JP2009276226A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】管断面内流量分布を満遍なく掃引する伝播経路設定が可能であり、管断面内流量分布を的確に反映した流量計測が可能な超音波流量計を提供する。
【解決手段】 超音波流量計1は、それぞれ矩形断面をなし、湾曲膨出方向が互いに逆向きの第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とを組み合わせた流量計測用管路3を有する。これら第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とを流体が通過する際に、その軸断面内流量分布が互いに逆向きの偏向を強制的に受ける。そして、偏向方向DDにおける第一側壁部33内面と第二側壁部34内面との間を少なくとも1回横断する形で両湾曲管路部にまたがる伝播経路SWを設定し、該伝播経路SWに沿って超音波を送受信することで、作為的に加えられた流量分布を流れ方向に掃引しつつ流量測定を行なうことができる。その結果、全流速分布を的確に反映した平均化した流れの計測が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は超音波流量計に関する。
特開2004−251653号公報 特許第3528347号
従来、都市ガスや水などの流量を計測するための超音波流量計が知られている。その際の測定原理として、一般には「伝搬時間差法」が用いられる。これは、流路の流体流れ方向上流側及び下流側に一対の超音波送受信部を設け、それら超音波送受信部間の超音波送受信方向を交互に切り替えるとともに、上流側超音波送受信部から発信された超音波ビームが下流側超音波送受信部に到達するまでの時間(順方向伝播時間)と、下流側超音波送受信部から発信された超音波ビームが上流側超音波送受信部に到達するまでの時間(逆方向伝播時間)とを計測して、両者の時間差から流路を流れる流体の平均流速度及び流量を求めるものである(例えば、特許文献1)。
ところで、上記のような超音波流量計においては、流量計測用管路内の流れは、管路形状に応じた特有の三次元分布となる。しかし、従来の超音波流量計では、この三次元的な流れ分布を詳細に考慮した計測方法がほとんど提案されておらず、計測誤差を招きやすい欠点があった。例えば、特許文献2においては、仕切り壁を用いて管中央部分のみで測定する流量計が開示されている。しかし、管壁に沿う低流速領域と管中央の高流速領域との間では、層流から乱流に遷移しつつ相当量の流速変化があり、管中央部分のみで流量を代表させれば誤差が大きくなることは自明である。また、管壁領域と管中央領域とで個別に流量測定を行なっても、個々の領域では断面内流速分布をもれなく掃引する計測にはなっておらず、誤差要因となることに変わりはない。
本発明の課題は、管断面内流速分布を満遍なく掃引する伝播経路設定が可能であり、ひいては管断面内流速分布を的確に反映した流量計測が可能な超音波流量計を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、
矩形軸断面を有するとともに管長方向における各端に流体入口と流体出口とを有し、かつ、矩形軸断面の隣接二辺の第一辺を法線とする仮想的な管路規定平面への投影にて管路中心線が二次元的に屈曲した形状を有し、管路規定平面上における矩形軸断面の隣接二辺の第二辺と平行な向きを偏向方向と定義したとき、該偏向方向に沿って湾曲膨出方向が互いに逆向きに定められた第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とが流れ方向上流側に第一湾曲管路部が位置するように配置されるとともに、超音波の伝播経路が、管路規定平面への投影にて偏向方向における第一側壁部内面と第二側壁部内面との間を少なくとも1回横断するよう第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とにまたがって定められた流量計測用管路と、
伝播経路の両端にて流量計測用管路の壁部それぞれ取り付けられ、該流量計測用管路を流れる流体に対し測定用超音波を伝播経路に沿って送受信する第一及び第二の超音波送受信部と、を有することを特徴とする。
本発明の超音波流量計の特徴部をなすのは、それぞれ矩形断面をなし、湾曲膨出方向が互いに逆向きの第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とを組み合わせた流量計測用管路である。各湾曲管路部の湾曲膨出方向は、矩形断面の一辺(第二辺)をなす偏向方向に一致しており、例えば第一湾曲管路部の湾曲膨出方向を該偏向方向の第一側、第二湾曲管路部の湾曲膨出方向を同じく第二側と定義すると、偏向方向被測定流体を流体入口から流体出口に向けて流通させたとき、該管路の軸断面内流速分布は、第一湾曲管路部では流量ピーク位置が偏向方向における第二側に偏って生じ、第二湾曲管路部では流量ピーク位置が同じく第一側に偏って生じる。
つまり、湾曲膨出方向が逆になっていることで、これら第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とを流体が通過する際に、その軸断面内流速分布が互いに逆向きの偏向を強制的に受けるので、流速分布に対し流れ方向に作為的かつ安定な変化をもたらすことができる。そして、偏向方向における第一側壁部内面と第二側壁部内面との間を少なくとも1回横断する形で両湾曲管路部にまたがる伝播経路を設定し、該伝播経路に沿って超音波を送受信することで、作為的に加えられた流速分布を流れ方向に掃引しつつ流量測定を行なうことができる。その結果、全流速分布を的確に反映した平均化した流れの計測が可能となり、例えば、流路の壁部近傍域と中央域とで流れ形態に差があるにもかかわらず(流量小→流量大、層流→乱流)、補正等も不要で、高精度で安定した流量計測が実現する。
