JP2009286664A - 金属酸化物粒子粉末及びその製造方法 - Google Patents

金属酸化物粒子粉末及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微粒化、均粒化され、且つ黒色度と高電気導電性に優れ、広範な用途に使用可能な導電性黒色顔料を提供すること。
【解決手段】銀または銀化合物で粒子表面を被覆した、電磁波シールド電極形成導電ペースト用、遮光層電極形成導電ペースト用、またはバス電極形成導電ペースト用金属酸化物粒子粉末である。Co、Mn、Cu、Ni、Mo、Wの中から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。銀または銀化合物被覆量が1〜45質量%であることも好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属酸化物粒子粉末およびその製造方法に関する。具体的には電磁波シールド用電極材料、遮光層形成用黒色電極材料、バス電極用材料に用いられる。
プラズマディスプレイパネルは前面ガラス基板と背面ガラス基板とを所定の空間を有して互いに対向させて構成してあり、該空間には放電ガスとして希ガスを封入した構造となっている。隔壁で分離された放電セル内部にプラズマ放電を発生させて、この時発生する紫外線が背面ガラス基板に塗布された蛍光体に衝突して、該蛍光体を励起し、これが励起状態から基底状態に戻るときのエネルギーの差により発生する可視光線の発光現象を利用したものである。
前面ガラス基板には、放電のためのITO等からなる透明電極と、該透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極とから成る表示電極が多数配列されている。そして、前記バス電極を形成する際に、表示側となる下層に、黒色顔料と導電性粉末を含む黒色ペーストを印刷し、その上に銀ペーストを用いて白層を形成し、白黒二層構造の電極を形成する方法が取られたりする(特許文献1)。
この際用いられる黒色顔料は抵抗値が低いものが好ましく、酸化ルテニウム、四酸化三コバルトをはじめとする、各種材料が用いられている。一方、導電性粉末としては、導電性、加工性、価格の面から銀粉が最も有効であり広く用いられている。
また、一般的に画像を表示するディスプレイ装置の前面には、外部に放射される電磁波を遮蔽するための電磁波シールド板が備わる。電磁波シールド板には、電磁波を遮蔽する機能の他に、ディスプレイの表示画面の視認性を低下させないことが求められる。
電磁波シールド板には、金属メッシュタイプと透明膜タイプの2種類に大別される。電磁波遮蔽の原理は電磁波を吸収し、外部に電流として取り出すものである。したがって、金属メッシュタイプの場合にはその金属が充分な導電性を示すことが必要である。一方、透明膜タイプの場合は透明膜にて電磁波を吸収し、その電流を外部に取り出すための導電性電極パターンが形成される。
上記、金属メッシュパターンおよび透明膜タイプの電極パターンを銀などの導電性塗料を用いて形成する場合は、銀が乳白色を呈しているため、ディスプレイのコントラストが悪化してしまうという問題がある。
その対策として、電磁波吸収材料として銀などの導電性塗料で金属メッシュを作成する場合にも、銀と黒色顔料(黒鉛、Ru、Mn、Ni、Cr、Fe、Co等)を混合したペーストが使用されている(特許文献2)。
特開平4−272634号公報 特開平11−311950号公報
上述したことからも明らかなとおり、ディスプレイパネル用のバス電極や電磁波吸収材料用電極に使用される黒色電極形成材料は出来るだけ導電性が高く、かつ黒色度が高いことが望ましい。実際には上記特許文献に代表されるとおり、導電性粉末である銀と各種黒色顔料を配合したペーストが広く用いられている。しかし、単に混合し、配合した材料を用いただけでは、導電性と黒色度を両立させることは困難である。殊に、銀固形成分は、ペースト中のおよそ50〜90%を占めており、高価な材料を多用することによる、生産コストの問題も抱えている。
したがって、本発明の課題は、ディスプレイパネル用のバス電極用材料、電磁波シールド用電極材料、遮光層形成用黒色電極材料の黒色導電性材料として具備すべき黒色度と高導電性を兼ね備えた材料であり、コスト面でも銀量を低減できる黒色電極形成材料を提供することにある。
