JP2009117250A - カソード電極側のガス流路層と燃料電池 - Google Patents

カソード電極側のガス流路層と燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】排水性能に優れ、ガス流れ用動力の削減が図れ、さらには、面内均一な発電によって齎される発電性能の向上を図ることのできる、カソード電極側のガス流路層とこれを備えた燃料電池を提供する。
【解決手段】膜電極接合体10と、ガス流路層20,30と、セパレータ40,40と、を少なくとも備えた燃料電池の単セル100における、カソード電極側のガス流路層20であり、このガス流路層20は、対向する2つの端辺を備え、一方の端辺近傍には該ガス流路層20に酸化剤ガスを提供するための流入孔21aが形成され、他方の端辺近傍の該流入孔21aに対応する位置には生成水を排出するための流出孔21bが形成されており、流入孔側である上流側から流出孔側である下流側に向ってガス流れに対する圧力損失が異なる複数の領域、すなわち、相対的に圧力損失の低い上流側領域20Aと圧力損失の高い下流側領域20Bを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池のカソード電極側のガス流路層と、これを備えた固体高分子型燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池の単セルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側電極層およびカソード側電極層とからなる膜電極接合体、もしくは、該電極層をガス拡散層で挟持してなる膜電極接合体と、該膜電極接合体に燃料ガスもしくは酸化剤ガスを提供するとともに電気化学反応によって生じた電気を集電するためのガス流路層およびスペーサを少なくとも備えている。なお、スペーサがガス流路層の作用をも兼ね備えたセル構造も従来一般に知られるところである。燃料電池スタックは、所要電力に応じてこの単セルを所定数だけ積層することによって形成されている。
上記する燃料電池では、アノード電極に燃料ガスとして水素ガス等が提供され、カソード電極には酸化剤ガスとして酸素や空気が提供され、各電極では固有のガス流路層にて面内方向にガスが流れ、次いでガス拡散層にて拡散されたガスが電極触媒に導かれて電気化学反応がおこなわれるものである。
ところで、カソード電極側での電気化学反応では反応水が生成されるが、もともと所定湿度をもって流入してきた酸化剤ガスがこの反応水によってさらに加湿されることから、ガス流路層のガス流入孔側からガス流出孔側に向ってガス湿度が高くなるのが一般的である。また、ガス流入孔付近ではガスは乾燥気味であり、場合によっては完全に乾燥してしまう、ドライアップが生じることが往々にしてある。その一方で、ガス流出孔付近では生成水がガス流路を塞いでしまう、フラッティングが生じ得る。
上記フラッティングが生じてしまうと、その部位では生成水の滞留によって電気化学反応が阻害されて発電できず、セルの発電性能の低下に直結する。したがって、固体高分子型燃料電池のセル構造のうち、特にカソード側のガス流路層においては、そのガス流出孔付近で排水性能を如何に担保するかが重要となる。
一方、カソード側のガス流路層のガス流入孔付近では、ドライアップを回避すべく、如何に酸化剤ガスの加湿状態を維持することができるかが重要となる。
ところで、固体高分子型燃料電池の単セルを構成するガス流路層にかかる従来技術として、たとえば特許文献1を挙げることができる。このガス流路層(ここではコレクタと称されている)は、六角形状の貫通孔が網目状かつ階段状に形成されたラスメタルからなるものであり、触媒層と線接触させることを可能とし、ガスの良好な供給を実現せんとするものである。
特開2007−87768号公報
特許文献1に開示のガス流路層(コレクタ)を具備した固体高分子型燃料電池とすることにより、ガスを触媒層に良好に提供することができる。しかし、このガス流路層をもってしても、上記する課題、すなわち、ガス流出孔付近に生成水が滞留し、ガス流路を塞いでしまうという課題を解消すること、および、ガス流入孔付近におけるドライアップを抑止すること、の双方をともに実現することは難しい。