流量計測用管路は、第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とが直接又は他の管路部材を介して結合されたS字状管路部を形成するものとして構成できる。第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とがS字状管路部を形成することにより、各湾曲管路部での流速分布偏向状態を対称な関係に近づけることができ、偏った流れの全分布に対する計測精度が向上するので、流路軸断面内の流速分布を平均化した流量計測の信頼度をより高めることができる。
流量計測用管路は、第一湾曲管路部及び第二湾曲管路部が、互いに鏡映反転した立体形状関係にある等価な湾曲管部材にて構成できる。第一湾曲管路部及び第二湾曲管路部が、互いに鏡映反転した等価な湾曲管部材となることで、2つの湾曲部材は裏表の相違のみで同一部材として構成できるので、パーツの共有化や設計の簡略化に寄与し、設計自由度も向上する。また、管路を流れる流体の流速分布をより安定にかつ正確に偏向でき、流速分布変化の流れ方向に沿った対称性がさらに向上する結果、流路軸断面内の流速分布を平均化した流量計測の信頼度をさらに高めることができる。なお、この効果をさらに高めるには、流量計測用管路は、管路中心線の流体入口側端点から流体出口側端点に至る全長の二分点を管路中心点として定めたとき、管路の全体形状が、当該管路中心点に関して点対称となるように定めておくとよい。
次に、流量計測用管路への超音波送受信部の取付形態であるが、例えば、流量計測用管路の矩形軸断面の第一辺側、すなわち、第一湾曲管路部及び第二湾曲管路部に係る湾曲面側を形成する主対向壁部の一方に第一超音波送受信部を、他方に第二超音波送受信部を取り付けることで、両湾曲管路部の偏向した各流速分布を横切る超音波送受信を実現できる。
具体的には、主対向壁部のうち、第一湾曲管路部の頂点部にて湾曲外周側に位置するものを第二主壁部、第二湾曲管路部の頂点部にて湾曲外周側に位置するものを第一主壁部として、第一超音波送受信部は、第二主壁部に対し、第一湾曲管路部の頂点部よりも流体流れ方向における上流側に取り付けられ、第二主壁部内面における該第一湾曲管路部の頂点部を見込む向きに傾斜して定められた伝播経路に沿って測定用超音波を、該頂点部にて反射させつつ送受信するように配置できる。また、第二超音波送受信部は、第一主壁部に対し、第二湾曲管路部の頂点部よりも流体流れ方向における下流側に取り付けられ、第一主壁部内面における該第二湾曲管路部の頂点部を見込む向きに傾斜して定められた伝播経路に沿って測定用超音波を、該頂点部にて反射させつつ送受信するように配置できる。第一湾曲管路部の頂点部上流側に第一超音波送受信部を、二湾曲管路部の頂点部下流側に第二超音波送受信部を取り付け、測定用超音波を各頂点部近傍で反射させつつ送受信させることで、各湾曲管路部で互いに逆向きに流速分布が偏向される流れをそれぞれ一回ずつ超音波が伝播し、湾曲管路で偏った全流速分布を漏れなく計測できるので、より正確な流量計測が可能となる。
また、超音波送受信部は、直管形態の管路部材に傾斜して取り付けた場合は、超音波素子の超音波放射面と、超音波取付部の内面とによって、三角形状の流体淀み空間が比較的大きく形成されてしまう。この流体淀み空間においては被測定流体が淀むほか、渦発生要因ともなるので、流量を正確に測定しにくい問題がある。しかし、本発明の上記構成では、湾曲管路部の頂点部を見込む向きに傾斜して超音波送受信部を取り付けることになるので三角形状の流体淀み空間が縮小され、上記不具合を低減でき、計測安定性が高く高精度な流量計測が実現する。
上記の伝播経路は、第一湾曲管路部と第二湾曲管路部との接続区間において、第一湾曲管路部の頂点部における第二主壁部上の反射点と、第二湾曲管路部の頂点部における第一主壁部上の反射点との間が、両反射点を直結する無反射伝播経路部を形成するように設定できる。両湾曲管路部の各頂点部近傍での反射点同士を無反射直結した伝播経路を採用することにより、その無反射直結区間にて各湾曲部材の逆向きに偏った流速分布が流れ方向に半分ずつ掃引・計測され、結果として全流速分布を掃引する計測が可能となり、正確な流量算出に寄与する。また、伝播経路長が短縮されるので超音波送受信部の送信出力や受信増幅ゲインの低減を図ることができ、省電力化を図ることができる。
また、湾曲偏向の効果を一様に発現させるために、流量計測用管路は流れ方向にて軸断面積が一様となるように構成することが望ましい。また、流量計測用管路の矩形軸断面は長方形とすることができる。この場合、偏向方向(湾曲膨出方向)をなす第二辺を長方形の長辺とすることができる。管路規定平面の法線方向を管路幅方向、偏向方向を管路高さ方向と定義したとき、流路断面が矩形形状で矩形断面の長辺方向に湾曲させることは、管路幅が管路高さよりも肉薄となる流路構造となることを意味し、管路幅の取付けスペースに制約がある流路に対応しやすくなる。この場合、管路幅が管路高さよりも肉薄となる矩形断面を有した前後配管に接続することで、例えばS字管路の対称性を損ねることなく各湾曲管路部で点線対称な流速分布を確保できる。さらに、矩形断面の長辺方向に湾曲させつつ断面のアスペクト比を大きくする事で、管路内を流れる流体の分布を三次元流から二次元流へ近づけることができ、断面長辺方向の流速分布を一様に制御しやすくなる。また、点対称に形成されたS字状管路の場合は、管路規定平面上にて管路中心点を通りかつ偏向方向と直交する基準流れ方向を考えたとき、該基準流れ方向に関する流速分布の対称性をより向上できる。
また、流量計測用管路の矩形軸断面を長方形とする場合、偏向方向をなす第二辺を長方形の短辺方向に設定することも可能である。流路断面が矩形形状で矩形断面の短辺方向に湾曲させることは、管路幅が管路高さよりも大きい扁平広幅な流路構造となることを意味し、管路高さ方向の取付けスペースに制約がある流路に対応しやすくなる。例えばS字管路の対称性を損ねることなく各湾曲管路部で点線対称な流速分布を確保できる。さらに、矩形断面の短辺方向に湾曲させつつ断面のアスペクト比を大きくする事で、管路内を流れる流体の分布を三次元流から二次元流へ近づけることができ、断面長辺方向の流速分布を一様に制御しやすくなる。また、点対称に形成されたS字状管路の場合は、基準流れ方向に関する流速分布の対称性をより向上できる。
