以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態による商品販売処理システムのシステム構成を示した図である。同図において、商品販売処理システムには、ストアコントローラ10と、複数台のPOSレジスタ20(精算端末)と、来店客が商品のコード読み取りに使用するn台のハンディターミナル30−1〜30−n(携帯端末)と、各POSレジスタ20に有線接続され、ハンディターミナルが買い上げ商品の精算時にセットされるレジ用クレードル21(中継器)と、ハンディターミナルが未使用時に載置されている客用クレードル40と、会員カードリーダ50とが含まれている。また、各POSレジスタ20と客用クレードル40は、LAN(Local Area Network)60によりストアコントローラ10に接続されている。
ここで、ストアコントローラ10と各POSレジスタ20とは、本商品販売処理システムを構築する小売店において既に導入済みの既存の装置類であり、そこに、レジ用クレードル21、ハンディターミナル30−1〜30−n、客用クレードル40、会員カードリーダ50を追加導入することにより、本商品販売処理システムが構成されることになる。
ストアコントローラ10は、商品ファイル、会員ファイル、販売実績ファイル、レシピファイル、特売ファイルなどの各種ファイルやデータの管理を行うコンピュータである。ここで、商品ファイルは、各商品の商品名、商品コード、販売価格などの商品情報を格納したファイルであり、必要に応じてその内容を編集・変更することが可能になっているとともに、最新の商品ファイルが各POSレジスタ20と客用クレードル40に接続されたハンディターミナル30へ適宜送信される。また、会員ファイルは、この小売店に会員として登録した客のリストを会員番号などとともに格納したものである。販売実績ファイルは、各POSレジスタ20で登録・精算処理したデータを集計することにより生成したファイルである。
レシピファイル(関連商品情報)は、料理のレシピに含まれる商品の商品コードや商品名称などの情報を格納したファイルであり、必要に応じてその内容を編集・変更することが可能になっているとともに、最新のレシピファイルは客用クレードル40に接続されたハンディターミナル30へ適宜送信される。特売ファイル(関連商品情報)は、特売対象の商品の商品コードや商品名称などの情報を格納したファイルであり、必要に応じてその内容を編集・変更することが可能になっているとともに、最新のレシピファイルが各POSレジスタ20と客用クレードル40に接続されたハンディターミナル30へ適宜送信される。
POSレジスタ20は、来店客が買い上げる商品の登録および精算を行うための装置であり、各種の操作キーや表示部などを備えている。このPOSレジスタ20の接続コネクタ20aに、レジ用クレードル21が接続される。この接続には、バーコードスキャナで用いられるのと同じ通信規格、例えばRS−232Cインタフェースを用いる。これにより、POSレジスタ20とレジ用クレードル21、およびレジ用クレードル21に載置される後述のハンディターミナル30の間は、RS−232Cのシリアル通信によりデータの通信が行われることになる。レジ用クレードル21のレジ側の端子とハンディターミナル側の端子間は、直接、信号線で接続されている。
本商品販売処理システムを導入した小売店では、客用クレードル40と会員カードリーダ50が店内の入口付近に設置される。客用クレードル40には未使用のハンディターミナル30が複数セットされて来店客の使用に備えられており、来店客が会員カードを会員カードリーダ50に通すことで、そのうちの一つが使用可能状態となる。来店客は、そのハンディターミナル30を客用クレードル40から取り外して、買い物を開始する。そして、買いたい商品のコードをハンディターミナル30に読み取らせていき、最後にPOSレジスタ20へ持って行ってレジ用クレードル21にハンディターミナル30をセットする(図1ではハンディターミナル30−1がセットされている)。
そうすると、上記読み取られた商品のコードなどの商品買上情報が、ハンディターミナル30からレジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20へ送信される。POSレジスタ20は、こうして取得した商品買上情報に従って、メモリに保持している商品ファイル(図7)(上記したようにストアコントローラ10から受信したもの)を参照しながら、商品登録を実行する。これにより、POSレジスタ20において、買い上げ商品の合計金額が算出され、算出された合計金額等がPOSレジスタ20の表示部に表示され、店員が精算操作をすると精算処理が行われて販売実績ファイルが更新され、レシートが発行される。
