JP2009279077A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】確変における大当たりの上限回数は出玉の量に対して直接的に影響する要素である分、出玉予測が困難となると設計が複雑となる。
【解決手段】ぱちんこ遊技機10において、始動口62は、遊技状態に応じた開放期間にて開放され、特図抽選手段112は、始動口62への入球を契機として特図抽選を実行する。特定遊技実行手段122は、通常状態において特図抽選が当たりとなった場合に確率変動状態へ移行させ、その移行の契機となった当たりと、その移行後に生じる当たりの合計回数が所定の確率変動設定回数に至るまで確率変動状態を継続させる。通常状態にて開放が開始された始動口62への入球によって生じ得る特別図柄の最大変動回数が確率変動設定回数より多くなるように確率変動設定回数、保留上限個数、および始動口62開放期間が設計される。
【選択図】図3

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における遊技の進行を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行確率を変動させる確率変動等の特定遊技の制御によっても遊技者の期待感を高めている。
ぱちんこ遊技機において、当否抽選で当たりが発生する確率を通常より高めた状態である確率変動状態(以下、適宜「確変」ともいう)が設けられることがある。また、そのような状態を、大当たりの発生回数が所定の上限回数に達するまで継続させる仕様とする場合もある。
特開2003−230714号公報
しかし、確変における大当たりの上限回数は出玉の量に対して直接的に影響する要素である分、実際に確変の時間的長さが確変中に動的に変化してしまうと、遊技機の出玉設計をする開発者側にとっては出玉予測が困難となり、設計が複雑となる。また、確変の期間は無限に継続してしまう余地があってはならず、上限回数を動的に変化させるとしても適切な変化の確保が求められることとなり、実際には確変の時間的長さを伸縮するといった遊技性の実現は設計上の制約に阻まれやすい。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、出玉設計の複雑化を回避しながら、運だけでなく遊技者の技量によっても利益が生じ得る斬新な遊技性を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技状態が所定の条件を満たしたときにその遊技状態に応じた開放期間にて開放されて入球容易性が非開放時より高まる特図始動入球口と、特図始動入球口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための特図抽選を実行する特図抽選手段と、特図抽選の結果を示すための図柄である特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、特図抽選が当たりとなり、変動表示される特別図柄が停止表示されたときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、通常状態において特図抽選が当たりとなった場合に、その当たりによる特別遊技の終了後に特図抽選で当たりとなる確率が通常状態より高まる状態である確率変動状態へ遊技状態を移行させ、その移行の契機となった特図抽選の当たりと、その移行後に生じる特図抽選の当たりの合計回数が所定の確率変動設定回数に至るまで確率変動状態を継続させる特定遊技実行手段と、特図抽選の結果をその結果を示す特別図柄の変動が開始されるまで所定の保留上限個数を上限として保持する保留制御手段と、通常状態において所定の条件が満たされた場合、特図始動入球口の開放が開始してから終了するまでの期間が所定の開放期間となるように特図始動入球口の開閉を制御する開閉制御手段と、を備える。通常状態にて開放が開始された特図始動入球口への入球によって生じ得る特別図柄の最大変動回数が確率変動設定回数より多くなるように確率変動設定回数、保留上限個数、および開放期間が設計されている。
ここで、「特図始動入球口」が開放されるための所定の条件として、例えば遊技球が特定箇所を通過または入球したことを契機として特図抽選とは別の抽選にて当たりとなることを条件としてもよい。「確率変動設定回数」は、確率変動によって実質的に何回の特別遊技が連続的に発生するかを示す回数であってもよい。特別始動入球口が開放された場合、その入球数は必ずしも1球とは限らず複数の入球数に及ぶ場合が考えられる。特に、開放時間が長いほど、あるいは開放回数が多いほど、入球数は多くなり得る。また例えば、「所定の条件」を満たしたときの特図始動入球口の開放回数が複数の場合、初回の開放時の入球で保留上限個数に達したとしても、次の開放時までに図柄変動が一つ消化されれば再び保留が可能となる。すなわち、「所定の条件」が満たされたときの特別始動入球口の開放態様によっては実質的に保留上限個数以上の保留が可能となる。この原理を利用すれば、例え保留上限個数が確率変動設定回数以下に設定されていたとしても、「所定の条件」が満たされたときに確率変動設定回数を超える特別遊技の発生を可能とする遊技の設計を実現することができる。さらに、確率変動設定回数を超えて発生した特別遊技が新たな確率変動を伴えば、確率変動の連鎖的な発生も可能となる遊技の設計も実現できる。これにより、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても利益の大きさが変化する遊技性を実現できる。
通常状態において所定の条件が満たされたときの特図始動入球口の開放期間における入球によって保持される結果の数が保留上限個数に達したとしても、その開放期間が終了するまでに保持される結果の数が保留上限個数より少ない数に減少して新たな結果を保持し得るよう、開放期間および特別図柄の変動時間が設計されてもよい。例えば、「所定の条件」が満たされたときの特別始動入球口の開放態様が、特別図柄の変動時間を包含する程度に開放時間が長いか開放回数が多ければ、特別始動入球口への入球可能な期間が終了するまでに保留数が減少して新たな結果を保持し得る。これにより、特別始動入球口への入球数が保留上限個数を上回ることが可能な遊技性を実現できる。このように、「所定の条件」が満たされたときの特別始動入球口の開放態様によっては実質的に保留上限個数以上の保留が可能となる。この原理を利用すれば、例え保留上限個数が確率変動設定回数以下に設定されていたとしても、「所定の条件」が満たされたときに確率変動設定回数を超える特別遊技の発生を可能とする遊技の設計を実現することができる。さらに、確率変動設定回数を超えて発生した特別遊技が新たな確率変動を伴えば、確率変動の連鎖的な発生も可能となる遊技の設計も実現できる。これにより、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても利益の大きさが変化する遊技性を実現できる。
