JP2009275871A - スイングアーム用軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】転動体荷重の変動を小さくしてその制御を容易にすることにより、スイングアームのトルクを安定させる支点軸受ユニットを提供する。
【解決手段】玉109が接触する内側軌道面と外側軌道面とのいずれかの軌道面を、円すい面形状を有して互いに交差する2つの接触面(円すい状軌道面120、121)とする。このことにより、円すい面形状を有する接触面にて、玉109を3点で接触させる支点軸受ユニットを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブに用いるスイングアーム用軸受(支点軸受ユニット)に関するものであり、より具体的には、スイングアームのトルクを安定させる支点軸受ユニットに関するものである。
コンピュータの外部記憶装置として使用されるハードディスクに用いるスイングアームは、磁性体を塗布したアルミニウム製やガラス製のディスクに、磁気ヘッドを用いて情報を読み書きする。この磁気ヘッドは、スイングアームと呼ばれる駆動体の一方の端部に取り付けられている。そして、ボイスコイルモータによりスイングアームが支点軸受ユニットを中心に揺動駆動することにより、スイングアームの一方の端部に取り付けられた磁気ヘッドがハードディスク上の任意の位置に移動してハードディスクに情報を読み書きすることを可能とする。
スイングアームを揺動駆動するために、スイングアームの重心部に組み込まれている、従来からの支点軸受ユニットは、次に述べる構成を備えている。図18は、従来から用いられているスイングアームに組み込まれた支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。図18に示すスイングアーム1は、一方の端部に磁気ヘッド2が取り付けられており、他方の端部には図示しないボイスコイルモータがあり、重心位置に支点軸受ユニット400が組み込まれている。
磁気ヘッド2がハードディスクに情報を正確に読み書きするためには、磁気ヘッド2が正確な位置に移動できるよう、スイングアーム1を揺動駆動させる必要がある。このため、スイングアーム1を支える支点軸受ユニット400には高い剛性が要求されている。剛性を確保するために、図18に示す支点軸受ユニット400を構成する部品は適切な予圧を与えて組み込む必要がある。具体的には、まず図18において2台存在する外輪104および、2台の外輪104が互いに接触しないように2台の外輪104の間に設けた間座105を、スイングアーム1に直接接続されるスリーブ102に固着させる。続いて図18において2台存在する内輪103のうち1台を、支点軸受ユニット400の中心部分に存在する軸101に固着させる。これは図18において下側に設置された内輪103である。ここで、外輪104と内輪103との間には玉109を介在させる。そして図1に示すように軸方向、すなわち紙面の上下方向に予圧Fを加えて他方の内輪103を軸101に固定させる。このことにより、支点軸受ユニット400を構成する各部品に予圧Fが加わり、剛性を確保するための固着が可能になる。
昨今のハードディスクの容量拡大に伴い、磁気ヘッド2にはより高い位置精度が要求されている。このため、支点軸受ユニット400にはより高い剛性が要求されている。また、1.8インチ以下のハードディスクドライブについては、ディスクが薄型化されていることに伴い、支点軸受ユニット400にも薄型化が要求される。さらに、構成する部品の点数が多い支点軸受ユニット400には、部品の点数を削減させることによる低コスト化も要求されている。
図19は、従来から行なわれている、部品の点数を削減させた支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。なお、図19において、ハッチングを施した部分は断面を表している。図19に示す支点軸受ユニット500は、図18に示す支点軸受ユニット400に示した外輪104に相当するものを設けず、スリーブ102の、内輪103と対向する表面上に、転動体としての玉109を転動させるための軌道面としての軸受溝110を形成している。したがって、外輪104を設けない分だけ部品の点数が減少し、低コスト化を図ることができる。さらに、図18に示すスリーブ102と外輪104とを嵌合させる部分を廃止することにより、スイングアーム1の回転精度を向上させることもできる。同様に、外輪や内輪を設けず、軸の外周表面上およびスイングアームのスリーブに直接、玉を転動させるための軌道面としての軸受溝を形成させた構造を備えるハードディスク用スイングアームが、たとえば実開平7−6969号公報(特許文献1)に開示されている。
一方、支点軸受ユニットを薄型化させるための対応としては、たとえば特開平10−318255号公報(特許文献2)に開示されているように、内輪の厚みを外輪の厚みに比べて薄くなるように設計し、2台の外輪が互いに接触する構造とすることにより、2台の外輪の間に配置させる間座を廃止させる方法がある。このような方法を用いることにより、間座を廃止させた分だけ、支点軸受ユニット全体の厚みを薄くさせることができる。
また、剛性を高くするためには上述したような予圧荷重を上げることにより、外輪と内輪との間に介在する玉に加わる接触応力が増加する。その結果、支点軸受ユニット全体の剛性を高くすることができる。しかし、接触応力が大きくなることにより玉に加わる摩擦トルクが大きくなる。したがって大きな摩擦トルクにより玉ないし、玉と接触する軌道面を含む領域が塑性変形を起こす可能性がある。このため、対策として組み込む玉の点数を増加させる考案がなされている。または、たとえば特開2006−316915号公報(特許文献3)に開示されている支点軸受ユニットは、外輪ないし内輪を軸方向、すなわち上下方向に2分割させて、分割させたそれぞれの外輪ないし内輪の部材と玉とを接触させることを可能にしている。このようにして接触点数を増加させることにより、剛性を増加させることを目論んだ支点軸受ユニットも考案されている。
