JP2009277680A - 流体供給装置、温度調整装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定空間に流体を良好に供給できる流体供給装置を提供する。
【解決手段】流体供給装置60は、流体が流れる第1チューブと、第1チューブ61の少なくとも一部を内部に収容可能な第2チューブ62と、第1チューブと第2チューブとの間の空間の気体を排出する排気装置65とを備えている。第1チューブは第2チューブに比べて流体に対する耐性が高く、第2チューブは第1チューブに比べて、アウトガスが少なくステンレス等のベローズで構成される。
【選択図】図5
【解決手段】流体供給装置60は、流体が流れる第1チューブと、第1チューブ61の少なくとも一部を内部に収容可能な第2チューブ62と、第1チューブと第2チューブとの間の空間の気体を排出する排気装置65とを備えている。第1チューブは第2チューブに比べて流体に対する耐性が高く、第2チューブは第1チューブに比べて、アウトガスが少なくステンレス等のベローズで構成される。
【選択図】図5
Description
本発明は、流体供給装置、温度調整装置、露光装置、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているように、流体供給装置より所定空間に流体を供給して、物体の温度を調整することが行われている。
米国特許第6700641号明細書
所定空間に流体を良好に供給できず、例えば流体の一部が放出されたり、流体が流れる部材からアウトガスが放出されたりすると、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、流体を良好に供給できる流体供給装置を提供することを目的とする。また本発明の態様は、流体を用いて物体の温度を良好に調整できる温度調整装置を提供することを目的とする。また本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、流体が流れる第1チューブと、第1チューブの少なくとも一部を内部に収容可能な第2チューブと、第1チューブと第2チューブとの間の空間の気体を排出する排気装置と、を備えた流体供給装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、流体が流れる第1チューブと、第1チューブの少なくとも一部を内部に収容可能で、第1チューブよりアウトガスが少なく、且つ、流体に対するバリア性が高い第2チューブと、を備えた流体供給装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、所定空間に温度調整用の流体を供給して物体の温度を調整する温度調整装置であって、所定空間に流体を供給するために、第1、第2の態様の流体供給装置を有する温度調整装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、露光光で基板を露光する露光装置であって、露光装置を構成している複数の物体のうち、少なくとも1個の物体の温度を調整するために、第3の態様の温度調整装置を備えた露光装置が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第4の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、流体を良好に供給でき、その流体を用いて物体の温度を良好に調整できる。また本発明によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例にして説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例にして説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置3とを備えている。基板Pは、半導体ウエハ等の基材、及びその基材の表面に形成された感光材(レジスト)の膜を含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。本実施形態において、マスクMは、EUV光を反射可能な多層膜を有する反射型マスクである。露光装置EXは、多層膜でパターンが形成されたマスクMの表面(反射面)を露光光EL(EUV光)で照明し、マスクMで反射した露光光ELで基板Pを露光する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置3は、基板Pを投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明光学系ILの照明領域に対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMからの露光光ELを基板Pに照射して、基板Pを露光する。
本実施形態の露光装置EXは、露光光ELが進行する所定空間を所定の環境状態に調整可能なチャンバ装置4を備えている。本実施形態において、チャンバ装置4は、内部空間5を形成するチャンバ部材6と、内部空間5の環境状態を調整するための環境調整装置7とを備えている。露光光ELは、内部空間5を進行する。環境調整装置7は、真空システムを含み、内部空間5を真空状態に調整可能である。制御装置3は、環境調整装置7を用いて、内部空間5をほぼ真空状態に調整する。一例として、本実施形態においては、内部空間5の圧力は、例えば、1×10−4〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。チャンバ装置4(チャンバ部材6)の外部空間45は、ほぼ大気圧である。本実施形態において、照明光学系ILの少なくとも一部、マスクステージ1、投影光学系PL、及び基板ステージ2のそれぞれが、内部空間5に配置される。
