本発明の第1の実施例について、図1から図3を引用して説明する。
図1は本発明の一実施例に係る蓋体5が開かれた状態における掃除機本体1の外観斜視図である。図2は本発明の一実施例に係る電気掃除機全体を示す外観斜視図である。図3は本発明の一実施例に係る掃除機本体の中央断面図である。
図1及び図2に実施例を示すように電気掃除機の掃除機本体1は、後部側に走行用の車輪2を有する。掃除機本体1の前側下部には、走行用のキャスター52が備わる。
掃除機本体1の内部には、集塵室3と電動送風機8とが設けられる。この集塵室3には、紙,布,不織布を含む集塵袋(紙パック)7が取り外し自在に内置される。
集塵室3とホース差込口4は掃除機本体1の前側に設けられ、ホース差込口気密部材160を介して、集塵室3に連通する。
集塵室3の上面には、集塵袋7(紙パック)が出し入れされる開口部を上方に有し、この開口部を開閉自在に覆う蓋体5が備わる。蓋体5は掃除機本体1に回動自在に支持され、集塵室3と蓋体5の気密を保持するように気密部材10が取り付けられている。
ホース差込口4にはホース体400の一端が接続され、また他端には手元操作部450を介して接続管500の一端が接続されている。接続管500の他端には、吸口体600が接続される。各部品間は連通に接続され、吸口体600から吸込んだ床面のごみを集塵袋7に捕集することができる。
図3に示すように、掃除機本体1の集塵室3には、集塵袋(紙パック)7が内置される。この集塵袋(紙パック)7は、使い捨ての紙,不織布ないし再利用可能な布集塵袋を含む。
掃除機本体1は、集塵室3の後側に後部室を有する。この後部室は、電動送風機8、コードリール9を内置する。
電動送風機8は、送風部(ファン)と電動機を有する。送風部が前側、電動機が後側になるように置かれる。コードリール9は、電動送風機8の隣に並ぶように置かれる。電動送風機8には、コードリール9を介して電力が供給される。
次に図1,図3,図4および図5により移動部材に関して説明する。
図4は集塵室3内から電動送風機8側に向かって見た移動部材の部分断面図である。図5は集塵室3の形成されたリブの斜視図である。
集塵室3にはリブ310が設けられ、リブ310には係合穴300が少なくとも1つ以上あけられており、係合穴300と移動ベース部材201の係合突起203が集塵室3に設けられた左右のリブ310に挟まれるように、可動可能に係合されている。更に、移動ベース部材201には移動部材200と移動自在に係合する係合穴206が両側に少なくとも1つ以上構成されており、係合穴206の内側には移動部材200が配設され、移動部材200の外郭部に係合突起204が移動ベース部材201の係合穴の数と同等若しくは同等数以下で配設され、移動ベース部材201の係合穴206と移動部材200の係合突起204が移動自在かつ着脱自在に係合されている。
以上のように構成された電気掃除機において図3〜図10を用いて、その動作を説明する。
図3のように集塵袋7を本体1にセットした状態で、電気掃除機本体を運転して塵埃を集塵袋7に捕集し、集塵袋7に塵埃が溜まった状態で集塵室3から集塵袋7を取り出す際の動作として、集塵袋7に接着された紙等の素材で形成された口板7aをクランプ75のロックを解除することによって、リクライニング式の口板ガイド73(以下口板ガイドと呼ぶ)が電動送風機8側に傾斜し、口板7aを口板ガイド73に沿って集塵室3の開口方向に引き出される。
この操作の際に、集塵袋7と当接する移動部材200は、図6〜図9に示すように集塵袋7を引き出す動作と同時に、集塵袋7と共に集塵室3の開口方向に向かって移動するために、集塵袋7と集塵室3の内壁との摩擦抵抗が軽減されて、塵埃が一杯になった状態でも使用者に多大な負荷をかけることなく、簡単に集塵袋7を取り出して捨てることができる。
更に、塵埃が溜まれば溜まるほど、移動部材200に集塵袋7が強く接触する若しくは接触面積が増えるに従って移動部材200の移動効果を高くすることができる。また、図9のように移動部材200は集塵室3の開口方向に移動するが、移動ベース部材201は集塵室3のリブ310と回転自在に軸支されているため、集塵袋7が塵埃でいっぱいになった際、移動部材200の移動による効果を得ると同時に、移動部材200の集塵袋7から受ける荷重が移動ベース部材201の係合突起部203より開口側に位置するとき、移動ベース部材201も集塵室3の開口方向に開く(取り出す方向に傾斜する)ことによって、使用者の使い勝手の向上と取り出し時の負荷を大幅に軽減することができる。
更に、集塵容量向上(集塵室3での移動部材200のスリム化)、構成部品の簡略化を図るために、図10のように移動部材200を単独で集塵室3のリブ310と係合穴300に係合して配設することにより、集塵袋7の取り出し時の負荷低減を図ることができる。
