°の34であり、Sminは0〜90°の31であるので、上記式(1)で表される条件を満たしている。さらに、各コイル(冷却コイル、スーパーヒートコイル、蒸気コイル)の種類別に見た場合の伝熱面積合計値についても、表1の最右欄に示すとおり、上記式(1)で表される条件を満たしている。
図2に示すように各コイルを配置することにより、流動層反応器9内の温度分布を均一に近づけることができ、流動層における気相発熱反応を行う上で好ましい。
以上説明した本実施形態では、気相発熱反応を行う流動層反応器を運転するに際し、反応器の温度制御性を向上させると共に、水蒸気を安定的に有効利用することができる。したがって、本実施形態の気相発熱反応方法は、流動層反応器内で気相発熱反応を行う際の、その反応器内の温度制御方法でもあり、気相発熱反応により発生する熱を利用して蒸気(水蒸気)を発生する方法ともいえる。また、上述から明らかなように、本実施形態は流動層反応器での気相発熱反応系内の除熱システムに関するものでもあり、気相発熱反応により発生する熱を利用した蒸気(水蒸気)の生産システムに関するものともいえる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
過熱水蒸気のデスーパーヒートは、公知の方法であればよく、上記デスーパーヒーター7のようなドラム(容器)を用いる方法の他、ライン13又はライン13とライン11bとの合流後のラインに水をスプレーにより導入する方法も採用できる。
さらに、上述の蒸気コイル6は省略されてもよい。その場合、デスーパーヒーター8からの水蒸気は全て他設備に供給される。
図1に示す流動層反応装置では、蒸気コイル4、5、6が流動層反応器9内に設置されているが、蒸気コイル6内を流通して得られる過熱水蒸気を、更にデスーパーヒートによって冷却させた後、反応器9内に設けられた蒸気コイルに供給することも可能である。このように、過熱水蒸気のデスーパーヒート、並びに、それにより得られた水蒸気の流動層反応器9内に設置された除熱管への供給の回数に制限はない。
また、蒸気コイル4、5、6のそれぞれの系列数に制限はなく、反応器内に均一に配置されるのが好ましい。
さらに、各除熱管の配置は、図3に示すものであってもよい。図3は、本実施形態に係る流動層反応器9における、上記各コイルの配置を説明するための図であり、図2と同様にしてその配置及び外表面積を示している。
Figure 2009286758
まず、0〜90°、90〜180°、180〜270°及び270〜0°の各扇状の領域内に存在する冷却コイル、スーパーヒートコイル及び蒸気コイルの外表面積合計値は、上記表2の各欄に示すとおりである。表2の最下欄に示すとおり、図3に示すコイルのSmaxは90〜180°及び270〜0°の33であり、Sminは0〜90°の23であるので、上記式(1)で表される条件を満たしている。冷却コイル及び蒸気コイルの伝熱面積合計値について、表2の最右欄に示すとおり、上記式(1)で表される条件を満たしている。
図3に示すように各コイルを配置することにより、図2に示す配置よりも劣るものの、流動層反応器9内の温度分布を均一に近づけることができ、流動層における気相発熱反応を行う上で好ましい。
本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されない。なお、実施例で用いる流動層反応装置は、図1に示したものと同様であり、除熱管(スーパーヒートコイル)内に飽和蒸気を流通して過熱蒸気を得、その過熱蒸気をデスーパーヒートにより冷却した後、別の除熱管(蒸気コイル)に流通する除熱システムを有する以外は、通常の気相発熱反応に用いられるものであった。さらに詳しくは、流動層反応器の下部には、反応原料であるガスの分散管及び/又は分散板を有し、反応熱の除去のための各除熱管が内装されていた。また、流動層反応器の上部には、反応器から流出する反応ガスに混入した触媒を捕集するサイクロンを有していた。
計器、付属設備は通常使用されるものであり、通常の誤差範囲内のものであった。反応生成物の収率及び未反応率は、反応ガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで測定した分析データから下式により計算した。
(反応生成物の収率(%))=(生成物中の炭素重量(g))/(供給した反応原料である有機化合物中の炭素質量(g))×100
