JP2008107287A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】流路上での超音波ビームの伝搬パスをより効率的に増加させることができ、ひいては流量測定精度の更なる向上、あるいは装置小形化に有効に寄与する超音波流量計を提供する。
【解決手段】送信側となる超音波送受信部2a,2bから送出される超音波ビームSWを、この反射部材31,32を用いて流路内で多重反射(反射回数2回以上)させつつ受信側となる超音波送受信部2a,2bへ導くようにした。その結果、超音波送受信部2a,2b間を超音波ビームSWが直進により伝播する場合と比較して、反射回数が2回以上に増加する分だけ伝播パス長が折れ線状に大幅に増加し、流量測定精度の向上あるいは流量測定のレンジアビリティ拡大に寄与できる。そして、同じ伝播パス長であっても、パス形状が折れ線状となることで、対を成す超音波送受信部2a,2bの距離を近づけることができ、装置の小形化にも貢献する。
【選択図】 図3

Description

本発明は超音波流量計に関する。
特開2004−251653号公報
従来、都市ガスや水などの流量を計測するための超音波流量計が知られている。その際の測定原理として、一般には「伝搬時間差法」が用いられる。これは、流路の流体流れ方向上流側及び下流側に一対の超音波送受信部を設け、それら超音波送受信部間の超音波送受信方向を交互に切り替えるとともに、上流側超音波送受信部から発信された超音波ビームが下流側超音波送受信部に到達するまでの時間(順方向伝播時間)と、下流側超音波送受信部から発信された超音波ビームが上流側超音波送受信部に到達するまでの時間(逆方向伝播時間)とを計測して、両者の時間差から流路を流れる流体の平均流速度及び流量を求めるものである。
特許文献1には、そのような超音波流速計として、対をなす超音波送受信部の間で、一方の超音波送受信部から送出された超音波ビームを管路壁部で1回反射させてから他方の超音波送受信部へ導くようにした超音波流量計が開示されている。この構成によると、受信側となる超音波送受信部が1回反射後の超音波を検出するので、一対の超音波送受信部の設置間隔を縮小しても超音波ビームの伝搬パスが相対的に長くなるので、測定精度を向上するできることが謳われている。また、特許文献1においては、超音波ビームの伝播経路に対応する位置に絞り孔を形成したビーム絞り板が設けられており、超音波ビームの拡散に起因した、不要な反射波束成分をカットできるので、同様に測定精度を向上できる旨謳われている。
しかしながら、特許文献1においては、超音波ビームの反射回数は1回止まりであり、伝搬パスの増加効果は必ずしも十分とはいえない。また、流路内部に設けられたビーム絞り板は、不要な反射波束成分を除去する以上の機能を与えられておらず、伝搬パスの増加には何ら寄与していない。
本発明の課題は、流路上での超音波ビームの伝搬パスをより効率的に増加させることができ、ひいては流量測定精度の更なる向上、あるいは装置小形化に有効に寄与する超音波流量計を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、
被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
流路形成部に対し被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームを送出可能な対をなす超音波送受信部と、
流路形成部の内部にて流路に沿って配置される板状に形成された、1つ又は板面法線方向に所定の間隔で複数設けられた反射部材とを備え、
送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームを、反射部材を利用して流路内で多重反射させつつ受信側となる超音波送受信部へ導くようにしたことを特徴とする。
上記本発明においては、特許文献1ではビーム絞り板としてのみ用いられていた、流路内に設けられる板部材を、超音波ビームに対する反射部材として活用する。そして、送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームを、この反射部材を用いて流路内で多重反射(反射回数2回以上)させつつ受信側となる超音波送受信部へ導くようにした。その結果、超音波送受信部間を超音波ビームが直進により伝播する場合と比較して、反射回数が2回以上に増加する分だけ伝播パス長が折れ線状に大幅に増加し、流量測定精度の向上あるいは流量測定のレンジアビリティ拡大に寄与できる。また、一定の精度を達成するために、同じ流れに対して流量測定を複数回繰り返して実施する場合においても、伝播パス長延長に伴う精度向上への寄与により必要な繰り返し計測回数を低減できる(あるいは1回の計測で済ませることも可能となる)。他方、同じ伝播パス長であっても、パス形状が折れ線状となることで、対を成す超音波送受信部の距離を近づけることができ、装置の小形化にも貢献する。
また、反射部材によって流路がその軸断面内にて複数に分割されるが、反射部材は被測定流体に対する整流素子としても機能するので、流れの安定化と均一化とを図ることができ、この観点からも流量測定精度の向上に寄与する。特に、反射部材による流路の分割方向に流れを十分均一化することができれば、測定対象となる流れを近似的に二次元流として取り扱うことが可能となり、測定精度向上の観点においてさらに有利となる。流路内に整流板を設ける思想は従来から存在しているが、限られた流路内部に整流素子を配置することによる寸法制約の結果、超音波送受信部間に確保できる距離にも限界が生ずる。しかし、本発明の採用により、そのような寸法制約があっても多重反射効果により伝播パス長を十分に拡大することができる。
