JP5030168B2 - 静電型スピーカ - Google Patents

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Description

本発明は静電型スピーカに関する。
従来からの一般的な静電型スピーカでは、図7に示すように、固定電極120A,120Bとしてパンチングメタル等の導電性を有する金属多孔板を用い、振動膜110としては導電性を持つフィルムを張ったものを用い、両者間に振動のための空隙をスペーサ105などにより設けた状態で使用する。
この状態で、振動膜110と固定電極間120A,120Bとに、バイアス電源130により直流バイアス電圧を印加しておき、振動膜110と固定電極120A,120B間に、音声信号等の交流信号を加えることで動作させている。
ここで、静電型スピーカの振動膜110に作用する力は、一般的に固定電極120A,120Bと振動膜110との間の距離をdとした場合、dの二乗に反比例する。すなわち、音圧を上げるためにはdを小さくすることが要求される。
なお、このような静電型スピーカとしては、たとえば、以下の特許文献1、2、3に記載されたものが存在している。
特開2005-354582号公報 特開2007-43523号公報 特公昭40-26002号公報
以上の特許文献1、2記載の静電型スピーカでは、上述したdを小さくするためには、精密かつ微細な構成が要求されるため、実現が難しい。
また、音圧を上げるために、特許文献3のように、振動膜と固定電極との組合せを積層することも可能である。しかし、引用文献3では固定電極に穴を開けた剛性板を用いるため、ある程度の厚みが必要とされる。この結果、積層により全体としての厚みが層に比例して増加することになる。
ここで、積層した際に振動膜の距離がλ/2(ここで、λは音の波長)離れると、位相が180度異なるために、音が打ち消しあってしまう。従って、積層による厚みがλ/2に達した周波数では音圧が極端に低下する。このため、積層構造によっては、波長が短い高域の再生が困難になる問題を有している。
従って、一般オーディオ用に用いた場合でも高域の再生が困難であり、また、超音波トランスデューサとしても超音波領域の出力が困難であるという問題が発生する。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、音圧を上げることが可能な静電型スピーカを提供することを目的とする。
また、本発明は、積層構造とした場合でも厚みによる高域の減衰を生じさせずに音圧を上げることが可能な静電型スピーカを提供することを目的とする。
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、導電層を有する振動膜と、前記振動膜と複数の点あるいは複数の線で接触する導電線で構成された固定電極と、を備え、前記振動膜の表面と前記固定電極の表面の少なくとも一方の接触位置が絶縁処理されており、前記振動膜の導電層と前記固定電極との間にバイアス電圧と交流信号とが印加される、ことを特徴とする静電型スピーカである。
(2)請求項2記載の発明は、前記固定電極は、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された導電線が、格子状に編まれた網である、ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカである。
(3)請求項3記載の発明は、前記固定電極は、略直線の導電線あるいは導電棒が略直交するように組合せて構成された網である、ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカである。
(4)請求項4記載の発明は、前記固定電極は、略直線の導電線あるいは導電棒が一方向に複数並べて構成された連子である、ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカである。
(5)請求項5記載の発明は、前記固定電極は、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された導電線が一方向に複数並べて構成された連子である、ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカである。
(6)請求項6記載の発明は、前記固定電極と前記振動膜との組合せによる層を複数積層備え、前記バイアス電圧と前記交流信号とは、各層毎に反転して印加される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の静電型スピーカである。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載の静電型スピーカの発明では、振動膜と固定電極とは、表面が絶縁された状態で、複数の点あるいは線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
(2)請求項2記載の静電型スピーカの発明では、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された導電線が格子状に編まれた網が固定電極として用いられており、振動膜と固定電極(網)とは、表面が絶縁された状態で、複数の点あるいは線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
