以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
最初に、本発明に好適な実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図1を用いて説明する。
まず、図1に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射される遊技球が、特別図柄の可変表示を行うための始動入賞となった場合には(例えば、始動入賞する確率が約“5/100”〜“6/100”となるように障害釘設定)、その始動入賞に伴って、大当りに関する大当りカウンタから、大当りとなるか否かを判定するための大当り乱数、大当りの場合において停止表示させる特別図柄の種類を決定するための図柄乱数が抽出される。この場合において、通常時であるとき(例えば、約“1/300”)は、確変時であるとき(例えば、約“1/50”〜“1/100”)よりも低い確率で大当りとなると判定される。
そして、大当りとなると判定された場合には、リーチとなるが、大当りとならないと判定された場合には、リーチ(リーチ入賞)となるか否かが決定されることとなる(例えば、約“1/10”〜“1/20”の確率でリーチとなる)。
また、可変表示動作中において始動入賞した場合には、4個の保留球の分だけ、始動記憶領域に大当り乱数等が記憶されることとなる。
そして、上述した大当りとなるか否か、停止表示させる特別図柄の種類、リーチとなるか否かなどを示す各種のコマンドが演出表示手段に出力されるとともに、可変表示制御手段が表示器における可変表示を行う。
一方、演出表示手段は、受信した各種コマンドに基づいて、可変表示映像、演出映像を選択し、選択結果に対応する演出データを読み出し、表示器に表示映像信号を出力するとともに、音発生器(スピーカ)に音声信号を出力する。これによって、表示器において、各種の映像が表示され、音発生器において、各種の音声が発生されることとなる。また、上述した始動記憶領域において記憶された大当りとなるかはずれとなるかが演出表示手段に出力されることによって、まだ可変表示されていない始動記憶領域における当落が認識可能となり、その当落に基づく演出が行われることもある。
また、大当りとなった場合には、通常時よりも高い確率で遊技球の払出制御が行われる。そして、大当りが終了した場合には、通常ゲームよりも遊技者に有利な時短状態や、確変状態(確率変動状態)となることもある。時短状態においては、始動入賞口チャッカーが開閉するなど、通常時よりも始動入賞し易くなり、確変状態においては、大当り判定時において大当りとなる確率が通常時より高くなる。また、時短状態は、大当り終了後、50〜100回の可変表示中継続され、確変状態は、次に大当りとなるまで継続される。
また、本発明に好適な実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図2を用いて更に具体的に説明する。
まず、図2に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞することによって、遊技球の払出制御が行われるゲームである。
また、このパチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれている。これら特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれている。
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタ、図柄決定用のカウンタから乱数値が抽出され、各乱数値が記憶されることとなる。
一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから乱数値が抽出され、乱数値が記憶されることとなる。
特別図柄ゲームにおいては、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、図柄決定用のカウンタから抽出された乱数値と、上述した大当り判定結果と、が参照され、停止表示させる特別図柄を決定する停止図柄決定が行われる。
次に、変動パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、が参照され、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターン決定が行われる。
そして、上述したように決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了した場合に、大当りとなるか否かが判定され、大当りとなったと判定された場合には、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性が増大することとなる。一方、大当りとならないと判定された場合には、大当り遊技制御が実行されない。
そして、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御においては、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述した大当り判定において、大当りと判定される確率が増大する確変状態であったり、特別図柄や普通図柄の可変表示において、その可変表示時間を減少させる時短状態であったり、各種の遊技状態に移行させることがある。そして、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
一方、普通図柄ゲームにおいては、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、上述した当り判定結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。
そして、上述したように決定された当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了した場合に、当りとなるか否かが判定され、当りとなったと判定された場合には、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。この当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が増大することとなる。一方、当りとならないと判定された場合には、当り遊技制御が実行されない。そして、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
このように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射された遊技球が各種入賞すること以外に、特別図柄ゲームにおいて大当りとなるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて当りとなるか否かによって、遊技球の払出制御が行われ易くなるゲームである。
