JP2009283758A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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和彦 楠田
Takuya Sunada
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Abstract

【課題】横型のMISFETを形成して成る半導体装置およびその製造方法において、簡単な構成により、生産性の向上、およびオン抵抗とドレインソース間の接合静電容量の積の低減を図る。
【解決手段】半導体装置1は、SOI基板2の主表面に横型のMISFETを形成して成り、基板2の主表面には、MISFETのソース領域3とドレイン領域4間の電流経路を拡大させるための凹凸構造6が設けられており、凹凸構造6の凹部11と凸部12の境界が斜めに傾斜している面によって構成されている。凹凸構造6表面の角度変化が緩やかで膜切れが発生しにくく、ゲート絶縁膜51やゲート電極5を生産性良く容易に形成できる。凹凸構造6により、オン抵抗(Rとする)が低減され、平面状態より凹んでいる凹部11におけるドレインソース間容量(Cとする)が最適化されCR積を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、SOI基板の主表面に横型のMISFETを形成して成る半導体装置およびその製造方法に関する。
従来から、MISFETのオン抵抗を低減するために有効チャネル幅を広げる試みが提案されている。例えば、ベース領域の両側のソース領域およびドレイン領域と、これらに接しているゲート絶縁膜およびその上のゲート電極と、が形成されたMISFETにおいて、ベース領域表面であってゲート絶縁膜を介してゲート電極と接している領域に凹凸構造を形成し、これによりMISFETの形成領域を広げることなく実質的にチャネル幅を広げるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−264764号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示されるようなMISFETにおいては、オン抵抗の低減が図られているものの、歩留りよく量産を行うことや、ソースドレイン間の接合容量の低減、CR積(ドレインソース間の接合静電容量とオン抵抗との積)の低減などについては考慮されていない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、生産性を向上できると共にオン抵抗とドレインソース間の接合静電容量の積の低減を実現できる横型のMISFETを形成して成る半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、SOI基板の主表面に横型のMISFETを形成して成る半導体装置であって、前記基板の主表面には、MISFETのソース領域とドレイン領域間の電流経路を拡大させるための凹凸構造が設けられており、前記凹凸構造の凹部と凸部の境界が斜めに傾斜している面によって構成されているものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の半導体装置において、前記主表面には前記MISFETのソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を他素子に電気接続するための複数の電極パッドが設けられており、前記凹凸構造が前記電極パッドの下地部分には形成されていないものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、前記MISFETのソース領域とドレイン領域との境界領域が平面視で入り込んで配置されており、前記ソース領域とドレイン領域との境界領域にはゲート領域が形成されているものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の半導体装置において、前記凹凸構造は、前記ゲート領域が平面視で湾曲している部分には形成されていないものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置において、前記凹凸構造における凹部のSOI基板の絶縁層からの厚みが0.5μmから1.5μmの間にあるものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、少なくとも前記MISFETのゲート絶縁膜形成前に、前記基板の主表面に湿式の異方性エッチングを行うことにより、前記凹凸構造を形成するものである。