本発明の超音波流量計には、対をなす超音波送受信部に対し、流路上流側に位置する上流側超音波送受信部側が送信側となり、流路下流側に位置する下流側超音波送受信部側が受信側となる第一駆動モードと、その逆となる第二駆動モードとの間で切り替え可能に駆動する超音波駆動機構を設けることができる。これにより、1対の超音波送受信部を2つの駆動モードに共用化でき、超音波送受信部の総数を減ずることができる(上流側超音波送受信部と下流側超音波送受信部とがそれぞれ1つずつ設けられればよい)。ただし、特許文献1のごとく、超音波送信部の上流側と下流側とに、互いに等価な多重反射伝播パスが生ずるように、それぞれ超音波受信部を個別に配置するように構成してもよい。
反射部材は、超音波ビームの反射面が流路の中心軸線と平行となるように配置することが、反射部材を整流素子としても機能させる観点において望ましい。
上記の対をなす上流側超音波送受信部のうち、流路の上流側に配置される上流側超音波送受信部は、ビーム中心軸線が反射部材の反射面の法線方向に対し上流側に一定角度傾斜して定められる第一基準方向と一致するよう流路形成部の壁部に傾けて取り付けられるのが通常である。同様に、流路の下流側に配置される下流側超音波送受信部は、ビーム中心軸線が反射部材の反射面の法線方向に対し第一基準方向と同一角度にて下流側に傾斜して定められる第二基準方向と一致するよう流路形成部の壁部に傾けて取り付けられる。この場合、各超音波送受信部に組み込まれた超音波送振動子は、流路形成部の壁部とその外面に一体化された振動子取付部とを斜めに貫通する形で流路と連通するように形成された振動子配置孔内に、自身の超音波ビーム放出面が、振動子配置孔の内周面と、流路形成部の壁部内面の該振動子配置孔側への延長面との間で三角形状の流体淀み空間を生ずる形で配置される。この流体淀み空間は、流速の小さい空間領域であり、流路本体を流れる被測定流体の流速が大きい場合には、この流体淀み空間に流体が流れ込み、その流速分布へ悪影響により測定精度の低下につながる問題がある。
この問題を解決するには、超音波送受信部の流路形成部に対する取付角度を大きくすることが有効である。すなわち、超音波送受信部のビーム中心軸線が流路形成部に流路中心軸線に対して直角に近づく向きに立てて取り付けることにより、流体淀み空間を縮小することができる。しかし、従来のごとく超音波送受信部間で直線的なパスに沿って超音波ビームを伝播させる構成では、上記取付角度が大きくなるほど伝播パス長が短くなり、流量測定精度あるいはレンジアビリティが低下することにつながる。しかし、本発明の採用により、対をなす超音波送受信部は、一方の超音波送受信部に対し他方の超音波送受信部が、該一方の超音波送受信部からの超音波ビームの送出方向を、反射部材への入射位置から流路形成部の反対側の壁部まで延長したときの当該壁部との交差位置よりも遠くなるように配置されることになる。つまり、超音波送受信部の流路形成部に対する取付角度が大きく立っていても、伝播パスは多重反射による折れ線状の形態となって延長され、また、取付角度が立っている分だけ三角形状の淀み空間も縮小するので、流量測定精度ないしレンジアビリティを十分確保することができる。
なお、反射部材と流路形成部の壁部との間に不要な隙間や空隙が形成されていることは、流速分布の不均一化を招くことにつながるので、反射面の法線方向と流路の断面中心軸線方向との双方と直交する向きを流路幅方向としたとき、反射部材の該流路幅方向の両縁は、流路形成部の該流路幅方向における両側の壁部内面に結合されていることが望ましい(ただし、後述のビーム通過孔やビーム導入孔など、超音波ビームの伝播パスの形成に寄与する空隙は除く)。
次に、反射部材は、超音波送受信部からの超音波ビームの送出方向に所定の間隔をおいて複数配置することができる。この場合、送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームを、それら複数の反射部材の間に形成される導波空間内にて多重反射させつつ受信側となる超音波送受信部に導く構成とすることができる。複数の反射部材により、流路は3つないしそれ以上に仕切られることになり、整流効果の向上、すなわち流路断面内の流速分布の更なる均一化を図ることができる。
この場合、反射部材は、流路の断面中心軸線に関して両側に対をなして配置することができる、それら対をなす反射部材の対向面間に導波空間を形成することができる。これにより、流路の断面中心軸線を含む領域、すなわち流れ全体を代表する領域に導波空間が設定され、ここに超音波ビームの伝播パスを多重反射により長く設定できるので、流速を一層高精度に計測することが可能となる。また、一定の精度を達成するために同じ流れに対して流量測定を複数回繰り返して実施する場合は、一回の計測で流れの分布の代表となる領域を導波空間として超音波ビームを複数回反射させつつ伝播させることができるので、必要な繰り返し計測回数を低減できる利点もある。この場合、対をなす反射部材は、より望ましくは、流路の断面中心軸線に関して対称となる位置関係で配置されているのがよい。
また、上記対をなす反射部材の間には、それら反射部材が形成する導波空間を分割する中間反射部材を介挿することができる。この場合、分割された各導波空間部分の一方の側から他方の側に向う超音波ビームを通過させるためのビーム通過孔を中間反射部材に形成することができる。
