JP2009280006A - リアエンジン車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、十分な剛性を有するリアフレームを高い寸法精度で容易に製造でき車両の軽量化を図ることができるリアエンジン車両を提供することを課題とする。
【解決手段】バスのリアフレーム20は、メインフレーム24Lの後端側部分の下方にエンジンフレーム22Lの前端側部分を重ねた部位を、外側連結プレート23Loおよび内側連結プレートで挟んで連結した構造を有する。エンジンフレーム22Lは、上側パイプ41L、下側パイプ42L、上下のパイプをつないだ複数本の連結パイプ43、およびメインフレーム24Lに重なった部位で上下のパイプを内側から支えた補強ブロック32を有する。補強ブロック32の後端は、メインフレーム24Lの後端を支える位置まで後方に延出している。
【選択図】 図4
【解決手段】バスのリアフレーム20は、メインフレーム24Lの後端側部分の下方にエンジンフレーム22Lの前端側部分を重ねた部位を、外側連結プレート23Loおよび内側連結プレートで挟んで連結した構造を有する。エンジンフレーム22Lは、上側パイプ41L、下側パイプ42L、上下のパイプをつないだ複数本の連結パイプ43、およびメインフレーム24Lに重なった部位で上下のパイプを内側から支えた補強ブロック32を有する。補強ブロック32の後端は、メインフレーム24Lの後端を支える位置まで後方に延出している。
【選択図】 図4
Description
この発明は、後輪より後方にエンジンを搭載したリアエンジン車両に関する。
従来、車両の前後方向に沿って後輪より後方にエンジンを搭載したリアエンジン車両として、特許文献1に開示された車両が知られている。特許文献1の車両のリアフレームは、後輪の懸架装置を取り付けた区間からエンジンを搭載した区間までなだらかに下方に向けて湾曲した左右一対のサイドメンバを有する。左右のサイドメンバは、車幅方向に延びた複数のクロスメンバによって連結される。
左右のサイドメンバは、それぞれ、角形鋼管によって形成された上側フレームおよび下側フレームを有する。これら2本一組のフレームは、上下に互いに離間して略平行に湾曲して車両前後方向に延びている。上下のフレーム間には、角形鋼管によって形成された複数本の補強部材が取り付けられている。
このように、リアフレームを構成する主要部材を角形鋼管によって形成することで、フレームの剛性を高めることができ、フレームの軽量化を図ることができる。
特開2007−261374
しかし、上述した特許文献1のリアエンジン車両のように、エンジンベッドを低くするようサイドメンバをなだらかに湾曲させる場合、サイドメンバをなだらかに湾曲させるための折り曲げ加工に手間がかかり、寸法精度を高めるためには高度な加工技術が要求される。
また、リアフレームを1つながりのサイドメンバで構成するため、設計の自由度がなく、車種に合わせてリアフレームを個別に設計および製造する必要があり、リアフレームの製造に手間がかかるばかりか、製造したフレームの管理が複雑になる。
この発明の目的は、十分な剛性を有するリアフレームを高い寸法精度で容易に製造でき車両の軽量化を図ることができるリアエンジン車両を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のリアエンジン車両は、車幅方向両側で車両前後方向に延設された左右一対の第1のサイドメンバを有するとともに後輪の懸架装置を取り付けたメインフレームと、上記一対の第1のサイドメンバそれぞれの後端側部分に下方から前端側部分を部分的に重ねて車両前後方向に延設された左右一対の第2のサイドメンバを有するとともにエンジンを搭載したエンジンフレームと、上記一対の第1のサイドメンバの後端側部分と上記一対の第2のサイドメンバの前端側部分が重なった部位で上記第1および第2のサイドメンバを連結した左右の連結部材と、を有し、上記一対の第2のサイドメンバは、それぞれ、上記第1のサイドメンバの後端側部分に下方から接触する細長い筒状の上側パイプ、この上側パイプの下方に離間して略平行に延びた細長い筒状の下側パイプ、上記上側パイプと下側パイプの間を連結した複数本の連結パイプ、および上記第1のサイドメンバの後端側部分に重なった上記前端側部分で上記上側パイプと下側パイプの間を埋めるように配置された中空の補強ブロックを有し、上記補強ブロックの後端は、少なくとも上記第1のサイドメンバの後端まで延びていることを特徴とする。