次に本発明における第2の実施の形態を図3,図4を用いて説明する。
移動部材200は電動送風機8の上流側に位置し、電動送風機8を配置する電動送風機室800と集塵室3との連通穴801を構成し、この連通穴801の左右少なくとも1箇所ずつにリブ310を設け、リブ310には係合穴300が少なくとも1つ以上あけられており、係合穴300と移動ベース部材201の係合突起203が集塵室3に設けられた左右のリブ310に挟まれるように、可動可能に係合されている。更に、移動ベース部材201には移動部材200と移動自在に係合する係合穴206が両側に少なくとも1つ以上構成されており、係合穴206の内側には移動部材200が配設され、移動部材200の外郭部に係合突起204が移動ベース部材201の係合穴の数と同等若しくは同等数以下で配設され、移動ベース部材201の係合穴206と移動部材200の係合突起204が移動自在かつ着脱自在に係合されている。この構成によって、集塵袋7でもっとも塵埃の堆積が集中しやすい、若しくは集積がはじまる位置である集塵室3内の電動送風機室800の連通穴801部に移動部材200を設けることによって、より効果的に移動部材200を作用させることによって、使用者の負荷を軽減することができる。
次に本発明における第3の実施の形態を図4,図11〜図13を用いて説明する。
集塵室3内の開口側と対向する位置に、図11のように移動部材200を配置することによって、移動部材200が集塵袋7を取り出した際に移動するのと同時に、移動部材200と一体(図12(a))若しくは別体で構成された底部移動部材202も同時若しくは時間差で開口側に向かって移動する。別体である場合、図12(b)のように底部移動部材202は移動部材200の下部係合穴207と底部移動部材202係合突起205と回転自在に嵌合して構成される。集塵袋7を取り出す際に、開口側(引き出し方向)と対向する側から押すも若しくは持ち上げることによって開口側から集塵袋7の取り出す力の軽減を更に図るのと同時に、砂塵等の密度の高い塵埃を多く含んだ集塵袋7でも、集塵袋7形状維持がゆがみ、偏った塵埃の溜まり方をした場合を含めていかなる種類の塵埃が含まれた集塵袋7でも確実に開口方向に取りだすことができる。
また、移動部材200を取り外す際には、別体で構成された底部移動部材202は図13のように回動軸を基準として折り畳んで置いておくことができる。
更に、集塵室3へセットする際に、折り畳んだままセットすることができるため集塵室3内の移動ベース部材201若しくはリブ310の係合穴300へのセットもし易くなる。
次に本発明における第4の実施の形態を図14〜図39を用いて説明する。
移動ベース部材201を介して又は単独で移動部材200が集塵室3内のリブ310の係合穴300と係合突起203が回転自在に軸支されている。電気掃除機本体を運転して塵埃を吸引した際に集塵袋7でもっとも塵埃の堆積が集中しやすい、若しくは集積がはじまる位置である集塵室3内の電動送風機室800との連通口801の上流側に位置する移動部材200が電気掃除機本体の運転前後でそれ自体若しくは別の駆動手段で振動し、集塵袋7の内側に付着した塵埃に振動を加えて振るい落とすことによって、吸込力の持続を図ることができる。それによって集塵袋7(使い捨て式袋状フィルタ)に効率良く多くの塵埃を捕集することができる。
次に集塵袋に振動を与える駆動手段の一例に関して説明する。集塵室3の上面には、集塵袋7(紙パック)が出し入れされる開口部を上方に有し、この開口部を開閉自在に覆う蓋体5が備わる。蓋体5は掃除機本体1に回動自在に支持され、この開閉自在な前記蓋体5には上部横置除塵体6が保持される。該上部横置除塵体6の支軸81が蓋体5の82に回動自在に取り付けられる。同様に前記上部横置除塵体6に連動して作動するように、上部横置除塵体補助部83の支持軸89が集塵蓋5の支持受部85に回動自在に取り付けられる。
集塵袋7の除塵は、除塵手段で行われる。除塵手段は、図15に示すように移動部材200とコードリール9に駆動され、かつ前記移動部材200に振動動作を起こさせる除塵回転体12と動力分岐機構25を有する。
移動部材200は集塵室3に備えられ、集塵室3に置かれる集塵袋7は、移動部材200で、振動させられて内部に付着する塵埃が振るい落とされる。
除塵駆動伝達ユニット11(図16)は、掃除機本体1の内底部に備えられる。除塵駆動伝達ユニット11は、除塵回転体12と、伝達歯車13を有する。図15に示すように、この伝達歯車13は、コードリール9の駆動歯車14に噛み合う。
