JP2009280524A - 神経突起伸長促進剤 - Google Patents

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麻美子 橋本
Naoki Takaishi
直樹 高石
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可菜子 菊池
Kenji Matsumura
賢次 松村
Hiromasa Shirai
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Abstract

【課題】神経突起の伸長を促すことにより、神経系の老化予防や神経障害の進行防止、あるいは中枢神経障害や末梢神経障害などの改善等に有効な安全性の高い神経突起伸長促進剤を提供する。
【解決手段】構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が、リノール酸乃至オレイン酸などの不飽和脂肪酸であるホスファチジン酸(1,2-ジリノレイルホスファチジン酸、1-パルミトイル-2-リノレオイルホスファチジン酸、1,2-ジオレオイルホスファチジン酸など)を含有することを特徴とする神経突起伸長促進剤及びそれを含有する脳機能改善作用を有する飲食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、神経細胞における神経突起の伸長を促進する活性を有する神経突起伸長促進剤に関するものであり、さらに詳しくは、神経突起の伸長を促すことにより、神経系の老化予防や神経障害の進行防止、あるいは中枢神経障害や末梢神経障害などの改善等に有効な安全性の高い神経突起伸長促進剤に関するものである。
高齢化社会への移行に伴って老年型認知症が増加する傾向にあり、社会的な問題となっている。老年型認知症の原因となる疾患は数多く知られ、脳器質性障害によるもの、脳以外の臓器疾患に付随するもの、およびストレスによる身体疾患に起因するものに分類される。また、このうち脳器質性障害によるものは、原因の違いにより脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症とに分類される。
現在、脳血管性認知症に対しては脳血管拡張薬などがある程度の効果を示すことが知られているが、アルツハイマー型認知症に対しては、その発症原因が今なお不明であり、アセチルコリン分解酵素阻害薬も上市されているものの効果の持続性の点で充分なものとはいえない。そのため、脳器質性障害によるもの、特にアルツハイマー型認知症に対して有用な医薬や食品の開発が所望されている。
近年、神経細胞から分泌される神経成長因子(以下、ベータNGF)などの神経栄養因子が神経変性疾患に対して優れた効果を示すことが見出され、注目を集めている。ベータNGFは、脳損傷時の神経細胞の変性を防ぐという作用を示し、さらにパーキンソン病やハンチントン病などの神経変性疾患に対しても有効であることが示唆されている。これより、生体内においてベータNGFレベルを上昇させることは、アルツハイマー型認知症及び脳血管性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病のような中枢機能障害、脊髄障害、末梢神経損傷、糖尿病性神経障害、並びに筋萎縮変性側索硬化症のような末梢機能障害の治療に有用であると考えられる。
しかし、ベータNGFはモノマーで13000、ダイマーでは26000もの分子量を有するタンパク質であり、血液脳関門を通過することができない。そのため、例えば中枢機能障害の治療を目的とした場合には、脳室内投与が必要となる。さらに、ベータNGFの大量調製も困難である。このようにベータNGF自体の使用には多くの問題があり、ベータNGF自体を臨床で用いることは非常に困難である。
一方、上記のような神経障害を伴う疾患の治療剤の開発において、神経細胞の伸長に着目したものがある。例えば、特許文献1には、神経細胞膜表面に存在するgp130を刺激することによって神経細胞の伸長を行う方法が開示されており、このような作用を有するものとして、インターロイキン6などのサイトカインのレセプターを主成分とする神経伸長剤が開示されている。しかし、インターロイキン等のサイトカインは生体内のシグナル伝達系において様々な役割を担っており、そのレセプターの投与によって、生体調節機構のバランスを損なう恐れがある。