上記発明によると、メインフレームを構成する左右一対の第1のサイドメンバの後端側部分にエンジンフレームを構成する左右一対の第2のサイドメンバの前端側部分を下方から重ねて左右の連結部材で連結し、左右の第2のサイドメンバそれぞれが第1のサイドメンバに重なった部位で、第2のサイドメンバの上側パイプと下側パイプとの間に配置した補強ブロックの後端を少なくとも第1のサイドメンバの後端まで延出せしめた。これにより、第1のサイドメンバの後端から第2のサイドメンバの上側パイプに加えられる荷重を補強ブロックで支えることができ、第1のサイドメンバの後端に接触する位置で上側パイプに作用する応力を効果的に分散させることができ、応力の集中による変形などの不具合を防止できる。
すなわち、上記発明によると、第1のサイドメンバの構造によらず、概ねパイプの組み合わせにより形成した第2のサイドメンバを連結することができ、リアフレーム全体としての軽量化が可能となる。また、第1のサイドメンバの構造によらずパイプを組み合わせた第2のサイドメンバを連結させることができるため、リアフレームを軽量化した上で、リアフレームの設計の自由度を高めることができる。つまり、車種の異なる車両のリアフレームにも第2のサイドメンバを汎用にできる。
この発明のリアエンジン車両は、上記のような構成および作用を有しているので、十分な剛性を有するリアフレームを高い寸法精度で容易に製造でき車両の軽量化を図ることができる。
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の実施の形態に係るバス10を右斜め後方から見た斜視図を示してある。このバス10は、車両前後方向に沿った長さが約12[m]あり、左右方向の幅が約2.5[m]あり、地上高さが約3.8[m]あり、車両総重量が約20[t]ある比較的大型の観光バス等である。また、このバス10は、後輪よりさらに後方に図示しないエンジンを備えているリアエンジン車両であるため、特に車両後方における車重を支えるように後輪が2軸ある。
図1には、この発明の実施の形態に係るバス10を右斜め後方から見た斜視図を示してある。このバス10は、車両前後方向に沿った長さが約12[m]あり、左右方向の幅が約2.5[m]あり、地上高さが約3.8[m]あり、車両総重量が約20[t]ある比較的大型の観光バス等である。また、このバス10は、後輪よりさらに後方に図示しないエンジンを備えているリアエンジン車両であるため、特に車両後方における車重を支えるように後輪が2軸ある。
すなわち、このバス10の後輪は、車両の走行方向前側の駆動車軸2、および車両の走行方向後側の遊動車軸4に取り付けられている。各車軸2、4には、図示しないリムを介してタイヤ6がそれぞれ装着されている。駆動車軸2は、図示しないプロペラシャフトを介して、遊動車軸4より車両後方に配置されたエンジンに連結され、遊動車軸4は、バス10の走行によって従動回転する。
バス10が旋回する場合、駆動車軸2に取り付けられたタイヤ6の接地点を中心にして、遊動車軸4に取り付けられたタイヤ6が路面に対して車幅方向にずれる方向に僅かに揺動する。このとき、遊動車軸4を車体フレームに対して固定的に取り付けると、タイヤ6と路面との間の摩擦によってタイヤ6が摩滅する。このため、遊動車軸4は、車体フレームに対してステア可能となっている。
図2には、バス10のリアフレーム20を左斜め下方から見た斜視図を示してある。このリアフレーム20は、バス10の上述した駆動車軸2の前側から車両後方に向けて車両後端まで延びている。バス10の車体フレームは、このリアフレーム20の前方に、ここでは説明を省略する別のフレームを接合して構成されている。そして、この別のフレームにここでは説明を省略する前輪の懸架装置が取り付けられている。
図2に示すように、リアフレーム20は、車幅方向に互いに離間して車両前後方向に延設された複数のサイドメンバ22R、22L、24R、24Lと、これらサイドメンバ、すなわち左右のエンジンフレーム22R、22L(第2のサイドメンバ)前端側部分と左右のメインフレーム24R、24L(第1のサイドメンバ)の後端側部分とをそれぞれ上下に部分的に重ねた部位を連結する左右のカップリングメンバ23R、23L(連結部材)と、左右で対向するサイドメンバ同士を繋ぐように車幅方向に延設された複数のクロスメンバ26(26a)と、上述した遊動車軸4の独立懸架装置(図示せず)を取り付けるためのサブフレーム28と、を有する。
