JP2009277539A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスの拡散性のみならず、生成水の排水性にも優れた燃料電池を提供する。
【解決手段】膜電極接合体、エキスパンドメタルからなるガス流路層20、セパレータを備えてなる燃料電池であり、ガス流路層20は対向する2つの端辺を2組備えており、一方の端辺近傍にはガス流路層20にガスを供給する第1の供給マニホールド21aと第1の排気マニホールド21bが設けられ、他方の端辺近傍には第2の供給マニホールド22aと第2の排気マニホールド22bが設けられ、第1の供給マニホールド21aから第1の排気マニホールド21bへのガス流れに対する流動抵抗が、第2の供給マニホールド22aから第2の排気マニホールド22bへのガス流れに対する流動抵抗よりも大きくなっており、該ガス流路層20の面内の2方向のいずれか一方向もしくは双方向に選択的にガスが流れるようになっている。
【選択図】図2
【解決手段】膜電極接合体、エキスパンドメタルからなるガス流路層20、セパレータを備えてなる燃料電池であり、ガス流路層20は対向する2つの端辺を2組備えており、一方の端辺近傍にはガス流路層20にガスを供給する第1の供給マニホールド21aと第1の排気マニホールド21bが設けられ、他方の端辺近傍には第2の供給マニホールド22aと第2の排気マニホールド22bが設けられ、第1の供給マニホールド21aから第1の排気マニホールド21bへのガス流れに対する流動抵抗が、第2の供給マニホールド22aから第2の排気マニホールド22bへのガス流れに対する流動抵抗よりも大きくなっており、該ガス流路層20の面内の2方向のいずれか一方向もしくは双方向に選択的にガスが流れるようになっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池に係り、特に、発電効率に優れ、生成水の排水性に優れた燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池の単セルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード電極層およびカソード電極層とからなる膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)、もしくは、該電極層をガス拡散層(GDL)で挟持してなる膜電極接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)と、該膜電極接合体に燃料ガスもしくは酸化剤ガスを提供するとともに電気化学反応によって生じた電気を集電するためのガス流路層およびセパレータを少なくとも備えている。なお、セパレータがガス流路層の作用をも兼ね備えたセル構造も従来一般に知られるところである。燃料電池スタックは、所要電力に応じてこの単セルを所定数だけ積層することによって形成されている。
上記する燃料電池では、アノード電極に燃料ガスとして水素ガス等が提供され、カソード電極には酸化剤ガスとして酸素や空気が提供され、各電極では固有のガス流路層にて面内方向にガスが流れ、次いでガス拡散層にて拡散されたガスが電極触媒に導かれて電気化学反応がおこなわれるものである。
セパレータからガス流路層が分離された燃料電池において、そのアノード側、カソード側いずれのガス流路層においても、平面視が矩形のガス流路層の対向する一組の端辺近傍に形成された供給マニホールドと排気マニホールドの間で酸化剤ガスや水素ガスが流れるようになっており、他方の端辺近傍に形成されたマニホールドの間ではガスに湿度を付与するための給水マニホールドと排水マニホールドが形成されており、かかるマニホールド構成のセル構造を有する燃料電池が特許文献1に開示されている。
ところで、上記するガス流路層を多孔質のエキスパンドメタル(ラスメタルともいう)から形成する場合、その多孔構造は面内2方向でガスの流動抵抗が異なるものであり、ガスの拡散性の観点から、通常は流動抵抗の大きな方向にガスが流れるようになっている。これをラスメタルからなるガス流路層を平面的に見た図6に基づいて説明すると、エキスパンドメタルAの外周を矩形輪郭で縁取るフレーム材Bのうち、一組の対向する2つの端辺のうちの一方の端辺にガスをガス流路層内に供給するための複数の供給マニホールドC,…が形成され、他方の端辺にはそれぞれの供給マニホールドCに対応する位置にガスを排気するための排気マニホールドD,…が形成されている。エキスパンドメタルAは、その多孔構造からガスの流動抵抗の大きな方向と、これに直行するガスの流動抵抗の小さな方向をその面内に備えており、通常は、供給マニホールドCと排気マニホールドDを繋ぐラインがガスの流動抵抗が大きな方向となるようにエキスパンドメタルAが配されており、図中のガス流れ:F1のごとく、エキスパンドメタル間をガスが乱流状に流れて拡散されるようになっている。