照明光学系ILは、光源装置(不図示)からの露光光ELでマスクMを照明する。光源装置は、例えばキセノン(Xe)等のターゲット材料にレーザー光を照射して、そのターゲット材料をプラズマ化し、EUV光を発生させるレーザ生成プラズマ光源装置、所謂、LPP(Laser Produced Prasma)方式の光源装置を含む。なお、光源装置が、所定ガス中で放電を発生させて、その所定ガスをプラズマ化し、EUV光を発生させる放電生成プラズマ光源装置、所謂、DPP(Discharge Produced Prasma)方式の光源装置でもよい。光源装置で発生したEUV光(露光光EL)は、照明光学系ILに入射する。
照明光学系ILは、複数の光学素子を含み、所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明光学系ILは、照明領域に配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明光学系ILの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つ方向に移動可能である。本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの表面(反射面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。また、本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの反射面が−Z方向を向くように、マスクMを保持する。照明光学系ILから射出された露光光ELは、マスクステージ1に保持されているマスクMに照射される。
本実施形態においては、マスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(不図示)、及びマスクMの反射面の位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられている。制御装置3は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を実行する。
投影光学系PLは、複数の光学素子を含み、所定の投影領域に露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域に配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つ方向に移動可能である。本実施形態においては、基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。また、本実施形態においては、基板ステージ2は、基板Pの表面が+Z方向を向くように、基板Pを保持する。投影光学系PLから射出された露光光ELは、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。
本実施形態においては、基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(不図示)、及び基板Pの表面の位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられている。制御装置3は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を実行する。
本実施形態において、露光装置EXは、ベース部材8と、ベース部材8上に配置された支柱部材9と、支柱部材9の上端に接続された支持部材10とを備えている。また、露光装置EXは、支持部材10上に配置されたフレーム部材11に支持されるガイド部材12を備えている。また、露光装置EXは、ベース部材8上に防振システム13を介して支持されるガイド部材14を備えている。照明光学系ILは、フレーム部材15及び防振システム16を介して、支持部材10に支持されている。投影光学系PLは、フレーム部材17及び防振システム18を介して、支持部材10に支持されている。
ガイド部材12は、マスクステージ1の移動をガイドするガイド面12Gを有する。本実施形態において、マスクステージ1は、ガイド部材12の開口12Kを覆うように配置される。マスクステージ1は、ステージ本体19と、マスクMを保持しながらステージ本体19に対して移動可能なマスク保持部材20とを含む。ステージ本体19は、開口12Kを覆うように配置されている。ステージ本体19は、ガイド面12GにガイドされつつXY平面内を移動可能である。マスク保持部材20は、ステージ本体19の−Z側に配置されている。マスク保持部材20に保持されたマスクMは、開口12Kの内側に配置される。マスク保持部材20は、マスクMを保持した状態で、ステージ本体19に対して、微かに移動可能である。
本実施形態において、マスク保持部材20は、静電チャック機構を含み、静電力でマスクMを保持する。マスク保持部材20は、マスクMを静電力で保持可能な保持面21を有する。保持面21は、−Z側を向き、XY平面とほぼ平行であり、マスクMの裏面と対向可能である。
