JP2004159933A - 遊技機 - Google Patents

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JP2004159933A JP2002330009A JP2002330009A JP2004159933A JP 2004159933 A JP2004159933 A JP 2004159933A JP 2002330009 A JP2002330009 A JP 2002330009A JP 2002330009 A JP2002330009 A JP 2002330009A JP 2004159933 A JP2004159933 A JP 2004159933A
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Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Toshiyuki Takeishi
俊之 竹石
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Abstract

【課題】遊技媒体検出手段に対して不正行為がなされたことを確実に報知する。
【解決手段】+12V(Vdd)電源が接地レベルに短絡されると、反転回路582dの入力レベルはローレベルになって、始動口スイッチ14aが遊技球を検出している状態と同じ状態になる。また、+12V(Vdd)電源電圧は演出制御手段のリセット回路に導入されているので、演出制御手段にリセットがかかる。しかし、電圧監視回路583が、+12V(Vdd)電源電圧が所定値以下になると、ローレベルの検出信号を出力する。遊技制御手段は、電圧監視回路583からの検出信号にもとづいて+12V(Vdd)電源電圧が低下することを認識することができる。その結果、遊技制御手段は、+12V(Vdd)電源を接地レベルに短絡するような不正行為を検出でき、演出制御手段に対して電源がオフするまで繰り返し異常報知指定コマンドを送信する。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機やスロット機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。
【0003】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が遊技球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0004】
遊技機には、遊技の演出を行うための表示器、ランプやLEDなどの発光体、およびスピーカなどの音発生手段等の演出用電気部品(遊技演出に用いられ電気的に動作する部品)が設けられている。そして、それらの演出用電気部品は、遊技の進行を制御する遊技制御手段からのコマンドにもとづいて演出制御を実行する演出制御手段によって制御される。
【0005】
また、遊技機には、入賞領域に入賞した遊技球を検出したり払出手段から払い出された遊技球を検出するためにスイッチが設けられている。不正に賞球を得るために、遊技球を検出するためのスイッチに対して不正行為がなされることがある。例えば、入賞した遊技球を検出するためのスイッチを不正にオン状態にして賞球を得たり、払い出された遊技球を検出するためのスイッチがオンしなくなるような不正行為を行って、大量の遊技球を払い出させる不正行為がある。
【0006】
そのような不正行為を防止するために、遊技球を検出するためのスイッチが短絡状態にされたり開放状態にされたりしたことを検出するための回路を設け、その回路の出力によって不正行為がなされたか否か判定する方法がある。また、スイッチが短絡状態にされたり開放状態にされたりしたことを検出すると、遊技制御手段が演出制御手段に対してその旨のコマンド送信して、不正行為がなされたことを演出用電気部品によって報知する方法がある(例えば、特許文献1,2。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−167214号公報(段落0133−0138,図16)
【特許文献2】
特開2000−279616号公報(段落0219−0223,図9)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特許文献に記載されている方法では、スイッチに供給される電源電圧を接地電位に短絡させるような不正行為を防止することはできない。従って、スイッチに供給される電圧が接地レベルになると遊技球を検出した状態になるようなスイッチを用いている場合に、不正行為によって不正に遊技球が払い出されてしまう可能性がある。さらに、演出制御手段においてスイッチに供給される電圧と同じ電圧を用いている場合には、不正行為がなされた旨の報知が意図したようになされない可能性がある。例えば、演出制御手段を実現する演出制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号を、スイッチに供給される電圧と同じ電圧を用いて作成している場合には、スイッチに供給される電源電圧を接地電位に短絡させるような不正行為によって演出制御用マイクロコンピュータがリセットされてしまうので、不正行為がなされた旨の報知もなされなくなってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段に供給される遊技媒体検出用電源電圧と同じ電圧を演出制御手段が使用している場合でも、不正行為がなされたことを確実に報知できる遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技媒体を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、所定の払出条件(例えば入賞領域への遊技球の入賞)が成立したことにもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(例えばCPU56、ROM54、RAM55およびI/Oポートを含むマイクロコンピュータ)を含む遊技制御手段と、遊技制御手段から送信されるコマンドにもとづいて遊技機に設けられている演出用電気部品(例えば可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27)の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ(例えば表示制御用マイクロコンピュータ、ランプ制御用マイクロコンピュータ、音制御用マイクロコンピュータ)を含む演出制御手段(例えば表示制御手段、ランプ制御手段、音制御手段)と、演出制御手段に供給される電圧と共通の電圧であって遊技媒体を検出するために用いられる遊技媒体検出用電源電圧(例えば+12V)を所定の電源電圧(例えば+30V)にもとづいて作成する遊技媒体検出用電源電圧作成手段(例えばコンバータIC922における+12Vを作成する部分)と、遊技媒体検出用電源電圧を用いて所定箇所(例えば入賞領域、より具体的には近接スイッチに設けられている穴)を通過した遊技媒体を検出し、遊技媒体を検出したときに検出信号を出力する遊技媒体検出手段(1つまたは複数:例えば遊技媒体の検出により払出条件を成立させるために用いられる入賞検出手段としての始動口スイッチ14a)と、遊技媒体検出手段から出力された検出信号にもとづいて所定の払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段(例えば遊技制御手段のうちステップS172,S173,S181,S182,S187,S188を実行する部分)と、遊技媒体検出用電源電圧の低下を検出して遊技媒体検出用電源電圧低下信号(例えばスイッチ電源監視信号)を出力する遊技媒体検出用電源電圧監視手段(例えば電圧監視回路583)とを備え、遊技媒体検出手段の検出信号の出力状態が、遊技媒体を検出したときと遊技媒体検出用電源電圧の供給が停止されたときとで共通の状態(例えばローレベル)を呈し、遊技制御手段が、遊技媒体検出用電源電圧低下信号の入力により、異常時処理として所定の遊技媒体検出用電源電圧異常時処理を実行する遊技媒体検出用電源電圧異常時処理手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS445,S446の払出禁止状態指定の払出制御コマンドを送信する処理、ステップS472〜S479の出力ポートをクリアするための処理、ステップS481のタイマ割込禁止処理、およびステップS483,S484の異常報知指定コマンドを送信する処理を実行する部分)を含み、遊技媒体検出用電源電圧異常時処理が、演出用電気部品によって異常が発生したことを示す所定の報知を実行させることを指示する異常報知コマンドを所定条件が成立するまで演出制御手段に対して繰り返し送信する処理(例えばステップS482,S483,S484の異常報知指定コマンドを繰り返し送信する処理)を含むことを特徴とする。
【0011】
遊技媒体検出手段の検出出力が変動しうる所定範囲(例えば0〜6V)を越えたか否かを検出して短絡検出信号(例えば賞球カウントスイッチ短絡信号)を出力する短絡監視手段(例えばツェナーダイオード584)を備え、遊技制御手段が、短絡監視手段からの短絡検出信号の入力により、異常時処理として所定の遊技媒体検出異常時処理を実行する遊技媒体検出異常時処理手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS445,S446の払出禁止状態指定の払出制御コマンドを送信する処理、ステップS472〜S479の出力ポートをクリアするための処理、ステップS481のタイマ割込禁止処理、およびステップS483,S484の異常報知指定コマンドを送信する処理を実行する部分)を含むように構成されていてもよい。
【0012】
遊技媒体検出用電源電圧異常時処理と遊技媒体検出異常時処理とは共通処理であることが好ましい。
【0013】
演出制御手段が、異常報知コマンドを受信した後、遊技の進行に応じた演出の実行を指示するコマンドの受け付けを停止する(例えばステップS694,S695の処理にもとづいてステップS680で「Y」となる)ように構成されていてもよい。
【0014】
所定条件は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧が断状態になることである(例えば、ステップS482〜S484のループ処理から抜け出さない)。
【0015】
遊技制御手段が、異常時処理にて、遊技を不能動化するための処理(例えばステップS445,S446の払出禁止状態指定の払出制御コマンドを送信する処理にもとづいて遊技球の発射を停止させたり、各スイッチの検出信号を確認しないことにより実現される処理)を実行するように構成されていてもよい。
【0016】
遊技制御用マイクロコンピュータが入力ポートを含み、遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力ポート(例えば図10に示す入力ポート578)に入力され、遊技制御用マイクロコンピュータが、所定期間(例えば2ms)毎に入力ポートの入力を確認することにより遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力されたか否かを確認する処理(例えば電源断検出処理に含まれているステップS441,S443の処理)を実行するように構成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0018】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0019】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0020】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄(特別図柄)を可変表示する可変表示部を含む表示領域150を有する可変表示装置9が設けられている。表示領域150には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。また、可変表示装置9の周囲には、可変表示装置を装飾するための装飾部材(表飾り)が設けられている。
【0021】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0022】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。また、可変表示装置9の上部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4個の表示部を有する始動記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、有効始動入賞がある毎に、始動記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。なお、始動記憶表示器18を設けず、可変表示装置9において始動記憶数を表示するようにしてもよい。
【0023】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示部の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。この例では、4個を上限として、ゲート32への球通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。なお、普通図柄始動記憶表示器41を設けず、可変表示装置9において普通図柄始動記憶数を表示するようにしてもよい。また、以下、単に「図柄」と表記した場合には、普通図柄ではなく、可変表示装置12において表示される特別図柄を示す。
【0024】
この実施の形態では、普通図柄の可変表示は所定時間(例えば29秒)継続する。そして、可変表示の終了時に当り図柄が停止表示されると当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄の可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0025】
さらに、確変状態(大当りになる確率が高くなっている遊技状態)では、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄の可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0026】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。なお、図1に明示されている装飾ランプ25の他にも、可変表示装置9における周辺部分や開閉板20の周囲部分等には装飾用のランプやLEDが設置されている。
【0027】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0028】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0029】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9の表示領域150において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0030】
特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0031】
停止時の特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0032】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
【0033】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯制御するランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御する音制御手段が搭載された音制御基板70も設けられている。また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。
【0034】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が設置されている。
【0035】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0036】
球払出装置から払い出された遊技球は、連絡口を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿3に誘導される。連絡口の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰球受皿4に連通する余剰球通路が形成されている。
【0037】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口に到達した後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバーが貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48(図3において図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
【0038】
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御するCPU56を含む基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0039】
なお、図4には示されていないが、賞球カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0040】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0041】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。基本回路53は、ROM54、RAM55、CPU56およびI/Oポート部57を含み、ROM54に格納されている遊技制御プログラムに従って遊技進行の制御を行う遊技制御用マイクロコンピュータに相当する。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータによって実現される。
【0042】
この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0043】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0044】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0045】
この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態および他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。また、可変表示装置9における周辺部分や開閉板20の周囲部分等に設置されている装飾用のランプやLEDも、ランプ制御手段によって制御される。従って、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段は、遊技機に設けられている発光体の制御を行う発光体制御手段に相当する。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0046】
図5は、図柄制御基板80内の回路構成を、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572および出力バッファ回路620,62Aとともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。なお、この実施の形態では、可変表示装置9はLCD82で実現されているが、可変表示装置9は、CRT、ドットマトリクス表示器、7セグメント表示器など他の表示装置によって実現されていてもよいし、ドラム式等の機械的な可変表示装置であってもよい。
【0047】
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。この実施の形態では、遊技進行に応じて、可変表示装置9および普通図柄表示器10による演出の実行を指示するための表示制御コマンドが、主基板31から図柄制御基板80に出力される。
【0048】
なお、表示制御用CPU101、制御データROM102(表示制御用CPU101に内蔵されていてもよい。)、RAM(図示せず、表示制御用CPU101に内蔵されていてもよい。)およびI/Oポート(表示制御用CPU101の外付けであってもよい。)は、主基板31に搭載されている遊技制御手段からのコマンドに従って、演出用電気部品としての可変表示装置9および普通図柄表示器10による演出制御を行う表示制御用マイクロコンピュータに相当する。表示制御用マイクロコンピュータは演出制御用マイクロコンピュータの一例である。また、演出制御手段の一例である表示制御手段は、表示制御用マイクロコンピュータを含むものとして実現される。表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0049】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示される画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD82に出力する。
【0050】
なお、図5には、表示制御用CPU101をリセットするためのリセット回路83、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0051】
