JP2001304931A - クランプオン型超音波流量測定方法及びマルチパス超音波流量測定方法及びクランプオン型超音波流量形及びマルチパス超音波流量計 - Google Patents

クランプオン型超音波流量測定方法及びマルチパス超音波流量測定方法及びクランプオン型超音波流量形及びマルチパス超音波流量計

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JP2001304931A
JP2001304931A JP2000126150A JP2000126150A JP2001304931A JP 2001304931 A JP2001304931 A JP 2001304931A JP 2000126150 A JP2000126150 A JP 2000126150A JP 2000126150 A JP2000126150 A JP 2000126150A JP 2001304931 A JP2001304931 A JP 2001304931A
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clamp
wave
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Tomomi Nishi
智美 西
Hitoaki Tanaka
仁章 田中
Satoshi Fukuhara
聡 福原
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Yokogawa Electric Corp
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Yokogawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管内の流量を測定するに際し、単一のパス
においても効率良く流量を測定することができる手法、
マルチパス化する本数を増やすことなく測定することが
できる手法、配管壁を伝搬する超音波を配管自体に改良
を加えないで検出またはキャンセルする手法を提供す
る。 【解決手段】 超音波を発生させる圧電素子を備えかつ
配管に取り付けることができる送信センサからの超音波
の音速と比べて配管の材料を伝達する超音波の音速を小
さくするとともに、スネルの法則で出てくる位置で検出
し全反射となる場合には板波を使用するようにし、配管
の肉厚を有限の厚さとし、この配管壁に板波を励起させ
た超音波を平均流速パスに通すようにして流量を測定す
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランプオン型超
音波流量測定方法及びマルチパス超音波流量測定方法及
びクランプオン型超音波流量計及びマルチパス超音波流
量計に関するものであり、詳しくは配管を形成する材料
を伝達する超音波と配管内の流体に射出する超音波との
関係を考慮した超音波射出方法及びその測定手法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術における超音波流量計は、固
定、液体、気体を問わずあらゆる物質中を伝搬すること
ができる超音波を利用したものであり、配管を切断した
り配管に穴を開けたりすることなく、既設配管の外壁に
センサ(送受信用超音波トランスジューサ)を取付ける
ことにより配管内の流量計測ができる。
【0003】このような特徴を有する超音波を利用した
超音波流量計は、図11に示すように、超音波を発生さ
せるための送信回路10と、この送信回路10からの信
号に基づいて超音波を発生させる送信センサ(送信用超
音波トランスジューサ)11と、この送信センサ11か
らの超音波信号を受信する受信センサ(受信用超音波ト
ランスジューサ)12と、受信した超音波信号を増幅す
る増幅回路13と、増幅した信号をデジタル値に変換す
る高速A/D変換器14と、デジタル値に変換された超
音波信号を処理する高速MPU15とから構成されてい
る。この高速MPU15は、超音波を発生させる送信信
号を送信回路10に送ると共に、高速A/D変換器14
で変換されたデジタル信号を受信し、その両者の相関関
係を計算して最大値を検出する機能を有する。この相関
関係とは、送信信号に対する受信信号を受けた時間によ
り伝搬時間を算出するものである。
【0004】このような構成からなる超音波流量計は、
図12に示すように、配管16の外壁の対向する位置で
あって、上流側に送信センサ11を備え、下流側に受信
センサ12を備えており、配管16内の距離が一番長い
センタービーム17による放射により配管16内の流量
を測定する、いわゆる、伝搬時間差法を測定原理として
いる。即ち、配管16の上流側と下流側に送受信センサ
11、12を配置し、測定流体に対して斜め方向に放射
されたセンタービーム17の超音波が流体に運ばれるこ
とにより発生する伝搬時間の差を検出する方式である。
今、上流側から下流側への伝搬時間をT1、逆向きの伝
搬時間をT2とする時、配管16内の体積流量Qは伝搬
時間の差ΔT(=T2−T1)に比例し、次の式で与え
られる。
【0005】 Q=(πD2/4)・(1/K)・ (D/sin2θ1)・(ΔT/(To−τ))2・・・式(1) D;配管の内径 K;流速分布補正係数 θ1;測定流体への超音波入射角 To;制止流体の伝搬時間 τ;配管とセンサ内の伝搬時間
【0006】ここで、Ctを流体内の音速とする時、こ
の原理式は次の式(2)のように変形することができ
る。
【0007】 Q=(πD2/4)・(1/K)・(Ct/2sinθ1)・ (ΔT/(To−τ)) ・・・式(2)
【0008】このようにして流体の温度や圧力が変化す
ると音速Ctが変化し、その結果としてτやθ1が変化
するが、実は伝搬時間T1、T2からτ、θ1及びCt
を解析的に求めることができる。また、Kは配管16断
面と測線上の各平均流速の比であって、流れの様子を決