この場合、超音波ビームが、対をなす反射部材の一方をなす第一反射部材と中間反射部材との間に形成される第一導波空間部分に導入されて第一の多重反射を生じた後、ビーム通過孔を経て、中間反射部材と対をなす反射部材の他方をなす第二反射部材と間に形成される第二導波空間部分に導入されて第二の多重反射を生じるように構成することが可能である。第一導波空間部分と第二導波空間部分との双方で多重反射を生じさせることで、超音波ビームの伝播パスをより延長しやすくなり、測定精度向上や装置小形化に係る効果をより顕著なものとすることができる。
一方、対をなす反射部材が形成する導波空間内において、超音波ビームの多重反射区間の前後に隣接する位置にて、それら対をなす反射部材の間に整流用仕切り板を介挿することもできる。このようにすると、流路内での流速分布の更なる均一化を図ることができ、流速測定精度の向上に寄与する。
また、送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームは、流路形成部の壁部内面も反射面として利用する形で、前記受信側となる前記超音波送受信部に導くことが可能である。
次に、反射部材には、該反射部材と対向する超音波送受信部からの超音波ビームを導波空間に導入するビーム導入孔を貫通形成することができる。超音波送受信部から拡がりつつ送出される超音波ビームに含まれる不要波束成分を、ビーム導入孔を通過させることでカットすることができ、測定に必要な波束成分を受信側超音波送受信部に選択的に導くことができるので、測定精度の向上に寄与するほか、不要波形成分のフィルタリングなどに係る波形処理の負荷軽減にも効果が期待できる。
ビーム導入孔は、対応する超音波送受信部からの超音波ビームにおいて、ビーム中心軸線からその半径方向に拡散する波束成分のうち、導波空間内で予め定められた反射次数以外の多重反射を生じた後、受信側の超音波送受信部に至る波束成分が遮断されるように、反射部材への形成位置及び開口寸法を定めることができる。この構成では、ビーム中心軸線からの出射角度の逸脱が一定以上に大きい波束成分、つまり、ビーム中心軸線付近の波束成分による反射波(以下、主反射波という)とは次数の異なる反射波(以下、副反射波という:主反射波に対してタイミングがずれた形で受信側の超音波送受信部に到達する)を生ずる波束成分を、ビーム導入孔による絞り込みにより効率的に除去できる。
この場合、具体的には、ビーム導入孔の反射部材への形成位置が、超音波ビームのビーム中心軸線を包含するように定められるとともに、受信側の超音波送受信部に近い側の内縁位置が、ビーム中心軸線方向の波束成分による多重反射(主反射波)よりも2以上小さい次数の多重反射(副反射波)を生ずる入射角を有した波束成分が遮断されるように定めることができる。このようにすると、主反射波に先行して到来する(つまり、低次数のため伝播パスが主反射波よりも短い)副反射波を一様にカットでき、主反射波の受信に先んじた副反射波のフィルタリング処理(あるいはマスク処理)を省略ないし簡略化することが可能となる。なお、ビーム導入孔は、受信側の超音波送受信部に遠い側の内縁位置が、主反射波よりも1以上大きい次数の多重反射(副反射波)を生ずる入射角を有した波束成分が遮断されるように定めることがより望ましい。
なお、主反射波の選択性を高める観点においては、ビーム導入孔は、その中心位置がビーム中心軸線と一致するように反射部材に形成することが望ましい。
対をなす超音波送受信部は流路形成部に対し、複数の反射部材群を配列方向に挟む形で振り分けて配置することができる。この場合、超音波ビームは、導波空間内で偶数次にて多重反射した後、受信側の超音波送受信部に導かれる。この配置は、特に流路断面の中央付近で流量最大となる分布を有した流れに適用する場合に、測定精度向上の観点でより有利となる。また、対をなす超音波送受信部は、反射部材の反射面の法線方向において流路形成部の片側に集めて配置することもできる。この場合、超音波ビームは、導波空間内で奇数次にて多重反射さした後、受信側の超音波送受信部に導かれる。この配置は、流路断面の中央から幾分偏心した位置で流量最大となる分布を有した流れに適用する場合に、測定精度向上の観点でより有利となる。
また、導波空間内に入射した超音波ビームに含まれる、予め定められた次数の不要反射波を、受信側の超音波送受信部への入射方向から外れた向きにて導波空間外に脱出させる不要反射波脱出孔を反射部材に貫通形態で設けることができる。この構成によると、不要反射波脱出孔から導波空間外に脱出させることで不要反射波を容易に除去することができ、測定精度の向上に寄与するほか、不要波形成分のフィルタリングなどに係る波形処理の負荷軽減にも効果が期待できる。
本発明に係る超音波流量計の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計の一実施例の基本構成である。この超音波流量計1には、被測定流体GFの流路を形成する流路形成部3と流路形成部3に対し被測定流体GFの流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体GFへの測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームSWを送出可能な対をなす超音波送受信部2a,2bと、流路形成部3の内部にて流路に沿って配置される各々板状に形成され、かつ板面法線方向に所定の間隔で複数設けられた反射部材31,32とを備えている。そして、送信側となる超音波送受信部2a,2bから送出される超音波ビームSWを、反射部材31,32を利用して流路内で多重反射させつつ受信側となる超音波送受信部2a,2bへ導くようにしてある。流路形成部3は例えば金属製である。