図示のごとくガスの流れ方向が規定されることでガスの拡散性は良好となるが、その一方で、電気化学反応にて生じた生成水をこの方向に流そうとすると、該方向でのガス流れに対する流動抵抗が大きいことで排水効果が期待できず、ガス流路層に生成水が滞留し易い。また、一度滞留してエキスパンドメタルの孔が水膜で詰まってしまうと、この方向にガスを流しても毛管力によって該孔を閉塞している水膜を容易に排除しきれず、結果としてフラッティングが齎され、MEAへのガス供給が阻害され得る。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、ガスの拡散性のみならず、生成水の排水性にも優れた燃料電池を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による燃料電池は、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード電極層およびカソード電極層と、を少なくとも備えた膜電極接合体と、該膜電極接合体を挟持するアノード側およびカソード側のガス流路層と、該ガス流路層を挟持するアノード側およびカソード側のセパレータと、を備えてなる燃料電池であって、前記ガス流路層は対向する2つの端辺を2組備えており、一方の組の端辺近傍にはガス流路層にガスを供給する第1の供給マニホールドと、ガス流路層を流れたガスを排気する第1の排気マニホールドが設けられ、他方の組の端辺近傍には第2の供給マニホールドと第2の排気マニホールドが設けられており、少なくともカソード側のガス流路層は多孔質のエキスパンドメタルから形成されており、第1の供給マニホールドから第1の排気マニホールドへのガス流れに対する流動抵抗が、第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへのガス流れに対する流動抵抗よりも大きくなっており、該ガス流路層の面内の2方向のいずれか一方向もしくは双方向に選択的にガスが流れるようになっているものである。
本発明の燃料電池は、ガス流路層がセパレータから分離された形態のセル構造を備えた燃料電池であり、このガス流路層が面内2方向でガスの流動抵抗が異なるエキスパンドメタルから形成されるものであり、その2方向にそれぞれ対向する一組のガス供給マニホールドとガス排気マニホールドを備え、さらに、この2方向のいずれか一方へのガス流れ、もしくは双方向へのガス流れが選択的に実行される燃料電池である。従来のセル構造を形成するエキスパンドメタルからなるガス流路層がその面内の一方向、より具体的には、エキスパンドメタルの流動抵抗の大きな方向にガスを流すものであるのに対して、本発明の燃料電池を構成するセル構造では、エキスパンドメタルからなるガス流路層の面内2方向へのガス流れをその基本構成とし、その流れ方向が選択的に制御されるものである。
このエキスパンドメタルからなるガス流路層は少なくともカソード側に設けられており、たとえば、カソード側のみにエキスパンドメタルからなるガス流路層が設けられ、アノード側には発泡金属からなる多孔質のガス流路層が設けられる形態であってもよいし、カソード側とアノード側の双方にエキスパンドメタルからなるガス流路層が設けられる形態であってもよい。
カソード側のガス流路層には酸化剤ガスが、アノード側のガス流路層には燃料ガス(水素ガス)がそれぞれ面内方向に拡散して流れ、それぞれのガス流路層に流れたガスはガス拡散層の厚み方向に拡散されながらMEAに提供される。
また、特にカソード側のガス流路層においては、電気化学反応によって生成された生成水もガス流路層内を流れた酸化剤ガスと同様に排気マニホールドを介して排水される。