実開平7−6969号公報 特開平10−318255号公報 特開2006−316915号公報
しかし、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に開示されているスイングアーム用軸受は、いずれも玉を転動させるための軌道面として、R面状に形成させた軸受溝を内輪側および外輪側の両側に用いている。しかし、このような構成では、玉の位置を1箇所に定めることはできるが、接触点が軸受溝表面の軌道面上を自由に移動できる。その結果、接触角は一定に定まらない。また、たとえば特許文献3においては、玉(転動体)と軸受溝(軌道溝)との接触点が4点になっている。特許文献3のように4点で接触した場合は加工が面倒になる。
接触角が一定に決まらない場合、玉に加わる力である転動体荷重がほぼ一定となるよう制御することが困難である。ハードディスク用の支点軸受ユニットは、一般的に動作時に低トルクでありトルクの変動が小さいことが要求されるが、転動体荷重の変動が大きくなると、支点軸受ユニットのトルクを安定させることが困難となる。
本発明は、上述した各問題に鑑みなされたものである。その目的は、転動体荷重の変動を小さくしてその制御を容易にすることにより、スイングアームのトルクを安定させる支点軸受ユニットを提供することである。
本発明における、スイングアームに用いる支点軸受ユニットとしてのスイングアーム用軸受は、外周面に円環状の内側軌道面が形成された内方部材と、内方部材を取り囲むように配置され、内側軌道面に対向する円環状の外側軌道面が形成され、ハードディスクドライブのスイングアームが接続された外方部材と、内側軌道面および外側軌道面に接触して配置された複数個の玉とを備える。また、内側軌道面および外側軌道面のいずれか一方の軌道面は、玉と接触する第1の接触面および第2の接触面を有し、第1の接触面と第2の接触面とは互いに交差している。さらに、他方の軌道面は、玉と接触する第3の接触面を有する。そして玉は、内側軌道面および外側軌道面とは第1、第2、第3の接触面と合計3点において接触している。
上述したように、内方部材の内側軌道面と、外方部材の外側軌道面とのいずれか一方の軌道面を、互いに交差する第1の接触面と第2の接触面との2つの接触面(玉と接触する面)を有する構造にしておく。また、一方の軌道面とは異なる他方の軌道面には、玉と接触する第3の接触面を有する構造にしておく。そして玉は、内側軌道面および外側軌道面と合計3点において接触させる。このようにすれば、玉の接触角が安定し、転動体荷重の制御が容易になるため、トルクの変動を抑制させることができる。
また、第1の接触面および第2の接触面の少なくともいずれか一方は円すい面形状を有していることがさらに好ましい。また、第3の接触面については、円すい面形状を有していることがさらに好ましい。
したがって、第1の接触面、第2の接触面、第3の接触面がすべてR面の軸受溝、すなわちスイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において円弧面形状であってもよいし、上述した3つの接触面すべてが円すい面形状、すなわちスイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において直線形状を有していてもよい。しかし、たとえば第1の接触面および第2の接触面の両方が円すい面形状であり、第3の接触面はR面の軸受溝であってもよい。別の例として、たとえば第2の接触面が円すい面形状であり、第1の接触面および第3の接触面についてはR面の軸受溝であってもよい。さらに別の例としては、たとえば第2の接触面および第3の接触面が円すい面形状であり、第1の接触面はR面の軸受溝であってもよい。さらに、第1の接触面および第2の接触面がともにR面の軸受溝であって、第3の接触面のみ円すい面形状とすることもできる。
以上のように円すい面形状を用いれば、スイングアーム用軸受の剛性が向上し、スイングアーム用軸受の回転精度および位置決め精度が向上する。また、円すい面形状は軸受溝の加工よりも容易であるため、加工のコストを低減できる可能性がある。
また、本発明におけるスイングアーム用軸受は、内側軌道面および外側軌道面において、玉と接触する第1の領域の面粗度Ra(中心線平均粗さ)が、第1の領域に隣接する第2の領域の面粗度Raよりも小さくしてもよい。
軌道面の面粗度Raを小さくして軌道面の表面の凹凸が少なくなるよう加工することにより、ハードディスクドライブ用支点軸受ユニットのトルクの変動を抑制させることができる。このとき、内側軌道面および外側軌道面の全面ではなく、玉と接触する第1の領域のみ、その面粗度Raを小さくする加工を施し、第1の領域に隣接する、すなわち玉と接触しない第2の領域には、面粗度Raを小さくする加工を施さない。このことにより、面粗度Raを小さくする加工のタクトタイムを短縮させ、低コスト加工が実現できる。
また、本発明におけるスイングアーム用軸受は、第1の接触面および第2の接触面の硬度は、第3の接触面の硬度よりも低いことが好ましい。後述するように、内側軌道面および外側軌道面に接触して配置された複数個の玉を用いて、内側軌道面および外側軌道面に対して負荷を加え、そのとき軌道面に加えられた圧力により軌道面の表面を塑性加工して面粗さRaを小さくする、バニシングと呼ばれる加工を行なうことができる。このとき、内側軌道面と外側軌道面のいずれか、第1の接触面および第2の接触面との2つの面が存在する側の軌道面に加わる力は、2つの接触点により2箇所に分散される。分散された力で、それらの接触面を加工する必要があるため、第1の接触面および第2の接触面の硬度は、第3の接触面の硬度よりも小さいことが好ましい。