尚、本実施形態においては、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(所謂、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合において、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図3から図6を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図3から図6に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、各種の制御基板を含む基板ユニット400、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、開口11aが形成されており、その開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。また、上述した木枠12は、その前方にベースドア13が軸着される。
上述した皿ユニット21は、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、その上方に上皿20が、その下方に下皿22が設けられている。上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
ることとなる。
上述した発射装置130は、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータ(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、遊技領域15に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。
この遊技盤14の前面中央には、始動口44、シャッタ40などが設けられている。この始動口44に遊技球が入球したことを条件として、特別図柄の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
この遊技盤14の後方には、液晶表示装置32の表示領域が視認可能に配設されている。また、ベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
また、遊技盤14の中央には、特別図柄表示装置33が配設されている。この特別図柄表示装置33は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置33における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄である。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、この特別図柄表示装置33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。
一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、非確変状態(通常遊技状態)に移行することとなる。上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。
また、これら特別図柄が導出表示される表示態様等によって、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に移行することがある。この時短状態とは、通常遊技状態よりも、特別図柄等の可変表示時間が短く、羽根部材48が開放状態となる時間が長くなるように制御されるため、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
上述した液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域を有している。この液晶表示装置32は、遊技盤14に形成された開口の後方(背面側)に配設されることとなる。この液晶表示装置32における表示領域には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄が可変表示される。この装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せとなり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図5を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置33が設けられている。
また、特別図柄表示装置33の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35が設けられている。また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34aから34d(図7においては符号34と表す)、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置37がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54a及び54bが設けられている。この球通過検出器54a及び54bの近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置35における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止される。
この普通図柄が所定の図柄として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材48(所謂、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入り易くなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入り難くなるようにする。
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56aから56dが設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、大当り遊技状態に移行された場合には、このシャッタ40が遊技球を受け入れ易い開放状態(第一の状態)となるように駆動される。
また、この大入賞口39に遊技球が所定個数通過するか、又は、所定時間が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