開口12Kは、照明光学系ILより射出された露光光ELが入射可能な位置に形成されている。支持部材10は、開口12Kに対応する開口10Kを有する。照明光学系ILより射出された露光光ELは、開口10K及び開口12Kを介して、マスク保持部材20に保持されているマスクMに照射される。
ステージ本体19は、基板P上の1つのショット領域の走査露光中に、マスクMのパターン形成領域全体が照明光学系ILの照明領域を通過するように、Y軸方向(走査方向)に、比較的大きなストロークを有している。ステージ本体19がY軸方向に移動することによって、マスク保持部材20及びマスクMも、ステージ本体19とともにY軸方向に移動する。
ガイド部材14は、基板ステージ2の移動をガイドするガイド面14Gを有する。基板ステージ2は、ステージ本体22と、基板Pを保持しながらステージ本体22に対して移動可能な基板保持部材23とを含む。ステージ本体22は、ガイド面14GにガイドされつつXY平面内を移動可能である。基板保持部材23は、ステージ本体22の+Z側に配置されている。基板保持部材23は、基板Pを保持した状態で、ステージ本体22に対して、微かに移動可能である。
本実施形態において、基板保持部材23は、静電チャック機構を含み、静電力で基板Pを保持する。基板保持部材23は、基板Pを静電力で保持可能な保持面24を有する。保持面24は、+Z側を向き、XY平面とほぼ平行であり、基板Pの裏面と対向可能である。
図2は、マスクステージ1の近傍を示すXZ平面と平行な断面図である。図2において、露光装置EXは、マスクステージ1を移動するためのアクチュエータ装置25を備えている。アクチュエータ装置25は、ステージ本体19を移動する粗動システム26と、ステージ本体19に対してマスク保持部材20を移動する微動システム27とを備えている。
本実施形態において、粗動システム26は、ステージ本体19に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置されたリニアモータ28を備えている。リニアモータ28は、ステージ本体19の側面に設けられた可動子29と、その可動子29に対応する固定子30とを有する。固定子30は、支持部材31に支持され、ガイド部材12上に配置されている。本実施形態において、可動子29は、磁石を含み、固定子30は、コイルを含む。すなわち、本実施形態のリニアモータ28は、所謂ムービングマグネット型のリニアモータである。制御装置3は、リニアモータ28を用いて、ガイド部材12に対して、ステージ本体19を、Y軸方向に移動可能である。また、制御装置3は、ステージ本体19の+X側に配置されているリニアモータ28による駆動量と、−X側に配置されているリニアモータ28による駆動量とを異ならせることによって、θZ方向に関するステージ本体19の位置を調整可能である。
なお、本実施形態においては、支持部材31とガイド部材12との間にガスベアリングが配置されており、固定子30及び支持部材31は、ガイド部材12に対して非接触で支持されている。このため、運動量保存の法則により、ステージ本体19の+Y方向(−Y方向)の移動に応じて、固定子30及び支持部材31が−Y方向(+Y方向)に移動する。この固定子30及び支持部材31の移動により、ステージ本体19の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を抑制することができる。すなわち、本実施形態において、固定子30及び支持部材31は、所謂カウンタマスとして機能する。
本実施形態において、微動システム27は、ボイスコイルモータ32を備えている。ボイスコイルモータ32は、マスク保持部材20に設けられた可動子33と、その可動子33に対応する固定子34とを有する。固定子34は、ステージ本体19に接続されている。本実施形態において、可動子33は、磁石を含み、固定子34は、ボイスコイルを含む。制御装置3は、ボイスコイルモータ32を用いて、ステージ本体19に対して、マスク保持部材20を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向に移動可能である。
また、本実施形態においては、ステージ本体19とマスク保持部材20との間に、マスク保持部材20のZ軸方向に作用する自重をキャンセルする自重キャンセル機構35が配置されている。自重キャンセル機構35は、例えばベローズ部材を含む。また、本実施形態においては、ガイド面12Gとステージ本体19の下面とのギャップを調整するギャップ調整装置が設けられている。ギャップ調整装置は、電磁力でギャップを調整する。ガイド部材12上には固定部材37が配置されている。固定部材37の少なくとも一部は、ステージ本体19の上面と対向する。ギャップ調整装置は、固定部材37に配置された電磁石ユニット36を有する。制御装置3は、電磁石ユニット36に供給する電力(電流)を調整することによって、固定部材37とステージ本体19との間に発生する力(吸引力)を調整可能である。固定部材37とステージ本体19との間に発生する力が調整されることによって、ガイド面12Gとステージ本体19の下面とのギャップが調整される。
図3は、基板ステージ2の近傍を示す側面図である。図3において、露光装置EXは、基板ステージ2を移動するためのアクチュエータ装置38を備えている。アクチュエータ装置38は、ステージ本体22を移動する粗動システム39と、ステージ本体22に対して基板保持部材23を移動する微動システム40とを備えている。