通常状態において所定の条件が満たされたときの特図始動入球口の開放期間における入球によって保持される結果の数が保留上限個数に達したとしても、その開放期間が終了するまでに保持される結果の数が保留上限個数より少ない数に減少して新たな結果を保持し得るよう、開放期間、特別図柄の変動時間、および特別遊技の実行時間が設計されてもよい。例えば、「所定の条件」が満たされたときの特別始動入球口の開放態様が、特別図柄の変動時間を包含する程度に開放時間が長いか開放回数が多く、あるいは特別遊技の実行期間が十分に短くその期間を包含する程度に開放時間が長いか開放回数が多ければ、特別始動入球口への入球可能な期間が終了するまでに保留数が減少して新たな結果を保持し得る。これにより、特別始動入球口への入球数が保留上限個数を上回ることが可能な遊技性を実現できる。このように、「所定の条件」が満たされたときの特別始動入球口の開放態様によっては実質的に保留上限個数以上の保留が可能となる。この原理を利用すれば、例え保留上限個数が確率変動設定回数以下に設定されていたとしても、「所定の条件」が満たされたときに確率変動設定回数を超える特別遊技の発生を可能とする遊技の設計を実現することができる。さらに、確率変動設定回数を超えて発生した特別遊技が新たな確率変動を伴えば、確率変動の連鎖的な発生も可能となる遊技の設計も実現できる。これにより、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても利益の大きさが変化する遊技性を実現できる。
特図抽選手段は、通常状態においては当たりの可能性が外れの可能性より高い当否確率にて特図抽選を実行し、確率変動状態においては通常状態より当たりの可能性がさらに高い当否確率にて特図抽選を実行してもよい。この場合の「当否確率」は、通常状態であっても高い確率で当たりに該当するような確率であってもよく、確率変動状態ではほぼ確実に当たりに該当するような確率であってもよい。すなわち、通常状態と確率変動状態とで当たりの確率が異なるものの、いずれの場合でも高い確率で当たりに該当するような確率に設計されてもよい。この態様によれば、高い確率にて当たりが発生し得るので、「所定の条件」が満たされたときの特別始動入球口へ入球可能な期間が終了する前に新たに特別遊技が発生し得る。これにより、確率変動設定回数によって確率変動がいったん終了したとしても直ちに再び確率変動状態に移行し得る遊技性を実現できる。このように、特別始動入球口への入球状況および特図抽選の結果に応じて確率変動の連鎖的な発生も可能となり、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても利益の大きさが変化する遊技性を実現できる。
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる普図始動入球口と、普図始動入球口への入球を契機として、特図始動入球口の開放可否を判定するための普図抽選を、通常状態において外れの可能性が当たりの可能性より高い当否確率にてさらに実行する普図抽選手段と、をさらに備えてもよい。特図始動入球口は、普図抽選で当たりとなったときに所定の条件が満たされたものとして開放されるとともに、開放されたときにのみ遊技球が入球し得る構造を有してもよい。「普図抽選」の当否確率は「所定の条件」が満たされる確率を示してもよい。この「普図抽選」の当否確率においては、当たりに該当する確率が必ずしも高くないため、「所定の条件」が満たされる確率も相対的に低くする設計もでき、この確率の設定如何により当該遊技機の遊技性が設計されてもよい。これにより、特図始動入球口を開放させて入球させるまではある程度の困難性を有し、一度開放させれば、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても比較的大きな利益が生じて連鎖的な確率変動の発生も可能となるような斬新な遊技性を実現することができる。
普図抽選手段は、確率変動状態においては通常状態より当たりの可能性が高い当否確率にて普図抽選を実行してもよい。この態様によれば、確率変動状態へ移行した後は比較的容易に特別始動入球口を開放させて入球させることができる。これにより、確率変動状態において特別始動入球口が開放される時間間隔を比較的短くすることができ、確率変動における遊技者の利益を最適化することができる。
開閉制御手段は、確率変動状態において所定の条件が満たされた場合、特図始動入球口の開放が開始してから終了するまでの期間が、通常状態における開放期間よりも短い開放期間となるように特図始動入球口の開閉を制御するとともに、確率変動状態での開放期間における入球によって保持される結果の数が保留上限個数に達した場合、特別遊技が開始されるとその開放期間が終了した後でなければ保留制御手段によって新たな結果を保持できないように開放期間が設計されてもよい。また、確率変動状態において発生した特別遊技の終了とともに確率変動状態も終了するように確率変動設定回数が設定されてもよい。この態様によれば、確率変動状態において特図抽選が当たりとなったときは、特図始動入球口の開放期間と特別遊技の実行期間が終了しなければ次の特別図柄変動は開始せず、しかも特別遊技の終了とともに確率変動状態も終了すれば、次の特別図柄変動は通常状態において実行されることとなる。これにより、いったん開始された確率変動状態が永久に連続発生してしまうことを防止するとともに、確率変動状態において保留されていた抽選結果がその結果によっては確率変動状態の終了直後に新たな特別遊技の発生要因となる可能性を残して、確率変動状態が適度に連鎖し得る遊技性を実現できる。
通常状態にて特図始動入球口の開放が開始されたときの最大変動回数が確率変動設定回数より一つ多くなるように確率変動設定回数、保留上限個数、および開放期間が設計されていてもよい。例えば、確率変動設定回数が「2回」で保留上限個数が「1個」である場合や、確率変動設定回数が「3回」で保留上限個数が「2個」である場合が想定される。本来、確率変動設定回数の特別遊技が終了すれば確率変動状態も終了するが、特別図柄変動の最大変動回数が確率変動設定回より一つ多いことにより、その最後の特別図柄変動で当たりが発生すれば直ちに再び確率変動状態へ移行し得る遊技性が実現できる。以上のような条件を満たした仕様によって、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても連鎖的な確率変動の発生も可能となるような斬新な遊技性を実現することができる。
通常状態にて特図始動入球口の開放が開始されたときの最大変動回数が3回となり、確率変動設定回数が2回となり、保留上限個数が1個となるように確率変動設定回数、保留上限個数、および開放期間が設計されていてもよい。この場合、特図始動入球口の開放が開始されてその入球により特別図柄変動が開始されつつ、別の入球により特図抽選の結果が一つ保留され、特図始動入球口の開放が終了するまでに特別図柄変動が終了してさらに別の入球による特図抽選の結果が一つ保留され得る。このような例においては、特図始動入球口の開放が開始されてから終了するまでに「3回」の特別図柄変動が実行される。本来、確率変動設定回数の特別遊技が終了すれば確率変動状態も終了するが、特別図柄変動が一つ多いことにより、その最後の特別図柄変動で当たりが発生すれば直ちに再び確率変動状態へ移行し得る遊技性が実現できる。以上のような条件を満たした仕様によって、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても連鎖的な確率変動の発生も可能となるような斬新な遊技性を実現することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても利益が生じ得る斬新な遊技性を実現することができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として、従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機に類似する遊技性をもった機種を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、特許請求の範囲にいう「特図始動入球口」に相当し、遊技領域52において左方の領域に設けられる。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が非開放時より向上する。始動口62の開放時は、遊技領域52の左方の領域を通過する遊技球のほとんどが始動口62へ入球するように入球容易性が向上する。始動口62は、非開放時に入球しない構造であってもよい。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。始動口62が開放されるときの開放期間は、その時点での遊技状態によって異なる。本実施例においては、通常状態では約3秒間の開放が約9秒間のインターバルを挟んで2回実行される。また、後述する確率変動状態においては、約6秒間の開放が1回実行される。このように、開放時間と開放回数が遊技状態によって変化することによって始動口62への入球容易性が高まる期間が異なることとなる。本明細書では、始動口62への入球容易性が高まった状態が開始してから終了するまでの期間を「開放期間」と表現する。