(未反応率(%))=(未反応の反応原料である有機化合物中の炭素質量(g))/(供給した反応原料である有機化合物中の炭素質量(g))×100
[実施例1]
反応原料であるプロピレン、アンモニア及び空気を図1に示すものと同様の流動層反応装置内の図2に示すものと同様の流動層反応器9に供給し、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおりに行った。除熱システムは、図1に示すものと同様に、冷却コイル2、スーパーヒートコイル3、蒸気コイル4、5、6と、気液分離容器1と、デスーパーヒーター7、8とを備えるものを用いた。
流動層反応器9は、内径8m、長さLr20mの縦型円筒型で、下から2m(0.1Lr)の位置に空気分散板、その上に原料ガス分散管を有するものであった。触媒層の温度を測定するため、温度計は、空気分散板から上方1.5〜4.5mの間に20点取り付けられていた。
触媒には、粒径10〜100μm、平均粒径55μmであるモリブデン−ビスマス−鉄系担持触媒を用い、静止層高2.7mとなるよう充填した。空気分散板から空気を56000Nm3/h供給し、原料ガス分散管からプロピレンを6200Nm3/h及びアンモニアを6600Nm3/h供給した。反応器内の圧力は0.70kg/cm2Gであった。
反応温度の目標値を443℃に設定し、冷却コイル2、スーパーヒートコイル3を用いて温度制御を実施した。空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の20点の温度計の平均温度は、445℃であった。
気液分離容器1の圧力は31kg/cm2Gであり、発生した高圧水蒸気の65%は、反応原料供給用の空気コンプレッサー駆動のため、ライン10から蒸気タービンに供給した。35%の余剰の高圧水蒸気を、ライン11から蒸気コイル4に供給し、さらに、デスーパーヒーター7、蒸気コイル5、デスーパーヒーター8、蒸気コイル6に流通した。
蒸気コイル4、5、6内を流通する蒸気量を、空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の、20点の温度計の平均温度が440℃になるよう、流量制御弁にて制御した。各20点の温度計の指示値は、434℃〜445℃の範囲にあり、平均値は440℃であった。デスーパーヒーター7、8では、飽和温度の水をポンプを用いてスプレー循環方式により循環させ、それぞれ蒸気コイル4、5から取り出される過熱水蒸気と向流接触させた。除熱システムの運転条件は、表3に示すとおりであった。なお、表中、「流量(%)」は、気液分離容器1から流出する高圧水蒸気の質量を100%として百分率で示されている(以下同様)。
他設備において、15kg/cm2Gの蒸気の需要があり、ライン14から取り出した水蒸気は、そのまま他設備に送り、利用した。
反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は81.5%、プロピレンの未反応率は1.1%であった。
Figure 2009286758
[実施例2]
反応原料のうちプロピレンをプロパンに代えた以外は実施例1と同じ条件で反応原料を流動層反応器に供給し、プロパンのアンモ酸化反応を下記のとおりに行った。
触媒には、粒径10〜100μm、平均粒径55μmであるモリブデン−バナジウム系担持触媒を用い、静止層高2.2mとなるよう充填した。空気分散板から空気を64500Nm3/h供給し、原料ガス分散管からプロパンを4300Nm3/h及びアンモニアを4300Nm3/h供給した。反応器内の圧力は0.75kg/cm2Gであった。
反応温度の目標値を443℃に設定し、冷却コイル2、スーパーヒートコイル3を用いて温度制御を実施した。空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の20点の温度計の平均温度は、444℃であった。
気液分離容器1の圧力は31kg/cm2Gであり、発生した高圧水蒸気の75%は、反応原料供給用の空気コンプレッサー駆動のため、ライン10から蒸気タービンに供給した。25%の余剰の高圧水蒸気を、ライン11から蒸気コイル4に供給し、さらに、デスーパーヒーター7、蒸気コイル5、デスーパーヒーター8、蒸気コイル6に流通した。