さらに、本発明におけるスイングアーム用軸受は、複数個の玉が2列に並んでおり、内方部材および外方部材は、上述した2列に対応する一対の内側軌道面および外側軌道面を有していてもよい。その場合、スイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において、2列のうち一方の列に含まれる玉の中心と、当該一方の列に含まれる玉が上述した第3の接触面と接触する接触点とを結ぶ第1の直線と、2列のうち他方の列に含まれる玉の中心と、当該他方の列に含まれる玉が第3の接触面と接触する接触点とを結ぶ第2の直線とは、玉と第3の接触面との接触点から見て径方向外側において交差していることが好ましい。上述した条件を満たすように内方部材および外方部材の形状を決定することにより、支点軸受ユニットにモーメント力が作用した場合の剛性が向上する。
上述した各構造を備えるスイングアーム用軸受を組み立てるために、内方部材は、一方の列に含まれる、玉に接触する内側軌道面を有する第1の内方部材と、第1の内方部材に嵌合され、他方の列に含まれる、玉に接触する内側軌道面を有する第2の内方部材とを備えていることが好ましい。
また、本発明におけるスイングアーム用軸受は、予圧が付与されていることが好ましい。これにより、スイングアーム用軸受の運転時において、スイングアーム用軸受を構成する内方部材および外方部材と玉との接触を維持することが容易になる。その結果、スイングアーム用軸受の剛性が向上し、スイングアーム用軸受の回転精度および位置決め精度が向上する。なお、スイングアーム用軸受に対する予圧の付与は、たとえば外方部材、第1の内方部材および玉を組み合わせた状態で、第2の内方部材を第1の内方部材に嵌め込むことにより、実施することができる。より具体的には、外方部材および内方部材と玉との間に適切な圧力が相互に付与されるように、第2の内方部材を第1の内方部材に嵌め込んで固定する(軸方向に沿って押し込んで固定する)ことにより、上記予圧を付与することができる。
本発明の支点軸受ユニットによれば、玉に加わる転動体荷重の制御が容易になり、支点軸受ユニットのトルクを安定させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態が説明される。なお、各実施の形態において、同一の機能を果たす部位には同一の参照符号が付されており、その説明は、特に必要がなければ、繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における、スイングアームに組み込まれた支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。なお、図1において、ハッチングを施した部分は断面を示している。図1に示す、スイングアーム1は、一方の端部に磁気ヘッド2が取り付けられており、重心位置に支点軸受ユニット100が組み込まれている。
支点軸受ユニット100においては、中心部分に第1の内方部材としての軸101を備えている。また、ハードディスクドライブのスイングアーム1に接続され、軸101を取り囲むように配置された、外方部材としてのスリーブ102を備えている。スイングアーム1を回転動作させるための転動体としての玉109が、軸101とスリーブ102とに挟まれた領域に、上下方向に2列並んで複数個配置されている。なお、複数個配置された玉109は、一般には鋼球であるが、玉の軽量化を目的として、鋼球の代わりにセラミック球を用いてもよい。
支点軸受ユニット100においては、軸101の上部、すなわち上下方向に2列並んだうち上側の玉109が存在する付近には、軸101に嵌合されるように第2の内方部材としての調整リング123が固着されている。調整リング123は後述する、支点軸受ユニット100を組み立てる際の便宜上、軸101とは独立した第2の内方部材として備えられている。この調整リング123が、複数個の玉109と後述するように2箇所で接触している。また、軸101の下部、すなわち上下方向に2列並んだうち下側の玉109が存在する付近には、軸101の外周面上に直接、円すい面形状、すなわちスイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において直線形状を有する円すい状軌道面120および円すい状軌道面121が備えられている。この円すい状軌道面120および円すい状軌道面121が、複数個の玉109とそれぞれ接触している。また、スリーブ102にも、上下方向に2列並んだうち上側の玉109が存在する付近、および下側の玉109が存在する付近には、玉109と接触するための接触面である円すい状軌道面122が備えられている。
図2は、図1中に丸点線で囲んだ「20」の領域の拡大断面図である。また、図3は、図1中に丸点線で囲んだ「30」の領域の拡大断面図である。図1に示す支点軸受ユニット100においては、内方部材としての軸101側の部材と、複数個の玉109との接触点は2つ存在する。たとえば、図2に示すように、上側の玉109は軸101に嵌合された調整リング123に形成された円環状の内側軌道面である、円すい面形状を有する第1の接触面である円すい状軌道面141上および、第1の接触面に交差する円環状の内側軌道面である、円すい面形状を有する第2の接触面である円すい状軌道面142上の2つに接触点を備える。また、下側の玉109は図3に示すように、円すい面形状を有する第1の接触面としての円すい状軌道面120および、第1の接触面に交差する円すい面形状を有する第2の接触面である円すい状軌道面121の2つに接触点を備える。
支点軸受ユニット100は、通常の軸受に用いられる内輪と外輪とを備えず、たとえば外方部材であるスリーブ102に、玉109の転動する、内側軌道面に対向する円環状の外側軌道面として、玉と接触する第3の接触面である円すい状軌道面122を直接設けている。したがって玉109は、内方部材(軸101、調整リング123)の内側軌道面と、外方部材(スリーブ102)の外側軌道面とに接触して配置されている。以上に述べたように、本発明の支点軸受ユニット100は、内側軌道面および外側軌道面のいずれか一方の軌道面は、玉109と接触する第1の接触面および第2の接触面を有し、それらの接触面は互いに交差している。また、内側軌道面および外側軌道面のいずれか他方の軌道面は、玉109と接触する第3の接触面を有する、という構造になっている。したがって玉109は、内側軌道面および外側軌道面と合計3点において接触している。このようにすれば、後述するように、玉109の接触角が安定し、転動体荷重の制御が容易になるため、トルクの変動を抑制させることができる。