また、シャッタ40の上方には、始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、その始動口44への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。
また、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34aから34dは、その保留個数を表示することとなる。
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることがあり、その普通図柄の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置37は、その保留個数を表示することとなる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
また、図6に示すように、上述した球通過検出器54a及び54b、一般入賞口56aから56d、大入賞口39、始動口44の後方には、それぞれ、通過球センサ114、115、一般入賞球センサ106、108、110、112、カウントセンサ104、始動入賞球センサ116が配設され、それぞれの通過又は入球が検知される。また、羽根部材48、シャッタ40の後方には、それぞれ、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が配設され、それぞれの駆動が行われる。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図7に示す。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路60は、メインCPU66を備えている。メインCPU66は、メインROM68(読み出し専用メモリ)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を内蔵している。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が内蔵されている。メインCPU66は、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブルなどが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、このメインCPU66は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する内蔵タイマを備えている。尚、本実施形態においては、メインCPU66に内蔵タイマが内蔵されているが、これに限らず、例えば、メインCPU66と別体にリセット用クロックパルス発生回路を設けてもよい。
また、この主制御回路60は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置33、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34aから34d、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置37、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする普通電動役物ソレノイド118、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120などが接続されている。
また、例えば、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントセンサ104、各一般入賞口56aから56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞球センサ106、108、110、112、球通過検出器54a及び54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過球センサ114、115、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する始動入賞球センサ116、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124などが接続されている。
また、例えば、振動検出回路134、磁力検出回路136が接続されている。振動検出回路134は、パチンコ遊技機における振動を検知するセンサであり、振動を検知した場合には、メインCPU66に振動検出信号を供給する。磁力検出回路136は、パチンコ遊技機における磁力を検知するセンサであり、磁力を検知した場合には、メインCPU66に磁力検出信号を供給する。つまり、振動検出回路134、磁力検出回路136は、所定の不正があったことを検出し、所定の不正が検出されたときに不正検出信号を出力することとなる。尚、本実施形態において、このような振動検出回路134、磁力検出回路136は、不正検出手段、不正検出回路の一例に相当する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部74が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ(図示せず)などを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどを含むランプの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
この音源ICは、スピーカ46L、46Rから発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46L、46Rから音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROMなどから構成されている。
また、パチンコ遊技機10には、主制御回路60、副制御回路200、払出・発射制御回路126などに対して電源電圧を供給する電源回路80が設けられている。この電源回路80は、所定の電源電圧を各制御基板へ供給するとともに、バックアップ用にバックアップ電源電圧をも出力する。
本実施形態における電源回路80の制御回路を示すブロック図を図8に示す。
図8に示すように、電源回路80は、主に、コンバータ82から84と、電源監視回路85と、バックアップ電源電圧供給回路86とから構成される。
電源回路80には、電源スイッチ81がオンされると交流24Vの電源電圧が供給される。供給される交流24Vの電源電圧は、コンバータ82によって直流12Vに変換され、コンバータ83によって直流33Vに変換される。また、直流12Vの電源電圧は、コンバータ84によって直流5Vに変換される。電源回路80は、直流12V、直流5Vの電源電圧を生成し、外部に出力する。直流12Vの電源電圧は、主に、スイッチ動作電源として用いられ、直流5Vの電源電圧は、主に、CPU等のデバイスの動作電源として用いられる。