めるレイノルズ数の関数であり、流体の温度や圧力に依
存しない流量測定を可能にしている。
【0009】ここで、図13及び図14に示すように、
軸対称流の場合において配管16内の距離が一番長いセ
ンタービーム17では流速プロファイル(Re数)に依
存して誤差が生じてしまうが、平均流速パス18を通す
ことで精度が良くなることは知られている。即ち、Re
数が3000〜1、000、000である時に、センタ
ービーム17の誤差は+3パーセントから−3パーセン
トに変化するが、平均流速パス18の場合は約0パーセ
ントとその誤差は略一定となる。
【0010】また、図15に示すように、軸対称流(図
15(A))に比べて軸対称流でない偏流(図15
(B))や2次流れ(図15(C))、旋回流(図15
(D))のような複雑な流れでは、センタービーム1
7、平均流速パス18共に誤差が大きくなる。平均流速
パス18では、バス本数を増やしてマルチパス化して平
均化することで影響を軽減できるが、センタービーム1
7では常に配管16の中心を通るので、本数を増やして
も精度は改善されない。従って、このような流れで誤差
を生じさせないためには、平均流速パス18のような配
管16の軸からずれた位置のパスでマルチパス化する必
要がある。
【0011】図16は、平均流速パスをマルチ化したも
のであり、配管16壁の適宜位置に配置した第1〜第3
の送信センサ11a、11b、11cと、この第1〜第
3の送信センサ11a、11b、11cから射出した超
音波を受信する第1〜第3の受信センサ12a、12
b、12cとから構成されており、測定手段は省略され
ている。このうち、管軸AーA’から外れた第1と第3
の送受信センサ11a、11c及び12a、12cが平
均流速パス18a、18bを形成し、流速プロファイル
(Re数)に依存しないパスを生成する。一方、管軸A
ーA’の管軸パスである第2の送受センサ11b、12
bがセンタービーム17を形成し、更なる高精度化のた
めに、各種流速分布に応じて重みを付けて流速測定や音
速測定に利用されるパスである。このようにして平均流
速パス18a、18bとセンタービーム17とを組み合
わせることにより高精度な超音波流量計が実現できる。
尚、この第1〜第3の送受信センサ11a〜11c、1
2a〜12cは超音波を射出する送信と受信を適宜逆に
して測定することができる構成となっている。
【0012】このようにして、センタービーム17や平
均流速パス18a、18bを使用して配管16内の流速
等を測定するようにしても、超音波特有の伝播により、
配管16壁を伝播した成分が混入してしまう場合があ
る。即ち、図17に示すように、超音波を使った流量計
の大きな問題として、流体内を通ってきた超音波信号
(信号成分パス)に加えて、配管16壁を伝播してきた
管壁伝達パスの成分が混入してくる点があげられる。こ
の成分は、例えば伝播時間差式の超音波流量計において
は、ノイズとして作用し時間差測定の誤差要因となる。
また、伝播時間差に限らず渦流量計や相関流量計など超
音波を利用した流量計全般に対する問題となっている。
この問題を解決するために、メカ的に配管に細工をして
配管16壁を伝播するノイズ成分をキャンセルするもの
が周知となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術における超音波流量計において、平均流速パ
スのマルチパスは高精度な流量測定に極めて有効であ
り、ウェット型超音波流量計では良く用いられる方法で
あるが、クランプオン型超音波流量計において平均流速
パスを利用する場合、送信センサ〜配管〜被測定流体と
いう超音波の経路を考えた場合に、配管材料の音速が送
信センサの音速よりも大きい場合ではスネルの法則で超
音波が全反射する条件となること、即ち、臨界角を超え
る場合には被測定流体内には入射されないと考えられて
いた。そのため、従来のクランプオン型超音波流量計で
は平均流速パスは用いられておらず、センタービーム型
を採用しなくてはならないという問題がある。
【0014】また、マルチパス化、即ち、センタービー
ムと平均流速パスとを組み合わせた複数のパスを形成し
た場合には、パスの本数に応じて送受信センサの個数を
増やさなければならない。送受信センサの個数を増やす
と、構造は複雑になり、信頼性が低下しコストは上がる
ことになるという問題がある。
【0015】更に、メカ的に配管に細工をしてノイズを
キャンセルする手法であると、配管に細工をすることで
コストアップの要因となり、又、クランプオン等の簡便
な流量計には適用が不可能であるという問題もある。
【0016】従って、配管内の流速を測定するに際し、
単一のパスにおいても効率良く流速を測定することがで
きる手法、センサ数を増やすことなくマルチパス化して
測定することができる手法、配管壁を伝搬する超音波を
配管自体に改良を加えないで検出またはキャンセルする
事に解決しなければならない課題を有する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る超音波流量計は次に示す構成にするこ
とである。
【0018】(1)超音波を発生させる圧電素子を備え
且つ配管に取り付けることができる送受信センサのう
ち、送信センサからの超音波の音速と比べて配管の材料
を伝達する超音波の音速を小さくするとともに、スネル
の法則で出てくる位置で検出し全反射となる場合には板
波を使用するようにし、前記配管の肉厚を有限の厚さと
し、該配管壁に板波を励起させた超音波を平均流速パス
に通すようにして流量を測定するようにしたことを特徴
とするクランプオン型超音波流量測定方法。 (2)上記(1)におけるクランプオン型超音波流量測
定方法において、前記配管の肉厚は超音波の波長に比べ
て数倍程度であることを特徴とするクランプオン型超音
波流量測定方法。 (3)上記(1)におけるクランプオン型超音波流量測
定方法において、前記配管壁に射出する超音波は、その
駆動周波数を制御することにより、配管内の流体への入
射位置を調整するようにしたことを特徴とするクランプ