また、上述したように通常の軸受に用いられる内輪や外輪を備えない構造とすることにより、外輪や内輪を用いない分だけ、支点軸受ユニット100の上下方向の厚みを薄くさせることができる。また、外輪や内輪を設けないため間座を廃止することもできるので、その分だけさらに支点軸受ユニット100の上下方向の厚みを薄くさせることができる。
また、図1に示すように、スリーブ102には、軸受内部に封入されるグリスなどの潤滑剤が外部に漏れ出すことを抑制するとともに、外部からの異物の侵入を抑制するため、シール125が設けられている。
上述したように、支点軸受ユニット100においては、複数個の玉109は、内方部材としての軸101側の部材と、2点で接触する。また、外方部材としてのスリーブ102とは、円すい状軌道面122上にて、1点で接触する。このため、複数個の玉109は、軌道面と合計3点で接触することになる。具体的には、図2に示すように、上側の玉109は、内方部材としての軸101に嵌合された調整リング123と、円すい状軌道面141上および円すい状軌道面142上の2点(接触点143、接触点144)で接触し、外方部材としてのスリーブ102と、円すい状軌道面122上の1点(接触点145)で接触する。また、図3に示すように、下側の玉109は、内方部材としての軸101の長軸方向の外周面上に直接備えられた、円すい面形状を有する円すい状軌道面120上および円すい状軌道面121上の2点(接触点153、接触点154)で接触し、外方部材としてのスリーブ102と、円すい状軌道面122上の1点(接触点155)で接触する。なお、複数個の玉109と軌道面との3つの接触点と、玉109の中心Oとのなす角は、図2または図3に示すような関係になる。
上記構成により、本実施の形態における支点軸受ユニット100においては、接触角が一意的に決定される。その結果、転動体荷重を安定させ、トルクの変動を抑制させることができる。ハードディスクに記録されたトラック上に磁気ヘッド2(図1参照)を正確に位置決めするためには、支点軸受ユニット100はトルクの変動が小さいことが求められる。このため、接触角を安定させることにより転動体荷重を安定させ、トルクの変動を抑制させることが可能な支点軸受ユニット100は、スイングアーム用軸受として優れた特性を有している。さらに、円すい面形状の加工は、たとえば軌道面としてのR面の軸受溝、すなわちスイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において円弧面形状の加工よりも加工が容易であるため、支点軸受ユニット100によれば、加工のコストを低減できる可能性がある。
また、たとえば図2に示す、玉109との第3の接触面としての円すい状軌道面122上の接触点145と玉109の中心とを結ぶ直線と、たとえば図3に示す、玉109と接触点155とを結ぶ直線とに着目する。ここで、図2における上記直線を第1の直線、図3における上記直線を第2の直線とする。このとき、第1の直線と第2の直線とは、図2および図3に示すように、接触点145および接触点155から見て径方向外側、すなわちスリーブ102の存在する側において交差していることが好ましい。上述した条件を満足するように内方部材および外方部材のそれぞれに含まれる各接触面を設計することにより、支点軸受ユニット100にモーメント力が作用した場合の剛性が向上する。
図4は、図3における円すい状軌道面120に対して面粗さ向上加工を施す領域を表わす概略図である。図4は、内方部材としての軸101の外周面上に直接備えられた、円すい面形状を有する第1の接触面としての円すい状軌道面120の表面の展開図である。円すい状軌道面120の一部分であるたとえば図4中にて2つの点線に挟まれた領域である面粗さ向上加工領域120Aのみに対して面粗さ向上加工を施している。この面粗さ向上加工領域120Aが、スイングアーム1(図1参照)の回転動作時に玉109が接触する第1の領域である。第1の領域である面粗さ向上加工領域120Aに隣接する第2の領域については、スイングアーム1(図1参照)の回転動作時に玉109が接触しないため、面粗度Raを小さくして軌道面の表面の凹凸を少なくする加工を施す必要はない。
上述したようにたとえば円すい状軌道面120の面粗度Raを小さくして軌道面の表面の凹凸が少なくなるよう加工することにより、ハードディスクドライブ用の支点軸受ユニット100のトルクの変動を抑制させることができる。このことは、ハードディスクに記録されたトラック上に磁気ヘッド2(図1参照)を正確に位置決めするのに好都合である。しかし、このとき、内側軌道面である円すい状軌道面120の全面ではなく、玉109と接触する面粗さ向上加工領域120A(第1の領域)のみにその面粗度Raを小さくする加工を施せば十分である。このことにより、面粗度Raを小さくする加工のタクトタイムを短縮させ、低コスト加工が実現できる。
上述したように軌道面のうち、玉109と接触する領域にのみ面粗度Raを小さくする加工を施す場合は、玉109の硬度は、軌道面を持つ部材であるたとえば調整リング123、スリーブ102の硬度よりも高いことが好ましい。後述するように、面粗度Raを小さくする加工は、加工したい表面の領域に対して玉109を、加工したい表面の降伏応力以上の力で押圧しながら、加工したい表面に対して相対的に回転運動させ、表面の凹凸を塑性変形させることにより、表面を滑らかにして面粗度Raを小さくする加工(バニシング加工)を行なう。このため、押圧により加工したい表面よりも玉109の硬度を高くし、当該バニシング加工時に玉109が応力を受けて塑性変形することを抑制することが好ましい。
図5は、図1の線分V−Vにおける断面模式図である。すなわち図1に示すように、上側の玉109の配置されている部分における断面図である。図5に示すように、支点軸受ユニット100は、内側に内方部材としての軸101を備え、軸101には調整リング123が固着されている。調整リング123と、外方部材としてのスリーブ102とに接触しながら、複数個の玉109が配置されている。これらがどのように接触されているかについては上述したとおりである。