リセット回路83は、電源基板910で作成された+12V電源電圧(Vdd)を導入して、+12V電源電圧が所定値以下であればローレベル、所定値を越えていればハイレベルとなるリセット信号を出力する回路である。表示制御用CPU101は、リセット信号を入力し、リセット信号がローレベルであればリセット状態(動作しない状態)となり、リセット信号がハイレベルになると動作可能な状態になる。
【0052】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、表示制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートとともに不可逆性情報入力手段を構成する。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
【0053】
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、主基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
【0054】
図6は、主基板31およびランプ制御基板35における信号送受信部分を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技領域7の外側に設けられている点枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cと遊技盤に設けられている装飾ランプ25の点灯/消灯と、賞球ランプ51および球切れランプ52の点灯/消灯とを示すランプ制御コマンドが主基板31からランプ制御基板35に出力される。また、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドも主基板31からランプ制御基板35に出力される。
【0055】
この実施の形態では、遊技進行に応じて、遊技機に設けられているランプやLEDによる演出の実行を指示するためのランプ制御コマンドが、主基板31からランプ制御基板35に出力される。図6に示すように、発光体制御に関するランプ制御コマンドは、基本回路53におけるI/Oポート部57の出力ポート(出力ポート0,3)570,573から出力される。出力ポート(出力ポート3)573は8ビットのデータを出力し、出力ポート570は1ビットのINT信号を出力する。ランプ制御基板35において、主基板31からの制御コマンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介してランプ制御用CPU351に入力する。なお、ランプ制御用CPU351がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路355A,355Bとランプ制御用CPU351との間に、I/Oポートが設けられる。
【0056】
なお、ランプ制御用CPU351、ROM(図示せず、ランプ制御用CPU351に内蔵されていてもよい。)、RAM(図示せず、ランプ制御用CPU351に内蔵されていてもよい。)およびI/Oポート(ランプ制御用CPU351の外付けであってもよい。)は、主基板31に搭載されている遊技制御手段からのコマンドに従って、演出用電気部品としてのランプやLEDによる演出制御を行うランプ制御用マイクロコンピュータに相当する。ランプ制御用マイクロコンピュータは演出制御用マイクロコンピュータの一例である。また、演出制御手段の一例であるランプ制御手段は、ランプ制御用マイクロコンピュータを含むものとして実現される。
【0057】
ランプ制御基板35において、ランプ制御用CPU351は、各制御コマンドに応じて定義されている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ25の点灯/消灯パターンに従って、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ25に対して点灯/消灯信号を出力する。点灯/消灯信号は、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ25に出力される。なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0058】
主基板31において、CPU56は、RAM55の記憶内容に未払出の賞球残数があるときに賞球ランプ51の点灯を指示する制御コマンドを出力し、遊技盤裏面の払出球通路の上流に設置されている球切れスイッチ187(図3参照)が遊技球を検出しなくなると球切れランプ52の点灯を指示する制御コマンドを出力する。ランプ制御基板35において、各制御コマンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介してランプ制御用CPU351に入力する。ランプ制御用CPU351は、それらの制御コマンドに応じて、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯/消灯する。なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0059】
さらに、ランプ制御用CPU351は、制御コマンドに応じて始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41に対して点灯/消灯信号を出力する。
【0060】
入力バッファ回路355A,355Bとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC540,74HC14が用いられる。入力バッファ回路355A,355Bは、主基板31からランプ制御基板35へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、ランプ制御基板35側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。たとえ、ランプ制御基板35内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号がメイン基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路355A,355Bの入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0061】
また、主基板31において、出力ポート570,573の外側にバッファ回路620,63Aが設けられている。バッファ回路620,63Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、ランプ制御基板35から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,63Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0062】
なお、図6には示されていないが、ランプ制御基板35にも、図柄制御基板80におけるリセット回路83と同様のリセット回路が搭載されている。
【0063】
図7は、主基板31における音制御コマンドの信号送信部分および音制御基板70の構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技進行に応じて、遊技領域7の外側に設けられているスピーカ27の音声出力を指示するための音制御コマンドが、主基板31から音制御基板70に出力される。
【0064】
図7に示すように、音制御コマンドは、基本回路53におけるI/Oポート部57の出力ポート(出力ポート0,4)570,574から出力される。出力ポート(出力ポート4)574からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのINT信号が出力される。音制御基板70において、主基板31からの各信号は、入力バッファ回路705A,705Bを介して音制御用CPU701に入力する。なお、音制御用CPU701がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路705A,705Bと音制御用CPU701との間に、I/Oポートが設けられる。
【0065】
なお、音制御用CPU701、ROM(図示せず、音制御用CPU701に内蔵されていてもよい。)、RAM(図示せず、音制御用CPU701に内蔵されていてもよい。)およびI/Oポート(音制御用CPU701の外付けであってもよい。)は、主基板31に搭載されている遊技制御手段からのコマンドに従って、演出用電気部品としてのスピーカ27による演出制御を行う音制御用マイクロコンピュータに相当する。音制御用マイクロコンピュータは演出制御用マイクロコンピュータの一例である。また、演出制御手段の一例である音制御手段は、音制御用マイクロコンピュータを含むものとして実現される。
【0066】
そして、例えばディジタルシグナルプロセッサによる音声合成回路702は、音制御用CPU701の指示に応じた音声や効果音を発生し音量切替回路703に出力する。音量切替回路703は、音制御用CPU701の出力レベルを、設定されている音量に応じたレベルにして音量増幅回路704に出力する。音量増幅回路704は、増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0067】
入力バッファ回路705A,705Bとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC540,74HC14が用いられる。入力バッファ回路705A,705Bは、主基板31から音制御基板70へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。よって、音制御基板70側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。従って、音制御基板70内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路705A,705Bの入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0068】
また、主基板31において、出力ポート570,574の外側にバッファ回路620,67Aが設けられている。バッファ回路620,67Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、音制御基板70から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,67Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0069】
なお、図7には示されていないが、音制御基板70にも、図柄制御基板80におけるリセット回路83と同様のリセット回路が搭載されている。
【0070】
図8は、払出制御基板37および球払出装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図8に示すように、満タンスイッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力される。また、球切れスイッチ187からの検出信号も、中継基板(スイッチ中継基板)72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力される。
【0071】
主基板31のCPU56は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを払出制御基板37に送信する。払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は球払出処理を停止する。
【0072】
さらに、賞球カウントスイッチ301Aからの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力されるとともに、中継基板72を介して払出制御基板37の入力ポート372bに入力される。賞球カウントスイッチ301Aは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出された賞球払出球を検出する。
【0073】
CPU56は、賞球カウントスイッチ301Aの短絡を検出したとき、および、スイッチに供給される電源電圧(Vdd)が接地電位に短絡されたことを検出したときにも、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを払出制御基板37に送信する。
【0074】
入賞があると、払出制御基板37には、主基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出力ポート(出力ポート1)571は8ビットのデータを出力し、出力ポート(出力ポート0)570は1ビットのINT信号を出力する。賞球個数を示す払出制御コマンドは、入力バッファ回路373Aを介してI/Oポート372aに入力される。INT信号は、入力バッファ回路373Bを介して払出制御用CPU371の割込端子に入力されている。払出制御用CPU371は、I/Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力し、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動して賞球払出を行う。なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。
【0075】
払出制御用CPU371、ROM(図示せず、払出制御用CPU371に内蔵されていてもよい。)、RAM(図示せず、払出制御用CPU371に内蔵されていてもよい。)およびI/Oポート(払出制御用CPU371に内蔵されていてもよい。)は、主基板31に搭載されている遊技制御手段からのコマンドに従って、球払出装置97を駆動する払出制御用マイクロコンピュータに相当する。また、払出制御手段は、払出制御用マイクロコンピュータで実現される。
【0076】
また、主基板31において、出力ポート570,571の外側にバッファ回路620,68Aが設けられている。バッファ回路620,68Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0077】
払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板160に出力する。さらに、出力ポート372dを介して、エラー表示用LED374にエラー信号を出力する。
【0078】
さらに、払出制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、球貸しカウントスイッチ301B、および払出モータ289の回転位置を検出するための払出モータ位置センサからの検出信号が入力される。球貸しカウントスイッチ301Bは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出された貸し球を検出する。払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられ、振分ソレノイド310への駆動信号は、出力ポート372eおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における振分ソレノイド310に伝えられる。また、クリアスイッチ921の出力も、入力ポート372bに入力される。
【0079】
なお、振分ソレノイド310とは、球払出装置97から払い出された遊技球を、賞球カウントスイッチ301Aに導くのか球貸しカウントスイッチ301Bに導くのかを切り替えるための振分部材を駆動するためのソレノイドである。
【0080】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ151、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED、球貸しスイッチおよび返却スイッチが接続される。
【0081】
残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えられる。また、カードユニット50から残高表示基板74には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して与えられる。このように、残高表示基板74とカードユニット50は、直接接続されることなく、払出制御基板37を介して接続されている。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372bおよび出力ポート372eを介してやりとりされる。なお、カードユニット50と払出制御基板37の間には、図示しないインタフェース基板が介在している。カードユニット50と払出制御基板37の間で、接続信号(VL信号)等の信号はインタフェース基板を介してやりとりされる。そして、残高表示基板74とインタフェース基板との間で、信号が直接やりとりされることはない。
【0082】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
【0083】
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、賞球払出制御を実行する。
【0084】
以上のように、カードユニット50からの信号は全て払出制御基板37に入力される構成になっている。従って、球貸し制御に関して、カードユニット50から主基板31に信号が入力されることはなく、主基板31の基本回路53にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。また、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
【0085】
この実施の形態では、電源基板910から払出制御基板37に対して電源断信号が入力される。電源断信号は、払出制御用CPU371のマスク不能割込(NMI)端子に入力される。さらに、払出制御基板37に存在するRAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)の少なくとも一部は、電源基板910において作成されるバックアップ電源によって、バックアップされている。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAMの少なくとも一部の内容は保存される。なお、電源基板910からの電源断信号は、入力ポートに入力されるようにしてもよい。
【0086】
また、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
【0087】
図9は、電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、ランプ制御基板35、払出制御基板37および図柄制御基板80等の電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源すなわち記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。なお、VSLは、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。
【0088】
電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のコンバータIC922(図9では1つのみを示す。)を有し、VSLにもとづいて+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コンバータIC922の入力側には、比較的大容量のコンデンサ923が接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、+30V、+12V、+5V等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。
【0089】
ただし、電源基板910に各電気部品制御基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給するようにしてもよい。また、図9には1つのコネクタ915が代表して示されているが、コネクタは、各電気部品制御基板対応に設けられている。
【0090】
DC+5Vは、遊技制御用マイクロコンピュータおよび演出制御用マイクロコンピュータ(表示制御用マイクロコンピュータ、ランプ制御用マイクロコンピュータ、音制御用マイクロコンピュータ)の動作用電源電圧等として用いられる。また、DC+12Vは、遊技球を検出する各スイッチに供給される。すなわち、コンバータIC922において、DC+5Vを作成する部分は、所定の電圧(この例ではVSL)にもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧等を作成する動作用電源電圧作成手段に相当し、DC+12Vを作成する部分は、動作用電源電圧作成手段とは別に設けられ、遊技媒体を検出するために用いられる遊技媒体検出用電源電圧を所定の電圧(この例ではVSL)にもとづいて作成する遊技媒体検出用電源電圧作成手段に相当する。また、上述したように、DC+12Vは、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70にも供給され、各基板に搭載されているリセット回路に供給される。
【0091】