本実施形態において、粗動システム39は、ステージ本体22をY軸方向に移動するリニアモータ41と、ステージ本体22に対して+Y側及び−Y側のそれぞれに配置されたリニアモータ42を備えている。本実施形態において、ステージ本体22は、Y軸方向に長い貫通孔22Hを有する。リニアモータ41は、貫通孔22Hの内面に設けられた可動子43と、その可動子43に対応する固定子44とを有する。固定子44は、Y軸方向に長く、貫通孔22Hに配置可能である。本実施形態において、可動子43は、磁石を含み、固定子44は、コイルを含む。すなわち、本実施形態のリニアモータ41は、所謂ムービングマグネット型のリニアモータである。制御装置3は、リニアモータ41を用いて、固定子44に対して、ステージ本体22を、Y軸方向に移動可能である。リニアモータ42は、固定子44の端に設けられた可動子46と、その可動子46に対応する固定子47とを有する。固定子47は、支持部材48に支持され、ベース部材14上に配置されている。本実施形態において、可動子46は、磁石を含み、固定子47は、コイルを含む。すなわち、本実施形態のリニアモータ42は、所謂ムービングマグネット型のリニアモータである。制御装置3は、リニアモータ42を用いて、ガイド部材14に対して、固定子44及びステージ本体22を、X軸方向に移動可能である。また、制御装置3は、ステージ本体22の+Y側に配置されているリニアモータ42による駆動量と、−Y側に配置されているリニアモータ42による駆動量とを異ならせることによって、θZ方向に関するステージ本体22の位置を調整可能である。
本実施形態において、微動システム40は、ボイスコイルモータ49を備えている。ボイスコイルモータ49は、ステージ本体22と基板保持部材23との間に複数配置されている。ボイスコイルモータ49は、例えば基板保持部材23に設けられた可動子と、その可動子に対応する固定子とを有する。固定子は、ステージ本体22に接続されている。本実施形態において、ボイスコイルモータ49の可動子は、磁石を含み、固定子は、ボイスコイルを含む。制御装置3は、ボイスコイルモータ49を用いて、ステージ本体22に対して、基板保持部材23を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向に移動可能である。
図4は、リニアモータ42を示す斜視図である。本実施形態において、リニアモータ42と、リニアモータ28、41とはほぼ同等の構成である。以下、リニアモータ42について主に説明し、リニアモータ28、41についての説明は簡略若しくは省略する。
図4において、リニアモータ42は、所定方向(X軸方向)に長い固定子47と、固定子47に対して移動可能な可動子46とを有する。固定子47は、複数のコイル50と、それらコイル50を収容する内部空間51を形成するハウジング52とを備えている。コイル50は、内部空間51において、X軸方向に複数配置されている。本実施形態において、ハウジング52は、ステンレスによって形成されている。コイル51は、ねじ部材等、所定の固定部材でハウジング52に固定されている。
可動子46は、複数の磁石53と、それら複数の磁石53を支持するヨーク54とを備えている。磁石53は、固定子47と対向するヨーク54の内側面において、X軸方向に複数配置されている。磁石53は、永久磁石である。ヨーク54の内側面において、異なる磁極の磁石53が、X軸方向に関して、所定間隔で交互に配置されている。また、固定子47を挟んで、対向する磁石53は、互いに異なる磁極を有する。XY平面内における磁石53の大きさは、コイル50の大きさより小さい。固定子47と可動子46とは離れている。可動子46は、固定子47に対して非接触状態で、X軸方向に移動可能である。
リニアモータ42は、ハウジング52の内部空間51に流体を流入させるための入口55と、内部空間51から流体を流出させるための出口56とを有する。入口55及び出口56のそれぞれは、ハウジング52の所定位置に形成されている。本実施形態においては、入口55は、ハウジング52の+X側の側面に形成され、出口56は、ハウジング52の−X側の側面に形成されている。入口55と出口56とは、内部空間51のX軸方向(長手方向)の両側に配置されている。
流体は、温度調整用の流体である。流体は、コイル50の温度を調整するために、内部空間51に供給される。例えば電力(電流)の供給によって、コイル50は、発熱する。流体は、コイル50の温度上昇を抑制するために、内部空間51に供給される。流体は、コイル50を冷却するための冷却剤として機能する。本実施形態においては、流体として、液体を用いる。
図5は、コイル50の温度を調整するための温度調整装置100の一例を示す概略構成図、図6は、図5の一部を拡大した側断面図である。温度調整装置100は、ハウジング52の内部空間51に流体を供給して、そのハウジング52の内側の内部空間51に配置されているコイル50の温度を調整する。
図5及び図6において、温度調整装置100は、内部空間51に流体を供給するための流体供給装置60を備えている。流体供給装置60は、流体が流れる流路63を有する第1チューブ61と、第1チューブ61の少なくとも一部を内部に収容可能な第2チューブ62とを備えている。すなわち、本実施形態において、流体供給装置60は、二重管構造を有する。本実施形態において、第1チューブ61の外面と第2チューブ62の内面とは離れている。第1チューブ61の外面と第2チューブ62の内面との間に空間64が形成される。
また、流体供給装置60は、温度調整用の流体を送出する流体供給部57を備えている。流体供給部57は、送出する流体の温度を調整する調整器を備えている。流体供給部57は、所定の温度に調整された流体を送出する。