(3)請求項3記載の静電型スピーカの発明では、直交する導電線あるいは導電棒により構成された網が固定電極として用いられており、振動膜と固定電極(網)とは、表面が絶縁された状態で、複数の線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
(4)請求項4記載の静電型スピーカの発明では、略直線の導電線あるいは導電棒が一方向に複数並べて構成された連子が固定電極として用いられており、振動膜と固定電極(網)とは、表面が絶縁された状態で、複数の線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
(5)請求項5記載の静電型スピーカの発明では、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された導電線が一方向に複数並べて構成された連子が固定電極として用いられており、振動膜と固定電極(網)とは、表面が絶縁された状態で、複数の線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
(6)請求項6記載の静電型スピーカの発明では、振動膜と固定電極とは表面が絶縁された状態で複数の点あるいは線で互いに接触し互いの距離dが最短となった状態の従来より薄型の層が複数積層されているため、従来よりも小さい厚みで、高い周波数まで音圧を上げて出力することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〈第一実施形態〉
図1は本発明の第一実施形態の静電型スピーカ100の構成を模式的に示す説明図である。また、図2は本発明の第一実施形態の静電型スピーカ100(図1参照)で使用される固定電極と振動膜との様子を模式的に示す斜視図である。
この第一実施形態では、固定電極120a,120bとして、従来のパンチングメタル等の金属多孔板に代えて、振動膜110と複数の点あるいは複数の線で接触する金属線で構成された固定電極を用いることを特徴としている。
なお、請求項における導電線とは、導電性を有する線であり、金属、導電性繊維、カーボンなど各種の導電性を有する材質で構成された線である。以下、この実施形態では、金属線を具体例にして説明する。
また、この第一実施形態では、振動膜110の表面と固定電極120a,120bの表面の少なくとも一方の接触位置が、絶縁処理されていることを特徴としている。
そして、振動膜110の導電層と固定電極120a,120bとの間に、バイアス電源130によってバイアス電圧を印加し、互いに逆相の信号源150a,150bにより音声信号などの交流信号を印加している。
また、固定電極120a,120bは、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された金属線が、格子状に編まれた網である、ことを特徴としている。
なお、固定電極120a,120bの金属線の表面が絶縁処理されている場合には、振動膜110は表面に導電層を有していればよい。
また、固定電極120a,120bの金属線の表面が絶縁処理されていない場合には、振動膜110は表面に絶縁層を有し、その内部に導電層を有していればよい。この場合、一方の面の導電層を有する振動膜を、互いの導電層が中心側で向かい合うように重ねることで、表面が絶縁された状態の振動膜110を実現できる。
なお、このように振動膜110の両側に固定電極を配置する場合には、振動膜110はバイアス電圧で帯電すればよいため、導電層は高い抵抗値であってもよい。なお、後述する変形例のように、固定電極を振動膜110の一方の面のみに配置する場合には、振動膜110の導電層に交流信号が流れるため、低い抵抗値とすることが望ましい。
なお、固定電極120a,120bと振動膜110との間隔が一定に保たれるように、フレームとしての保持部101が、全体を一体に保持している。この保持部101は、静電型スピーカ100の周囲全体を保持してもよいし、音を透過する部材で発音部全面を保持するものであってもよい。
以上のように構成した場合、振動膜110は、固定電極120a,120bと接触していない空間で、交流信号に応じて振動する。
ここで、静電型スピーカの振動膜110に作用する力は、一般的に固定電極120a,120bと振動膜110との間の距離をdとした場合、dの二乗に反比例する。すなわち、この第一実施形態では、固定電極120a,120bは、振動膜110と複数の点あるいは複数の線で接触しており、dは絶縁の被膜の厚みにより決定されるため、従来に比較すると極めてdを小さくすることができる。すなわち、振動膜110と固定電極120a,120bとは、表面が絶縁された状態で、複数の点あるいは線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
また、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された金属線が格子状に編まれた網が固定電極として用いられており、振動膜と固定電極(網)とは、表面が絶縁された状態で、複数の点あるいは線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
図6は第一実施形態の静電型スピーカを構成した場合の周波数特性の一例を示す特性図である。ここでは、直流バイアス電源130を200Vにし、信号源150aを400Vp-p、信号源150bを400Vp-pとした。この実施形態の静電型スピーカの場合、30kHz以上の超高域において、約110dB(1m)の周波数特性が平坦な音圧を実現している。
