JP2009280970A - 鉄筋切断装置および鉄筋切断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄筋切断装置Aを煙突1の頂部から挿入して吊持機構11により吊り支持して煙突内に配置し、該吊持機構により煙突内を降下させていきつつ煙突内に横断状態で配筋されている鉄筋3を切断する。鉄筋切断装置は煙突の横断面内において回転するフライホイールプレート13を有し、該フライホイールプレートの下面側に煙突内周面に沿って周回することにより切断対象の鉄筋の根本部を切断する切断ビット18を装着する。切断ビットよりも上方位置には煙突内面に取り付けられているライニング材を除去するための除去ビット16,17を装着する。
【選択図】図1
Description
近年、石綿の有害性が明らかになったことに伴い、安全なライニング材に貼り替えるために、あるいは既存の煙突を解体するに際して、煙突内面から石綿を除去する必要が生じ、そのような作業を安全かつ効率的に行うための装置として、たとえば特許文献1や特許文献2に示されるようなライニング材除去装置が提案されている。
そのため、特許文献1や特許文献2に示されるようなライニング除去装置は、鉄筋がない煙突か、もしくは予め鉄筋を切断可能な大規模な煙突以外には適用できず、この種の装置を小径の煙突も含めて広く一般に適用することを可能とするためには煙突内の鉄筋を安全かつ効率的に切断し得る有効適切な手段の開発が不可欠である。
また、切断ビットに加えて、煙突内面に取り付けられているライニング材を除去可能な除去ビットも同様に高速で周回させることにより、ライニング材の除去作業を鉄筋切断作業との並行作業により効率的に実施することが可能である。
本第1実施形態は、図1および図4(a)に示すように、内面に石綿等のライニング材2が内貼りされかつ所定間隔おきに鉄筋3が縦横に横断状態で配筋されている既存の煙突1を対象として、その煙突1内のライニング材2を除去することを最終的な目的とするものであるが、そのためにまず図4(b)に示すように鉄筋3を根本から切断するとともに、切断されずに残された残存部3aを殴打して打ち曲げてしまうものである。
換言すると、本第1実施形態の鉄筋切断装置Aは、特許文献1に示されている従来のライニング材除去装置を基本として、その装置自体により鉄筋3を切断して打ち曲げることができるように改良を加えたものであるといえる。
この鉄筋切断装置Aには、最下部に煙突1の横断面(通常は水平面)内において回転する円盤状のフライホイールプレート13を備えており、そのフライホイールプレート13は回転伝達機構14を介して駆動モーター15により回転せしめられるようになっている。
この切断ビット18は長穴18aにシャフト19が挿通されることでフライホイールプレート13の下面側に装着されることにより、フライホイールプレート13の回転による遠心力によって長穴18aの範囲内で自ずと径方向外方に変位した状態で煙突1内周面に沿って高速で周回するものである。そして、その状態で吊持機構11により鉄筋切断装置Aの全体を徐々に降下させていくことにより、切断刃18bが鉄筋3に接触してそれを根本から切断してしまい、かつ切断されずに残された残存部3aを切断ビット18が殴打して打ち曲げることができるものである。
これら除去ビット16,17は実質的に特許文献1に示されている従来のライニング材除去装置において使用されているものと同様のものであって、フライホイールプレート13の回転による遠心力によって自ずと径方向外側に変位した状態で煙突1内周面に沿って高速で周回してライニング材2を除去するようになっている。
そして、本第1実施形態の鉄筋切断装置Aは、実質的に特許文献1に示されている従来のライニング材除去装置におけるビットの一部を切断ビット18に交換したものであるので、従来の装置を有効に活用して本装置に安価に転用することが可能である。
また、切断ビット18や除去ビット16,17はそれらの長穴18aや取付穴16a,17aの寸法の範囲内で径方向に変位可能であるので、内径寸法が多少は異なるような煙突に対してもそのまま共通して使用することが可能であるし、それらのビットを煙突の内径寸法に対応する大きさのものに交換すればさらに様々な寸法の煙突に対して幅広く適用することができる。
