JP2009278479A - 静電型スピーカ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電層を有する振動膜110と、連通気泡を有する発泡導電材で構成され、前記振動膜と接触するように配置された固定電極120a,120bと、を備え、前記振動膜110の表面と前記固定電極120a,120bの表面の少なくとも一方の接触位置が絶縁処理されており、前記振動膜110の導電層と前記固定電極120a,120bとの間にバイアス電圧と交流信号とが印加される。
【選択図】図1
Description
ところで、一般的な多孔板は、周期的に孔があいているため、共振しやすいという問題を有している。また、この固定電極として多孔板を使用した場合、金属板に孔をあけたことで強度が低下し、振動膜からの音によって振動しやすくなる問題もある。
一方、多孔板に強度を持たせるために孔を小さくしたり、全体に占める孔(開口部)の面積の割合を小さくすると、振動膜からの音が十分に外部に放射されなくなる、すなわち、スピーカとしての能率が低下するという新たな問題が生じてくる。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、固定電極の強度や厚みや重量などの問題点を改良して、良好な再生を行うことが可能な静電型スピーカを提供することを目的とする。
(1)請求項1記載の発明は、導電層を有する振動膜と、発泡導電材で構成され、前記振動膜と接触するように配置された固定電極と、を備え、前記振動膜の表面と前記固定電極の表面の少なくとも一方の接触位置が絶縁処理されており、前記振動膜の導電層と前記固定電極との間にバイアス電圧と交流信号とが印加される、ことを特徴とする静電型スピーカである。
(4)請求項4記載の発明は、前記発泡導電材は発泡金属である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の静電型スピーカである。
(1)請求項1記載の静電型スピーカの発明では、振動膜と固定電極とは表面が絶縁された状態で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に所定距離の空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。そして、この場合、発泡導電材の発泡部分の空隙で、交流信号に応じて振動膜が振動し、発泡導電材の発泡部分の空隙を通して音が外部に出力される。
また、発泡導電材は従来のパンチングメタル等の多孔板に比較して、孔が不等間隔で、不定形であるので、固定電極として共振を生じにくい状態になる。このため、従来より、平坦な周波数特性の音を発生させることが可能になる。
また、発泡導電材は従来のパンチングメタル等の多孔板に比較して、孔が不等間隔で、不定形であるので、固定電極として共振を生じにくい状態になる。このため、従来より、平坦な周波数特性の音を発生させることが可能になる。
〈第一実施形態〉
図1は本発明の第一実施形態の静電型スピーカ100の構成を模式的に示す説明図である。
この第一実施形態では、固定電極120a,120bとして、従来のパンチングメタル等の多孔板に代えて、発泡導電材で構成され、振動膜110と接触するように配置された固定電極、あるいは、発泡導電材で構成され、振動膜110と所定の間隔となるように配置された固定電極、を用いることを特徴としている。
また、この第一実施形態では、振動膜110の表面と固定電極120a,120bの表面の少なくとも一方の接触面側が、絶縁処理されていることを特徴としている。
また、固定電極120a,120bの表面が絶縁処理されていない場合には、振動膜110は表面に絶縁層を有し、その内部に導電層を有していればよい。この場合、一方の面の導電層を有する振動膜を、互いの導電層が中心側で向かい合うように重ねることで、表面が絶縁された状態の振動膜110を実現できる。
ここで、静電型スピーカの振動膜110に作用する力は、一般的に固定電極120a,120bと振動膜110との間の距離をdとした場合、dの二乗に反比例する。
また、発泡金属は従来のパンチングメタル等の多孔板に比較して、孔が不等間隔で、不定形であるので、固定電極として共振を生じにくい状態になる。このため、従来より、平坦な周波数特性の音を発生させることが可能になる。
以上の固定電極120a,120bは、両方の発泡金属の特性が同じであってもよいし、異なる発泡金属を用いてもよい。
〈第一実施形態の変形例(2)〉
以上の具体例では、振動膜110を挟むように、固定電極120a,120bを配置していたが、いずれか一方の固定電極のみであってもよい。すなわち、振動膜11と、一方のみの固定電極120でも静電型スピーカを実現することが可能である。この場合、振動膜110には、バイアス電圧だけでなく、交流信号も印加される。そのため、振動膜110は、信号源150から交流信号を流すのに十分な低い抵抗値であればよい。
図3は本発明の第二実施形態の静電型スピーカ100の構成を模式的に示す説明図である。
そして、振動膜110の導電層と固定電極120a,120bとの間に、バイアス電源130によってバイアス電圧を印加し、互いに逆相の信号源150a,150bにより音声信号などの交流信号を印加している。
そして、この場合、固定電極120a,120bの発泡金属の連通気泡を通して音が外部に出力される。
また、発泡金属は従来のパンチングメタル等の多孔板に比較して、孔が不等間隔で、不定形であるので、固定電極として共振を生じにくい状態になる。このため、従来より、平坦な周波数特性の音を発生させることが可能になる。
図4は本発明の第三実施形態の静電型スピーカ100の構成を模式的に示す説明図である。
なお、この場合、各層で振動の位相が揃うように、信号源の位相とバイアス電圧の向きを調整する必要がある。
〈第三実施形態の変形例〉
この第三の実施形態でも、上述した第一実施形態や第二実施形態と同様に、各種の固定電極を用いることができる。
なお、以上の静電型スピーカとして説明してきたものは電気音響変換素子であり、空気振動を加えて振動膜110を振動させることで、交流信号を発生する静電型マイクロホンとして使用することも可能である。この場合にも、dが小さいため、従来よりも高効率な静電型マイクロホンを実現することが可能になる。また、従来よりもバイアス電圧を下げることが可能な静電型マイクロホンとすることも可能である。
以上の実施形態では、発泡導電材として発泡金属の具体例により説明してきたが、非導電材料に導電材をメッキあるいは蒸着または塗布により付着せしめ、発泡導電材として使用することが可能である。
101 保持部
110 振動膜
120a,120b 固定電極
120c,120d 固定電極
130 バイアス電源
150 信号源
Claims (5)
- 導電層を有する振動膜と、
発泡導電材で構成され、前記振動膜と接触するように配置された固定電極と、
を備え、
前記振動膜の表面と前記固定電極の表面の少なくとも一方の接触位置が絶縁処理されており、前記振動膜の導電層と前記固定電極との間にバイアス電圧と交流信号とが印加される、
ことを特徴とする静電型スピーカ。 - 導電層を有する振動膜と、
発泡導電材で構成され、前記振動膜と所定の間隔となるように配置された固定電極と、
を備え、
前記振動膜の導電層と前記固定電極との間にバイアス電圧と交流信号とが印加される、
ことを特徴とする静電型スピーカ。 - 前記固定電極は、オープンセル構造である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電型スピーカ。 - 前記発泡導電材は、発泡金属である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の静電型スピーカ。 - 前記固定電極と前記振動膜との組合せによる層を複数積層備え、
前記バイアス電圧と前記交流信号とは、各層毎に反転して印加される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の静電型スピーカ。
Priority Applications (1)
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JP2008129094A JP2009278479A (ja) | 2008-05-16 | 2008-05-16 | 静電型スピーカ |
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JP2008129094A Pending JP2009278479A (ja) | 2008-05-16 | 2008-05-16 | 静電型スピーカ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
- 2008-05-16 JP JP2008129094A patent/JP2009278479A/ja active Pending
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