また、複数個の玉109同士の間には、玉109同士が接触しないように保持器を挟んでもよいが、図5に示すように、保持器の代わりに玉109より数十μm径の小さいスペーサボール149を挟んでもよい。
上述した複数個のスペーサボール149は、図5に示すように、玉109と交互に配置することが好ましい。しかし、支点軸受ユニット100の剛性を上げるために、径の大きい玉109の個数を多くし、スペーサボール149の個数を少なくしてもよい。
図6は、本発明における支点軸受ユニットの製造工程の順序および対象となる部材を示す表である。図6には、製造順序および、その右側には、各工程の対象となる部材をまとめた表を掲載している。表中、○印はその工程においてその部材が必ず加工対象になることを示し、△印はその工程はその部材において加工対象になることもある(一部の部材において対象となることもある)ということを示す。以下、図1に示す支点軸受ユニット100を例に、本発明における支点軸受ユニットの製造方法を説明する。
まず、部材を準備する工程(S10)を実施する。具体的には、たとえば図1に示す支点軸受ユニット100を構成する軸101、スリーブ102、複数個の玉109、調整リング123などの部材を準備する工程である。ここで、軸101、スリーブ102、調整リング123の材質としては、熱処理によって高硬度化が可能な材料、たとえばSUS420J2を用いるが、転がり軸受材料として一般的なSUJ2やSUS440Cを用いることもできる。
支点軸受ユニット100の部材である調整リング123、軸101やスリーブ102は、玉109が接触して転動する軌道面を有する。このため、軌道面に対して、後述するように、支点軸受ユニット100の剛性を保ち、トルクを安定させるために、軌道面の面粗度Raが小さくなるようバニシング処理を行なう。支点軸受ユニット100は、ハードディスクドライブ用のスイングアーム1に用いるものなので、この用途では、外部からの負荷は数グラム程度と非常に小さい。また、スイングアーム1の回転動作時に、複数個の玉109が軌道面に接触することにより発生する接触応力は1.5GPa以下である。したがって、通常の軸受のように部材や軌道面の硬度を高くする必要はない。たとえば軌道面の硬度がHRC45以下であってもよい。このように硬度を低くしておけば、硬度の調整を行なった後で所定の寸法に仕上げるための旋削加工を容易に行なうことができ、加工コストを低減させ、加工タクトを短縮させることができる。また、旋削加工を行なう工具の寿命を延長させることもできる。
また、特にたとえば図1に示す支点軸受ユニット100のように、内方部材としての軸101に備えられる調整リング123、円すい状軌道面120および円すい状軌道面121が形成された軸101と玉109とが2点接触し、外方部材としてのスリーブ102と玉109とが1点接触する場合は、2点接触する軌道面を有する調整リング123および軸101(特に内方部材のうち、下側の玉109が内方部材と接触する領域(部材)に形成された、上述した第1の接触面および第2の接触面としての円すい状軌道面120および円すい状軌道面121)の硬度を、1点接触する軌道面を有するスリーブ102(特に玉109がスリーブ102と接触する領域に形成された、上述した第3の接触面としての円すい状軌道面122)の硬度よりも低くしておくことが好ましい。これは以下のような理由による。すなわち、後述する軌道面の面粗度Raを小さくする加工(バニシング加工)を行なう際、玉109を加工したい表面の領域に対して、加工したい表面の降伏応力以上の力で押圧しながら、加工したい表面に対して相対的に回転運動させ、表面の凹凸を塑性変形させる。このとき、玉109に対して2点接触する内方部材側は、玉109に対して1点接触する外方部材側に比べて、接触点において玉109が軌道面を押圧する力が2箇所に分散される。このため、2点接触する側の軌道面の硬度を、1点接触する側の軌道面の高度よりも低くしておくことが好ましい。
したがって、内方部材側の部材、外方部材側の部材ともに、通常のスイングアームの回転動作時には玉109の押圧により塑性変形を起こすことなく、内方部材側および外方部材側の各軌道面の面粗度Raを小さくする加工(バニシング加工)を行なう際には玉109の押圧により塑性変形を起こす硬度にしておくことが好ましい。
逆に、玉109の硬度は、通常のスイングアームの回転動作時はもとより、面粗度Raを小さくする加工(バニシング加工)を行なう際においても玉109の押圧により塑性変形を起こさない硬度にしておくことが好ましい。以上のように、バニシング加工を行なう際には玉109の押圧により、内方部材側および外方部材側の各軌道面については表面の凹凸が塑性変形されることが必要であるため、内方部材側および外方部材側の各軌道面の硬度よりも、玉109の表面の硬度を高くしておくことが好ましい。
ここで、調整リング123を軸101の軸方向の表面上の所定の箇所に配置させて接着させるための、図1に示す接着面124の一部の領域には、後述するように、支点軸受ユニット100を組み立てる工程における便宜上、接着剤たまり133(後述する図9(C)参照)を設けておくことが好ましい。これは、軸101の径方向にある深みを有する、接着剤を一時的に貯蓄させるための領域である。さらに、図1に示すように、スリーブ102には、軸受内部に封入されるグリスなどの潤滑剤が外部に漏れ出すことを抑制するとともに、外部からの異物の侵入を抑制するためシール125が設けられている。このシール125を安定に接着させるために、スリーブ102には、軸101に対向する面上の、図1に示すシール125を配置させる位置に切り込み135(後述する図9(A)、図9(B)参照)を設けることが好ましい。