第1チューブ61の一端は、入口55に接続され、他端は、流体供給部57に接続されている。流体供給部57は、外部空間45に配置されている。流体供給部57から送出された流体は、第1チューブ61の流路63を流れ、入口55を介して、内部空間51に供給される。
第2チューブ62は、内部空間5に配置されている。第2チューブ62は、内部空間5において第1チューブ61の外面が露出しないように、第1チューブ61の周囲に配置される。第2チューブ62の一端は、ハウジング52に接続され、他端は、チャンバ部材6の内面に配置された継手機構58Aに接続される。
第1、第2チューブ61、62は、可撓性である。本実施形態において、第1、第2チューブ61、62は、合成樹脂製である。
第1チューブ61の材料は、流体の種類に応じて定められている。第1チューブ61は、流体に対する耐性が高い材料で形成されている。耐性は、流体に対する耐溶解性を含む。すなわち、本実施形態においては、第1チューブ61は、流体と接触しても溶解が抑制される材料で形成されている。本実施形態において、第1チューブ61は、第2チューブ62より流体に対する耐性が高い。なお、流体に対する耐性が、第1チューブ61と第2チューブ62とで同程度に高くてもよい。
第2チューブ62は、アウトガスが少ない材料で形成されている。真空の内部空間5に配置された場合でも、第2チューブ62は、アウトガスが抑制される材料で形成されている。本実施形態において、第2チューブ62は、第1チューブ61よりアウトガスが少ない。なお、アウトガスの量が、第1チューブ61と第2チューブ62とで同程度に少なくてもよい。
また、第2チューブ62は、流体に対するバリア性が高い材料で形成されている。バリア性は、流体に対する透過性を含む。本実施形態において、流体は液体であり、第2チューブ62は、液体の気化成分が外部(内部空間5)に放出されることを抑制できる材料で形成されている。本実施形態において、第2チューブ62は、第1チューブ61より流体に対するバリア性が高い。これにより、流路63を流れる液体の気化成分が、第1チューブ61を透過して、空間64に移動した場合でも、第2チューブ62により、内部空間5に放出されることを抑制できる。なお、流体に対するバリア性が、第1チューブ61と第2チューブ62とで同程度に高くてもよい。
本実施形態においては、流体(液体)として、例えばハイドロフルオロエーテル(例えば「ノベックHFE」:住友スリーエム株式会社製)、フッ素系不活性液体(例えば「フロリナート」:住友スリーエム株式会社製)等を用いる。第1チューブ61は、ウレタン樹脂製である。第2チューブ62は、オレフィン樹脂製である。本実施形態において、第1チューブ61を内部に収容する第2チューブ62は、第1チューブ61よりアウトガスが少なく、且つ、流体に対するバリア性が高い。
なお、流体として、水を用いてもよい。流体として水を用いる場合、第1チューブ61を、オレフィン樹脂製とすることができる。
本実施形態において、流体供給装置60は、第1チューブ61と第2チューブ62との間の空間64の気体を排出する排気装置65を備えている。排気装置65は、真空システム等の吸引装置を有し、空間64の気体を吸引することによって、その空間64から気体を排出することができる。
また、本実施形態において、温度調整装置100は、内部空間51の流体を回収するための流体回収装置70を備えている。流体回収装置70は、流体が流れる流路73を有する第3チューブ71と、第3チューブ71の少なくとも一部を内部に収容可能な第4チューブ72とを備えている。第3チューブ71の外面と第4チューブ72の内面との間に空間74が形成される。
また、流体回収装置70は、流体を回収する流体回収部59を備えている。流体回収部59は、真空システム等の吸引装置を有し、流体を吸引して回収可能である。
第3チューブ71の一端は、出口56に接続され、他端は、流体回収部59に接続される。流体回収部59は、外部空間45に配置される。出口56から出た内部空間51の流体は、第3チューブ71の流路73を流れ、流体回収部59に回収される。
第4チューブ72は、内部空間5に配置される。第4チューブ72は、内部空間5において第3チューブ71の外面が露出しないように、第3チューブ71の周囲に配置される。第4チューブ72の一端は、ハウジング52に接続され、他端は、チャンバ部材6の内面に配置された継手機構58Bに接続される。
本実施形態において、第3チューブ71は、第1チューブ61と同じ材料で形成され、第4チューブ72は、第2チューブ62と同じ材料で形成されている。
本実施形態において、流体回収装置70は、第3チューブ71と第4チューブ72との間の空間74の気体を排出する排気装置75を備えている。排気装置75は、真空システム等の吸引装置を有し、空間74の気体を吸引することによって、その空間74から気体を排出することができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。
チャンバ装置4の内部空間5が、環境調整装置7によって、真空状態に調整される。また、マスクMがマスクステージ1に保持されるとともに、基板Pが基板ステージ2に保持される。制御装置3は、基板Pの露光処理を開始する。マスクMを露光光ELで照明するために、制御装置3は、照明光学系ILより露光光ELを射出する。照明光学系ILより射出された露光光ELは、マスクステージ1に保持されているマスクMに入射する。マスクMは、露光光EL(EUV光)で照明される。マスクMの反射面に照射され、その反射面で反射した露光光ELは、投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射した露光光ELは、その投影光学系PLを進行した後、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。制御装置3は、マスクMのY軸方向への移動と同期して、基板PをY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