オン型超音波流量測定方法。 (4)上記(1)におけるクランプオン型超音波流量測
定方法において、前記配管壁に射出する超音波は、その
周波数をスイープすることによって単一の送信センサか
ら等価的にマルチパスを形成するようにすることを特徴
とするクランプオン型超音波流量測定方法。 (5)上記(1)におけるクランプオン型超音波流量測
定方法において、前記配管の肉厚が所定の厚さ以上の場
合は、射出する超音波の周波数を低くして受信する信号
を大きくするようにしたことを特徴とするクランプオン
型超音波流量測定方法。 (6)上記(1)におけるクランプオン型超音波流量測
定方法において、前記配管内の流量の測定は、予め管壁
伝達ノイズの特性を測定しておき、管壁伝達ノイズ到達
時の受信信号から、測定パスを通った信号が到達する時
間の管壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フィルタ
を設けておき、実際の測定の際に該予測フィルタを動作
させて測定するようにしたことを特徴とするクランプオ
ン型超音波流量測定方法。
【0019】このように、クランプオン型超音波流量計
において、板波の利用によって平均流速パスのマルチ化
が可能になり高速度化を図ることができるようになる。
【0020】(7)送信器から少なくとも一つのパスを
通る超音波を射出し、該射出された超音波を反射により
音速の異なる複数の超音波に分離し、該分離したそれぞ
れの超音波を測定流体中に射出し、該射出された複数の
超音波を受信して配管内の流量を測定するようにしたこ
とを特徴とするマルチパス超音波流量測定方法。 (8)上記(7)のマルチパス超音波流量測定方法にお
いて、分離する複数の超音波は、少なくとも2つの音速
の異なる超音波であることを特徴とするマルチパス超音
波流量測定方法。 (9)上記(7)におけるマルチパス超音波流量測定方
法において、前記配管内の流量の測定は、予め管壁伝達
ノイズの特性を測定しておき、管壁伝達ノイズ到達時の
受信信号から、測定パスを通った信号が到達する時間の
管壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フィルタを設
けておき、実際の測定の際に該予測フィルタを動作させ
て測定するようにしたことを特徴とするマルチパス超音
波流量測定方法。
【0021】このように、一つのセンサで二つの方向に
超音波を飛ばすことができるため、構造がシンプルとな
る。
【0022】(10)超音波を発生させる圧電素子を備
え且つ配管に取り付けることができる送受信センサと、
該送受信センサのうち、送信センサからの超音波の音速
と比べて配管の材料を伝達する超音波の音速を小さくす
るとともに、スネルの法則で出てくる位置で検出し全反
射となる場合には板波を使用するようにした超音波制御
手段と、前記配管の肉厚を有限の厚さとし、該配管壁に
板波を励起させて超音波を平均流速パスに通すようにし
て流量を測定する測定手段とからなることを特徴とする
クランプオン型超音波流量計。 (11)上記(10)におけるクランプオン型超音波流
量計において、前記配管の肉厚は超音波の波長に比べて
数倍程度であることを特徴とするクランプオン型超音波
流量計。 (12)上記(10)におけるクランプオン型超音波流
量計において、前記超音波制御手段は、前記配管壁に射
出する超音波を、その駆動周波数を制御することによ
り、配管内の流体への入射位置を調整するようにしたこ
とを特徴とするクランプオン型超音波流量計。 (13)上記(10)におけるクランプオン型超音波流
量計において、前記超音波制御手段は、前記配管壁に射
出する超音波を、その周波数をスイープすることによっ
て単一の送信手段から等価的にマルチパスを形成するよ
うにしたことを特徴とするクランプオン型超音波流量
計。 (14)上記(10)におけるクランプオン型超音波流
量計において、前記超音波制御手段は、前記配管の肉厚
が所定の厚さ以上の場合は、射出する超音波の周波数を
低くして受信する信号を大きくするようにしたことを特
徴とするクランプオン型超音波流量計。 (15)上記(10)におけるクランプオン型超音波流
量計において、前記超音波制御手段は、前記配管内の流
量の測定に先立ち、予め管壁伝達ノイズの特性を測定し
ておき、管壁伝達ノイズ到達時の受信信号から、測定パ
スを通った信号が到達する時間の管壁伝達ノイズ成分を
予測・計算する予測フィルタを設けておき、実際の測定
の際に該予測フィルタを動作させて測定することを特徴
とするクランプオン型超音波流量計。
【0023】(16)配管に取り付けた送信センサから
少なくとも一つのパスを通る超音波を発生させる超音波
発生手段と、該発生した超音波を反射により音速の異な
る複数の超音波に分離する超音波分離手段と、該分離し
たそれぞれの超音波を測定流体中に射出する超音波射出
手段と、該射出された複数の超音波を受信して配管内の
流量を測定する測定手段とからなることを特徴とするマ
ルチパス超音波流量計。 (17)上記(16)のマルチパス超音波流量計におい
て、分離する複数の超音波は、少なくとも2つの音速の
異なる超音波であることを特徴とするマルチパス超音波
流量計。 (18)上記(16)におけるマルチパス超音波流量計
において、前記配管内の流量の測定は、予め管壁伝達ノ
イズの特性を測定しておき、管壁伝達ノイズ到達時の受
信信号から、測定パスを通った信号が到達する時間の管
壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フィルタを設け
ておき、実際の測定の際に該予測フィルタを動作させて
測定するようにしたことを特徴とするマルチパス超音波
流量計。
【0024】このように、予め配管壁を伝播するノイズ
を測定しておくことによりメカ的な配管壁への改良等が
必要なくなり構成を簡単にして且つ配管壁を伝播するノ
イズをキャンセルすることができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るクランプオン