請求項1の発明によれば、凹凸構造によるオン抵抗の低減と共に、SOI基板における絶縁層の存在によって活性層の厚みが最適化されてドレインソース間の接合静電容量を減らすことができるので、オン抵抗とドレインソース間の接合静電容量の積の低減を実現したMISFETから成る半導体装置が得られる。また、凹凸構造が傾斜した境界面を有して構成されているので、垂直側壁、角凸部、隅凹部などのような成膜に不適とされるところがなく、凹凸構造の表面に信頼性の高い高品質の薄膜を形成してゲート絶縁膜やゲート電極を生産性良く容易に形成できる。
請求項2の発明によれば、電極パッドの下地部分には凹凸が形成されていないので、信頼性良くワイヤボンディングなどの電気接続を行うことができ、歩留まりや生産性を高くできる。
請求項3の発明によれば、ソース領域とドレイン領域との境界領域には、ゲート領域、従ってチャネル領域が形成され、境界領域がより入り込むことにより、チャネル領域がより拡大されるので、電流経路がより拡大され、オン抵抗をより下げることができる。
請求項4の発明によれば、耐圧低下を回避できる。すなわち、ゲート領域、従ってチャネル領域がその幅方向において平面視で湾曲している部分においては、一般に、直線部分に比べて空乏層の伸展が悪いので電界集中が発生し、耐圧低下を引き起こす可能性がある。そこで、このような場所には凹凸構造を形成しないこととして、電流経路の乱れや構造変化による電界集中の影響を回避して耐圧低下を回避する。
請求項5の発明によれば、活性層の厚みが最適化されて、オン抵抗とドレインソース間の接合静電容量の積の低減を実現したMISFETから成る半導体装置が得られる。
請求項6の発明によれば、凸部と凹部間に傾斜した境界面を有する凹凸構造を容易に形成でき、凹凸構造によるオン抵抗の低減と共に、SOI基板における絶縁層の存在によって活性層の厚みが最適化されてドレインソース間の接合静電容量を減らすことができるので、オン抵抗とドレインソース間の接合静電容量の積の低減を実現したMISFETから成る半導体装置を製造できる。また、凹凸構造が傾斜した境界面を有して構成されるので、垂直側壁、角凸部、隅凹部などのような成膜に不適とされるところがなく、凹凸構造の表面に信頼性の高い高品質の薄膜を形成してゲート絶縁膜やゲート電極を生産性良く容易に形成できる。
以下、本発明の実施形態に係るSOI基板の主表面に横型のMISFETを形成して成る半導体装置およびその製造方法について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1、図2、図3は第1の実施形態に係る半導体装置を示す。半導体装置1は、SOI基板2の主表面に横型のMISFETを形成して成り、基板の主表面には、MISFETのソース領域3とドレイン領域4との間の電流経路を拡大させるための凹凸構造6が設けられている。
SOI基板2は、支持基板であるシリコン基板21、その上の埋め込み酸化膜から成る絶縁層22、および、絶縁層22上に形成されたシリコン層であるSOI層23を備えている。SOI層23の表面が、SOI基板2の主表面である。
MISFETは、SOI基板2のSOI層23に、チャネル領域を形成するための第1導電型(例えばp型)の領域を挟んで、第2導電型(n型)のソース領域3およびドレイン領域4を形成し、ソース領域3とドレイン領域4との間に、例えばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜51を介してゲート電極5を形成して構成されている。
本実施形態に示す半導体装置1は、上述のように、シリコン酸化膜をゲート絶縁膜51とする横型のMOSFETをMISFETとしてSOI基板2の主表面に備えている。この半導体装置1は、単一のMOSFET素子を備えたチップ状の素子であり、SOI基板2の主表面に多数のMOSFET素子を形成した後、ダイシングすることにより個片化して得られる。
半導体装置1において、ゲート電極5が、SOI基板2の主表面に平面視で略四角形のリング状に形成され、ゲート電極5から成るリングの内部にドレイン領域4が形成され、外部にソース領域3が形成されている。SOI基板2の主表面には、ソース領域3、ドレイン領域4、およびゲート電極5を他素子に電気接続するための複数の電極パッド7が設けられている。
凹凸構造6は、MISFETのソース領域3とドレイン領域4の間の電流経路を拡大させるための構造であり、その凹部11と凸部12の境界が斜めに傾斜している面13によって構成されている。すなわち、凹凸構造6の凹部11は、平面視で四角形の開口を有し、その開口の中に四角形の底面があり、開口周縁と底面は4つの傾斜した面13によって接続されている。このように、凹凸構造6が傾斜した境界面13を有して構成されているので、その構造には垂直側壁、角凸部、隅凹部などのような成膜に不適とされるところがなく、凹凸構造表面の角度変化が緩やかであるので膜切れが発生しにくく、凹凸構造6の表面に信頼性の高い高品質の薄膜を形成してゲート絶縁膜51やゲート電極5を生産性良く容易に形成できる。