制御装置3は、マスクMを保持したマスクステージ1を移動するために、アクチュエータ装置25を駆動する。また、制御装置3は、基板Pを保持した基板ステージ2を移動するために、アクチュエータ装置38を駆動する。制御装置3は、アクチュエータ装置25のリニアモータ28のコイル50に電流を供給するとともに、アクチュエータ装置38のリニアモータ41、42のコイル50に電流を供給する。
制御装置3は、少なくともコイル50に電流を供給するとき、温度調整装置100を用いて、コイル50の温度を調整する。制御装置3は、コイル50の温度を調整するために、流体供給部57を作動して、流体供給部57より流体を送出する。流体は、流路63を流れた後、入口55を介して、内部空間51に流入する。入口55より内部空間51に流入したガスは、内部空間51を流れる。内部空間51の流体は、その内部空間51に配置されているコイル50の熱を回収し、出口56に流れる。出口56から流出した流体は、流路73を介して、流体回収部59に吸引(回収)される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1チューブ61の周囲に第2チューブ62を配置したので、例えば流体の気体成分が内部空間5に放出されたり、アウトガスが放出されたりすることを抑制できる。したがって、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
内部空間5に流体の気体成分が放出されたり、アウトガスが放出されたりすると、例えば照明光学系IL、投影光学系PLの光学素子の反射面が汚染されたり、露光光ELの照射状態が変化したりする可能性がある。そのような問題が生じると、露光不良が発生する可能性がある。本実施形態によれば、第1チューブ61の周囲に配置される第2チューブ62は、第1チューブ61よりアウトガスが少なく、且つ、流体に対するバリア性が高い。そのため、流路63を流れる流体の気体成分が内部空間5に放出されたり、アウトガスが放出されたりすることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、排気装置65を用いて、空間63の気体を排出するので、内部空間5に流体の気体成分が放出されることをより一層、抑制することができる。例えば、流路63を流れる流体の気体成分が第1チューブ61を透過して、空間64に移動しても、その気体成分を排気装置65で空間64から排出することができる。したがって、その空間64の流体の気体成分が内部空間5に移動することを抑制することができる。
また、本実施形態においては、第1,第2チューブ61、62は、合成樹脂製であり、柔軟性及び耐久性が高い。したがって、内部空間5に流体の気体成分が放出されることを抑制することができる。
また、本実施形態においては、流体回収装置70の第3、第4チューブ71、72は、流体供給装置60の第1、第2チューブ60と同等の構成を有する。また、流体回収装置70は、流体供給装置60の排気装置57と同様の排気装置59を有する。したがって、流体回収装置70から内部空間5に流体の気体成分が放出されたり、アウトガスが放出されたりすることを抑制することができる。
なお、図7及び図8に示すように、第2チューブ62の内部に複数の第1チューブ61が配置されてもよい。図7及び図8は、第1、第2チューブ61、62の断面図である。図7及び図8に示す例によれば、空間64が大きくなるので、排気効率が向上され、排気装置65は、空間64の気体を効率良く円滑に排出することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第2実施形態に係る流体供給装置60Bの一例を示す図である。図9において、流体供給装置60Bは、流体が流れる流路63を有する第1チューブ61と、第1チューブ61を内部に収容可能な第2チューブ62Bとを有する。本実施形態において、第2チューブ62Bは、金属製である。
本実施形態において、第2チューブ62Bは、可撓性を有する金属ベローズである。本実施形態において、第2チューブ62Bは、ステンレス製である。
実施形態の第1チューブ61は、上述の第1実施形態の第1チューブ61と同等である。金属製の第2チューブ62Bは、第1チューブ61よりアウトガスが少ない。また、金属性の第2チューブ62Bは、第1チューブ61より流体に対するバリア性が高い。
本実施形態において、第1チューブ61と第2チューブ62Bとの間の空間64Bは、ほぼ密閉されている。本実施形態において、空間64Bは、ほぼ真空状態に調整されている。なお、上述の第1実施形態と同様、空間64Bの気体を排気装置で排出してもよい。
第1チューブ61の周囲に第2チューブ62Bを配置することにより、例えば流体の気体成分が内部空間5に放出されたり、アウトガスが放出されたりすることを抑制できる。本実施形態においては、第2チューブ62Bは、金属製であり、流体に対するバリア性が高く、アウトガスが少ない。