さらに神経細胞を伸長させる作用を有する特定構造の化合物についても報告されており、所定のポリアルコキシフラボノイド(特許文献2)を含む薬剤も提案されている。上記ポリアルコキシフラボノイドは、ミカン科植物由来の成分であり、生体に対する安全性を高める観点からは注目される一方で、天然物であることから、一年を通じて原料となる植物の生産量や品質の確保等が必ずしも安定しない。そこで、このような生産及び品質の安定性を高める点から、同等またはそれ以上の神経突起伸長作用を有する他の神経突起伸長剤のバリエーションの拡大が所望されている。
ところで、ホスファチジン酸は、生体膜構成要素の基本物質であるリン脂質の一種であり、細胞組織の保護、情報伝達、物質移動の制御等、生命活動の基本を司る機能を有すると考えられているが、その機能については未だ未解明の部分が多い。ホスファチジン酸の産業分野での利用としては、たとえば製パン工程での生地改良(特許文献3)、ホスファチジン酸とツエイン複合体よりなる乳化剤の製造(特許文献4)等食品工業への利用、医薬品への利用(特許文献5、6、7、8)、化粧品への利用(特許文献9)、化成品への応用(特許文献10、11)等が挙げられ、各種産業分野での利用が検討されている。また近年は、二分子膜形成能を有するリン脂質が形成するベシクル(又はリポソーム)が各種機能物質を包接する機能を有するという現象が学問的並びに工業的に注目され始め、例えば医薬・医療分野においてDDS(ドラッグデリバリーシステム)としてその応用が期待されている。さらにホスファチジン酸にはプロテインキナーゼC(PKC)を活性化して毛髪再生を促進する作用(特許文献12)、腫瘍細胞の膜流動性を向上させ多剤耐性を一変させる作用(特許文献13)等が報告されている。
一方、ホスファチジン酸の神経突起伸長促進作用については、特許文献14の実施例中に弱いながら当該活性があるとの記載があるが、その脂肪酸組成による活性の強弱等については全く言及されていない。
特開平9−87198号公報 特開2002−60340号公報 特開昭58−58153号公報 特開昭62−20438号公報 特開昭54−105222号公報 特開昭55−11582号公報 特開昭55−127308号公報 特開昭60−255728号公報 特開昭59−27809号公報 特開昭53−10853号公報 特開昭60−243171号公報 特開2006−76967号公報 特開2006−143744号公報 特開平1−135720号公報
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、神経突起の伸長を促すことにより、神経系の老化予防や神経障害の進行防止、あるいは中枢神経障害や末梢神経障害などの改善等に有効な安全性の高い神経突起伸長促進剤を提供することにある。
本発明者らは、神経突起の伸長を促進する物質の検討を鋭意行った結果、構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が不飽和脂肪酸であるホスファチジン酸に高い神経突起伸長促進作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が不飽和脂肪酸であるホスファチジン酸を有効成分とすることを特徴とする神経突起伸長促進剤を要旨とするものであり、好ましくは、不飽和脂肪酸が、リノール酸又はオレイン酸であるものである。
また、別の本発明は、前記した神経突起伸長促進剤を含有することを特徴とする脳機能改善作用を有する薬学的組成物を要旨とするものである。
さらに、別の本発明は、前記した神経突起伸長促進剤を含有することを特徴とする脳機能改善作用を有する飲食品を要旨とするものである。
本発明によれば、構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が不飽和脂肪酸であるホスファチジン酸を含有する神経突起伸長促進剤を薬学的組成物や飲食品として利用することにより、神経系の老化予防や神経障害の進行防止、改善が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の神経突起伸長促進剤における有効成分であるホスファチジン酸は、構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が不飽和脂肪酸である必要がある。