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が停止したときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち電力供給停止時にも記憶内容保持状態となりうるバックアップ記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、この実施の形態では、バックアップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板37に供給される。
【0092】
また、電源基板910には、電源監視回路(電源監視手段)としての電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視用IC902からの電源断信号は、主基板31や払出制御基板37等に供給される。
【0093】
電源監視用IC902が電力供給の停止を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
【0094】
なお、図9に示された構成では、電源監視用IC902の検出信号(電源断信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、例えば、1つの検出信号を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。さらに、主基板31と払出制御基板37とに出力される電源断信号について、電源断信号を出力することになる電源監視回路の監視電圧を異ならせてもよい。
【0095】
また、図9に示すように、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネクタ915を介して主基板31等に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
【0096】
図10は、賞球カウントスイッチ301Aおよび始動口スイッチ14aからの検出信号の入力に関わる部分を示すブロック図である。この実施の形態では、賞球カウントスイッチ301Aとして近接スイッチが用いられている。賞球カウントスイッチ301Aおよび始動口スイッチ14aの一方の端子には、電源基板910から、中継基板71およびスイッチ中継基板72を介して、+12V電源電圧が供給されている。+12V電源電圧は、中継基板71において分岐し、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70にも供給されている。すなわち、遊技球を検出するために用いられる遊技媒体検出用電源電圧としての+12Vは、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータおよびリセット回路を含む。)に供給される電圧と共通の電圧である。上述したように、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70において、+12V電源電圧は、CPUをリセットするためのリセット信号を生成するリセット回路に供給されている。
【0097】
賞球カウントスイッチ301Aの他方の端子の電圧レベルである検出信号は、スイッチ中継基板72および中継基板71を介して主基板31に入力される。主基板31において、検出信号は、コネクタ581を介して入力バッファ回路582における反転回路582bに入力される。この実施の形態では、入力バッファ回路582として複数の反転回路582a,582b,582c,582dが内蔵されている74HC4049が用いられている。なお、74HC4049には6個の反転回路が内蔵されているが、図10では4つのみが示されている。また、コネクタ581と反転回路582bとの間には、一端が接地されている抵抗R1とコンデンサC1が接続されている。なお、入力バッファ回路582や抵抗R1およびコンデンサC1は、図4に示されたスイッチ回路58の一部に相当する。
【0098】
また、コネクタ581と入力バッファ回路582における反転回路582aとの間は、ツェナーダイオード584のカソードが接続されているツェナーダイオード584のアノードは、反転回路582aに接続されている。ツェナーダイオード584のしきい値電圧(降伏電圧)は例えば6.8Vである。また、反転回路582aの入力側は、抵抗R2を介して接地される。
【0099】
入力バッファ回路582の反転回路582a,582b,582cに入力された各信号は、それぞれ、各反転回路を通って入力ポート578に出力される。この実施の形態では、入力ポート578として74HC244が用いられている。なお、入力ポート578は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。
【0100】
近接スイッチにおいて、一端は+12V電源に接続され、他端は検出信号を出力するための出力端子になっている。また、+12V電源に接続される端子と出力端子との間に、抵抗値が例えば680ΩのコイルL1が設けられている。近接スイッチに設けられている穴を金属の遊技球が通過するとコイルL1に逆起電力が生じ、コイルL1の等価的な抵抗値が極めて大きくなる。抵抗R1の抵抗値は例えば680Ωである。従って、入力バッファ回路582における反転回路582bの入力レベルは0Vに近いローレベルであり、反転回路582bの出力レベルはハイレベルである。
【0101】
近接スイッチに設けられている穴を金属の遊技球が通過していない場合には、入力バッファ回路582における反転回路582bの入力レベルは、+12VがコイルL1と抵抗R1の抵抗値で分圧された値(ほぼ+6V)であり、反転回路582bがハイレベルであるとみなすしきい値レベルを越える。従って、反転回路582bの出力レベルはローレベルである。
【0102】
よって、この実施の形態では、反転回路582bの入力レベルすなわち賞球カウントスイッチ301Aの検出出力は、約0〜+6Vの範囲をとる。
【0103】
ここで、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡された場合を考える。賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡されていない場合には、ツェナーダイオード584のカソード側の電圧はしきい値電圧である6.8V以下であり、ツェナーダイオード584に電流は流れない。従って、抵抗R2に電流が流れることはなく(抵抗R2に電圧はかからず)、反転回路582aの入力レベルは、ほぼ0Vである。その結果、反転回路582aの出力レベルはハイレベルである。
【0104】
賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡すると、反転回路582bの入力レベルが+12V(Vdd)になる。すると、ツェナーダイオード584のしきい値電圧を越えるので、ツェナーダイオード584に電流が流れる(導通状態になる。)。その結果、反転回路582aの入力レベルはハイレベルになり、反転回路582aの出力レベルはローレベルになる。また、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡した場合には、反転回路582bの入力レベルがハイレベルになるので、反転回路582bの出力レベルはローレベルになる。
【0105】
上記のように、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡すると、反転回路582bの出力レベルはローレベルになる。この状態は、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡していない正常状態において賞球カウントスイッチ301Aが遊技球を検出していない状態と同じである。従って、球払出装置97が遊技球を払い出している状態において、賞球カウントスイッチ301Aの両端子を短絡させると、賞球カウントスイッチ301Aは遊技球を検出しない状態になる。
【0106】
この実施の形態の遊技機では、賞球カウントスイッチ301Aの検出出力は主基板31と払出制御基板37との双方に入力され、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段が賞球カウントスイッチ301Aの検出信号にもとづいて、払出予定数の遊技球が払い出されたことを検知すると、球払出装置97の駆動を停止する制御を行っているが、払出制御基板37においても、賞球カウントスイッチ301Aと入力ポートとの間に、図10に示されたスイッチ回路(具体的には、抵抗R1、コンデンサC1および入力バッファ回路)と同様の回路が搭載されている。従って、不正行為者が不正に賞球カウントスイッチ301Aの両端子を短絡させると、賞球カウントスイッチ301Aが不能動状態になるので、払出制御手段は、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号にもとづく遊技球の払出制御が正常に実行できなくなる。その結果、払出制御手段は遊技球の払い出しをいつ停止してよいのかわからず、大量の遊技球を払い出してしまう。
【0107】
しかし、この実施の形態では、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡した場合には、ツェナーダイオード584のアノードが接続されている反転回路582aの出力レベルがローレベルになり、CPU56が、入力ポート578を介して反転回路582aの出力レベルがローレベルになったことを検知して、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡したことを認識することができる。そして、賞球カウントスイッチ301Aの両端子が短絡したことを認識した場合に、払出制御手段に対して遊技球の払い出しを停止するように指示することができる。なお、ツェナーダイオード584は、遊技媒体検出手段としての賞球カウントスイッチ301Aの検出出力が変動しうる所定範囲(この例では約0〜+6V)を越えたか否かを検出して検出信号を出力する短絡監視手段に相当する。
【0108】
また、短絡監視手段は、払出制御基板37におけるスイッチ回路に設けられていてもよい。短絡監視手段が払出制御基板37に設けられている場合には、払出制御手段が、短絡監視手段から検出信号が出力されたことに応じて、球払出装置97の駆動停止する等の遊技媒体検出異常時処理を実行する。
【0109】
始動口スイッチ14aも、賞球カウントスイッチ301Aと同様に、+12V電源電圧(Vdd)を導入している近接スイッチで構成されている。そして、賞球カウントスイッチ301Aと同様に、遊技球を検出すると反転回路582dがローレベルと認識する検出信号を出力する。検出信号は、主基板31において、コネクタ581を介して、入力バッファ回路582の反転回路582dに入力される。反転回路582dに入力された信号は入力ポート577に出力される。この実施の形態では、入力ポート577として74HC244が用いられている。なお、入力ポート577は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。
【0110】
始動口スイッチ14aにおいて、一端は+12V電源に接続され、他端は検出信号を出力するための出力端子になっている。また、+12V電源に接続される端子と出力端子との間に、抵抗値が680ΩのコイルL3が設けられている。始動口スイッチ14aに設けられている穴を金属の遊技球が通過するとコイルL3に逆起電力が生じ、コイルL3の等価的な抵抗値が極めて大きくなる。抵抗R3の抵抗値は例えば680Ωである。従って、入力バッファ回路582における反転回路582dの入力レベルは0Vに近いローレベルであり、反転回路582dの出力レベルはハイレベルである。始動口スイッチ14aに設けられている穴を金属の遊技球が通過していない場合には、入力バッファ回路582における反転回路582dの入力レベルは、+12VがコイルL3と抵抗R3の抵抗値で分圧された値(ほぼ+6V)であり、反転回路582dがハイレベルであるとみなすしきい値レベルを越える。従って、反転回路582dの出力レベルはローレベルである。
【0111】
このような構成において、+12V(Vdd)電源が接地レベルに短絡されると、始動口スイッチ14aの入力レベルが0Vになるので、その出力レベルも0Vになり、反転回路582dの入力レベルはローレベルになる。すなわち、始動口スイッチ14aが遊技球を検出している状態と同じ状態になる。遊技機には、遊技媒体検出手段として入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aも設置されている。それらのスイッチも、始動口スイッチ14aと同様に、+12V(Vdd)電源が接地レベルに短絡されると、遊技球を検出している状態と同じ状態になる。従って、不正行為者が不正に+12V(Vdd)電源を接地レベルに短絡すると、CPU56は、入賞を検出するための始動口スイッチ14aや入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたとみなし、賞球払出を実行するように払出制御基板37に対して払出制御コマンドを送信してしまう。その結果、遊技制御手段は、球払出装置97を駆動して賞球払出を行ってしまう。
【0112】
そこで、そのような不正行為に対処するために、この実施の形態では、主基板31に、+12V(Vdd)電源電圧を監視する電圧監視回路583が設けられている。電圧監視回路583は、遊技媒体を検出するために使用される遊技媒体検出用電源電圧の低下を検出して遊技媒体検出用電源電圧低下信号を出力する遊技媒体検出用電源電圧監視手段に相当する。具体的には、+12V(Vdd)電源電圧が所定値以下になると、出力信号をローレベルにする。すなわち、ローレベルの検出信号を出力する。検出信号は、反転回路のバッファ回路585および入力バッファ回路582における反転回路582cを介して入力ポート577に入力される。
【0113】
従って、CPU56は、電圧監視回路583からの検出信号に割り得てられている入力ポート577のビットが「0」に変化したことを検出することによって、+12V(Vdd)電源電圧が低下することを認識することができる。+12V(Vdd)電源電圧は、不正行為が行われていない通常状態では所定の許容範囲(電圧監視回路583から検出信号が出力されることになる電圧値よりも高い値)以下になることはなく、+12V(Vdd)電源電圧が低下することを認識することによって、+12V(Vdd)電源が接地レベルに短絡された不正行為がなされたことを認識することができる。
【0114】
そして、CPU56は、+12V(Vdd)電源電圧が低下することを認識した場合には、後述するように、所定の遊技媒体検出用電源電圧異常時処理を実行する。
【0115】
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技球を検出したときと遊技媒体検出用電源電圧としての+12V(Vdd)電源電圧の供給が停止されたとき(例えば接地電位に短絡されたとき)とで共通の状態を呈する始動口スイッチ14aを用いている場合に、遊技制御手段が、電圧監視回路583からの検出信号の入力により異常時処理として所定の遊技媒体検出用電源電圧異常時処理を実行するので、+12V(Vdd)電源を短絡させるような不正行為を検出することができ、さらに、+12V(Vdd)電源の短絡故障が生じた場合にも、そのことを確実に検出することができる。
【0116】
また、この実施の形態では、払い出された遊技球を検出するための賞球カウントスイッチ301A自体が短絡したことを検出するために、短絡監視手段としてのツェナーダイオード584が設けられているが、遊技球の通過により賞球払出条件を成立させるための始動口スイッチ14aその他の入賞口スイッチに、短絡監視手段としてのツェナーダイオードを設けてもよい。ツェナーダイオードは、入賞口スイッチの検出出力が変動しうる所定範囲(例えば0〜6V)を越えたか否かを検出して短絡検出信号としての入賞口スイッチ短絡信号を出力するものに相当する。そのような短絡監視手段を設けた場合には、遊技制御手段は、ツェナーダイオードが接続される入力ポートの入力信号を介して、入賞口スイッチにおいて短絡故障等が生じたことを直ちに検出することができる。そして、入賞口スイッチ短絡信号の入力に応じて、遊技媒体検出異常時処理を実行することができる。
【0117】
なお、遊技媒体検出用電源電圧異常時処理が実行されることによって、各入賞口スイッチの検出信号が無効とされる。また、賞球カウントスイッチ301Aも、遊技球を検出したときと遊技媒体検出用電源電圧としての+12V(Vdd)電源電圧の供給が停止されたとき(例えば接地電位に短絡されたとき)とで共通の状態を呈するので、+12V(Vdd)電源電圧を監視する電圧監視回路583からの検出信号の入力により異常時処理として遊技媒体検出用電源電圧異常時処理が実行されることによって、その検出信号が無効とされる。
【0118】
図11および図12は、この実施の形態における出力ポートの割り当てを示す説明図である。図11に示すように、出力ポート0は各電気部品制御基板に送出される制御コマンドのINT信号の出力ポートである。また、払出制御基板37に送出される払出制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート1から出力され、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート2から出力され、ランプ制御基板35に送出されるランプ制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート3から出力される。そして、図12に示すように、音制御基板70に送出される音制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート4から出力される。
【0119】
また、出力ポート5から、情報出力回路64を介して情報端子板34やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。そして、出力ポート6から、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド16、大入賞口の開閉板2を開閉するためのソレノイド21、および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aに対する駆動信号が出力される。
【0120】
図12に示すように、払出制御基板37、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70に対して出力される各INT信号(払出制御信号INT、表示制御信号INT、ランプ制御信号INTおよび音声制御信号INT)を出力する出力ポート(出力ポート0)と、払出制御信号CD0〜CD7、表示制御信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7および音声制御信号CD0〜CD7を出力する出力ポート(出力ポート1〜4)とは、別ポートである。
【0121】
従って、INT信号を出力する際に、誤って払出制御信号CD0〜CD7、表示制御信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7および音声制御信号CD0〜CD7を変化させてしまう可能性が低減する。また、払出制御信号CD0〜CD7、表示制御信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7または音声制御信号CD0〜CD7を出力する際に、誤ってINT信号を変化させてしまう可能性が低減する。その結果、主基板31の遊技制御手段から各電気部品制御基板に対するコマンドは、より確実に送出されることになる。さらに、各INT信号は、全て出力ポート0から出力されるように構成されているので、遊技制御手段のINT信号出力処理の負担が軽減される。
【0122】
図13は、この実施の形態における入力ポートのビット割り当てを示す説明図である。図15に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ22の検出信号が入力される。
【0123】
また、入力ポート1のビット0〜4には、それぞれ、賞球カウントスイッチ301A、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187の検出信号、カウントスイッチ短絡信号およびクリアスイッチ921の検出信号が入力される。なお、各スイッチからの検出信号は、スイッチ回路58において論理反転されている。また、ビット5には電源断信号(電源基板910からの電源断信号)が入力され、ビット6には賞球カウントスイッチ短絡信号(ツェナーダイオード584のアノードのレベル)が入力され、ビット7にはスイッチ電源監視信号(電圧監視回路583からの検出信号)が入力されている。
【0124】
次に遊技機の動作について説明する。図14は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0125】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタック領域の先頭アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0126】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0127】
また、CPU56には、マスク可能な割込のモードとして3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0128】
ステップS2では、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すようなモード(割込モード2)が設定される。
【0129】