反射部材31,32を含む流路形成部3と超音波送受信部2a,2bとが流量計本体1Mを構成し、該流量計本体1Mと制御回路部1Eとにより超音波流量計1の全体が構成されている。図2は、流量計本体1Mの断面構造を示す斜視図である。また、図1において、制御回路部1Eは、対をなす超音波送受信部2a,2bを、流路上流側に位置する上流側超音波送受信部2a側が送信側となり、流路下流側に位置する下流側超音波送受信部2b側が受信側となる第一駆動モードと、その逆となる第二駆動モードとの間で切り替え可能に駆動する超音波駆動機構4を有する。
超音波流量計1の流量測定用の流路3Pには、流量測定用ガス(流体)が図示の流れ方向に流通している。流路3Pには、流れ方向下流側に下流側超音波送受信部2bが設けられ、流れ方向上流側に上流側超音波送受信部2aが設けられている。これらの超音波送受信部2a,2bは圧電振動子などからなる超音波振動子を有した超音波トランスデューサであり、駆動電圧の印加により超音波ビームを送出する超音波送出機能と、超音波ビームの受信により電気信号(受信信号)を出力する超音波受信機能とを複合して備えるものである。測定用の超音波ビームは、流路内にて超音波送受信部2a,2b間に定在波を生じないよう、所定波数以下のパルス状に送出される。
測定対象がガスの場合、流路3Pを形成する流路形成部3の軸断面形状は壁部3Jにより閉鎖された空間を形成するものであればよく、例えば、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状等のいずれを採用してもよい。本実施形態では、図1に示すごとく流路形成部3は矩形状に形成され、上壁部3Jaに上流側超音波送受信部2aが、また下壁部3jbに下流側超音波送受信部2bが取り付けられている。つまり、対をなす超音波送受信部2a,2bが、流路形成部3に対し、複数の反射部材31,32群を配列方向に挟む形で振り分けて配置されている。この場合、超音波ビームSWは、導波空間3W内で偶数次にて多重反射することとなる。
図3は、流量計本体1Mの内部構造の詳細を示すものである。反射部材31,32は、流路の断面中心軸線Oに関して両側に対をなして、具体的には、流路の断面中心軸線Oに関して対称となる位置関係で配置されている。いずれも、超音波ビームSWの反射面が流路の中心軸線と平行となるように配置されている。また、図1及び図2に示すように、反射面の法線方向と流路の断面中心軸線O方向との双方と直交する向きを流路幅方向としたとき、反射部材31,32の該流路幅方向の両縁は、流路形成部3の該流路幅方向における両側の壁部3J内面に結合されている。
反射部材31,32は、被測定流体(媒質)の音響インピーダンスをZ1とした場合、反射部材の音響インピーダンスをZ2とすれば、境界(反射面)が反射部材31,32であるので、Z1/Z2≪1となるような音響インピーダンスZ2を有した材質を選定すればよい。このようにすれば、反射部材31,32の音響インピーダンスZ2媒質の音響インピーダンスZ1に比べて充分に大きいので、境界(反射面)をなす反射部材31,32を超音波ビームSWが透過することを阻止でき、ほぼ全反射となるため、超音波ビームSWの伝播ロスが少なくなり、高感度な送受信が達成できる。具体的には、音響インピーダンス比Z1/Z2の値は1/10以下であればよく、反射部材31,32の具体的な材質としては、金属、セラミックス、プラスチックスを例示できる。
また、反射部材31,32の厚みは、材料の機械的物性や加工性等を考慮して、0.4mm以上確保されていることが望ましい。また、反射部材31,32の厚みが超音波波長λの1/2に一致していると、図14に示すごとく、共振により反射部材の音波透過率が非常に急峻に増大し、反射がほとんど生じなくなるので、該厚さはλ/2よりも小さいことが望ましい(図14に示す事例ではλ/2=約1.25mmであり、反射部材31,32の厚みは1mm以下に設定されていることが望ましいといえるが、λは反射部材31,32の材質により変化するので、適正な厚みの上限は材質に応じて適宜設定されることとなる)。
さらに、反射部材31,32の反射面の表面粗さ(JIS:B0601(2001)に規定された算術平均高さRaを採用する)は、超音波波長λの1/10以下に仕上げられていることが望ましい。これにより、反射面での乱反射による超音波エネルギーのロスが少なくなり、ほぼ全反射するため、超音波ビームの伝播ロスが抑制され、高感度な送受信を実現できる。
図3に示すように、配置送信側となる超音波送受信部(第一駆動モードでは上流側超音波送受信部2a、第二駆動モードでは下流側超音波送受信部2b)から送出される超音波ビームSWは、それら1対の反射部材31,32間に形成される導波空間3W内にて多重反射されつつ受信側となる超音波送受信部(第一駆動モードでは下流側超音波送受信部2b、第二駆動モードでは上流側超音波送受信部2a)に導かれる。
反射部材31,32には、該反射部材31,32と対向する超音波送受信部2a,2bからの超音波ビームSWを導波空間3Wに導入するビーム導入孔31h,32hが貫通形成されている。これらビーム導入孔31h,32hの反射部材31,32への形成位置は、超音波ビームSWのビーム中心軸線を包含するように、ここではビーム中心軸線と一致するように定められている。超音波送受信部2a,2bから拡がりつつ送出される超音波ビームSWに含まれる不要反射成分が、ビーム導入孔31h,32hを通過させることでカットされる。