ここで不飽和脂肪酸の具体例としては、ブテン酸(C4:1、例えばクロトン酸、イソクロトン酸など)、ペンテン酸(C5:1)、ヘキセン酸(C6:1)、ヘプテン酸(C7:1)、オクテン酸(C8:1)、ノネン酸(C9:1)、デセン酸(C10:1)、ウンデセン酸(C11:1)、ドデセン酸(C12:1、例えばラウロレイン酸など)、トリデセン酸(C13:1)、テトラデセン酸(C14:1、例えばミリストレイン酸、ミリステライジン酸など)、ペンタデセン酸(C15:1)、ヘキサデセン酸(C16:1、例えばパルミトレイン酸、パルミテライジン酸など)、ヘプタデセン酸(C17:1)、オクタデセン酸(C18:1、例えばペトロセリン酸、ペトロセライジン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸など)、ノナデセン酸(C19:1)、エイコセン酸(C20:1、例えばガドレイン酸、ゴンドレン酸など)、ドコセン酸(C22:1、例えばエルカ酸、ブラッシジン酸、セトレイン酸など)、テトラコセン酸(C24:1、例えばネルボン酸など)、ヘキサコセン酸(C26:1)、オクタコセン酸(C28:1)、トリアコンテン酸(C30:1)、ペンタジエン酸(C5:2)、ヘキサジエン酸(C6:2、例えばソルビン酸など)、ペプタジエン酸(C7:2)、オクタジエン酸(C8:2)、ノナジエン酸(C9:2)、デカジエン酸(C10:2)、ウンデカジエン酸(C11:2)、ドデカジエン酸(C12:2)、トリデカジエン酸(C13:2)、テトラデカジエン酸(C14:2)、ペンタデカジエン酸(C15:2)、ヘキサデカジエン酸(C16:2)、ヘプタデカジエン酸(C17:2)、オクタデカジエン酸(C18:2、例えばリノール酸、リノエライジン酸など)、エイコサジエン酸(C20:2)、ドコサジエン酸(C22:2)、テトラコサジエン酸(C24:2)、ヘキサコサジエン酸(C26:2)、オクタコサジエン酸(C28:2)、トリアコンタジエン酸(C30:2)、ヘキサデカトリエン酸(C16:3)、オクタデカトリエン酸(C18:3、例えばα−リノレン酸、γ−リノレン酸、など)、エイコサトリエン酸(C20:3、例えばジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸など)、ドコサトリエン酸(C22:3)、テトラコサトリエン酸(C24:3)、ヘキサコサトリエン酸(C26:3)、オクタコサトリエン酸(C28:3)、トリアコンタトリエン酸(C30:3)、オクタデカテトラエン酸(C18:4、例えばステアリドン酸など)、エイコサテトラエン酸(C20:4、例えばアラキドン酸など)、ドコサテトラエン酸(C22:4、例えばアドレン酸など)、テトラコサテトラエン酸(C24:4)、ヘキサコサテトラエン酸(C26:4)、オクタコサテトラエン酸(C28:4)、トリアコンタテトラエン酸(C30:4)、エイコサペンタエン酸(C20:5)、ドコサペンタエン酸(C22:5、例えばクルパドノン酸など)、テトラコサペンタエン酸(C24:5)、ドコサヘキサエン酸(C22:6)、テトラコサヘキサエン酸(C24:6、例えばニシン酸など)、などが挙げられる。
また、上記に示した直鎖不飽和脂肪酸以外にもルメン酸(C18:2)、カレンジン酸(C18:3)、ジャカリン酸(C18:3)、エレオステアリン酸(C18:3)、カタルピン酸(C18:3)、プニカ酸(C18:3)、ルメレン酸(C18:3)のような共役脂肪酸、リシノレイン酸(C18:1)やリシネライジン酸(C18:1)、ジモルフェコリン酸(C18:2)のような水酸化不飽和脂肪酸、ベモリン酸(C18:1)のようなエポキシ脂肪酸、ウロフラン酸のようなフラノイド脂肪酸、ミコリン酸のような高分子量の分岐鎖不飽和脂肪酸、その他メトキシ不飽和脂肪酸や環状不飽和脂肪酸などであってもよく、構造や種類は特に限定されない。
本発明においては、上記した不飽和脂肪酸の中でリノール酸又はオレイン酸が特に好ましいものである。
本発明で用いられるホスファチジン酸の好ましい具体例としては、1,2-Dilinoleoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt (1,2-ジリノレイルホスファチジン酸:LLPA)、1-Palmitoyl-2-linoleoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt(1-パルミトイル-2-リノレオイルホスファチジン酸:PLPA)、1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt (1,2-ジオレオイルホスファチジン酸:OOPA)などが挙げられる。
上記したようなホスファチジン酸の由来としては、本発明の効果を損なうものでない限りいかなるものを用いてもよく、例えば化学合成品でも、大豆や卵、蒟蒻芋等の天然物からの粗精製物でも構わない。また、ホスホリパーゼD等の酵素を用いてレシチン(ホスファチジルコリン)等の天然リン脂質またはその混合物から酵素処理により得られた精製物または混合物でもよい。精製、または酵素処理の出発原料は、天然植物や卵等に限らず、牛などの家畜の組織でも構わないが、医薬品組成物や飲食品としての利用を鑑みた場合、安全性の点から、食用に適したものであることが望ましい。また、同様の理由から、処理に用いる酵素も食用に適応のあるものであることが望ましい。