動力分岐機構25は集塵室3内部に備わり、前記除塵回転体12の回転力を利用し前記上部横置除塵体6へと動力を伝え、前記上部横置除塵体補助部83が連動する。この動力分岐機構25の詳細については後述する。
コードリール9の回転で、駆動歯車14,伝達歯車13を介して除塵駆動伝達ユニット11の除塵回転体12に回転が伝わる。除塵回転体12の回転により、移動部材200は振動させられ、集塵袋7内の除塵が行われる。
除塵部材について、図15,図17〜図20を引用して更に詳しく述べる。
移動部材200は、移動ベース部材201と、底部移動部材202と、上部横置除塵体6と、上部横置除塵体補助部83を有する。移動ベース部材201の下端と、底部移動部材202の後端は支軸17により回動自在に結合されている。移動ベース部材201と底部移動部材202は、折り畳まれた0度(図20bに示す状態に近い)から開かれた約90(図20aに示す状態)の範囲で回動する。
移動ベース部材201は、下端にストッパー18を有する。底部移動部材202が90度まで開いたところで、底部移動部材202はストッパー18で抑えられ、それ以上は開かない。
なお、最大開き角度は、底部移動部材202が集塵室3の内底部に接触しなければ、90度以下でも90度以上でもよい。移動ベース部材201は、上側両端に支持軸突起203が設けられる除塵枠体部20を有する。
掃除機本体1は、図3,図21に示すように、集塵室3と後部室を仕切る中間仕切壁21を有する。この中間仕切壁21は、集塵室3側に縦に走る二つのリブ310が間隔を隔て設けられ、リブ310は、図21に示すように、上側に支持孔23を有し、前記中間仕切壁21には動力分岐機構25を取り付けるための係止溝44を有する。
リブ310の支持孔23に移動ベース部材201の支持軸突起203は回動自在に嵌る。これにより、前記移動ベース部材201と前記底部移動部材202は、集塵室3に揺振自在に置かれる。
リブ310は、図22aに示すように、対向面(内側面)に支持孔23の上側からリブ310に向けて形成された傾斜溝24aを有する。この傾斜溝24aは、上側に向かって外向きに傾く。支持軸突起203aも端側が傾斜面を有する。このため、支持軸突起203aを傾斜溝24aに沿って上から下に滑らせることにより、支持軸突起203aは支持孔23に容易に嵌る。前記移動ベース部材201,前記底部移動部材202との取り付けが容易に行われる。
また、リブ310は場合によって、図22bに示すように、対向面(内側面)の少なくとも1つが支持孔23の前側(ホース差込口4側)からリブ310に向けて形成された傾斜溝24bを有する。この傾斜溝24bは、前側に向かって外向きに傾く。この際、支持軸突起203は支持軸突起203bの形状にすることで前側から中間仕切壁21に垂直に向かって傾斜溝24b上を滑らせることで、支持突起203bは支持孔23に容易に嵌る。
次に動力分岐機構25について説明する。動力分岐機構25は集塵室内にあり、前記移動ベース部材201と、前記中間仕切壁21の間に配置され、該中間仕切壁21に設けた係止溝44に取り付けられる。
前記動力分岐機構25は、前記除塵駆動伝達ユニット11の除塵回転体12の突起27と、動力分岐機構25のカムクランク突起28とが係合し、除塵回転体12の回転運動に連動して係合部がこの場合は下へと引かれ該動力分岐機構25の付勢バネ29にて元に戻されることで往復運動を行い、該動力分岐機構25のカムクランク30によって、除塵回転体12の回転運動の駆動力をこの場合は上方向へ変換し上部横置除塵体6へ動力を伝達し、上部横置除塵体補助部83まで動力が伝達される。
除塵回転体12は、外周に巻装される除塵バネ31を有する。除塵バネ31は、除塵回転体12の長手方向に沿って螺旋状に巻かれ、図23aからdに示すように長手方向の断面は略円形若しくは、略長円若しくは、多角形ないし外周に突き出る複数の凹凸形状を有する。移動部材200の移動ベース部材201に備える付勢バネ26は、移動ベース部材201を中間仕切壁21方向へ押し付ける。
上部横置除塵体及び上部横置除塵体補助部について説明する。前記除塵駆動伝達ユニット11の前記除塵回転体12から前記動力分岐機構25のカムクランク30を介して前記上部横置除塵体6の端部87bが上方向の荷重を受けて前記上部横置除塵体補助部83が略上下方向に作動する。
前記横置除塵体6は略上下方向に作動した際に、前記上部横置除塵体6の荷重側以外の端部(上部横置除塵体伝達軸)86を有し、前記上部横置除塵体6の作動を前記上部横置除塵体補助部83へ伝達される。
前記上部横置除塵体伝達軸86の作動は、前記上部横置除塵体補助部83の作動受部88から作動を伝達し、前記上部横置除塵体補助部83を略上下方向に作動させる。