具体的には、ビーム導入孔31h,32hは、対応する超音波送受信部2a,2bからの超音波ビームSWにおいて、ビーム中心軸線(4次の主反射波SWの向き)からその半径方向に拡散する波束成分のうち、導波空間3W内で予め定められた反射次数以外の多重反射SW2を生じた後、受信側の超音波送受信部2a,2bに至る波束成分が遮断されるように、反射部材31,32への形成位置及び開口寸法を定められている。
ここでは、測定に採用されるのが、ビーム中心軸線付近の波束成分(振動子の放射面に対しほぼ直角に放射される波束成分)SW4ないしこれと平行に放射される波束成分SW4F,SW4Bからなる4次の主反射波である(以下、主反射波SW4という)。そして、これよりも低次の、具体的には反射部材31,32への入射角度の小さい2次の副反射波SW2がカットされるように、受信側の超音波送受信部2a,2bに近い側の内縁位置(第一駆動モードではビーム導入孔31hの下流側内縁位置、第二駆動モードではビーム導入孔32hの上流側内縁位置)が定められている。図5に、同位相となる4次主反射波SWの波束の広がりを太線で表わしている。また、臨界角度以下の入射角となる波束成分は、2次の副反射波SW2となってビーム導入孔31h(第一駆動モード:第二駆動モードではビーム導入孔32h)により遮断される。
また、ビーム導入孔31h,32hの、受信側の超音波送受信部2a,2bに遠い側の内縁位置(第一駆動モードではビーム導入孔31hの上流側内縁位置、第二駆動モードではビーム導入孔32hの下流側内縁位置)は、主反射波よりも高次の、具体的には反射部材31,32への入射角度の大きい6次以上の副反射波がカットされるように定められている。
次に、上流路の上流側に配置される上流側超音波送受信部2aは、ビーム中心軸線が反射部材31,32の反射面の法線方向に対し上流側に一定角度傾斜して定められる第一基準方向RD1と一致するよう流路形成部3の壁部3Jに傾けて取り付けられている。また、流路の下流側に配置される下流側超音波送受信部2bは、ビーム中心軸線が反射部材31,32の反射面の法線方向に対し第一基準方向RD1と同一角度にて下流側に傾斜して定められる第二基準方向RD2と一致するよう流路形成部3の壁部3Jに傾けて取り付けられている。各超音波送受信部2a,2bに組み込まれた超音波送振動子は、流路形成部3の壁部3Jとその外面に一体化された振動子取付部2gとを斜めに貫通する形で流路と連通するように形成された振動子配置孔2h内に配置される。そして、振動子取付部2gの超音波ビーム放出面は、振動子配置孔2hの内周面と、流路形成部3の壁部3J内面の該振動子配置孔2h側への延長面との間で三角形状の流体淀み空間2dを形成している。
また、上流側超音波送受信部2aに対し下流側超音波送受信部2bが、該上流側超音波送受信部2aからの超音波ビームSWの送出方向を、反射部材31,32への入射位置から流路形成部3の反対側の壁部3Jまで延長したときの当該壁部3Jとの交差位置PEよりも遠くなるように配置されている。
次に、図1に戻り、制御回路部1Eには、前述の超音波駆動機構4と周辺回路ブロック7〜11が設けられている。超音波駆動機構4は、送信部5、受信部6及び切替部4sを有する。送信部5は、超音波送受信部2a,2bに対して駆動信号を入力するための回路である。受信部6はスイッチ等から構成され、このスイッチを切り替えることにより、前述の駆動モードの切替がなされる。この受信部6の切替制御は切替部4sにより行われる。増幅部7は、受信部6により受信された超音波を所定の増幅率で増幅し、増幅された超音波変換信号をマスク時間設定部8に入力する。マスク時間設定部8は、ノイズ対策のため、超音波素子2aまたは2bより超音波を送出してから、流路3を伝搬される超音波が到達しない最低の時間を設けるものである。また、ゼロクロスポイント検出部9は、受信した超音波波形に含まれる特定順位波(例えば、第3波)のゼロクロスポイントを検出するものである。時間計測部10は、第一駆動モードでの、上流側超音波送受信部2aから発信された超音波ビームSWが下流側超音波送受信部2bに到達するまでの順方向伝播時間と、第二駆動モードにおける下流側超音波送受信部2bから発信された超音波ビームSWが上流側超音波送受信部2aに到達するまでの逆方向伝播時間とを計測するものである。また、演算部11は、上記の順方向伝播時間と逆方向伝播時間との時間差から、流路3Pを流れる流体の平均流速度及び流量を計算する。
本発明では、伝播パスが多重反射による折れ線状となるので、図3の構成の場合、流量Qの計算を以下のようにして行なうことができる(各部の寸法は図4に示す記号にて説明する)。まず、反射部材31,32により仕切られる各空間のうち、上壁部側空間3C、導波空間3W及び下壁部側空間3C’の各高さをh1、h2、h3、断面積をS1、S2、S3とする。また、反射部材31,32の厚みをt、淀み空間2dのオフセット長をL0、超音波送受信部2a,2bの取付角度をθとすると、伝播パス長Lは下式により計算される。
L={(h1−t/2)/SINθ
+5・(h2−t)/SINθ+(h3−t/2)/SINθ}+2L0 ‥(1)
また、反射部材31,32は流路中心軸線Oに関して上下対象に設けられているので、
h1=h3=h’ ‥(2)
S1=S3=S’ ‥(3)
次に、導波空間3W以外の三角部を含む流路断面、つまり、上壁部側空間3C及び下壁部側空間3C’における流速V’と瞬時流量Q’とを算出する。まず、伝播パスのうち、上壁部側空間3C及び下壁部側空間3C’に属する部分の長さL’は、
L’=2・{h’−t/2)/SINθ+L0} ‥(4)
である。すると、順方向伝播時間T1’は、