また、直流5Vは、バックアップ電源電圧供給回路86に供給される。このバックアップ電源電圧供給回路86は、バックアップ電源電圧による逆電流を防止するためのダイオード86aと、バックアップ電源電圧を蓄積するためのバックアップコンデンサ86bとを含む構成である。
ダイオード86aは、アノードが直流5Vに接続されており、カソードがバックアップコンデンサ86bに接続されている。バックアップコンデンサ86bは、その一端がダイオード86aのカソードに接続され、他端が接地されている。また、バックアップコンデンサ86bとダイオード86aのカソードとの間からバックアップ電源電圧が外部に供給される。
このような構成において、コンバータ84から直流5Vが供給されているときには、バックアップコンデンサ86bとダイオード86aのカソードとの間が約5Vの電圧値となり、外部に5Vの電源電圧を供給するとともに、バックアップコンデンサ86bに電荷が蓄電する。
一方、コンバータ84から直流5Vが供給されない場合であっても、バックアップコンデンサ86bに蓄電された電荷が外部に放電され、所定の期間内であれば、外部に5V程度の電圧を供給することとなる。このように、電源回路80は、所定の期間内であれば、バックアップ用にバックアップ電源電圧を出力することとなる。尚、詳しくは後述するが、このバックアップ電源電圧は、メインCPU66に供給されることとなる。
また、直流33Vの電源電圧は、電源監視回路85に出力される。電源監視回路85は、直流33Vの電源電圧を監視し、約27Vから29Vまで低下すると電断検出信号を外部に出力する。尚、詳しくは後述するが、この電断検出信号は、メインCPU66に供給されることとなる。つまり、電源監視回路85(電源回路80)は、所定の電源電圧を監視し、電源電圧の低下を検出すると電断検出信号を出力する回路である。尚、本実施形態において、このような電源監視回路85は、電圧低下検出手段、電断監視回路の一例に相当する。
また、本実施形態における主制御回路60の制御回路を示すブロック図を図9に示す。
図9に示すように、主制御回路60には、メインCPU66の他にも、ORゲート76及び77が含まれている。このORゲート76には、振動検出信号及び磁力検出信号と、電断検出信号とが入力されている。また、ORゲート76からの出力信号は、ORゲート77に入力される。ORゲート77には、ORゲート76からの出力信号と、メインCPU66の出力端子(OUT端子)66cから出力される不正入賞信号とが入力されている。この不正入賞信号は、大入賞口39が開放されないはずの状態でカウントセンサ104からの信号を受信した場合に出力される。また、ORゲート77からの出力信号は、メインCPU66のマスク不能割込端子(XNMI端子)に出力される。
メインCPU66には、マスク不能割込端子(XNMI端子)66a、マスク可能割込端子(XINT端子)66b、出力端子(OUT端子)66c、バックアップ電源端子(VBB端子)66d等が設けられている。
マスク不能割込端子(XNMI端子)66aは、信号の入力に応じてマスク不可能な割込処理を発生させる起因となる端子である。マスク不可能な割込処理とは、優先度が最も高く、許可されたか否かに拘わらない処理である。このマスク不能割込端子(XNMI端子)66aには、ORゲート77からの出力信号が入力される。上述したORゲート76及び77において、振動検出信号、磁力検出信号、電断検出信号、不正入賞信号の少なくともいずれかが出力されることで、信号がマスク不能割込端子66aに入力されることとなる。このマスク不能割込端子66aに信号が入力することによって、電断時、不正検出時等における電断時処理が実行されることとなる。このようなメインCPU66やORゲート76及び77は、振動検出信号、磁力検出信号、不正入賞信号(不正検出信号)、電断検出信号を入力することとなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66やORゲート76及び77は、割込発生回路の一例に相当する。
一方、マスク可能割込端子66bは、信号の入力に応じてマスク可能な割込処理を発生させる起因となる端子である。マスク可能な割込処理とは、割り込みが許可されるまで実行が待機され、許可された場合に実行する割込処理である。
また、バックアップ電源端子(VBB端子)66dには、上述したバックアップ電源電圧が供給されることとなり、所定の期間内においては、メインCPU66に電源電圧が供給されることとなる。これによって、メインCPU66に内蔵されているメインRAM70(記憶媒体)に記憶されている情報が保持されることとなる。つまり、メインRAM70は、遊技の進行に応じて記憶情報の更新記憶が可能であり、その記憶状態を電源遮断時においても保持することとなる。尚、本実施形態において、このようなメインRAM70は、記憶手段、記憶状態保持手段の一例に相当する。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図10から図13に示す。
[メイン処理]
最初に、図10に示すように、RAMアクセス許可を実行する(ステップS11)。そして、メインCPU66は、バックアップ復帰条件を満たしたか否かを判断する(ステップS12)。この処理において、メインCPU66は、バックアップ復帰条件を満たした場合には、ステップS13に処理を移し、バックアップ復帰条件を満たしていない場合には、ステップS14に処理を移す。尚、このバックアップ復帰条件とは、後述する電断検知フラグがオンである、つまり、電断の発生等により、後述するステップS61からステップS64の実行が終了し、各種のデータや状態などのバックアップが取れていることが条件となる。また、メインCPU66は、メイン電断割込処理(電断時処理)が実行されたことを条件に、バックアップを復帰させるバックアップ復帰処理(電源復帰処理)を実行することとなる。
ステップS13においては、メインCPU66は、バックアップ復帰処理を実行し、電断発生前等の復帰前のアドレスへジャンプすることとなる。つまり、メインCPU66は、所定の復帰条件が成立したときに、後述するメイン電断割込処理(図12参照)によってメインRAM70保持されている記憶状態に基づいて、遊技を再開させることとなる。また、言い換えると、メインCPU66は、電源復帰時に、メインRAM70に保持されている電断検知フラグを読み出し、その電断検知フラグ(記憶情報)に基づいて電源電圧の低下の検出前の処理に復帰するための電源復帰処理を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS13を実行するメインCPU66は、遊技制御手段の一例に相当する。尚、バックアップ復帰処理において、メインCPU66は、電断復帰コマンドを副制御回路200のサブCPU206に供給する。これによって、副制御回路200においても、主制御回路60で電断復帰した旨が認識可能となる。
