以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。打球操作ハンドル(操作ノブ)5には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
演出表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域19が設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われたりするなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の一部の第4図柄表示領域19でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域19を所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、第4図柄表示領域19における第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときには、第4図柄表示領域19において大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当り(昇格確変大当り)のいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を1つ設ける場合を示しているが、第4図柄表示領域を2つ設けるようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に対応する第4図柄表示領域と、第2特別図柄の変動表示に対応する第4図柄表示領域とをそれぞれ設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9とは別にランプやLEDなどの発光体を用いて実現する場合を示しているが、演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。
演出表示装置9の下方には、始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出される。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態にされる。なお、可変入賞球装置15の真上に第1始動入賞口を設け、可変入賞球装置15を第2始動入賞口としてもよい。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態に制御される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)で検出される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30が設けられ、遊技球の入賞口29,30への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a(例えば、近接スイッチ)によって検出される。
各入賞口29,30は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。なお、各入賞口29,30に入賞した遊技球を入賞スイッチで検出する構成に代えて、遊技球が所定領域(例えばゲート)を通過したことを検出スイッチで検出する構成としてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。なお、この実施の形態では、遊技機に設けられている発光体をランプやLEDを用いて構成する場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、遊技機に設けられている発光体を、全てLEDを用いて構成するようにしてもよい。
なお、図1および図2では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
カードユニット50には、例えば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放は、決定されたラウンド数の最後のラウンドまで(例えば、15ラウンドまで)許容される。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りになる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
また、この実施の形態では、遊技領域7のうち始動入賞口14や大入賞口などが設けられている領域の背面には電波センサ61が設けられている。また、この実施の形態では、遊技領域7の所定領域の背面には磁石センサ62が設けられている。なお、図1に示した電波センサ61や磁石センサ62の数や配置は一例であり、遊技領域7の構成の仕方などによって電波センサ61や磁石センサ62を様々な数・位置に配置してもよい。図1に示すように、この実施の形態では、電波センサ61が設けられていることによって電波を用いて不正に入賞を誤検出させるような行為を検出できるとともに、磁石センサ62が設けられていることによって磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為を検出することができる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。図3に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。また、演出制御基板80および遊技制御基板(主基板)31には、裏面側から見て視認可能な態様でそれぞれ異常報知用LED80A,31Aが設けられている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがって遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがって遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図18に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37、演出制御基板80および発射制御基板91等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560、制御用クロック生成回路111、および乱数用クロック生成回路112が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路509が内蔵されている。
ここで、制御用クロック生成回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路111により生成された制御用クロックCCLKは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路112は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路112により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路112により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路111により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすればよい。あるいは、乱数用クロック生成回路112により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路111により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数よりも高周波となるようにしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路509から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ370)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路511が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間でシリアル通信を行う場合を示しているが、演出制御基板80側にもシリアル通信回路を搭載するようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信方式を用いて演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように制御してもよい。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、遊技を再開させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。また、この実施の形態では、バックアップRAMには、後述するセンサ異常(電波異常または磁気異常)を検出したことを示すセンサ異常フラグや、セキュリティ信号を出力するために用いるセキュリティ信号情報タイマも保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および各入賞口スイッチ29a,30aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知用LED31Aの点灯制御を行う。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、打球操作ハンドル(操作ノブ)5の操作量にしたがって調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、打球操作ハンドル(操作ノブ)5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
この実施の形態では、遊技制御基板(主基板31)とカードユニットとの双方から払出制御基板37に対して接続信号が出力されているときに、払出制御基板37から発射制御基板91に発射制御信号が出力されるように構成されている。そして、発射制御基板91は、少なくとも払出制御基板37から発射制御信号が出力されていなければ、駆動モータ94に通電しない(つまり、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されても駆動モータが駆動せず、遊技球が発射されない)ように構成されている。
なお、例えば、打球操作ハンドル(操作ノブ)5に設けられたタッチリング(タッチセンサ)において人体との接触の有無を検出し、接触を検出しているときには、タッチリング(タッチセンサ)から発射制御基板91にタッチセンサ信号を出力するように構成することもできる。この場合には、払出制御基板37から発射制御信号が出力されるとともに、タッチリング(タッチセンサ)からタッチセンサ信号が出力されていなければ、駆動モータ94に通電しないように構成されていてもよい。また、例えば、打球操作ハンドル(操作ノブ)5に設けられた単発発射スイッチが操作されたときには、発射制御基板91に単発発射スイッチ信号が出力されるように構成し、発射制御基板91において、単発発射スイッチ信号が出力されているときには、駆動モータ94に通電しない(つまり、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されても駆動モータが駆動せず、遊技球が発射されない)ように構成されていてもよい。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポート(図示省略)を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号にもとづいて天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して異常報知用LED80Aの点灯制御を行う。
図6は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図6に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち高確中信号も出力される。