次に、第一超音波送受信部と第二超音波送受信部とは、流量計測用管路の第一辺方向にて互いに異なる位置に取り付けることができる。このようにすると、流路軸断面の第一辺方向(管路幅方向:つまり、湾曲により流速分布に強制的な偏向が加えられる第二辺方向と直交する向き)にも顕著な流速分布が存在する場合でも、該方向を掃引するように超音波伝播経路が設定されるので、流路内空間の三次元的な流速分布全体を適切に平均化した流量計測が可能となり、ひいては流力計測精度の更なる向上に寄与する。
第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とは、管路規定平面への正射投影において、接続終端側における管路中心線の接線方向が互いに一致する位置関係にて配置できる。この場合、該第一湾曲管路部と第二湾曲管路部との接続区間を、上記の接線方向に配置された直管部にて構成することができる。第一湾曲管路部と第二湾曲管路部との接続区間に上記のような直管部を挿入することで、超音波送受信部の取付けスペースの確保が容易となり、設計自由度を高めることができる。特に、この直管部内に無反射形態の超音波伝播経路が形成されるように、該直管部の上流端側に第一超音波送受信部を取り付け、下流端側に第二超音波送受信部を取り付けることで、超音波伝播経路の向きを直管部内の流線の向きに近づけることができ、流速ベクトルとほぼ同方向に伝播する同相超音波信号の送受信効率が高められる結果、流量計測精度をより向上させることができる。
この場合、流量計測用管路の矩形軸断面の第二辺側を形成する側面対向壁部の一方に第一超音波送受信部を、他方に第二超音波送受信部を取り付けることで、直管部の断面第一辺方向(管路幅方向)を掃引する形で超音波伝播経路が設定される、直管部内の3次元的な流速分布全体を適切に平均化した流量計測が可能となる。より具体的には、第一超音波送受信部を、側面対向壁部の一方にて第一湾曲管路部の頂点部よりも下流側であって、第二湾曲管路部との接続点よりも上流側に取り付け、第二超音波送受信部を側面対向壁部の他方にて第二湾曲管路部の頂点部よりも上流側であって、接続点よりも下流側に取り付けるとともに、第一湾曲管路部と第二湾曲管路部との接続区間において、伝播経路が、流体流れ方向を斜めに横切る無反射経路として形成しておくとよい。このようにすると、伝播経路が直管部内に対角線状の無反射経路として形成され、前後の湾曲管路部からの影響により互いに逆向きに偏向を受けた直管部内内の流速分布が、偏向方向と管路幅方向の双方に三次元的に掃引され、流路内空間の三次元的な流速分布全体を適切に平均化した流量計測が可能となり、ひいては流力計測精度の更なる向上に寄与する。また、伝播経路が無反射経路となることで、伝播経路長が短縮され、超音波送受信部の送信出力や受信増幅ゲインの低減を図ることができ、省電力化を図ることができる。また、流路内部で超音波の反射損失が生じなくなるので、計測安定性が高く計測精度を向上できる利点もある。この場合、流路の矩形軸断面を長方形として、偏向方向をなす第二辺を長方形の短辺に設定するとよい。偏向方向(湾曲方向)が矩形軸断面短辺方向なので、直管部内の流速分布は長辺方向(管路幅方向)に一様化して二次元的となり、該長辺方向の流速分布を一様に制御しやすくなる。
次に、第一湾曲管路部の流体入口側の端に、流体入口から流入する流体を、第一湾曲管路部の流入端へ向け方向変換しつつ導く導入管路部を結合することができる。また、第二湾曲管路部の流体出口側の端に、流体を流体出口に向け方向変換しつつ導く導出管路部を結合することができる。これにより、既設配管への流量計測用管路の取付自由度を向上できる。また、流体の流体入口への流入方向と流体出口からの流出方向とは、管路規定平面上にて偏向方向と直交する向きに定めておくことが、湾曲した測定配管を既設配管上に組み込む際にスペース上有利である。
また、管路中心線の流体入口側端点から流体出口側端点に至る全長の二分点を管路中心点として定めたとき、該管路中心点に関し、互いに鏡映反転した形状関係にある第一湾曲管路部と第二湾曲管路部との対を互いに点対称となる位置関係で配置することができる。この場合、管路中心線で見たときの流体入口位置が、管路規定平面上にて偏向方向に管路中心点から遠ざかるよう所定距離だけオフセットして位置し、同じく管路中心線で見たときの流体出口位置が偏向方向にて流体入口位置と逆向きに等距離オフセットして位置するように構成できる。流体入口位置と流体出口位置とを管路中心点から逆向きに等距離オフセットさせることで、流量計測用管路の対称性を損ねることなく流速分布の偏向特性をそのオフセット量に応じて微調整でき、ひいては流量計測精度の更なる適正化を図ることができる。
本発明に係る超音波流量計の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の超音波流量計を、一般住宅用ガスメータ等として用いられるガス流量計として構成した実施例を示している。この超音波流量計1には、被測定流体GFの流路を形成する流路形成部3と流路形成部3に対し被測定流体GFの流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体GFへの測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームSWを送出可能な対をなす超音波送受信部2a,2bとを備えている。流路形成部3は例えば金属製である。各超音波送受信部2a,2bに組み込まれた超音波送振動子は、流路形成部3の壁部とその外面に一体化された振動子取付部2gとを斜めに貫通する形で流路と連通するように形成された振動子配置孔2h内に配置される。そして、振動子取付部2gの超音波ビーム放出面は、振動子配置孔2hの内周面と、流路形成部3の壁部3J内面の該振動子配置孔2h側への延長面との間で三角形状の流体淀み空間2dを形成している。
流路形成部3は超音波送受信部2a,2bとともに流量計本体を構成し、該流量計本体と制御回路部1Eとにより超音波流量計1の全体が構成されている。制御回路部1Eは、対をなす超音波送受信部2a,2bを、流路上流側に位置する上流側超音波送受信部2a側が送信側となり、流路下流側に位置する下流側超音波送受信部2b側が受信側となる第一駆動モードと、その逆となる第二駆動モードとの間で切替可能に駆動する超音波駆動機構4を有する。