なお、客用クレードル40は、ストアコントローラ10、セットされたハンディターミナル30、および会員カードリーダ50と通信するための通信機能を有している。そして、ハンディターミナル30がセットされた時、ストアコントローラ10から送信された商品ファイルおよび関連商品情報を更新する。また、(複数の)ハンディターミナル30がセットされた順番を管理して、セットされているハンディターミナル30の中で最も早くセットされたものに、会員カードリーダ50からの会員番号データを送信する。
図2は、ハンディターミナル30の構成を示すブロック図、図3および図4は、ハンディターミナル30のそれぞれ表側外観図、裏側外観図である。なお、表側は表示部305が設けられている面、裏側はその反対側の面である。
CPU301は、中央処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ハンディターミナル30の動作を制御する。ROM302は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAM303は、ストアコントローラ10より取得した商品ファイルおよび関連商品情報や、スキャナ部304で読み取った商品のバーコードのデータなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。
スキャナ部304は、商品に付されているバーコードや2次元コードを読み取るためのものであり、読み取ったバーコードの情報を所定の形式のデータに変換して出力する。このスキャナ部304は、図4に示されるように、ハンディターミナル30の裏側の面に設けられており、バーコードをスキャナ部304に近付けることにより、読み取り動作が行われる。客の操作によってバーコード読み取りが行われスキャナ部304から入力されたデータは、買い上げ商品を特定するデータとしてRAM303へ送られ、記憶される。
表示部305は、スキャナ部304によりバーコードを読み取った商品の個別の商品名や値段、読み取った全商品のリストや合計金額、買い上げ点数、その他各種のメッセージ(例えば、ハンディターミナル30の使い方が分からない客のための使用方法案内表示)などを表示する。また、表示部305の上側中央部には、LED発光部305aが設けられる。このLED発光部305aは、その点灯によって、客用クレードル40に複数載置されたハンディターミナル30のうちどれを使用するかを来店客に報知するため、あるいはエラーを報知するためのものであり、上記した会員カードリーダ50からの会員番号データが受信されると、LED発光部305aが点灯するように制御が行われるようになっている。
操作部306は、ハンディターミナル30を操作する各種のキーからなり、図3に示されるように、バーコードの読み取りを開始するためのスキャンキー3061、バーコードを読み取った商品を1つずつ取り消したり数量を修正したりするための訂正キー3062、読み取った全商品を取り消すための取消キー3063、買い上げる商品の数量を指定するための+(プラス)キー3064、−(マイナス)キー3065、読み取った全商品のリスト表示において商品を選択するカーソルを上下させるための上下矢印キー3066、入力操作を決定するための決定キー3067を有している。
通信部307は、レジ用クレードル21および客用クレードル40を介してデータ通信の制御を行う。具体的には、ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続された場合には、RAM303に記憶された買い上げ商品のデータ(スキャナ部304により商品のバーコードから読み取ったデータ)を、レジ用クレードル21を介してPOSレジスタ20に送信し、ハンディターミナル30が客用クレードル40に接続された場合には、ストアコントローラ10から送信される、最新の商品ファイルや会員番号データを受信する。なお、これらのデータ通信は、上記したようにRS−232Cの通信プロトコルに従って行われる。
ここで、ハンディターミナル30とレジ用クレードル21および客用クレードル40との電気的接続は、図4に示されるように、ハンディターミナル30の裏側の面に設けられた接続端子3071によりとられている。また、この接続端子3071は、上記のデータ通信のほか、客用クレードル40に接続された時に充電式電池310の充電を行う用途も兼ねている。
ブザー308は、客用クレードル40に複数載置されているハンディターミナル30のうち、準備が完了していないLED発光部305aが消灯しているハンディターミナル30が客用クレードル40から取り外された場合に警告ブザー音を発生させたり、エラーである旨を顧客へ知らしめるためのものである。
電源制御部309は、ハンディターミナル30が客用クレードル40に接続されている間に、客用クレードル40から供給される電力による充電式電池310への充電を制御する。充電式電池310は、ハンディターミナル30の各部を動作させるための電力を供給する。