上記するガス流路層を少なくともカソード側に具備するセル構造を備えた本発明の燃料電池によれば、面内の一方向へガスが流されていた従来のガス流路層を備えた燃料電池に比して、2方向へのガス流れを選択することもでき、たとえば、発電時に流動抵抗の大きな通常のガス流れ方向へのガス流れが滞留水によるエキスパンドメタルの閉塞によって阻害された場合には、流動抵抗の小さな方向へのガス流れも同時に実行することにとり、MEAへのガスの提供阻害が効果的に解消される。なお、ガスの流動抵抗が大きいとは、ガス流れに対する圧力損失が大きいと言い換えることもできる。
また、本発明による燃料電池の好ましい実施の形態は、ガス制御手段をさらに具備しており、前記ガス制御手段により、燃料電池の発電時には、第1の供給マニホールドから第1の排気マニホールドへガスを流し、発電停止時には、第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへガスを流すようにガス流れが制御されているものである。
2方向へのガスの流れ方向を選択自在な本発明の燃料電池において、そのガスの流れ方向を発電時と発電停止時のそれぞれの場合に変更するガス制御手段を備えたものであり、これにより、特に、生成水の効率的かつ迅速な排水が促進されるものである。
通常の発電時には、ガス流路層内におけるガスの拡散流動性を促進するべく、エキスパンドメタルの流動抵抗の大きな方向(第1の供給マニホールドから第1の排気マニホールドへ向う方向)にガス(カソード側では酸化剤ガス)を流すようにガス流れが制御される。なお、通常のエキスパンドメタルにおいては、流動抵抗の大きな方向にはたとえば6角形状の多孔構造が形成されており、流動抵抗の小さな方向には連続する多孔構造内を抜けながら、ほぼ直線状のガス流れが形成されるようになっている。
この流動抵抗の大きな方向には、上記するように、電気化学反応にて生成された生成水がエキスパンドメタルの孔を閉塞して滞留し易くなっており、発電時に生成水がエキスパンドメタルの孔を閉塞しないまでも、排気マニホールドから排水されずにガス流路層内に留まることも十分にある。これは、流動抵抗の大きな方向へのガスが拡散性には優れている一方で、ガスの流速は低下し易く、結果として滞留水を排水し難いことにも起因している。この状態で、次の発電をおこなった場合に、ガス流路層内で生成水が滞留し易くなることは理解に易く、したがって、発電停止時にはガス流路層内に留まっている生成水を十分に排水しておくことが望ましい。
そこで、本実施の形態では、ガス制御手段によるガスの流れ方向制御により、発電時にはエキスパンドメタルの流動抵抗の大きな方向にガスを流し、発電停止時には流動抵抗の小さな方向(第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへ向う方向)、すなわち、複数の連通する流路溝に沿ってガスを流すことにより、ガス圧によってガスの流れ方向に滞留している水を押出し、第2の排気マニホールドを介して排水するものである。
上記するガスの流れ制御により、ガス流路層内における発電時の効果的なガスの拡散流動を確保でき、さらには、発電時に生成された生成水を発電停止時に効果的に排水することで生成水の滞留を効果的に促進することが可能となる。
なお、発電時および発電停止時において、ガス流路層の2方向にガス流れを実行するようにしてもよいが、ガス供給電力を節減する観点から、上記のごとく、発電時、発電停止時にそれぞれ固有の一方向へのガス流れを実行するのが好ましい。
また、発電停止時においてエキスパンドメタルの流動抵抗の小さな方向へ流すガスは、たとえばカソード側においては、必ずしも空気や酸素などの酸化剤ガスである必要はなく、窒素や水素、ヘリウムなど、適宜のガスを使用することができる。
さらに、本発明による燃料電池の好ましい実施の形態は、前記ガス制御手段により、燃料電池の発電時にエキスパンドメタル内に生成水が滞留した際に、第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへのガス流れが実行制御されるものである。
本実施の形態では、発電時にエキスパンドメタル内に生成水が滞留し、エキスパンドメタルの孔が滞留水にて閉塞された際に、上記するガス制御手段が、流動抵抗の小さな方向へのガス流れを実行制御するものである。
たとえば、起電力に下限の閾値を設けておき、起電力がこの閾値に達した段階で流動抵抗の小さな方向へのガス流れを実行して滞留水を排水する制御方法や、流動抵抗の大きな方向へ流れるガス量を排気マニホールド側でセンシングしておき、ガス量が所定の閾値以下となった段階で流動抵抗の小さな方向へのガス流れを開始する制御方法などを適用できる。