超音波流量計1の流量測定用の流路3Pには、流量測定用ガス(流体)が図示の流れ方向に流通している。流路3Pには、流れ方向下流側に下流側超音波送受信部2bが設けられ、流れ方向上流側に上流側超音波送受信部2aが設けられている。これらの超音波送受信部2a,2bは圧電振動子などからなる超音波振動子を有した超音波トランスデューサであり、駆動電圧の印加により超音波ビームを送出する超音波送出機能と、超音波ビームの受信により電気信号(受信信号)を出力する超音波受信機能とを複合して備えるものである。測定用の超音波ビームは、流路内にて超音波送受信部2a,2b間に定在波を生じないよう、所定波数以下のパルス状に送出される。
制御回路部1Eには、前述の超音波駆動機構4と周辺回路ブロック7〜11が設けられている。超音波駆動機構4は、送信部5、受信部6及び切替部4sを有する。送信部5は、超音波送受信部2a,2bに対して駆動信号を入力するための回路である。受信部6はスイッチ等から構成され、このスイッチを切り替えることにより、前述の駆動モードの切替がなされる。この受信部6の切替制御は切替部4sにより行われる。増幅部7は、受信部6により受信された超音波を所定の増幅率で増幅し、増幅された超音波変換信号をマスク時間設定部8に入力する。マスク時間設定部8は、ノイズ対策のため、超音波素子2aまたは2bより超音波を送出してから、流路3を伝搬される超音波が到達しない最低の時間を設けるものである。また、ゼロクロスポイント検出部9は、受信した超音波波形に含まれる特定順位波(例えば、第3波)のゼロクロスポイントを検出するものである。時間計測部10は、第一駆動モードでの、上流側超音波送受信部2aから発信された超音波ビームSWが下流側超音波送受信部2bに到達するまでの順方向伝播時間と、第二駆動モードにおける下流側超音波送受信部2bから発信された超音波ビームSWが上流側超音波送受信部2aに到達するまでの逆方向伝播時間とを計測するものである。また、演算部11は、上記の順方向伝播時間と逆方向伝播時間との時間差から、流路3Pを流れる流体の平均流速度及び流量を計算する。
図2に示すように、流量計測用管路3は本発明特有の立体形状を有するものとして構成されている。すなわち、流量計測用管路3は、長方形軸断面を有するとともに管長方向における各端に流体入口31と流体出口32とを有する。そして、図3に示すように、長方形軸断面の隣接二辺の第一辺Kを法線とする仮想的な管路規定平面DPへの投影にて管路中心線Oが二次元的に屈曲した形状を有する。具体的には、管路規定平面DP上における長方形軸断面の隣接二辺の第二辺J(この実施形態では長方形の短辺)と平行な向きを偏向方向DDと定義したとき、該偏向方向DDに沿って湾曲膨出方向が互いに逆向きに定められた第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とが隣接配置されている(流れ方向上流側に位置するものを第一湾曲管路部36である)。
図2に示すように、第一及び第二の超音波送受信部2a,2bは、超音波伝播経路SWの両端にて流量計測用管路3の壁部それぞれ取り付けられ、該流量計測用管路3を流れる流体に対し測定用超音波を伝播経路SWに沿って送受信する。その伝播経路SWは、管路規定平面DPへの投影において、偏向方向DDにおける第一側壁部33の内面と第二側壁部34の内面との間を横断するように、第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とにまたがって定められている。
第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とは直接隣接する形で結合され、S字状管路部を形成している。具体的には、図3に示すように、管路中心線O(管路内流線の各位置の接線方向を法線とする管路断面を考え、個々の管路断面の幾何学的重心位置を結んで得られる線を管路中心線Oとして定める)の、流体入口31側端点から流体出口32側端点に至る全長の二分点を管路中心点Zとして定めたとき、管路の全体形状が、当該管路中心点Zに関して点対称となるように定められている。第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とは、管路規定平面DPへの正射投影において、接続終端側における管路中心線Oの接線方向が互いに一致する位置関係にて配置されている。各湾曲管路部36,37の湾曲内面形状は円筒面状とされている。つまり、各湾曲管路部36,37は、管路規定平面上において管路中心線の曲率半径が互いに等しい円弧状管部材として構成されている。
また、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37は、互いに鏡映反転した立体形状関係にある等価な湾曲管部をなす。両管路部は溶接等により一体不可分に結合することもできるし、図4及び図5に示すように、鏡映反転関係にある個別の湾曲管部材として形成し、これを機械的な締結手段にて結合し一体化することもできる。図4及び図5では、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各接続端に結合用のフランジ36f,37fを形成し、図示しないパッキンを介してボルト締結した構造とされている。
また、第一湾曲管路部36の流体入口側の端には、流体入口31から流入する流体を、第一湾曲管路部36の流入端へ向け方向変換しつつ導く導入管路部38が一体に形成されている。また、第二湾曲管路部37の流体出口側の端には、該流出端から流出する流体を、流体出口32に向け方向変換しつつ導く導出管路部39が一体に形成されている。流体の流体入口31への流入方向と流体出口32からの流出方向とは、管路規定平面DP上にて偏向方向DDと直交する向き(以下、基準流れ方向Xという)に定められている。