なお、図6に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。したがって、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち高確中信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機のエラー状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、例えば、特別図柄表示装置を2つ備えるように遊技機を構成する場合、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、例えば、いずれか一方の特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、両方の特別図柄の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、いずれか一方の特別図柄のみの変動回数に加えて、両方の特別図柄の合計の変動回数も把握することができる。
図7は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図7に示すように、入力ポート0のビット0,2,3には、それぞれ、カウントスイッチ23の検出信号、および入賞口スイッチ29a,30aの検出信号の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0,2〜4には、それぞれ、始動口スイッチ14aの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図8は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図8に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に高確中信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
図8に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」、コネクタCN−2のコネクタ「9」、およびコネクタCN−3のコネクタ「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC10では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC10の動作により、入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から高確中信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(例えば、コネクタCN10)から出力されるようにしてもよい。
なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN10から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行われたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述するように、電波センサ61の検出結果にもとづいて電波異常が発生したと判定された場合や、磁石センサ62の検出結果にもとづいて磁気異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、磁石等を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。以下、電波異常と磁気異常とをセンサ異常と総称することがある。
この実施の形態では、センサ異常(電波異常または磁気異常)の検出にもとづきセキュリティ信号を外部出力する場合には、遊技機への電源が再投入され初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで、このセンサ異常(電波異常または磁気異常)の検出にもとづくセキュリティ信号の外部出力が継続される。
なお、後述するように、初期化処理が行われた場合にはセキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)外部出力されるので、より正確には、遊技機への電源が再投入され初期化処理が実行されたときに、内部的にはセンサ異常(電波異常または磁気異常)の発生にもとづくセキュリティ信号の外部出力を終了し、初期化処理にもとづくセキュリティ信号の外部出力が開始され、所定期間(例えば、30秒間)を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。したがって、見た目上は、センサ異常(電波異常または磁気異常)の発生にもとづきセキュリティ信号の外部出力が開始された場合には、遊技機への電源が再投入され初期化処理が実行された後、所定期間(例えば、30秒間)を経過したときにセキュリティ信号の外部出力が終了する。
また、後述するように、クリアスイッチが操作されることなく電源が再投入されたときには、初期化処理が行われず、ホットスタート処理が行われる。そして、ホットスタート処理が行われる場合には、初期化処理が行われる場合のようにセキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)外部出力されない。したがって、センサ異常(電波異常または磁気異常)の検出にもとづいて開始されたセキュリティ信号の外部出力は、ホットスタート処理が実行されると終了する。なお、この実施の形態で示す例に限らず、例えば、ホットスタート処理が行われる場合にも、初期化処理が行われる場合と同様に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)外部出力されるように構成してもよい。また、例えば、後述するセキュリティ信号のオン時間(すなわち残りの出力期間)を計測するためのセキュリティ信号情報タイマをバックアップRAM領域に記憶させるようにし、ホットスタート処理が行われる場合には、セキュリティ信号情報タイマにもとづいて、残りの出力期間だけセキュリティ信号が外部出力されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態でないときに始動入賞口14への遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、この異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、可変入賞球装置15や大入賞口に対する不正行為によって異常入賞が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞球装置15や大入賞口に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、磁気異常が検出された場合と、電波異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。また、磁気異常や電波異常、異常入賞も何らかの不正行為が行われないかぎり発生しないのであるから、磁気異常や電波異常、異常入賞のために専用のコネクタや半導体リレーを個別に設けることも効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、磁気異常が検出された場合と、電波異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、この実施の形態では、始動入賞口14および大入賞口の両方の異常入賞を検出してセキュリティ信号を外部出力可能に構成しているが、始動入賞口14と大入賞口とのいずれか一方の異常入賞のみを検出して、セキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。
また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から払出制御コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路511のステータスレジスタ(図示せず)のいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、磁気異常の検出、電波異常の検出、始動入賞口14への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、通信エラーの検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれのエラーに対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかのエラーが発生していることを認識できるとともに、さらにエラーの種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側でエラーの種類を確認することができる。したがって、遊技店側からエラーの種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別にエラー種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行えるようにすることができる。一方で、何らかのエラーが発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC10をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC10を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC10ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図9は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、ROM54に記憶されているセキュリティチェックプログラム54Aにしたがって、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、払出制御基板37に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU56は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能となったりしないかぎり、払出制御基板37に対して接続信号を継続して出力する。この実施の形態では、払出制御基板37に出力された接続信号は、払出制御基板37上の回路に入力されるが、払出制御用マイクロコンピュータ370には入力されないように構成されているが、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるように構成されていてもよい。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行う(ステップS91)。
図10は、ホットスタート処理の処理例を示すフローチャートである。ホットスタート処理において、CPU56は、まず、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9101)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS9102)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データ(例えば、賞球プロセスコードや賞球プロセスタイマ、枠状態表示バッファ、前回枠状態表示バッファ)が設定されている。ステップS9101およびS9102の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
次いで、CPU56は、センサ異常(電波異常または磁気異常)が発生したことを示すセンサ異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS9103)、セットされていなければ、ホットスタート処理を終了する。また、センサ異常フラグがセットされていれば、CPU56は、センサ異常フラグをリセットする(ステップS9104)。