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で、生成水を効果的にガス流路層外に排出することができ、さらには、ガス流入孔付近でのドライアップを効果的に抑止することができ、もって、発電性能の向上と可及的に低い動力での発電を実現することのできるカソード電極側のガス流路層と、これを具備する燃料電池を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるカソード電極側のガス流路層は、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード電極層およびカソード電極層と、を少なくとも備えた膜電極接合体と、カソード電極層の外側に位置して、該膜電極接合体にガスを提供するべく、その面内でガスを流すとともに電気化学反応で生成された生成水を排出するガス流路層と、膜電極接合体およびガス流路層を挟持するセパレータと、を少なくとも備えた燃料電池における、カソード電極側のガス流路層であって、前記ガス流路層は少なくとも対向する2つの端辺を備え、一方の端辺近傍には該ガス流路層に酸化剤ガスを提供するための流入孔が形成され、他方の端辺近傍の該流入孔に対応する位置には生成水を排出するための流出孔が形成されており、前記ガス流路層は、流入孔側である上流側から流出孔側である下流側に向ってガス流れに対する圧力損失が異なる複数の領域をさらに備えており、前記上流側の領域から下流側の領域に向って圧力損失が高くなっていることを特徴とするものである。
本発明のガス流路層は、少なくとも電解質膜とこれを挟持するアノード電極層およびカソード電極層とからなる膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)のカソード電極層側に設けられるものである。なお、本明細書において、この膜電極接合体(MEA)は、さらにこれを挟持するガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を備えたMEGA(MEAとGDLの接合体)であってもよく、膜電極接合体の構成は特に限定されるものではない。このガス流路層がカソード電極層側において膜電極接合体とセパレータとの間に介層され、セパレータを介して該ガス流路層に提供された酸化剤ガスがガス流路層の面内を流れ、該ガス流路層に当接する膜電極接合体に酸化剤ガスが提供される。
このガス流路層は、たとえば発泡金属やラスメタルなど、内部に多数の細孔を備えた金属製の多孔質体から形成されるものであり、その外側のセパレータに形成されたガスの流入孔および流出孔に位置合わせされた流入孔および流出孔を備えており、セパレータおよびガス流路層双方の流入孔と流出孔がそれぞれ連通することでマニホールドが形成される。この流入孔からはセパレータを介して提供された酸化剤ガスがガス流路層内に提供され、たとえばガス拡散層を介してカソード電極膜に拡散提供されるものであり、流出孔からは、電気化学反応で生じた生成水や高加湿状態のガスがセパレータ側に排出される。このように、ガス流路層は、膜電極接合体への酸化剤ガスの提供と、生成水の排水と、さらには、セパレータとともに燃料電池にて発電された電気の集電をおこなうものである。
このガス流路層は、酸化剤ガスの流れ方向に関して上記する流入孔側を上流側、流出孔側を下流側と規定した場合に、当該酸化剤ガス流れに対する圧力損失が異なる複数の領域を備えていて、かつ、上流側の領域から下流側の領域に向って順に、その圧力損失が高くなるような構成を備えている。
ここで、上記する領域は2つの領域であってもよいし、3つ以上の領域であってもよく、たとえば圧力損失の異なる3つの領域からガス流路層が形成される場合には、最上流側の領域、中央の領域、最下流側の領域の順に圧力損失が高くなる。
従来のガス流路層の構造は、上記する上流側から下流側に亘って一定の圧力損失を有するもの(一つの領域)であり、この圧力損失は、上記のごとく下流側のフラッティングを防止するべく、ガス流れに対して比較的高い圧力損失を有するガス流路層とされていた。ところで、燃料電池に酸化剤ガス等を供給する車載ブロアの動力には一定の限界があり、燃料電池内部の圧力損失が高いとブロア動力を高める必要が生じることから、可及的に低動力にてガス提供を実行するためにはこのガス流路層内の圧力損失を低くする必要がある。よって、燃料電池におけるガス流路層の排水性能とガス流路層内でのガス流れに要する動力低減とはトレードオフの関係となっている。
上記課題に対し、ガス流路層を圧力損失の異なる2以上の領域から形成するとともに下流側を相対的に高い圧力損失領域とした本発明のガス流路層を利用することにより、ガス流路層全体の圧力損失を低減することができる。よって、ガス流路層全体が高圧力損失の場合に比してガス流れに要する動力を低減することが可能となる。加えて、下流側の領域では相対的にガス流れに対して圧力損失が高いことから生成水の排水性を確保することが可能となる。したがって、上記するトレードオフの最適解、すなわち、ブロア動力の低減と排水性能の確保をともに満足する効果が得られる。