図3には、図2のリアフレーム20を上方から見た平面図を示してある。また、図4には、リアフレーム20を車両左側から見た側面図を示してあり、図5には、リアフレーム20の車幅方向右側のサイドメンバ22R、24Rを車両内側から見た側面図を示してある。なお、図5では、エンジンフレーム22R、22Lとメインフレーム24R、24Lを連結した箇所に配置されたクロスメンバ26aを断面で示してある。さらに、図6には、リアフレーム20を図3の線VI-VIで切断した断面図を示してある。
バス10の後端近くには、図示しないエンジンを搭載するためのエンジンフレーム22R、22Lが車幅方向に互いに離間して車両前後方向に延設されている。各エンジンフレーム22R、22Lの前端側部分には、上方に延びたカップリングメンバ23R、23Lの下端がそれぞれ接合されている。カップリングメンバ23R、23Lの上端には、それぞれ、エンジンフレーム22R、22Lの上に部分的に重ねられたメインフレーム24R、24Lの後端側部分が接合されている。
つまり、エンジンフレーム22R、22Lは、メインフレーム24R、24Lより一段低い地面に近い位置に取り付けられている。また、左右のメインフレーム24R、24Lは、それぞれ、下フレーム24Ra、24La(下側サイドメンバ)の上に上フレーム24Rb、24Lb(上側サイドメンバ)を重ねた構造を有する。メインフレーム24には、図示しない懸架装置を介して、上述した駆動車軸2が取り付けられる。
左右のメインフレーム24R、24Lの下方には、左右のメインフレーム24R、24Lを車幅方向に架橋するようにサブフレーム28が垂設されている。具体的には、左右のメインフレーム24R、24Lそれぞれの下フレーム24Ra、24Laの下端にサブフレーム28が吊り下げられて取り付けられている。このサブフレーム28には、上述した左右の遊動車軸4をそれぞれ取り付けるためのダブルウィッシュボーン構造の独立懸架装置(図示せず)の主な構成要素が取り付けられる。
左右の下フレーム24Ra、24Laには、遊動車軸4の独立懸架装置を取り付けるためのスペースを確保するため、車幅方向内側に凹んだ凹所29が形成されている。つまり、車両前後方向に真っ直ぐに延びた上フレーム24Rb、24Lbに対し、下フレーム24Ra、24Laは、それぞれの凹所29の箇所で車両内側に凹んでいる。そして、この凹所29にサブフレーム28が垂設されている。
以下、上述したエンジンフレーム22とメインフレーム24との間の接続構造について、図2乃至図6とともに、図6の左側のフレーム構造を部分的に拡大した図7、および図5の右側フレームの接続構造を部分的に拡大した図8を参照して、より詳細に説明する。なお、左右の接続構造は車両前後方向に沿ってバス10の中心を通った中心線に対して線対称な構造であるため、以下の説明では、片側の構造だけ代表して説明する場合もある。
エンジンフレーム22の前端側部分とメインフレーム24の後端側部分を連結する左右のカップリングメンバ23R、23Lは、それぞれ、外側連結プレート23Ro、23Lo、および内側連結プレート23Ri、23Liを有する。外側連結プレート23Ro、23Loの車両前後方向に沿った幅は、内側連結プレート23Ri、23Liの車両前後方向に沿った幅より僅かに大きくされている。これは、前後方向の位置をずらすことにより、当該部の剛性変化傾向を緩やかにして、応力集中を緩和させるためである。
車幅方向左側のエンジンフレーム22Lの前端側部分と車幅方向左側のメインフレーム24Lの後端側部分が上下に重なった部位を車幅方向外側から外側連結プレート23Loで連結し、エンジンフレーム22Lの前端側部分とメインフレーム24Lの後端側部分が重なった部位を内側から内側連結プレート23Liで連結する。また、車幅方向右側のエンジンフレーム22Rの前端側部分と車幅方向右側のメインフレーム24Rの後端側部分が上下に重なった部位を車幅方向外側から外側連結プレート23Roで連結し、エンジンフレーム22Rの前端側部分とメインフレーム24Rの後端側部分が重なった部位を内側から内側連結プレート23Riで連結する。