型超音波流量測定方法及びマルチパス超音波流量測定方
法及びクランプオン型超音波流量計及びマルチパス超音
波流量計の実施の形態について図面を参照して説明す
る。尚、従来技術で説明したものと同様のものには同一
符号を付けて説明する。
【0026】第1の実施の形態のクランプオン型超音波
流量測定方法及びクランプオン型超音波流量計は、配管
壁を板と見做して板波を測定するようにしてクランプオ
ン型の測定手法であっても平均流速パスにおけるマルチ
パスを具現化したものである。
【0027】第1の実施の形態のクランプオン型超音波
流量計は、図1示すように、超音波を発生させる圧電素
子を備え且つ配管16に取り付けることができる一対の
送受信センサ11、12と、この送受信センサ11、1
2からの超音波の音速と比べて配管16の材料を伝達す
る超音波の音速を小さくすると共にスネルの法則で全反
射となる条件で使用するようした超音波制御手段である
超音波制御部25と、配管16の肉厚を有限の厚さと
し、この配管16壁に板波を励起させて超音波を平均流
速パスに通すようにして流量を測定する測定手段である
測定部26とから構成されている。
【0028】この超音波制御部25は、配管16壁に射
出する超音波を、その駆動周波数を制御することによ
り、配管16内の流体への入射位置を調整することがで
きる構成となっている。即ち、後述するように、配管1
6を板と見なした場合に、板厚に合わせて駆動周波数を
調整することによって入射位置を調整することにより別
途送信センサ11を変更することなく同一の送信センサ
11を使用して流量測定をすることができる。又、駆動
周波数を所定の周波数範囲に設定してその間で周波数を
スイープすることによって板と見なした配管16壁に射
出する超音波を単一の送信手段である送信センサ11か
ら等価的にマルチパスを形成することができる構成とな
っている。更に、板と見なした配管16の肉厚が所定の
厚さ以上の場合は、射出する超音波の周波数を低くして
受信する信号を大きくすることによって同一の送信セン
サ11を利用して流量の測定をすることができるのであ
る。
【0029】また、実際の測定に関しては、測定に先立
ち、予め板と見なした配管16壁伝達ノイズの特性を測
定しておき、管壁伝達ノイズ信号の到達時の受信信号か
ら管壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フィルタを
設けておき、実際に測定パスを通った信号が到達する時
間を予測フィルタを通過させて測定するようにしてい
る。このようにすると配管16部材を伝搬する管壁伝達
ノイズをキャンセルするために別途キャンセル部材を設
ける必要がなくなるばかりか別途測定手段を設ける必要
もなくなる。この予測フィルタに関しては、後述する第
3の実施の形態において詳細に説明する。
【0030】さて、第1の実施の形態の発明において
は、配管16を板と見做した測定手法であるが、具体的
には、配管16の肉厚よりも曲率半径が十分に大きけれ
ば管壁は板と見做すことができる。以下、配管16壁を
板と見做して板から出射する超音波について説明する。
板を伝搬する超音波周波数である板波には対称モード
(S)と非対称モード(A)があり、それぞれの挙動
は、図2に示すように、対称モード(S)の板波は、波
の大きさが所定周期で大小を繰り返す特徴を有し、非対
称モード(A)の板波は、波の大きさを等しくして所定
周期でうねる特徴を有する。このような板波特有の特徴
を有するモードを解析することによって平均流速パスに
おけるマルチパスが実現できるのである。
【0031】この対称モード(S)及び非対称モード
(A)のそれぞれには、0次、1次、・・・・のモード
が存在する。この複数のモードを有する板波を解析する
ためには、図3に示すように、板厚の略中心点であるy
点における波動進行方向zに対して直交する方向xの波
(+b、−b)を特性方程式により解析して、z方向
(波動進行方向)の各モードの位相速度を決めることが
できる。例えば、板をステンレス(SUS)とすると、
図4に示すように、(周波数×板厚)に対する位相速度
(vph)を求めることができる。ここで対称モード
(S)はS0〜S5、非対称モード(A)はA0〜A5
であり、S0、A0が0次モード、S1、A1が1次モ
ード、S2、A2が2次モード、S3、A3が3次モー
ド、S4、A4が4次モード、S5、A5が5次モード
である。
【0032】ここで、板の横波臨界角以上で超音波を入
射した時、板厚が小さい時に生じる板波は0次モードが
最も強い。そして板中では0次モードの対称モード
(S)、非対称モード(A)を重ね合わせて定在波が発
生し、その腹の位置から超音波を流体内へ入射すること
ができる。
【0033】図3に示す板の裏側(x=−b)からx方
向への対称モード(S)及び非対称モード(A)による
変位は次の特性方程式である式(3)により求めること
ができる。
【0034】 ζs+ζa=C・sin((π/4)+((kab−Kso)/2・Z)・ cos(ωt−((kao+kso)/2・Z))・・・式(3) C;定数 ω;駆動周波数 t;時刻 kso;0次の対称モード(S)の波数 kao;0次の非対称モード(A)の波数
【0035】この式(3)から変位を求め、ゆらぎによ
る板波の腹の位置は、ゆらぎの波長λ=4π/(kao
−kso)に対し、λ・((4n+1)/8)(n=
0、1、2・・・・)として求まり、流体への入射位置
を求めることができる。
【0036】入射位置となる板波の腹の位置は、各モー
ドの波数、即ち、位相速度によって決まり、位相速度は
板厚と周波数の積で決まるため、駆動周波数をコントロ
ールすることによって入射位置を調節することができ
る。また、板厚が大きい時は高次のモードも励起されて
しまうため、入射位置が計算できないうえ、0次モード
の振幅が相対的に小さくなってしまうが、周波数を下げ
ることによってモードを限定できるので入射位置が決ま