図10に示すように、この実施の形態では、ホットスタート処理において、センサ異常フラグがセットされていれば、リセットされる。また、詳細については後述するが、この実施の形態では、センサ異常が検出されたことにもとづいてセンサ異常フラグがセットされ、センサ異常フラグがリセットされるまで、異常報知(セキュリティ信号の外部出力や異常報知画面の表示など)と、遊技に関する制御の停止と、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18および第4図柄表示領域19の消灯制御とが行われる。したがって、この実施の形態では、センサ異常が検出されると、異常報知(セキュリティ信号の外部出力や異常報知画面の表示など)と、遊技に関する制御の停止と、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18および第4図柄表示領域19の消灯制御とが行われる状態となり、そのような状態は、ホットスタート処理が行われることによって解消される(すなわち、異常報知(セキュリティ信号の外部出力や異常報知画面の表示など)が停止され、遊技に関する各制御が行われ、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18および第4図柄表示領域19の表示制御が行われる)。なお、センサ異常フラグは、後述する初期化処理のRAMクリア処理(ステップS10)においても初期化(すなわちリセット)されるため、電源が再投入されると、ホットスタート処理と初期化処理とのいずれが実行されるかに関わらずリセットされる。
ホットスタート処理が終了すると、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS92)、ステップS15に移行する。なお、ステップS92で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、センサ異常フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路509を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、あらかじめROM54に格納されている乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路509にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路511を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムにしたがってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路511に設定することによって、シリアル通信回路511に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路511を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路511の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557にしたがって処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルにしたがって、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルにしたがって、シリアル通信回路511において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路511からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報にしたがって、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路509やシリアル通信回路511の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路511のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当り判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路511からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路511から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
次に、タイマ割込処理について説明する。図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20a)。
次いで、CPU56は、センサ異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS20b)、センサ異常フラグがセットされていなければ、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。また、特別図柄保留記憶表示器18については、ステップS84またはステップS54で設定される出力バッファの内容に応じて特別図柄保留記憶表示器18に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための異常入賞報知処理を行う(ステップS23)。
次いで、CPU56は、磁石センサ62や電波センサ61から検出信号を入力したことにもとづいて磁気異常報知や電波異常報知を行うセンサ異常報知処理を実行する(ステップS24a)。
次いで、CPU56は、センサ異常フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS24b)、センサ異常フラグがセットされていなければ、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路511を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には始動口スイッチ14aや、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。なお、この実施の形態では、図6に示すように、出力ポート0にソレノイドに関する内容(ビット1、2)と、接続信号に関する内容(ビット0)と、高確中信号に関する内容(ビット7)とが設けられているが、接続信号に関する内容と、高確中信号に関する内容とを出力するための出力ポートを、出力ポート0とは別に設けるようにしてもよい。この場合には、ソレノイドに関する内容を出力する処理(例えば、ステップS34ではソレノイドに関する内容を出力する処理を行う)と、接続信号に関する内容または高確中信号に関する内容を出力する処理とを分けるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1〜3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS40)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS41)、処理を終了する。
また、ステップS20bまたはステップS24bにおいてセンサ異常フラグがセットされている場合には(ステップS20bのYまたはステップS24bのY)、ステップS39に移行する。すなわち、センサ異常が発生しているときには、ステップS21からS37の処理が行われず、それらの処理によって制御される動作等が停止された状態となる。厳密には、センサ異常報知処理(ステップS24)においてセンサ異常が検出された直後(つまりセンサ異常フラグがセットされた直後)には、センサ異常報知処理以降のステップS25〜S37の処理が行われず、次回以降のタイマ割込処理でステップS21からS37の処理が行われないようになる。例えば、スイッチ処理(ステップS21)が行われなくなることで、遊技球が、ゲートスイッチ32aや始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aを通過したとしても、通過したと認識されないようになる。また、例えば、賞球処理(ステップS32)が行われなくなることで、賞球の払い出しが停止されることになる。また、例えば、出力処理(ステップS34)が行われなくなることで、ソレノイド16やソレノイド21の動作(遊技制御用マイクロコンピュータ56によって制御されるモータが設けられている場合にはモータの動作)が停止されることになる。このように、この実施の形態では、センサ異常フラグがセットされている期間には、ステップS21からS37の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)を行わないようにすることで、センサ異常を検出したときから、電源再投入によるホットスタート処理または初期化処理が行われるまでは、遊技に関する制御が停止されるように構成されている。なお、図11に示す例に限らず、ステップS20bの処理の前にセンサ異常報知処理(ステップS24a)を実行し、ステップS24bの処理を省略するように構成してもよい。
ステップS39では、CPU56は、遊技球の発射を停止するために、払出制御基板37に対する接続信号の出力を停止する(ステップS39)。
この実施の形態では、遊技制御基板(主基板31)とカードユニットとの双方から払出制御基板37に対して接続信号が出力されているときに、払出制御基板37から発射制御基板91に発射制御信号が出力されるように構成されている。そして、発射制御基板91は、少なくとも払出制御基板37から発射制御信号が出力されていなければ、駆動モータ94に通電しないように構成されている。そのため、遊技制御基板(主基板31)から払出制御基板37に対して接続信号が出力されていなければ、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されたとしても駆動モータ94が駆動されず、遊技球が発射されることはない。したがって、この実施の形態では、異常状態が検出されたときには、ステップS39において、払出制御基板37に対する接続信号の出力が停止されることによって、遊技球が発射されない発射停止状態に移行される。
なお、発射停止状態に制御するために、例えば、CPU56から発射制御基板91に対して発射停止信号を出力し、発射停止信号を入力した発射制御基板31において、打球操作ハンドル(操作ノブ)5が操作されたとしても駆動モータ94を駆動せず、打球が発射されないように制御するようにしてもよい。このときには、ステップS39の処理において、既に発射停止信号が出力されている場合には、再び発射停止信号を出力しないようにしてもよい。また、ステップS39の処理が1度行われ、既に発射停止信号が出力されている場合には、以降のタイマ割込処理において、ステップS39を省略するようにしてもよい。なお、発射制御基板91における制御状態は、電源再投入によって初期化される。すなわち打球が発射可能な状態に制御される。
ステップS39の処理が終了すると、ステップS40に移行する。つまり、センサ異常が発生している場合でも、情報出力処理は実行される。なお、詳細については後述するが、センサ異常が発生している場合(センサ異常フラグがセットされている場合)には、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置のみがセットされ続けるため、セキュリティ信号のみが出力され続ける。このように、センサ異常フラグがセットされているときには、遊技に関する制御が停止される(ステップS21〜S37の処理が省略され、ステップS39の処理が実行されることで発射停止状態に移行される)が、全ての制御が停止されるのではなく、情報出力処理(ステップS40)において、セキュリティ信号の外部出力が行われる。そのため、異常状態が検出されたことにもとづいて遊技に関する制御を停止した場合(例えば、スイッチ処理の停止や賞球処理の停止、出力処理の停止、発射停止などを行った場合)でも、異常状態が検出されたことを外部に報知することができる。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8または特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、後述する始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定処理を実行し、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。また、大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、ステップS36の特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。なお、「大入賞口の閉成条件」は、大入賞口内の上流側のカウントスイッチ23により検出された大入賞口への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達したことにもとづいて成立する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。