例えば、車幅方向左側の外側連結プレート23Loは、上フレーム24Lbの後端側部分、下フレーム24Laの後端側部分、およびエンジンフレーム22Lの前端側部分を上下方向に架橋して延び、車両前後方向両端を車幅方向外側に略直角に折り曲げた前側リブ23fLoおよび比較的幅広な後側リブ23rLoを有する。また、車幅方向左側の内側連結プレート23Liは、上フレーム24Lbの後端側部分、下フレーム24Laの後端側部分、およびエンジンフレーム22Lの前端側部分を上下方向に架橋して延び、車両前後方向両端を車幅方向内側に略直角に折り曲げた前側リブ23fLiおよび後側リブ23rLiを有する。
例えば、車幅方向左側のメインフレーム24Lは、下フレーム24Laの上に上フレーム24Lbを重ねた構造を有する。図7に拡大して示すように、下フレーム24Laおよび上フレーム24Lbは、それぞれ、車両前後方向に細長い略矩形の鋼板の長手方向に沿った両端辺を車両内側に略直角に折り曲げた断面コ字形状を有する。また、下フレーム24Laおよび上フレーム24Lbは、短手方向に沿った幅が略同じ幅に形成されている。
図8に車幅方向右側の連結構造を拡大して示すように、下フレーム24Raの後端は、上フレーム24Rbの後端より僅かに後方まで延びている。外側連結プレート23Roおよび内側連結プレート23Riは、それぞれの後端が上フレーム24Rbの後端と重なる位置に取り付けられている。つまり、下フレーム24Raの後端は、外側連結プレート23Roおよび内側連結プレート23Riの後端より後方に突出している。そして、上フレーム24Rbの後端に隣接した位置には、車幅方向に延びたクロスメンバ26aが配置されている。
クロスメンバ26aは、上フレーム24Rbと略同じ幅に形成され、断面コ字形状に両端が後方へ略直角に折り曲げられている。下フレーム24Raの上フレーム24Rb後端より後方に延出した部分は、クロスメンバ26aの下端面を支えるよう機能する。つまり、下フレーム24Raの後端は、少なくともクロスメンバ26aの車両前後方向の全幅を支える位置まで延びている。クロスメンバ26aの上面には、上フレーム24Rbの上面との間に架橋して配置された略三角板状の連結板27R、27L(図3)が取り付けられている。
図7に戻って、エンジンフレーム22Lの前端側部分の上に接触して重ねた下フレーム24Laの後端側部分の車幅方向内側には、その上端辺および下端辺を車両外側に略直角に折り曲げた断面コ字形状の補強プレート31Laが取り付けられている。補強プレート31Laの上下方向に沿った長さは、下フレーム24Laの短手方向に沿った幅より僅かに短く設計され、補強プレート31Laは、下フレーム24Laの折り曲げた両端辺の間に収容配置される。つまり、補強プレート31Laが取り付けられた部位では、下フレーム24Laは筒状になって剛性を高められている。
車幅方向右側の同じ位置に取り付けられた同じ構造の補強プレート31Raを車両内側から見ると、図8に示すように、補強プレート31Raは、内側連結プレート23Riおよび外側連結プレート23Roの前後方向の幅を超える長さを有する。つまり、補強プレート31Raの後端は、内側連結プレート23Riの後端より後方に延び、補強プレート31Raの前端は、外側連結プレート23Roの前端より前方に延びている。
下フレーム24Raの後端は、内側連結プレート23Riの後端および外側連結プレート23Roの後端を越えて車両後方に僅かに延出している。そして、補強プレート31Raの後端は、下フレーム24Raの後端より車両前方にずれた位置にある。また、補強プレート31Raの前端は、外側連結プレート23Roの前端より前方の位置にある。
同様にして、車幅方向右側の上フレーム24Rbの後端近くには、断面コ字形状の補強プレート31Rbが取り付けられている。この補強プレート31Rbを取り付けることで、上フレーム24Rbの後端も筒状にされて剛性を高められている。補強プレート31Rbの後端は、上フレーム24Rbの後端、外側連結プレート23Roの後端、および内側連結プレート23Riの後端と重なる位置に配置されている。また、補強プレート31Rbの前端は、外側連結プレート23Roの前端より僅かに前方にある。見方を変えると、補強プレート31Rbの前端は、上述した下フレーム24Raの補強プレート31Raの前端より僅かに後方に位置している。