次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである(図13参照)。また、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0130】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0131】
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0132】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
【0133】
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0134】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0135】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMの全領域をクリアするRAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。
【0136】
さらに、CPU56は、所定の払出禁止条件が成立しているか否かを判定し(ステップS13a)、払出禁止条件が成立していなければ、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13b)。また、払出禁止条件が成立していれば、主基板31の制御状態を払出禁止状態に設定する。なお、初期化処理では払出許可状態指定コマンドを送信せず、遊技制御処理において払出禁止条件が成立していなければ払出許可状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
【0137】
また、CPU56は、他のサブ基板(ランプ制御基板35、音制御基板70、図柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド(ランプ制御基板35に対して)等がある。
【0138】
なお、払出許可状態指定コマンドおよび他のサブ基板に対する初期化コマンドの送信処理において、例えば、各コマンドが設定されているテーブル(ROM領域)のアドレスをポインタにセットし、後述するコマンドセット処理(図32参照)のような処理ルーチンをコールすればよい。
【0139】
そして、CPU56は、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定を行う(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。具体的には、複数(例えば4つ)あるタイマのそれぞれに対応して設けられている制御レジスタのうちの一つ(例えばCH3)の制御レジスタに、タイマ割込設定値(この例ではA7(H):割込イネーブルやリセットの設定等)を設定し、次いで、2msに応じた時間定数データ(カウント値、この例では2E(H))を制御レジスタに設定する。
【0140】
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
【0141】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図15に示すステップS20の処理を実行した後、ステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。なお、この実施の形態では、電源断検出処理において、賞球カウントスイッチ短絡信号およびスイッチ電源監視信号の状態を確認する処理も実行する。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
【0142】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0143】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0144】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0145】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0146】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出個数信号等の払出制御信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出個数信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
【0147】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられ、CPU56は、そのRAM領域の内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。なお、出力ポートバッファの内容は、ステップS25〜S30,S31の処理で更新される。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0148】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0149】
図16および図17は、ステップS20の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。電源断検出処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS440)。オン状態であれば、ステップS452以降の電力供給停止時処理を実行する。すなわち、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理を実行する状態に移行する。
【0150】
電源断信号が出力されていない場合には、入力ポート578(図13では入力ポート1)のビット6の状態を確認することによって、すなわち、賞球カウントスイッチ短絡信号の状態を確認することによって、賞球カウントスイッチ301Aが短絡状態になっていないか否か確認する(ステップS441)。賞球カウントスイッチ短絡信号がオン状態であれば、カウントスイッチ短絡フラグをセットする(ステップS442)。また、入力ポート578(図13では入力ポート1)のビット7の状態を確認することによって、すなわち、スイッチ電源監視信号の状態を確認することによって、各スイッチに供給される+12V(Vdd)電源電圧が接地レベルに短絡されていないか否か確認する(ステップS443)。スイッチ電源監視信号がオン状態であれば、スイッチ電源断フラグをセットする(ステップS444)。電源断信号、賞球カウントスイッチ短絡信号およびスイッチ電源監視信号がいずれもオフ状態であれば、電源断検出処理を終了する。
【0151】
賞球カウントスイッチ301Aが短絡状態になっていたことを確認した場合、または、+12V(Vdd)電源電圧が接地レベルに短絡されていたことを確認した場合には、払出禁止状態指定に関する送信バッファをセットする(ステップS445)。具体的には、払出禁止状態指定コマンドが設定されているテーブル(ROM領域)のアドレスをポインタにセットする。そして、後述するコマンドセット処理(図32参照)をコールする(ステップS446)。ステップS445およびS446の処理によって、払出禁止状態指定コマンドが払出制御基板37に送信される。
【0152】
電力供給停止時処理において、CPU56は、バックアップあり指定値(この例では「55H」)をバックアップフラグにストアする(ステップS452)。バックアップフラグはバックアップRAM領域に形成されている。次いで、パリティデータを作成する(ステップS453〜S461)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS453)、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS454)。また、チェックサム算出回数をセットする(ステップS455)。
【0153】
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS456)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS457)、ポインタの値を1増やし(ステップS458)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS459)。そして、ステップS456〜S459の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS460)。
【0154】
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS461)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS462)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
【0155】
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
【0156】
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
【0157】
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS452〜S481の電力供給停止時処理が実行されて、電力供給が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
【0158】
ループ処理では、カウントスイッチ短絡フラグまたはスイッチ電源断フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS482)。カウントスイッチ短絡フラグまたはスイッチ電源断フラグがセットされている場合には、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段および音制御基板70に搭載されている音制御手段に対する異常報知指定コマンドに関する送信バッファをセットする(ステップS483)。具体的には、各コマンドが設定されているテーブル(ROM領域)のアドレスをポインタにセットする。そして、後述するコマンドセット処理(図32参照)をコールする(ステップS484)。その後、ステップS482に戻る。
【0159】
以上のように、各スイッチに供給される+12V(Vdd)電源電圧が接地レベルに短絡された場合には、異常時処理として遊技媒体検出用電源電圧異常時処理が実行される。この実施の形態では、ステップS445,S446の払出禁止状態指定の払出制御コマンドを送信する処理、ステップS472〜S479の出力ポートをクリアするための処理、ステップS481のタイマ割込禁止処理、およびステップS483,S484の異常報知指定コマンドを送信する処理が遊技媒体検出用電源電圧異常時処理に相当する。そして、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定されるので、遊技が不能動化される。さらに、遊技球を検出する各スイッチからの検出信号を確認する処理を行わないので、実質的に、全てのスイッチの検出信号が無効になる。
【0160】
また、ステップS482〜ステップS484の処理を含むループ処理は、遊技機に対する電源供給が停止され遊技制御用マイクロコンピュータに対する動作用電源電圧(例えば+5V)が断するまで継続する。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧が断状態になるまで遊技を不能動化する状態が継続される。
【0161】
また、賞球カウントスイッチ301Aが短絡状態になっている場合には、異常時処理として遊技媒体検出異常時処理が実行される。この実施の形態では、ステップS445,S446の払出禁止状態指定の払出制御コマンドを送信する処理、ステップS472〜S479の出力ポートをクリアするための処理、ステップS481のタイマ割込禁止処理、およびステップS483,S484の異常報知指定コマンドを送信する処理が遊技媒体検出異常時処理に相当する。すなわち、遊技媒体検出異常時処理は、遊技媒体検出用電源電圧異常時処理と共通した処理である。従って、異常時処理を実行するように構成されていても、遊技制御プログラムの容量の増大を抑えることができ、本来の遊技制御に係るプログラムが減ってしまうことを抑制することができる。
【0162】
また、ステップS483,S484で異常報知指定コマンドが表示制御手段、ランプ制御手段および音制御手段に送信される。後述するように、表示制御手段、ランプ制御手段および音制御手段は、異常報知指定コマンドを受信すると、演出用電気部品を用いて、異常が生じた旨の報知を行う。すなわち、異常時処理で、異常が生じた旨の報知が行われることになる。
【0163】
さらに、この実施の形態では、遊技媒体検出用電源電圧低下信号(具体的にはスイッチ電源監視信号)が入力ポートに入力され、CPU56は、所定期間毎(具体的には2ms毎)に入力ポートの入力を確認することによって遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力されたか否かを確認する処理を実行する。このように、CPU56が定期的にポーリングを行うことによって遊技媒体検出用電源電圧低下信号の状態を確認するので、遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力されたか否かを確認する処理は確実に実行される。
【0164】
上述したように、遊技球を検出するために各スイッチに供給される電圧は、演出制御基板(図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70)に搭載されているリセット回路がリセット信号を作成するための電圧と共通している。従って、+12V(Vdd)電源電圧が接地レベルに短絡された場合には、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータにローレベルの信号が出力され、演出制御用マイクロコンピュータはリセット状態になる。従って、遊技制御手段から異常報知指定コマンドを送信しても、演出制御用マイクロコンピュータは異常報知指定コマンドを受信することができない。また、演出制御用マイクロコンピュータがリセット状態になる前に異常報知指定コマンドを受信して報知を開始しても、不正行為者が不正行為を止めて+12V(Vdd)電源電圧が元に復旧したときにリセット状態が解除されるので、演出制御用マイクロコンピュータは初期状態に戻る。すなわち、報知を止めてしまう。
【0165】
しかし、この実施の形態では、異常報知指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧が断状態になるまで繰り返し送信されている(ステップS483,S484)。よって、演出制御用マイクロコンピュータが初期状態に戻っても、その時点で、演出制御用マイクロコンピュータは異常報知指定コマンドを受信することができる。その結果、演出制御用マイクロコンピュータは、異常報知指定コマンドの受信にもとづいて異常が生じた旨の報知を再開することができる。
【0166】
なお、この実施の形態では、異常報知指定コマンドを送信しなくなる状態にするための所定の条件が遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧が断状態になることであったが、所定の条件として、他の条件を用いてもよい。例えば、不正行為を検出した時点または最初に異常報知指定コマンドを送信した時点から所定の時間(例えば30秒)経過したら所定の条件が成立したとしたり、遊技店員等が操作スイッチを操作したことにより所定の条件が成立したとしてもよい。
【0167】
図18は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄プロセス処理は、図15のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理でもある。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)および始動口スイッチ通過確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態(この例では特別図柄プロセスフラグ)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
【0168】
変動短縮タイマ減算処理は、始動記憶(始動口スイッチ14aがオンしたことの記憶)の記憶可能最大数に対応した個数設けられている変動短縮タイマを減算する処理である。そして、後述する特別図柄大当り判定処理(ステップS301)において、例えば、変動短縮タイマの値が0になっていて、かつ、低確率状態(通常状態)では始動記憶数が始動記憶の最大値、確変状態では始動記憶数が「2」以上であれば、図柄の変動パターンとして変動時間が短縮されたパターンを用いることに決定される。また、始動口スイッチ通過確認処理は、始動口スイッチ14aがオンしたときに所定の各乱数値を取得して記憶する処理である。
【0169】
ステップS300〜S309において、以下のような処理が行われる。
【0170】
特別図柄通常処理(ステップS300):始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、ステップS301に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0171】
特別図柄大当り判定処理(ステップS301):始動入賞があったときに記憶された各種乱数を格納するバッファ等の内容をシフトする。シフトの結果、押し出されたバッファの内容にもとづいて大当りとするか否かを決定する。なお、バッファは、始動入賞の記憶可能最大数だけ用意されている。また、シフトによって押し出されたバッファの内容は、最も前に生じた始動入賞に応じた内容である。そして、大当りとすることに決定した場合には、大当りフラグをセットする。その後、ステップS302に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0172】
停止図柄設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の表示結果である左右中図柄の停止図柄を決定する。そして、ステップS303に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0173】
変動パターン設定処理(ステップS303):特別図柄の可変表示のパターンすなわち可変表示パターン(変動パターン)を決定する。そして、決定された変動パターンおよび停止図柄等を通知するための表示制御コマンドを図柄制御基板80等に対して出力するための処理を行う。その後、ステップS304に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0174】
特別図柄変動処理(ステップS304):変動パターンに応じて決められている変動時間が経過したか否か確認する。経過していれば、ステップS305に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0175】
特別図柄図柄停止処理(ステップS305):一定時間(例えば1.000秒)が経過した後、大当りとすることに決定されている場合には、ステップS306に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。そうでなければ、ステップS300に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0176】
大入賞口開放前処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド54を駆動して大入賞口を開放する。そして、ステップS307に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0177】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ステップS308に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0178】
特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、ステップS307に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、ステップS309に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0179】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示をランプ制御手段等に行わせる制御を行う。そして、ステップS300に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0180】
図19〜図21は、遊技制御処理におけるステップS30の賞球処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、賞球処理では、賞球払出の対象となる入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、カウントスイッチ23および始動口スイッチ14aが確実にオンしたか否か判定されるとともに、オンしたら賞球個数を示す払出制御コマンドが払出制御基板37に送出されるように制御し、また、満タンスイッチ48および球切れスイッチ187が確実にオンしたか否か判定されるとともに、オンしたら所定の払出制御コマンドが払出制御基板37に送出されるように制御する等の処理が行われる。