なお、実験に用いた静電型スピーカと同等の大きさの従来の一般的な構造のものでは、周波数特性は超高域で徐々に下がる傾向にある。すなわち、従来の一般的なものと比較しても、本実施形態の静電型スピーカの優位性が明らかである。
また、これ以外の大きさや形状の静電型スピーカを、従来技術のものと本実施形態のものとで比較しても、同様な傾向の効果を得ることができた。
また、静電型スピーカの振動膜110に作用する力Fは、上述したようにdの二乗に反比例するほか、バイアス電源130によるバイアス電圧Vに比例する。したがって、dを従来よりも極めて小さくすることができることによって振動膜に作用する力Fが大きくなるため、従来よりもバイアス電圧Vを下げても、十分な力Fを得ることが可能である。
たとえば、従来は数千ボルト必要であったバイアス電圧を、数百ボルト程度に下げることも可能になる。また、振動膜110と固定電極120a,120bとの間隔や、固定電極120a,120bの金属線を配置する密度などを最適化することで、電池駆動可能なバイアス電圧とすることも可能である。
また、金属線あるいは金属棒による固定電極であるため、従来のパンチングメタルなどの金属板に比較して、光透過性も向上する。
また、金属線あるいは金属棒による固定電極であるため、従来のパンチングメタルなどの金属板に比較して、柔軟性を実現することができ、平面以外の曲面などで構成することも容易になる。あるいは、平面として構成した静電型スピーカを、曲げることで曲面とすることも可能である。
〈第一実施形態の変形例(1)〉
以上の固定電極120a,120bは、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された金属線が略直交するように編み込まれていたが、30°や120°などの略直交する角度以外の二方向の角度であってもよい。
〈第一実施形態の変形例(2)〉
以上の固定電極120a,120bは、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された二方向の金属線が略直交するように編み込まれていたが、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された三方向以上の金属線や、これら凹凸や波形の繰り返し形状の金属線に略直線の金属棒などを組み合わせて三方向以上の組合せとした固定電極を用いてもよい。
〈第一実施形態の変形例(3)〉
以上の固定電極120a,120bは、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された金属線が略直交するように編み込まれて格子を構成していた。これに対し、この凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された金属線が一方向に複数本並べて構成された、連子構造(一方向に複数本の線あるいは棒が並んだ構造)であってもよい。
〈第一実施形態の変形例(4)〉
以上の具体例では、振動膜110を挟むように、固定電極120a,120bを配置していたが、いずれか一方の固定電極のみであってもよい。すなわち、振動膜11と、一方のみの固定電極120でも静電型スピーカを実現することが可能である。この場合、振動膜110には、バイアス電圧だけでなく、交流信号も印加される。そのため、振動膜110は、信号源150から交流信号を流すのに十分な低い抵抗値であればよい。
〈第二実施形態〉
図3は本発明の第二実施形態の静電型スピーカ100の構成を模式的に示す説明図である。また、図4は本発明の第二実施形態の静電型スピーカ100(図3参照)で使用される固定電極と振動膜との様子を模式的に示す斜視図である。
この第二実施形態では、固定電極120c,120dとして、従来のパンチングメタル等の金属多孔板に代えて、振動膜110と複数の点あるいは複数の線で接触する金属線あるいは金属棒で構成された固定電極を用いることを特徴としている。
また、この第二実施形態では、振動膜110の表面と固定電極120c,120dの表面の少なくとも一方の接触位置が、絶縁処理されていることを特徴としている。
そして、振動膜110の導電層と固定電極120c,120dとの間に、バイアス電源130によってバイアス電圧を印加し、互いに逆相の信号源150a,150bにより音声信号などの交流信号を印加している。
また、固定電極120c,120dは、第一実施形態の凹凸あるいは波形の繰り返し形状が組み合わされた一般的な網(図2参照)ではなく、図4のように、略直線の金属線あるいは金属棒が略直交するように組合せて構成された網である、ことを特徴としている。
したがって、この第二実施形態では、固定電極120c,120dの金属線あるいは金属棒のうち、振動膜110に接する側に配置された金属線あるいは金属棒が、振動膜110と複数の線で接触する状態になる。
なお、請求項における導電線とは、導電性を有する線であり、金属、導電性繊維、カーボンなど各種の導電性を有する材質で構成された線である。以下、この実施形態では、金属線を具体例にして説明する。また、請求項における導電棒とは、導電性を有する棒であり、金属、導電性繊維、カーボンなど各種の導電性を有する材質で構成された棒である。以下、この実施形態では、金属棒を具体例にして説明する。
なお、固定電極120c,120dの金属線の表面が絶縁処理されている場合には、振動膜110は表面に導電層を有していればよい。