本発明者等は、各種金属酸化物を主成分とする材料を鋭意検討した結果、銀で粒子表面を被覆した金属酸化物粒子粉末が、充分な黒色度と高い電気導電性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は銀または銀化合物で金属酸化物コア粒子表面を被覆した、電磁波シールド電極形成導電ペースト用、遮光層電極形成導電ペースト用、またはバス電極形成導電ペースト用金属酸化物粒子粉末である。
本発明の金属酸化物粒子粉末は、黒色度に優れ、かつ高い電気導電性を有するため、電磁波シールド用電極材料、ブラックマトリックス用黒色電極材料、遮光層を兼務したバス電極用材料等の用途に好適である。
以下、本発明を、その好ましい形態に基づき説明する。
本発明は、コア粒子である金属酸化物粒子表面に銀または銀化合物が被覆されている、電磁波シールド電極形成導電ペースト用、遮光層電極形成導電ペースト用、またはバス電極形成導電ペースト用金属酸化物粒子粉末である。
そして、本発明の金属酸化物粒子粉末は、Co、Mn、Cu、Ni、Mo、Wのうち1種又は2種以上を含有した金属酸化物粒子がコア粒子であることが好ましく、該コア粒子表面上を銀または銀化合物で被覆した銀被覆金属酸化物粒子からなるものである。上記成分を含有する金属酸化物コア粒子であると、用途に好適な黒色度をもたらす材料が得られ、好ましい。
また、本発明の金属酸化物粒子粉末は、少なくともCoを含有し、かつMn、Cu、Ni、Mo、Wのうち1種又は2種以上を含有した金属酸化物粒子がコア粒子であることが好ましい。Coを含有した場合、黒色度が飛躍的に向上されることがあり、その好ましい含有量は50〜60質量%であり、より好ましくは52〜58質量%である。また、Co以外の成分の総含有量については、好ましい含有量は12〜22質量%であり、より好ましくは14〜20質量%である。また、CoとCo以外の総成分量のモル比は2.9〜4.5であることが好ましい。
また、本発明の金属酸化物粒子粉末の結晶構造は、スピネルあるいは逆スピネル型をとることが、性能の安定性を発揮する上で好ましい。
また、本発明の金属酸化物粒子粉末の銀または銀化合物被覆量は1〜45質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜43質量%であり、更に好ましくは5〜41質量%であると良い。上記銀または銀化合物被覆量が1〜45質量%であると、導電性を損なうことなく、黒色度のバランスが取れ、しかも高価な銀を多用することなく、経済的である。
本発明の金属酸化物粒子粉末は、金属酸化物コア粒子表面に銀または銀化合物が被覆されている。この被覆物は銀が最も好ましいが、Ag2Oの様な酸化物等の化合物であっても良い。また、被覆に限らず、銀または銀化合物の微粒子が金属酸化物コア粒子表面上に固着、付着している形態であっても良い。
本発明の金属酸化物粒子粉末の一次粒子径は0.02〜0.6μmであることが好ましい。一次粒子径がこの範囲にあると、粒子の微細化による色相不良や分散性不良、粗大化による着色力不足、導電性低下をより抑制することができる。
本発明の金属酸化物粒子粉末の嵩密度は0.2〜1.0g/cm3であることが好ましい。嵩密度がこの範囲にあると、ペースト化する際のハンドリングが容易で、凝集も抑制され、分散性を阻害することがなく、好ましい。
本発明の金属酸化物粒子粉末は、使用される樹脂を含む塗膜形成成分やガラスフリット等のペースト構成材料に応じて、分散性改良等の目的で、有機表面処理が施されていても良く、特に、疎水化表面処理が施されているのが好ましい。
本発明の金属酸化物粒子粉末は、塗料化し、形成した塗膜の表面電気抵抗が2.0×10-1Ω/□以下であることが好ましい。この程度の表面電気抵抗を示す金属酸化物粒子粉末であると、バス電極あるいは電磁波遮蔽材料用の電極に用いる材料として好適である。
本発明の金属酸化物粒子粉末は、コート紙上の塗膜の色がL値で25以下、a値が0.4以下、b値が0.4以下であることが好ましい。L値が25以下であると、十分な黒色度が確保されていると言える。また、a値が0.4以下であると、色相の赤みが抑制され、b値が0.4以下であると、色相の黄色みが抑制される。
本発明の金属酸化物粒子粉末の粒子形状は特に制限はない。例えば、球状、紡錘状、板状、六面体、八面体等の形状いずれも使用可能であり、その形態は合成中の雰囲気や焼成条件によって制御できる。