り、信号の振幅も回復する。
【0037】このようにして決まった入射位置から流体
中への入射角度は、系を巨視的に見た場合の板の厚さは
無視できるので、超音波を放射する送信センサと流体の
音速を用いたスネルの法則の計算結果となる。
【0038】ここで、スネルの法則とは、波動がある媒
質(送信センサを形成する楔)からそれて屈折率の異な
る別の媒質(流体)に進入した時、屈折率と、屈折角の
正弦との積が、入射ビームを含む媒質の屈折率、入射角
の正弦の積に等しいという法則であり、具体的には、図
5に示すように、n1sinθ1とn2sinθ2が等
しい。又、波の位相速度vphに関してはn1/n2は
vph1/vph2に等しいという関係がある。
【0039】このようにして、クランプオン型超音波流
量計において、板波を利用することによって平均流速パ
スでのマルチパス化が可能になるため、高精度の測定を
実現することができる。又、板厚が異なる場合でも、駆
動周波数を変更して板厚と周波数の積の値を同じにする
ことによって、同じ位置から流体中に超音波を入射する
ことができるため、板厚が変化しても送信センサの位置
を変更する必要がない。図6は板厚・周波数を変えた時
の出射位置の変化を表にしたもので、入射角度が70度
で板厚2.5mm、周波数1.62MHzの場合の出射
位置の実験値は25mmである。板厚を5.0mmの倍
にして、周波数0.80MHzとすれば、出射位置の実
験値は25mmとなり、板厚2.5mmの時と同じ結果
を得ることができる。このことは、板厚2.5mm、周
波数1.77MHzの時と、板厚5.0mmの場合には
周波数0.88MHzにすれば同じ結果を得ることがで
きることになる。従って、板の板厚に合わせて周波数を
変化させるようにすれば、送信センサの測定位置を変え
ることなく測定することができるのである。
【0040】また、板厚が厚くなると高次モードの板波
も励起され、また、板内部での減衰も大きくなるため検
出する信号が小さくなってしまうが、周波数を低くする
ことによって板波のモードを限定することができるた
め、得られる信号を大きくすることができる。
【0041】このようにして、出射位置を制御すること
により、平均流速パスによるマルチパス化ができる。こ
のマルチパス化にするためには、その分の駆動周波数を
発生させる送信センサを増やす必要があるが、実施例に
おいては駆動周波数をスイープすることによって、等価
的にマルチパスを実現することができる。
【0042】次に、第2の実施の形態のマルチパス超音
波流量計について、図7を参照して説明する。
【0043】第2の実施の形態のマルチパス超音波流量
計は、図7に示すように、超音波信号を生成する送信器
30と、配管16の外壁に取り付けることができる送信
センサ31と、配管16内の流体Gを伝搬してくる超音
波を受信することができる受信器32と、送信器30か
ら送信された超音波信号と受信器32で受信した超音波
信号とにより配管16内の流量を測定する測定手段であ
る測定部33とから構成されている。
【0044】送信センサ31は、送信器30で生成され
た超音波信号により超音波を発生させる圧電素子34
と、この圧電素子34を取り付け且つこの圧電素子34
から発生する超音波を伝搬させるアクリルで形成したア
クリルシュー35と、このアクリルシュー35のコーナ
部分であって圧電素子34から射出された超音波を反射
する所定の角度を持った反射面36とからなる。この反
射面36は、配管16壁方向に超音波を反射させるもの
で超音波を形成する縦波D1と横波D2を反射させるこ
とによって分離させる機能を有する。このアクリルシュ
ー35は配管16壁に隙間をなくした状態で取付けるこ
とができる構造となっている。
【0045】このように、超音波を伝搬する媒質、即
ち、アクリルシュー35と配管16壁材と流体Gという
異なった媒質を伝搬してゆく超音波には、スネルの法則
で屈折することになる。即ち、圧電素子34から発せら
れた超音波は縦波D1であり反射面36で反射する。こ
の反射された超音波は縦波D1と横波D2とに分離し、
それぞれが音速比に応じた角度に別々の音速で反射す
る。音速は、アクリルの場合、縦波2700m/s、横
波1500m/sであり、縦波のほうが早い。アクリル
シュー35からの超音波の縦波D1、横波D2はスネル
の法則により屈折し、配管16壁を通過して流体Gに入
射され、縦波E1、横波E2となる。
【0046】ここで、流体Gの音速は、水の場合には1
500m/sであり、縦波D1の流体への入射角θE1
は、適当な設計をすることが可能で略10度以内の角度
になる。従って、この縦波D1の流体への波は、管軸の
パス(センタービーム)となる。横波D2の流体Gへの
入射角θE2はアクリルシュー35の中での音速と流体
Gの音速がほぼ同じなので、横波D2の配管16への入
射角で決まる。従って、この横波D2は、管軸からオフ
セットしたパス(平均流速パス)を通過することにな
る。このようにして、適当な設計を行うことで、反射面
36で反射した縦波D1を管軸(センタービーム)での
流速/音速測定用の超音波として利用することができる
と共に、反射面36で反射した横波D2を配管16に対
して管軸から外れた位置に入射させることで平均流速パ
スとして利用することができ、マルチパスを形成する。
このようにして2つのパスの超音波で流速等を測定する
ことで、高精度でしかも1つの超音波を発生させる圧電
素子34のみでアクリルシュー35の形状の工夫という
簡単な構造でマルチパスの超音波流量計を実現すること
ができるのである。又、一つのアクリルシュー35で特
性を決めることができるため、圧電素子34のばらつき
の影響がなくなり、結果的に高精度の測定が可能にな
る。更に、構造は、クランプオンでもウェット(スプー
ルピース)でも可能であり、クランプオンでは十分オフ
セットした位置に超音波を通すことが困難であったが液
体に近い音速を持つ横波を利用することで大きな屈折角
が得られるためクランプオンでも使えるのである。