図5は、レジ用クレードル21の外観図を示したものである。レジ用クレードル21の上面(図中右側部分)には、ハンディターミナル30の接続端子3071と接続される接続端子211が設けられている。この接続端子211にハンディターミナル30の接続端子3071が接続されると、ハンディターミナル30は、レジ用クレードル21、レジ用クレードル21の接続ケーブル212、POSレジスタ20の接続コネクタ20aを順次通ってPOSレジスタ20と電気的に接続され、POSレジスタ20とデータ通信を行うことができる状態となる。
また、レジ用クレードル21は、接続端子211の左右両側が凸状部213を有するように形成されているとともに、これら凸状部213と直角をなす部位が凹状部214を有するように形成されている。ハンディターミナル30はこれらの凸状部213および凹状部214に挟み込まれるような状態で、レジ用クレードル21にセットされるようになっている。すなわち、ハンディターミナル30をレジ用クレードル21に載置する際、凸状部213および凹状部214がハンディターミナル30を所定の位置へ案内するガイド部として機能することによって、ハンディターミナル30の接続端子3071とレジ用クレードル21の接続端子211とが正しく接触し、電気的接続がなされることとなる。
なお、図5に示すように、レジ用クレードル21の下側側面には、電源ランプ(図示せず)、通信ランプ(図示せず)(セットされたハンディターミナル30とPOS端末20とが通信中であることを示す)、エラーランプ(図示せず)(通信エラーが発生したことを示す)などが設けられている。
図6は本実施形態のPOSレジスタ20の構成を示すブロック図である。CPU201は、中央処理装置であり、ROM203に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POSレジスタ20の動作を制御する。ハードディスク202は会計処理が終了した後、RAM204が記憶する情報を記憶する。ROM203は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAM204(記憶手段)は、ストアコントローラ10より取得した商品情報ファイルと、ハンディターミナル30より取得した商品買上情報などを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。スキャナ部205は、商品に付されているバーコードを読み取るためのものであり、読み取ったバーコードの情報を所定の形式のデータに変換して出力する。
液晶タッチパネル部206(店員用表示部)は、商品買上情報など、店員に知らせる情報を表示する。また、タッチパネル式であるため、表示だけではなく入力も受け付ける。客用表示部207は、商品買上情報に基づき商品の金額、合計金額、つり銭の金額など、顧客に知らせる情報を表示する。レシート印字部208はレシートを印字する。ドロワ部209は現金や金券などを保管する。
操作部215は、POSレジスタ20へ預金を入力する数字キーや、小計、現計など会計操作を行うための各種のキーからなる。通信部210は、LAN60を経由してストアコントローラ10と通信を行い、またレジ用クレードル21を介してハンディターミナル30と通信を行う。カードリーダ部216は、顧客がクレジットカードでの支払いを希望する場合、会計処理のためクレジットカードの情報を読み取る。ブザー217は、操作の確認が必要な時などにブザー音を発生させるものである。
図7は、ストアコントローラ10、POSレジスタ20、およびハンディターミナル30に記憶される商品ファイルの内容を示している。商品ファイルには、商品毎に商品コードや、商品名称、売価等の情報が含まれている。図8は、ストアコントローラ10に記憶されるレシピファイルの内容を示している。レシピファイルには、レシピコードや、レシピ名称、商品コード、商品名称、分量等の情報が含まれている。
次に、本実施形態の特徴を説明する。本実施形態では、ハンディターミナル30が客用クレードル40に接続され、充電が行われている最中に、商品ファイルと共にレシピファイルまたは特売ファイル(関連商品情報)がストアコントローラ10からハンディターミナル30へ送信される。これらのファイルは、客用クレードル40を経由してハンディターミナル30の通信部307によって受信され、CPU301の制御により、RAM303に格納される。図9は、ハンディターミナル30に記憶されるレシピファイルの内容を示している。レシピファイルには、レシピコードや、レシピ名称、商品コード、商品名称等の情報が含まれている。
買い物を開始した顧客は、レシピや特売チラシ等の配布物に印刷されたコード(バーコードあるいはQRコード)をハンディターミナル30のスキャナ部304に読み取らせる。図10は、顧客に配布されるレシピの例を示している。レシピには、必要な材料名や分量、作り方の他に、バーコード1000またはQRコード1010(コード化情報)が印刷されている。バーコード1000は、レシピを識別するレシピコードを示している。QRコード1010は、図9に示したレシピファイルと同等の情報をコード化したものである。QRコードは、代表的な2次元コードであり、その記録可能なデータ量は、数字であれば7089文字分、英数字であれば4296文字分、バイナリであれば2953文字分、漢字であれば1817文字分である。