次に、本発明の金属酸化物粒子粉末の好ましい製造方法について具体的に述べる。
本発明の金属酸化物粒子粉末は、以下に示す(イ)金属酸化物コア粒子の調整工程、及び(ロ)銀被覆工程の二つの工程を経て製造される。
まず、(イ)の工程について説明する。
金属塩水溶液とアルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーを温度40℃〜60℃、pH10〜13に維持して酸化し前駆体を得て、固液分離後、固形分を熱処理させることで、金属酸化物コア粒子粉末を得る。この際、用いる金属塩は水溶性のCo、Mn、Cu、Ni、Mo、Wの中から1種または2種以上の金属塩を選択すると良い。
上記Co、Mn、Cu、Ni、Mo、Wの水溶性金属塩としては、例えば硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、ナトリウム塩などが挙げられる。金属塩混合水溶液中の金属イオン濃度は、生産性等を考慮して、総イオン濃度で0.5〜2.0mol/L程度に調整すれば良い。
使用する金属塩を水溶液中に溶解させるためには、水溶液の温度を30〜60℃にすることが好ましい。水溶液温度をこの範囲で制御することにより、未溶解の金属塩が水溶液中に残ることなく、アルカリと混合して複合水酸化物を形成する際に、不均一な組成の水酸化物が形成されるのを防ぐことができ、核の大きさが均一で、最終的に得られる金属酸化物コア粒子粉末の粒子サイズもばらつきにくい。
こうして得られた金属塩混合水溶液と水酸化アルカリを混合して、金属水酸化物スラリーを生成させる。
この中和に用いられる水酸化アルカリは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリが好ましい。また、中和混合については、いかなる混合状態でも良いが、金属塩混合水溶液を水酸化アルカリに添加するのが好ましい。この添加を60〜120分間の間に行えば、均一な組成、粒度分布が良好な前駆体が得られ、かつ不定形状粒子の発生を抑制することができる。
得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13の範囲で調整し、過酸化水素等の酸化剤や酸素含有ガス、好ましくは空気吹き込みを行うことで、スラリー中に黒色を呈した金属水酸化物が生成される。反応温度は40℃〜60℃で行なう。40℃未満であると粒子が微粒化して黒色度が低下する恐れがあり、60℃を超える場合は不定形粒子が発生し分散性に欠ける恐れがある。
反応の終了した金属水酸化物スラリーは、常法のろ過、洗浄、脱水を経て、固形分を乾燥した後に粉砕する。それにより得られた、金属水酸化物粒子を熱処理させて、金属酸化物を得る。この際の熱処理条件は、400〜700℃にて1時間超〜5時間以下で行なえば良い。熱処理により得られる金属酸化物は、一部凝集が見られることがあるので常法の解砕処理を加えれば良い。
熱処理の際の温度を400℃〜700℃とすることにより、金属水酸化物の形態が安定し、各種特性の安定化が図れ、過剰な熱負荷により、黒色度や色相が不良となることがない。なお、熱処理時の雰囲気は大気中、あるいは不活性ガス雰囲気下いずれでも構わない。
次に(ロ)の工程について説明する。
(イ)の工程で得られた金属酸化物コア粒子粉末を水中に投入し、分散処理を行い、金属酸化物コア粒子粉末スラリーを用意する。この分散処理の際、銀の分散性を、更に向上させるために、スラリー中に分散剤を加えても良い。分散剤としては、例えば脂肪酸、界面活性剤、キレート剤、保護コロイド等が挙げられる。
《脂肪酸》
前記脂肪酸としては、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等が挙げられる。
《界面活性剤》
前記界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
《有機金属》
前記有機金属としては、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジイウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、ポリメトキシシロキサン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
《保護コロイド》