前記上部横置除塵体補助部の作動受部88は前記上部横置除塵体補助部の支持軸89aに対して前記上部横置除塵体6側に配置する。
これによって、前記上部横置除塵体6が前記動力分岐機構25から上方向への作動を受け、前記上部横置除塵体6の前端87aが押し下げられ、集塵袋7の上面を瞬時に叩くと同時に、連動している前記上部横置除塵体補助部83は図24bのように支持軸89aを基準に全体を上方向に持ち上げ、集塵袋7への加振に対してためを持たせる。
次にバネ90a,90b等による付勢により、前記上部横置除塵部6が元の位置にもどる際に、前記支持軸89aを基準に全体を上方向に持ち上げていた前記上部横置除塵体補助部83が、図24aのように自重と前記上部横置除塵体伝達軸86から、前記作動受部88が動力を受けることによって、集塵袋7の上面を叩くことが出来る。
この一連の動作によって、前記動力分岐機構25からの1回の動力伝達によって、集塵袋7の上面を交互に最低2回及び2ヶ所以上について加振して除塵をすることが可能となる。
また、場合によっては前記上部横置除塵体補助部83の作動受部88を支持軸89bに対して、前記上部横置除塵体6から離れた側に配置することによって、前記動力分岐機構25からの1回の動力伝達によって、集塵袋7の上面の1ヶ所またはそれ以上の箇所を同時に加振することができる。
集塵袋7は、図3に示すように、後側が移動部材200の移動ベース部材201に、下側が底部移動部材202に、上側が上部横置除塵体6及び上部横置除塵体補助部83に当接する。除塵回転体12が回転することにより、移動ベース部材201と回動自在に結合されている底部移動部材202は、付勢バネ26に抗して、前記移動ベース部材201は前後方向に、又底部移動部材202は前記移動ベース部材201と連動し、前後に振動すると共に略上下にも振動する。また、前記動力分岐機構25は除塵回転体12の突起部27からの動力を伝達しカムクランク30を介して上部横置除塵体6及び上部横置除塵体補助部83を略上下に振動させる。
集塵袋7の後側は、移動ベース部材201により前後に揺すられ、下側は底部移動部材202で前後に擦られるとともに上下に多少振られ、上側は上部横置除塵体6及び上部横置除塵体補助部83にて上下に振られる。この振動により、集塵袋7内に付着する塵埃が除塵され、集塵袋7の通気性が回復し、更なる吸塵ができる。特に、集塵性能への影響が大きい上側は、上部横置除塵体及び上部横置除塵体補助部によって大きな効果が得られる。これを繰り返すことにより、集塵袋7内が一杯になるまで吸塵できる。
図24,図26を引用して付勢バネ26の取り付け方法について説明する。
移動ベース部材201の除塵枠体部20は、一方の側面上部にバネ収容部36を有する。バネ収容部36は、除塵枠体部20の外側面と、前側壁37と、内側壁38で形成される。バネ収容部36の後側は壁部がなく、開放になっている。前述した一方の支持軸突起203は、外側壁38の外側に設けられている。
バネ収容部36内には、除塵枠体部20の外側面に付勢バネ26の中心を支持するバネ支持軸突起39と、付勢バネ26の左右のガタ及び倒れを防止するための補強リブ40を有する。
付勢バネ26は、図27に示すように、バネ収容部36内に収納され、付勢バネ端部41を中間仕切壁21に押圧する。これにより、移動ベース部材201は付勢バネ26の力で支持軸突起203を支点としてP矢印方向の回転力が付与される。
前述したように、付勢バネ26は、除塵回転体12の回転で移動ベース部材201を押す力に抗するように作用する。除塵回転体12の回転による押力と付勢バネ26の抗する力により、移動部材200は除塵振動動作をする。
付勢バネ26は、バネ収容部36内に挿入し、付勢バネ26の中心をバネ支持軸突起39に挿入することで簡単に組み込むことができる。また、除塵枠体部20は支持軸突起19をリブ310の支持孔23に嵌め込むことにより、付勢バネ端部41を中間仕切壁21に押圧して付勢バネ26として機能するようになるので、除塵枠体部20の取り付けも容易である。
図28に示すように、保護フィルタ部45は、フィルタ支持枠46と、支骨47を縦横に設けた格子と、保持つめ48と、保護通気フィルタ49,保持突起101を有する。
フィルタ支持枠46と別体の保護通気フィルタ49は、支骨47と、保持つめ48とによりフィルタ支持枠46に保持される。
保護通気フィルタ49は、通気目が集塵袋7より粗く、フィルタ支持枠46の格子目よりも細やかで、可撓性を有する。フィルタ支持枠46の格子に添え当てた保護通気フィルタ49は、周縁を保持つめ48のところに差し込む。こうして、保護通気フィルタ49は、フィルタ支持枠46に保持される。
