JP2009276217A - 磁気回転センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被検出体である歯車に近接して配置しなくても、高感度で大きな出力の得られる磁気回転センサを得る。
【解決手段】磁気回転センサにおいて、外周に凹凸を有する回転体の外周に配置され、その回転体の回転軸の方向と同じ方向の磁束を発生するバイアス磁石と、このバイアス磁石の発生する磁束を通すようにバイアス磁石に近接して配置され、回転体の外周に沿った板状の磁束ガイドと、回転体の径方向を含む平面上における磁束ガイドの両端部近傍で磁束ガイドよりも回転体側の位置にそれぞれ配置された複数の磁気抵抗素子とを備え、回転体の外周の凹凸の位置により磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向が周期的に変化し、この磁束方向の変化に対応して、複数の磁気抵抗素子のそれぞれの抵抗値が周期的に変化して、複数の磁気抵抗素子の各抵抗値の差を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジン回転数モニター用のクランク角センサ、あるいは工作機器や電車車両等の各種機械のモーターの回転センサなどの磁気回転センサに関する。
一般に、クランク角センサなどに使用される回転センサは、磁界強度を検知する磁気回転センサが用いられ、各種機械を高精度に制御するための非接触センサとして広く利用されている。クランク角センサは自動車のエンジンに直結したクランクの回転動作をモニターするためのセンサであり、歯車の回転角度を磁気回転センサにより検知するようにしている。従来の磁気回転センサは、軟磁性材料からなる歯車を被検出体として、磁界を歯車に向けたバイアス磁石と、歯車の回転動作にともなう磁界強度の変化を検出する磁気抵抗素子とから構成されている。この磁気抵抗素子としては、ホール素子や巨大磁気抵抗素子(以下、GMR素子と記す。)などが用いられてきた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
特開平11−337369号公報 特開平9−5016号公報 実開平3−95962号公報
従来の磁気回転センサは、磁気抵抗素子により磁界強度の変化を検出するようにしていたので感度が低く、その抵抗変化率も小さいため、大きな出力が得られないという問題点があった。磁気回転センサの感度を上げるためには、磁界強度の変化を大きくする必要がある。磁界強度の変化は、被検出体である歯車と磁気回転センサとの距離依存性が大きく、感度を上げるためには、磁気回転センサと歯車を精密に近接配置する必要があった。
一方、磁気抵抗素子には磁界方向を検出するものがあり、例えば、トンネル型磁気抵抗素子(以下、TMR素子と記す。)は、ホール素子やGMR素子に比べて、抵抗変化率が1から2桁も大きく、高感度の磁気抵抗素子として有望である。
ただし、TMR素子は抵抗変化の飽和磁界が小さいため、他の磁気抵抗素子のように磁界強度の変化を検出することはできないので、磁気回転センサにTMR素子を用いるためには、磁界方向の変化を検出するような構成にする必要がある。
TMR素子は、TMR素子自身が持つ基準方向と、TMR素子を通る磁界の方向との角度により、抵抗値が変化して、磁界方向を検出する。このため、TMR素子の特長を最大限に活用した高感度の磁気回転センサを実現するためには、歯車の回転動作に対して磁界が180度、あるいはそれに近い角度で変化する磁気回路を構成する必要がある。
ところが、従来の磁気回転センサの構成では、歯車の回転にともない、磁界強度は変化するものの、磁界方向の変化はごくわずかであった。この磁界方向の変化も歯車との距離依存性が大きく、磁界方向の変化を大きくするためには、磁気回転センサと歯車を極めて近接配置する必要があり、自動車のエンジンなどに使用するためには限界があった。
一方、TMR素子の特徴を活かすために、TMR素子を配置した領域の磁界方向が、歯車の回転にともない360度回転して変化するように構成すると、TMR素子からは、最大の出力が得られるというメリットはあるものの、次のような問題点のあることがわかった。すなわち、磁界方向が360度回転するということは、その付近にTMR素子の磁化を飽和することができないほど、磁界が著しく小さくなる領域が分布することが避けられないことを意味する。この領域を不飽和領域と呼ぶが、このような不飽和領域では、TMR素子は磁界方向を検出することができない。
このため、TMR素子はこのような不飽和領域を避けて配置する必要があるが、この不飽和領域の位置は、磁気回転センサ内での、TMR素子と磁石などの磁気回路構成部品との位置関係や、磁気回転センサと歯車との位置関係に大きく影響される。したがって、磁気回転センサの構成部品の取り付け精度、および歯車に対する磁気回転センサの取り付け精度を精密にしなければならないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、被検出体である歯車に近接して配置しなくても、高感度で大きな出力が得られ、またその取り付け精度に大きな許容度を持たせた磁気回転センサを提供することを目的とする。