【0181】
賞球処理において、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「1」を設定し(ステップS150)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「9」を設定する(ステップS151)。入力判定値テーブル(図23参照)のオフセット「1」は、入力判定値テーブルの2番目のデータ「50」を使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「9」は満タンスイッチ48に対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS152)。
【0182】
入力判定値テーブルとは、各スイッチについて、連続何回のオンが検出されたら確かにスイッチがオンしたと判定するための判定値が設定されているROM領域である。入力判定値テーブルの構成例は図23に示されている。図23に示すように、入力判定値テーブルには、上から順に、すなわちアドレス値が小さい領域から順に、「2」、「50」、「250」、「30」、「250」、「1」の判定値が設定されている。また、スイッチオンチェックルーチンでは、入力判定値テーブルの先頭アドレスとオフセット値とで決まるアドレスに設定されている判定値と、スイッチタイマの先頭アドレスとオフセット値とで決まるスイッチタイマの値とが比較され、一致した場合には、例えばスイッチオンフラグがセットされる。
【0183】
スイッチオンチェックルーチンの一例が図22に示されている。スイッチオンチェックルーチンにおいて、満タンスイッチ48に対応するスイッチタイマの値が満タンスイッチオン判定値「50」に一致していればスイッチオンフラグがセットされるので(ステップS153)、満タンフラグがセットされる(ステップS154)。なお、図19には明示されていないが、満タンスイッチ48に対応したスイッチタイマの値が0になると、満タンフラグはリセットされる。
【0184】
また、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「2」を設定し(ステップS155)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「0A(H)」を設定する(ステップS156)。入力判定値テーブルのオフセット「2」は、入力判定値テーブルの3番目のデータ「250」を使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「0A(H)」は球切れスイッチ187に対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS157)。
【0185】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、球切れスイッチ187に対応するスイッチタイマの値が球切れスイッチオン判定値「250」に一致していればスイッチオンフラグがセットされるので(ステップS158)、球切れフラグがセットされる(ステップS159)。なお、図19には明示されていないが、球切れスイッチ187に対応したスイッチオフタイマが用意され、その値が50になると、球切れフラグはリセットされる。
【0186】
そして、CPU56は、払出禁止状態であるか否か確認する(ステップS160)。払出禁止状態は、払出制御基板37に対して払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドである払出禁止状態指定コマンドを送出した後の状態であり、具体的には、作業領域における払出停止フラグがセットされている状態である。払出禁止状態でなければ、上述した球切れ状態フラグまたは満タンフラグがオンになったか否かを確認する(ステップS161)。
【0187】
いずれかがオン状態に変化したときには、払出停止フラグをセットするとともに(ステップS162)、払出禁止状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルをセット(送信バッファをセットすることと同義)し(ステップS163)、コマンドセット処理をコールする(ステップS164)。ステップS163では、払出禁止状態指定コマンドの払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。払出禁止状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ、払出制御コマンドの1バイト目のデータ、および払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されている。なお、ステップS161において、いずれか一方のフラグが既にオン状態であったときに他方のフラグがオン状態になったときには、ステップS162〜ステップS164の処理は行われない。
【0188】
また、払出禁止状態であれば、球切れ状態フラグおよび満タンフラグがともにオフ状態になったか否かを確認する(ステップS165)。ともにオフ状態となったときには、払出停止フラグをリセットするとともに(ステップS166)、払出許可状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS167)、コマンドセット処理をコールする(ステップS168)。ステップS167では、払出許可状態指定コマンドの払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。払出許可状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ、払出制御コマンドの1バイト目のデータ、および払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されている。
【0189】
なお、解除条件は、払出禁止状態を解除するための条件であり、払出禁止状態を維持する必要がなくなったときに成立する条件である。この実施の形態では、解除条件は、払出禁止状態とされているときに、余剰球受皿4が満タン状態でなく、かつ、球切れ状態でもない状態でない状態となったこととされている。
【0190】
さらに、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS169)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「0」を設定する(ステップS170)。入力判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最初のデータを使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「0」は入賞口スイッチ33aに対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。また、繰り返し数として「4」をセットする(ステップS171)。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS172)。
【0191】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、CPU56は、入力判定値テーブル(図23参照)の先頭アドレスを設定する(ステップS281)。そして、そのアドレスにオフセットを加算し(ステップS282)、加算後のアドレスからスイッチオン判定値をロードする(ステップS283)。
【0192】
次いで、CPU56は、スイッチタイマの先頭アドレスを設定し(ステップS284)、そのアドレスにオフセットを加算し(ステップS285)、加算後のアドレスからスイッチタイマの値をロードする(ステップS286)。各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチに対応したスイッチタイマの値がロードされる。
【0193】
そして、CPU56は、ロードしたスイッチタイマの値とスイッチオン判定値とを比較する(ステップS287)。それらが一致すれば、スイッチオンフラグをセットする(ステップ228)。
【0194】
この場合には、スイッチオンチェックルーチンにおいて、入賞口スイッチ33aに対応するスイッチタイマの値がスイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオンフラグがセットされる(ステップS173)。そして、スイッチチェックオンルーチンは、スイッチタイマのアドレスのオフセットが更新されつつ(ステップS178)、最初に設定された繰り返し数分だけ実行されるので(ステップS176,S177)、結局、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aについて、対応するスイッチタイマの値がスイッチオン判定値「2」と比較されることになる。
【0195】
スイッチオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数としての「10」をリングバッファに設定する(ステップS174)。そして、総賞球数格納バッファの格納値(未払出数データ)に10を加算する(ステップS175)。なお、リングバッファにデータを書き込んだときには、書込ポインタをインクリメントし、リングバッファの最後の領域にデータを書き込まれたときには、書込ポインタを、リングバッファの最初の領域を指すように更新する。
【0196】
総賞球数格納バッファは、払出制御手段に対して指示した賞球個数の累積値(ただし、払い出しがなされると減算される)が格納されるバッファであり、バックアップRAMに形成されている。なお、この実施の形態では、リングバッファにデータを書き込んだ時点で総賞球数格納バッファの格納値に対する加算処理が行われるが、払い出すべき賞球個数を指示する払出制御コマンドを出力ポートに出力した時点で総賞球数格納バッファの格納値に対する、出力する払出制御コマンドに対応した賞球数の加算処理を行ってもよい。
【0197】
次に、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS179)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「5」を設定する(ステップS180)。入力判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最初のデータを使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「5」は始動口スイッチ14aに対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS181)。
【0198】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、始動口スイッチ14aに対応するスイッチタイマの値がスイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオンフラグがセットされる(ステップS182)。スイッチオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数としての「6」をリングバッファに設定する(ステップS183)。また、総賞球数格納バッファの格納値に6を加算する(ステップS184)。
【0199】
次いで、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS185)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「6」を設定する(ステップS186)。入力判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最初のデータを使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「6」はカウントスイッチ23に対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS187)。
【0200】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、カウントスイッチ23に対応するスイッチタイマの値がスイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオンフラグがセットされる(ステップS188)。スイッチオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数としての「15」をリングバッファに設定する(ステップS189)。また、総賞球数格納バッファの格納値に15を加算する(ステップS190)。
【0201】
そして、リングバッファにデータが存在する場合には(ステップS191)、読出ポインタが指すリングバッファの内容を送信バッファにセットするとともに(ステップS192)、読出ポインタの値を更新(リングバッファの次の領域を指すように更新)し(ステップS193)、賞球個数に関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS194)、コマンドセット処理をコールする(ステップS195)。コマンドセット処理の動作については後で詳しく説明する。
【0202】
ステップS194では、賞球個数に関する払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。賞球個数に関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ(01(H))、払出制御コマンドの1バイト目のデータ(F0(H))、および払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されている。ただし、2バイト目のデータとして「80(H)」が設定されている。
【0203】
以上のように、遊技制御手段から払出制御基板37に賞球個数を指示する払出制御コマンドを出力しようとするときに、賞球個数に関するコマンド送信テーブルのアドレス設定と送信バッファの設定とが行われる。そして、コマンドセット処理によって、賞球個数に関するコマンド送信テーブルと送信バッファの設定内容とにもとづいて払出制御コマンドが払出制御基板37に送出される。なお、ステップS191において、書込ポインタと読出ポインタとの差によってデータがあるか否か確認することができるが、リングバッファ内の未処理のデータ個数を示すカウンタを設け、カウント値によってデータがあるか否か確認するようにしてもよい。
【0204】
そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない場合、すなわち、まだ賞球残がある場合には、CPU56は、賞球払出中フラグをオンする(ステップS196,S197)。
【0205】
また、CPU56は、賞球払出中フラグがオンしているときには(ステップS198)、球払出装置97から実際に払い出された賞球個数を監視して総賞球数格納バッファの格納値を減算する賞球個数減算処理を行う(ステップS199)。なお、賞球払出中フラグがオンからオフに変化したときには、ランプ制御基板35に対して、賞球ランプ51の点灯を指示するランプ制御コマンドが送出される。
【0206】
なお、払出制御手段は、払出禁止状態指定コマンドを受信すると、賞球としての球払出と球貸しとしての球払出とをともに停止させる。また、払出許可状態指定コマンドを受信すると、賞球としての球払出と球貸しとしての球払出とをともに可能な状態とする。しかし、遊技制御手段から払出制御手段に対して、賞球としての球払出を停止または再開させる払出制御コマンドと、球貸しとしての球払出を停止または再開させる払出制御コマンドとを、別の制御コマンドとして送信するようにしてもよい。
【0207】
また、この実施の形態では、払出禁止状態であっても(ステップS160,S165)、ステップS169〜S195の処理が実行される。すなわち、遊技制御手段は、払出禁止状態であっても、賞球個数を指示するための払出制御コマンドを送出することができる。すなわち、賞球個数を指示するためのコマンドが、払出禁止状態であっても払出制御手段に伝達され、払出禁止状態が解除されたときに、早めに賞球払出を開始することができる。また、遊技制御手段において、払出禁止状態における入賞にもとづく賞球個数を記憶するための大きな記憶領域は必要とされない。
【0208】
上述したように、各スイッチに供給される+12V電源電圧(Vdd)が接地電位に短絡されるような不正行為が行われると、賞球払出の対象となる入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、カウントスイッチ23および始動口スイッチ14aがオン状態になる。すると、何らの対策も施さないと、ステップS175,S184,S190の処理で総賞球数バッファの内容が増え、賞球払出を指示する払出制御コマンドが多数回にわたって払出制御基板37に送信される。その結果、払出制御手段が大量の遊技球を賞球として払い出してしまう。
【0209】
しかし、この実施の形態では、+12V電源電圧(Vdd)が接地電位に短絡されるような不正行為が行われると、遊技制御手段は、そのことを検知して、払出禁止状態指定の払出制御コマンドを払出制御基板37に送信する(図16におけるステップS443〜S446)。また、遊技制御を実行しない状態になる(ステップS472〜S481)。払出制御基板37に搭載されている払出制御手段は、払出禁止状態指定の払出制御コマンドを受信すると、球払出装置97からの遊技球の払出を停止するとともに、遊技球の遊技領域7への球発射を停止する。従って、不正行為が行われても、遊技が続行されるとともに遊技球が大量に払い出されてしまうという事態は生じない。
【0210】
次に、遊技制御手段から各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図24は、主基板31から図柄制御基板80に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図24に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と図柄制御基板80との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。図24には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(サブ基板)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0211】
遊技制御手段から他の電気部品制御基板に制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの先頭アドレスの設定が行われる。図25(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0212】
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。例えば、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0であれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。この実施の形態では、ワークエリア参照ビットが1であれば、EXTデータとして、送信バッファの内容を使用することを示す。なお、ワークエリア参照ビットが1であれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示すように構成することもできる。
【0213】
図25(B)INTデータの一構成例を示す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば賞球処理(遊技制御処理のステップS31)において、INTデータに「01(H)」を設定する。また、INTデータにおけるビット1は、図柄出制御基板80に表示制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット1が「1」であるならば、表示制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば特別図柄コマンド制御処理(遊技制御処理のステップS27)において、INTデータに「02(H)」を設定する。
【0214】
INTデータのビット2,3は、それぞれ、ランプ制御コマンド、音制御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、CPU56は、それらのコマンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出するときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびEXTデータが設定される。
【0215】
図26は、主基板31から他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。このように、電気部品制御基板へのコマンドとなる制御コマンドは、複数のデータで構成され、先頭ビットによってそれぞれを区別可能な態様になっている。なお、図26に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。また、図26には図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドが例示されているが、他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドも同一構成である。