除塵枠体部20は、図26に示すように、下側に差込溝50を有する。この差込溝50は図23に示す保護フィルタ部45のフィルタ支持枠46の外周下側に配置される保持突起101が嵌め込まれる。
保護フィルタ部45が取り付け,取り外しができるので、移動部材200のメンテナンスに際しては、保護フィルタ部45を取り外すことで、保護通気フィルタ49をお手入れできる。保護フィルタ部45が着いていない合成樹脂製の除塵枠体部20は撓みやすく、除塵枠体部20の着脱が容易である。
この保護フィルタ部45は、内部流通口34上流側に位置する。集塵袋7が破れても、保護フィルタ部45により、塵埃が内部流通口34を通って電動送風機8に吸い込まれるのを防止できる。
保護通気フィルタ49は、空気流の下流側面の周縁が保持つめ48で保持され、それに加え、移動ベース部材201の下流側枠体と中間仕切壁21に隣接される縦格子リブ35で抑えられるので、保護通気フィルタ49が除塵枠体部20及び保護フィルタ45から脱落する不具合は生じない。
保護フィルタ部45は、図28に示すように、フィルタ支持枠46の上部の側端に突き出す取っ手51を有する。保護フィルタ部45の取り付け,取り外しでは、取っ手51を掴んで行う。
集塵室3の内底部は、図3に示すように、隆起している。掃除機本体1の前側下面にキャスター52を取り付ける窪みを設けるために隆起させた。この隆起に合うように底部移動部材202の中央を隆起させ、かつ強度を高めた。これにより、底部移動部材202と集塵室3の内定部間にできる無駄な空間は少なく、集塵室3内で集塵袋7がより大きく膨らみ、集塵量の増加を図ることができる。
次に除塵駆動伝達ユニット11の関連について説明する。除塵駆動伝達ユニット11は、図30に示すように、支持フレーム73を有する。支持フレーム73は、矩形の枠体部53と、枠体部53の片側を塞ぐ底板部54と、枠体部53の短辺側に底板部54の反対側に向かって立つ二つの回転体支持板55を有する。
二つの回転体支持板55の周端縁と、枠体部53の長辺側端縁には、気密シール56が設けられる。この気密シール56は、図31に示すように、連なった環に形成されている。連なった環の気密シール56は、つなぎ合わせの隙間がないので、シール性が高まり、かつ気密シールが変形し、確実な気密を確保することができる。
気密シール56は、枠体部53と一体に合成樹脂で成型される。気密シール56は、シール機能を有するように枠体部53よりも軟質な合成樹脂で成型される。成型用の金型で成型された枠体部53を別の金型に移し、軟質の合成樹脂を注入することにより、枠体部53と気密シール56は一体に成型される。
気密シール56は、枠体部73と分離して、ばらばらになることが生じないので、組立ての際の取り扱い性が向上する。また、気密シール56は軟質の合成樹脂で形成されるので、シール性が向上する。
除塵駆動伝達ユニット11の除塵回転体12は、二つの回転体支持板55に回転自在に支持される。除塵回転体12は、図32に示すように、両端側に支軸74A,76Bを有する。
伝達歯車13は、除塵回転体12の一方の端部側に設けられる。伝達歯車13の軸部57を除塵回転体12の一方の端部側にネジ等で締結して固定する。伝達歯車13は除塵回転体12の端部から離間したところに位置する。
除塵回転体12内には、一方向の回転が伝達され、他方向の回転が伝達されない、いわゆる一方向回転伝達クラッチ58が備わる。コードリール9の駆動歯車14、および伝達歯車13を介してコードリール9の回転は、除塵回転体12に伝達される。
コードを引き出すときには除塵回転体12は回されるが、コードを巻き取るときには除塵回転体12は回されない。こうすることにより、コードリール9の巻取りバネを小型化でき、しかもコードの引き出しが軽くなる。
支持フレーム73の二つの回転体支持板55は、除塵回転体12の支軸74A,74Bを回転自在に支持する軸受59A,59Bを有する。伝達歯車13が設けられる支軸74Bを回転自在に支持する方の軸受59Bは、貫通するように形成される。
伝達歯車13が設けられない方の支軸74Aを支持する軸受59Aは、奥側が塞がるように形成される。軸受59Aは、奥側が塞がっているので、軸受59Aから回転体支持板55の外側に空気は漏れない。
しかし、軸受59Bは貫通しているので、回転体支持板55の外側に空気は漏れる。そこで、回転体支持板55の外面側に、軸受59Bと支軸74Bの隙間を封じる軸シール60を設けた。この軸シール60により、軸受59Bを通じて回転体支持板55の外側に漏れる空気漏洩は阻止される。
図21に示すように、掃除機本体1は底面に除塵駆動伝達ユニット11が装着される装着開口部61を有する。この装着開口部61には、除塵駆動伝達ユニット11が外側から着脱自在に装着される。