なお、「大入賞口の閉成条件」は、大入賞口内の上流側のカウントスイッチ23により検出された大入賞口への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達したことにもとづいて成立する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS81)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS82)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する小当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS83)。ステップS83では、CPU56は、ソフトウェア乱数の値(特別図柄変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS84)。具体的には、CPU56は、特別図柄保留記憶表示用の特別図柄保留記憶表示制御データを特別図柄保留記憶表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄保留記憶表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄保留記憶表示器18に対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄保留記憶表示器18における表示状態が変更される。なお、この実施の形態では、表示制御処理(ステップS22)において、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御が行われる構成となっているが、例えば、特別図柄保留記憶表示器18については、始動口スイッチ通過処理(ステップS84)と後述する特別図柄通常処理(ステップS54)とで表示制御が行われる構成であってもよい。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS85)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS54)。具体的には、CPU56は、特別図柄保留記憶表示用の特別図柄保留記憶表示制御データを特別図柄保留記憶表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄保留記憶表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄保留記憶表示器18に対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄保留記憶表示器18における表示状態が変更される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS60)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS61)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか否かを決定する処理を実行するプログラムである。
大当りとすることに決定しなかったときには(ステップS62のN)、ステップS67に移行し、大当りとすることに決定したときには(ステップS62のY)、CPU56は、大当り種別判定用乱数と大当り種別判定用テーブル大当りとにもとづいて、大当り種別を決定する(ステップS63)。そして、ステップS67に移行する。
ステップS67では、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、大当りとすることに決定しなかった場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りとすることに決定した場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS29)について説明する。図15は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図16は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS250)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS250のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS255の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。したがって、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(ステップS250のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ0(入力ポート0に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(ステップS251)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ0の内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図7参照)との論理積をとる(ステップS252)。スイッチオンバッファ0の内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS253のN)、すなわち、カウントスイッチ23がオンしていれば、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS254)。この実施の形態では、ステップS254でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、大入賞口への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
ステップS255では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS255)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態であると判断される状態(可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態のときとを含む)である。そのような状態であれば(ステップS255のY)、始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS255のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態以外の状態と判断される状態である。このような状態のときに始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。したがって、以下に示す始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS255のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ2(入力ポート2に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ2の内容と始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)、図7参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファ2の内容が01(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、すなわち、始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS259)。この実施の形態では、ステップS259でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、始動入賞口14への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(ステップS40参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態(始動入賞口14が開状態以外の状態)において始動口スイッチ14aがオンした場合にも、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(ステップS40参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。
なお、ステップS250の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたり、異常報知されたりしてしまうようなことはない。
また、ステップS255の処理では、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたり、異常報知されたりしてしまうようなことはない。
なお、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを、大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
図17は、ステップS24aのセンサ異常報知処理を示すフローチャートである。センサ異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、磁石センサ62からの磁石センサ信号を入力したか否かを確認する(ステップS260)。具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファ1(入力ポート1に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードし、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容と磁石センサ信号入力ビット判定値(20(H)、図7参照)との論理積をとり、論理積の演算結果が20(H)であれば磁石センサ信号を入力したと判定する。
磁石センサ信号を入力していれば(すなわち、磁石センサ62によって磁気が検出されていれば)、CPU56は、磁気異常が発生したと判定し、磁気異常が発生したことを報知することを指定する磁気異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS261)。そして、ステップS264に移行する。
また、磁石センサ信号を入力してなければ(ステップS260のN)、CPU56は、電波センサ61からの電波センサ信号を入力したか否かを確認する(ステップS262)。具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファ1(入力ポート1に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードし、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容と電波センサ信号入力ビット判定値(10(H)、図7参照)との論理積をとり、論理積の演算結果が10(H)であれば電波センサ信号を入力したと判定する。
電波センサ信号を入力していれば(すなわち、電波センサ61によって電波が検出されていれば)、CPU56は、電波異常が発生したと判定し、電波異常が発生したことを報知することを指定する電波異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS263)。そして、ステップS264に移行する。また、磁石センサ信号および電波センサ信号を入力していなければ(ステップS262のN)、センサ異常報知処理を終了する。