また、固定電極120c,120dの金属線の表面が絶縁処理されていない場合には、振動膜110は表面に絶縁層を有し、その内部に導電層を有していればよい。この場合、一方の面の導電層を有する振動膜を、互いの導電層が中心側で向かい合うように重ねることで、表面が絶縁された状態の振動膜110を実現できる。
なお、このように振動膜110の両側に固定電極を配置する場合には、振動膜110はバイアス電圧で帯電すればよいため、導電層は高い抵抗値であってもよい。なお、後述する変形例のように、固定電極を振動膜110の一方の面のみに配置する場合には、振動膜110の導電層に交流信号が流れるため、低い抵抗値とすることが望ましい。
なお、固定電極120c,120dと振動膜110との間隔が一定に保たれるように、フレームとしての保持部101が、全体を一体に保持している。この保持部101は、静電型スピーカ100の周囲全体を保持してもよいし、音を透過する部材で発音部全面を保持するものであってもよい。
そして、以上のように構成した場合、振動膜110は、固定電極120c,120dと接触していない空間で、交流信号に応じて振動する。
ここで、静電型スピーカの振動膜110に作用する力は、一般的に固定電極120c,120dと振動膜110との間の距離をdとした場合、dの二乗に反比例する。すなわち、この第二実施形態では、固定電極120c,120dは、振動膜110と複数の点あるいは複数の線で接触しており、dは絶縁の被膜の厚みにより決定されるため、従来に比較すると極めてdを小さくすることができる。すなわち、振動膜110と固定電極120c,120dとは、表面が絶縁された状態で、複数の線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
ここでは、略直線の金属線あるいは金属棒が格子状に組み合わされた固定電極として用いられており、振動膜と固定電極(網)とは、表面が絶縁された状態で、複数の線で互いに接触しているため、互いの距離dが最短となり、振動膜−固定電極間に空隙を設けた従来の静電型スピーカに比較して、振動膜に作用する力が大きくなる。
また、静電型スピーカの振動膜110に作用する力Fは、上述したようにdの二乗に反比例するほか、バイアス電源130によるバイアス電圧Vに比例する。したがって、dを従来よりも極めて小さくすることができることによって振動膜に作用する力Fが大きくなるため、従来よりもバイアス電圧Vを下げても、十分な力Fを得ることが可能である。
たとえば、従来は数千ボルト必要であったバイアス電圧を、数百ボルト程度に下げることも可能になる。また、振動膜110と固定電極120c,120dとの間隔や、固定電極120c,120dの金属線を配置する密度などを最適化することで、電池駆動可能なバイアス電圧とすることも可能である。
また、金属線あるいは金属棒による固定電極であるため、従来のパンチングメタルなどの金属板に比較して、光透過性も向上する。
また、金属線あるいは金属棒による固定電極であるため、従来のパンチングメタルなどの金属板に比較して、柔軟性を実現することができ、平面以外の曲面などで構成することも容易になる。あるいは、平面として構成した静電型スピーカを、曲げることで曲面とすることも可能である。
〈第二実施形態の変形例(1)〉
以上の固定電極120c,120dは、略直線の金属線あるいは金属棒が略直交するように編み込まれていたが、30°や120°などの略直交する角度以外の二方向の角度であってもよい。
〈第二実施形態の変形例(2)〉
以上の固定電極120c,120dは、略直線の金属線あるいは金属棒が二方向に組み合わされていたが、三方向以上の金属線や金属棒が組み合わされた固定電極を用いてもよい。
〈第二実施形態の変形例(3)〉
以上の固定電極120c,120dは、略直線の金属線あるいは金属棒が二方向に組み合わされて格子構造となっていたが、一方向の複数本の金属線や金属棒が組み合わされた固定電極、すなわち、一方向に複数本並べて構成された連子構造(一方向に複数本の線あるいは棒が並んだ構造)であってもよい。
〈第二実施形態の変形例(4)〉
以上の具体例では、振動膜110を挟むように、固定電極120c,120dを配置していたが、いずれか一方の固定電極のみであってもよい。すなわち、振動膜11と、一方のみの固定電極120でも静電型スピーカを実現することが可能である。この場合、振動膜110には、バイアス電圧だけでなく、交流信号も印加される。そのため、振動膜110は、信号源150から交流信号を流すのに十分な低い抵抗値であればよい。
以上の固定電極120c,120dは、略直線の金属線あるいは金属棒が略直交するように編み込まれていたが、30°や120°などの略直交する角度以外の二方向の角度であってもよい。
〈第三実施形態〉
図5は本発明の第三実施形態の静電型スピーカ100の構成を模式的に示す説明図である。
この第三実施形態では、以上の第一実施形態の静電型スピーカ、あるは、第二実施形態の静電型スピーカを積層した状態になっている。実際には、実施形態の変形例(4)として示した、振動膜110と固定電極120との組合せの層を、複数層有した状態になっている。
すなわち、2枚以上のn枚の振動膜110と、n+1枚の固定電極とが、交互に積層して配置された状態になっている。
なお、この場合、各層で振動の位相が揃うように、信号源の位相とバイアス電圧の向きを調整する必要がある。
この実施形態では、第一実施形態あるいは第二実施形態の金属線あるいは金属棒による固定電極を用いているため、従来のパンチングメタルなどの金属板と空隙とを用いた静電型スピーカに比較して、積層しても薄い状態を保つことが可能になる。