本発明に係る磁気回転センサにおいては、外周に凹凸を有する回転体の外周に配置され、その回転体の回転軸の方向と同じ方向の磁束を発生するバイアス磁石と、このバイアス磁石の発生する磁束を通すようにバイアス磁石に近接して配置され、回転体の外周に沿った板状の磁束ガイドと、回転体の径方向を含む平面上における磁束ガイドの両端部近傍で磁束ガイドよりも回転体側の位置にそれぞれ配置された複数の磁気抵抗素子とを備え、回転体の外周の凹凸の位置により磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向が周期的に変化し、この磁束方向の変化に対応して、複数の磁気抵抗素子のそれぞれの抵抗値が周期的に変化して、複数の磁気抵抗素子の各抵抗値の差を検出するようにしたものである。
本発明によれば、磁気抵抗素子を配置した領域の磁界方向が歯車の回転にともない360度回転して変化することはないため、不飽和領域が磁気抵抗素子の付近には存在しない。このため、磁気抵抗素子などの磁気回転センサの構成部品、および歯車に対する磁気回転センサの取り付け精度の許容度を大幅に向上させることが可能となる。また、複数の磁気抵抗素子を用いることで、それぞれの磁気抵抗素子の抵抗値が周期的に変化して、その位相差による抵抗値の差を検出することにより、磁界方向が360度回転する場合と比較しても遜色のない大きな出力を得ることができる。これにより、高感度、大出力の磁気回転センサを実現することができる。
実施の形態1.
実施の形態1について図面を参照して説明する。図1は実施の形態1における磁気回転センサの部品と回転体の配置を示す側面構成図であり、図2はその下面構成図である。
図1または図2に示すように、例えば、自動車のエンジンの回転動作をモニターするために、エンジンのクランク軸(図示せず。)などに直結した外周に凹凸を有する歯車状の回転体4を被検出体として、その外周に磁気回転センサが配置される。
図1において、TMR素子1a、1bが設置された基板5と、軟磁性材料からなる磁束ガイド3が、例えばアルミのような非磁性材料からなる固定金具6によって固定されている。図2に示すように、板状の磁束ガイド3は、回転体4の外周に沿うように配置されている。また、磁束ガイド3の回転体4の外周に沿った長さは、回転体4の凹凸のピッチの1/2よりも小さくなるように構成されている。
図2において、TMR素子1a、1bは、回転体4の径方向を含む平面上における磁束ガイド3の両端部近傍で磁束ガイド3よりも回転体4側の位置にそれぞれ配置されている。したがって、TMR素子1a、1bは回転体4の外周の外側で、その外周に沿うように同じ平面上に配置される。TMR素子1aとTMR素子1bの間隔は、磁束ガイド3の長さと同様に、回転体4の凹凸のピッチの1/2よりも小さくなるように構成されている。
磁界を発生するバイアス磁石2は、回転体4の外周に配置され、回転体4および磁束ガイド3の上方で、TMR素子1a、1bと回転体4との間を跨ぐような位置に固定金具6によって固定されている。バイアス磁石2は、また、磁束ガイド3の位置よりも回転体4側に配置される。バイアス磁石2の着磁方向は、回転体4に対して垂直方向、すなわち、回転体4の回転軸の方向と同じ方向の磁束を発生する。図1の図面上では紙面の上下方向となる。
磁束ガイド3は、バイアス磁石2に近接して配置され、バイアス磁石2の発生する磁束を通して、磁界を制御する。磁束ガイド3の両端部近傍に配置されたTMR素子1a、1bはそれぞれ、磁束ガイド3の両端部近傍の磁束方向を検出する。ここで、TMR素子1aは信号用の素子であり、TMR素子1bは参照用の素子である。なお、これらの磁気回転センサを構成する部品は、回転体4の回転方向における磁束ガイド3の中間点と回転体4の回転軸とを結ぶ線を軸として、線対称となるように配置されている。図2の図面上では上下対称となる。したがって、信号用のTMR素子1aと参照用のTMR素子1bの配置は逆であってもかまわない。
また、これらの磁気回転センサの部品は最終的にモールドにて封止されるので、固定金具6を使用せずに、モールドによって固定されるようにすることも可能である。
このように構成された磁気回転センサは、バイアス磁石2と磁束ガイド3と回転体4とで構成される磁気回路における、磁束ガイド3の両端部近傍の磁束方向を、回転体4の外周の凹凸の位置によりそれぞれ周期的に変化させることができる。ただし、この周期的に変化する磁束方向の角度は最大でもそれぞれ90度以下であり、磁束方向が360度回転する場合に分布するような不飽和領域は磁束ガイド3の両端部近傍に存在しない。