ステップ264では、磁気異常または電波異常を検出したことを示すセンサ異常フラグをセットする(ステップS264)。この実施の形態では、ステップS264でセンサ異常フラグがセットされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS40参照)が実行されることによって、セキュリティ信号が遊技機への電源が再投入され初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで外部出力される。また、既に説明したように、この実施の形態では、ステップS264でセンサ異常フラグがセットされたことにもとづいて、遊技に関する制御が停止される(タイマ割込処理のステップS21〜S37(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)が省略され、ステップS39の処理が実行されることで発射停止状態に移行される)。
次いで、CPU56は、異常報知用LED31Aを点灯させてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したことを報知する(ステップS265)。
次いで、CPU56は、特別図柄表示器8を消灯状態に制御する(ステップS266)。具体的には、CPU56は、特別図柄表示器8を消灯状態に制御するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定し、出力バッファの設定内容に応じて特別図柄表示器8に対して駆動信号を出力する。
また、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18を消灯状態に制御する(ステップS267)。具体的には、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18を消灯状態に制御するための特別図柄保留記憶表示制御データを特別図柄保留記憶表示制御データ設定用の出力バッファに設定し、出力バッファの設定内容に応じて特別図柄保留記憶表示器18に対して駆動信号を出力する。
一般に、異常状態を検出したときには、異常報知や遊技を停止する制御が行われることがあるが、そのようなときにも、特別図柄表示器8または特別図柄保留記憶表示器18(またはこれらに相当する表示)が、異常状態を検出する前と同じ態様で表示するように制御されていると、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しづらくなり、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ステップS266〜S267の処理を行うことによって、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されたときに、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18を消灯状態に制御するように構成されている。つまり、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されると、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18において検出前まで表示されていた特別図柄および特別図柄保留記憶が非表示となる。このように、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18を、センサ異常(磁気異常または電波異常)検出前と明らかに異なる表示態様(非表示)とすることで、異常が発生していること、遊技が停止されていることを認識しやすくすることができる。したがって、この実施の形態では、センサ異常が発生したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、ステップS266〜S267を実行することによって、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18を消灯状態に制御するように構成されているが、例えば、ステップS266〜S267のいずれかのみを実行することによって、特別図柄表示器8または特別図柄保留記憶表示器18のいずれかのみを消灯状態に制御するものであってもよい。また、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18に限らず、例えば、普通図柄表示器10や普通図柄保留記憶表示器41を消灯状態に制御するものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ56によって制御される発光体がある場合には、それらを消灯状態に制御するものであってもよい。
図18は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図18に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、および高確中信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS40参照)によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理によって出力される。
図柄確定回数1信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、磁石センサ62または電波センサ61の検出結果にもとづいてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が、電源が再投入されて初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、大入賞口や始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
高確中信号は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す信号である。この実施の形態では、高確中信号は、停電復旧してから所定条件が成立するまで(具体的には、最初の大当りが発生するまで)、ターミナル基板160を介して外部出力される。
また、賞球情報は、既に説明したように、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)にもとづいて入賞信号が外部出力され、入賞信号にもとづいてホール側で賞球数の把握を行うことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。
図19は、ステップS40の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図19に示す例では、情報出力処理で実行される処理のうちセキュリティ信号を外部出力する処理の部分について示し、その他の処理については記載を省略しているが、実際には、情報出力処理では、図19に示す処理の他に図柄確定回数1信号や、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、高確中信号を外部出力する処理も実行される。
情報出力処理において、CPU56は、センサ異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1001)。センサ異常フラグがセットされていれば(すなわち、センサ異常(磁気異常または電波異常)の発生が検出されていれば)、CPU56は、セットされていればセキュリティ信号情報タイマの値をクリアする(ステップS1002)。また、CPU56は、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットするとともに、セキュリティ信号出力ビット位置以外の信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7以外のビット)をリセットする(ステップS1003)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1010で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1011で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、セキュリティ信号出力ビット位置以外の信号出力ビット位置がリセットされると、その後のステップS1010で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1011で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号以外の信号は、出力ポート1から出力されない(オフ状態となる)。
以上に示したステップS1001〜S1003の処理によって、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されると、遊技機への電源が再投入されて初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで(すなわちセンサ異常フラグがリセットされるまで)、センサ異常(磁気異常または電波異常)にもとづくセキュリティ信号が出力されるとともに、セキュリティ信号以外の信号が出力されなくなる。
なお、既に説明したように、センサ異常フラグはバックアップRAMに記憶され遊技機への電力供給が停止しても保持されるが、遊技機への電力供給が開始されるときにホットスタート処理または初期化処理が実行されたことによってセンサ異常フラグもリセットされ、センサ異常にもとづくセキュリティ信号の外部出力が終了することになる(ただし、初期化処理が実行された場合には、後述するステップS1004〜S1009の処理が実行されることにより、初期化処理の実行にもとづくセキュリティ信号の外部出力が所定期間(例えば、30秒)実行されることになる)。
センサ異常フラグがセットされていなければ(ステップS1001のN)、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1004)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1005)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1006)。この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態でないときに始動入賞口14への遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(異常入賞報知処理におけるステップS254,S259参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1006のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1007)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1008)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1009)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1010で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1011で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1006のY)、ステップS1009の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1004〜S1009の処理によって、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞が検出されてから30秒が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまでターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。
なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから30秒が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