作動口68は、特許請求の範囲にいう「普図始動入球口」に相当し、遊技盤50の中央下方の位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する普図抽選の契機となる。普図抽選が当たりになると、始動口62の拡開機構が拡開されて開放される。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
作動口68を遊技球が通過すると、普図抽選の結果を示す図柄である普通図柄が、遊技領域52の右下方に設けられた普通図柄表示装置59に変動表示される。また、遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60には、普通図柄に連動する装飾図柄190を含む演出画像が変動表示される。普通図柄や装飾図柄190の変動表示を、本明細書では単に「図柄変動」または「変動表示」ともいう。あらかじめ決定された時間の経過後に普通図柄および装飾図柄190の変動表示が停止すると、例えば1%前後の低い確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60は、普通図柄の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、普通図柄で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、普通図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の右下方の普通図柄表示装置59にて目立たない大きさで表示させる。ただし、普通図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、普通図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61は、その画面に特別図柄192の変動を表示する。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる特図抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特図保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普図保留ランプ22が設けられている。特図保留ランプ20は、1個のランプからなり、その点灯によって特図抽選の保留があることを表示する。特図抽選の保留は、特別図柄192の図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞があって新たな図柄変動の開始を待機していることを示す。普図保留ランプ22は4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中、始動口62の開放中、または特別遊技実行中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普図抽選値の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が作動口68を通過すると、普通図柄表示装置59において普通図柄が変動表示され、演出表示装置60において普通図柄と連動する装飾図柄190が変動表示される。普通図柄および装飾図柄190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の普通図柄および装飾図柄190が当たりを示す場合、始動口62が遊技状態に応じた開放態様にて開放される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
開放された始動口62に入球すると、特別図柄表示装置61において特別図柄192が変動表示される。特別図柄192の変動表示は、所定の表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。特別遊技において、大入賞口66は、数秒間開放されるか1球以上の遊技球が入球した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば2回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては、特定遊技として確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)および変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。確率変動遊技においては、通常状態の確率より当たりの確率が高い普図抽選および特図抽選が行われ、比較的早期に当たりが発生する。変動時間短縮遊技においては、普通図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に作動口68を遊技球が通過したときの普図抽選や始動口62へ入賞したときの特図抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、普図抽選手段111、特図抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
普図抽選手段111は、作動口68への遊技球の通過を契機として、始動口62の開放可否を判定するための普図抽選を実行する。普図抽選手段111は、乱数の値を普図抽選値として取得することにより普図抽選を実行する。たとえば、普図抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。
普図抽選手段111は、普図抽選で参照する普図抽選テーブルを複数保持する。複数の普図抽選テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じてそれぞれの普図抽選の当否確率が定まる。普図抽選手段111は、通常時には通常確率による普図抽選テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる普図抽選テーブルを参照する。普図抽選手段111は、複数の普図抽選テーブルのうちいずれかを参照し、普図抽選値が当たりであるか否かを判定する。本実施例では、例えば通常時は当たりとなる確率が1/200となる普図抽選テーブルを参照し、確率変動時は当たりとなる確率が99/100へと高まる普図抽選テーブルを参照する。少なくとも通常状態においては、外れの可能性が当たりの可能性より高い。その確率は、第1種ぱちんこ遊技機でいう当否抽選の当否確率と同程度であり、まずは普図抽選で当たりを出すことが特別遊技の発生へと繋がる第1関門となり、本実施例のぱちんこ遊技機10の遊技性を形成する。
普図抽選手段111による判定結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。また、普図抽選手段111による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