導入管路部38に形成される流体入口31と、導出管路部39に形成される流体出口32とはいずれも長方形状の開口断面を有し、長方形状の軸断面を有した配管が接続される。ただし、図15に示すように、導入管路部38と導出管路部39の軸断面形状を円形とし、かつ、長方形状の軸断面を有した第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37とは別体形成して、該第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37に対し締結結合(ここではフランジ結合)する構成とすることも可能である。
流量計測用管路3は流れ方向にて軸断面積が一様となるように構成されている。第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲方向(偏向方向DD)は長方形軸断面の短辺J方向に設定されている。矩形断面の短辺J方向に湾曲させつつ断面のアスペクト比を大きくする事で、管路内を流れる流体の分布を三次元流から二次元流へ近づけることができ、断面長辺K方向の流速分布を一様に制御しやすくなる。
図2に示すように、流量計測用管路3に対し超音波送受信部2a,2bは、流量計測用管路3の矩形軸断面の第一辺K側、すなわち、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37に係る湾曲面側を形成する主対向壁部33,34の一方に第一超音波送受信部2aを、他方に第二超音波送受信部2bを取り付けている。具体的には、主対向壁部33,34のうち、第一湾曲管路部36の頂点部にて湾曲外周側に位置するものを第一主壁部33、第二湾曲管路部37の頂点部にて湾曲外周側に位置するものを第二主壁部34として、第一超音波送受信部2aは、第一主壁部33に対し、第一湾曲管路部36の頂点部よりも流体流れ方向における上流側に取り付けられている。また、第二超音波送受信部2bは、第二主壁部34に対し、第二湾曲管路部37の頂点部よりも流体流れ方向における下流側に取り付けられている。
図5に示すように、各超音波送受信部2a,2bは各主対向壁部33,34の幅方向(流量計測用管路3の第一辺方向:長方形軸断面の長辺Kの方向)のほぼ中央に取り付けられている。つまり、超音波送受信部2a,2bは流量計測用管路3の第一辺方向にて同じ位置に取り付けられている。また、図2に示すように、超音波送受信の向きは、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲頂点部での流線接線方向とほぼ平行である。図3において、伝播経路SWは、基準流れ方向Xにて第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲頂点部36p,37pの間にて、第二主壁部34内面の第一反射点36rと、第二主壁部33内面の第二反射点37rとでそれぞれ1回ずつ反射を生ずるようになっている。従って、第一反射点36rと第二反射点37rとの間は無反射伝播経路が形成されている。
図3に示すように、第一湾曲管路部36の湾曲膨出方向を該偏向方向DDの第一側、第二湾曲管路部37の湾曲膨出方向を同じく第二側と定義すると、偏向方向DD被測定流体を流体入口31から流体出口32に向けて流通させたとき、該管路の軸断面内流速分布は、第一湾曲管路部36では流量ピーク位置が偏向方向DDにおける第二側に偏って生じ、第二湾曲管路部37では流量ピーク位置が同じく第一側に偏って生じる。
つまり、第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とは湾曲膨出方向が逆になっていることで、流体が通過する際に軸断面内流速分布が互いに逆向きの偏向を強制的に受け、流速分布は流れ方向に沿って作為的かつ安定に変化する。つまり、第一湾曲管路部36から第二湾曲管路部37へ通過する流体の、流れ方向に沿った各断面位置(ξ1〜ξ9)での偏向方向DD(流路高さ方向:長方形軸断面の短辺Jの方向)における流速分布は、図示のごとく連続的に変化する。
このような流路内を測定用超音波は、断面毎に偏向方向DDにおける通過位置を変えながら通過するので、流れ方向に連続的に変化する分布を掃引して積分的に平均化しながら流量計測がなされる。例えば、無反射直結区間では、各湾曲部材の逆向きに偏った流速分布が流れ方向に半分ずつ掃引・計測され、結果として全流速分布を掃引する計測が可能となり、全流速分布を的確に反映した平均化した流れの計測が可能となり、例えば、流路の壁部近傍域と中央域とで流れ形態に差があるにもかかわらず(流量小→流量大、層流→乱流)、補正等も不要で、高精度で安定した流量計測が実現する。また、一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とが管路中心点Zに関して点対称なS字状管路部を形成することにより、各湾曲管路部での流速分布の偏向状態を対称な関係に近づけることができ、偏った流れの全分布に対する計測精度が向上する。
図3において無反射直結区間QRの各反射点R,Q(図2では36r,37r)付近では、壁面摩擦による流量損失が湾曲による流れ偏向により補償され、偏向を受けない流路を用いた測定の場合の流速分布(断面ξ5の分布に近い)と比較して、壁面近傍に対応する両肩部での測定上の損失が抑制され、該損失に対する補正等が不要ないし軽減できるようになる。また、各反射点Rの上流側の区間においては、短辺J方向に係る流速分布のうち第一主壁部33内面側の半分が、また、反射点Qの下流側の区間においては同じく第二主壁部34内面側の半分がそれぞれ掃引されるが、各区間で対応する壁部内面側に流速分布が偏向しているため、壁面摩擦による流量損失の補償に同様に貢献している。
なお、図6に示すように、無反射直結区間の両端をなす各反射点を第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各頂点部36p,37pと一致させることもできる。第一超音波送受信部2aは、第一主壁部33内面における該第一湾曲管路部36の頂点部36pを見込む向きに傾斜して取り付けられ、該傾斜方向に沿う伝播経路SWに沿って測定用超音波を、該頂点部36pにて反射させつつ送受信する。また、第二超音波送受信部2bは、第二主壁部34内面における該第二湾曲管路部37の頂点部37pを見込む向きに傾斜して取り付けられ、該傾斜方向に沿う伝播経路SWに沿って測定用超音波を、該頂点部37pにて反射させつつ送受信する。湾曲管路部の頂点部を見込む向きに傾斜して超音波送受信部2a,2bを取り付けることになるので三角形状の流体淀み空間2dが縮小され、該流体淀み空間2dでの被測定流体の淀みや渦発生が抑制されるので、流量測定精度を向上できる。