このように、支持フレーム73に除塵回転体12,伝達歯車13をまとめてユニット化し、ユニットになった除塵駆動伝達ユニット11を掃除機本体1の装着開口部61に取り付けるので、組立てが容易に行われる。
装着開口部61は、除塵回転体12や支持フレーム73が置かれるところには窪み部62が形成され、伝達歯車13が置かれるところには後部室(コードリール9,電動送風機8が置かれる)側に臨む開口が形成されている。
窪み部62は、図33に示すように、奥側に除塵用開口63を有する。この除塵用開口63は、集塵室3内に置かれる移動ベース部材201の下端側に臨んでいる。
また、窪み部62は、伝達歯車13が位置する方の側面側に伝達開口64を有する。この伝達開口64を介して窪み部62は、後部室側と連通している。
装着開口部61に装着された除塵駆動伝達ユニット11の除塵回転体12は、外周側の除塵バネ31が除塵用開口63から集塵室3に突き出し、移動ベース部材201の下端側(円弧面の当接部)に当接する。伝達歯車13は、コードリール9の駆動歯車13に噛み合わされる。伝達歯車13の軸部57は、伝達開口64に置かれる。
窪み部62は、図33,図34に示すように、窪み部62の底に近い低位置段部65と、底から離れた高位置段部66とを有する。また、窪み部62は、長手方向の端側に接合突起67,68を有する。
窪み部62の低位置段部65には、気密シール56の辺56Bが当接する。窪み部62の高位置段部66には、気密シール56の辺56Aが当接する。接合突起68には、気密シール56の辺56Cが当接する。接合突起67には、気密シール56の辺56Dが当接する。
これらの当接による気密シール56のシールにより、除塵用開口63を通じ、集塵室3と掃除機本体1の外側間で空気が流通するのは断たれる。このため、装着開口部61を通じて集塵室3と掃除機本体1の外側間で空気が流れる空気漏れは生じない。
また、気密シール56は、窪み部62が伝達開口64を介して後部室(コードリール9,電動送風機8が置かれる)に連通するところのシールを併せてしている。このため、集塵室3と後部室の間も空気の流通は断たれ、空気漏れは生じない。
図34の(a)は、電気掃除機本体の装着開口部61に装着されている除塵駆動伝達ユニットを横方向に断面したところを示している。
図34の(b)は、除塵駆動伝達ユニット11を装着開口部61から外したところを示している。窪み部62の底に除塵用開口63が見える。また、接合突起67,68は、図示されていないが、二つの回転体支持板55のところに位置する。
窪み部62に内側面に突出するように設けられた接合突起67,68は、幅が気密シール56の幅よりも狭い。接合突起67,68に押圧された気密シール56を押し付けることにより、接合突起67,68が気密シール56に食い込み気密が向上する。
除塵駆動伝達ユニット11は、掃除機本体1に設けたねじボス69,70にねじ込むネジにより締め付け固定される。除塵駆動伝達ユニット11に設けたネジ通穴71,72は、二つの回転体支持板55の外側に設けた。
二つの回転体支持板55の内側にネジ通穴を設けると、ネジ通穴にも気密を施さなければならない。ネジ通穴を二つの回転体支持板55の外側に設けることにより、気密を施す必要がなく、構成が簡単になる。
次に本発明における第5の実施の形態を図3,図40を用いて説明する。移動部材200は電動送風機8の上流側に位置し、通気性のある板若しくは格子形状を形成し、吸込口600から吸入された塵埃を含んだ空気を通気性のある移動部材200を通過して電動送風機8に吸引される。
そこに移動部材200と一体若しくは別体で着脱自在に通気性を有した布,不織布(メルトブローン,PTFE膜,ゴアテックス等の通気性を有する化学繊維)、ウレタン(スポンジ)等のフィルタ部材350を配置させることによって、捕塵効率を向上させるのと同時に、集塵袋7で捕集できなかった細かな塵埃や、誤って集塵室内にこぼれ落ちた砂塵、綿ごみ等の様々な塵埃を捕集し、電気掃除機本体1を運転した際に塵埃が電動送風機8に侵入にて故障するのを防ぐ役目をする。
また、フィルタ部材350に光触媒等の消臭効果を持った触媒を、繊維に練りこみ若しくは、含浸又は塗布することで、集塵袋7に捕集された塵埃を通ったアンモニア等のいやな臭いを含んだ空気を消臭して電動送風機8を通って本体1の外へ排出されるため、使用者が掃除中の排気から出る臭いを気にすることなく掃除をすることができる。
次に本発明における第6の実施の形態を図14,図41〜図43を用いて説明する。
次に集塵室の気密保持に関して説明する。図14に示すように集塵室3を覆うように蓋体5が上部ケース130の軸受131に開閉自在に支持され、気密部材10を介して気密を保持するように取り付けられている。