【0047】このようにして配管16内に超音波をマル
チパスして射出することができるとしても、この分離さ
れた縦波及び横波は、配管16壁を伝達するノイズも発
生する。従って、配管16内の流量の測定は、予め管壁
伝達ノイズの特性を測定しておき、管壁伝達ノイズ到達
時の受信信号から、測定パスを通った信号が到達する時
間の管壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フィルタ
を設けておき、実際の測定の際にはこの予測フィルタを
動作させてノイズをキャンセルして測定するようにする
ことで高精度な測定結果を得ることができる。この予測
フィルタについては、次に説明する第3の実施の形態で
詳細に説明する。
【0048】次に、第3の実施の形態の超音波流量計に
ついて、図8〜図10を参照して説明する。
【0049】第3の実施の形態の超音波流量計は、予め
管壁伝達ノイズの特性を測定しておいて、管壁伝達ノイ
ズ到着時の受信信号から、測定パスを通った信号が到達
する時間の管壁伝達ノイズ成分を予測、計算するような
予測フィルタを設けておき、実際に流量測定時にその予
測フィルタを動作させながら信号処理することで管壁伝
達ノイズに影響されない高精度な流量測定を行うもので
ある。その構成は、図8に示すように、超音波信号を生
成する送信器40と、配管16壁外部に取り付けること
ができる送信用超音波トランスジューサ42と、この送
信用超音波トランスジューサ42の反対側位置の配管1
6壁に取り付けた受信用超音波トランスジューサ43
と、この受信用超音波トランスジューサ43から受信し
た超音波信号の時間差を処理して測定する受信測定器4
1とからなる。この送信器40及び受信測定器41は送
受信を反対方向にすることができる構成となっている。
【0050】受信測定器41は、図9に示すように、受
信用超音波トランスジューサ43で受信した超音波信号
のうち、管壁伝達ノイズ到着時間の波形信号を取り込む
と共に、信号成分到着直前の波形信号を取り込んでノイ
ズを打ち消す予測フィルタ部44と、この予測フィルタ
部44でノイズをキャンセルした超音波信号により流量
を測定する時間差測定回路45とからなる。
【0051】予測フィルタ部44は、管壁伝達ノイズを
キャンセルする伝達関数を備えており、ノイズと信号と
の時間的な差を利用して時系列に信号を取り込んでノイ
ズをキャンセルする構成となっている。実施例の場合に
は、一番速いAという時間に管壁伝達ノイズ到達時間帯
での取り込みを行い、次の時間Bに信号成分到達時直前
の波形信号の取り込みを行い、次の時間Cにノイズをキ
ャンセルして時間差測定を行う構成となっている。
【0052】このような構成からなる超音波流量計にお
ける動作について説明する。先ず、適当な波形で送信用
超音波トランスジューサを駆動した場合、受信用超音波
トランスジューサ43では、図10に示すように、時系
列波形が得られる。即ち、時系列波形である受信信号の
波形の形態は、配管16壁を伝搬してきた波形の包絡線
に続いて信号成分パスの波形の包絡線が続く。この内、
最初に到達する波形群が、配管16壁を伝搬してきた超
音波によるものであり、管壁伝達ノイズと呼んでいるも
のである。2番目に到達する波形群が、流体内を伝達し
てきた超音波によるものであり、流量測定に利用する波
形であり、管壁伝達ノイズに対して信号成分である。こ
のように通常は配管16壁の音速の方が速いので管壁伝
達ノイズの方が先に到達する。
【0053】さて、実際には先に到達した管壁伝達ノイ
ズの残響成分が、信号成分の到達時間まで残っており、
誤差要因となっているが、予測フィルタ部44を設ける
ことにより、先に到達した管壁伝達ノイズの波形から、
信号成分の到達した時間帯の波形群に混入している管壁
伝達ノイズの残響成分を予測し、それを差し引くような
動作を行う。このため、先ず、配管16を空にしておい
て、適当な波形で送信用超音波トランスジューサ42を
駆動して、受信用超音波トランスジューサ43にて受信
波形を観測する。この時の受信信号は、流体がないの
で、「信号成分」が到達せず「管壁伝達ノイズ」のみの
波形信号となる。この波形信号を利用して以下の操作を
行う。
【0054】先ず、流量出荷時や設置時の初期設定を以
下の操作により行う。 Aー「管壁伝達ノイズ」到達時間帯の受信波形信号を
取得する。 Aー測定したい流体を想定して、その音速から「信号
成分」が到達する時間帯を計算する。 Aーその時間帯の「管壁伝達ノイズ」の残響成分波形
信号を取得する。 Aー予測フイルタ部44により、「管壁伝達ノイズ」
の残響成分を打ち消すようなフィルタを設計する。具体
例としては、残響成分と位相が180度異なるような波
形を加算するようにする。 Aーその残響成分を打ち消すような波形と、Aーで
取得した「管壁伝達ノイズ」到達時間帯の受信波形との
関係を求める。例えば伝達関数の形式等による(図9参
照)。
【0055】次に、実際に流量を測定する際の処理につ
いて説明する。 Bー「管壁伝達ノイズ」到達時間帯の受信波形を取得
する。 Bー初期設定時に求めた伝達関数(Aー)を利用し
て、ノイズ打ち消し波形を計算する。 Bー「信号成分」到達時間帯の受信波形を取得する。 Bー取得した波形にノイズ打ち消し波形を加算するこ
とによりノイズのない波形を生成することができる。 Bー得られた波形を時間差測定回路45に送って時間
差測定を行う。
【0056】次に、配管16等の経年変化等により、初
期設定で求めた伝達関数を変更する必要が出てくる場合
も考えられる。この場合についての処理の説明を以下行
う。 Cー初期設定時に、「信号成分」到達時間よりも適当
な時間分だけ早い時間帯での波形を取得する。 Cー上記Aー、と同様に、ノイズ打ち消し用の伝
達関数を計算する。 Cー流量測定時には、当初は、初期設定で求めた伝達
関数による予測フイルタ部44を動作させて流量測定を
行う。 Cーこの時、「信号成分」到達時間帯の直前の時間の
波形信号も取得しておき、この取得した波形信号は、管