なお、図7に示すように、超音波送受信部2a,2bの壁部への取付角度をさらに大きくすれば流体淀み空間2dはさらに縮小できる。ただし、伝播経路SWの反射回数が増大するので、超音波の送信出力を増加させる必要が生ずる(十分な送信出力を確保できる場合は、伝播経路SWが延長される分だけ流量測定精度は向上する)。
また、図8に示すように、各超音波送受信部2a,2bの基準流れ方向Xにおける取付位置を、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲頂点部36p,37pの間に設定することで、伝播経路WSWが無反射直結区間のみとなるように(すなわち、壁部内面での反射が生じないように)構成することが可能である。この場合も、各軸断面の超音波通過位置が、通過位置偏向方向DDにおける第一側壁部33の内面と第二側壁部34の内面との間で短辺J方向に掃引されることに変わりなく、壁面摩擦による流量損失を湾曲による流れ偏向により補償する効果が同様に達成できる。また、壁面反射が回避され、かつ伝播経路長も短くなることで超音波出力を低減することができ、省電力化にも貢献する。
また、図9に示すように、流量計測用管路3の矩形軸断面の第二辺(短辺J)側を形成する側面対向壁部の一方41aに第一超音波送受信部2aを、他方41bに第二超音波送受信部2bを取り付けることも可能である。このようにすると、管路断面の第一辺方向(管路幅方向:長辺K)を掃引する斜めの超音波伝播経路SWが設定され、流路内の流速分布において、より三次元的な流れを平均化した流量計測が可能となる。
また、図10に示すように、接続終端側における管路中心線Oの接線方向が互いに一致するように配置された第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37との間に、該接線方向に沿って直管部40を配置することも可能である。第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37との接続区間に上記のような直管部40を挿入することで、超音波送受信部2a,2bの取付けスペースの確保が容易となり、設計自由度を高めることができる。図10においては、直管部40の前後にて各湾曲管路部36,37の内面で1回ずつ反射しつつ、直管部40内では無反射直結区間となる超音波伝播経路が形成されるように、該直管部40の上流端側に第一超音波送受信部2aが、下流端側に第二超音波送受信部2bが取り付けられている。超音波伝播経路の向きを直管部40内の流線方向に近づけることができ、流速ベクトルとほぼ同方向に伝播する同相超音波信号の送受信効率が高められる結果、流量計測精度をより向上させることができる。図11は、各超音波送受信部2a,2bの基準流れ方向Xにおける取付位置を、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲頂点部の間に設定し、伝播経路SWが無反射直結区間のみとなるように構成した例である。
図11においては、超音波送受信部2a,2bは、管路断面の第一辺方向(管路幅方向:長辺K)にて同じ位置に取り付けられていたが、図12に示すように、該第一辺方向(つまり、管路幅方向)の両端に寄せた形で、超音波送受信部2a,2を互いに異なる位置に取り付けることも可能である。また、図13に示すように、直管部40の側面対向壁部の一方41aに第一超音波送受信部2aを、他方41bに第二超音波送受信部2bを取り付けることも可能である。いずれも、該第一辺方向を掃引する斜めの超音波伝播経路SWが設定され、流路内の流速分布において、より三次元的な流れを平均化した流量計測が可能となる。
前述のごとく、第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37とは管路中心点Zに関して互いに点対称となるように配置されているが、図14に示すように、管路中心線Oで見たときの流体入口31の位置を、管路規定平面DP上にて偏向方向DDに管路中心点Zから遠ざかるよう所定距離だけオフセットさせ、同じく管路中心線Oで見たときの流体出口32の位置が偏向方向DDにて流体入口31位置と逆向きに等距離オフセットさせることができる。図3においても、図14よりは小さいが該オフセットδが設定されている。流体入口31と流体出口32とを管路中心点Zから逆向きに等距離オフセットさせることで、流量計測用管路3の対称性を損ねることなく流速分布の偏向特性をそのオフセット量に応じて微調整でき、ひいては流量計測精度の更なる適正化を図ることができる。図3及び図14では流体入口31を偏向方向DDの第一方向にオフセットし、流体出口32を偏向方向DDの第二方向にオフセットしているが、これと逆にオフセットすることも可能である。
次に、図16に示すように、流量計測用管路3は、矩形軸断面の偏向方向DD(湾曲膨出方向)をなす第二辺を、長方形の長辺Kに設定することも可能である。管路規定平面DPの法線方向を管路幅方向、偏向方向DDを管路高さ方向と定義したとき、流路断面が矩形形状で矩形断面の長辺K方向に湾曲させることは、管路幅が管路高さよりも肉薄となる流路構造となることを意味し、管路幅の取付けスペースに制約がある流路に対応しやすくなる。矩形断面の長辺K方向に湾曲させつつ断面のアスペクト比を大きくする事で、管路内を流れる流体の分布を三次元流から二次元流へ近づけることができ、断面長辺K方向の流速分布を一様に制御しやすくなる。