ソース領域3とドレイン領域4の間の電流は、矢印xで示す方向にSOI基板2の主表面に沿って流れるので、この電流経路に直交する方向の沿面距離が長い程、電流経路の断面積が大きくなる。従って、ゲート電極5の成すリングに沿って凹凸を繰り返す凹凸構造6によって、リングに沿う沿面距離が拡大され、電流経路が拡大され、ここを流れる電流に対する抵抗、すなわちオン抵抗が低減される。
さらに述べると、素子表面に凹凸をつけて、従来のフラットな場合と比べてチップの表面積を拡大することにより、チップサイズ当たりの電流容量を増加でき、低オン抵抗を実現することが可能となる。この点、半導体装置1は、横型のMISFET素子を備えて成り、主表面近傍のみで電流を通電できるので、表面積が広くなったことを最大限に生かすことができる。
また、半導体装置1は、SOI基板2を用いて形成した横型のMISFETであり、凹凸構造6が形成されることにより、平面状態より凹んでいる凹部11におけるドレインソース間容量(Cとする)が低減される。従って、本発明の半導体装置1によれば、凹凸構造6によるオン抵抗(Rとする)とドレインソース間の接合静電容量Cの積であるCR積(低いのが望ましいとされる)を低減することができる。なお、CR積について、さらに後述する(図4参照)。
また、上述の凹凸構造6は、電極パッド7を形成する部分には形成されていない。例えば、ワイヤーボンディングを行う領域にまで凹凸をつけておくと、ボンディング部における密着性が悪く、ボンディングワイヤが外れてしまう虞がある。そのため、ワイヤーボンディングを行う部分は凹凸構造6形成を行わないようにして、密着性を従来品と同じ程度に保つことが可能になる。すなわち、本構成によると、電極パッド7の下地部分には凹凸が形成されておらず、平坦となるので、ワイヤボンディングなどの電気接続を信頼性良く行うことができ、歩留まりや生産性を高くすることができる。
また、凹凸構造6は、MISFETのゲート領域(ゲート電極5)が平面視で湾曲している部分などには形成されていない。このような構成によれば、耐圧低下を回避できる。すなわち、ゲート領域、従ってチャネル領域がその幅方向において湾曲している部分においては、一般に、直線部分に比べて空乏層の伸展が悪いので電界集中が発生し、耐圧低下を引き起こす可能性がある。このような湾曲部分に、凹凸構造6があると、シリコン表面の凹凸により、さらに空乏層の伸びが不均一となり、さらに耐圧を引き下げることになる。そこで、このような場所には凹凸構造6を形成しないことにより、電流経路の乱れや構造変化による電界集中の影響を回避して耐圧低下を回避することができる。
上述のCR積について、図4を参照して、さらに説明する。半導体装置1において、凹凸構造6における凹部11のSOI基板2の絶縁層22からの厚み(活性層厚d、図2参照)は、0.5μmから1.5μmの間に設定されている。活性層厚dは、0.5μm以下となった場合、縦方向(厚み方向)の電流経路が制限され、オン抵抗Rが上がることがシミュレーションより予測されている。そのため、凹部11における活性層厚dを、d=0.5μm以上として形成することによって、オン抵抗Rの上昇を防止する。また、活性層厚dが、d=1.5μm以上となった場合は、CR積が大きくなることがシミュレーションより予測されるので、凹部11における活性層厚dは、d=0.5〜1.5μm程度が望ましい。
本発明によれば、凹凸構造6によるオン抵抗Rの低減と共に、SOI基板2における絶縁層22の存在によって活性層厚dが最適化されてドレインソース間の接合静電容量を減らすことができるので、オン抵抗Rとドレインソース間の接合静電容量Cの積の低減を実現したMISFETから成る半導体装置1が実現される。
(第2の実施形態)
図5、図6、図7は第2の実施形態に係る半導体装置を示す。これらの図に示した半導体装置1は、上述の第1の実施形態における半導体装置1において、MISFETのソース領域3とドレイン領域4との境界領域、すなわちゲート領域が、平面視で入り込んで配置されているものであり、他の点は第1の実施形態と同様である。従って、凹凸構造6は、第1の実施形態と同様に、ゲート領域が平面視で湾曲している部分には形成されていない。
図5の半導体装置1は、図1に示した略四角のリング状のゲート電極5について、四角形の対向する2辺におけるゲート電極5がつづら折れの構成とされたものである。また、図6のものは、同じく前記四角形の4辺におけるゲート電極5がそれぞれつづら折れの構成とされたものである。また、図7のものは、ゲート電極5が中央のドレイン領域4を囲むリングを放射状につづら折れの構成とされたものである。