また、上記する従来構造のガス流路層の場合には、上流側の領域でも圧力損失が比較的高いことから排水性が良好となる結果、この領域におけるガス湿度が十分に担保されず、結果として上記するドライアップの可能性を高めることに繋がっていた。このことは、ガス流路層の全面(カソード電極層の全面)における面内均一な発電を阻害する要因でもあった。
これに対し、本発明のガス流路層によれば、上流側の領域は圧力損失が相対的に低いことからその排水性能が低下し、結果として上流側のガス湿度を比較的高めに調整することができ、上記するドライアップの可能性を格段に低減することが可能となる。これにより、カソード電極層全面における面内均一な発電を実現でき、燃料電池の発電性能を一層高めることができる。
なお、上記するガス流路層を構成する領域の数、各領域が有する圧力損失値は、所望の排水性能や所要動力に応じて適宜設定することができるものである。
また、本発明によるカソード電極側のガス流路層の好ましい実施の形態において、前記ガス流路層は多孔質構造のラスメタルから形成されるものであり、前記多孔質構造は、山部と谷部が交互に形成される一条の波型部が複数条並列に配置されたものであって、かつ、相隣る一方の波型部の山部に他方の波型部の谷部が対向する姿勢で形成されるものであり、前記ガス流路層における最上流側の前記領域では、前記波型部の長手方向が、流入孔からこれに対応した流出孔に向う第1の方向となるように前記ラスメタルが配設されており、該最上流側の領域から下流側の領域に向って順に、各領域を形成するラスメタルの波型部の長手方向と前記第1の方向とで形成される角度が、0度より大きく90度以下の範囲において相対的に大きくなるように各領域のラスメタルが配設されている。
ラスメタルとは金属製の薄板のことであり、ステンレス鋼、炭素鋼など、その素材は任意である。また、山部と谷部が順次連続することで形成される波型部の輪郭は、山部と谷部それぞれがフラット部を有した台形の連続体や、山部がフラットを有し、谷部が鋭角である形状の連続体など、その輪郭形状も適宜設定することができる。なお、この山部や谷部の輪郭形状は、MEAまたはMEGAとガス流路層との接触面積を規定することとなる。双方の接触面積が小さい場合には、MEA等のガス接触面積が大きくなって燃料電池の発電効率が向上する一方で、MEA等からガス流路層への電気の流れが阻害されて集電抵抗が大きくなる結果、集電効率が低下することになる。逆に、双方の接触面積を大きくした場合には、集電抵抗が小さくなって集電効率が向上する一方で、MEA等のガス接触面積が小さくなる結果、燃料電地の発電効率が低下する。したがって、波型部の輪郭形状やMEA等との接触面積は、燃料電池の発電効率と集電効率の双方を勘案して決定されるのがよい。
本実施の形態のガス流路層は、複数条の波型部が併設するとともに、相隣る一方の波型部の山部に他方の波型部の谷部が対向する姿勢で形成されている。このようなラスメタル構造は、たとえば、一条の波型部の山部と谷部が交互にできるように一枚のメタル板をせん断加工し、次の波型部の加工では先行してできた波型部の谷部に対応する位置に山部が、山部に対応する位置に谷部がそれぞれくるように千鳥状にせん断加工し、この加工を順次繰り返すことによって形成することができる。たとえば、山部と谷部の双方を台形とした場合、相隣る一方の波型部の山部と他方の波型部の谷部で形成される流路は六角形の輪郭形状を呈することになるが、この輪郭形状とすることにより、ガス流路層から膜電極接合体への良好なガス供給と膜電極接合体からガス流路層への良好な集電の双方を実現することができる。
ガスの流れ方向に波型部の長手方向がくるようにラスメタルを配置した場合には、相隣る波型部間にガス流れをストレートにパスできる空間が形成されることから、ガスの層流が促進されてガス流れに対する圧力損失は低くなる。
一方、ガスの流れに対して上記配設位置からラスメタルを傾斜して配置すると、ガス流れは波型部の山部もしくは谷部によって阻害されるために、ガスの流れは層流から乱流となり、圧力損失は高くなる。
仮にガスの流れ方向に対して波型部の長手方向が直交する方向となるようにラスメタルを配置した場合には、上記する圧力損失は最も高くなることは理解に易い。
そこで、本実施の形態は、流入孔からこれに対応する流出孔に向って酸化剤ガスが直線的に流れるとした場合(このガス流れ方向を第1の方向とする)に、ガス流路層の上流側の領域では、波型部の長手方向がこの第1の方向と一致するようにしてラスメタルを配置し、下流側の領域では、この上流側のラスメタルに対して波型部の長手方向が傾斜する姿勢、もしくは直交する姿勢で配置することにより、圧力損失を変化させるようにしたものである。
