JP2009284868A - 食品用離型油 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物ワックスの代替としてポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることで、急冷工程を経ることなく簡単に製造でき、スプレー噴霧時に目詰まりすることなく、且つ、噴霧後液ダレを抑えた食品用離型油であり、これを用いてなる外観、風味の良好な食品を提供すること。
【解決手段】ポリグリセリンと特定の脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチンを有効成分として含有する食品用離型剤であって、前記離型剤と20℃で液体である油脂を60%以上含有する食用油脂からなる食品用離型油である。
【選択図】なし

Description

本発明は、スプレー噴霧に適しており、液ダレ防止効果にも優れた食品用離型剤および食品用離型油に関するものである。
食品分野において、焼き菓子やパン等を焼成する場合、炒飯、焼そば、スパゲティを調理する場合に食材が焼き型や天板に付着しないように離型油を塗布して型離れをよくすることが行われている。離型油は固形状と流動状の2種類があり、固形状の離型油は焼き型や天板に塗布する場合、刷毛やモップ等で塗布する必要がある。一方、流動状の離型油はスプレー噴霧することが可能であり、作業性が良く、焼き型や天板に均一に塗布できることから、幅広く使用されている。しかしながら、離型油が焼き型上に均一にスプレー噴霧された場合でも、凹凸のある焼き型では付着した離型油が液ダレを起こし、底部に移動してしまう。液ダレにより離型油の付着量が少なくなった部分では離型性が低下し、離型油が溜まった底部では油で揚げたような状態となり、食材の形状、色調及び風味を損なう。これに対し、粘度付与の目的で蜜蝋、キャンデリラワックス、ライスワックス、カルナウバワックス等の食品に使用が認められている植物ワックス類が配合されている。ところが、植物ワックスにより粘性の高い離型油を得るためには多量の添加を要し、それ自体の結晶性が強いために、スプレー噴霧時に結晶がスプレーノズル内に次第に蓄積され、ノズルの目詰まりを引き起こす。そのため、スプレーノズルの目詰まりを改善する方法や離型油の粘度を保持したまま植物ワックスを低減させる方法、あるいは植物ワックスの代替品が望まれている。
このような問題点を解決する方法として、植物ワックスとレシチンを油に加熱混合し、急冷することで目詰まりを改善する方法(特許文献1)が開示されている。また、ソルビタン脂肪酸エステルやモノグリセリド、植物ワックス、食用油脂を均一に溶解した後、急冷することで、微細な結晶とし目詰まりを改善する方法(特許文献2)が開示されている。しかし、この方法では、製造直後の結晶は微細であるものの、植物ワックスの結晶は経日的に粗大化し易いため、離型油を使用するまでの保管中に粗大結晶となり、これをスプレー噴霧した場合、ノズルの目詰まりが起こり、十分な効果が得られていないのが現状である。
特公昭51−16935号公報 特開2005−46098号公報
本発明は、上記事情に鑑み、植物ワックスの代替としてポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることで、急冷工程を経ることなく簡単に製造でき、スプレー噴霧時に目詰まりすることなく、且つ、噴霧後液ダレを抑えることのできる食品用離型剤および食品用離型油であり、この食品用離型油を用いてなる外観、風味の良好な食品を提供することを目的とするものである。
本発明者が鋭意研究を重ねた結果、ポリグリセリンと特定の脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることで、上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチンを有効成分として含有する食品用離型剤であって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が(A)炭素数が16〜22の飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上と、(B)炭素数が8〜14の飽和脂肪酸および炭素数が16〜22の不飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上であることを特徴とする食品用離型剤であり、前記離型剤と20℃で液体である油脂を60%以上含有する食用油脂からなる食品用離型油である。
本発明は、前記食品用離型油を用いて製造された食品である。
本発明によれば、植物ワックスの代替として前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることで、急冷工程を経ることなく簡単に製造でき、スプレー噴霧時に目詰まりすることなく、且つ、噴霧後の液ダレが抑えられた食品用離型油および、これを用いることで外観、風味の良好な食品を提供することができる。