ところで、エンジンフレーム22R、22Lは、断面四角筒状の複数本の鋼管を組み合わせて構成されている。例えば、車幅方向左側のエンジンフレーム22Lは、図4に示すように、車両前後方向に延設された上側パイプ41L、この上側パイプ41Lの下方に離間して略平行に延設された下側パイプ42L、および上側パイプ41Lと下側パイプ42Lの間を連結した複数本の連結パイプ43を有する。また、エンジンフレーム22Lは、上側パイプ41Lの車幅方向外側面と下側パイプ42Lの車幅方向外側面を途中でつないだ2枚の連結プレート44を有する。
上側パイプ41L、下側パイプ42L、および連結パイプ43の車幅方向に沿った厚さは、上述した下フレーム24Laおよび上フレーム24Lbの厚さと略同じ厚さに設計されている。そして、これら上側パイプ41Lの前端側部分と下側パイプ42Lの前端側部分が外側連結プレート23Loと内側連結プレート23Liとの間に挟まれて連結されるようになっている。
上側パイプ41Lは、その前端側部分の上面が、メインフレーム24Lの下フレーム24Laの後端側部分の下面に重ねて接触するように配置されている。上側パイプ41Lの前端は、外側連結プレート23Loの前端を越えて僅かに前方まで延びている。また、下側パイプ42Lの前端も、外側連結プレート23Loの前端を僅かに越えて前方まで延びている。見方を変えると、図8に右側の構造を示すように、下フレーム24Raの補強プレート31Raの前端は、上側パイプ41Rの前端および下側パイプ42Rの前端より僅かに前方に位置している。
また、車幅方向右側のエンジンフレーム22Rは、中空の略矩形ブロック状の補強ブロック32を有する。補強ブロック32は、下フレーム24Raの後端側部分に下方から重なる部位で、上側パイプ41Rと下側パイプ42Rの間を埋めるように配置される。つまり、補強ブロック32は、上パイプ41Rと下パイプ42Rの対向面が互いに近付くことのないように支持する。そして、これら上側パイプ41Rの先端、下側パイプ42Rの先端、および補強ブロック32が外側連結プレート23Roおよび内側連結プレート23Riの間に挟まれるように接合される。
より詳細には、補強ブロック32は、図7に車両後方から見た拡大図を示すように、断面コ字形状の外側補強プレート32a、断面コ字形状の内側補強プレート32b、および2枚の支持板32f、32rを有する。内側補強プレート32bは、外側補強プレート32aの内側に収容配置され、これら筒状体の前端近くを塞ぐように一方の支持板32fが取り付けられ、後端近くを塞ぐようにもう一方の支持板32rが取り付けられている。
図8に示すように、補強ブロック32の後端は、エンジンフレーム22Rの前端側部分の上に重ねられた下フレーム24Raの後端と略同じ位置まで後方に延出されている。補強ブロック32の後端は、下フレーム24Raの後端よりさらに後方に延出されても良い。また、補強ブロック32の前端は、外側連結プレート23Roの前端を僅かに越えた前方に位置し、上側パイプ41Rの前端および下側パイプ42Rの前端と略同じ位置に配置されている。
補強ブロック32内のフロント側に配置された一方の支持板32fは、内側連結プレート23Riの前端より前方で外側連結プレート23Roの前端より後方に取り付けられている。また、補強ブロック32内のリア側に配置されたもう一方の支持板32rは、下フレーム24Raの後端より前方で内側連結プレート23Riおよび外側連結プレート23Roの後端より後方に取り付けられている。この位置にリア側の支持板32rを配置することで、クロスメンバ26aの荷重を支えることができる。
ここで、図8を参照して、メインフレーム24Rとエンジンフレーム22Rとの間の接続構造の剛性について考察する。
左右のメインフレーム24R、24Lの下フレーム24Ra、24Laおよび上フレーム24Rb、24Lbは、それぞれ、車両前後方向に細長い鋼板を断面コ字形状に折り曲げて形成されている。これに対し、左右のエンジンフレーム22R、22Lの上側パイプ41R、41Lおよび下側パイプ42R、42Lは、それぞれ、断面矩形筒状の鋼管によって形成されている。つまり、このように基本構造の違うフレーム同士を連結する場合、両者の間の剛性変化をなだらかにして、不所望な応力が一箇所に集中することを防止する必要がある。