また、先述した、たとえば図2の断面図(2列並んでいるうちの上側の玉109側)における内方部材の内側軌道面としての円すい状軌道面141、円すい状軌道面142および外方部材の外側軌道面としての円すい状軌道面122を第1の軌道面とする。さらに、たとえば図3の断面図(2列並んでいるうちの下側の玉109側)における内側軌道面(内方部材)としての円すい状軌道面120、円すい状軌道面121および外側軌道面(外方部材)としての円すい状軌道面122を第2の軌道面とする。そして、スイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において、2列並んでいるうちの上側の玉109の中心と、その玉109が第1の軌道面の第3の接触面である円すい状軌道面122と接触する接触点とを結ぶ直線を第1の直線とする。また、2列並んでいるうちの下側の玉109の中心と、その玉109が第2の軌道面の第3の接触面である円すい状軌道面122と接触する接触点とを結ぶ直線を第2の直線とする。たとえば図2および図3中の直線は、上述した直線を示している。この場合、第1の直線と第2の直線とは、図2および図3に示すように、接触点145および接触点155から見て径方向外側、すなわちスリーブ102の存在する側において交差するように、調整リング123、軸101およびスリーブ102のそれぞれに設ける円すい面状軌道面を設計することが好ましい。また、たとえば図2および図3に示すように、内方部材側には2つの接触面が存在する場合、玉109の中心と結ばれる2つの直線が施されている。この場合、2つの直線の二等分線を考え、上側の玉109と下側の玉109のそれぞれの二等分線が、同様に径方向外側(スリーブ102の存在する側)において交差するようになることが好ましい。
各部材が上述した材質、硬度となるよう留意して部材を準備する工程(S10)を行なった後、テーパ加工を施す工程(S20)を行なう。具体的には、たとえば図1に示す支点軸受ユニット100の場合、内方部材としての調整リング123の、上側の玉109と対向する表面上にテーパ加工を施し、図2に示すように円すい面形状を有する第1の接触面である円すい状軌道面141および、第1の接触面に交差する円すい面形状を有する第2の接触面である円すい状軌道面142を形成する。また、内方部材のうち、下側の玉109が内方部材と接触する領域(部材)にもテーパ加工により、図3に示すように第1の接触面である円すい状軌道面120および第2の接触面である円すい状軌道面121を形成する。以上により、玉109を内方部材と2点接触させるための円すい面形状が形成される。これらの円すい面状軌道面の形成は、部材の所定の箇所に対して、鍛造または旋削およびこれらと研削との組み合わせによるテーパ加工を施すことにより実施する。
さらに、外方部材としてのスリーブ102の、上側および下側の玉109と対向する表面上にもテーパ加工を施し、第3の接触面としての円すい状軌道面122を形成する。これは、玉109をスリーブ102と1点接触させるためのものである。これらの円すい面状軌道面の形成は、内方部材の場合と同様に、所定の箇所に対して、鍛造または旋削およびこれらと研削との組み合わせによりテーパ加工を施すことにより実施する。
次に、部材を仮組立する工程(S30)を行なう。具体的には、支点軸受ユニット100に関して先に準備した各部材を、所定の配置に組み立てる工程である。ここで、所定の配置とは、図1に示す支点軸受ユニット100を構成するために、図1に示す配置になるよう各部材を設置させることを意味する。
複数個の玉109を、図1に示す配置になるように、軸101とスリーブ102とに挟まれた領域に設置させるためには、複数個の玉109が輪状に配置できる治具を用いることが好ましい。図7は、複数個の玉を輪状に配置させるための治具を示す概略図である。図8は、図7の線分VIII−VIIIにおける断面模式図である。
図7および図8に示す治具210は、フランジ部203の内部に、真空ポンプに接続される本体部204の中心に対してほぼ一定角度ごと(図8ではほぼ45°ごと)に、パイプ状の空洞部201が形成されている。この空洞部201は本体部204の内部の空洞部202に接続されており、空洞部202は電磁弁を介して真空ポンプに接続されている。この電磁弁が真空ポンプと空洞部202とを連絡させるように作動すると、空洞部202から空気が吸引されることにより、この治具210を用いて、玉109をフランジ部203の外径面(空洞部201の開口端部)に吸着させることが可能となる。すると、図8に示すように、複数個の玉109を、支点軸受ユニット100として組み立てるために必要な、ほぼ一定の間隔を隔てて設置された輪状の配置とすることができる。なお、治具210を準備する段階で、フランジ部203のサイズを調整することにより、複数個の玉109が形成する輪の大きさを組み立てられる系のサイズに適合させることができる。フランジ部203の外径面に存在する全ての空洞部201の開口端部が玉109で塞がれると、空洞部202内部の真空度が上昇する。この真空度を検出すれば、全ての玉109が治具210に吸着されたことが確認できる。
なお、図5に示すように、玉109とスペーサボール149とが混在する場合は、まず玉109のみを治具210に吸着させ、後述する方法により組み立てられる系に配置し、玉109を治具210から解放させた後でスペーサボール149を治具210に吸着させる方法を用いてもよい。または、玉109を吸着させる空洞部201とは別の排気系に接続された他の空洞部をフランジ部203に設けた治具を用いて、他の空洞部の開口端部にスペーサボール149を吸着させることにより、玉109とスペーサボール149との両方を一度に組み立てられるユニットに配置する方法を用いてもよい。
以下の図9(A)〜図9(C)は、部材が組み立てられる系に配置される手順を示す概略図であり、図9(A)は複数個の玉をスリーブの外側軌道面に接触するように配置させた状態を示す概略図である。図9(B)はさらに軸を配置させた状態を示す概略図である。図9(C)はさらに調整リングを配置させた状態を示す概略図である。なお、図9(B)および図9(C)において、ハッチングを施した部分は断面を表している。