本発明を実施形態に基づき以下に説明する。本実施形態のポリグリセリン脂肪酸エステルは、所定の脂肪酸を構成脂肪酸としたものとなっている。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数が16〜22の飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上と、炭素数が8〜14の飽和脂肪酸および炭素数が16〜22の不飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上とを有している。
炭素数が16〜22の飽和脂肪酸、炭素数が8〜14の飽和脂肪酸、および炭素数が16〜22の不飽和脂肪酸は、この炭素数および飽和または不飽和の条件に当てはまるものであれば、特に限定されるものではないが、主として直鎖脂肪酸が選択される。炭素数が16〜22の飽和脂肪酸には、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が、炭素数が8〜14の飽和脂肪酸には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸が、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸には、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸が例示される。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、
(A):炭素数が16〜22の飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上、
(B):炭素数が8〜14の飽和脂肪酸および炭素数が16〜22の不飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上、
である。特に、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸(A)および(B)の総モル量において、構成脂肪酸(A)のモル比率が0.3〜0.9、構成脂肪酸(B)のモル比率が0.1〜0.7であることが好適である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、その平均重合度が限定されるものではないが、2〜20であると良い。ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)および(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版」に準じて算出される。
本実施形態のポリグリセリン脂肪酸エステルは、エステル化率が高まるほど、油脂組成物中での分散性が高まることになるので、エステル化率が40%以上であることが好適であり、70%以上であると更に好適である。ここで、エステル化率とは、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、ポリグリセリンに付加している脂肪酸のモル数(M)としたとき、(M/(n+2))×100=エステル化率(%)で算出される値である。なお、水酸基価とは、上述の水酸基価と同様に算出される値である。
本実施形態のポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、脂肪酸とポリグリセリンとの混合液に触媒として水酸化ナトリウムを加え、加熱してエステル化することにより合成することができる。また、公知の方法によりエステル合成しても得ることができる。
本実施形態における食品用離型油に用いられるレシチンは食品へ用いられるものであれば特に限定されない。一般には大豆より抽出された大豆レシチンが用いられるが、卵由来の卵黄レシチン等も使用できる。また、粗製レシチン、油脂分を除去した脱脂レシチン、ホスホリパーゼ等の酵素で処理した酵素分解レシチン、溶剤等で特定の成分割合を高めた分画レシチンも用いられる。レシチンの添加量としては0.2〜5重量%が望ましい。0.2重量%未満では十分な離型効果が得られず、5重量%を超えると風味に悪影響を及ぼす。
本実施形態における食品用離型油に用いられる食用油脂は20℃で液体である油脂を60%以上含有させることが好ましく、より好ましくは80%以上含有させると良い。食用油脂とは、限定されるものではないが、例えば大豆油、ナタネ油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、綿実油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、かぼちゃ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、オリーブ油、カラシ油、米油、米糠油、小麦麦芽油、サフラワー油、ひまわり油およびこれらの分別油脂、エステル交換油が例示される。更に、ジグリセライドおよび/またはモノグリセライドが含有または調合されているものであっても良い。また、油脂にはステロールやステロールエステル等が任意に含有されていても良い。その他油脂として、パーム油、パーム核油、カカオ脂、ヤシ油、ラード、乳脂、鶏脂、牛脂およびこれらの分別油脂、エステル交換油、硬化油を適宜使用することができる。