また、異常入賞を検出したことや、初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した後、まだセキュリティ信号の出力中であるときにセンサ異常を検出した場合には、異常入賞の検出や、初期化処理の実行にもとづくセキュリティ信号の出力制御からセンサ異常にもとづくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。具体的には、異常入賞の検出や、初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号情報タイマがセットされていることによりステップS1004〜S1009の処理が実行されてセキュリティ信号が外部出力されているときに、センサ異常が検出されると、センサ異常報知処理においてセンサ異常フラグがセットされる(ステップS264参照)。そして、それ以降は、センサ異常フラグがセットされていることによりステップS1001〜S1003の処理に切り替わり、セキュリティ信号情報タイマはクリアされて(ステップS1002参照)、ホットスタート処理または初期化処理でセンサ異常フラグがリセットされるまで、センサ異常フラグがセットされていることにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される(ステップS1003参照)。
なお、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図19に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(ステップS1003,S1009参照)、ステップS1010,S1011を実行して出力ポート1から外部出力(ただし、この実施の形態では、高確中信号は出力ポート0から外部出力。図6参照。)する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
次に、セキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図20は、セキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(ステップS10〜S14参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS14a参照)、情報出力処理(ステップS40参照)でステップS1004〜S1009,S1010,S1011の処理が実行されて、図20(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、大入賞口への異常入賞が発生したと判定されたとき(ステップS250〜S253参照)や、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたとき(ステップS255〜S258参照)にも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS254,S259参照)、情報出力処理(ステップS40参照)でステップS1004〜S1009,S1010,S1011の処理が実行されて、図20(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、センサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したと判定されたときにも(ステップS260,S262参照)、センサ異常フラグがセットされたことにもとづいて(ステップS264参照)、情報出力処理(ステップS40参照)でステップS1001〜S1003,S1010,S1011の処理が実行されて、図20(B)に示すように、次に遊技機に電源が再投入されて初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。このときには、初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで、ステップS21〜S37の処理がスキップされ、ステップS39の処理が実行されることで、遊技に関する制御が停止される。
上記のように、この実施の形態では、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたときと、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出したときと、センサ異常(磁気異常または電波異常)を検出したときとに、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、セキュリティ信号の外部出力中である場合に、新たにセンサ異常(磁気異常または電波異常)を検出した場合には、初期化処理の実行や異常入賞の検出にもとづくセキュリティ信号の出力制御からセンサ異常(磁気異常または電波異常)の検出にもとづくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。例えば、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合や、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出したことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図20(A)に示すように、原則として30秒を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図20(C)に示すように、その30秒を経過する前であっても、磁石センサ62からの磁石センサ信号または電波センサ61からの電波センサ信号が入力されてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したと判定される可能性がある。この場合、センサ異常(磁気異常または電波異常)の発生が検出されセンサ異常フラグがセットされることにより(ステップS264参照)、情報出力処理(ステップS40参照)においてステップS1004〜S1009の処理からステップS1001〜S1003の処理に切り替えられて、図20(C)に示すように、次に遊技機に電源が再投入されて初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで、セキュリティ信号の出力が継続されることになる。また、このときには、センサ異常(磁気異常または電波異常)の発生が検出されたときから、初期化処理またはホットスタート処理が実行されるまで、ステップS21〜S37の処理がスキップされ、ステップS39の処理が実行されることで、遊技に関する制御が停止されることになる。
なお、この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行された場合や始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合には30秒間に亘ってセキュリティ信号を出力する場合を示したが、セキュリティ信号の出力時間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、初期化処理が実行された場合にはセキュリティ信号を30秒間出力する一方で、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力したりするなど、セキュリティ信号の出力時間を異ならせて、初期化処理が実行された場合であるか始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合であるかを認識可能に構成してもよい。
さらに、始動入賞口14への異常入賞を検出した場合と大入賞口への異常入賞を検出した場合とでセキュリティ信号の出力期間を異ならせてもよい。例えば、始動入賞口14への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を2分間出力し、大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力するようにしてもよい。
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を1加算する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8に対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8に対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8において特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図22は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS705)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS706)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS707)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS708)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、磁気異常報知を行うことを示す磁気異常報知フラグ、または電波異常報知を行うことを示す電波異常報知フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS709)、セットされていなければ、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS710)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域19において第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、異常報知(本例では、磁気異常または電波異常の報知)を行う異常報知処理を実行する(ステップS711)。演出制御用CPU101は、また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS712)。その後、ステップS705に移行する。
図22に示すように、この実施の形態では、磁気異常報知中または電波異常報知中であれば(すなわち磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグがセットされていれば)、第4図柄プロセス処理(ステップS710)が行われず、第4図柄の表示制御が停止された状態となる。また、詳細については後述するが、磁気異常または電波異常が検出されると、磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグがセットされるとともに、第4図柄表示領域19が消灯状態に制御される(つまり第4図柄は非表示となる)。したがって、磁気異常報知中または電波異常報知中であれば(すなわち磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグがセットされていれば)、第4図柄表示領域19は消灯状態に制御されたまま(つまり第4図柄は非表示のままとなる)となる。
図23は、図22に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS708)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図24は、図22に示されたメイン処理における第4図柄プロセス処理(ステップS710)を示すフローチャートである。第4図柄プロセス処理では、まず、磁気異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS7101)。磁気異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、磁気異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、磁気異常報知を行うことを示す磁気異常報知フラグをセットする(ステップS7102)。
また、磁気異常報知指定コマンドを受信していなければ(ステップS7101のN)、演出制御用CPU101は、電波異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS7103)。電波異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、電波異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、電波異常報知を行うことを示す電波異常報知フラグをセットする(ステップS7104)。