一方、ステップS14においては、メインCPU66は、メインRAM70における作業領域を初期化等の初期化処理を実行する。つまり、メインCPU66は、メインRAM70の記憶情報の初期化を行うこととなる。尚、初期設定処理において、メインCPU66は、初期化コマンドを副制御回路200のサブCPU206に供給する。これによって、副制御回路200においても、主制御回路60で初期化した旨が認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
このように、メインCPU66は、復帰した場合において、電断時処理が実行されたことを示す電断検知フラグ(所定の電断時処理実行データ)が記憶されていることを条件に電源復帰処理を実行する一方、電断検知フラグが記憶されていないときには、記憶情報を初期化する初期化処理を実行することとなる。尚、本実施形態においては、ステップS11からステップS14を実行するメインCPU66は、遊技制御手段の一例に相当する。
そして、詳しくは図13を用いて後述するが、メインCPU66は、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示装置33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。
そして、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS16)。そして、メインCPU66は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(ステップS19)。
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。尚、本実施形態において、メインCPU66は、遊技の制御を行う遊技制御手段の一例に相当する。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU66に内蔵されている内蔵タイマによる所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図11を用いて説明する。
最初に、図11に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、メインCPU66は、始動口44等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。また、この処理において、メインCPU66は、大入賞口39に入賞があったと検出された場合において、制御状態フラグが“00”,“01”,“02”,“07”,“08”のいずれかであるときは、不正入賞信号を出力することとなる。そして、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。
そして、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給するコマンド出力処理を実行する(ステップS47)。そして、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する(ステップS49)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[メイン電断割込処理]
また、メインCPU66は、マスク不能割込端子66aへの信号入力に応じて、メイン処理、システムタイマ割込処理を実行している状態であっても、それら処理を中断させ、最優先にメイン電断割込処理を実行することがある。供給電源電圧値を監視し、その値が所定の閾値以下となっていたと検知された場合や、各種の不正を検出した場合に、以下のメイン電断割込処理を実行することとなる。このメイン電断割込処理について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPU66は、一時的にデータが格納されているレジスタの値をメインRAM70の所定領域に退避させる(ステップS61)。そして、メインCPU66は、割込み許可/禁止状態を記憶する(ステップS62)。そして、メインCPU66は、実行中のプログラムのアドレスなどを示すスタックポインタをメインRAM70の所定領域に退避させる(ステップS63)。そして、メインCPU66は、作業領域が損傷しているか否かをチェックするための作業領域損傷チェック値を算出し、メインRAM70の所定領域に記憶する(ステップS64)。
そして、メインCPU66は、電断検知フラグをメインRAM70の所定領域に記憶する(ステップS65)。つまり、メインCPU66は、電断時処理において電断時処理が実行されたことを示す電断検知フラグ(所定の電断時処理実行データ)を記憶することとなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66は、遊技制御手段の一例に相当する。
そして、メインCPU66は、RAMアクセスを禁止する(ステップS66)。このような処理を行った後には、供給電源電圧値の低下により電断状態となっても、電断状態以前の状態がバックアップされているため、バックアップ復帰が可能となる。
このように、メインCPU66は、上述したようにマスク不能割込端子66aへ振動検出信号、磁力検出信号、不正入賞信号(不正検出信号)、電断検出信号が入力されると、マスク不能割込を発生させて電断時処理を実行することとなる。また、この電断時処理では、メインCPU66は、電源電圧の低下が検出されると、電源電圧の低下の検出前の処理へ復帰可能とするための処理を実行する。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66は、遊技制御手段、遊技中断制御手段の一例に相当する。
従って、所定の不正が検出されたときにも、電断時処理が実行されるので、所定の不正が検出されたときに電源が遮断されたとみなして、即座に遊技を中断させることができ、不正行為の未然防止ができる。また、簡便な回路構成、プログラム構成で、不正行為を効果的に防止することができる。
[特別図柄制御処理]
図10の特別図柄制御処理について図13を用いて説明する。尚、図13において、各処理の側方に描いた数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図13に示すように、メインCPU66は、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。
尚、後述する各処理において、メインCPU66は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPU66は、特別図柄記憶チェック処理を実行する(ステップS72)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。