本実施の形態によれば、発電時におけるガスの拡散流動性、発電停止時におけるガス流路層内に溜まった生成水の効果的な排水性の双方が得られ、さらには、発電時に生じ得るフラッティングの迅速な解消を実現することが可能となる。
上記する燃料電池は、近時その生産が拡大しており、車載される燃料電池の高性能化、特にガスの良好な拡散性とフラッティング防止の双方を実現可能な燃料電池の開発が叫ばれている電気自動車やハイブリッド車等に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明の燃料電池によれば、エキスパンドメタルからなるガス流路層の面内2方向に選択的にガスを流すことにより、発電時のガスの良好な拡散流動と、発電停止時の生成水の良好な排水の双方を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の燃料電池スタックを構成する単セルの一実施の形態の縦断面図である。
図1は、本発明の燃料電池の単セルの一実施の形態の縦断図を示している。この単セル100は、電解質膜11とこれを挟持するカソード電極層12およびアノード電極層13とからなる膜電極接合体10(MEA)と、膜電極接合体10を挟持するガス拡散層14,15とからなる電極体10A(MEGA)が形成されており、この電極体10Aのカソード電極側のガス流路層20およびアノード電極側のガス流路層30と、さらにガス流路層20,30を挟持するセパレータ40,40とから大略構成されるものである。
電解質膜11は、スルホン酸基やカルボニル基を持つフッ素系イオン交換膜、置換フェニレンオキサイドやスルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン、スルホン化フェニレンスルファイドなどの非フッ素系のポリマーなどからなり、電極層12,13は、白金やその合金からなる触媒をカーボン等に担持させた多孔質素材からなる。ガス拡散層14,15はカーボンペーパーやカーボンクロスなどのガス透過性の素材から形成され、ガス流路層20,30は多孔質のエキスパンドメタルから形成される。
3層構造のセパレータ40は、隣接する単セルとの間でセル間を画成する面材43と、これに対向するMEGA側の面材41と、これら面材41,43間に介層され、面材41,43の外周輪郭に沿う枠状(無端状)に形成された樹脂素材のスペーサ42と、から構成されている。この面材41,43は、ガス不透過性の緻密なカーボン材や緻密黒鉛材などから形成される。面材41における面材43に対向する側面には、不図示の多数の突起(ディンプル)が備えてあり、この突起がスペーサ42の厚み分の高さを有していることにより、3層構造となった際に、突起の先端が面材43の側面と当接され、乱流状に突起間を流れる冷却水の流路が形成される。
酸化剤ガスをガス流路層20を介してカソード電極層12に提供するために、セパレータ40には流入マニホールド40aが形成されており、ガス流路層20を縁取るフレーム21には図示する積層態様においてこの流入孔40aに対応する位置に第1の供給マニホールド21aが形成されている。なお、アノード電極側においても、燃料ガスである水素ガスをアノード電極層13に提供するための供給マニホールドがガス流路層30を縁取るフレーム31に形成されており、セパレータ40に形成された流入マニホールドに連通している。
カソード電極側では、電気化学反応によって生成水が生じるが、この生成水は、上記する上流側の第1の供給マニホールド21aに対応する下流側位置において、ガス流路層20の外周のフレーム21に形成された第1の排気マニホールド21bを介し、これが連通するセパレータ40に形成された流出マニホールド40bを介して排水されるようになっている。
さらに、カソード電極層12とアノード電極層13の各層に提供されるガスのシール性を担保するためのシール材50が電極体10Aの側端部に設けられている。このシール材50は、樹脂シートをラミネートしたものや、射出成形にて形成されたゴムガスケットなどからなる。
実際の燃料電池においては、所望する発電量に応じて図示する単セル100が所定段積層されて燃料電池スタックが形成される。さらに、この燃料電池スタックは、最外側にエンドプレート、テンションプレート等を備え、両端のテンションプレート間に圧縮力が加えられて燃料電池が形成される。