顧客がバーコード1000をスキャナ部304に読み取らせると、バーコード1000が示すレシピコードに対応したレシピファイルに含まれる商品の情報が表示部305に表示される。また、顧客がQRコード1010をスキャナ部304に読み取らせると、QRコード1010の変換によりコード化前のレシピの情報が取得され、そのレシピに含まれる商品の情報が表示部305に表示される。特売チラシに印刷されたコードを顧客がスキャナ部304に読み取らせた場合も上記と同様であり、特売に関する商品の情報が表示部305に表示される。
図11は、表示部305に表示される情報の例を示している。顧客が、レシピに印刷されているバーコードあるいはQRコードをスキャナ部304に読み取らせると、図11(a)に示すように、レシピに含まれる商品の商品名称や売価の一覧が表示される。このとき、表示部305に表示された商品が購入予定の商品となる。続いて、顧客が、商品に付されたバーコードをスキャナ部304に読み取らせると、そのバーコードが示す商品コードと、表示部305に表示された商品に対応する商品コードとの照合が行われる。
照合により商品コードが一致した場合、表示部305に表示されている商品の情報が画面から消えていき、非表示となる。例えば、図11(a)に示す情報が表示部305に表示されている状態で、顧客が「牛もも薄切り」のバーコードをスキャナ部304に読み取らせた場合、「牛もも薄切り」の情報が非表示となる(図11(b))。さらに、顧客が「じゃがいも」、「玉ねぎ」、「きぬさや」、「出汁の素」のバーコードをスキャナ部304に順番に読み取らせた場合、これらの商品の情報が同様に非表示となる(図11(c))。
照合により商品コードが一致した場合、その商品コードに対応した商品の情報を他の商品の情報と区別して表示することも可能である。例えば、図12(a)に示す情報が表示部305に表示されている状態で、顧客が「牛もも薄切り」のバーコードをスキャナ部304に読み取らせた場合、この商品の情報の表示形態が変化する(図12(b))。具体的には、この商品の情報を示す文字が、反転表示等により他の文字とは区別して表示される。さらに、顧客が「じゃがいも」、「玉ねぎ」、「きぬさや」、「出汁の素」のバーコードをスキャナ部304に順番に読み取らせた場合、これらの商品の情報の表示形態が同様に変化する(図12(c))。
上記の他に、照合により一致した商品コードに対応した商品の情報を、他の商品の情報とは区別する印(×印や○印等)と合わせて表示してもよい。あるいは、照合により一致した商品コードに対応した商品の情報を他の商品の情報よりも薄い色で表示してもよい。このように、照合により一致した商品コードに対応した商品の情報と、他の商品の情報とを区別して表示する方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
また、本実施形態では、顧客が購入する予定のない商品の情報を個別に非表示にすることが可能である。例えば、図13(a)に示す情報が表示部305に表示されている状態で、「出汁の素」が既に顧客の家にある場合、顧客はハンディターミナル30の操作部306を操作し、「出汁の素」を選択する。すると、「出汁の素」の情報が非表示となる(図13(b))。
表示を切り替えることにより、顧客が個別に指定して非表示にした商品の情報を確認することが可能である。図13(b)に示す情報が表示部305に表示されている状態で、顧客が操作部306を操作し、表示の切替指示を入力すると、表示部305の表示が切り替わり、図13(c)に示すように、顧客が個別に非表示指定(購入除外)した「出汁の素」の情報が表示部305に表示される。
次に、図14を参照しながら、買い物におけるハンディターミナル30の動作の手順を説明する。まず、顧客は、レシピまたは特売チラシ等に印刷されたバーコード(コード情報)をスキャナ部304に読み取らせる(ステップS100)。CPU301(呼出手段)は、RAM303に格納されているレシピファイルまたは特売ファイルから、スキャナ部304によって読み取られたバーコードに対応したレシピ中の商品の情報または特売商品の情報を読み出し、RAM303内の購入予定商品のエリアに格納する(ステップS101)。
続いて、CPU301は、操作部306(選択指示入力手段)から出力される信号を監視し、商品を個別に指定して非表示にする指示(個別非表示の指示)が顧客によって入力されたか否かを判定する(ステップS102)。個別非表示の指示が入力された場合には、処理がステップS103に進み、個別非表示の指示が入力されていない場合には、処理がステップS104に進む。