前記保護コロイドとしては、ペプチド、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸、膠等が挙げられる。
こうして用意された金属酸化物コア粒子粉末スラリー中のコア粒子表面に銀または銀化合物被覆層を形成する。
《コア粒子表面に銀被覆層を形成する場合》
金属酸化物コア粒子粉末スラリーに水溶性銀塩を添加、攪拌後、さらに還元剤を添加して、コア粒子表面に銀被覆層を形成する。
反応スラリーに水溶性銀塩を添加する際に、銀イオンを安定な錯体とするために、錯化剤を用いても良い。錯化剤としては、アンモニア、アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸塩、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン五酢酸塩、ジエチレンジアミン、フェナントロリン、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−N,N,N‘,N‘−四酢酸、ニトリロ酢酸塩、ピコリロ酸単独、またはこれらを組み合わせて用いれば良い。これらの中で、銀錯体の安定性、試薬の安価性、作業性の点でアンモニアが好ましい。
また、用いる水溶性銀塩としては、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀等を使用することができるが、試薬の安価性、作業性の点で硝酸銀が好ましい。
また、用いる還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素金属塩、ジメチルアミノボラン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物等を含む水溶液を使用することができるが、試薬の安価性、作業性の点でアスコルビン酸が好ましい。
なお、金属酸化物コア粒子表面への銀の被覆は、温度を30℃〜60℃の範囲で行うことが好ましい。この温度範囲で反応することにより、銀イオンの還元が適度な速度で進み、銀被覆をより均一にすることができる。
また、還元剤の添加時間は5分間〜40分間で行なうことが好ましい。添加時間がこの範囲であれば、銀イオンの還元が適度な速度で進み、銀被覆をより均一にすることができるのみならず、効率的な生産性を確保できる。
《コア粒子表面に銀化合物被覆層を形成する場合》
ここでは、銀化合物として代表的な酸化銀被覆層形成方法について述べる。まず、金属酸化物コア粒子粉末スラリーのpHをアルカリ水溶液、好ましくは苛性ソーダを用いて、10〜13に調整する。そして、反応スラリーのpHを維持しながら、水溶性銀塩を添加、攪拌し、コア粒子表面に酸化銀被覆層を形成する。
用いられる水溶性銀塩や、併用が好ましい錯化剤は、銀被覆層形成と同様の薬剤を使用できる。また、被覆反応時の温度条件も銀被覆層形成と同様で良い。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
表1に示す量の硫酸コバルト七水塩及び硫酸銅五水塩を6リットルの水に投入、攪拌して溶解させた。溶解時の温度は35℃に維持した。この混合金属塩水溶液に、苛性ソーダ1mol/L水溶液12リットルを約60分かけて添加し、得られた水酸化物スラリーのpHが12になるように調整した。
得られた金属水酸化物スラリーの液温を50℃に加熱し、空気を3リットル/分の割合で2時間吹き込んだ。空気の吹き込みを終了してから、反応液を50℃に維持しながら攪拌を継続し熟成させた。その後、得られたスラリーをろ過、洗浄した後、80℃で10時間乾燥した。
乾燥した金属酸化物前駆体粉末を大気中、600℃にて2時間焼成を行い、金属酸化物コア粒子粉末を得た。
金属酸化物コア粒子粉末100g、オレイン酸0.3gを1リットルの水に投入し、超音波分散処理を5分間行った金属酸化物コア粒子粉末スラリーに、アンモニア23g、硝酸銀31.5gを溶解した1Lの銀塩水溶液を10分かけて添加し、スラリーの温度が50℃になるように調整した。
この銀塩水溶液を含む金属酸化物コア粒子粉末スラリーに、還元剤としてアスコルビン酸36gを溶解した水溶液1Lを10分かけて添加し、10分間熟成した。その後、得られたスラリーをろ過、洗浄して洗浄ケーキを80℃で10時間乾燥して、銀被覆金属酸化物粒子粉末を得た。
〔性能評価〕