【0216】
図27に示すように、制御コマンドは、8ビットの制御信号CD0〜CD7(コマンドデータ)とINT信号(取込信号)とで構成される。払出制御基板37、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板87に搭載されている払出制御手段、表示制御手段、ランプ制御手段および音制御手段は、INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0217】
なお、制御コマンドは、電気部品制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば表示制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じてINT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
【0218】
各電気部品制御基板への制御コマンドを、対応する出力ポートに出力する際に、INT信号を出力する出力ポートのビット0〜3のうちのいずれかのビットが所定期間「1」(ハイレベル)になるのであるが、INTデータにおけるビット配列とINT信号を出力する出力ポートにおけるビット配列とは対応している。従って、各電気部品制御基板に制御コマンドを送出する際に、INTデータにもとづいて、容易にINT信号の出力を行うことができる。
【0219】
図28は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図28に示す例において、コマンド8000(H)〜800E(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド800E(H)は、短縮表示パターンを指定するコマンドである。
【0220】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄表示器10で可変表示される普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8AXX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0221】
コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する表示制御コマンドである。
【0222】
コマンドE403(H)は、遊技制御手段が賞球カウントスイッチ301Aの短絡または各スイッチに供給される+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを検知した場合に繰り返し送信される(図17のステップS483,S484参照)異常報知指定の表示制御コマンド(異常報知指定コマンド)である。
【0223】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図28に示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する制御を行う。
【0224】
図29は、主基板31からランプ制御基板35に送出されるランプ制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。ランプ制御コマンドもMODEとEXTの2バイト構成である。図29に示す例において、コマンド80XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、可変表示装置9における特別図柄の変動パターンに対応したランプ・LED表示制御パターンを指定する変動中ランプ指定のランプ制御コマンドである。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止時のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドであり、コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドである。
【0225】
なお、コマンド8XXX(H)、9XXX(H),AXXX(H)、BXXX(H)およびCXXX(H)は、遊技進行状況に応じて遊技制御手段から送出されるランプ制御コマンドである。ランプ制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述したランプ制御コマンドを受信すると図29に示された内容に応じてランプ・LEDの表示状態を変更する。なお、コマンド8XXX(H)、9XXX(H),AXXX(H)、BXXX(H)およびCXXX(H)は、表示制御コマンドや音制御コマンドと例えば共通の制御状態において共通に用いられる。また、遊技制御手段は、図柄制御基板80に対して80XX(H)の表示制御コマンドを送信するときに、ランプ制御基板35に対して80XX(H)の変動中ランプ指定のランプ制御コマンドを送信する。
【0226】
コマンドE1XX(H)は、始動記憶表示器18の点灯個数を示すランプ制御コマンドである。例えば、ランプ制御手段は、始動記憶表示器18における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。また、コマンドE0XX(H)は、普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドである。例えば、ランプ制御手段は、普通図柄始動記憶表示器41における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。すなわち、それらのコマンドは、保留個数という情報を報知するために設けられている発光体の制御を指示するコマンドである。なお、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数に関するコマンドが点灯個数の増減を示すように構成されていてもよい。
【0227】
コマンドE200(H)およびE201(H)は、賞球ランプ51の表示状態に関するランプ制御コマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、球切れランプ52の表示状態に関するランプ制御コマンドである。ランプ制御手段は、主基板31の遊技制御手段から「E201(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がある場合としてあらかじめ定められた表示状態とし、「E200(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がない場合としてあらかじめ定められた表示状態とする。また、主基板31の遊技制御手段から「E300(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球あり中の表示状態とし、「E301(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球切れ中の表示状態とする。すなわち、コマンドE200およびE201(H)は、未賞球の遊技球があることを遊技者等に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、補給球が切れていることを遊技者や遊技店員に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドである。
【0228】
コマンドE403(H)は、遊技制御手段が賞球カウントスイッチ301Aの短絡または各スイッチに供給される+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを検知した場合に繰り返し送信される(図17のステップS483,S484参照)異常報知指定のランプ制御コマンド(異常報知指定コマンド)である。
【0229】
図30は、遊技を制御する主基板31から音制御基板70に送出される音制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。音制御コマンドもMODEとEXTの2バイト構成である。図30に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動期間における音発生パターンを指定する音制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間における音発生パターンを指定する音制御コマンドである。その他のコマンドは、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない音制御コマンドである。音制御基板70の音制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した音制御コマンドを受信すると図30示された内容に応じて音声出力状態を変更する。なお、遊技制御手段は、図柄制御基板80に対して80XX(H)の表示制御コマンドを送信するときに、音制御基板70に対して80XX(H)の変動中音指定の音制御コマンドを送信する。
【0230】
コマンドE403(H)は、遊技制御手段が賞球カウントスイッチ301Aの短絡または各スイッチに供給される+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを検知した場合に繰り返し送信される(図17のステップS483,S484参照)異常報知指定の音制御コマンド(異常報知指定コマンド)である。
【0231】
図31は、払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図31に示された例において、MODE=FF(H),EXT=00(H)のコマンドFF00(H)は、払出が可能であることを指示する払出制御コマンド(払出許可状態指定コマンド)である。MODE=FF(H),EXT=01(H)のコマンドFF01(H)は、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンド(払出禁止状態指定コマンド)である。また、MODE=F0(H)のコマンドF0XX(H)は、賞球個数を指定する払出制御コマンド(払出個数指定コマンド)である。EXTである「XX」が払出個数を示す。
【0232】
払出制御手段は、主基板31の遊技制御手段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
【0233】
図32は、コマンドセット処理の処理例を示すフローチャートである。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンドセット処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレス(送信信号指示手段としてのポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS331)。そして、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS333)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
【0234】
そこで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS335)。
【0235】
図33は、コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信処理ルーチンにおいて、CPU56は、コマンド送信中フラグをオンしたあと(ステップS350)、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS351)。なお、コマンド送信中フラグは、コマンド送信処理中であるか否かを示すフラグであって、RAM55の所定の領域に記憶されている。次いで、CPU56は、送信回数=4を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS352)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS353)。この実施の形態では、ポート1のアドレスは、払出制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。また、ポート2〜4のアドレスが、表示制御信号、ランプ制御信号、音声制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。
【0236】
次に、CPU56は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS355)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
【0237】
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS356)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1のアドレスが設定されているので、そのときに、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
【0238】
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減算する(ステップS358)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート2のアドレスが設定される。ポート2は、表示制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS359)、値が0になっていなければ、ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフト処理が行われる。
【0239】
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされる制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
【0240】
よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。
【0241】
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
【0242】
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS360)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS361)。この実施の形態では、ポート0のアドレスは、各制御信号についてのINT信号を出力するためのポートであり、ポート0のビット0〜4が、それぞれ、払出制御INT信号、表示制御INT信号、ランプ制御INT信号、音制御INT信号を出力するためのポートである。INTデータでは、ステップS351〜S359の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。従って、ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に対応したINT信号がハイレベルになる。
【0243】
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS363,S364)。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS365)、そのデータをポート0に出力する(ステップS366)。よって、INT信号はローレベルになる。また、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS368,S369)。そして、ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS369のY)、CPU56は、コマンド送信中フラグをオフする(ステップS370)。
【0244】
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU56は、図32に示すステップS336で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS337)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS338)。0でなければ、送信バッファの内容を引数2にロードする(ステップS339)。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」であるときに拡張データを使用するように構成されている場合には、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする。
【0245】
送信バッファには賞球個数を特定可能なデータが設定されているので、引数2にそのデータが設定される。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」であるときに拡張データを使用するように構成されている場合には、コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定される。よって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされる。
【0246】
次に、CPU56は、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS340)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。
【0247】
以上のようにして、2バイト構成の制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)が、対応する電気部品制御手段に送信される。電気部品制御手段ではINT信号の立ち上がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始する。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち下がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図27に示された場合と逆にしてもよい。
【0248】
図34は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、この実施の形態では、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)の確認を行うループ処理に移行する。ループ処理では、主基板31から受信した表示制御コマンドを解析する処理であるコマンド解析処理を実行する(ステップS702)。
【0249】
タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703,S704)、カウンタ更新処理(ステップS705)および表示制御プロセス処理(ステップS706)を実行する。なお、ステップS705は、予告を行うか否かと予告の種類とを決定するための乱数を生成するためのカウンタの更新処理であり、予告を行うか否かと予告の種類とを乱数を用いて決定するように構成されていない場合には不要である。
【0250】
なお、この実施の形態では、タイマ割込は16.7ms(1/60秒)毎にかかるとする。すなわち、カウンタ更新処理および表示制御プロセス処理は、16.7ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理(表示制御プロセス処理)はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0251】
また、タイマ割込はより短い周期でかかるようにし(例えば2ms)、タイマ割込処理ではカウンタ更新処理を実行せず、カウンタ更新処理は、可変表示装置9の同期信号(SYNC)に同期して起動されるように構成してもよい。
【0252】
図35は、割込処理による表示制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。主基板31からのINT信号が立ち上がると、表示制御用CPU101に割込がかかり、図35に示す表示制御コマンドの受信処理が開始される。なお、表示制御用CPU101は、割込が発生すると、ソフトウェアで割込許可にしない限り、マスク可能割込がさらに生ずることはないような構造のCPUである。
【0253】
なお、ここでは表示制御手段のコマンド受信処理について説明するが、払出制御手段、ランプ制御手段および音制御手段でも、同様のコマンド受信処理が実行されている。また、この実施の形態では、割込端子の入力が立ち上がると割込が発生するが、割込端子の入力が立ち下がると割込がかかるようなCPUの初期設定を行ったり、割込端子の入力が立ち下がると割込がかかるようなCPUを用いてもよい。
【0254】
すなわち、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成すれば、エッジは立ち上がりエッジであっても立ち下がりエッジであってもよい。いずれにせよ、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成される。このようにすることで、コマンドの取込が指示された段階でいち早くコマンド受信を行うことが可能になる。
【0255】