たとえば、圧力損失の異なる2つの領域からガス流路層が形成される場合には、下流側の領域のラスメタルを上流側のラスメタルに対して直交させて(90度回動させて)配置することができる。3つの領域からガス流路層が形成される場合には、たとえば、上流側の領域に対して中央の領域は0〜90度の間の任意の角度で傾斜させた姿勢で配置し、下流側の領域は上流側の領域に対して90度傾斜させた姿勢で配置した形態などを適用できる。
上記する本発明のカソード電極側のガス流路層を具備した燃料電池を製造することにより、生成水の良好な排水性能を確保した上で、従来の燃料電池に比してガス流れ用の動力を低減することができ、フラッティングとドライアップの双方の発生を効果的に抑止することができる。
上流側における酸化剤ガスの湿度の確保と下流側における良好な排水作用により、カソード電極層全面での面内均一な発電が促進され、燃料電池の発電性能を大幅に向上させることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のカソード電極側のガス流路層とこれを具備する燃料電池によれば、排水性能に優れ、ガス流れ用動力の削減が図れ、さらには、面内均一な発電によって齎される発電性能の向上を図ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のカソード電極側のガス流路層を備えた単セルの実施の形態の縦断図であり、図2,3は、ガス流路層の一実施の形態の平面図であって図1のII−II矢視図である。図4は図2のIV部の拡大図であり、図5は図4のV方向の矢視図であり、図6は図2のVI部の拡大図である。なお、図示する実施の形態では、ガス流れに対する圧力損失の異なる領域が2つの形態、3つの形態を示しているが、4つ以上の領域を有するガス流路層の形態であってもよいこと、単セルの構成は少なくとも本発明のガス流路層をカソード電極側に備えていれば、その膜電極接合体の構成やシール材の構成などは図示する実施の形態に限定されるものではない。また、図示する実施の形態では、ガス流路層を形成する上流側領域、中央領域、下流側領域のそれぞれが多孔質体のラスメタルからなるものであるが、これら各領域は、多孔質金属の発泡体などから形成されるものであってもよい。
図1は、本発明の燃料電池の単セルの一実施の形態の縦断図を示している。この単セル100は、電解質膜11とこれを挟持するカソード電極層12およびアノード電極層13とからなる膜電極接合体10(MEA)と、膜電極接合体10を挟持するガス拡散層14,15と、から膜電極接合体とガス拡散層からなる電極体10A(MEGA)が形成されており、この電極体10Aのカソード電極側のガス流路層20およびアノード電極側のガス流路層30と、さらにガス流路層20,30を挟持するセパレータ40,40とから大略構成されるものである。ここで、図示するセパレータは、ガス流路層を備えるとともにその両側面にガスを拡散させるための凹凸部を備えた従来構造のセパレータとは異なるものであり、フラットタイプのセパレータである。このフラットタイプセパレータは、その下方のガス流路層を介して集電するとともに、当該単セルと積層される他の単セルとを隔離する作用を有している。このセパレータ40と、ガス流路層20、30を備えた単セル100は、フラットタイプモジュールセルと称することもできる。
酸化剤ガスをガス流路層20を介してカソード電極層12に提供するために、セパレータ40には流入孔40aが形成されており、ガス流路層20を縁取るフレーム21には図示する積層態様においてこの流入孔40aに対応する位置に流入孔21aが形成されていて、同軸の上流側マニホールドを形成している。なお、アノード電極側においても、燃料ガスである水素ガスをアノード電極層13に提供するための流入孔がセパレータ40、ガス流路層30を縁取るフレーム31に形成されて同軸のマニホールドを形成している。
カソード電極側では、電気化学反応によって生成水が生じるが、この生成水は、上記する上流側のマニホールドに対応する下流側位置において、ガス流路層20の外周のフレーム21に形成された流出孔21bとセパレータ40に形成された流出孔40bが連通してできる下流側マニホールドを介して排水されるものである。
さらに、カソード電極層12とアノード電極層13の各層に提供されるガスのシール性を担保するためのシール材50が電極体10Aの側端部に設けられている。このシール材50は、樹脂シートをラミネートしてなるもの、ゴムガスケットからなるものなど、その具体的な形態は適宜選定される。