左右のメインフレーム24R、24Lの下フレーム24Ra、24Laおよび上フレーム24Rb、24Lbは、それぞれ、車両前後方向に細長い鋼板を断面コ字形状に折り曲げて形成されている。これに対し、左右のエンジンフレーム22R、22Lの上側パイプ41R、41Lおよび下側パイプ42R、42Lは、それぞれ、断面矩形筒状の鋼管によって形成されている。つまり、このように基本構造の違うフレーム同士を連結する場合、両者の間の剛性変化をなだらかにして、不所望な応力が一箇所に集中することを防止する必要がある。
このため、本実施の形態では、メインフレーム24の後端側部分とエンジンフレーム22の前端側部分を上下に重ねて左右のカップリングメンバ23R、23Lで連結し、且つ、この連結した部位、すなわちエンジンフレーム22R、22Lの前端側部分において、上側パイプ41R(41L)と下側パイプ42R(42L)の間を埋めるように補強ブロック32を取り付けた。これにより、エンジンフレーム22とメインフレーム24との間の連結部位の剛性を高めることができる。
また、本実施の形態では、図8を参照して説明したように、上フレーム24Rbの後端にクロスメンバ26aを取り付け、このクロスメンバ26aの下面を支えるように下フレーム24Raの後端を後方へ延出させ、補強ブロック32の後端を下フレーム24Raの後端と略同じ位置まで後方に延出させた。さらに、本実施の形態では、補強ブロック32の内部でクロスメンバ26aと上下に重なる後端近くに支持板32rを取り付けた。これにより、クロスメンバ26aを介してリアフレーム20に伝達される荷重を支えることができる。
特に、補強ブロック32内に支持板32rを取り付けたことにより、この部分で補強ブロック自体の剛性を高めることができ、下フレーム24Raの後端近くで上側パイプ41Rに作用する荷重を支えることができ、この部分に応力が集中して上側パイプ41Rに折れや凹みなどの変形を生じることを防止できる。
さらに、本実施の形態によると、局所的な応力の集中を防止するため、図8に示すように、エンジンフレーム22とメインフレーム24との間の連結部分に介在する複数の部材の車両前後方向両端の位置をそれぞれ少しずつ前後にずらして取り付けた。つまり、クロスメンバ26a、下フレーム24Raの後端、下フレーム24Raの後端近くに取り付けた補強プレート31Raの前端および後端、上フレーム24Rbの後端、上フレーム24Rbの後端近くに取り付けた補強プレート31Rbの前端および後端、上側パイプ41Rおよび下側パイプ42Rの前端、補強ブロック32の前端および後端、外側連結プレート23Roの前端および後端、および、内側連結プレート23Riの前端および後端の位置を、車両前後方向に関して少しずつずらして配置した。
特に、補強プレート31Ra及び補強ブロック32と支持板32rの前後位置をずらしたことで、サイドレール24Ra、24La下面のエンジンフレーム22R、22Lの前端部での応力集中を緩和できる。
以上のように、本実施の形態によると、局所的な応力集中の無い状態で、基本構造の異なるエンジンフレーム22とメインフレーム24を連結でき、エンジンフレーム22の軽量化によってリアフレーム20の軽量化を実現できる。また、本実施の形態によると、メインフレーム24の構造によらず、所望する構造のエンジンフレーム22を組み合わせることができ、リアフレーム20の設計の自由度を高めることができる。つまり、本実施の形態によると、車種の異なる車両のリアフレームに同じエンジンフレーム22を汎用にできる。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
10…2階建てバス、20…リアフレーム、22…エンジンフレーム、23…カップリングメンバ、24…メインフレーム、26a…クロスメンバ、30…サブフレーム、32…補強ブロック、32f、32r…支持板。
Claims (9)
- 車幅方向両側で車両前後方向に延設された左右一対の第1のサイドメンバを有するとともに後輪の懸架装置を取り付けたメインフレームと、
上記一対の第1のサイドメンバそれぞれの後端側部分に下方から前端側部分を部分的に重ねて車両前後方向に延設された左右一対の第2のサイドメンバを有するとともにエンジンを搭載したエンジンフレームと、
上記一対の第1のサイドメンバの後端側部分と上記一対の第2のサイドメンバの前端側部分が重なった部位で上記第1および第2のサイドメンバを連結した左右の連結部材と、を有し、