一方、回転体4の回転にともない周期的に変化する磁束ガイド3の両端部近傍の磁束方向は、それぞれの変化の周期に位相差がある。この位相差にもとづく抵抗値の差を検出することにより、磁束方向が360度回転する場合と同様の大出力を得ることができるようになり、TMR素子の特長を最大限に活用した、高感度、大出力の磁気回転センサを実現することができる。
実施の形態1の磁気回転センサにおいて、回転体の回転動作にともない、磁束ガイド近傍の磁束方向が周期的に変化する動作について、図面を参照して説明する。図3ないし図6は実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向が変化するようすを示す上面構成図であり、図7および図8はその側面構成図である。図中、図1または図2と同一符号は同一または相当の構成を示す。
図3ないし図6において、TMR素子1a、1bの設置された位置における、回転体4の径方向を含む平面上での磁気ベクトルの方向を矢印で示す。ここで、バイアス磁石の磁極は上方をN極としている。なお、バイアス磁石の上方をS極とした場合は、すべての磁気ベクトルの方向を示す矢印の向きが逆になること以外の動作は同一であるため、以下では説明を省略する。また、回転体4の回転方向における磁束ガイド3の中間点およびTMR素子1a、1bの設置された位置の中間点と回転体4の回転軸とを結ぶ線を中心線Xとする。
図3に示すように、回転体4の外周の凸部の中央が中心線Xと一致した場合には、信号用のTMR素子1aと参照用のTMR素子1bの設置された位置における磁気ベクトルはともにこの凸部からの磁束を磁束ガイド3に引き込む方向となり、回転体4の外周から離れる方向へ向く。図面上では、紙面の右方向である。
図4に示すように、回転体4が上方から見て、右回りの矢印方向に少し回転して、凸部の角が中心線Xに近接した場合には、TMR素子1a、1bの設置された位置における磁気ベクトルは、それぞれが近接する凸部からの磁束を磁束ガイド3に引き込む方向となり、それぞれ中心線Xの方向へ向く。図面上では、それぞれが紙面の上下方向へ傾く。ただし、TMR素子1bに近接する凸部よりもTMR素子1aに近接する次の凸部の方が遠いため、TMR素子1aの設置された位置における磁気ベクトルの方がより中心線Xの方向へ傾く。
図5に示すように、さらに少し回転して、回転体4の外周の凹部の中央が中心線Xと一致した場合には、TMR素子1a、1bの設置された位置における磁気ベクトルはともに中心線Xの方向へ向き、その傾きは中心線Xを軸に対称となる。
図6に示すように、さらにまた少し回転して、次の凸部の角が中心線Xに近接した場合には、TMR素子1a、1bの設置された位置における磁気ベクトルは、それぞれが近接する凸部からの磁束を磁束ガイド3に引き込む方向となり、それぞれ中心線Xの方向へ向く。ただし、図4の場合とは逆に、TMR素子1aに近接する次の凸部よりもTMR素子1bに近接する凸部の方が遠くなるため、TMR素子1bの設置された位置における磁気ベクトルの方がより中心線Xの方向へ傾く。
再び図3に示すように、さらに少し回転して、回転体4の外周の凸部の中央が中心線Xと一致した場合には、それぞれの位置における磁気ベクトルは、元のとおり、回転体4の外周から離れる方向の、図面上では紙面の右方向へ向く。
以上の結果から、信号用のTMR素子1aと参照用のTMR素子1bの設置された位置における磁気ベクトルはそれぞれ、回転体4の外周の凹凸の繰り返し1回毎に対応して周期的に変化することになる。この磁気ベクトルの回転体4の径方向を含む平面上における方向の変化する角度は最大でもそれぞれ90度以下であるが、ともに中心線Xの方向へ傾くので、その角度の差は最大で180度となる。
さらに、TMR素子1a、1bはそれぞれ磁束ガイド3の両端部近傍に回転体4の回転方向に沿うように配置されているので、その位置の差により、磁気ベクトルのそれぞれの変化の周期に位相差がある。
図7および図8においては、それぞれ、図3および図5に対応して、側面方向から見た場合の、TMR素子1a、1bを通る、回転体4の回転軸と平行な平面上における磁気ベクトルの方向を矢印で示す。
図7において、実線で示した回転体4の外周の凸部の中央が中心線Xと一致した場合には、図3に示した場合と同様に、この凸部からの磁束を磁束ガイド3に引き込む方向となり、TMR素子1a、1bを通る磁気ベクトルは、回転体4の外周から離れる方向へ向く。図面上では、紙面の右方向となる。
図8においては、逆に、破線で示した回転体4の外周の凹部の中央が中心線Xと一致した場合には、図5に示した場合と同様に、この凹部を挟む両側の凸部からの磁束を引き込む方向となるため、TMR素子1a、1bの設置された位置における磁気ベクトルはともに中心線Xの方向へ向くことになるが、回転体4の回転軸と平行な平面上における磁気ベクトルの方向としては回転軸と平行な方向に近づく。図面上では、紙面の上方向に近づくことになる。