また、本実施形態によれば、第2チューブ62Bが金属ベローズであり、第1チューブ61が合成樹脂製なので、第1チューブ61及び第2チューブ62Bは、柔軟に曲がることができる。また、流体は、第1チューブ61のなめらかな内面で形成された流路63を流れるので、圧力損失の増大を抑制できる。
また、本実施形態においては、空間64B及び内部空間5のそれぞれはほぼ真空状態であり、空間64Bと内部空間5との圧力差は小さい。したがって、圧力差に起因する第2チューブ62Bの変形を抑制できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、温度調整装置100Cが、基板Pを保持する保持面24を有する保持部材23の少なくとも一部の温度を調整する場合を例にして説明する。図10は、第3実施形態に係る保持部材23の一例を示す側断面図、図11は、図10のXY平面と平行な断面図である。
図10及び図11において、基板ステージ2の保持部材23は、基板Pの裏面と対向可能な保持面24を有する。保持部材23は、基板Pの裏面を保持する。基板Pの裏面は、露光光ELが照射される表面とは反対側の面である。保持部材23は、基板Pの裏面と対向可能な対向面23Aと、対向面23A上に設けられ、基板Pの裏面を支持する支持部材91とを有する。本実施形態においては、対向面23Aは、+Z方向を向くように配置され、XY平面とほぼ平行である。支持部材91は、例えばピン状の部材であり、対向面23Aに複数配置されている。支持部材91は、所定の間隔をあけて、対向面23Aの複数の位置のそれぞれに配置されている。支持部材91は、基板Pの裏面を支持する上面(支持面)91Aを有する。上面91Aのそれぞれは、Z軸方向に関してほぼ同じ位置(高さ)に配置されている。本実施形態においては、保持面24は、対向面23A及び上面91Aを含む。
本実施形態において、保持部材23は、静電チャック機構を含み、基板Pの裏面を静電力で保持する。保持部材23は、保持面24に静電力を発生するための電極部材90を有する。電極部材90は、保持部材23の内部に配置されている。電極部材90は、保持部材23の複数の所定位置のそれぞれに設けられている。電極部材90のそれぞれは、電気配線92を介して、電源93と電気的に接続可能である。電源93は、電極部材90のそれぞれに、所定の電圧を印加可能である。電源93は、例えばチャンバ装置4の外側に配置されている。
なお、本実施形態の静電チャック機構は、所謂、双極方式である。電極部材90は、正の電位が与えられる保持用電極と、負の電位が与えられる保持用電極とを含む。なお、図10においては、正の電位が与えられる電極部材90のみが示されており、負の電位が与えられる保持用電極の図示が省略されている。
本実施形態の保持部材23は、低膨張セラミックスを含む絶縁材料で形成されている。保持部材23の少なくとも一部は、静電チャック機構の誘電体として機能する。対向面23Aは、上述の低膨張セラミックスを含む絶縁材料で形成されている。電極部材90は、対向面23Aの−Z側の保持部材23の内部に配置されている。
複数の電極部材90のそれぞれは、印加される電圧に応じて、基板Pを支持部材91に吸着するための静電力を発生させる。制御装置3は、電源93を用いて、電極部材90に所定の電圧を印加することによって、基板Pと保持部材23との間にクーロン力(ジャンセン・ラーベック力)を発生させる。これにより、基板Pは静電力によって支持部材91に吸着され、保持部材23は、静電力で基板Pを保持する。
本実施形態において、保持部材23は、温度調整用の流体が流れる内部流路51Cを有する。本実施形態においては、内部流路51Cは、電極部材90の−Z側に形成されている。保持部材23は、内部流路51Cに流体を流入させるための入口55Cと、内部流路51Cから流体を流出させるための出口56Cとを備えている。
本実施形態において、温度調整装置100Cは、入口55Cに接続され、入口55Cを介して内部流路51Cに流入させるための流体が流れる流路63Cを形成する第1チューブ61Cと、第1チューブ61Cを内部に収容する第2チューブ62Cとを有する。また、温度調整装置100Cは、出口56Cに接続され、出口56Cを介して内部流路51Cから流出した流体が流れる流路73Cを形成する第3チューブ71Cと、第3チューブ71Cを内部に収容する第4チューブ72Cとを有する。入口55Cには、流体供給部から送出され、流路63Cを流れた流体が供給される。出口56Cより出た内部流路51Cの流体は、流路73Cを流れて、流体回収部に回収される。また、温度調整装置100Cは、第1チューブ61Cと第2チューブ62Cとの間の空間64Cの気体を排出する排気装置と、第3チューブ71Cと第4チューブ72Cとの間の空間74Cの気体を排出する排気装置とを有する。
温度調整装置100Cは、電極部材90の温度を調整するために、入口55Cを介して内部流路51Cに流体を供給する。内部流路51Cに流体が流れることによって、内部空間51Cの外側に配置されている電極部材90の温度が調整される。本実施形態によれば、発熱する電極部材90を冷却することができる。
なお、上述の第2実施形態で説明したような、第2チューブ62B(金属ベローズ)の内部に配置された第1チューブ61の流路63を介して、内部流路51Cに流体を供給することができる。