なお、鉄筋3の切断を上記のような切断ビット18によることなく、たとえばガストーチや電動ディスクサンダー、あるいはウォータージェット切断機等の他の切断手段によることも考えられなくはないが、それらによることでは必ずしも効率的な切断作業を行い得ないし、装置全体が徒に複雑化してしまうことが不可避であり、したがって上記のように切断ビット18を煙突内周面に沿って高速で周回させることで鉄筋3を切断する構成とすることが現実的であり最も有効である。
上記の第1実施形態では上記の鉄筋切断装置Aによって鉄筋3の切断のみならずその残存部3aの打ち曲げとライニング材2の除去をも行うこととし、したがって上記の鉄筋切断装置Aには鉄筋3に対する切断機能のみならず残存部3aの打ち曲げ機能と、ライニング材2の除去機能をも併せ持たせたのであるが、以下で説明する第2実施形態では鉄筋の残存部3aの打ち曲げとライニング材2の除去は別途行うことを前提として、鉄筋3の切断のみを行うようにしたものである。
具体的には、図6に示すように略三角形状のベースプレート22の下面側の各頂点の位置に切断ビット21をそれぞれ溶接しておき、そのベースプレート22をフライホイールプレート13の下面側に着脱自在にボルト締結したものとされている。
本第2実施形態における切断ビット21は、第1実施形態における切断ビット18におけるものと同様の超硬合金をベースチップ21aに硬化肉盛溶接して切断刃21bを形成したもので、その上面をベースプレート22の下面に溶接して固着されているものである。
なお、ベースプレート22の大きさやそれに対する切断ビット21の固着位置は、作業対象の煙突1の内径寸法に適合するように設定しておく必要がある。
そして、そのようにして鉄筋3を切断した後に、あらためて従来のライニング材除去装置を煙突1内に挿入して降下させていくことによって、従来と同様に鉄筋残存部3aの打ち曲げとライニング材2の除去作業を効率的に実施することができる。
換言すれば、本第2実施形態の鉄筋切断装置Bからベースプレート22を取り外して、それに代えて上述の切断ビット18と除去ビット16,17をフライホイールプレート13に対して装着すれば、それを第1実施形態の鉄筋切断装置Aとして使用できることになり、さらにそれから切断ビット18を省略すればそれを実質的に特許文献1に示される従来のライニング材除去装置として使用できることになる。
2 ライニング材
3 鉄筋
3a 残存部
A 鉄筋切断装置
11 吊持機構
12 ガイドローラ
13 フライホイールプレート
14 回転伝達機構
15 駆動モーター
16、17 除去ビット
16a、17a 取付穴
18 切断ビット
18a 長穴
18b 切断刃
19 シャフト
B 鉄筋切断装置
21 切断ビット
21a ベースチップ
21b 切断刃
22 ベースプレート
Claims (4)
- 煙突の頂部からその内部に挿入されて吊持機構により吊り支持されて煙突内に配置され、該吊持機構により煙突内を降下していきつつ煙突内に横断状態で配筋されている鉄筋を切断するための鉄筋切断装置であって、
当該鉄筋切断装置はその下部に煙突の横断面内において回転するフライホイールプレートを有し、該フライホイールプレートの下面側には該フライホイールプレートの回転により煙突内周面に沿って周回することにより切断対象の鉄筋の根本部を切断する切断ビットが装着されてなることを特徴とする鉄筋切断装置。 - 請求項1記載の鉄筋切断装置であって、
前記フライホイールプレートの前記切断ビットよりも上方位置には、該フライホイールプレートの回転により煙突内周面に沿って周回することにより煙突内面に取り付けられているライニング材を除去する除去ビットが装着されてなることを特徴とする鉄筋切断装置。 - 煙突内に横断状態で配筋されている鉄筋を切断するための鉄筋切断方法であって、
前記鉄筋を切断可能な切断ビットを備えた鉄筋切断装置を煙突の頂部からその内部に挿入し、該鉄筋切断装置を降下させていきつつ前記切断ビットを煙突内周面に沿って周回させることにより該切断ビットにより切断対象の鉄筋の根本部を切断することを特徴とする鉄筋切断方法。 - 請求項3記載の鉄筋切断方法であって、
前記鉄筋切断装置に煙突内面に取り付けられているライニング材を除去可能な除去ビットを備えておき、前記切断ビットにより鉄筋を切断するとともに、前記除去ビットを煙突内周面に沿って周回させることにより該除去ビットにより前記ライニング材を除去することを特徴とする鉄筋切断方法。
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