これにより、TMR素子1a、1bを通る磁気ベクトルの方向は、側面方向から見ても、回転体4の外周の凹凸の繰り返し1回毎に対応して周期的に変化することがわかる。
以上のように構成された磁気回転センサにおける、回転体の回転動作を検出する動作について図面を参照して説明する。図9は実施の形態1における磁気回転センサのTMR素子と磁束ガイドの部分を示す上面構成図である。図中、図1または図2と同一符号は同一または相当の構成を示す。
また、図10は実施の形態1における磁気回転センサの回路構成図であり、図11はその出力電圧の一例を示す出力波形図である。
図9において、基板5に設置された信号用のTMR素子1aと、参照用のTMR素子1bは、それぞれが2つのTMR素子で構成されている。参照用のTMR素子1bは、例えばエンジンルーム等での温度変化にともなうTMR素子の特性変化を補正する目的のためにも設けられている。
これら4つのTMR素子により、図10に示すブリッジ回路が構成され、基板5の上に配線されている(図9には図示せず。)。基板5にはその他に、ブリッジ回路からの電気信号を増幅するためのアンプや閾値回路(図示せず。)なども搭載され、外的環境による電気ノイズの低減をはかっている。
図10に示すブリッジ回路により、磁束方向が変化することによるTMR素子の抵抗変化は電圧信号として出力される。
信号用のTMR素子1aの抵抗をR、参照用のTMR素子1bの抵抗をR、ブリッジ回路に印加する電圧をVin、アンプの増幅率をGとすると、この回路による出力電圧は次式のように表される。
Figure 2009276217
TMR素子は、ピン層と呼ばれる電子スピンの方向が固定されている層と、トンネル層を間に介して、フリー層と呼ばれる電子スピンの方向が外部磁界方向に依存する層との積層構造により構成されている。
TMR素子の抵抗R(θ)は、外部磁界方向によって次式のように表される。
Figure 2009276217
ここで、cosθは、TMR素子におけるピン層の電子スピンの方向を基準方向として、外部磁界方向との成す角度の余弦である。RαとRβは外部磁界の大きさには依存しないので、R(θ)は外部磁界方向のみで決まる量である。ピン層と外部磁界方向に依存するフリー層のスピンの方向が平行のときに最小値|Rα−Rβ|、反平行のときに最大値Rα+Rβ、となる。
(式1)と(式2)から、信号用のTMR素子1aと、参照用のTMR素子1bにおける外部磁界方向と出力電圧の関係が決まる。例えば、信号用のTMR素子1aと参照用のTMR素子1bにおける外部磁界方向とそれぞれの基準方向との成す角度が同じ場合には、出力電圧は0Vとなり、その角度が異なる場合には、その差を出力電圧として検出することができる。
被検出体である歯車状の回転体の回転動作にともない、TMR素子1a、1bにおける外部磁界方向は、回転体の外周の凹凸の繰り返し1回毎に対応して周期的に変化するが、外部磁界方向のそれぞれの変化の周期に位相差があるため、その角度の差が出力電圧として検出される。これにより、この磁気回転センサの出力電圧は、回転体の外周の凹凸の繰り返し1回毎に、正の値および負の値となる動作を繰り返すことになり、外部磁界方向が360度回転する場合と比較しても遜色のない大きな出力電圧を得ることが可能となる。
この結果、例えば、図11に示すような出力波形が得られた。この出力波形は、磁気抵抗比が25%のTMR素子を用いて、バイアス電圧を2V、ゲインが20のアンプを用いた場合のブリッジ回路からの出力を回転体の外周の凹凸1周期分について示している。回転体の外周の凸部または凹部が磁気回転センサに最近接した場合に電圧が0Vとなるような正と負のピークを持つ正弦波状の出力波形が得られる。
これは、波形歪の極めて小さな出力であり、ホール素子と比べても、1桁以上大きく安定した出力を得ることができる。より大きな磁気抵抗比のTMR素子を利用すれば、さらに1桁以上の出力を向上させることも可能である。
また、被検出体の歯車に対するこの磁気回転センサの取り付け位置の誤差について、その出力電圧の結果を図12ないし図15に示して説明する。図12は歯車と磁気回転センサとの距離を変えた場合の出力電圧の一例を示す出力波形図であり、図13は磁気回転センサを歯車の回転軸方向にずらした場合の出力電圧の一例を示す出力波形図である。これらの出力波形は、磁気抵抗比が23%のTMR素子を用いて、バイアス電圧を2V、ゲインが20のアンプを用いた場合のブリッジ回路からの出力を示している。図14および図15は、それぞれ図12および図13に示した出力波形から、そのピーク間出力と磁気回転センサの取り付け位置のずれとの関係を示すようにした図である。