なお、本実施形態の温度調整装置100Cと同様の温度調整装置を、マスク保持部材20に設けることができる。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、温度調整用の流体が液体である場合を例にして説明したが、気体でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXがEUV露光装置である場合を例にして説明したが、露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等を用いてもよい。また、上述の各実施形態においては、露光光ELが進行する内部空間5が真空状態である場合を例にして説明したが、空気、窒素ガス等、所定のガスで満たされた空間でもよい。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図12に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態に従って、マスクを介した露光光で基板を露光すること、及び露光した基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…マスクステージ、2…基板ステージ、20…マスク保持部材、23…基板保持部材、28…リニアモータ、41…リニアモータ、42…リニアモータ、50…コイル、51…内部空間、52…ハウジング、55…入口、56…出口、60…流体供給装置、61…第1チューブ、62…第2チューブ、63…流路、64…空間、65…排気装置、100…温度調整装置、70…電極部材、EL…露光光、EX…露光装置、M…マスク、P…基板
Claims (24)
- 流体が流れる第1チューブと、
前記第1チューブの少なくとも一部を内部に収容可能な第2チューブと、
前記第1チューブと前記第2チューブとの間の空間の気体を排出する排気装置と、を備えた流体供給装置。 - 前記第2チューブは、前記第1チューブよりアウトガスが少ない請求項1記載の流体供給装置。
- 前記第1チューブは、前記第2チューブより前記流体に対する耐性が高い請求項1又は2記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、合成樹脂を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、オレフィン樹脂を含む請求項1〜4のいずれか一項記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、前記第1チューブより前記流体に対するバリア性が高い請求項1〜5のいずれか一項記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、金属を含む請求項6記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、ベローズを含む請求項1〜7のいずれか一項記載の流体供給装置。
- 前記第1チューブは、合成樹脂を含む請求項1〜8のいずれか一項記載の流体供給装置。
- 前記第1チューブは、ウレタン樹脂を含む請求項9記載の流体供給装置。
- 流体が流れる第1チューブと、
前記第1チューブの少なくとも一部を内部に収容可能で、前記第1チューブよりアウトガスが少なく、且つ、前記流体に対するバリア性が高い第2チューブと、を備えた流体供給装置。 - 前記第1チューブは、前記第2チューブより前記流体に対する耐性が高い請求項11記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、金属ベローズを含む請求項11又は12記載の流体供給装置。
- 前記第2チューブは、ステンレスを含む請求項13記載の流体供給装置。
- 前記第1チューブは、合成樹脂を含む請求項11〜14のいずれか一項記載の流体供給装置。
- 前記第1チューブは、オレフィン樹脂を含む請求項15記載の流体供給装置。
- 前記第1チューブは、ウレタン樹脂を含む請求項15記載の流体供給装置。
- 所定空間に温度調整用の流体を供給して物体の温度を調整する温度調整装置であって、
前記所定空間に流体を供給するために、請求項1〜17のいずれか一項記載の流体供給装置を有する温度調整装置。 - 露光光で基板を露光する露光装置であって、
該露光装置を構成している複数の物体のうち、少なくとも1個の物体の温度を調整するために、請求項18記載の温度調整装置を備えた露光装置。 - コイルを有するアクチュエータ装置を備え、
前記少なくとも1個の物体は、前記コイルを含む請求項19記載の露光装置。 - 前記所定空間を形成するハウジングを備え、
前記コイルは、前記ハウジングの内側に配置される請求項20記載の露光装置。 - 保持面を有する保持部材と、前記保持部材に配置され、前記保持面に静電力を発生するための電極部材とを有する保持装置を備え、
前記少なくとも1個の物体は、前記電極部材を含む請求項20記載の露光装置。 - 前記所定空間は、前記保持部材の内部に形成され、
前記電極部材は、前記所定空間の外側に配置される請求項22記載の露光装置。 - 請求項19〜23のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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US11996262B2 (en) | 2020-02-18 | 2024-05-28 | Asml Netherlands B.V. | Fluid transfer system in a charged particle system |
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