図41〜図43を用いて以下説明すると、気密部材10は複数の突起部100と該突起部と一体に形成された緩衝部110とから構成されており、第一の突起部100aは集塵室3の外周部に形成された垂直方向に立ち上がった第一の隔壁103aと第二の隔壁103bによって構成される第一の溝部102aに気密に挿入される。
つまり第一の隔壁103aが形成する溝側側面と第二の隔壁103bが形成する溝側側面に気密部材10の第一の突起部100aがテーパー嵌合され、気密部材10の第一の突起部100aを押し込むことによって気密が確保される。
気密部材10は弾性体を用いるのが望ましく、硬度を下げるほど(柔らかくする)気密保持されやすくなる。
また第二の突起部100bは第二の隔壁103bと第三の隔壁103cによって構成される第二の溝部102bに挿入され、第一の突起部100aと第二の突起部100bが第二の隔壁103bを挟み込むように嵌合され、これにより、気密部材10と集塵室3の気密は隔壁による溝部102と気密部材10の複数の突起により二重に気密が保持される。
第一の突起部100aと第一の溝部102aがテーパー嵌合にて気密を保持しているため、それを更に、第二の隔壁103bを第一の突起部100aと第二の突起部100bで挟み込むことによって、仮に第一の突起部100aと第一の溝部102aのテーパー嵌合による気密もれが発生した場合でも、第二の隔壁103bを第一の突起部100aと第二の突起部100bで気密に挟みこんでいるので、二重のシール効果が得られる。
また、第二の隔壁103bと第三の隔壁103cによって形成される第二の溝部102bへ第二の突起部100bをテーパー嵌合にて気密を保持することにより、更に高い気密保持効果が得られる。
更に、隔壁の数を第4,第5と増やし、隔壁間に構成される溝部の数を増やし、それに伴い、気密部材10の形成する複数の突起部100の数を増やし、上述したような嵌合関係の構成を増やすことにより、更に集塵室3と気密部材10の気密性を向上させることができる。
また、気密部材10の複数の突起部100と一体に緩衝部110が形成され、集塵室3の最も外側に位置する隔壁(本図中では第三の隔壁103c)を覆うように配置され、外部からの衝撃に対して本体を保護し、また家庭の家具や建物を保護する役割を果たしている。
さらに、緩衝部110の他端106は集塵室3の隔壁により構成される溝部102と気密部材10のテーパー嵌合により気密を保持している部分を、別部品を用いることなく確実に固定するために、集塵室3の外周部に垂直方向に係止突起107を設け、これと係合させるために気密部材10に係合突起106を設けている。
係止突起107は集塵室3の外周に沿って連続的な隔壁を構成する場合と断続的な突起を均等若しくは不均一に配置させることにより、気密部材10を確実に固定する。
係止突起107は連続的に形成される隔壁と集塵室3に対して断続的に垂直方向に形成される隔壁とを合せる事により、更に気密部材10の係合性を高めることができる。
また、気密部材10の係合突起106は緩衝部110の端面に形成され、気密部材10の複数の突起部100に略対向するように形成され、連続的若しくは不連続に係合突起106が形成され、隔壁103から気密部材10が外部からの衝撃及び使用者の偶発的操作から緩衝部110が剥離するのを防止し、気密を保持する。
集塵室3の最も外側に位置する隔壁(本図中では第三の隔壁103c)は内側に第二の突起部100bを嵌合させ、係止突起107と係合突起106を嵌合させた際に、緩衝部110及び気密部材10自体が集塵室3から外れて気密漏れを生じるのを、かぎ型構造を形成し防止している。本体運転中は、集塵室3内部が負圧になるので蓋体5の気密リブ108が気密部材を押し付ける方向に働き、集塵室3と蓋体5を気密に保つことができる。
また、運転中は気密部材10の複数の突起部100は溝部102により押し付けられる方向に働き気密が取れるのと同時に、外れも防止することができる。集塵室3内の気密を取りやすくするために、気密部材10の蓋体5の気密リブ108と接する部分をリップ形状105とすることで集塵室3が負圧となった時により気密がとれる。気密部材の材質をより柔らかい弾性部材とすることで、更に気密が取れやすくなる。前述の前提条件として、蓋体5の気密リブ108と気密部材10のリップ形状105は均一に干渉または接している必要がある。リップ形状105の端面は蓋体5の外周端面109の肉厚より内側であることが望ましい。