表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU101は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS670)。次いで、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS671)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS672)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである(図26参照)。そこで、表示制御用CPU101は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する(ステップS673)。
【0256】
表示制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS674)。既に受信したか否かは、受信バッファ(コマンド受信バッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0257】
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示すコマンド受信バッファに格納する(ステップS675)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである(図26参照)。なお、ステップS674における確認結果が「1バイト目を既に受信した」(=Y)である場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。なお、ステップS674で「N」と判断された場合には、ステップS676の処理が行われないので、次に受信したコマンドは、今回受信したコマンドが格納されるはずであったバッファ領域に格納される。
【0258】
ステップS675において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS676)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS677)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS678)。その後、退避されていたレジスタを復旧し(ステップS679)、最後に割込許可に設定する(ステップS680)。なお、コマンド受信バッファは、12バイト構成である。
【0259】
表示制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。
【0260】
図36は、コマンド解析処理(ステップS702)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された表示制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容が確認される。
【0261】
コマンド解析処理において、表示制御用CPU101は、まず、コマンド受信禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS680)。コマンド受信禁止フラグがセットされていたらコマンド解析処理を終了する。コマンド受信禁止フラグがセットされていない場合には、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS681)。格納されているか否かは、コマンド受信カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS682)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0262】
読み出した受信コマンドが左図柄指定コマンドであれば(ステップS683)、受信コマンドのEXTデータを左図柄格納領域に格納する(ステップS684)。なお、左図柄指定コマンドであるか否かは、2バイトの表示制御コマンドのうちの1バイト目(MODEデータ)によって直ちに認識できる。また、2バイト目(EXTデータ)には図柄番号が設定されている。従って、ステップS684の処理によって、左停止図柄(最終停止図柄)の図柄番号が左図柄格納領域に格納される。
【0263】
読み出した受信コマンドが中図柄指定コマンドであれば(ステップS686)、表示制御用CPU101は、受信コマンドのEXTデータを中図柄格納領域に格納する(ステップS687)。読み出した受信コマンドが右図柄指定コマンドであれば(ステップS688)、表示制御用CPU101は、受信コマンドのEXTデータを右図柄格納領域に格納する(ステップS689)。
【0264】
読み出した受信コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであれば(ステップS691)、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターン格納領域に格納し(ステップS692)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS693)。なお、左右中の停止図柄格納領域や変動パターン格納領域は、図柄制御基板80に搭載されているRAM(表示制御用CPU101の内蔵RAMまたは外付けRAM)に設けられている。
【0265】
読み出した受信コマンドが異常報知指定コマンドであれば(ステップS694)、コマンド受信禁止フラグをセットする(ステップS695)。また、可変表示装置9に、異常が生じた旨を示す表示を行う(ステップS696)。
【0266】
そして、ステップS682で読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS697)。
【0267】
異常報知指定コマンドを受信した場合には、コマンド受信禁止フラグがセットされ(ステップS695)、コマンド受信禁止フラグがセットされている場合には、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出さない(ステップS680)。すなわち、表示制御手段は、異常報知指定コマンドを受信した後では、遊技制御手段からの遊技の進行に応じた演出の実行を指示するコマンドの受け付けを停止する。
【0268】
遊技制御手段は、各スイッチに供給される+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを検出した場合には、異常報知指定コマンドを送信する。また、+12V電源電圧が接地電位に短絡されると、図5に示されたリセット回路83が+12V電源電圧の低下を検出して、表示制御用CPU101にローレベルのリセット信号を出力する。そして、リセット回路83は、+12V電源電圧が復旧すると、出力をハイレベルにする。従って、表示制御用CPU101は、遊技機に対する電力供給が開始されたときと同様に初期状態に戻る。
【0269】
表示制御用CPU101が初期状態に戻っても、遊技制御手段は繰り返し異常報知指定コマンドを送信しているので、表示制御用CPU101は、異常報知指定コマンドを受信することができる。その結果、以後、遊技制御手段からの遊技の進行に応じた演出の実行を指示するコマンドの受け付けを停止する。従って、+12V電源電圧を接地電位に短絡するような不正行為がなされた場合には、表示制御手段は、確実に異常が生じた旨の報知を行うことができ、また、演出制御を行わない状態を継続する。よって、不正行為が継続されている状態で遊技演出がなされることが防止され、不正行為がなされていることの報知が認識されづらくなることはない。
【0270】
なお、ここでは、表示制御手段が実行するコマンド受信処理について説明したが、ランプ制御手段および音制御手段も、同様に、コマンド受信処理を実行する。従って、+12V電源電圧を接地電位に短絡するような不正行為がなされた場合には、ランプ制御手段および音制御手段は、確実に異常が生じた旨の報知を行うことができ、また、演出制御を行わない状態を継続することができる。
【0271】
ランプ制御手段は、異常報知指定コマンドを受信すると、例えば、演出に用いる発光体(ランプ・LED)の全てまたは一部の特定のランプ・LEDを点灯状態にする。
【0272】
音制御手段は、異常報知指定コマンドを受信すると、例えば、受信してから所定期間(例えば30秒)スピーカ27から報知音を発する制御を行う。なお、+12V電源電圧が接地電位に短絡した場合には音制御手段はリセット状態になり、+12V電源電圧が復旧すると初期状態に戻るが、表示制御手段の場合と同様に初期状態に戻った後に再度異常報知指定コマンドを受信できるので、その時点から再び所定期間(例えば30秒)スピーカ27から報知音を発する制御を行う。
【0273】
また、ここでは、表示制御手段は、異常報知指定コマンドを受信した後では、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出さないようにしたが、他の方法によって、遊技制御手段からの遊技の進行に応じた演出の実行を指示するコマンドの受け付けを停止するようにしてもよい。例えば、コマンド受信バッファから読み出した受信コマンドを破棄するようにしてもよいし、主基板31からのINT信号に応じた割込を受け付けないようにしたり、受け付けても割込処理を実行しないようにしてもよい。
【0274】
図37は、図34に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0275】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS698)。
【0276】
予告選択処理(ステップS801):予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。
【0277】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左右中図柄の変動が開始されるように制御する。
【0278】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0279】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0280】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0281】
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0282】
図38は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行テーブルの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。表示制御用CPU101は、プロセスデータ参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行テーブルに設定されている変動態様で図柄を変動表示させる制御を行う。
【0283】
次に、払出制御手段の動作について説明する。図39は、払出制御手段のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタック領域の先頭アドレスを設定する(ステップS703)。割込モード2は、払出制御用CPU371の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すようなモードである。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。
【0284】
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0285】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
【0286】
また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをカウンタモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。
【0287】
カウンタモードに設定されたチャネル(チャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマンド受信割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでコマンド受信割込処理の先頭アドレスが特定される。
【0288】
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0289】
CTCのチャネル2(CH2)のカウントアップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生する割込である。従って、例えばステップS705において、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2に初期値「1」が設定される。さらに、CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりまたは立ち下がりで特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるのであるが、所定の特定レジスタの設定によって、立ち上がり/立ち下がりの選択を行うことができる。この実施の形態では、CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりで、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるような設定が行われる。
【0290】
また、CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、後述する2msタイマ割込として用いられる。具体的には、CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。ステップS705において、CH3のレジスタには、初期値として2msに相当する値が設定される。
【0291】
次いで、払出制御用CPU371は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS707)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を実行する(ステップS711〜ステップS714)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。
【0292】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、払出制御用CPU371は、払出制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かの確認を行う(ステップS708)。例えば、主基板31のCPU56の処理と同様に、遊技機への電力供給停止時にセットされるバックアップフラグがセット状態になっているか否かによって、バックアップデータが存在しているか否か確認する。バックアップフラグがセット状態になっている場合には、バックアップデータありと判断する。
【0293】
バックアップありを確認したら、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の停電等の電力供給の停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給の停止時の状態に戻すことができないので、不測の停電等からの復旧時ではなく電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0294】
チェック結果が正常であれば(ステップS709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う(ステップS710)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する。
【0295】
初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS711)。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。また、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、初期状態として払出禁止状態に設定する(ステップS713)。なお、払出禁止状態に設定するときには、払出制御用CPU371は、例えば払出モータ289の駆動を停止する制御を行うとともに払出禁止状態であることを示す内部フラグ(払出停止中フラグ)をセットする。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS714)。なお、払出停止中フラグは、遊技制御手段から払出許可状態指定コマンドを受信したことを条件としてリセットされる。
【0296】
この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、タイマ割込があったことを示すタイマ割込フラグがセットされる。そして、メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされたことが検出されたら(ステップS715)、タイマ割込フラグがリセットされるとともに(ステップS751)、払出制御処理(ステップS751〜S760)が実行される。
【0297】
払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、入力ポート372bに入力される賞球カウントスイッチ301Aや球貸しカウントスイッチ301B等のスイッチがオンしたか否かを判定する(スイッチ処理:ステップS752)。
【0298】
次に、払出制御用CPU371は、主基板31から払出禁止状態指定コマンドを受信していたら払出禁止状態に設定し、払出許可状態指定コマンドを受信していたら払出禁止状態の解除を行う(払出禁止状態設定処理:ステップS753)。また、受信した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS754)。さらに、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステップS755)。
【0299】
次いで、払出制御用CPU371は、球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップS756)。
【0300】
さらに、払出制御用CPU371は、総合個数記憶(RAMにおける賞球個数指定の払出制御コマンドで指示された賞球個数を記憶する部分)に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処理を行う(ステップS757)。そして、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させる払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。
【0301】
次いで、エラー検出処理を行い、その結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う(エラー処理:ステップS759)。また、遊技機外部に出力される球貸し個数信号を出力する処理等を行う(出力処理:ステップS760)。
【0302】
図40は、割込処理による払出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子に入力されている。よって、主基板31からのINT信号が立ち上がると、払出制御用CPU371に割込がかかり、図40に示す払出制御コマンドの受信処理が開始される。なお、払出制御用CPU371は、割込が発生すると、ソフトウェアで割込許可にしない限り、マスク可能割込がさらに生ずることはないような構造のCPUである。
【0303】
払出制御コマンドの受信処理において、払出制御用CPU371は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS850)。次いで、払出制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポート372a(図8参照)からデータを読み込む(ステップS851)。次いで、読み込んだデータが2バイト構成の払出制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS852)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である払出制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである(図26参照)。そこで、払出制御用CPU371は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する(ステップS853)。
【0304】
払出制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS854)。既に受信したか否かは、受信バッファ(コマンド受信バッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0305】