本実施形態における食品用離型油には必要に応じ、他の成分を含有させもよい。他の成分としては、食塩や塩化カリウムなどの塩味剤、酸味料、乳や乳製品、カゼイン等の乳蛋白、糖類やステビア、アステルパーム等の甘味料、β―カロチン等の着色料、アスコルビン酸パルミテート、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、シリコンなどの消泡剤(スプレー噴霧時の泡立ちの防止)、各種フレーバー等が挙げられ、適宜使用することができる。
本実施形態におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、その使用量の増加と共により粘度の高い離型油が得られ、噴霧後の液ダレを抑制できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量は、離型油中、0.1〜10.0重量%となる量であると良く、より好ましくは0.5〜7.0重量%である。
本実施形態のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加した食品用離型油は、スプレー噴霧時のノズルの目詰まりが生じず、また、噴霧後の液ダレが抑えられるため、焼き型全体へ均一に塗布することが可能となり、食材の外観、色調及び風味の良好な食品が得られる。
本発明の食品用離型油を利用してなる食品としては、焼き型で焼成される食品であれば、特に限定はないが、具体的には、食パン、菓子パン、カステラ、クッキー、ワッフル、シフォンケーキ、パウンドケーキ、マフィン、マドレーヌ、フィナンシェ、鯛焼き、今川焼き、大判焼き、たこ焼き等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明の範囲はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、変更等が加えられた形態も本発明に属する。
「ポリグリセリン脂肪酸エステルの合成」
実施例および比較例で使用されたポリグリセリン脂肪酸エステルは、以下に示す方法により合成された。
<実施例1>
平均重合度が10のポリグリセリン100gとカプリン酸44.0g、ステアリン酸290.7gから成る混合脂肪酸(モル比率:カプリン酸/ステアリン酸=0.2/0.8)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<実施例2>
平均重合度が10のポリグリセリン100gとオレイン酸76.7g、ベヘン酸369.8gから成る混合脂肪酸(モル比率:オレイン酸/ベヘン酸=0.2/0.8)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率85%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<実施例3>
平均重合度が4のポリグリセリン100gとミリスチン酸91.0g、ベヘン酸135.7gから成る混合脂肪酸(モル比率:ミリスチン酸/ベヘン酸=0.5/0.5)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率40%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<実施例4>
平均重合度が6のポリグリセリン100gとラウリン酸67.2g、ステアリン酸31.8g、ベヘン酸228.5gから成る混合脂肪酸(モル比率:ラウリン酸/ステアリン酸/ベヘン酸=0.3/0.1/0.6)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率70%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<実施例5>
平均重合度が10のポリグリセリン100gとステアリン酸86.3g、ベヘン酸310.0g、オレイン酸85.7gから成る混合脂肪酸(モル比率:ステアリン酸/ベヘン酸/オレイン酸=0.2/0.6/0.2)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率95%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<実施例6>
平均重合度が4のポリグリセリン100gとカプリン酸79.9g、エルカ酸209.3g、ベヘン酸157.9gから成る混合脂肪酸(モル比率:カプリン酸/エルカ酸/ベヘン酸=0.3/0.4/0.3)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<比較例1>
平均重合度が6のポリグリセリン100gとパルミチン酸163.8g、ベヘン酸217.6gから成る混合脂肪酸(モル比率:パルミチン酸/ベヘン酸=0.5/0.5)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
<比較例2>
平均重合度が10のポリグリセリン100gとミリスチン酸72.9g、オレイン酸90.9gから成る混合脂肪酸(モル比率:ミリスチン酸/ステアリン酸=0.5/0.5)を反応容器に入れ、水酸化ナトリウムによるアルカリ性および窒素気流下、250℃で反応させ、エステル化率40%のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。