ステップS7102またはステップS7104で、磁気異常報知フラグまたは電波異常報知フラグをセットすると、演出制御用CPU101は、第4図柄表示領域19を消灯状態に制御する(ステップS7105)。その後、第4図柄プロセス処理を終了する。
磁気異常報知指定コマンドおよび電波異常報知指定コマンドを受信していなければ(ステップS7103のN)、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセスフラグの値に応じてステップS7106〜S7108のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
なお、第4図柄の変動表示を行う処理をプロセス処理として構成するのではなく、特別図柄表示制御処理(図21参照)と同様に、第4図柄の変動表示用の表示制御データを第4図柄表示制御データ設定用の出力バッファに順次設定していく第4図柄表示制御処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示用の表示制御データの更新を開始することによって第4図柄の変動表示を開始するようにし、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の停止図柄表示用の表示制御データを出力バッファに設定し停止図柄を停止表示するようにしてもよい。そして、次の図柄変動指定コマンドを受信するまで継続して停止図柄を停止表示させるようにしてもよい。
第4図柄変動開始処理(ステップS7106):開始時コマンド(図柄変動指定コマンドや表示結果指定コマンド)の受信により、第4図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動中処理(ステップS7107)に対応した値に更新する。
なお、開始時コマンドとは、図柄変動の開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される演出制御コマンドのことである。具体的には、開始時コマンドには、図柄変動指定コマンドや、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドが含まれる。なお、演出制御用CPU101は、それら全てのコマンドを受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにしてもいし、それらのコマンドのうちのいずれか複数または1つのみ受信したことにもとづいて第4図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、保留記憶数減算指定コマンドも、開始時コマンドに含めてもよい。
第4図柄変動中処理(ステップS7107):第4図柄の変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御する。すなわち、演出制御用CPU101は、第4図柄を変動状態(本例では点滅状態)に表示制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動停止処理(ステップS7108)に対応した値に更新する。
第4図柄変動停止処理(ステップS7108):第4図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU101は、第4図柄を停止状態(本例では消灯状態)に表示制御する。そして、第4図柄プロセスフラグの値を第4図柄変動開始処理(ステップS7106)に対応した値に更新する。なお、第4図柄変動停止処理では、次回の変動が開始されるまで、表示結果(停止図柄)の表示を継続させるように構成されていてもよいし、表示結果に応じた表示態様に変化させて(例えば、はずれ用の表示態様や大当り用の表示態様に変化させて)表示を継続させるように構成されていてもよい。
一般に、異常状態を検出したときには、異常報知や遊技を停止する制御が行われることがあるが、そのようなときにも、第4図柄表示領域19(またはこれに相当する表示)が、異常状態を検出する前と同じ態様で表示するように制御されていると、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しづらくなり、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ステップS7105の処理を行うことによって、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されたときに、第4図柄表示領域19を消灯状態に制御するように構成されている。つまり、センサ異常(磁気異常または電波異常)が検出されると、第4図柄表示領域19において検出前まで表示されていた第4図柄が非表示となる。このように、第4図柄表示領域19を、センサ異常(磁気異常または電波異常)検出前と明らかに異なる表示態様(非表示)とすることで、異常が発生していること、遊技が停止されていることを認識しやすくすることができる。したがって、この実施の形態では、センサ異常が発生したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
図25は、図22に示されたメイン処理における異常報知処理(ステップS711)を示すフローチャートである。異常報知処理において、演出制御用CPU101は、まず、磁気異常報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3001)。磁気異常報知フラグがセットされていれば(すなわち、磁気異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、磁気異常報知画面を表示する(ステップS3002)。図26は、磁気異常報知画面の一例を示す説明図である。図26に示す例では、演出表示装置9において「係員をお呼び下さい 磁気異常 電源を再投入して下さい」と表示されるとともに、全表示領域の背景が黒くなる磁気異常報知画面が表示されている。この実施の形態では、図26に示すように、磁気異常報知画面が表示されているときには、演出図柄の変動等の演出は表示されない。
また、磁気異常報知フラグがセットされていなければ(ステップS3001のN)、演出制御用CPU101は、電波異常報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3003)。電波異常報知フラグがセットされていれば(すなわち、電波異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、電波異常報知画面を表示する(ステップS3004)。例えば、演出表示装置9において「係員をお呼び下さい 電波異常 電源を再投入して下さい」と表示されるとともに、全表示領域の背景が黒くなる電波異常報知画面が表示される。磁気異常報知画面が表示されているときと同様に、電波異常報知画面が表示されているときにも、演出図柄の変動等の演出は表示されない。磁気異常報知フラグおよび電波異常報知フラグがセットされていなければ(ステップS3003のN)、異常報知処理を終了する。
ステップS3002またはステップS3004で、磁気異常報知画面または電波異常報知画面を表示すると、演出制御用CPU101は、異常報知用LED80Aを点灯させてセンサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したことを報知する(ステップS3005)。
次いで、演出制御用CPU101は、装飾用ランプを点滅させる制御を行う(ステップS3006)。例えば、演出制御用CPU101は、各ランプ25,28a,28b,28cを所定の報知パターンで点滅させることによって異常報知を行う。その後、異常報知処理を終了する。
なお、この実施の形態では、異常報知の具体例として異常報知画面(本例では、磁気異常報知画面または電波異常報知画面)を表示するとともに装飾用ランプを点滅する場合を示したが、異常報知の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、異常報知画面の表示または装飾用ランプの点滅のいずれか一方のみを実行することによって異常報知を実行するものであってもよい。また、例えば、報知音を音出力することによって異常報知を実行するものであってもよく、さらに、異常報知画面の表示、装飾用ランプの点滅、および報知音の音出力の全てまたはいずれか2つを組み合わせて実行することによって、異常報知を実行するものであってもよい。また、装飾用ランプを所定の報知パターンで点滅させるものに限らず、所定の輝度で点灯させるものであってもよい。
また、この実施の形態では、センサ異常が発生したときにのみ異常報知画面を表示する等の異常報知を行うように構成されているが、これに限らず、例えば、異常入賞等の他の異常状態が発生したときにも、同様に異常報知を行うようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、停止手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ56によって実現される)は、異常検出手段(本例では、電波センサ61または磁石センサ62によって実現される)によって異常状態(本例では、センサ異常(電波異常または磁気異常))が検出されたことにもとづいて、遊技に関する制御を停止する(例えば、タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理など)をスキップし、ステップS39の処理によって発射停止状態に移行する)。また、異常報知手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ56または演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される)は、異常検出手段によって異常状態が検出されたことにもとづいて、異常報知を行う(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ56による異常報知用LED31Aの点灯制御やセキュリティ信号の出力制御、演出制御用マイクロコンピュータ100による異常報知用LED80Aの点灯制御や異常報知画面の表示制御など)。そして、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8によって実現される)における識別情報(本例では特別図柄)の表示態様を特定態様に変化させる。図26に示す例によれば、演出表示装置9に磁気異常報知画面が表示されているときに、特別図柄表示器8は消灯状態に制御される。
また、この実施の形態では、開始されていない識別情報の可変表示の数を特定可能な保留表示を表示する保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18によって実現される)を備え、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、保留表示手段における保留表示の表示態様を特定態様に変化させる。図26に示す例によれば、演出表示装置9に磁気異常報知画面が表示されているときに、特別図柄保留記憶表示器18は消灯状態に制御される。
また、この実施の形態では、可変表示手段における識別情報の可変表示の状態を特定可能な状態表示(本例では、第4図柄)を表示する状態表示手段(本例では、第4図柄表示領域19によって実現される)を備え、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、状態表示手段における状態表示の表示態様を特定態様に変化させる。図26に示す例によれば、演出表示装置9に磁気異常報知画面が表示されているときに、第4図柄表示領域19は消灯状態に制御される。