T1’=L’/(K+V’COSθ)‥(5)
(ただし、Kは被測定ガス中の音速である)
同様に、逆方向伝播時間T2’は、
T2’=L’/(K−V’COSθ)‥(5)’
従って、上壁部側空間3C及び下壁部側空間3C’における流速V’は、
V’=(L’/COSθ)(1/T1’−1/T2’) ‥(6)
同じく瞬時流量Q’は、
Q’=V’・2S’‥(7)
次に、導波空間3Wでの流速:V”と瞬時流量Q”とを同様に算出すると、伝播パスのうち、導波空間3Wに属する部分の長さL”は、
L”=N・{(h2−t)/SINθ}‥(7)’
(ただし、Nは反射次数(反射回数))
である。すると、順方向伝播時間T1”は、
T1”=L”/(K+V”COSθ)‥(8)
同様に、逆方向伝播時間T2”は、
T2”=L”/(K−V”COSθ)‥(9)
従って、導波空間3Wにおける流速V”は、
V”=(L”/COSθ)(1/T1”−1/T2”) ‥(10)
同じく瞬時流量Q”は、
Q”=V”・S2 ‥(11)
以上から、全流量値Qは、導波空間3W(S2)と上壁部側空間3C及び下壁部側空間3C’(S’+S’=2S’)の各流量の和となるから、
Q=Q’+Q”(V’・2S’+V”・S2) ‥(12)
として算出することができる。
上記構成によると、超音波送受信部2a,2b間を超音波ビームSWが直進により伝播する場合と比較して、図3に示すように、反射回数が2回以上に増加する分だけ伝播パス長が折れ線状に増加し、流量測定精度の向上あるいは流量測定のレンジアビリティ拡大に寄与できる。また、同じ伝播パス長であっても、パス形状が折れ線状となることで、対を成す超音波送受信部2a,2bの距離を近づけることができ、装置の小形化にも貢献する。また、反射部材31,32によって流路3Pがその軸断面内にて複数に分割されるが、反射部材31,32は被測定流体GFに対する整流素子としても機能するので、流れの安定化と均一化とを図ることができ、この観点からも流量測定精度の向上に寄与する。特に、反射部材31,32による流路の分割方向に流れを十分均一化することができれば、測定対象となる流れを近似的に二次元流として取り扱うことが可能となり、測定精度向上の観点においてさらに有利となる。
次に、図7に示すように、超音波送受信部2a,2bの直近に形成される淀み空間2dは、前述のごとく、ここへの流体の流れ込みにより無視できない誤差要因となる。しかし、図3に示すごとく、超音波送受信部2a,2bは、多重反射を生じさせるために、超音波送受信部2a,2bの流路形成部3に対する取付角度が大きく設定されるので、三角形状の淀み空間2gが縮小するので、流量測定精度の向上に著しく寄与する。
さらに、主反射波SW4以外の反射波である副反射波(主反射波に対してタイミングがずれた形で受信側の超音波送受信部に到達する)を、ビーム導入孔31h,32hによる絞り込みにより効率的に除去できるので、測定精度の更なる向上が図られている。また、副反射波のフィルタリング処理(あるいはマスク処理)を省略ないし簡略化することが可能となる。
以下、本発明の超音波流量計における流量計本体1Mの種々の変形例について説明する。図6の構成では、対をなす反射部材31,32が形成する導波空間3W内において、超音波ビームSWの多重反射区間の前後に隣接する位置に、それら対をなす反射部材31,32の間に整流用仕切り板33’A,33’Bを介挿した例である。整流用仕切り板33’A,33’B間の大きな空隙33Qは、4次の主反射波SW4とともに2次の副反射波SW2の通過も許容し、受信側の超音波送受信部に異なるタイミングで受信される。従って、流量演算に際しては、これら反射波SW4と副反射波SW2とを波形分離する機構が必要である。
図7の構成では、導波空間3W内に入射した超音波ビームSWに含まれる、予め定められた次数の、ここでは2次(となるはず)の不要反射波SW2A’SW2B’を、受信側の超音波送受信部2a,2bへの入射方向から外れた向きにて導波空間3W外に脱出させる不要反射波脱出孔31f,32fが、反射部材31,32に貫通形態で設けられている。反射部材31側の不要反射波脱出孔31fは、第一駆動モードにおいて、高角側の2次不要反射波SW2A’の脱出用であり、反射部材32側の不要反射波脱出孔32fは、低角側の2次不要反射波SW2B’の脱出用となる(第一駆動モードではその逆)。
図8は、その別の実施形態を示す。反射部材31側にのみ不要反射波脱出孔31fが設けられており、第一駆動モードでは、不要反射波脱出孔31fから上壁部側空間3Cへ2次不要反射波SW2fを逃がすようになっている。また、第一駆動モードでは、不要反射波脱出孔31fから上壁部側空間3Cへ脱出した2次不要反射波SW2f’が一旦上壁部3Jaで反射し、ビーム導入孔31hを不要反射波脱出孔に兼用する形で導波空間3W内に導かれ、その上流側に脱出するようになっている。
図9の構成では、反射部材31,32の間に、それら反射部材31,32が形成する導波空間3Wを分割する中間反射部材33が介挿されている。また、分割された各導波空間3W部分の一方の側から他方の側に向う超音波ビームSW4を通過させるためのビーム通過孔33hが中間反射部材33に形成されている。主反射波SW4は、第一反射部材31と中間反射部材33との間に形成される第一導波空間3W部分に導入されて第一の多重反射を生じた後、ビーム通過孔33hを経て、中間反射部材33と対をなす反射部材31,32の他方をなす第二反射部材31,32と間に形成される第二導波空間3W部分に導入されて第二の多重反射を生じるようになっている(第一駆動モード;第二駆動モードでは、その逆順となる)。