特図抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を特図抽選値として取得する。たとえば、特図抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。特図抽選手段112は、特図抽選で参照する特図抽選テーブルを複数保持する。複数の特図抽選テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と特図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じてそれぞれの特図抽選の当否確率が定まる。特図抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための特図抽選テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる特図抽選テーブルを参照する。特図抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、特図抽選値が当たりであるか否かを判定する。本実施例では、例えば通常時は当たりとなる確率が80/100となる特図抽選テーブルを参照し、確率変動時は当たりとなる確率が900/100へと高まる特図抽選テーブルを参照する。通常時と確率変動時のいずれの場合にも、当たりの可能性が外れの可能性より高い。これらの確率は、多くの特図抽選において当たりとなる可能性が高いことを示す。特図抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄と変動パターンを、普図抽選手段111による抽選の結果に応じて決定する。本実施例においては、二つのランプの点灯状態により普通図柄を表現するため、交互に点灯と消灯を繰り返す動作にて普通図柄の変動表示を表す。また、いずれか一方の点灯が普通図柄の当たりを示し、他方の点灯が普通図柄の外れを示す。いずれが点灯した状態で停止するかによって普通図柄の当たりと外れのいずれに該当したかが表現される。普通図柄の当たりを示すランプが点灯した状態で停止表示されたとき、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59のいずれのランプを点灯させた状態で停止するかを決定するとともに、その点灯と消灯を繰り返す時間の長さを定める変動パターンを決定する。図柄決定手段114は、普通図柄の変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、普図抽選手段111による普図抽選の結果に応じたパターン決定テーブルを参照し、変動パターンを決定するための抽選値に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、いずれのランプ点灯で変動停止させるか、および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。演出決定手段132においては、普通図柄の変動パターンと変動時間が一致する装飾図柄の変動パターンが選択されるので、装飾図柄の変動表示は普通図柄の変動表示に連動する。
図柄決定手段114は、普通図柄の変動パターンとして、長短様々な変動時間をもつ複数種の変動パターンを記憶する。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に普通図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、特図抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、特別図柄の変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。ただし、特別図柄の変動パターン、すなわち変動時間は、遊技状態を問わず固定させる仕様としてもよい。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、特図抽選手段112による特図抽選の結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、特図抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118へ送出する。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
保留制御手段116は、普図抽選手段111により普図抽選値が取得されたときに、普通図柄の変動表示中、始動口62の開放中、または特別遊技の実行中であった場合には、その普図抽選値を保留球として4個を上限に保持することができる。保留された普図抽選値は、その普図抽選値に対応する普通図柄の変動表示が開始されるまで保持され、保持の数だけ普図保留ランプ22のランプを点灯させる。
保留制御手段116は、特図抽選手段112により特図抽選値が取得されたときに、特別図柄の変動表示中または特別遊技の実行中であった場合には、その特図抽選値を保留球として一つだけ保持することができる。すなわち、特図抽選値の保留上限個数は「1個」である。保留された特図抽選値は、その特図抽選値に対応する特別図柄の変動表示が開始されるまで保持され、その間は特図保留ランプ20のランプを点灯させる。
メイン表示制御手段118は、特図抽選手段112による特図抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。また、メイン表示制御手段118は、普図抽選手段111による普図抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。
特別遊技制御手段120は、特図抽選手段112による特図抽選結果が当たりとなり、変動表示される特別図柄が停止表示されたときに、特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、2回の単位遊技で構成される。1回の単位遊技につき数秒間の開放が1回実行されるので、1回の特別遊技の間に大入賞口66が2回開放されることとなる。特別遊技制御手段120は、単位遊技において大入賞口66に1球以上の入球があると閉鎖して単位遊技を終了する。したがって、1回の特別遊技は概ね2球の入球で終了する。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、普図抽選や特図抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、普通図柄や装飾図柄の変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させ、その移行の契機となった特図抽選の当たりと、その移行後に生じる特図抽選の当たりの合計回数が所定の確率変動設定回数に至るまで確率変動状態を継続させる。本実施例における確率変動設定回数は「2回」である。すなわち、通常状態において発生した特別遊技の後は必ず確変状態へ移行させ、確変状態において発生した特別遊技の後は通常状態へ戻す。これにより、大当たりが1回発生するとさらに1回の大当たりが必ず発生し、大当たり合計2回がセットで発生する遊技性が実現される。確変状態の間は特図抽選手段112による特図抽選が当たりとなる確率が高くなる特図抽選テーブルが用いられる。