このような構成によれば、ソース領域3とドレイン領域4との境界領域には、ゲート領域、従ってチャネル領域が形成され、境界領域が互いに深く入り込むことにより、チャネル領域がより拡大されるので、電流経路がより拡大され、オン抵抗Rをより下げることができる。また、ゲート領域(チャネル領域、ゲート電極5)が湾曲している部分においては凹凸構造6を形成しないので、耐圧低下は発生しない。
(製造方法)
図8は、上述の第1、第2の実施形態における半導体装置1を製造する方法を示すフローチャートである。上記図1、図2に加え、図8を参照して半導体装置1の製造方法を説明する。半導体装置1の製造にあたり、SOI基板2の主表面に、ドーピング、成膜、パターニングなどの公知の方法を用いて、ソース領域3、ドレイン領域4などを形成し(S1)、その後、湿式異方性エッチングにより、凹凸構造6を形成する(S2)。この湿式異方性エッチングにより凹凸構造6を形成する工程は、一番最初に、すなわち、ステップS1より前に行ってもよい。
凹凸構造6を形成した後は、ゲート絶縁膜51の形成(S3)、ゲート電極5、各電極パッド7などの形成を行い、ダイシングによりチップ化処理を行って(S4)、個片化した半導体装置1が得られる。
上述のステップS2における凹凸構造の形成は、KOHなどのエッチング溶液を用いる湿式の異方性エッチングにより容易に行える。この異方性エッチングの特徴として、常に一定の傾きをもって、単結晶シリコンをエッチングできるので、凹部11の開口に合わせた開口を有するマスクを用いて、凹凸構造6を容易に、歩留り良く形成できる。この凹凸構造6の形成は、少なくともゲート絶縁膜51の形成前に行えばよい。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。半導体装置1として、1個のMOSFETを備えた素子の例を示したが、半導体装置1は、複数の素子を備えたものとすることもできる。また、凹凸構造6は、横型のMISFETに限らず、他の横型のトランジスタ、サイリスタ、トライアック、ダイオード、IGBTなどのパワー系半導体素子を形成する際にも適用でき、効果的に特性を向上できる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の平面図。 図1におけるA部を切り出した拡大斜視図。 同上半導体装置における凹凸構造の部分拡大断面斜視図。 同上半導体装置における凹部の絶縁層からの厚みの変化に対するオン抵抗およびCR積の変化を示すグラフ。 第2の実施形態に係る半導体装置の平面図。 同上半導体装置の変形例を示す平面図。 同上半導体装置の変形例を示す平面図。 上記第1、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法のフローチャート。
符号の説明
1 半導体装置
2 SOI基板
3 ソース領域
4 ドレイン領域
5 ゲート電極
6 凹凸構造
7 電極パッド
11 凹部
12 凸部
13 面(傾斜面)
22 絶縁層
51 ゲート絶縁膜
d 活性層厚

Claims (6)

  1. SOI基板の主表面に横型のMISFETを形成して成る半導体装置であって、
    前記基板の主表面には、MISFETのソース領域とドレイン領域間の電流経路を拡大させるための凹凸構造が設けられており、前記凹凸構造の凹部と凸部の境界が斜めに傾斜している面によって構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記主表面には前記MISFETのソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を他素子に電気接続するための複数の電極パッドが設けられており、
    前記凹凸構造が前記電極パッドの下地部分には形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記MISFETのソース領域とドレイン領域との境界領域が平面視で入り込んで配置されており、前記ソース領域とドレイン領域との境界領域にはゲート領域が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記凹凸構造は、前記ゲート領域が平面視で湾曲している部分には形成されていないことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記凹凸構造における凹部のSOI基板の絶縁層からの厚みが0.5μmから1.5μmの間にあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    少なくとも前記MISFETのゲート絶縁膜形成前に、前記基板の主表面に湿式の異方性エッチングを行うことにより、前記凹凸構造を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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