図12において、歯車と磁気回転センサとの距離を、実際に車載で使用する範囲である2.5、3.0、3.5mmと変えた場合に得られた出力波形を示すが、特に波形がひずむこともなく、不飽和領域の影響も表れていない。出力波形は正確な正弦波ではないが、歯車と磁気回転センサとの距離を変えても、歯車の回転角に対して電圧が0Vとなる点は安定しており、回転角を高精度に検出することが可能である。図14に示すように、出力波形の正と負のピーク間出力は、歯車と磁気回転センサとの距離によりほぼリニアに変動しており、その距離特性は良好であるといえる。したがって、歯車と磁気回転センサとの距離に関して、その取り付け精度の許容度は大きく、またその出力の幅は正方向と負方向との和となるため、大きな出力を得ることができる。
一方、図13および図15に示すように、磁気回転センサを歯車の回転軸方向にプラスマイナス0.5mmの範囲でずらした場合でも、その出力はほとんど変化することがなく、安定して大きな出力が得られている。したがって、歯車の回転軸方向に関しても、その取り付け精度の許容度は大きく、また、歯車の回転軸方向に取り付け位置の誤差があっても、歯車の回転角に対する出力波形の周期は安定しているので、同様に回転角を高精度に検出することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、磁束方向の変化を検出する磁気抵抗素子としてTMR素子の特長を最大限活かし、高感度で、かつ大出力であり、その取り付け精度の許容度を大幅に向上した磁気回転センサを実現することが可能となる。
実施の形態1における磁気回転センサの部品と回転体の配置を示す側面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの部品と回転体の配置を示す下面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向を示す上面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向を示す上面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向を示す上面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向を示す上面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向を示す側面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向を示す側面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサのTMR素子と磁束ガイドの部分を示す上面構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの回路構成図である。 実施の形態1における磁気回転センサの出力電圧の一例を示す出力波形図である。 実施の形態1における磁気回転センサの出力電圧の一例を示す出力波形図である。 実施の形態1における磁気回転センサの出力電圧の一例を示す出力波形図である。 実施の形態1における磁気回転センサの出力とその取り付け位置のずれとの関係を示す相関図である。 実施の形態1における磁気回転センサの出力とその取り付け位置のずれとの関係を示す相関図である。
符号の説明
1a、1b TMR素子、
2 バイアス磁石、
3 磁束ガイド、
4 回転体

Claims (4)

  1. 外周に凹凸を有する回転体の外周に配置され、前記回転体の回転軸の方向と同じ方向の磁束を発生するバイアス磁石と、
    このバイアス磁石の発生する磁束を通すように前記バイアス磁石に近接して配置され、前記回転体の外周に沿った板状の磁束ガイドと、
    前記回転体の径方向を含む平面上における前記磁束ガイドの両端部近傍で前記磁束ガイドよりも前記回転体側の位置にそれぞれ配置された複数の磁気抵抗素子とを備え、
    前記回転体の外周の凹凸の位置により前記磁束ガイドの両端部近傍の磁束方向が周期的に変化し、
    この磁束方向の変化に対応して、複数の前記磁気抵抗素子のそれぞれの抵抗値が周期的に変化して、
    複数の前記磁気抵抗素子の各抵抗値の差を検出する磁気回転センサ。
  2. 前記バイアス磁石は、前記回転体および前記磁束ガイドの上方の、前記磁束ガイドの位置よりも前記回転体側に配置され、
    前記磁気抵抗素子と前記回転体との間を跨ぐように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気回転センサ。
  3. 前記磁束ガイドの前記回転体の外周に沿った長さは、前記凹凸のピッチの1/2よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気回転センサ。
  4. 前記磁気抵抗素子はトンネル型磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気回転センサ。
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