電気自動車等に車載される燃料電池システムは、この燃料電池と、水素ガスや空気を収容する各種タンク、これらのガスを燃料電池に提供するためのブロア、燃料電池を冷却するためのラジエータ、燃料電池で生成された電力を蓄電するバッテリ、この電力で駆動する駆動モータ等から大略構成されるものである。
また、図示を省略するが、発電時にカソード側のガス流路層20に所定量の酸化剤ガスを、アノード側のガス流路層30に所定量の燃料ガスを供給し、発電停止時には、適宜のガスをガス流路層20,30内に供給するガス制御装置がこの燃料電池システム内に設けられている。このガス制御装置によるガスの流れ制御方法は後述する。
図2は図1のII−II矢視図であって発電時のガス流れを説明した図であり、図3は図2のIII部を拡大して斜視的に見たものである。エキスパンドメタルからなるガス流路層20は外周を矩形輪郭のフレーム21で囲繞されており、フレーム21の対向する端辺において、酸化剤ガスが流入する複数の第1の供給マニホールド21aが設けてあり、これに対向する端辺においてそれぞれの第1の供給マニホールド21aに対応する位置には第1の排気マニホールド21bが設けてある。この排気マニホールド21bは、ガス流路層20内を流れた酸化剤ガスのほかに、電気化学反応にて生成された生成水を排出するマニホールドでもある。図示例では、3つの第1の供給マニホールド21aと、これらに対応する他方の端辺位置、すなわち、対応する第1の供給マニホールド21aとの間で直線的にガスが流れた場合にこれが排出される位置に3つの第1の排気マニホールド21bが形成されている。
また、第1の供給マニホールド21aから第1の排気マニホールド21bへ向う方向と直交する方向のフレーム21の端辺には、やはりガスをガス流路層20内に供給する第2の供給マニホールド22aと、その対向する端辺位置においてガス流路層20内を流れたガスが排気される第2の排気マニホールド22bが形成されており、図示例では、これら第2の供給マニホールド22a、排気マニホールド22bも3組形成されている。なお、第1の供給マニホールド21a、排気マニホールド21b、第2の供給マニホールド22a、排気マニホールド22bそれぞれの基数が図示例に限定されるものでないことは言うまでもない。
ガス流路層20を構成するエキスパンドメタルは、図3で示すように山部Yと谷部Tが交互に形成された一条の波型部Nが複数条並列に配置されたものであり、かつ、相隣る一方の波型部Nの山部Yに他方の波型部Nの谷部Tが対向する姿勢で形成されており、谷部Tを流れたガスが次ぎの山部Yに衝突し、これを繰り返しながら流れていくことで(図中のガス流れ:F1)、ガス流れに対する流動抵抗が大きくなる。
図2に戻り、第1の供給マニホールド21aから第1の排気マニホールド21bに向う方向の流動抵抗が大きくなるようにエキスパンドメタルが配されており、図示のごときガス流路層20内を酸化剤ガスが乱流状に流れる結果(図中のF1のガス流れ)、ガス流路層20内における酸化剤ガスの拡散流動が促進される。ガス流路層20内を拡散流動した酸化剤ガスは、ガス拡散層14を介してその厚み方向に拡散され、MEA10に供給されることとなる。なお、アノード側においても同様の流れで燃料ガスが拡散され、MEA10に供給される。
燃料電池の発電時においては、不図示のガス制御装置により、第1の供給マニホールド21aのみから酸化剤ガスがガス流路層20内に供給されるようになっている。
発電が進行するにつれて、電気化学反応にて生成され、排水しきれずにガス流路層20内に残った生成水が蓄積していく。
発電が終了したら、ガス流路層20内に残った生成水を効率的に排水するべく、図4で示すように、適宜のガス(空気、窒素ガスなど)を第2の供給マニホールド22aからガス流路層20内に供給し、第2の排気マニホールド22bを介してガスを排気するとともに(図中のF2のガス流れ)、このガス圧にて生成水を第2の排気マニホールド22bに押し出して排水する。発電終了後に、第1の供給マニホールド21aからの酸化剤ガスの供給を停止させ、次いで第2の供給マニホールド22aからのガスの供給を開示し、所定時間後にこのガス供給を停止させるガスの流れ制御も、上記するガス制御装置によって実行される。
図4のV部を拡大して斜視図で示した図5から明らかなように、エキスパンドメタルは一条の波型部Nがそれぞれの山部Y,谷部Tをずらしながら並列配置されており、したがって、波型部N,N間にできた連続する隙間を介して比較的直線状のガス流れ:F2が励起される。