蒸気コイル4、5、6内を流通する蒸気量を、空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の20点の温度計の平均温度が440℃になるよう、流量制御弁にて制御した。各20点の温度計の指示値は、435℃〜444℃の範囲にあり、平均値は440℃であった。デスーパーヒーター7、8では、飽和温度の水をポンプを用いてスプレー循環方式により循環させ、それぞれ蒸気コイル4、5から取り出される過熱水蒸気と向流接触させた。除熱システムの運転条件は、表4のとおりであった。
他設備において、15kg/cm2Gの蒸気の需要があり、ライン14から取り出した水蒸気は、そのまま他設備に送り、利用した。
反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は52.1%、プロパンの未反応率は10.8%であった。
Figure 2009286758
[実施例3]
図2に示すものと同様の除熱管の配置を有する流動層反応器9に代えて図3に示すものと同様の除熱管の配置を有する流動層反応器9を用いた以外は実施例1と同様にして、プロピレンのアンモ酸化反応を行った。除熱システムの運転条件は、表3に示す条件と同様であった。各20点の温度計の指示値は、431℃〜448℃の範囲にあり、平均値は440℃であった。
反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は81.0%、プロピレンの未反応率は1.1%であった。
[比較例1]
図1に示す除熱システムを用いずに、図4に示すような除熱システムを用いた以外は、実施例1と同様にしてプロピレンのアンモ酸化反応を行った。図4に示す除熱システムは、上記実施例と同様に、気液分離容器1と、冷却コイル2と、スーパーヒートコイル3とを備えている一方で、蒸気コイル4、5、6と、デスーパーヒーター7、8とを備えていなかった。この除熱システムにおける各コイルの配置は図5に示すとおりであり、各コイルの各扇型の領域における外表面積合計値は表5に示すとおりであった。なお、図5は、図2、3と同様にして各コイルの配置及び外表面積比を示したものである。
Figure 2009286758
反応温度の目標値を440℃に設定し、冷却コイル2、スーパーヒートコイル3を用いて温度制御を実施した。空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の各20点の温度計の指示値は、426℃〜451℃の範囲にあった。また、それら20点の温度計の指示値の平均値は、440℃であった。
ライン11から取り出した余剰の高圧水蒸気は、ライン11に設置された圧力調節弁により30kg/cm2Gから15kg/cm2Gまで落圧後、当該蒸気を使用する他設備に送った。
反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は79.9%、プロピレンの未反応率は1.0%であった。
[比較例2]
図1に示す除熱システムを用いずに、図6に示すような除熱システムを用いた以外は、実施例2と同様にしてプロパンのアンモ酸化反応を行った。図6に示す除熱システムは、上記実施例と同様に、気液分離容器1と、冷却コイル2と、スーパーヒートコイル3、蒸気コイル4、5、6とを備えている一方で、デスーパーヒーター7、8を備えていなかった。この除熱システムにおける各コイルの配置は図2に示すとおりであり、各コイルの各扇型の領域における外表面積合計値は表1に示すとおりであった。
反応温度の目標値を443℃に設定し、冷却コイル2、スーパーヒートコイル3を用いて温度制御を実施した。空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の20点の温度計の指示値の平均値は、444℃であった。
気液分離容器1の圧力は31kg/cm2Gであり、発生した高圧水蒸気の75%は、反応原料供給用の空気コンプレッサー駆動のため、ライン10から蒸気タービンに供給した。25%の余剰の高圧水蒸気を、ライン11から、さらに不足分はライン12から蒸気を導入し、蒸気コイル4、5、6に流通した。
蒸気コイル4、5、6内を流通する蒸気量を、空気分散板から上方1.5〜4.5mの間の、20点の温度計の平均温度が440℃になるよう、流量制御弁にて制御した。各20点の温度計の指示値は、435℃〜444℃の範囲にあり、平均値は440℃であった。除熱システムの運転条件は、表6のとおりであった。