先述した図7および図8に示すように複数個の玉109を治具210に吸着させた状態で、図9(A)に示すようにスリーブ102の円すい状軌道面122に接触するように玉109を配置させるよう運搬させる。そして所定の位置に玉109が配置できたところで治具210に接続された真空ポンプの真空を解除させ、玉109を治具210から解放させる。スペーサボール149についても玉109と同様に所定の位置に配置させるが、治具210の構造により、玉109の配置を行なった後でスペーサボール149の配置を行なってもよいし、玉109とスペーサボール149とを同時に配置させてもよい。また、スリーブ102の上下を反転させて、上述した方法と同様に他方の列の玉109(およびスペーサボール149)を配置させる。以上のようにして図9(A)に示す状態とさせる。
ここで、配置させた玉109およびスペーサボール149がスリーブ102の円すい状軌道面122から離れて落下することを防止するため、スリーブ102の円すい状軌道面122にあらかじめ、たとえば完成時に使用する油やグリスなど、配置させた玉109を仮に固定させるためのペーストを塗布しておくことが好ましい。
次に、内方部材としての軸101に、図9(A)のスリーブ102および玉109(およびスペーサボール149)の系を上方より嵌合させることにより、図9(B)に示すようにスリーブ102および玉109(およびスペーサボール149)の内周側に軸101を配置させることができる。また、内側軌道面としての円すい状軌道面141および円すい状軌道面142を備えた調整リング123を所定の箇所に配置させ、図1に示す軸101の接着面124に仮に接着させる。また、図1に示すシール125も、スリーブ102の軸101に対向する面上の所定の箇所である、図9(A)または図9(B)に示す切りこみ135に配置させ、嵌め込みや接着により固定させてもよいが、シール125については、後の部材を本組立する工程(S50)において固定させてもよい。
ここで、先の軸101を準備する工程において、接着面124の一部の領域に設けておいた、図9(C)に示す接着剤たまり133を接着剤で充填させた上で、調整リング123を所定の箇所に配置させ、軸101に仮に接着させることが好ましい。また、接着剤たまり133の内部には、支点軸受ユニット100の組立が完了するまで硬化しない接着剤を充填させておくことが好ましく、たとえばエポキシ系の接着剤を用いることが好ましい。さらに、先のスリーブ102を準備する工程において、スリーブ102の、軸101に対向する面上に設けておいた、切り込み135についても、内部に接着剤たまり133に充填した接着剤と同様の接着剤を一部塗布させた上で、シール125を仮に配置させることが好ましい。
以上の手順により、図9(C)に示すように、支点軸受ユニット100の部材を仮組立する工程(S30)が終わったところで、軌道面をバニシング加工する工程(S40)を実施する。具体的には、円すい面形状を有する内側軌道面および外側軌道面に対して、面粗度Raを小さくする加工を施す工程である。
先述したように、たとえば内側軌道面である第1の接触面としての円すい状軌道面141および、第1の接触面に交差する円すい面形状を有する第2の接触面である円すい状軌道面142、および外側軌道面である第3の接触面としての円すい状軌道面122の全面に対して面粗度Raを小さくする加工を施す必要はない。先述した図4に示すように、これらの接触面のうち、転動体である玉109が接触する領域のみに面粗度Raを小さくする加工を施せばよい。
そのためには、図9(C)に示すように仮組立を行なった後、支点軸受ユニット100に加える予圧荷重の数倍から数十倍の負荷を、玉109から玉109に接触する内側軌道面および外側軌道面に加える。そして上述した負荷を加えながら、軸101に対してスリーブ102が相対的に回転運動した状態となるように相対回転を数回転与える。すると、玉109と軌道面との接触応力が、軌道面の降伏応力を超える。そのため、軌道面は玉109の与える応力により、加工したい表面である軌道面の凹凸を塑性変形させることにより、軌道面において玉109が接触する表面部分を滑らかにして面粗度Raを小さくする加工であるバニシング加工を行なう。このとき玉109はスリーブ102の相対回転に伴い回転運動を行なうため、玉109は回転移動しながら、軌道面のうち玉109と接触する第1の領域全体の面粗度Raを小さくする加工を行なう。したがって、玉109は、軌道面のうち玉109と接触しない第2の領域に対しては加工を行なわない。この結果、第1の領域の面粗度Raを、第2の領域の面粗度Raよりも小さくすることができる。
図10はバニシング加工を用いて、軌道面のうち転動体である玉と接触する領域のみの面粗度Raを小さくした状態を示すデータのグラフである。図10において、横軸は軌道面の位置座標(バニシング加工が施された領域の延びる方向と交差する方向での位置座標)を示したものであり、縦軸は表面の凹凸高さを示したものである。図10において「バニシ位置」と記載されている位置座標の領域は、バニシング加工が施されており、縦軸の変位が小さくなっている。すなわち、バニシング加工を施された箇所については面粗度Raが小さくなって表面が滑らかになっていることがわかる。実測値としてはたとえば、バニシング前に十点平均粗さRzが1μmであった面が、バニシング加工を施すことによりRzが0.02μmになっている。
ところで本発明の実施の形態においては、軌道面をバニシング加工する工程(S40)を行なう前に、部材を仮組立する工程(S30)が完了している。すなわち、工程(S40)は、既に一通り支点軸受ユニット100としての構成に仕上がった状態で行なう。図11は本発明の実施の形態における、玉の転動する軌道面を加工する態様を示す断面概略図である。なお、図11において、ハッチングを施した部分は断面を表している。