得られた試料については以下の評価を行った。その結果を表及び表に示す。
(a)Co、Mn、Cu、Ni、Mo、W、Ag含有率
試料を酸に溶解し、ICPにて測定した。
(b)一次粒子径
走査型顕微鏡(倍率10万倍)により、粒子形状を観察した。同時に、任意に200個の粒子のフェレ径を計測し、その個数平均値を持って一次粒子径とした。
(c)表面抵抗
試料に有機バインダーとしてエチルセルロースを3質量%、有機ビヒクルとしてターピネオールCを47質量%添加混合し、3本ローラーを用いて混錬することによりペーストを得た。次にこのペーストをアプリケータを用いて、MgO板上に均一に塗布した後、500℃で5時間焼成した。得られた試料の表面抵抗は表面抵抗測定器(三菱化学社製、MCP−T360)を使用し、四端針法にて測定した。
(d)黒色度・色相
表面抵抗測定に使用した試料を色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC-1800型)を用いて黒色度(L値)及び色相(a値、b値)を測定した。
(e)嵩密度
試料をふるい等を使用せず、内容量100cm3の容器に投入し、重量を測定し単位体積当たりの重量を求めた。
〔実施例2〜5〕
表1、表2に示すように各製造条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で銀被覆金属酸化物粒子粉末を得た。
〔実施例6〕
金属酸化物コア粒子粉末100gを1リットルの水に投入し、NaOHでpHを12に調整した金属酸化物コア粒子粉末スラリーに、硝酸銀0.3gを溶解した1Lの銀塩水溶液を10分かけて添加し、スラリーの温度が50℃になるように調整、その後還元剤を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で酸化銀被覆金属酸化物粒子粉末を得た。
〔実施例7〕
表1、表2に示すように各製造条件を変更した以外は、実施例6と同様の方法で銀被覆金属酸化物粒子粉末を得た。
〔比較例1〕
銀粉末(平均粒径0.6μm、球状粒子)40質量%と実施例3の過程で得られた金属酸化物コア粒子粉末(コバルト−マンガン複合酸化物粉末)60質量%を混合し、混合粉末を得た。
〔比較例2〕
銀粉末(平均粒径1μm、球状粒子)1質量%と実施例7の過程で得られた金属酸化物コア粒子粉末(コバルト−マンガン−銅複合酸化物粉末)99質量%を混合し、混合粉末を得た。
次に、これらの銀被覆金属酸化物粉末および銀と黒色顔料の混合粉末を実施例1記載の方法にて評価した。結果を表3に示す。
Figure 2009286664
Figure 2009286664
Figure 2009286664
表3から明らかなとおり、実施例の銀被覆金属酸化物粒子粉末は比較例の銀被覆金属酸化物粒子粉末に比べ、黒色度、電気導電性、色相に優れていることが分かる。

Claims (9)

  1. 銀または銀化合物で粒子表面を被覆した、電磁波シールド電極形成導電ペースト用、遮光層電極形成導電ペースト用、またはバス電極形成導電ペースト用金属酸化物粒子粉末。
  2. Co、Mn、Cu、Ni、Mo、Wの中から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1記載の金属酸化物粒子粉末。
  3. 少なくともCoを含有し、かつMn、Cu、Ni、Mo、Wの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含有する請求項1または2記載の金属酸化物粒子粉末。
  4. 銀または銀化合物被覆量が1〜45質量%である請求項1〜3いずれかに記載の金属酸化物粒子粉末。
  5. 一次粒子径が0.02〜0.6μmである請求項1〜4いずれかに記載の金属酸化物粒子粉末。
  6. 嵩密度が0.2〜1.0g/cm3である請求項1〜5のいずれかに記載の金属酸化物粒子粉末。
  7. 有機表面処理された請求項1〜6いずれかに記載の金属酸化物粒子粉末。
  8. 塗料化し、形成した塗膜の表面電気抵抗が2.0×10-1Ω/□以下である請求項1〜7いずれかに記載の金属酸化物粒子粉末。
  9. 塗料化し、形成した塗膜の色がL値で25以下である請求項1〜8いずれかに記載の金属酸化物粒子粉末。
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