また、特定遊技実行手段122は、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、次の特別遊技が発生するまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が当たりで停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。開閉制御手段124は、始動口62の開放が開始してから終了するまでの期間が所定の開放期間となるように始動口62の開閉を制御するが、その開放態様および開放期間は遊技状態によって異なる。通常状態の場合、普通図柄が1回当たると始動口62が約3秒間開放された後、約9秒のインターバルの後、再び約3秒間開放される。すなわち、通常状態では2回開放される。確変状態の場合、普通図柄が1回当たると始動口62が1回だけ約6秒間開放される。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、普通図柄の変動パターンに応じて、普通図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、普図抽選手段111による抽選の結果と普通図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば普図抽選手段111による普図抽選の結果が当たりの場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。普図抽選手段111による普図抽選の結果が外れの場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、普図抽選の結果が外れの場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、普図抽選手段111による普図抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、以下のような遊技性を実現する。すなわち、通常状態にて開放が開始された始動口62への入球によって生じ得る特別図柄192の最大変動回数が確率変動設定回数より多くなるように確率変動設定回数、特図抽選の保留上限個数、および始動口62の開放期間が設計される。具体的には、確率変動設定回数が2回で、特図抽選の保留上限個数が1個の場合に、通常状態における始動口62の開放期間を十分に長くすることによって特別図柄192の最大変動回数が確率変動設定回数より1回多い「3回」となるよう設計される。本実施例における通常状態での始動口62の開放期間は、約3秒間の開放が約9秒間のインターバルを挟んで2回実行される期間である。この場合、特図抽選が1個保留され得るので、始動口62の開放期間が開始されてから2回の特別図柄変動が表示され得るだけでなく、開放期間が長い分、その間に特別図柄変動が1回分消化されてさらにもう一つの特図抽選が保留され得る。これにより、たとえ保留上限個数が確率変動設定回数以下に設定されていたとしても、始動口62の1回の開放期間における入球によって特別図柄変動が最大で3回実行される。特図抽選で当たりになる確率が比較的高い設計であれば、3回の特図抽選がすべて当たりになる可能性もあるため、始動口62の1回の開放期間における入球によって発生する特別遊技の回数が、確率変動設定回数である「2回」を超えて「3回」となり得る。
このように3回とも大当たりとなるには運も必要であるが、あくまでも始動口62の1回の開放期間において確実に遊技球を始動口62に入球させて特図抽選を3回発生させる必要がある。したがって、単なる運だけでなく遊技者の技量によっても利益の大きさが変化する遊技性を実現できる。
また、始動口62の1回の開放期間における入球によって3回の特別図柄変動が3回実行されやすくするために、本実施例における特別図柄の変動時間を例えば3秒間程度に抑え、始動口62の開放期間より短くなるよう設計する。さらに、始動口62の1回の開放期間における入球によって大当たりが3回発生するのを実現するために、本実施例においては特別遊技の実行時間を約2〜3秒間といった短い時間とし、始動口62の開放期間より短くなるよう設計する。
確率変動設定回数より一つだけ多い3回の特別遊技が発生した場合、3回目の特別遊技は確率変動設定回数により制限された確率変動による連続的な特別遊技ではなく、新たな1回目の特別遊技となる。したがって、この3回目の特別遊技によって新たな確変状態となり、さらに1回の特別遊技が発生し得る状況となる。このように、3回目の特別遊技を発生させることに成功すると、確変状態を連続的に発生させることができる。なお、始動口62の1回の開放期間における入球によって3回の特別図柄変動を発生させることができても、3回とも大当たりを発生させられるとは限らない。例えば大当たりを1回しか発生させられなかった場合、確変状態の連続的な発生はなされないものの、確率変動設定回数を満たさない状態であるためそのまま確変状態は継続されることになる。例えば大当たりを2回しか発生させられなかった場合、確率変動設定回数を満たしたことによる確変状態の終了となり、そのまま通常状態に戻る。この場合、通常状態での当たり確率にて普図抽選の当たりを再び出さなければ、確変状態へは移行しない。また例えば、始動口62の1回の開放期間における入球によって1回も大当たりを発生させられなかった場合は、当然ながら確変状態へは移行しない。
連続的に発生した2回目の確変状態では、始動口62の新たな開放期間における入球によって2回の特別図柄変動を実行させて大当たりを2回発生させることも可能となる。ここで、確変状態における始動口62の開放期間は、通常状態における始動口62の開放期間よりも短くなるよう設計される。例えば、開閉制御手段124は、確変状態においては始動口62の開放態様として約6秒間の開放を1回だけ実行する態様とし、開放期間を相対的に短くする。この開放期間は、確変状態において特図抽選の保留がなされた場合、いったん特別遊技が開始されると新たな保留ができるようになる前にその開放期間が終了してしまう程度の短さである。これにより、確変状態における始動口62への入球による特別図柄変動の最大回数が概ね2回となるようにする。
大当たりを2回発生させることができれば、そのうち1回目の大当たりが確率変動設定回数を満たす大当たりとなり、2回目の大当たりは再び確率変動設定回数を超えた大当たりとなり、再び連続的な確変状態が発生することとなる。このように、始動口62への入球によって2回の特別図柄変動と2回の大当たりを発生させ続ける限りは確変状態を連鎖的に繰り返すことができる。したがって、遊技者の運と技量によって利益を繰り返し拡大させることができる遊技性が実現される。ただし、あくまでも連続的に大当たりが発生しなければ確変状態の連鎖的な繰り返しは続かないため、永久の連鎖とはならない。
図4は、通常状態において初回の確率変動が発生する過程を示すタイムチャートである。通常状態において遊技球が作動口68を通過すると(t1)、普通図柄の変動表示が開始され(t2)、普通図柄が当たりを示して変動表示を終了すると始動口62が開放される(t3)。始動口62の1回目の開放D1において、始動口62への入球が2回発生すると(t4,t5)、1個目の入球による特別図柄の変動表示が開始され(t6)、その変動表示の間にあった入球(t5)に対応する特図抽選値は保留制御手段116により保留され、保留状態が開始する(t7)。特別図柄の変動表示が当たりで停止されると特別遊技として大入賞口66の2回の開放が開始される(t8)。大入賞口66の2回の開放が終了して特別遊技が終了すると、確変状態D4が開始され(t9)、保留されていた特図抽選値との対応で2回目の特別図柄の変動表示が開始されると同時に保留状態が終了する(t10)。