処理がステップS103に進んだ場合、CPU301は、RAM303内の購入予定商品のエリアに格納されている情報を表示部305へ出力する。表示部305は、この情報に基づいて、レシピ中の商品の情報または特売商品の情報を表示する。顧客は、表示部305に表示されている商品の中から、個別非表示としたい商品を選択し、操作部306に選択結果を入力する。CPU301は、操作部306から出力される信号に基づいて、顧客によって個別非表示を指示された商品を特定する。さらに、CPU301は、ステップS101でRAM303内の購入予定商品のエリアに格納した商品の情報のうち、個別非表示を指示された商品の情報に対して、非表示のフラグを立てる。また、CPU301は、個別非表示を指示された商品の情報をRAM303内の個別非表示商品のエリアに格納する(ステップS103)。
続いて、CPU301は、RAM303内の購入予定商品のエリアに格納されている情報のうち、非表示のフラグが立っていない商品の情報を表示部305へ出力する。表示部305(表示手段)は、この情報に基づいて、レシピ中の商品の情報または特売商品の情報を表示する(ステップS104)。
続いて、顧客が、商品棚に陳列されている商品に付されたバーコードをスキャナ部304(読取手段)に読み取らせる(ステップS105)と、CPU301(照合手段)は、読み取られたバーコードが示す商品コードと、RAM303内の購入予定商品のエリアに格納されている商品コードとを照合する(ステップS106)。
ステップS106での照合の結果、読み取られたバーコードが示す商品コードと一致する商品コードがRAM303内の購入予定商品のエリアに格納されていなかった場合には、処理がステップS107に進む。また、ステップS106での照合の結果、読み取られたバーコードが示す商品コードと一致する商品コードがRAM303内の購入予定商品のエリアに格納されていた場合には、処理がステップS108に進む。
処理がステップS107に進んだ場合、CPU301は表示部305にエラーメッセージを出力すると共に、ブザー308へ駆動指示を出力する。この結果、表示部305(エラー報知手段)がエラーメッセージを表示すると共に、ブザー308(エラー報知手段)がエラー音を発生する(ステップS107)。これによって、購入予定商品とは異なる商品の商品コードを読み取ったことによるエラーが顧客に報知されるので、顧客は会計前に商品の購入間違いを知ることができる。所定秒数エラー報知が行われた後、処理はステップS105に戻る。または、所定秒数エラー報知をしている間に、解除するボタンが顧客によって押された場合も、処理はステップS105に戻る。
処理がステップS108に進んだ場合、CPU301(表示制御手段)は、ステップS101でRAM303内の購入予定商品のエリアに格納した商品の情報のうち、ステップS106での照合の結果、一致した商品コードに対応した商品の情報に対して、非表示のフラグを立てる。また、CPU301は、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品の情報を商品買上情報としてRAM303に格納する(ステップS108)。図15は商品買上情報の内容を示している。商品買上情報には、商品毎に商品コードや、商品名称、購入数、購入金額等の情報が含まれている。
続いて、CPU301は、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品の情報、およびステップS103で個別非表示とした商品の情報を確認するためのボタン(表示切替指示入力手段)が押されたか否かを判定する(ステップS109)。このボタンは、操作部306が備えるボタンであり、CPU301は、操作部306から出力される信号に基づいて、ボタンが押されたか否かをステップS109で判定する。ボタンが押されなかった場合には、処理がステップS110に進み、ボタンが押された場合には、処理がステップS111に進む。
処理がステップS111に進んだ場合、CPU301は、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品の情報を表示するか否かを判定する(ステップS111)。このとき、表示部305に所定のメッセージ等が表示され、そのメッセージ等を確認した顧客によるボタンの操作結果に基づいて判定が行われる。ボタンの操作により、「はい又はOK」が選択された場合には、商品の情報を表示すると判定され、処理がステップS112に進む。また、ボタンの操作により、「いいえ又はNO」が選択された場合には、商品の情報を表示しないと判定され、処理がステップS113に進む。
処理がステップS112に進んだ場合、CPU301は、RAM303から商品買上情報を読み出し、表示部305へ出力する。表示部305は商品買上情報の内容を表示する(ステップS112)。これによって、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品の商品名称や、購入数、購入金額等が表示される。これによって、顧客は会計前に支払い予定の金額を知ることができ、安心して買い物を行うことができる。終了を指示するボタンが押された後、処理がステップS113に進む。