図10に構成では、超音波送受信部2a,2bは、反射部材31,32の反射面の法線方向において流路形成部3の片側に集めて配置されており、下壁部3Jbの内壁面も反射面として利用する形でV字形状の伝播パスが形成される。測定に使用するのは、5次の主反射波SW5である。第二反射部材32には、該下壁部3Jbの内壁面にてV字反射される主反射波SW5の、下壁部側空間3C’と導波空間3Wとの間の往路パスと復路パスとの双方の透過を許容する主反射波透過孔32hが形成されている。この主反射波透過孔32hの形成位置と寸法とは、主反射波SW5以外の次数の副反射波(SW4あるいはSW8等)は、往路パスと復路パスとの少なくとも一方の通過が許容されず、下壁部側空間3C’ないし導波空間3W内を多重反射しつつ、下流側あるいは上流側に逃がされて、受信側の超音波送受信部に到達できないようになっている。
図11の構成では、反射部材31,32の上流側ないし下流側の縁を回り込ませる形で超音波ビームSWが導波空間3Wに導入されるようになっており、ビーム導入孔の反射部材31,32への形成が省略されている。また、図12の構成では、反射部材31,32の上流側ないし下流側の縁に、切欠き状のビーム導入部31c(つまり、孔ではない)を形成した例を示す。
図13は、図9に類似した構成であるが、ここでは流路形成部3の壁部3J(具体的には、上壁部3Ja及び下壁部3Jb)とこれに対向する反射部材31,32との間に形成される空間3C,3C’が導波空間として利用されている。送信側となる超音波送受信部2a,2bから送出される超音波ビームSWは、これら空間3C,3C’にて多重反射されつつ受信側となる超音波送受信部2a,2bに導かれることとなる。この構成によると、流路形成部3の壁部3Jに沿う空間も多重反射のための導波空間3C’として活用できるので、伝播パス延長のために流路断面をより有効活用することができる。
本発明の超音波流量計の第一例に係る全体構成を示す模式図。 図1の超音波流量計の、流量計本体の内部構造を示す断面斜視図。 図1の超音波流量計の、流量計本体を作用とともに示す模式図。 図3の各部の寸法関係を説明する図。 図3の主反射波の波束の広がりを模式的に示す図。 同じく第二例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第三例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第四例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第五例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第六例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第七例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第八例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 同じく第九例に係る流量計本体の構造を作用とともに示す模式図。 反射部材の厚みと超音波透過率との関係をシミュレーションした結果を示すグラフ。
符号の説明
1 超音波流量計
GF 被測定流体
2a,2b 超音波送受信部
2d 流体淀み空間
3 流路形成部
3P 流路
3W 導波空間
4 超音波駆動機構
31,32 反射部材
31h,32h ビーム導入孔
31f,32f 不要反射波脱出孔
33 中間反射部材
33h ビーム通過孔

Claims (18)

  1. 被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
    前記流路形成部に対し前記被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が前記被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々前記測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームを送出可能な対をなす超音波送受信部と、
    前記流路形成部の内部にて前記流路に沿って配置される板状に形成された、1つ又は板面法線方向に所定の間隔で複数設けられた反射部材とを備え、
    送信側となる超音波送受信部から送出される超音波ビームを、前記反射部材を利用して前記流路内で多重反射させつつ受信側となる超音波送受信部へ導くようにしたことを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記対をなす超音波送受信部を、流路上流側に位置する上流側超音波送受信部側が送信側となり、流路下流側に位置する下流側超音波送受信部側が受信側となる第一駆動モードと、その逆となる第二駆動モードとの間で切り替え可能に駆動する超音波駆動機構を備える請求項1記載の超音波流量計。
  3. 前記反射部材は、前記超音波ビームの反射面が前記流路の中心軸線と平行となるように配置されてなる請求項1又は請求項2に記載の超音波流量計。
  4. 前記流路の上流側に配置される上流側超音波送受信部は、ビーム中心軸線が前記反射部材の反射面の法線方向に対し上流側に一定角度傾斜して定められる第一基準方向と一致するよう前記流路形成部の壁部に傾けて取り付けられ、前記流路の下流側に配置される下流側超音波送受信部は、ビーム中心軸線が前記反射部材の反射面の法線方向に対し前記第一基準方向と同一角度にて下流側に傾斜して定められる第二基準方向と一致するよう前記流路形成部の壁部に傾けて取り付けられ、