植物素材由来のホスファチジン酸を得るには、水や有機溶媒で抽出することが可能であり、使用する植物素材は特に限定されないが、特にリン脂質を多く含有する穀物類、種実類、果菜類、葉菜類、茎菜類、根菜類、花菜類等を使用するのが望ましい。詳しくは、例えばアーモンド、アオサ、アオノリ、アカザ、アカシア、アカネ、アカブドウ、アカマツ(松ヤニ、琥珀、コーパルを含む。以下マツ類については同じ)、アガリクス、アキノノゲシ、アケビ、アサガオ、アザレア、アジサイ、アシタバ、アズキ、アスパラガス、アセロラ、アセンヤク、アニス、アボガド、アマチャ、アマチャヅル、アマリリス、アルテア、アルニカ、アロエ、アンジェリカ、アンズ、アンソッコウ、イグサ、イザヨイバラ、イチイ、イチジク、イチョウ、イランイラン、ウイキョウ、ウーロン茶、ウコン、ウスベニアオイ、ウツボグサ、ウド、ウメ、ウラジロガシ、温州ミカン、エイジツ、エシャロット、エゾウコギ、エニシダ、エノキタケ、エルダーフラワー、エンドウ、オーキッド、オオバコ、オオヒレアザミ、オオムギ、オケラ、オスマンサス、オトギリソウ、オドリコソウ、オニドコロ、オリーブ、オレガノ、オレンジ(オレンジピールを含む)、カーネーション、カカオ、カキ、カキドオシ、カッコン、カシワ、カタクリ、カボチャ、カミツレ、カムカム、カモミール、カラスウリ、カラマツ、カリン、ガルシニア、カルダモン、キイチゴ、キウイ、キキョウ、キャベツ(ケールを含む)、キャラウェイ、キュウリ、キンカン、ギンナン、グァバ、クコ、クズ、クチナシ、クミン、クランベリー、クルミ、グレープフルーツ、クローブ、クロマツ、クロマメ、クロレラ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、コケモモ、コショウ、コスモス、ゴボウ、コムギ(小麦胚芽を含む)、ゴマ、コマツナ、コメ(米糠を含む)、コリアンダー、コンニャク芋(コンニャクトビ粉を含む)、コンブ、サーモンベリー、サイプレス、ザクロ、サツマ芋、サト芋、サトウキビ、サトウダイコン、サフラン、ザボン、サンザシ、サンショウ、シイタケ、シクラメン、シソ、シメジ、ジャガ芋、シャクヤク、ジャスミン、ジュズダマ、シュンギク、ショウガ、ショウブ、シラカシ、ジンチョウゲ、シンナモン、スイカ、スイトピー、スギナ、スターアニス、スターアップル、スダチ、ステビア、スモモ、セージ(サルビア)、ゼニアオイ、セロリ、センキュウ、センブリ、ソバ、ソラマメ、ダイコン、ダイズ(おからを含む)、ダイダイ、タイム、タケノコ、タマネギ、タラゴン、タロイモ、タンジン、タンポポ、チコリ、ツキミソウ、ツクシ、ツバキ、ツボクサ、ツメクサ、ツルクサ、ツルナ、ツワブキ、ディル、テンジクアオイ(ゼラニウム)、トウガ、トウガラシ、トウキ、トウチュウカソウ、トウモロコシ、ドクダミ、トコン、トチュウ、トネリコ、ナガイモ、ナズナ、ナツメグ、ナンテン、ニガウリ、ニガヨモギ、ニラ、ニンジン、ニンニク、ネギ、ノコギリソウ、ノコギリヤシ、ノビル、バーベナ、パーム、パイナップル、ハイビスカス、ハコベ、バジル、パセリ、ハダカムギ、ハッカ、ハトムギ、バナナ、バナバ、バニラ、パプリカ、ハマメリス、ビート、ピーマン、ヒガンバナ、ヒシ、ヒジキ、ピスタチオ、ヒソップ(ヤナギハッカ)、ヒナギク、ヒナゲシ、ヒノキ、ヒバ、ヒマシ、ヒマワリ、ビワ、ファレノプシス、フェネグリーク、フキノトウ、ブラックベリー、プラム、ブルーベリー(ビルベリーを含む)、プルーン、ヘチマ、ベニバナ、ベラドンナ、ベルガモット、ホウセンカ、ホウレンソウ、ホオズキ、ボダイジュ、ボタン、ホップ、ホホバ、マイタケ、マオウ、マカ、マカデミアンナッツ、マタタビ、マリーゴールド、マンゴー、ミツバ、ミモザ、ミョウガ、ミルラ、ムラサキ、メース、メリッサ、メリロート、メロン、メン(綿実油粕を含む)、モヤシ、ヤグルマソウ、ヤマ芋、ヤマユリ、ヤマヨモギ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユリ、ヨクイニン、ヨメナ(アスター)、ヨモギ、ライム、ライムギ、ライラック、ラズベリー、ラッカセイ、ラッキョウ、リンゴ(アップルファイバーを含む)、リンドウ、レイシ、レタス、レモン、レンゲソウ、レンコン、ローズヒップ、ローズマリー、ローリエ、ワケギ、ワサビ(セイヨウワサビを含む)などが挙げられる。