実際の燃料電池においては、所望する発電量に応じて図示する単セル100が所定段積層されて燃料電池スタックが形成されるものである。さらに、この燃料電池スタックは、最外側にエンドプレート、テンションプレート等を備え、両端のテンションプレート間に圧縮力が加えられて燃料電池が形成される。
電気自動車等に車載される燃料電池システムは、この燃料電池と、水素ガスや空気を収容する各種タンク、これらのガスを燃料電池に提供するためのブロア、燃料電池を冷却するためのラジエータ、燃料電池で生成された電力を蓄電するバッテリ、この電力で駆動する駆動モータ等から大略構成されるものである。
図2は図1のII−II矢視図であって、ガス流路層20の平面図である。このガス流路層20は外周を矩形輪郭のフレーム21で囲繞されており、フレーム21の対向する端辺において、酸化剤ガスが流入する複数の流入孔21aが形成されており、これに対向する端辺において各流入孔21aに対応する位置には電気化学反応にて生成された生成水を主に排出するための流出孔21bが形成されている。図示例では、3つの流入孔21aと、これらに対応する他方の端辺位置、すなわち、対応する流入孔21aとの間で直線的にガスが流れた場合にこれが排出される位置に3つの流出孔21bが形成されている。
このガス流路層20は、流入孔側に位置する上流側領域20Aと流出孔側に位置する下流側領域20Bの2つの領域から形成されており、2つの領域とも、多孔質構造のラスメタルから形成されている。
図2のIV部の拡大図である図4を合わせて参照すると、上流側領域20Aは、山部Yと谷部Tが交互に形成された一条の波型部Nが複数条並列に配置されたものであり、かつ、相隣る一方の波型部Nの山部Yに他方の波型部Nの谷部Tが対向する姿勢で形成されるものであり、波型部Nの長手方向が流入孔21aと流出孔21bを結ぶガス流れライン方向に沿った姿勢でラスメタルが配置される。なお、図2において、各領域の点線ラインは、波型部Nの山部Yを模式的に示したものであり、各領域におけるラスメタルの波型部Nの長手方向を容易に認識できるように示している。
図2,4で示すように、上流側領域20Aにおいてラスメタルを上記の配置態様とすることにより、酸化剤ガスは相隣る波型部N、N間を層流を成して直線的にスムーズに流れることができる(図中のF1はこのガス流れを示す)。
ここで、図4のV方向の矢視図である図5で示すように、波型部Nは連続する山部Yと谷部Tによって等脚台形とその上下反転したものが交互に連続した輪郭を形成しており、相隣る波型部N,Nにより、図示のごとく六角形状のガス流れ空間を形成するものである。
一方、図2のVI部の拡大図である図6を合わせて参照すると、下流側領域20Bは、上流側領域20Aのラスメタルの配置姿勢に対して直交する姿勢で、すなわち、波型部Nの長手方向がガス流れ方向F1に対して直交する姿勢で配置されるものである。なお、上流側領域20Aと下流側領域20Bを形成する各ラスメタルの内部構成は全く同じであり、ガス流路層20の形成に際して単にそれぞれの配置姿勢を変えただけである。このように、同一構成のラスメタルの配置姿勢を部位ごとに変化させるだけで、上流側領域20Aの圧力損失を下流側領域20Bのそれに対して低く調整することができる。
図2で示すように、下流側領域20Bにおいてラスメタルを上記の配置態様とすることにより、酸化剤ガスのスムーズな流れが阻害され、図示のごとく酸化剤ガスは乱流を成して流出孔21b側に流れることになる(図中のF2はこのガス流れを示す)。
この酸化剤ガスの乱流(乱流効果)により、ガス流路層20の下流側にて滞留し易い生成水を効果的に流出孔21bを介して外部に排出することが可能となる。
また、上流側領域20Aでは、上記するガスの乱流は下流側に比してほとんど生じないことから、この領域において電気化学反応に支障のない程度に生成水を滞留させ易くなり、この領域における酸化剤ガスに所望の湿度を付与させることができ、上流側領域20Aにおけるドライアップの発生を抑止することができる。
上記のごとく、上流側領域20Aでは所望湿度の酸化剤ガスが流れ、下流側領域20Bでは生成水が効果的に排水されることにより、ガス流路層20の全体(カソード電極層の全体)で面内均一な発電を実現することができる。
図3は、ガス流路層の他の実施の形態を図2と同様の態様で平面視的に示したものである。このガス流路層20’は上流側領域20Aと下流側領域20Bの間にさらに中央領域20Cを備えた構造を呈している。
この実施例では、中央領域20Cを形成するラスメタルの波型部Nの長手方向は、上流側領域20Aにおける層流方向F1に対して45度傾斜した方向に設定され、該領域においては、層流に比して若干乱流が生じたガスの流れF2が招来される。