壁伝達ノイズの残響成分であるので、これを打ち消すよ
うに伝達関数の係数を適応できるように変化させる。こ
れにより、配管16等が経年的変化しても、常に最適な
伝達関数を利用できることになる。
【0057】このようにして、超音波トランスジューサ
が一組の伝搬時間差式超音波流量計について説明した
が、これに限定されることなく、上述の第1及び第2の
実施の形態で説明したマルチパス型の伝搬時間差式超音
波流量計や、相関式流量計、渦流量計など超音波を利用
した流量計全般に適用可能である。
【0058】又、実施の形態の説明では、管壁伝達ノイ
ズが先に到達する場合について説明したが、配管16壁
の音速が遅く、流体音速が速い場合など逆に管壁伝達ノ
イズが後に伝達する場合もあり得る。この場合、該当す
る管壁伝達ノイズの影響は、次の送信波の信号成分に誤
差要因となるが、この場合も同様に次の信号成分の到達
時間帯のノイズの大きさを予測するようなフィルタを構
成することになる。又、同様に、管壁伝達ノイズと信号
成分が同時に到達する場合も考えられる。この場合は通
常は測定を行うことができない。管壁伝達ノイズ成分の
尾引き時間(残響時間)の方が長い場合が多いので、こ
の場合は、これまでとは逆に、尾引き波形を利用して、
信号到達時間帯のノイズの大きさを予測するようなフィ
ルタを構成すればよい。従って、従来から行われてい
る、メカ的な管壁伝達ノイズを除去する方法ではないた
め、構成が非常に簡単でありコストアップを抑えること
ができ、且つクランプオン型などにも適応できるなど応
用範囲が広く、且つトランスジューサは従来の設置のま
まで信号処理回路だけを変更することもでき、リプレー
スも簡単にできるというメリットがある。
【0059】
【発明の効果】上記説明したように、本発明はクランプ
オン型超音波流量計において、板波の利用によって平均
流速パスにおけるマルチパス化が可能になるため、高精
度な測定ができるようになるという効果がある。
【0060】又、一つの超音波を反射により複数の音速
の異なった超音波を利用してマルチパス化することによ
り、単一の超音波発生手段でよくなるから、構造が簡単
になると共に送信手段のばらつきがなくなり高精度の測
定ができるという効果がある。
【0061】更に、超音波を利用した流量計の最も大き
な誤差原因である、管壁伝達ノイズをメカ的な工夫をす
ることなくキャンセルすることができるため、構成を簡
単にして高精度な流量測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のクランプオン
型超音波流量計を略示的に示した説明図である。
【図2】同板波の各モードを示した説明図である。
【図3】同板波の解析モデルを示した説明図である。
【図4】同ステンレス(SUS)の場合の各モードの位
相速度を示したグラフである。
【図5】同スネルの法則の入射波、反射波、屈折波の関
係を示したグラフである。
【図6】同板厚・周波数を変えた時の出射位置の変化を
示した一覧表示である。
【図7】本発明に係る第2の実施の形態のマルチパス超
音波流量計の要部を示した説明図である。
【図8】本発明に係る第3の実施の形態の超音波流量計
の構成を示した説明図である。
【図9】同受信器における予測フィルタ部の構成を示し
た説明図である。
【図10】同予測フィルタ部における受信信号波形の形
態を示した説明図である。
【図11】従来技術における超音波流量計の構成を示し
た説明図である。
【図12】従来技術における超音波流量計の測定原理図
を示した説明図である。
【図13】従来技術におけるセンタービームと平均流速
パスとの関係を示したグラフである。
【図14】従来技術におけるセンタービームと平均流速
パスとの位置関係を示した説明図である。
【図15】配管断面での流速分布を示したもので、
(A)は軸対称流、(B)は偏流、(C)は2次流れ、
(D)は旋回流を示した断面図である。
【図16】従来技術におけるマルチパスの超音波流量計
を示した説明図である。
【図17】従来技術における配管壁を伝搬してくる成分
を示した断面図である。
【符号の説明】
11;送信センサ、12;受信センサ、16;配管、2
5;超音波制御部、26;測定部、31;送信センサ、
34;圧電素子、35;アクリルシュー、36;反射
面、40;送信器、41;受信測定器、42;送信用超
音波トランスジューサ、43;受信用超音波トランスジ
ューサ、44;予測フィルタ部、45;時間差測定回路

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を発生させる圧電素子を備えかつ配
    管に取り付けることができる送受信センサのうち、送信
    センサからの超音波の音速と比べて配管の材料を伝達す
    る超音波の音速を小さくするとともに、スネルの法則で
    出てくる位置で検出し全反射となる場合には板波を使用
    するようにし、前記配管の肉厚を有限の厚さとし、該配
    管壁に前記板波を励起させた超音波を平均流速パスに通
    すようにして流量を測定するようにしたことを特徴とす
    るクランプオン型超音波流量測定方法。
  2. 【請求項2】上記請求項1におけるクランプオン型超音
    波流量測定方法において、前記配管の肉厚は超音波の波
    長に比べて数倍程度であることを特徴とするクランプオ
    ン型超音波流量測定方法。
  3. 【請求項3】上記請求項1におけるクランプオン型超音
    波流量測定方法において、前記配管壁に射出する超音波
    は、その駆動周波数を制御することにより、配管内の流
    体への入射位置を調整するようにしたことを特徴とする
    クランプオン型超音波流量測定方法。
  4. 【請求項4】上記請求項1におけるクランプオン型超音
    波流量測定方法において、前記配管壁に射出する超音波
    は、その周波数をスイープすることによって単一の送信
    センサから等価的にマルチパスを形成するようにするこ
    とを特徴とするクランプオン型超音波流量測定方法。