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示すコマンド受信バッファに格納する(ステップS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である払出制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである(図26参照)。なお、ステップS854における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。なお、ステップS854で「N」と判断された場合には、ステップS856の処理が行われないので、次に受信したコマンドは、受信バッファにおいて、今回受信したコマンドが格納されるはずであったバッファ領域に格納される。
【0306】
ステップS855において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS856)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS857)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS858)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS859)、最後に割込許可に設定する(ステップS860)。
【0307】
図41は、ステップS753の払出禁止状態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出禁止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、受信バッファ中に受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS753a)。受信バッファ中に受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出禁止状態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS753b)。払出禁止状態指定コマンドであれば、払出制御用CPU371は、払出禁止状態に設定する(ステップS753c)。また、発射制御基板91に至る発射制御信号をオフ状態にする。発射制御基板91に搭載されている発射制御回路は、発射制御信号がオフ状態になると打球発射装置の駆動を停止する(ステップS753e)。
【0308】
ステップS753bで受信コマンドが払出禁止状態指定コマンドでないことを確認すると、受信した払出制御コマンドが払出許可状態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS753d)。払出許可状態指定コマンドであれば、払出禁止状態を解除する(ステップS753e)。また、発射制御基板91に至る発射制御信号をオン状態にする。
【0309】
なお、払出禁止状態に設定するときには、払出制御用CPU371は、例えば払出モータ289の駆動を停止する制御を行うとともに払出禁止状態であることを示す内部フラグ(払出停止中フラグ)をセットする。また、払出禁止状態を解除するときには、払出モータ289の駆動を再開するとともに、払出停止中フラグをリセットする。
【0310】
主基板31に搭載されている遊技制御手段は、賞球カウントスイッチ301Aの短絡を検出したとき、または、各スイッチに供給される+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを検出したときには、払出制御基板37に対して払出禁止指定の払出制御コマンド(払出禁止指定コマンド)を送信する。払出制御基板37に搭載されている払出制御手段は、払出禁止指定コマンドを受信すると、払出モータ289の駆動を停止して球払出装置97からの遊技球の払い出しを停止するとともに、打球発射装置の駆動を停止するように制御する。従って、賞球カウントスイッチ301Aを短絡したりスイッチに供給される+12V電源電圧を接地電位に短絡するような不正行為が行われた場合には、遊技球の払い出しが停止されるとともに、打球発射装置の駆動が停止して遊技が不能動化される。その場合、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータの動作電圧が断するまで、すなわち遊技機に対する電力供給が停止するまで払出許可状態指定の払出制御コマンド(払出許可指定コマンド)を送信することはないので、結局、遊技機に対する電力供給が停止するまで打球発射装置の駆動の停止が継続される。
【0311】
以上に説明したように、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧(+5V電源電圧)をVSL(+30V)にもとづいて作成する動作用電源電圧作成手段とは別に、遊技球を検出するための遊技媒体検出用電源電圧(+12V電源電圧)をVSL(+30V)にもとづいて作成する遊技媒体検出用電源電圧作成手段とが設けられ、主基板31に、+12V電源電圧の低下を検出して検出信号を出力する電圧監視回路583が設けられている。また、主基板31のCPU56は、電圧監視回路583からの検出信号の入力により、遊技を不能動化したり、異常が生じたことを報知するための制御を実行する。従って、+12V電源電圧を接地電位に短絡させるような不正行為が行われた場合に、その旨が確実に報知されるとともに、遊技が不能動化される。
【0312】
なお、上記の実施の形態では、演出制御手段として、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段および音制御基板70に搭載されている音制御手段を例にしたが、演出制御手段は、遊技機に設けられている演出用電気部品を制御するのであれば、どのような構成であってもよい。例えば、遊技制御手段からの制御コマンドに応じて全ての演出用電気部品を制御する1つの演出制御手段が搭載された演出制御基板が設けられた構成でもよいし、表示器(可変表示装置9および普通図柄表示器10)およびスピーカ27を制御する第1の演出制御手段と、ランプ・LEDを制御する第2の演出制御手段とが設けられた構成でもよい。
【0313】
また、上記の実施の形態では、+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを電圧監視回路583が検出するように構成したが、他の構成によって、+12V電源電圧が接地電位に短絡されたことを検出するようにしてもよい。例えば、+12V電源電圧が接地電位に短絡された場合には全てのスイッチの検出出力がオン状態になるので、全てのスイッチの検出出力がオン状態になったか否か検出する回路を設け、その回路が、全てのスイッチの検出出力がオン状態になったことを検出したら、遊技制御手段が、+12V電源電圧が接地電位に短絡されたと認識するようにしてもよい。
【0314】
また、+12V電源電圧を接地電位に短絡する不正行為は、遊技機外から不正のための道具を挿入しやすいスイッチ中継基板72においてなされることが多い。従って、そのようなスイッチ中継基板72を介さずに+12V電源電圧を各スイッチに供給するように構成することによって不正行為を防止するようにしてもよい。例えば、+12V電源電圧を主基板31から直接各スイッチに供給するように構成してもよい。
【0315】
さらに、上記の実施の形態では、+12V電源電圧が接地電位に短絡されたとき、および、賞球カウントスイッチ301A自体の短絡を検出したときに、全ての演出制御手段(表示制御手段、ランプ制御手段および音制御手段)が演出用電気部品に報知を行わせるように構成されていたが、複数の演出制御手段が設けられている場合に、演出用電気部品に報知を行わせる演出制御手段は、全ての演出制御手段ではなく、そのうちの1つまたは複数であってもよい。
【0316】
また、各スイッチに+12V電源電圧を供給する電源を、演出制御手段に+12V電源電圧を供給する電源とは別に設けてもよい。例えば、主基板31に+12V電源電圧を供給する電源を搭載し、演出制御手段には電源基板910から中継基板を介して+12V電源電圧が供給されるように構成し、各スイッチには主基板31から+12V電源電圧が供給されるように構成する。そのような構成によれば、不正行為を受けやすい位置(遊技機の外部から挿入された不正行為のための道具が届きやすい位置)に設置されることが多い中継基板を介さずに各スイッチに+12V電源電圧を供給することができるので、各スイッチに供給される+12V電源電圧を接地電位に短絡させる不正行為を防止することができる。なお、上記の実施の形態によれば、不正行為を受けなくても、+12V電源電圧が接地電位に短絡した異常(故障)が生じた場合でも、また、遊技媒体検出手段自体が短絡した異常(故障)が生じた場合でも、そのことを検出して報知することができる。
【0317】
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0318】
さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても、スイッチの検出信号に応じて遊技媒体の払い出しを行う電気部品が備えられている場合には本発明を適用することができる。
【0319】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、遊技機を、演出制御用マイクロコンピュータに供給される電圧と共通の電圧であって遊技媒体を検出するために用いられる遊技媒体検出用電源電圧を所定の電源電圧にもとづいて作成する遊技媒体検出用電源電圧作成手段と、遊技媒体検出用電源電圧を用いて所定箇所を通過した遊技媒体を検出し遊技媒体を検出したときに検出信号を出力する遊技媒体検出手段と、遊技媒体検出手段から出力された検出信号にもとづいて所定の払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段と、遊技媒体検出用電源電圧の低下を検出して遊技媒体検出用電源電圧低下信号を出力する遊技媒体検出用電源電圧監視手段とを備え、遊技制御手段が、遊技媒体検出用電源電圧低下信号の入力により、異常時処理として所定の遊技媒体検出用電源電圧異常時処理を実行する遊技媒体検出用電源電圧異常時処理手段を含み、遊技媒体検出用電源電圧異常時処理が、演出用電気部品によって異常が発生したことを示す所定の報知を実行させることを指示する異常報知コマンドを、所定条件が成立するまで演出制御手段に対して繰り返し送信する処理を含むように構成したので、遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段に供給される遊技媒体検出用電源電圧と同じ電圧を演出制御手段が使用している場合でも、不正行為がなされたことを確実に報知することができる効果がある。さらに、遊技媒体検出用電源の短絡故障が生じた場合にも、そのことを確実に検出して報知することができる。
【0320】
請求項2記載の発明では、遊技媒体検出手段の検出出力が変動しうる所定範囲を越えたか否かを検出して短絡検出信号を出力する短絡監視手段を備え、遊技制御手段が、短絡監視手段からの短絡検出信号の入力により、異常時処理として所定の遊技媒体検出異常時処理を実行する遊技媒体検出異常時処理手段を含むように構成されているので、遊技媒体検出手段自体の短絡故障が生じた場合にも、そのことを確実に検出して報知することができる。その結果、遊技媒体検出手段が働かなくなって遊技者に不利益が与えられてしまうことを防止することができるようになる。
【0321】
請求項3記載の発明では、遊技媒体検出用電源電圧異常時処理と遊技媒体検出異常時処理とは共通処理であるから、異常時処理を実行するようにしても、遊技制御用マイクロコンピュータが実行するプログラムの容量を節減することができる。
【0322】
請求項4記載の発明では、演出制御手段が、異常報知コマンドを受信した後、遊技の進行に応じた演出の実行を指示するコマンドの受け付けを停止するように構成されているので、不正行為が継続されている状態で遊技演出がなされることが防止され、不正行為がなされていることの報知が認識されづらくなることはない。
【0323】
請求項5記載の発明では、演出制御手段が異常報知コマンドの送信を停止する所定条件が、遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧が断状態になることであるから、遊技店の店員等が遊技機に対して電源オフなどの対策を施さない限り報知が継続し、遊技店の店員等が対策を施すことを促すことができる。
【0324】
請求項6記載の発明では、遊技制御手段が、異常時処理にて遊技を不能動化するための処理を実行するように構成されているので、不正行為が行われても遊技が続行されてしまうことを防止することができる。
【0325】
請求項7記載の発明では、遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力ポートに入力され、遊技制御用マイクロコンピュータが、所定期間毎に入力ポートの入力を確認することにより遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力されたか否かを確認する処理を実行するように構成されているので、定期的に遊技媒体検出用電源電圧低下信号を監視することによって不正行為を確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】図柄制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図6】ランプ制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図7】音制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図8】払出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】電源基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図10】賞球カウントスイッチおよび始動口スイッチからの検出信号の入力に関わる部分を示すブロック図である。
【図11】出力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。
【図12】出力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。
【図13】入力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。
【図14】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図15】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図16】電源断検出処理を示すフローチャートである。
【図17】電源断検出処理を示すフローチャートである。
【図18】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図19】賞球処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】賞球処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】賞球処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】スイッチオンチェック処理を示すフローチャートである。
【図23】入力判定値テーブルの構成例を示す説明図である。
【図24】表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図25】コマンド送信テーブル等の一構成例を示す説明図である。
【図26】制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。
【図27】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図28】表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図29】ランプ制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図30】音制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図31】払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図32】コマンドセット処理の処理例を示すフローチャートである。
【図33】コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図34】表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図35】コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
【図36】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図37】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図38】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図39】払出制御基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図40】払出制御用CPUのコマンド受信割込処理の例を示すフローチャートである。
【図41】払出停止状態設定処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
14a 始動口スイッチ
31 遊技制御基板(主基板)
35 ランプ制御基板
37 払出制御基板
56 CPU
70 音制御基板
71 中継基板
72 中継基板(スイッチ中継基板)
80 図柄制御基板
101 表示制御用CPU
301A 賞球カウントスイッチ
351 ランプ制御用CPU
371 払出制御用CPU
582 入力バッファ回路
583 電源監視回路
584 ツェナーダイオード
701 音制御用CPU
910 電源基板

Claims (7)

  1. 遊技媒体を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機であって、
    遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータを含む遊技制御手段と、
    前記遊技制御手段から送信されるコマンドにもとづいて遊技機に設けられている演出用電気部品の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータを含む演出制御手段と、
    前記演出制御手段に供給される電圧と共通の電圧であって遊技媒体を検出するために用いられる遊技媒体検出用電源電圧を所定の電源電圧にもとづいて作成する遊技媒体検出用電源電圧作成手段と、
    前記遊技媒体検出用電源電圧を用いて所定箇所を通過した遊技媒体を検出し、遊技媒体を検出したときに検出信号を出力する遊技媒体検出手段と、
    該遊技媒体検出手段から出力された検出信号にもとづいて前記所定の払出条件が成立したか否かを判定する払出条件判定手段と、
    前記遊技媒体検出用電源電圧の低下を検出して遊技媒体検出用電源電圧低下信号を出力する遊技媒体検出用電源電圧監視手段とを備え、
    前記遊技媒体検出手段の検出信号の出力状態は、遊技媒体を検出したときと前記遊技媒体検出用電源電圧の供給が停止されたときとで共通の状態を呈し、
    前記遊技制御手段は、前記遊技媒体検出用電源電圧低下信号の入力により、異常時処理として所定の遊技媒体検出用電源電圧異常時処理を実行する遊技媒体検出用電源電圧異常時処理手段を含み、
    前記遊技媒体検出用電源電圧異常時処理は、前記演出用電気部品によって異常が発生したことを示す所定の報知を実行させることを指示する異常報知コマンドを、所定条件が成立するまで前記演出制御手段に対して繰り返し送信する処理を含む
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技媒体検出手段の検出出力が変動しうる所定範囲を越えたか否かを検出して短絡検出信号を出力する短絡監視手段を備え、
    遊技制御手段は、前記短絡監視手段からの前記短絡検出信号の入力により、異常時処理として所定の遊技媒体検出異常時処理を実行する遊技媒体検出異常時処理手段を含む
    請求項1記載の遊技機。
  3. 遊技媒体検出用電源電圧異常時処理と遊技媒体検出異常時処理とは共通処理である
    請求項2記載の遊技機。
  4. 演出制御手段は、異常報知コマンドを受信した後、遊技の進行に応じた演出の実行を指示するコマンドの受け付けを停止する
    請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
  5. 所定条件は、遊技制御用マイクロコンピュータに供給される動作用電源電圧が断状態になることである
    請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
  6. 遊技制御手段は、異常時処理にて、遊技を不能動化するための処理を実行する
    請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。
  7. 遊技制御用マイクロコンピュータは入力ポートを含み、
    遊技媒体検出用電源電圧低下信号は前記入力ポートに入力され、
    前記遊技制御用マイクロコンピュータは、所定期間毎に前記入力ポートの入力を確認することにより前記遊技媒体検出用電源電圧低下信号が入力されたか否かを確認する処理を実行する
    請求項1から請求項6のうちのいずれかに記載の遊技機。
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