    各前記超音波送受信部に組み込まれた超音波送振動子は、前記流路形成部の壁部とその外面に一体化された振動子取付部とを斜めに貫通する形で前記流路と連通するように形成された振動子配置孔内に、自身の超音波ビーム放出面が、前記振動子配置孔の内周面と、前記流路形成部の壁部内面の該振動子配置孔側への延長面との間で三角形状の流体淀み空間を生ずる形で配置されてなり、
    かつ、前記対をなす超音波送受信部は、一方の超音波送受信部に対し他方の超音波送受信部が、該一方の超音波送受信部からの前記超音波ビームの送出方向を、前記反射部材への入射位置から前記流路形成部の反対側の壁部まで延長したときの当該壁部との交差位置よりも遠くなるように配置されてなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  5. 前記反射面の法線方向と前記流路の断面中心軸線方向との双方と直交する向きを流路幅方向としたとき、前記反射部材の該流路幅方向の両縁が、前記流路形成部の該流路幅方向における両側の壁部内面に結合されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  6. 前記反射部材は、前記超音波送受信部からの前記超音波ビームの送出方向に所定の間隔をおいて複数配置され、送信側となる前記超音波送受信部から送出される前記超音波ビームを、それら複数の反射部材の間に形成される導波空間内にて多重反射させつつ前記受信側となる前記超音波送受信部に導くものとされてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  7. 前記反射部材は、前記流路の断面中心軸線に関して両側に対をなして配置され、それら対をなす反射部材の対向面間に前記導波空間が形成される請求項6記載の超音波流量計。
  8. 前記対をなす反射部材は、前記流路の断面中心軸線に関して対称となる位置関係で配置されてなる請求項7記載の超音波流量計。
  9. 前記対をなす反射部材の間に、それら反射部材が形成する前記導波空間を分割する中間反射部材が介挿され、分割された各導波空間部分の一方の側から他方の側に向う前記超音波ビームを通過させるためのビーム通過孔が前記中間反射部材に形成されてなる請求項7又は請求項8に記載の超音波流量計。
  10. 前記超音波ビームは、前記対をなす反射部材の一方をなす第一反射部材と前記中間反射部材との間に形成される第一導波空間部分に導入されて第一の多重反射を生じた後、前記ビーム通過孔を経て、前記中間反射部材と前記対をなす反射部材の他方をなす第二反射部材と間に形成される第二導波空間部分に導入されて第二の多重反射を生じるようになっている請求項9記載の超音波流量計。
  11. 前記対をなす反射部材が形成する前記導波空間内において、前記超音波ビームの多重反射区間の前後に隣接する位置にて、それら前記対をなす反射部材の間に整流用仕切り板が介挿されてなる請求項7又は請求項8に記載の超音波流量計。
  12. 前記反射部材には、該反射部材と対向する前記超音波送受信部からの前記超音波ビームを前記導波空間に導入するビーム導入孔が貫通形成されてなる請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  13. 前記ビーム導入孔は、対応する前記超音波送受信部からの超音波ビームにおいて、ビーム中心軸線からその半径方向に拡散する波束成分のうち、前記導波空間内で予め定められた反射次数以外の多重反射を生じた後、受信側の前記超音波送受信部に至る波束成分が遮断されるように、前記反射部材への形成位置及び開口寸法が定められてなる請求項12記載の超音波流量計。
  14. 前記ビーム導入孔の前記反射部材への形成位置が、前記超音波ビームのビーム中心軸線を包含するように定められるとともに、受信側の前記超音波送受信部に近い側の内縁位置が、前記ビーム中心軸線方向の波束成分による多重反射よりも2以上小さい次数の多重反射を生ずる入射角を有した波束成分が遮断されるように定められてなる請求項13記載の超音波流量計。
  15. 前記ビーム導入孔は、その中心位置が前記ビーム中心軸線と一致するように前記反射部材に形成されている請求項13又は請求項14に記載の超音波流量計。
  16. 対をなす前記超音波送受信部は前記流路形成部に対し、複数の前記反射部材群を配列方向に挟む形で振り分けて配置されてなり、前記超音波ビームを前記導波空間内で偶数次にて多重反射させた後、前記受信側の超音波送受信部に導く請求項6ないし請求項15のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  17. 前記対をなす超音波送受信部は、前記反射部材の前記反射面の法線方向において前記流路形成部の片側に集めて配置されてなり、前記超音波ビームを前記導波空間内で奇数次にて多重反射させた後、前記受信側の超音波送受信部に導く請求項6ないし請求項15のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  18. 前記導波空間内に入射した前記超音波ビームに含まれる、予め定められた次数の不要反射波を、受信側の前記超音波送受信部への入射方向から外れた向きにて前記導波空間外に脱出させる不要反射波脱出孔が前記反射部材に貫通形態で設けられている請求項6ないし請求項17のいずれか1項に記載の超音波流量計。
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