以上の実施例および比較例のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて、食品用離型油を調製した。また、比較例には市販の植物ワックスを用いた離型油についても調製を行った。植物ワックスには、蜜蝋、ライスワックス、カルナウバワックスを用いた。
「食品用離型油の調製方法」
表1に示す配合Aに従い、大豆油、レシチン、実施例および比較例のポリグリセリン脂肪酸エステル又は植物ワックスを混合し、80℃で均一に溶解させた後、これを撹拌しながら室温まで冷却し、食品用離型油とした。また、参考例として植物ワックス類(ライスワックス、カルナウバワックス)を多く添加した離型油を表2に示す配合Bに従い、同様の方法で調製した。
表1
Figure 2009284868
表2
Figure 2009284868
調製した食品用離型油について、試験例1〜4に基づき評価した。
〈試験例1〉
「粘度」
調製した食品用離型油の30℃での粘度をSV型粘度計(SV−10、エー・アンド・デイ製)を用いて測定した。粘度の結果を表4に示した。
〈試験例2〉
「スプレー適性」
調製した食品用離型油を25℃で一ヶ月保存した後、市販のエアゾール缶に充填し、炭酸ガスを用いて噴霧圧を5kg・cm2になるように調整し、噴霧した際のノズルの目詰まりを以下の基準で評価した。
試験例2の評価を次の通り行った。
○:目詰まりが無く、均一に噴霧できる。
△:僅かに目詰まりを起こし、噴霧状態にムラがある。
×:目詰まりを起こし、連続的に噴霧できない。
スプレー適性の結果を表4に示した。
〈試験例3〉
「液ダレ性」
パウンド型(16.5×7×6cm)に約2gの食品用離型油を均一にスプレー噴霧し、1分経過後、側面部分の液ダレの状態について以下の基準で評価した。
試験例3の評価を次の通り行った。
○:液ダレが無い。
△:液ダレが僅かに生じる。
×:液ダレが生じ、型の底部に離型油が溜まる。
液ダレ性の結果を表4に示した。
〈試験例4〉
「離型性」
ケーキ生地の作成は表3に示す配合に従い、シュガーバッター法に準じて行った。すなわち、ショートニングを数分間攪拌後、砂糖を加えて比重が0.8になるまで攪拌した。次に、全卵を4回に分けて加え、均一に混合されるまで攪拌した。これに、薄力粉、ベーキングパウダー、水を加え均一になるまで攪拌し、ケーキ生地とした。パウンド型(16.5×7×6cm)に約2gの食品用離型油を均一にスプレー噴霧した後、型にケーキ生地を入れ、オーブンで約50分間焼成し、バターケーキを作成した。焼成後、型からケーキを抜き取り、型離れ、ケーキ型への付着状態、ケーキの状態を以下の基準で評価した。
表3 バターケーキの配合
Figure 2009284868
試験例4の評価を次の通り行った。
○:型離れが良く、型への付着が無く、ケーキの色調及び風味は良好である。
×:型離れが悪く、型の側面への付着が多く、ケーキの底部分は油であげたような状態である。
離型性の結果を表4に示した。

表4 離型油の評価
Figure 2009284868
表4に示す通り、実施例1〜6の食品用離型油の粘度は比較例1〜5に比べて2〜4倍の粘度となり、本願発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは離型油の粘度付与に優れていた。スプレー適性、液ダレ性、離型性では、比較例1、2の離型油はスプレー適性に優れているものの、噴霧後に液ダレを生じ、型離れが悪いものであった。また、植物ワックスを添加した比較例3〜5の離型油はスプレー噴霧時に目詰まりを起こし、連続作業ができなく、噴霧後液ダレを生じ、型離れが悪いものであった。一方、実施例1〜6の食品用離型油はスプレー噴霧に優れており、噴霧後液ダレしなく、型離れが良好であった。参考例1、2の離型油は噴霧後液ダレしなく、型離れが良好であるが、スプレー噴霧時に目詰まりを起こし、連続作業ができないものである。このように、本願発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは植物ワックスに比べて、少量の添加量でスプレー噴霧時に目詰まりすることなく、且つ、噴霧後の液ダレが抑えられた食品用離型油を得ることができる。

Claims (3)

  1. ポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチンを有効成分として含有する食品用離型剤であって、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が(A)炭素数が16〜22の飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上と、(B)炭素数が8〜14の飽和脂肪酸および炭素数が16〜22の不飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上であることを特徴とする食品用離型剤。
  2. 20℃で液体である油脂を60%以上含有する食用油脂と、請求項1に記載の食品用離型剤を含有する食品用離型油。
  3. 請求項2に記載の食品用離型油を用いて製造された食品。
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