処理がステップS113に進んだ場合、CPU301は、ステップS103で個別非表示(購入除外商品)とした商品の情報を表示するか否かを判定する(ステップS113)。このとき、表示部305に所定のメッセージ等が表示され、そのメッセージ等を確認した顧客によるボタンの操作結果に基づいて判定が行われる。ボタンの操作により、「はい又はOK」が選択された場合には、商品の情報を表示すると判定され、処理がステップS114に進む。また、ボタンの操作により、「いいえ又はNO」が選択された場合には、商品の情報を表示しないと判定され、処理がステップS110に進む。
処理がステップS114に進んだ場合、CPU301は、RAM303内の個別非表示商品(購入除外商品)のエリアに格納されている情報をRAM303から読み出し、表示部305へ出力する。表示部305は、この商品の情報を表示する(ステップS114)。これによって、個別非表示(購入除外商品)とされた商品の商品名称や単価等が表示される。終了を指示するボタンが押された後、処理がステップS110に進む。
処理がステップS110に進んだ場合、CPU301は、買い物が終了したか否かを判定する(ステップS110)。この判定は、ハンディターミナル30の完了決定ボタンが押されたか否かを検出することにより行う。ハンディターミナル30の完了決定ボタンが押されていない場合には、買い物が終了していないと判定され、処理がステップS102に戻る。また、ハンディターミナル30の完了決定ボタンが押された場合には、買い物が終了したと判定され、処理がステップS115に進む。
処理がステップS115に進むと、ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続されているか否かの確認が行われる。ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続されている場合には、CPU301は、RAM303から商品買上情報を読み出し、通信部307へ出力する。通信部307(送信手段)は商品買上情報をPOSレジスタ20へ送信する(ステップS115)。この商品買上情報は、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品の情報であり、この商品買上情報がレジ用クレードル21を経由して接続コネクタ20aからPOSレジスタ20に入力される。ハンディターミナル30が客用クレードル40に接続されていない場合には、CPU301はPOSレジスタ20への送信待ち状態で待機する。
上記のステップS100では、レシピ等に印刷されているバーコード(コード情報)をスキャナ部304に読み取らせているが、レシピ等に印刷されているQRコード(コード情報)をスキャナ部304に読み取らせてもよい。その場合、CPU301によってQRコードがコード化前の情報に変換され、RAM303に格納される。この情報には、レシピファイルや特売ファイルに含まれる情報と同様の情報が含まれており、この情報に基づいて表示等の処理が行われる。
また、購入予定商品のバーコードを読み取るごとに、RAM303内の購入予定商品のエリアに非表示のフラグが立つので、CPU301が、全ての購入予定商品に対して非表示のフラグが立っているか否かを確認することによって、全ての購入予定商品の商品コードの読み取りと照合が終了したか否かを判定してもよい。さらに、全ての購入予定商品の商品コードの読み取りと照合が終了した場合には、CPU301が表示部305に所定のメッセージを出力すると共に、ブザー308へ駆動指示を出力するとよい。これによって、全ての購入予定商品の商品コードの読み取りと照合が完了したことを報知するメッセージが表示される、あるいは報知音が発生するので、顧客は戸惑うことなく会計を行うことができる。また、買い物が終了したか否かの判定(ステップS110)では、完了決定ボタンが押されたか否かを検出することにより判定を行っているが、ハンディターミナル30がレジ用クレードル21に接続されているか否かを検出することにより判定を行ってもよい。
また、上記では、レシピ等に印刷されたバーコードを読み取り、そのバーコードに対応したレシピ中の商品の情報または特売商品の情報をRAM303から読み出して購入予定商品の情報として表示部305に表示しているが、レシピあるいは特売の一覧を表示部305に一旦表示させ、その一覧から顧客が選択したレシピあるいは特売に関する商品の情報をRAM303から読み出して購入予定商品の情報として表示部305に表示してもよい。また、レシピあるいは特売チラシに印字された番号をハンディターミナル30へ入力して商品情報を画面へ呼び出し表示させてもよい。