上記の植物素材由来のホスファチジン酸を得るために使用する有機溶媒として、本発明の効果を損なうものでなければ、いかなるものを用いても良い。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、ピリジン類等が挙げられる。これらのうちから一種類の溶媒を単独、もしくは複数の溶媒を用いてもよい。
なかでも、食品に対して使用する場合には、エタノール、ヘキサンが望ましく、抽出効率を上げるために水、酵素、各種界面活性剤等を本発明の効果を損なわない範囲で使用することも可能である。さらに、上記のように有機溶媒を用いる他、近年注目を浴びている超臨界抽出法を使用することも可能である。
本発明の神経突起伸長促進剤は、以上のようにして得られた抽出物をそのままで、あるいはさらに精製したものを含むものである。
本発明の脳機能改善作用を有する薬学的組成物は、上記した神経突起伸長促進剤をそのままで、あるいは他の成分を含んだものである。
この組成物に含まれ得る他の成分としては、本発明における神経突起伸長促進活性を低下させないものであれば混合することが可能であり、例えば従来から用いられている薬学的に許容された界面活性剤、溶媒、増粘剤、安定剤、保存料、酸化防止剤、香味料等のような添加剤と混合されることができる。
組成物の形態としては、錠剤、液体、カプセル、軟カプセル、ペースト若しくはトローチ、ガム又は乳濁液、ドライ経口サプリメント、ウェット経口サプリメントなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの形態のものは従来から知られている方法によって作製することができる。
本発明の脳機能改善作用を有する薬学的組成物に含まれる神経突起伸長促進剤の含有量としては、摂取する対象者の年齢、体重などによって変わり得るが、成人1日あたりホスファチジン酸として0.1〜1000mg/kg服用できるように含有するのが好ましく、さらに1〜100mg/kgが好ましく、5〜50mg/kgが最も好ましい。
本発明の脳機能改善作用を有する薬学的組成物に含まれる各種添加剤としては、界面活性剤、賦形剤、着色料、保存料、コーティング助剤ならびにこれらの組合せが挙げられる。これら添加剤は、通常の医薬品製造における添加剤であれば特に限定されず、より具体的な例としては、ラクトース、デキストリン、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ソルビトール、結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ステアリン酸及びその塩、タルクなどの添加剤であり、これらの組合せが挙げられる。さらに、香辛料、甘味料などを添加してもよい。またさらに、必要に応じて他の薬剤や食品粉砕物、食品抽出物を添加してもよい。
本発明の脳機能改善作用を有する飲食品は、上記した本発明の神経突起伸長促進剤がホスファチジン酸として0.1〜1000mg/kgになるようそれぞれの飲食品の形態に合わせて設定すればよく、さらには1〜100mg/kgが好ましく、5〜50mg/kgが最も好ましい。
本発明の脳機能改善作用を有する飲食品に混合され得る他の材料としては、一般に食品用材料として使用され得るものが挙げられる。例としては、米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、昆布などから得られる多糖類、大豆や乳製品、動物原料などから得られるタンパク質、グルコース、ラクトース、フルクトース、スクロース、マンニトール、キシリトールや各種オリゴ糖などの糖類、ならびにこれらの組合せが挙げられる。さらに、香辛料、着色料、甘味料、酸味料、食用油、ビタミンや他の食品破砕物、食品抽出物などを添加してもよい。これら適切な材料及び添加剤は単独又は組合せて使用される。またさらに、必要に応じて水を添加して所望の形状に加工してもよい。
飲食品の具体例としては、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック菓子、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、インスタント食品に本発明の神経突起伸長促進剤を添加してもよい。例えば、神経突起伸長促進剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥したものを、粉末、顆粒、打錠又は溶液にすることで容易に飲食品に含有させることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