したがって、複数積層した際にも、積層による厚みがλ/2に達した周波数が従来より高くなり、すなわち、再生上限周波数が従来より高くなる。このため、積層構造により波長が短い高域の再生が困難になるという従来の問題が解消される。
このため、積層によって音圧を上昇させる場合にも、高域再生や超音波発生といった用途に使用することが可能になる。
なお、図5では第一実施形態の静電型スピーカを積層した様子を示しているが、第二実施形態の静電型スピーカを積層することも何ら問題はない。
また、金属線あるいは金属棒による固定電極であるため、従来のパンチングメタルなどの金属板に比較して、光透過性も向上する。すなわち、積層した状態であっても、光透過性を維持することが可能である。
また、金属線あるいは金属棒による固定電極であるため、従来のパンチングメタルなどの金属板に比較して、柔軟性を実現することができ、平面以外の曲面などで構成することも容易になる。あるいは、平面として構成した静電型スピーカを、曲げることで曲面とすることも可能である。
〈第三実施形態の変形例〉
この第三の実施形態でも、上述した第一実施形態や第二実施形態と同様に、各種の固定電極を用いることができる。
すなわち、略直線の金属線あるいは金属棒が略直交するように編み込まれていたが、30°や120°などの略直交する角度以外の二方向の角度であってもよい。
また、固定電極は、略直線の金属線あるいは金属棒が二方向に組み合わされていたが、三方向以上の金属線や金属棒が組み合わされた固定電極を用いてもよい。
また、以上の固定電極は、一方向の複数本の金属線や金属棒が組み合わされた固定電極、すなわち、一方向に複数本並べて構成された連子構造(一方向に複数本の線あるいは棒が並んだ構造)であってもよい。
〈第四実施形態〉
なお、以上の静電型スピーカとして説明してきたものは電気音響変換素子であり、空気振動を加えて振動膜110を振動させることで、交流信号を発生する静電型マイクロホンとして使用することも可能である。この場合にも、dが小さいため、従来よりも高効率な静電型マイクロホンを実現することが可能になる。また、従来よりもバイアス電圧を下げることが可能な静電型マイクロホンとすることも可能である。また、静電型マイクロホンと同様にして、静電型センサとすることも可能である。
〈その他の実施形態〉
以上の実施形態では、線あるいは棒が規則的に配置あるいは編まれたものを具体例としていたが、これに限定されるものではない。すなわち、導電性の繊維で構成された不織布などのように、規則的あるいは不規則な繊維などが集まった状態の部材であっても、以上の各実施形態の固定電極として使用することが可能である。この場合も、振動膜と線あるいは点で接触する固定電極を構成することができる。
本発明の第一実施形態の静電型スピーカの構成を示す構成図である。 本発明の第一実施形態の静電型スピーカの構成を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態の静電型スピーカの構成を示す構成図である。 本発明の第二実施形態の静電型スピーカの構成を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態の静電型スピーカの構成を示す構成図である。 本発明の第一実施形態の静電型スピーカの周波数特性を示す特性図である。 従来の静電型スピーカの構成を示す構成図である。
符号の説明
100 静電型スピーカ
101 保持部
110 振動膜
120a,120b 固定電極
120c,120d 固定電極
130 バイアス電源
150 信号源

Claims (6)

  1. 導電層を有する振動膜と、
    前記振動膜と複数の点あるいは複数の線で接触する導電線で構成された固定電極と、
    を備え、
    前記振動膜の表面と前記固定電極の表面の少なくとも一方の接触位置が絶縁処理されており、前記振動膜の導電層と前記固定電極との間にバイアス電圧と交流信号とが印加される、
    ことを特徴とする静電型スピーカ。
  2. 前記固定電極は、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された導電線が、格子状に編まれた網である、
    ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカ。
  3. 前記固定電極は、略直線の導電線あるいは導電棒が略直交するように組合せて構成された網である、
    ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカ。
  4. 前記固定電極は、略直線の導電線あるいは導電棒が一方向に複数並べて構成された連子である、
    ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカ。
  5. 前記固定電極は、凹凸あるいは波形の繰り返し形状となるように構成された導電線が一方向に複数並べて構成された連子である、
    ことを特徴とする請求項1記載の静電型スピーカ。
  6. 前記固定電極と前記振動膜との組合せによる層を複数積層備え、
    前記バイアス電圧と前記交流信号とは、各層毎に反転して印加される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の静電型スピーカ。
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