また、レシピを構成する商品の情報を表示するだけでなく、レシピに基づいた調理方法等を表示してもよい。例えば、レシピファイルと共に、図16に示す調理説明ファイルがストアコントローラ10からハンディターミナル30へ送信され、ハンディターミナル30内のRAM303に格納される。図16に示すように、調理説明ファイルには、レシピコードや調理方法等の情報が含まれている。顧客からの指示に基づいて、この調理説明ファイルがRAM303から読み出されて表示部305へ出力され、表示部305に調理説明ファイルの内容が表示される。調理説明ファイルの内容を表示することによって、顧客が買い物中に調理方法を確認することができる。
次に、図17を参照しながら、買い物におけるPOSレジスタ20の動作の手順を説明する。POSレジスタ20の通信部210は、ハンディターミナル30から送信された商品買上情報を受信する(ステップS200)。受信された商品買上情報は、CPU201の制御によってRAM204に格納される。CPU201は、RAM204から商品買上情報を読み出し、液晶タッチパネル部206および客用表示部207へ出力する。液晶タッチパネル部206および客用表示部207は、商品買上情報に含まれる商品の情報を表示する(ステップS201)。
続いて、CPU201は、操作部215から出力される信号に基づいて、訂正キーが押されたか否かを判定する(ステップS202)。訂正キーが押された場合には、処理がステップS204に進み、訂正キーが押されていない場合には、処理がステップS203に進む。処理がステップS204に進んだ場合、商品買上情報に対する商品の追加登録や訂正(登録されている商品の取消等)が行われる(ステップS204)。続いて、処理がステップS201に戻る。
処理がステップS203に進んだ場合、CPU201は、操作部215から出力される信号に基づいて、小計キーが押されたか否かを判定する(ステップS203)。小計キーが押された場合には、処理がステップS205に進み、小計キーが押されていない場合には、処理がステップS201に戻る。処理がステップS205に進んだ場合、店員が顧客から預かった金額が操作部215に入力され、CPU201の制御によってRAM204に預かり金額の情報が格納される。また、CPU201の制御によって預かり金額の情報が液晶タッチパネル部206および客用表示部207へ出力され、預かり金額が表示される(ステップS205)。
続いて、CPU201は、操作部215から出力される信号に基づいて、現計キーが押されたか否かを判定する(ステップS206)。現計キーが押された場合には、処理がステップS207に進み、現計キーが押されていない場合には、処理がステップS205に戻る。処理がステップS207に進んだ場合、CPU201は、商品買上情報および預かり金額の情報等に基づいて生成した会計情報をレシート印字部208へ出力する。レシート印字部208は、会計情報に基づいてレシートに印字を行う(ステップS207)。
続いて、CPU201は、会計情報を通信部210へ出力する。通信部210は会計情報をストアコントローラ10へ送信する(ステップS208)。この会計情報に基づいて、ストアコントローラ10によって販売実績ファイルが更新される。
次に、本実施形態の変形例を説明する。上記では、レシピファイルまたは特売ファイルに含まれる商品コードと、ハンディターミナル30のスキャナ部304が読み取った商品コードとが一致した場合に、その商品コードに対応した商品に関する商品買上情報がPOSレジスタ20へ送信されている。これに対して、レシピファイルまたは特売ファイルに含まれる商品コードと一致しない商品コードを顧客がハンディターミナル30のスキャナ部304に読み取らせた場合でも、その商品コードに対応した商品に関する商品買上情報をPOSレジスタ20へ送信するようにしてもよい。
これによって、顧客は店舗が用意したレシピファイルまたは特売ファイルで特定される商品以外の商品も購入することができ、また、ついで買いや購入商品の変更ができるので、売上および顧客の満足度を上げることができる。例えば、レシピファイルまたは特売ファイルで特定される特定の商品と同等あるいは同質の別の商品や、顧客が普段よく調理で使用している商品を購入することができるようになるので、購入の自由度が広がり、顧客の満足度を上げることができる。
以下、本変形例によるハンディターミナル30の具体的な動作を説明する。レシピファイルまたは特売ファイルに含まれる商品コードと一致しない商品コードを顧客がスキャナ部304に読み取らせた場合、ハンディターミナル30は、スキャナ部304が読み取った商品コードに対応した商品の情報を表示部305に表示させて、購入するか否かを顧客に確認させ、顧客がその商品の購入を選択した場合には、その商品の情報を買上商品情報に追加する。あるいは、上記の表示を行わずに、スキャナ部304が読み取った商品コードに対応した商品の情報を買上商品情報に追加するようにしてもよい。
ハンディターミナル30の具体的な動作の手順は、図14に示した手順に従う。ただし、ステップS107,S112,S115の処理内容が、前述した処理内容と異なる。以下では、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品を照合一致商品と記載し、商品コードは一致していないものの顧客が購入を選択した商品を照合不一致商品と記載する。