他設備において、蒸気の需要があり、ライン14から取り出した水蒸気を送ったが、5%余剰であり、使途がなかったため、大気に放出した。
反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は52.1%、プロパンの未反応率は10.8%であった。
Figure 2009286758
本発明の方法は、流動層反応器を用いて気相発熱反応を実施する際に、有効に利用できる。
本実施形態の流動層反応装置の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る各除熱管のS方向に直交する方向の配置を、各除熱管の外表面積と共にマスを用いて示す概念図である。 別の本実施形態に係る各除熱管のS方向に直交する方向の配置を、各除熱管の外表面積と共にマスを用いて示す概念図である。 比較例に係る流動層反応装置を示す概略図である。 比較例に係る流動層反応器における各除熱管の配置を説明するための横断面図である。 別の比較例に係る流動層反応器における各除熱管の配置を説明するための横断面図である。
符号の説明
1 気液分離容器
2 冷却コイル
3 スーパーヒートコイル
4 蒸気コイル
5 蒸気コイル
6 蒸気コイル
7 デスーパーヒーター
8 デスーパーヒーター
9 流動層反応器
10〜14 ライン

Claims (8)

  1. 内部に複数の除熱管を有する流動層反応器に反応原料を供給し、気相発熱反応させる方法であって、
    (a)一の前記除熱管の内部に、第1の蒸気及び/又は前記第1の蒸気を構成する物質の液体を流通して前記流動層反応器を除熱すると共に、前記第1の蒸気及び/又は前記液体から過熱蒸気を生成する工程と、
    (b)前記過熱蒸気に前記第1の蒸気を構成する物質の液体を接触させて第2の蒸気を生成する工程と、
    (c)前記第2の蒸気を他の前記除熱管の内部に流通する工程と、
    を有する気相発熱反応方法。
  2. 前記反応原料が炭素数2〜4のアルカン及び/又はアルケンを含む、請求項1に記載の気相発熱反応方法。
  3. 前記アルカンがプロパン及び/又はイソブタンである、請求項2に記載の気相発熱反応方法。
  4. 前記アルケンがプロピレン及び/又はイソブチレンである、請求項2に記載の気相発熱反応方法。
  5. 前記気相発熱反応がアンモ酸化反応である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の気相発熱反応方法。
  6. 流動層反応器と、その内部に配置された複数の除熱管と、一の前記除熱管と他の前記除熱管とに接続されたデスーパーヒーターと、を有する気相発熱反応用の流動層反応装置であって、
    (a)前記一の除熱管は、第1の蒸気及び/又は前記第1の蒸気を構成する物質の液体をその内部に流通して前記流動層反応器を除熱すると共に、前記第1の蒸気及び/又は前記液体から過熱蒸気を生成するものであり、
    (b)前記デスーパーヒーターは、前記過熱蒸気に前記第1の蒸気を構成する物質の液体を接触させて第2の蒸気を生成するものであり、
    (c)前記他の除熱管は、前記第2の蒸気をその内部に流通するものである
    流動層反応装置。
  7. 複数の前記除熱管が下記式(1)で表される条件を満たすように配置されている、請求項6に記載の流動層反応装置。
    0.70Smax≦Smin (1)
    (式(1)中、Smaxは、前記流動層反応器を、その内部における反応原料及び反応生成物の流通方向に略直交する断面の中心を通り且つ前記断面に直交する仮想平面で4つの領域に等分した場合の、各前記領域における前記除熱管の外表面積合計値のうち最も大きな外表面積合計値を示し、Sminは、各前記領域における前記除熱管の外表面積合計値のうち最も小さな外表面積合計値を示す。)
  8. 複数の前記除熱管のうち、最小の外表面積を有する前記除熱管の前記外表面積を基準として、それ以外の前記除熱管の前記外表面積がそれぞれ1〜10倍である、請求項6又は7に記載の流動層反応装置。
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