図16においては、図8の構成と同様に、各超音波送受信部2a,2bの基準流れ方向Xにおける取付位置及び取付角度を、伝播経路WSWが無反射直結区間のみとなるように、すなわち、壁部内面での反射が生じないように定めている。各軸断面の超音波通過位置は、通過位置偏向方向DDにおける第一側壁部33の内面と第二側壁部34の内面との間で長辺K方向に掃引されることとなる。図17に示すように、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37を鏡映反転関係にある個別の湾曲管部材として形成し、これを機械的な締結手段にて結合し一体化することができる(ここでは、図4及び図5と同様に、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各接続端に結合用のフランジ36f,37fを形成し、図示しないパッキンを介してボルト締結した構造としている)。
また、図18に示すように、図10と同様の直管部材40を、接続終端側における管路中心線Oの接線方向が互いに一致するように配置された第一湾曲管路部36と第二湾曲管路部37との間に、該接線方向に沿って配置することが可能である。各超音波送受信部2a,2bの基準流れ方向Xにおける取付位置は、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲頂点部36p,37pの間に設定され、伝播経路SWが無反射直結区間のみとなるように構成されている。
図19及び図20は、流体入口31と流体出口32とを管路中心点Zから逆向きに等距離オフセットさせた場合の例である。ここでは、流体入口31を偏向方向DDの第二方向にオフセットし、流体出口32を偏向方向DDの第一方向にオフセットしているが、これと逆にオフセットすることも可能である。図19において、第一超音波送受信部2aは、第一主壁部33内面における該第一湾曲管路部36の頂点部36pを見込む向きに傾斜して取り付けられ、該傾斜方向に沿う伝播経路SWに沿って測定用超音波を、該頂点部36pにて反射させつつ送受信する。また、第二超音波送受信部2bは、第二主壁部34内面における該第二湾曲管路部37の頂点部37pを見込む向きに傾斜して取り付けられ、該傾斜方向に沿う伝播経路SWに沿って測定用超音波を、該頂点部37pにて反射させつつ送受信する。また、図20では、各超音波送受信部2a,2bの基準流れ方向Xにおける取付位置を、第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37の各湾曲頂点部36p,37pの間に設定し、伝播経路WSWが無反射直結区間のみとなるように構成した例である。
また、図21は、導入管路部38と導出管路部39を、一般的な既設配管と接続可能な円形軸断面形状に構成し、かつ、長方形状の軸断面を有した第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37とは別体形成して、該第一湾曲管路部36及び第二湾曲管路部37に対し締結結合(ここではフランジ結合)した例を示すものである。
図22は、本発明で採用するS字状流量計測用管路について、左列が長方形断面の短辺方向に偏向方向を設定した場合の、右列が同じく長辺方向に偏向方向を設定した場合の流速分布シミュレーション結果を二次元マッピングして示すものであり、流速の早い箇所ほど濃度が大きくなるように表示されている。左列及び右列とも、下に位置するマッピング結果ほど流量が大きい条件でのシミュレーション結果を示している。流速が大きくなるほど大流量領域が湾曲内側にシフトしていることがわかる。
本発明の超音波流量計の全体構成の一例を示すブロック図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第一例を示す図。 図2の流量計測用管路の作用説明図。 図2の流量計測用管路の部品構成例を示す側面図。 同じく斜視図。 図2の流量計測用管路に対する超音波送受信部の取付形態の第一変形例を示す図。 同じく第二変形例を示す図。 同じく第三変形例を示す図。 同じく第四変形例を示す図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第二例を示す図。 図10の流量計測用管路に対する超音波送受信部の取付形態の第一変形例を示す図。 同じく第二変形例を示す図。 同じく第三変形例を示す図。 同じく第四変形例を示す図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第三例を示す図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第四例を示す図。 図16の流量計測用管路の部品構成例を示す側面図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第五例を示す図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第六例を示す図。 図19の流量計測用管路に対する超音波送受信部の取付形態の変形例を示す図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の第七例を示す図。 本発明の超音波流量計に使用する流量計測用管路の流速分布シミュレーション結果を示す図。
符号の説明
1 超音波流量計
GF 被測定流体
2a,2b 超音波送受信部
2d 流体淀み空間
3 流量計測用管路
3P 流路
3W 導波空間
4 超音波駆動機構
31 流体入口
32 流体出口
33,34 主対向壁部
36 第一湾曲管路部
37 第二湾曲管路部
40 直管部
O 管路中心線
DP 管路規定平面
DD 偏向方向

Claims (17)

  1. 矩形軸断面を有するとともに管長方向における各端に流体入口と流体出口とを有し、かつ、前記矩形軸断面の隣接二辺の第一辺を法線とする仮想的な管路規定平面への投影にて管路中心線が二次元的に屈曲した形状を有し、前記管路規定平面上における前記矩形軸断面の前記隣接二辺の第二辺と平行な向きを偏向方向と定義したとき、該偏向方向に沿って湾曲膨出方向が互いに逆向きに定められた第一湾曲管路部と第二湾曲管路部とが流れ方向上流側に前記第一湾曲管路部が位置するように配置されるとともに、超音波の伝播経路が、前記管路規定平面への投影にて前記偏向方向における第一側壁部内面と第二側壁部内面との間を少なくとも1回横断するよう前記第一湾曲管路部と前記第二湾曲管路部とにまたがって定められた流量計測用管路と、