層流方向F1に対して90度傾斜した方向に波型部Nの長手方向がくるようにラスメタルが配設された下流側領域20Bに上記する若干乱流状態の酸化剤ガスが到達すると、図2と同様に大きな乱流が招来され、この領域における乱流効果にて生成水の排水性が担保される。
なお、中央領域20Cや下流側領域20Bのラスメタルの配置態様、すなわち、それぞれのラスメタルの波型部Nの長手方向の傾斜角度は、ブロアの動力性能や所要の排水性などを勘案して適宜設定すればよい。たとえば、ブロアの動力性能が低い場合には、中央領域20Cのラスメタルの波型部Nの長手方向を20度程度に傾斜させ、下流側領域20Bのそれを50度程度に傾斜させることにより、図示例のガス流路層20’に比してガス流路層全体の圧力損失を低く制御することができ、ブロアの所要動力を低く抑えることが可能になる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のカソード電極側のガス流路層を備えた燃料電池の単セルの一実施の形態の縦断図である。 ガス流路層の一実施の形態の平面図であって図1のII−II矢視図である。 ガス流路層の他の実施の形態の平面図であって図1のII−II矢視図である。 図2のIV部の拡大図である。 図4のV方向の矢視図である。 図2のVI部の拡大図である。
符号の説明
10…膜電極接合体(MEA)、10A…膜電極接合体とガス拡散層からなる電極体(MEGA)、11…電解質膜、12…カソード電極層、13…アノード電極層、14,15…ガス拡散層(GDL)、20,20’…ガス流路層、20A…上流側領域、20B…下流側領域、20C…中央領域、21…フレーム、21a…流出孔、21b…流出孔、30…ガス流路層、40…セパレータ、40a…流入孔、40b…流出孔、50…シール材、100…燃料電池の単セル、Y…山部、T…谷部、N…波型部

Claims (6)

  1. イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード電極層およびカソード電極層と、を少なくとも備えた膜電極接合体と、カソード電極層の外側に位置して、該膜電極接合体にガスを提供するべく、その面内でガスを流すとともに電気化学反応で生成された生成水を排出するガス流路層と、膜電極接合体およびガス流路層を挟持するセパレータと、を少なくとも備えた燃料電池における、カソード電極側のガス流路層であって、
    前記ガス流路層は少なくとも対向する2つの端辺を備え、一方の端辺近傍には該ガス流路層に酸化剤ガスを提供するための流入孔が形成され、他方の端辺近傍の該流入孔に対応する位置には生成水を排出するための流出孔が形成されており、
    前記ガス流路層は、流入孔側である上流側から流出孔側である下流側に向ってガス流れに対する圧力損失が異なる複数の領域をさらに備えており、
    前記上流側の領域から下流側の領域に向って圧力損失が高くなっていることを特徴とする、カソード電極側のガス流路層。
  2. 前記ガス流路層は多孔質構造のラスメタルから形成されるものであり、
    前記多孔質構造は、山部と谷部が交互に形成される一条の波型部が複数条並列に配置されたものであって、かつ、相隣る一方の波型部の山部に他方の波型部の谷部が対向する姿勢で形成されるものであり、
    前記ガス流路層における最上流側の前記領域では、前記波型部の長手方向が、流入孔からこれに対応した流出孔に向う第1の方向となるように前記ラスメタルが配設されており、
    該最上流側の領域から下流側の領域に向って順に、各領域を形成するラスメタルの波型部の長手方向と前記第1の方向とで形成される角度が、0度より大きく90度以下の範囲において相対的に大きくなるように各領域のラスメタルが配設されている、請求項1に記載のカソード電極側のガス流路層。
  3. 前記ガス流路層における最下流側の前記領域では、前記長手方向と前記第1の方向からなる角度が90度となっている、請求項2に記載のカソード電極側のガス流路層。
  4. 前記ガス流路層が2つの前記領域からなる、請求項1〜3のいずれかに記載のカソード電極側のガス流路層。
  5. 前記ガス流路層が3以上の前記領域からなる、請求項1〜3のいずれかに記載のカソード電極側のガス流路層。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のカソード側のガス流路層を具備することを特徴とする燃料電池。
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