  5. 【請求項5】上記請求項1におけるクランプオン型超音
    波流量測定方法において、前記配管の肉厚が所定の厚さ
    以上の場合は、射出する超音波の周波数を低くして受信
    する信号を大きくするようにしたことを特徴とするクラ
    ンプオン型超音波流量測定方法。
  6. 【請求項6】上記請求項1におけるクランプオン型超音
    波流量測定方法において、前記配管内の流量の測定は、
    予め配管壁伝達ノイズの特性を測定しておき、配管壁伝
    達ノイズ到達時の受信信号から、測定パスを通った信号
    が到達する時間の配管壁伝達ノイズ成分を予測・計算す
    る予測フィルタを設けておき、実際の測定の際に該予測
    フィルタを動作させて測定するようにしたことを特徴と
    するクランプオン型超音波流量測定方法。
  7. 【請求項7】送信器から少なくとも一つのパスを通る超
    音波を射出し、該射出された超音波を反射により音速の
    異なる複数の超音波に分離し、該分離したそれぞれの超
    音波を測定流体中に射出し、該射出された複数の超音波
    を受信して配管内の流量を測定するようにしたことを特
    徴とするマルチパス超音波流量測定方法。
  8. 【請求項8】上記請求項7のマルチパス超音波流量測定
    方法において、分離する複数の超音波は、少なくとも2
    つの音速の異なる超音波であることを特徴とするマルチ
    パス超音波流量測定方法。
  9. 【請求項9】上記請求項7におけるマルチパス超音波流
    量測定方法において、前記配管内の流量の測定は、予め
    配管壁伝達ノイズの特性を測定しておき、管壁伝達ノイ
    ズ到達時の受信信号から、測定パスを通った信号が到達
    する時間の管壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フ
    ィルタを設けておき、実際の測定の際に該予測フィルタ
    を動作させて測定するようにしたことを特徴とするマル
    チパス超音波流量測定方法。
  10. 【請求項10】超音波を発生させる圧電素子を備えかつ
    配管に取り付けることができる送受信センサと、該送受
    信センサのうち、送信センサからの超音波の音速と比べ
    て配管の材料を伝達する超音波の音速を小さくするとと
    もに、スネルの法則で出てくる位置で検出し全反射とな
    る場合には板波を使用するようにした超音波制御手段
    と、前記配管の肉厚を有限の厚さとし、該配管壁に板波
    を励起させて超音波を平均流速パスに通すようにして流
    量を測定する測定手段とからなることを特徴とするクラ
    ンプオン型超音波流量計。
  11. 【請求項11】上記請求項10におけるクランプオン型
    超音波流量計において、前記配管の肉厚は超音波の波長
    に比べて数倍程度であることを特徴とするクランプオン
    型超音波流量計。
  12. 【請求項12】上記請求項10におけるクランプオン型
    超音波流量計において、前記超音波制御手段は、前記配
    管壁に射出する超音波を、その駆動周波数を制御するこ
    とにより、配管内の流体への入射位置を調整するように
    したことを特徴とするクランプオン型超音波流量計。
  13. 【請求項13】上記請求項10におけるクランプオン型
    超音波流量計において、前記超音波制御手段は、前記配
    管壁に射出する超音波を、その周波数をスイープするこ
    とによって単一の送信手段から等価的にマルチパスを形
    成するようにしたことを特徴とするクランプオン型超音
    波流量計。
  14. 【請求項14】上記請求項10におけるクランプオン型
    超音波流量計において、前記超音波制御手段は、前記配
    管の肉厚が所定の厚さ以上の場合は、射出する超音波の
    周波数を低くして受信する信号を大きくするようにした
    ことを特徴とするクランプオン型超音波流量計。
  15. 【請求項15】上記請求項10におけるクランプオン型
    超音波流量計において、前記超音波制御手段は、前記配
    管内の流量の測定に先立ち、予め管壁伝達ノイズの特性
    を測定しておき、管壁伝達ノイズ到達時の受信信号か
    ら、測定パスを通った信号が到達する時間の管壁伝達ノ
    イズ成分を予測・計算する予測フィルタを設けておき、
    実際の測定の際に該予測フィルタを動作させて測定する
    ことを特徴とするクランプオン型超音波流量計。
  16. 【請求項16】配管に取り付けた送信センサから少なく
    とも一つのパスを通る超音波を発生させる超音波発生手
    段と、該発生した超音波を反射により音速の異なる複数
    の超音波に分離する超音波分離手段と、該分離したそれ
    ぞれの超音波を測定流体中に射出する超音波射出手段
    と、該射出された複数の超音波を受信して配管内の流量
    を測定する測定手段とからなることを特徴とするマルチ
    パス超音波流量計。
  17. 【請求項17】上記請求項16のマルチパス超音波流量
    計において、分離する複数の超音波は、少なくとも2つ
    の音速の異なる超音波であることを特徴とするマルチパ
    ス超音波流量計。
  18. 【請求項18】上記請求項16におけるマルチパス超音
    波流量計において、前記配管内の流量の測定は、予め管
    壁伝達ノイズの特性を測定しておき、管壁伝達ノイズ到
    達時の受信信号から、測定パスを通った信号が到達する
    時間の管壁伝達ノイズ成分を予測・計算する予測フィル
    タを設けておき、実際の測定の際に該予測フィルタを動
    作させて測定するようにしたことを特徴とするマルチパ
    ス超音波流量計。
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