始動口62への入球を契機として1回目の開放D1が終了すると、インターバルD2があり、保留状態が終了する頃に2回目の開放D3が開始される。その2回目の開放D3において始動口62への入球が2回発生すると(t11,t12)、1個目の入球に対応する特図抽選値が保留されるので再び保留状態が開始される(t13)。その間に生じた2個目の入球(t12)に対しては特図抽選値は保留されない。2回目の特別図柄の変動表示が当たりで停止されると2回目の特別遊技として大入賞口66の2回の開放が開始されて確変状態D4が終了する(t14)。2回目の特別遊技の間に、大入賞口66の2回目の開放D3は終了する。
1回目の開放D1、インターバルD2、2回目の開放D3の合計期間は十分に長いため、その間に特別遊技が1回実行され、その終了後に新たな特別図柄変動が開始して保留状態が終わることで再び保留が可能となるまでは少なくとも開放期間が継続されている。このように1回の開放期間において保留上限個数より一つ多い2回分の保留を可能とすることにより、特別図柄の変動表示対象となる始動口62への有効な入球を3回生じさせることができる(t4,t5,t11)。また、始動口62の開放期間中は、作動口68を遊技球が通過しても(t15)、新たな普通図柄の変動表示は開始されずに保留され、2回目の開放D3が終了してから、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される(t16)。
2回目の特別遊技が終了すると、t13において保留された特図抽選値との対応で3回目の特別図柄の変動表示が開始されると同時に保留状態が終了する(t17)。3回目の特別図柄の変動表示が当たりで停止されると3回目の特別遊技として大入賞口66の2回の開放が開始される(t18)。3回目の特別遊技が終了すると、2回目の確変状態D5が開始される(t19)。このように、始動口62の1回の開放期間において有効な入球を3回生じさせて(t4,t5,t11)、3回の大当たりを発生させることができると(t8,t14,t18)、確変状態のまま一連の特別図柄変動および特別遊技を終わらせることができる。このような状態を本明細書では「確変連鎖モード」と呼び、逆に通常状態のまま終わった後の遊技を「通常モード」と呼ぶ。
本図に示す通り、確変連鎖モードを開始させるためには、1回の普図抽選の当たりおよび始動口62の1回の開放期間に対して3回の特別遊技を発生させる必要がある。また、1回の普図抽選の当たりおよび始動口62の1回の開放期間に対して始動口62への入球数を問わず1回だけ当たりとなって特別遊技が発生した場合も、確率変動設定回数を満たしていない状態となるため、確変連鎖モードとなる。逆に、1回の普図抽選の当たりおよび始動口62の1回の開放期間に対して、以下の(1)〜(5)の場合には確変連鎖モードは開始しない。すなわち、(1)1球も始動口62へ入球しなかった場合、(2)始動口62へ1球だけ入球したが特図抽選が外れであった場合、(3)始動口62へ2球だけ入球したが2球とも特図抽選が当たりまたは2球とも特図抽選が外れであった場合、(4)始動口62の1回目の開放D1において2球以上が入球していずれの特図抽選も当たりまたはいずれの特図抽選も外れとなり、始動口62の2回目の開放D2においては1球も入球しなかった場合、(5)始動口62の1回目の開放D1において2球以上が入球し、2回目の開放D2においては1球以上が入球したが、これら3回の特図抽選が「外れ、当たり、当たり」「当たり、外れ、当たり」「当たり、当たり、外れ」「外れ、外れ、外れ」の順序のように奇数回の外れとなった場合、である。
図5は、確変状態が連鎖的に発生する過程の第1の例を示すタイムチャートである。図4における3回目の特別遊技(t18)が終了して2回目の確変状態D5が発生する(t19)。確変状態D5において普通図柄変動が開始されると(t20)、通常状態よりも短い変動時間にて普通図柄変動が終了するとともに高い確率で普図抽選が当たりとなって始動口62の開放期間D6が開始される(t21)。この場合の始動口62の開放は確変状態における開放であるため、約6秒間の開放が1回だけ実行され、本図の例では始動口62の開放中に4球が入球している(t22,t23,t24,t25)。t22の入球に対応して特別図柄変動が開始され(t26)、その特別図柄変動が当たりで停止されると新たな特別遊技が開始される(t27)。特別図柄変動中の入球(t23)に対しては、特図抽選値が保留されて保留状態が開始される(t28)。保留状態における入球(t24,t25)は何ら開始契機とならない。t27の特別遊技は確率変動設定回数でいう2回目の特別遊技であるため、その特別遊技が終了しても確変状態には移行せず通常状態となる。
特別遊技が終了し、t28で保留された特図抽選値との対応で特別図柄変動が開始されて保留状態が終了し(t29)、その特別図柄変動が再び当たりで停止されると、3回目の特別遊技が開始される(t30)。その特別遊技が終了すると3回目の確変状態D7が開始される(t31)。このように、確変状態における始動口62の1回の開放での入球によって2回の特別図柄変動を発生させて2回の大当たりを発生させると、再び確変状態のまま一連の特別図柄変動および特別遊技を終わらせることができる。本図のように確変状態における始動口62への入球により特別図柄変動と特別遊技の発生を2回ずつ発生させることができれば、確変連鎖モードを継続させることができる。また、確変状態では通常状態より始動口62の開放期間が短縮されるので、始動口62の1回の開放での入球によって3回の特別図柄変動および特別遊技が発生してしまう可能性を抑制している。これにより、確変連鎖モードを継続されやすくすることができる。
なお、本図では、確変状態D5において普通図柄変動が開始された場合(t20)を例示するが、その普通図柄変動は確変状態D5において開始されるものであれば通常状態より短い変動時間および高い当選確率となる。すなわち、その普通図柄変動の契機となる作動口68への通過タイミングは、確変状態D5の期間内の通過であってもよいし、確変状態D5となる前に通過して保留されたものであってもよい。
図6は、確変状態が連鎖的に発生する過程の第2の例を示すタイムチャートである。ここでは図5の確変状態D7からの過程を例示する。本図の例では、確変状態D7が開始される前から表示されていた普通図柄変動が、確変状態D7の間に当たりで停止されて始動口62の開放期間D8が開始される(t32)。この場合も図5の例と同様に確変状態における始動口62の開放であるため、約6秒間の開放が1回だけ実行され、本図の例でも始動口62の開放中に4球が入球している(t33,t34,t35,t36)。t33の入球に対応して特別図柄変動が開始され(t37)、その特別図柄変動が当たりで停止すると次の特別遊技が開始される(t38)。特別図柄変動中の入球(t34)に対しては、特図抽選値が保留されて保留状態が開始される(t39)。保留状態における入球(t35,t36)は何ら開始契機とならない。t38の特別遊技は確率変動設定回数でいう2回目の特別遊技であるため、その特別遊技が終了しても確変状態には移行せず通常状態となる。
特別遊技が終了し、t39で保留された特図抽選値との対応で特別図柄変動が開始されて保留状態が終了し(t40)、その特別図柄変動が再び当たりで停止されると、3回目の特別遊技が開始される(t41)。その特別遊技が終了すると3回目の確変状態D9が開始される(t42)。このように、確変状態における始動口62の1回の開放での入球によって2回の特別図柄変動を発生させて2回の大当たりを発生させると、再び確変状態のまま一連の特別図柄変動および特別遊技を終わらせることができる。本図のように確変状態における始動口62への入球により特別図柄変動と特別遊技の発生を2回ずつ発生させることができれば、確変連鎖モードを継続させることができる。