    前記伝播経路の両端にて前記流量計測用管路の壁部それぞれ取り付けられ、該流量計測用管路を流れる流体に対し測定用超音波を前記伝播経路に沿って送受信する第一及び第二の超音波送受信部と、
    を有することを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記流量計測用管路は、前記第一湾曲管路部と前記第二湾曲管路部とが直接又は他の管路部材を介して結合されたS字状管路部を形成する請求項1記載の超音波流量計。
  3. 前記流量計測用管路は、前記第一湾曲管路部及び前記第二湾曲管路部が、互いに鏡映反転した立体形状関係にある等価な湾曲管部材からなる請求項1又は請求項2に記載の超音波流量計。
  4. 前記流量計測用管路は、前記管路中心線の前記流体入口側端点から前記流体出口側端点に至る全長の二分点を管路中心点として定めたとき、前記管路の全体形状が、当該管路中心点に関して点対称となるように定められている請求項3記載の超音波流量計。
  5. 前記流量計測用管路の前記矩形軸断面の前記第一辺側、すなわち、前記第一湾曲管路部及び前記第二湾曲管路部に係る湾曲面側を形成する主対向壁部の一方に前記第一超音波送受信部が、他方に前記第二超音波送受信部が取り付けられてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  6. 前記主対向壁部のうち、前記第一湾曲管路部の頂点部にて湾曲外周側に位置するものを第二主壁部、前記第二湾曲管路部の頂点部にて湾曲外周側に位置するものを第一主壁部として、
    前記第一超音波送受信部は、前記第二主壁部に対し、前記第一湾曲管路部の頂点部よりも流体流れ方向における上流側に取り付けられ、前記第二主壁部内面における該第一湾曲管路部の頂点部を見込む向きに傾斜して定められた伝播経路に沿って前記測定用超音波を、該頂点部にて反射させつつ送受信するものであり、
    前記第二超音波送受信部は、前記第一主壁部に対し、前記第二湾曲管路部の頂点部よりも流体流れ方向における下流側に取り付けられ、前記第一主壁部内面における該第二湾曲管路部の頂点部を見込む向きに傾斜して定められた伝播経路に沿って前記測定用超音波を、該頂点部にて反射させつつ送受信するものである請求項5記載の超音波流量計。
  7. 前記伝播経路は、前記第一湾曲管路部と前記第二湾曲管路部との接続区間において、前記第一湾曲管路部の頂点部における前記第二主壁部上の反射点と、前記第二湾曲管路部の頂点部における前記第一主壁部上の反射点との間が、両反射点を直結する無反射伝播経路部を形成してなる請求項6記載の超音波流量計。
  8. 前記流量計測用管路の前記矩形軸断面が長方形であり、前記偏向方向をなす前記第二辺が前記長方形の長辺である請求項7記載の超音波流量計。
  9. 前記流量計測用管路の前記矩形軸断面が長方形であり、前記偏向方向をなす前記第二辺が前記長方形の短辺である請求項7記載の超音波流量計。
  10. 前記第一超音波送受信部と前記第二超音波送受信部とが前記流量計測用管路の前記第一辺方向にて互いに異なる位置に取り付けられている請求項9記載の超音波流量計。
  11. 前記管路規定平面への正射投影において、前記第一湾曲管路部と前記第二湾曲管路部とは、接続終端側における管路中心線の接線方向が互いに一致する位置関係にて配置され、かつ該第一湾曲管路部と第二湾曲管路部との接続区間が、前記接線方向に配置された直管部にて構成されている請求項10記載の超音波流量計。
  12. 前記流量計測用管路の前記矩形軸断面の前記第二辺側を形成する側面対向壁部の一方に前記第一超音波送受信部が、他方に前記第二超音波送受信部が取り付けられてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  13. 前記第一超音波送受信部が、前記側面対向壁部の一方にて前記第一湾曲管路部の頂点部よりも下流側であって、前記第二湾曲管路部との接続点よりも上流側に取り付けられ、前記第二超音波送受信部が、前記側面対向壁部の他方にて前記第二湾曲管路部の頂点部よりも上流側であって、前記接続点よりも下流側に取り付けられ、
    前記第一湾曲管路部と前記第二湾曲管路部との接続区間において、前記伝播経路が、前記流体流れ方向を斜めに横切る無反射経路として形成されてなる請求項12記載の超音波流量計。
  14. 前記矩形軸断面が長方形であり、前記偏向方向をなす前記第二辺が前記長方形の短辺である請求項13記載の超音波流量計。
  15. 前記第一湾曲管路部の前記流体入口側の端に、前記流体入口から流入する前記流体を、前記第一湾曲管路部の流入端へ向け方向変換しつつ導く導入管路部が結合され、
    前記第二湾曲管路部の前記流体出口側の端に、前記流体を前記流体出口に向け方向変換しつつ導く導出管路部が結合されている請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  16. 前記管路規定平面上にて前記流体の前記流体入口への流入方向と前記流体出口からの流出方向とが、前記偏向方向と直交する向きに定められている請求項15記載の超音波流量計。
  17. 前記管路中心線の前記流体入口側端点から前記流体出口側端点に至る全長の二分点を管路中心点として定めたとき、該管路中心点に関し、互いに鏡映反転した形状関係にある前記第一湾曲管路部と前記第二湾曲管路部との前記対が互いに点対称となる位置関係で配置されてなり、
    前記管路中心線で見たときの前記流体入口位置が、前記管路規定平面上にて前記偏向方向に前記管路中心点から遠ざかるよう所定距離だけオフセットして位置し、同じく前記管路中心線で見たときの前記流体出口位置が前記偏向方向にて前記流体入口位置と逆向きに等距離オフセットして位置する請求項16記載の超音波流量計。
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