一般に、異常状態を検出したときには、異常報知や遊技を停止する制御が行われることがあるが、そのようなときにも、可変表示手段、保留表示手段または状態表示手段が、異常状態を検出する前と同じ態様で表示するように制御されていると、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しづらくなり、遊技者が混乱してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、異常状態が検出されたときには、可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段における識別情報、保留表示および状態表示の表示態様を特定態様に変化させるように構成されている。このように、可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段における識別情報、保留表示および状態表示を、異常状態を検出する前と異なる表示態様とすることで、異常が発生していること、遊技が停止されていることを認識しやすくすることができる。したがって、この実施の形態では、異常報知を検出したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、可変表示手段における識別情報を非表示とし、保留表示手段における保留表示を非表示とし、状態表示手段における状態表示を非表示とするように構成されている。そのように構成されることによって、異常報知を検出したことによって遊技に関する制御が停止されたときに、異常が発生しているか否か、遊技が行われているか(進行中であるか)否かを認識しやすくすることができ、遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、外部出力手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ56によって実現される)は、停止手段によって遊技に関する制御が停止されているときに、遊技機の外部に所定の外部出力信号(本例ではセキュリティ信号)を出力するように構成されている。そのように構成されることによって、異常状態が検出されたことによって、遊技に関する制御を停止しているときでも、異常状態が検出されたことを外部に知らせることができる。
なお、この実施の形態では、異常報知が行われているときには、可変表示手段における識別情報、保留表示手段における保留表示、および状態表示手段における状態表示の表示態様を特定態様に変化させる(本例では、消灯状態(非表示)に制御する)ように構成されているが、例えば、可変表示手段における識別情報、保留表示手段における保留表示、または状態表示手段における状態表示のいずれかのみの表示態様を特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよいし、いずれか2つを組み合わせて、いずれか2つの表示態様を特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよい。また、可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段に限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ56によって制御される発光体がある場合には、それらの表示態様も特定態様に変化させる(消灯状態(非表示)に制御する)ものであってもよい。
また、この実施の形態では、異常報知手段によって異常報知が行われているときには、可変表示手段における識別情報を非表示とし、保留表示手段における保留表示を非表示とし、状態表示手段における状態表示を非表示とするように構成されているが、例えば、識別情報、保留表示または状態表示を所定のパターンで点滅させるものであってもよい。ただし、遊技が正常に行われているとき(非異常状態)にも、それらが点滅するように構成されている場合には、正常ではないことを認識させるように、正常時とは異なるパターンで点滅させることが望ましい。
また、この実施の形態では、保留表示は、保留表示手段(本例では特別図柄保留記憶表示器18)において表示されているが、これに限らず、例えば、演出表示装置9の表示画面の特定領域において表示されるような構成であってもよい。ただし、このように構成する場合にも、異常報知や遊技に関する制御の停止が行われているときには、演出表示装置9において保留表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにすることが望ましい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、磁気異常報知指定コマンドや電波異常報知指定コマンドを受信したときに、演出表示装置9において保留表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるように制御することによって実現可能である。
また、この実施の形態では、状態表示(本例では第4図柄)は、状態表示手段(本例では第4図柄表示領域19)において表示されているが、これに限らず、例えば、演出表示装置9の表示画面の特定領域において表示されるような構成であってもよい。ただし、このように構成する場合にも、異常報知や遊技に関する制御の停止が行われているときには、演出表示装置9において保留表示や状態表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、状態表示手段(本例では第4図柄表示領域19)は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御されているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される構成であってもよい。ただし、このように構成する場合にも、異常報知や遊技に関する制御の停止が行われているときには、状態表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにすることが望ましい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、センサ異常報知処理において、センサ異常が検出されたときに、状態表示の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるように制御することによって実現可能である。
また、この実施の形態では、異常状態として、センサ異常(磁気異常または電波異常)が発生したときに、異常報知を行うとともに、遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させるように構成されているが、例えば、異常入賞や異常賞球(過払出)などの他の異常状態が発生したときにも、遊技に関する制御を停止させ、さらに可変表示手段、保留表示手段および状態表示手段の表示態様を特定態様に変化させるようにしてもよい。また、異常状態には、パチンコ遊技機1で発生するものに限らず、隣接して設置されているカードユニットでエラーが発生している状態や、パチンコ遊技機1とカードユニットとの通信において通信エラーが発生している状態が含まれていてもよい。例えば、パチンコ遊技機1とカードユニットとの間で通信エラーが発生したときに、遊技に関する制御の停止や異常報知を行うとともに、特別図柄や保留表示、第4図柄の表示態様を特定態様(例えば非表示)に変化させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、異常状態が検出されたことにもとづいて、遊技に関する制御を停止するために、タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理をスキップする(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理などを行わずに制御を停止する)とともに、ステップS39の処理を実行することで発射停止状態に移行させているが、これらの全ての制御を停止するものではなく、一部の制御のみを停止するものであってもよい。例えば、異常状態が検出されたときには、タイマ割込処理において、停止する制御をスキップする(例えば、賞球を停止する場合には、賞球処理(ステップS32)をスキップする)ように構成することで実現できる。また、この実施の形態では、異常状態が検出されたときに、遊技に関する制御を停止する一方で、セキュリティ信号の外部出力を行っているが、セキュリティ信号の外部出力も停止するようにしてもよい。例えば、異常状態が検出されたときには、タイマ割込処理において、情報出力処理(ステップS40)もスキップするように構成することで実現できる。
また、この実施の形態では、異常状態が検出されたことにもとづいて、遊技に関する制御を停止するために、タイマ割込処理のステップS21〜S37の処理をスキップする(例えば、スイッチ処理や賞球処理、出力処理などを行わずに制御を停止する)とともに、ステップS39の処理を実行することで発射停止状態に移行させているが、例えば、CPU56の動作を停止状態(HALT)へ移行させることによって、遊技に関する制御を停止するものであってもよい。
また、この実施の形態では、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8)、保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18)および状態表示手段(本例では、第4図柄表示領域19)は、異常状態が検出されていない通常状態であっても、例えば、特別図柄の可変表示が行われていないときや、保留記憶がない場合等には、消灯状態に制御されることがあるが、これに限らず、常に点灯状態に制御されるものであってもよい。例えば、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8)または状態表示手段(本例では、第4図柄表示領域19)において、特別図柄の可変表示が行われていないときには点灯状態に制御され、特別図柄の可変表示が行われているときには所定パターンにもとづく点滅状態に制御され、異常状態が検出されたときには消灯状態に制御されるようにしてもよい。なお、この場合には、異常状態が検出されたときに、可変表示手段(本例では、特別図柄表示器8)または状態表示手段(本例では、第4図柄表示領域19)を、所定パターンとは異なる点滅状態に制御するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示が行われていないときの点灯状態(例えば、白色で点灯)とは異なる色で点灯状態(例えば、赤色で点灯)に制御するようにしてもよい。また、特別図柄の可変表示が行われていないときとは異なる色で所定パターンとは異なる点滅状態に制御するようにしてもよい。
また、例えば、保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18)において、保留記憶がない場合には第1点灯状態(例えば白色で点灯)に制御され、保留記憶が増えると第2点灯状態(例えば青色で点灯)に制御され、異常状態が検出されたときには消灯状態に制御されるようにしてもよい。なお、この場合には、異常状態が検出されたときに、保留表示手段(本例では、特別図柄保留記憶表示器18)を点滅状態に制御するようにしてもよいし、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点灯状態(例えば、赤色で点灯)に制御するようにしてもよい。また、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点滅状態に制御するようにしてもよい。
また、例えば、状態表示手段(本例では、第4図柄表示領域19)において、特別図柄の可変表示が行われていないときには第1点灯状態(例えば白色で点灯)に制御され、特別図柄の可変表示が行われているときには第2点灯状態(例えば青色で点灯)に制御され、異常状態が検出されたときには消灯状態に制御されるようにしてもよい。なお、この場合には、異常状態が検出されたときに、状態表示手段(本例では、第4図柄表示領域19)を点滅状態に制御するようにしてもよいし、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点灯状態(例えば、赤色で点灯)に制御するようにしてもよい。また、第1点灯状態および第2点灯状態とは異なる色で点滅状態に制御するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、センサ異常が検出されたときに、異常報知処理が実行されることによって、例えば、図26に示すように、演出表示装置9において「係員をお呼び下さい 磁気異常 電源を再投入して下さい」と表示されるとともに、全表示領域の背景が黒くなる磁気異常報知画面が表示される場合について説明したが、異常報知の方法はこれに限られない。例えば、センサ異常が検出されたときに、演出表示装置9において、表示中の画像に対して異常状態が発生した旨を示す画像が重畳表示されるようにしてもよい。なお、センサ異常が検出され、異常報知が行われているときにも表示中の画像が残される場合(すなわち画像が表示され続ける場合)には、演出図柄の表示態様を通常態様とは異なる特定態様(例えば、非表示や点滅状態など)に変化させるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。