そして、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理処理を実行する(ステップS73)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、特別図柄表示時間管理処理を実行する(ステップS74)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する(ステップS75)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口開放中処理を実行する(ステップS76)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視処理を実行する(ステップS77)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する(ステップS78)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を実行する(ステップS79)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。
そして、メインCPU66は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、はずれとなった場合には、特別図柄ゲーム終了処理を実行する(ステップS80)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、メインCPU66は、制御状態フラグが“00”、“01”、“02”、“07”、“08”である場合には大入賞口39が開放されないはずであるため、その間において、カウントセンサ104からの信号を受信したときには、不正入賞信号を出力端子66cから出力することとなる。
[第二の実施形態]
尚、上述した実施形態においては、振動検出信号、磁力検出信号、不正入賞信号(不正検出信号)、電断検出信号をORゲート76及び77で論理和として、マスク不能割込端子66aに入力させる構成であったが、これに限らず、例えば、図14に示すように、電源回路80のコンバータ83と電源監視回路85との間に、スイッチ回路89を接続する構成であってもよい。そして、スイッチ回路89には、振動検出信号、磁力検出信号、不正入賞信号が入力されており、その入力があると、スイッチ回路89のスイッチがオフとなり、電源監視回路85が電源電圧の低下を検出することとなる。これによって、電源監視回路85からの電断検出信号がマスク不能割込端子66aに入力されることとなる。もちろん、電源回路80のコンバータ83と電源監視回路85との間でなくても、電源スイッチ81とコンバータ82及び83との間に、スイッチ回路89を接続する構成であってもよい。
[第三の実施形態]
また、上述した実施形態においては、所定の不正が検出されたときに、電断時処理を実行させたが、これに限らず、例えば、所定の不正が検出されたときに、遊技の制御を停止させてもよい。
この場合における実施形態について以下に説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成については、理解を容易とするために説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
本実施形態における主制御回路60の制御回路を示すブロック図を図15に示す。
図15に示すように、主制御回路60には、メインCPU66の他にも、ORゲート77、初期リセット回路64が含まれている。このORゲート77には、振動検出信号及び磁力検出信号と、メインCPU66の第一出力端子(OUT端子1)66cから出力される不正入賞信号とが入力されている。また、ORゲート77からの出力信号は、メインCPU66のマスク可能割込端子(XINT端子)に出力される。
メインCPU66には、マスク不能割込端子(XNMI端子)66a、マスク可能割込端子(XINT端子)66b、第一出力端子(OUT端子1)66c、バックアップ電源端子(VBB端子)66d、システムリセット端子(XSRST端子)66e、第二出力端子(OUT端子2)66f等が設けられている。
マスク不能割込端子(XNMI端子)66aには、電断検出信号が入力されている。このマスク不能割込端子66aに信号が入力することによって、電断時等における電断時処理が実行されることとなる。このようなメインCPU66やORゲート77は、電断検出信号を入力するマスク不能割込端子を有することとなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66やORゲート76及び77は、割込発生回路の一例に相当する。
一方、マスク可能割込端子66bには、ORゲート77の出力信号が入力されている。このため、マスク可能割込端子66bには、振動検出信号、磁力検出信号、不正入賞信号(不正検出信号)の少なくともいずれかが入力されることによって、後述する不正検出割込処理が実行されることとなる。このような不正検出割込処理においては、電断時等における電断時処理が実行されることなく、遊技の制御を停止させることとなる。
また、システムリセット端子66eは、メインCPU66をシステムリセット状態とする起因となる端子である。システムリセット端子66eには、初期リセット回路64のシステムリセット出力端子64cからの出力信号が入力される。このため、詳しく後述するが、初期リセット回路64において、ウォッチドッグタイマクリア信号が所定時間以内に入力されない場合には、メインCPU66がシステムリセット状態となることとなる。
また、第二出力端子66fからは、メインCPU66が正常に動作している場合には、所定の周期毎にウォッチドッグタイマクリア信号が出力される。このクリア信号は、詳しく後述するが、初期リセット回路64のクロック端子64bに入力される。つまり、メインCPU66は、遊技の制御中において、初期リセット回路64(システムリセット回路)に対して所定時間毎にクリア信号を出力することとなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66は、クリア信号出力手段の一例に相当する。
初期リセット回路64には、タイミングコンデンサ端子(TC端子)64a、クロック端子(CK端子)64b、システムリセット出力端子(RST端子)64c、タイミングコンデンサ64d等が設けられている。
タイミングコンデンサ端子64aは、システムリセット信号を出力する待機時間(例えば、2200ms)を決定するための端子である。このタイミングコンデンサ端子(TC端子)64aには、タイミングコンデンサ64dの一端が接続されており、そのタイミングコンデンサ64dの容量に応じて待機時間が決定されることとなる。また、ウォッチドッグタイマクリア信号が入力されるとタイミングコンデンサ64dに蓄電されている電荷を放電することとなる。