蓋体5の外周端面109の肉厚より内側であれば外観的にも美しく、また本体運転時に、集塵室3が負圧になることよる、蓋体5の集塵室側への沈み込みによって、リップ形状105が蓋体5の気密リブ108によって押される際に、蓋体5の外周端面109よりもリップ形状105の端面が出ている場合、美観を損ねるばかりではなく、集塵室3内の気密を取るための気密リブ108が気密部材10のリップ形状105を押し付けて気密をとる前に、蓋体5の外周端面109がリップ形状105を押してしまい、その部分から気密が漏れてしまう可能性がある。
このため、リップ形状105の端面を蓋体5の外周端面109の肉厚よりも内側に形成するか若しくは、蓋体5の気密リブ108と外周端面109の縁面距離を十分に取って、外周端面109にリップ形状105が押されない位置に構成する必要がある。
次に集塵袋7(紙パック)又は集塵ケース(図示せず)の着脱に関して説明する。集塵室3に内置した集塵袋(紙パック)7及び集塵ケース(図示せず)の取り出し性を考慮し、特に集塵ケースタイプの場合には、頻繁にごみすて作業をする可能性があるので、気密部材10の内側面111が集塵室3の第一の隔壁103aの内側面112と同一面若しくは、それよりも外側に位置させることによって、摩擦抵抗の大きい気密部材10(弾性部材)に直接集塵袋(紙パック)7若しくは集塵ケース(図示せず)を触れさせること無く、また、気密部材10の内側への出ばりによって内側へ押さえつけられることなく着脱作業をすることができるので、軽い力での集塵袋(紙パック)7及び集塵ケース(図示せず)の着脱が可能となり、ごみを捨てやすくすることができる。
集塵室3の内壁103と気密部材10が面一の構造によって、より一層集塵袋7の取り出し性が向上し、ごみ捨て時(使い捨て集塵袋7の取り出し時)に集塵室3の開口方向に向かって移動する移動部材200がより効果的に作用し、使用者への負荷を最小限に抑えることができる。
次に本発明における第7の実施の形態を図44,図45を用いて説明する。移動部材200と移動ベース部材201は移動部材200の係合突起204が移動ベース部材201の係合穴206に係合することにより、移動自在に配設されている。移動部材200の係合突起204が図44のように半球であった場合、移動ベース部材201の係合穴206は図41の様に長円等で構成し、容易に移動できるものとする。その際、開口方向に向かってある一定以上移動して停止し、開口方向の移動を抑制するのと同時に、開口方向の力が開放された際には(使用者が塵埃の詰まった集塵袋7を集塵室3外に取り去った後に)図45の様に自重若しくは引っ張りばね等の可動手段によって移動前の位置にもどる。これにより、集塵袋7を取り出して、再度新しい集塵袋7(使いすて式の袋状フィルタ)を集塵室3のフィルタガイド73にセットする際に、装着し易く、また、次回掃除をして集塵袋7を取り出す際に移動部材200の効果を十分に発揮させることができる。
次に本発明における第8の実施の形態を図46を用いて説明する。
移動部材200は集塵室3の開口方向への荷重に対しては塵埃でいっぱいになった集塵袋7を引き出す程度の荷重には十分耐えうることができる。ただし、開口方向以外の荷重ではこの限りではなく、ホース差込口4に傾斜させるように可動すると使用者が簡単に取り外す事ができ、移動部材200と一体若しくは別体で構成されたフィルタ部材350に付着した汚れを水洗い等で取り除くこともでき、また集塵室3の底部に溜まった砂塵を含む細かな塵埃も底部移動部材202も同時に外す事によって簡単に取り除くことができる。
次に本発明における第9の実施の形態を説明する。
移動部材200において材質は潤滑性の用、POMやジュラコン,ナイロン等の高摺動性の材料により構成されることによって、移動する際の摩擦抵抗が小さく抑えられる。移動部材の形状構成上、POMやジュラコン,ナイロン等の高摺動性の材料が使用できない場合には、移動部材と摺動する面を持つ部品の材料を高摺動性の材料とすることで摩擦の低減が図れ、メカニカルロスの低減により使用者の負荷を減らすことができる。
次に本発明における第10の実施の形態を図46を用いて説明する。
移動部材外郭に構成される係合突起204は移動方向に対して略同一方向に外郭左右略対称的に複数又は連続した突起部を少なくとも1つ以上設けることにより、移動部材を集塵室3の開口側に引き出された際に、略平行にバランスよく引き出すことができる。
また、集塵室3の開口側への荷重を取り去った際に、略対称的に複数又は連続した突起部204を構成することにより、移動前の位置に引き出す軌道と同じ軌道で戻ることができることにより、故障の少ないスムーズな動きとなる。移動前後の軌道が同一であることから多少の砂塵や細かい塵埃が摺動部若しくは係合部にかみこむことがあっても問題なく移動部材200を動作させることができる。