1,2-Dilinoleoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt (1,2-ジリノレイルホスファチジン酸:LLPA、Avanti社製) 2.5mgにエタノール1mLを加え撹拌・溶解して神経突起伸長促進剤を調製した。
実施例2
1-Palmitoyl-2-linoleoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt(1-パルミトイル-2-リノレオイルホスファチジン酸:PLPA、Avanti社製)2.5mgにエタノール1mLを加え撹拌・溶解して神経突起伸長促進剤を調製した。
実施例3
1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt (1,2-ジオレオイルホスファチジン酸:OOPA、SIGMA社製)2.5mgにエタノール1mLを加え撹拌・溶解して神経突起伸長促進剤を調製した。
実施例4
コンニャクとび粉10Kgを撹拌糟に仕込み、そこにエタノール20Lを加え、常温で2時間撹拌し、ろ過により抽出物と残渣を分離した。抽出溶液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の蝋状濃縮物を約100g得た。蝋状濃縮物24gをシリカゲルカラムにアプライし、クロロホルム及びアセトンで溶出した後、メタノールで溶出してコンニャクとび粉ホスファチジン酸含有抽出物を4g得た。この抽出物のホスファチジン酸含有率は、NMR及びHPLCの分析結果から24.8%と求められた。また、このうちホスファチジン酸の脂肪酸組成は、GC分析の結果、1位はリノール酸44%、パルミチン酸42%、2位はリノール酸67%、オレイン酸13%であることが確認された。このホスファチジン酸含有抽出物100mgにエタノール10mLを加え撹拌・溶解して神経突起伸長促進剤を調製した。
比較例1
各実施例の溶媒であるエタノールを神経突起伸長促進剤無添加対照として用意した。
比較例2
比較対象として不飽和脂肪酸を含まないホスファチジン酸である1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphate sodium salt (1,2-ジパルミトイルホスファチジン酸:PPPA、SIGMA社製) 2.5mgにエタノール1mLを加え撹拌・溶解した。
試験例1〔神経突起伸長促進活性の評価〕
〔ラット副腎髄質由来褐色細胞腫PC-12細胞の培養〕
終濃度が5%のFBS(ウシ胎児血清)、同じく5%のHS(ウマ血清)を含むDMEM培地にラット副腎髄質由来褐色細胞腫PC-12細胞を懸濁し、0.5×104細胞/wellになるよう24穴マルチプレートの各穴に接種した。1日間培養後、実施例1〜3及び比較例2の神経突起伸長促進剤を25μg/mL、実施例4の神経突起伸長促進剤を100μg/mLの濃度で含有するよう添加した上記DMEM培地に交換し、さらに2日間培養し、神経突起の伸長を観察した。比較対照として、エタノールを1%添加した培地でも同様に試験した。各被検試料につき、各々3wellずつ実施した。
〔神経突起の観察・判定〕
試料暴露2日後に、各well当たり10視野を顕微鏡撮影し、10視野中の総細胞数および細胞体長径以上の長さの神経突起を有する細胞数(分化細胞数)を各々カウントし、分化細胞数の総細胞数に対する割合を算出した。結果を表1に示す。
表1から、実施例1〜4の構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が不飽和脂肪酸であるホスファチジン酸の神経突起伸長促進活性が極めて高いことが分かる。

Claims (4)

  1. 構成脂肪酸の少なくとも一つ以上が不飽和脂肪酸であるホスファチジン酸を有効成分とすることを特徴とする神経突起伸長促進剤。
  2. 不飽和脂肪酸が、リノール酸又はオレイン酸である請求項1記載の神経突起伸長促進剤。
  3. 請求項1又は2記載の神経突起伸長促進剤を含有することを特徴とする脳機能改善作用を有する薬学的組成物。
  4. 請求項1又は2記載の神経突起伸長促進剤を含有することを特徴とする脳機能改善作用を有する飲食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011207814A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Cci Corp 神経突起伸長剤
JP2011207857A (ja) * 2010-03-31 2011-10-20 Unitika Ltd 経口摂取用皮膚賦活剤及びその製造方法

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