このような略直線状のガス流れは、図3で示すガス流れ:F1に対して流動抵抗が格段に小さいものであり、その流速は格段に高められ、エキスパンドメタル内に溜まった生成水の排水性が良好となる。したがって、比較的短時間のガス流れにより、溜まった生成水を効果的に排水することができる。
また、発電時にフラッティングが生じ、図2,3で示すガス流れ:F2が阻害される場合もある。このような場合には、図2で示す酸化剤ガスのガス流れを続行しながら、図4で示すガス流れを同時に実行するガスの流れ制御がガス制御装置にておこなわれる。たとえば、燃料電池システム内の計測装置にて計測された発電量(起電力)に下限閾値を設けておき、この閾値を下回った段階でガス流路層20内にガス流れを阻害する(発電を阻害する)生成水のフラッティングが生じていると特定する。フラッティングと特定された段階で、ガス制御装置によって図4のガス流れ:F1が実行され、滞留する生成水を排気マニホールド22bへ排水することでフラッティングを短時間に解消することができる。
上記する本発明の燃料電池によれば、発電時にはガス流路層内を流動抵抗の大きな方向に酸化剤ガスが流れることで良好なガスの拡散流動がおこなわれ、発電時のフラッティングの際、もしくは、発電停止時には、ガス流路層内を流動抵抗の小さな方向にガスが流れることで該ガス流路層内に溜まった生成水を効率よく迅速に排水することができる。また、発電時、発電停止時にそれぞれ固有の一方向へガスを流すことにより、一度に2方向へガスを流す場合に比してガス供給源(たとえばブロア)の電力節減に繋がる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10…膜電極接合体(MEA)、10A…膜電極接合体とガス拡散層からなる電極体(MEGA)、11…電解質膜、12…カソード電極層、13…アノード電極層、14,15…ガス拡散層(GDL)、20,30…ガス流路層、21,31…フレーム、21a…第1の供給マニホールド、21b…第1の排気マニホールド、22a…第2の供給マニホールド、22b…第2の排気マニホールド、40…セパレータ、40a…流入孔、40b…流出孔、41,43…面材、42…スペーサ、50…シール材、100…燃料電池の単セル、Y…山部、T…谷部、N…波型部
Claims (3)
- イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード電極層およびカソード電極層と、を少なくとも備えた膜電極接合体と、該膜電極接合体を挟持するアノード側およびカソード側のガス流路層と、該ガス流路層を挟持するアノード側およびカソード側のセパレータと、を備えてなる燃料電池であって、
前記ガス流路層は対向する2つの端辺を2組備えており、一方の組の端辺近傍にはガス流路層にガスを供給する第1の供給マニホールドと、ガス流路層を流れたガスを排気する第1の排気マニホールドが設けられ、他方の組の端辺近傍には第2の供給マニホールドと第2の排気マニホールドが設けられており、
少なくともカソード側のガス流路層は多孔質のエキスパンドメタルから形成されており、第1の供給マニホールドから第1の排気マニホールドへのガス流れに対する流動抵抗が、第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへのガス流れに対する流動抵抗よりも大きくなっており、該ガス流路層の面内の2方向のいずれか一方向もしくは双方向に選択的にガスが流れるようになっている、燃料電池。 - 前記燃料電池は、ガス制御手段をさらに具備しており、
前記ガス制御手段により、燃料電池の発電時には、第1の供給マニホールドから第1の排気マニホールドへガスを流し、発電停止時には、第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへガスを流すようにガス流れが制御されている、請求項1に記載の燃料電池。 - 前記ガス制御手段により、燃料電池の発電時にエキスパンドメタル内に生成水が滞留した際に、第2の供給マニホールドから第2の排気マニホールドへのガス流れが実行制御されている、請求項2に記載の燃料電池。
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