図7は、確変状態における始動口62への入球により特別図柄を3回変動表示させた場合の確変連鎖モードが継続する例と確変連鎖モードが終了する第1の例を示すタイムチャートである。図5および図6の例では、確変状態における始動口62への入球により特別図柄を2回変動表示させる例を示したが、本図では特別図柄を3回変動表示させた場合を示す。まず、図6において発生した確変状態D9において始動口62が開放されることとする。始動口62の開放期間D10が開始され(t43)、この場合も図5,6の例と同様に確変状態における始動口62の開放であるため、約6秒間の開放が1回だけ実行され、本図の例でも始動口62の開放中に4球が入球している(t44,t45,t46,t47)。t44の入球に対応して特別図柄変動が開始され(t48)、次の入球(t45)によって保留状態が開始される(t49)。ここで、t44の入球に対応する図柄変動が外れで停止してしまう場合でもその変動時間が十分に短いため、保留されていた次のt45の入球に対応する特別図柄変動がすぐに開始されて変動状態が復活して保留状態も終了させることができる(t50)。これにより次の入球(t46)によってさらに1回分の保留状態を開始できる(t51)。ただし、その保留状態における次の入球(t47)は何ら開始契機とならない。t50に開始された特別図柄変動が当たりで停止されると、次の特別遊技が開始される(t52)。t52の特別遊技は確率変動設定回数でいう2回目の特別遊技であるため、その特別遊技が終了しても確変状態には移行せず通常状態となる。
特別遊技が終了し、t51で保留された特図抽選値との対応で特別図柄変動が開始されて保留状態が終了し(t53)、その特別図柄変動が再び当たりで停止されると、3回目の特別遊技が開始される(t54)。その特別遊技が終了すると4回目の確変状態D11が開始される(t55)。このように、確変状態における始動口62の1回の開放での入球によって最初の特別図柄変動が外れで停止されてもすぐにもう一つ保留が可能となり、そこから2回の大当たりを出せば、再び確変連鎖モードを継続させることができる位に特別図柄の変動時間が十分に短い。すなわち、1回目が外れでもすぐに変動を復活させて当たりが出れば再び確変連鎖モードの継続チャンスが生まれ、さらにもう一度当たりが出れば確変連鎖モードを継続させることができるという遊技性が実現される。
次に確変連鎖モードの終了を説明する。確変状態D11において始動口62の開放期間D12が開始され(t56)、その開放中に1球しか入球(t57)しなかった場合であって、その入球に対応する特別図柄変動(t58)が当たりで停止した場合、特別遊技が開始されて確変状態D11は終了する(t59)。この場合、始動口62にはそれ以上入球がないため保留状態も開始されず、後続の特別図柄変動もないまま特別遊技が終了し、そのまま確変連鎖モードも終了して通常モードに戻る。このように、確変状態における始動口62の開放期間での入球によって特別図柄変動が1回しか発生せず、それが当たりとなった場合には、確変連鎖モードは終了して通常モードに戻る。
図8は、確変連鎖モードが終了して通常モードに戻る第2の例を示すタイムチャートである。確変状態D11において始動口62の開放期間D12が開始され(t56)、その開放中に3球の入球があり(t57,t58,t59)、t57の入球に対応して特別図柄変動が開始される(t60)。t58の入球の保留状態が開始されると(t61)、直ちに図柄変動が外れで停止して保留状態が終了し、t58の入球に対応する特別図柄変動が開始される(t62)。t59の入球の保留状態が開始されると(t63)、直ちに図柄変動が外れで停止して保留状態が終了し、t59の入球に対応する特別図柄変動が開始される(t64)。その特別図柄変動が当たりで停止した場合、特別遊技が開始されて確変状態D11は終了する(t65)。この場合、始動口62にはそれ以上入球がないため保留状態も開始されず、後続の特別図柄変動もないまま特別遊技が終了し、そのまま確変連鎖モードも終了して通常モードに戻る。このように、確変状態における始動口62の開放期間での入球によって3回の特別図柄変動が発生しても、外れ、外れ、当たりとなった場合には確変連鎖モードは終了して通常モードに戻る。
図9は、確変連鎖モードが終了して通常モードに戻る第3の例を示すタイムチャートである。確変状態D11において始動口62の開放期間D12が開始され(t56)、その開放中に4球の入球があり(t57,t58,t59,t60)、t57の入球に対応して特別図柄変動が開始される(t61)。t58の入球の保留状態が開始されると(t62)、直ちに図柄変動が当たりで停止して特別遊技が開始され、確変状態D11が終了する(t63)。特別遊技が終了し、保留されていたt58の入球に対応する特別図柄変動が開始されて保留状態が終了し(t64)、その図柄変動が外れで停止した場合、そのまま、始動口62にはそれ以上入球がないため保留状態も開始されず、後続の特別図柄変動もないまま確変連鎖モードも終了して通常モードとなる。このように、確変状態における始動口62の開放期間での入球によって2回の特別図柄変動が発生しても、当たり、外れとなった場合には確変連鎖モードは終了して通常モードに戻る。
図10は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、普図抽選や特図抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図11は、図10におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。本図のフローは、普通図柄の変動表示と特別図柄の変動表示のいずれにも適用することとし、両者をまとめて説明する。通常遊技制御処理において、普図抽選値または特図抽選値の保留または取得がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、普図抽選手段111または特図抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118および演出表示制御手段134が変動表示を開始する(S36)。S30において普図抽選値または特図抽選値の保留または取得がなされていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図12は、図10におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が1球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、まだ大入賞口66への入球がない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が2に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S86)、その特別遊技が通常状態からの大当たりに起因していれば(S87のY)、確変状態を開始する(S88)。逆に、確変状態からの大当たりに起因していればS88をスキップして確変状態は開始せず、通常状態へ戻る(S87のN)。S82においてラウンド数が2に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の実施例においては、特図抽選値の保留上限個数を1個とし、確率変動設定回数を2回とし、その確率変動設定回数より1回多い3回の特別遊技発生を通常状態における始動口62への入球によって可能とする構成を例示した。変形例としては、例えば特図抽選値の保留上限個数を2個とし、確率変動設定回数を3回とし、その確率変動設定回数より1回多い4回の特別遊技発生を通常状態において可能とする構成としてもよい。