クロック端子64bは、ウォッチドッグタイマクリア信号を入力するための端子である。このクロック端子64bには、メインCPU66の第二出力端子66fからのウォッチドッグタイマクリア信号が入力される。このため、メインCPU66が正常に動作している場合には、所定の周期でクリア信号が入力されるが、メインCPU66が正常に動作していない場合には、クリア信号が入力されなくなる。
タイミングコンデンサ64dは、所定の容量(例えば、0.22μF)である。このタイミングコンデンサ64dは、その一端がタイミングコンデンサ端子64aに接続されており、もう他端が接地されている。ウォッチドッグタイマクリア信号がクロック端子64bに入力されると、このタイミングコンデンサ64dに蓄電されていた電荷は放電される。また、ウォッチドッグタイマクリア信号の入力後においては、時間の経過に応じて電荷が蓄電され、待機時間(例えば、2200ms)が経過した場合には、システムリセット信号がシステムリセット出力端子64cから出力されることとなる。
システムリセット出力端子64cは、システムリセット信号を出力する端子である。このシステムリセット出力端子64cから出力されるシステムリセット信号は、メインCPU66のシステムリセット端子66eに入力される。
システムリセット出力端子64cからシステムリセット信号が出力される条件は、ウォッチドッグタイマクリア信号がクロック端子64bに入力されてから、クリア信号の入力なしに、待機時間(例えば、2200ms)が経過することを条件としている。
このため、メインCPU66が正常に動作せず、待機時間(例えば、2200ms)が経過すると、システムリセット信号がオンとして所定時間だけメインCPU66に出力されることとなる。そして、所定時間が経過した場合には、システムリセット信号がオフとなる。これによって、メインCPU66が正常に動作しなくなった場合には、システムリセット信号がメインCPU66に出力され、システムリセットから復帰され、電源投入時における処理が実行されることとなる。
つまり、初期リセット回路64は、メインCPU66からウォッチドッグタイマクリア信号(クリア信号)が入力されてから再度ウォッチドッグタイマクリア信号が入力されることなく所定時間が経過したときに、メインCPU66をシステムリセット状態とするためのシステムリセット信号を出力することとなる。尚、本実施形態において、このような初期リセット回路64は、システムリセット回路の一例に相当する。
最初に、図16に示すように、メインCPU66は、ウォッチドッグタイマクリア信号出力処理を実行する(ステップS41)。この処理において、メインCPU66は、第二出力端子(OUT端子2)66fから初期リセット回路64のクロック端子(CK端子)64bにクリア信号を出力する。これによって、メインCPU66が正常に動作している間は、システムタイマ割込処理が実行される所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクリア信号が初期リセット回路64に入力される。このため、初期リセット回路64は、メインCPU66が正常に動作している間は、システムリセット出力端子64cからシステムリセット信号を出力せず、メインCPU66が不正を検知した等異常となったときには、所定時間(例えば2200ms)経過後、システムリセット出力端子64cからシステムリセット信号を出力することとなる。つまり、メインCPU66は、遊技の制御中において、初期リセット回路64(システムリセット回路)に対して所定時間毎にクリア信号を出力することとなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66は、クリア信号出力手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS42に処理を移す。
[不正信号割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、それら処理を中断させ、優先して不正信号割込処理を実行することがある。各種の不正を検出した場合に、以下の不正信号割込処理を実行することとなる。この不正信号割込処理について図17を用いて説明する。尚、メイン電断割込処理が実行可能な場合には、この不正信号割込処理より優先して実行される。
最初に、図17に示すように、メインCPU66は、RAMアクセスを禁止する(ステップS69)。この場合においては、メインCPU66は、ウォッチドッグタイマクリア信号を出力することができず、システムリセット状態となり、メイン処理の最初の処理から実行されることとなる。不正信号割込処理においては、メイン電断割込処理とは異なり、実行中のプログラムのアドレスなどを示すスタックポインタや、作業領域損傷チェック値、そして、電断検知フラグを記憶しないため、システムリセット復帰時においては、ステップS13のバックアップ復帰処理には移行せず、ステップS14の作業領域を初期化する処理に移行することとなる。このように、メインCPU66は、メイン電断割込処理とは異なり、所定の不正が検出されたときに、電断時処理を実行させることなく、遊技の制御を停止させることとなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66は、遊技停止手段の一例に相当する。
従って、所定の不正が検出されたときに、遊技の制御を停止させるので、所定の不正が検出されたときに、即座に遊技を停止させることができ、不正行為の未然防止ができる。また、不正が検出された場合には、電断時処理を実行させず、電断時処理実行データが記憶されないため、システムリセット状態から復帰した場合において、電源電圧の低下の検出前の処理に復帰させることなく、所定の記憶情報を初期化することとなり、不正行為者が不正の利益を得る可能性を抑制することができる。
[その他の実施形態]
尚、振動や磁力、不正入賞などの所定の不正が検出された場合に、所定の不正が行われた旨の報知が行われてもよい。また、これらの不正に限らず、他の不正を検出するようにしてもよく、それらの組合せであってもよい。また、所定の不正が検出された場合に、電源がオフとなってもよい。
尚、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機、権利モノと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
尚、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチスロ遊技機やゲーム機など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。