ステップS107では、CPU301はブザー308へ駆動指示を出力し、エラー音を発生させる。また、CPU301は、スキャナ部304が読み取った商品コードに対応した照合不一致商品の情報を商品ファイルから読み出し、商品買上情報としてRAM303に格納する。この照合不一致商品の情報には、照合一致商品の情報と区別可能なフラグが付与される。なお、ブザー308にエラー音を発生させるか否かを予め設定できるようにしておき、ブザー308にエラー音を発生させることなく、照合不一致商品の情報をRAM303に格納するようにしてもよい。
ステップS112では、CPU301は、RAM303から商品買上情報を読み出して表示部305へ出力し、表示部305に商品買上情報の内容を表示させる。このときCPU301は、商品買上情報に付与されているフラグに基づいて、照合一致商品の情報と照合不一致商品の情報とを区別して表示するように制御を行う。表示方法としては、照合一致商品と照合不一致商品のうち一方を反転表示や○×等の印を用いて表示する方法がある。
ステップS115では、CPU301はRAM303から商品買上情報を読み出し、通信部307へ出力する。通信部307は商品買上情報をPOSレジスタ20へ送信する。この商品買上情報は照合一致商品の情報と照合不一致商品の情報とを含んでおり、この商品買上情報がレジ用クレードル21を経由して接続コネクタ20aからPOSレジスタ20に入力される。
上述したように、本実施形態によれば、購入対象となる一群の商品の情報を表示した後、顧客がハンディターミナル30のスキャナ部304に読み取らせた商品コードと一致した商品コードに対応した商品の情報を非表示にする、あるいは他の商品の情報と区別して表示することによって、顧客が購入済み商品および未購入商品を容易に確認することができる。したがって、顧客が購入する商品の確認を容易に行うことができ、商品の買い忘れがなくなる。また、顧客がハンディターミナル30のスキャナ部304に読み取らせた商品コードと、レシピファイルや特売ファイルに含まれる商品コードとが一致した場合に、その商品コードに対応した商品の情報が商品買上情報として登録されるので、商品の購入間違いを防止することができる。
また、QRコードが印刷されたレシピや特売チラシ等の配布物からQRコードを読み取る場合には、レシピや特売に関する商品の情報をハンディターミナル30に予め記憶させておく必要がなくなり、ハンディターミナル30の限られた記憶容量を節約することができる。
また、ステップS106での照合により一致した商品コードに対応した商品の情報と、顧客が購入する予定のない商品の情報とをそれぞれ個別に表示する(ステップS112,S114)ことが可能なので、顧客が商品コードを読み取った購入済み商品と、購入する予定のない商品とを容易に確認することができる。
また、従来、顧客がレシピや特売チラシ等を見ながら商品を購入する場合には、レシピや特売チラシ等に記載されている商品の名称と、実際に陳列されている商品に記載されている名称あるいはPOP広告に記載されている商品の名称とを顧客自身が照合しながら商品を購入していた。しかし、レシピや特売チラシ等に記載されている文字が小さいなどの理由により、商品の名称を顧客が読めない場合には、顧客が購入対象である商品を特定することができず、商品を購入することができないという問題があった。また、購入対象である商品を顧客が見たことがなかったり、あるいはPOP広告に記載された商品の名称を顧客が読めなかったりする場合にも、顧客が購入対象である商品を特定することができず、商品を購入することができないという問題があった。
これに対して、本実施形態によれば、レシピや特売に関する商品の情報を、顧客が見やすい字でハンディターミナル30の表示部305に表示することによって、顧客が購入対象である商品を特定できなくなることを防止することができる。また、顧客がハンディターミナル30のスキャナ部304に読み取らせた商品の商品コードと、購入予定商品の商品コードとが一致しなかった場合に顧客にエラーを報知することによって、顧客が購入対象である商品を特定できなくなることを防止することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
201,301・・・CPU、202・・・ハードディスク、203,302・・・ROM、204,303・・・RAM、205,304・・・スキャナ部、206・・・液晶タッチパネル部、207・・・客用表示部、208・・・レシート印字部、209・・・ドロワ部、210,307・・・通信部、215,306・・・操作部、216・・・カードリーダ部、217,308・・・ブザー、305・・・表示部、305a・・・LED発光部、309・・・電源制御部、310・・・充電式電池