上記一対の第2のサイドメンバは、それぞれ、上記第1のサイドメンバの後端側部分に下方から接触する細長い筒状の上側パイプ、この上側パイプの下方に離間して略平行に延びた細長い筒状の下側パイプ、上記上側パイプと下側パイプの間を連結した複数本の連結パイプ、および上記第1のサイドメンバの後端側部分に重なった上記前端側部分で上記上側パイプと下側パイプの間を埋めるように配置された中空の補強ブロックを有し、
上記補強ブロックの後端は、少なくとも上記第1のサイドメンバの後端まで延びていることを特徴とするリアエンジン車両。 - 上記左右の連結部材は、それぞれ、上記第1のサイドメンバの後端側部分と上記第2のサイドメンバの前端側部分が重なった部位を車幅方向両側から挟むように当該第1および第2のサイドメンバを架橋して取り付けられた外側連結プレートおよび内側連結プレートを有し、
上記上側パイプおよび下側パイプの前端、および上記補強ブロックの前端は、上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの前端より前方に位置することを特徴とする請求項1に記載のリアエンジン車両。 - 上記左右の連結部材は、それぞれ、上記第1のサイドメンバの後端側部分と上記第2のサイドメンバの前端側部分が重なった部位を車幅方向両側から挟むように当該第1および第2のサイドメンバを架橋して取り付けられた外側連結プレートおよび内側連結プレートを有し、
上記第1のサイドメンバの後端は、上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの後端より後方に位置し、
上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの後端より後方で上記補強ブロック内には、当該補強ブロックを内側から上下に支える支持板が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のリアエンジン車両。 - 上記支持板は、上記第1のサイドメンバの後端より前方に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のリアエンジン車両。
- 上記一対の第1のサイドメンバは、それぞれ、上記第2のサイドメンバに接触する下側サイドメンバの上に上側サイドメンバを重ねた構造を有し、
上記左右の連結部材は、それぞれ、上記上側サイドメンバおよび下側サイドメンバの後端側部分と上記第2のサイドメンバの前端側部分が上下に重なった部位を車幅方向両側から挟むように上記上側サイドメンバ、下側サイドメンバ、および第2のサイドメンバを架橋して取り付けられた外側連結プレートおよび内側連結プレートを有し、
上記上側サイドメンバの後端が上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの後端と一致する位置にあり、
上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの後端に連続して上記上側サイドメンバの後端に取り付けられた車幅方向に延びたクロスメンバをさらに有し、
上記下側サイドメンバの後端が上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの後端より後方に上記クロスメンバの下端を支える位置まで延出していることを特徴とする請求項1に記載のリアエンジン車両。 - 上記補強ブロックの後端は、少なくとも上記下側サイドメンバの後端まで延びていることを特徴とする請求項5に記載のリアエンジン車両。
- 上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの後端より後方で上記補強ブロック内には、当該補強ブロックを内側から上下に支える支持板が取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載のリアエンジン車両。
- 上記支持板は、上記下側サイドメンバの後端より前方に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載のリアエンジン車両。
- 上記上側パイプおよび下側パイプの前端、および上記補強ブロックの前端は、上記外側連結プレートおよび内側連結プレートの前端より前方に位置することを特徴とする請求項5に記載のリアエンジン車両。
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