この場合もまた、最後の特別遊技によって確変状態のまま終了することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 通常状態において初回の確率変動が発生する過程を示すタイムチャートである。 確変状態が連鎖的に発生する過程の第1の例を示すタイムチャートである。 確変状態が連鎖的に発生する過程の第2の例を示すタイムチャートである。 確変状態における始動口への入球により特別図柄を3回変動表示させた場合の確変連鎖モードが継続する例と確変連鎖モードが終了する第1の例を示すタイムチャートである。 確変連鎖モードが終了して通常モードに戻る第2の例を示すタイムチャートである。 確変連鎖モードが終了して通常モードに戻る第3の例を示すタイムチャートである。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図10におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図10におけるS16を詳細に示すフローチャートである。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、 20 特図保留ランプ、 22 普図保留ランプ、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 66 大入賞口、 68 作動口、 100 遊技制御装置、 111 普図抽選手段、 112 特図抽選手段、 114 図柄決定手段、 116 保留制御手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 124 開閉制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。

Claims (9)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技状態が所定の条件を満たしたときにその遊技状態に応じた開放期間にて開放されて入球容易性が非開放時より高まる特図始動入球口と、
    前記特図始動入球口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための特図抽選を実行する特図抽選手段と、
    前記特図抽選の結果を示すための図柄である特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、
    前記特図抽選が当たりとなり、前記変動表示される特別図柄が停止表示されたときに前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    通常状態において前記特図抽選が当たりとなった場合に、その当たりによる前記特別遊技の終了後に前記特図抽選で当たりとなる確率が通常状態より高まる状態である確率変動状態へ遊技状態を移行させ、その移行の契機となった前記特図抽選の当たりと、その移行後に生じる前記特図抽選の当たりの合計回数が所定の確率変動設定回数に至るまで前記確率変動状態を継続させる特定遊技実行手段と、
    前記特図抽選の結果をその結果を示す前記特別図柄の変動が開始されるまで所定の保留上限個数を上限として保持する保留制御手段と、
    通常状態において前記所定の条件が満たされた場合、前記特図始動入球口の開放が開始してから終了するまでの期間が所定の開放期間となるように前記特図始動入球口の開閉を制御する開閉制御手段と、
    を備え、
    通常状態にて開放が開始された前記特図始動入球口への入球によって生じ得る前記特別図柄の最大変動回数が前記確率変動設定回数より多くなるように前記確率変動設定回数、前記保留上限個数、および前記開放期間が設計されていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 通常状態において前記所定の条件が満たされたときの前記特図始動入球口の開放期間における入球によって前記保持される結果の数が前記保留上限個数に達したとしても、その開放期間が終了するまでに前記保持される結果の数が前記保留上限個数より少ない数に減少して新たな結果を保持し得るよう、前記開放期間および前記特別図柄の変動時間が設計されることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 通常状態において前記所定の条件が満たされたときの前記特図始動入球口の開放期間における入球によって前記保持される結果の数が前記保留上限個数に達したとしても、その開放期間が終了するまでに前記保持される結果の数が前記保留上限個数より少ない数に減少して新たな結果を保持し得るよう、前記開放期間、前記特別図柄の変動時間、および前記特別遊技の実行時間が設計されることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  4. 前記特図抽選手段は、通常状態においては当たりの可能性が外れの可能性より高い当否確率にて前記特図抽選を実行し、確率変動状態においては通常状態より当たりの可能性がさらに高い当否確率にて前記特図抽選を実行することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機。
  5. 前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる普図始動入球口と、
    前記普図始動入球口への入球を契機として、前記特図始動入球口の開放可否を判定するための普図抽選を、通常状態において外れの可能性が当たりの可能性より高い当否確率にてさらに実行する普図抽選手段と、
    をさらに備え、
    前記特図始動入球口は、前記普図抽選で当たりとなったときに前記所定の条件が満たされたものとして開放されるとともに、開放されたときにのみ遊技球が入球し得る構造を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の弾球遊技機。
  6. 前記普図抽選手段は、確率変動状態においては通常状態より当たりの可能性が高い当否確率にて前記普図抽選を実行することを特徴とする請求項5のいずれかに記載の弾球遊技機。
  7. 前記開閉制御手段は、確率変動状態において前記所定の条件が満たされた場合、前記特図始動入球口の開放が開始してから終了するまでの期間が、通常状態における前記開放期間よりも短い開放期間となるように前記特図始動入球口の開閉を制御するとともに、確率変動状態での開放期間における入球によって前記保持される結果の数が前記保留上限個数に達した場合、前記特別遊技が開始されるとその開放期間が終了した後でなければ前記保留制御手段によって新たな結果を保持できないように前記開放期間が設計されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の弾球遊技機。
  8. 通常状態にて前記特図始動入球口の開放が開始されたときの前記最大変動回数が前記確率変動設定回数より一つ多くなるように前記確率変動設定回数、前記保留上限個数、および前記開放期間が設計されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の弾球遊技機。
  9. 通常状態にて前記特図始動入球口の開放が開始されたときの前記最大変動回数が3回となり、前記確率変動設定回数が2回となり、前記保留上限個数が1個となるように前記確率変動設定回数、前記保留上限個数、および前記開放期間が設計されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の弾球遊技機。
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