図11に示すように、工程(S30)において仮組立を行なったユニットを、軸端支え131に設置する。そして、押さえ治具132を用いて調整リング123に下向きの荷重を加える。この荷重は、まず支点軸受ユニット100を組み込むために加える予圧荷重の数倍から数十倍の荷重であるF1を加える。そして、図11に示すようにスリーブ102の外周面に接しているベルト134は、スリーブ102に対して、スリーブ102から軸101に向かう方向に力を加えながらスリーブ102の外周面に沿って、スリーブ102との摩擦力によりスリーブ102を回転させるように駆動させる。
なお、ベルト134以外の方法を用いた摩擦力によりスリーブ102を駆動させてもよく、たとえばキャプスタンドライブという方法もある。また、予圧荷重の数倍から数十倍の荷重であるF1を加える方法については、バネを用いた方法、デッドウェイトによる方法、油圧や空気圧を用いた方法を用いてもよい。
玉109はスリーブ102の相対回転に伴い回転運動を行なうため、玉109は回転移動しながら、軌道面のうち玉109と接触する第1の領域全体の面粗度Raを小さくする加工を行なう。したがって、玉109は、軌道面のうち玉109と接触しない第2の領域に対しては加工を行なわない。この結果、第1の領域の面粗度Raは、第2の領域の面粗度Raよりも小さくすることができる。このように、軌道面のうち一部の領域のみに対して面粗度Raを小さくする加工を施すことにより、加工のタクトタイムを短縮させ、低コスト加工が実現できる。
また、上述したように、部材を全て仮組立した後、転動体としての玉109を用いて所定の領域に押圧することにより、上側および下側の2列両方の玉109が転動する内側軌道面および外側軌道面の両方に対して面粗さRaを小さくする加工を全て一時に実施することができる。このことにより、内側軌道面と外側軌道面とを別々にバニシング加工する場合に比べて加工のタクトタイムをさらに短縮させ、低コスト加工が実現できる。
工程(S40)に関しては、工程(S30)の仮組立を行なった後で行なってもよいし、工程(S30)の仮組立を行なう前に部品の段階で組み立てる前に内側軌道面と外側軌道面とを別々にバニシング加工してもよい。しかし、工程(S30)による仮組立を行なった後に工程(S40)によるバニシング加工を行なうことにより、内側軌道面と外側軌道面との位置のずれを小さくすることができる。また、バニシング加工により面粗度Raを小さくする処理を行なった第1の領域と、実際に支点軸受ユニット100として組立て、実使用する際に玉109が軌道面に接触する領域との位置のずれを小さくすることもできる。
以上の方法により、玉109の各軌道面に対して十分バニシング加工を行なった後、部材を本組立する工程(S50)を行なう。具体的には、工程(S30)にて仮止めにて仮組立されているユニットに対し、本止めによる各部材の固定を行ない、支点軸受ユニット100の構成を完成させる工程である。この工程(S50)では、押さえ治具132による荷重をF1から、たとえば調整リング123を固定させるための予圧であるFに低下させる。予圧をFにした状態でベルト134を外した、図11に示すユニット全体を炉内に入れ、接着剤の硬化温度まで加熱する。このことにより、先の工程にて接着剤たまり133の内部に充填させている接着剤を硬化させ、調整リング123を軸101に対して固定させることができる。また、シール125についても、同様の接着剤を用いて、図9(A)または図9(B)に示す切りこみ135に嵌合させた状態でスリーブ102に接着させる。
なお、調整リング123を高い剛性で固着させるために、調整リング123に対して荷重が偏らないように一様に予圧Fを負荷させるためには、たとえば調心座を介して予圧Fを加えることが好ましい。このように予圧Fを付与することにより、スイングアームが運転されている状態においても、支点軸受ユニット100を構成する内方部材(軸101および調整リング123)および外方部材(スリーブ102)と玉109との接触を維持することが容易になる。その結果、スイングアーム用軸受の剛性が向上し、スイングアーム用軸受の回転精度および位置決め精度が向上する。
先述のとおり、工程(S40)に関しては、工程(S30)の仮組立を行なった後で行なってもよいし、工程(S30)の仮組立を行なう前に部品の段階で組み立てる前に内側軌道面と外側軌道面とを別々にバニシング加工してもよい。工程(S30)を行なう前に工程(S40)のバニシング加工を行なう場合は、たとえば内側軌道面と外側軌道面との位置のずれや、バニシング加工により面粗度Raを小さくする処理を行なった第1の領域と、実使用する際に玉109が軌道面に接触する領域との位置のずれが製品の性能に与える影響を小さくすることが好ましい。たとえばバニシング加工に用いる玉109の径を大きくすることにより、バニシング加工を行なう領域を広くすると、位置のずれが製品の性能に与える影響を小さくすることができる。あるいは、バニシング加工に用いる玉109の硬度を高くして、バニシング加工の際に加える接触応力を大きくすると、バニシング加工を行なう領域を広くすることができる。
(実施の形態2)
図12は、本発明の実施の形態2における支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。なお、図12において、ハッチングを施した部分は断面を表している。図12における支点軸受ユニット200は、玉109が、内方部材である調整リング123または円すい状軌道面120と1点接触しており、外方部材であるスリーブ102とは2点接触している。より具体的には、円すい状軌道面120には傾斜角度の異なる2つの面が含まれておらず、スリーブ102には、円すい面形状を有し玉109と接触する第1の接触面と、第1の接触面に交差する円すい面形状を有し、玉109と接触する第2の接触面(いずれも図12中では円すい状軌道面122)とを含んでいる。このように玉109を、内方部材と1点接触、外方部材と2点接触することにより3点接触させた支点軸受ユニット200は、実施の形態1における支点軸受ユニット100と、機能面、効果面において同様である。一方、本発明の実施の形態2は、以上の各点で、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態2の説明において、上述しなかった構成や条件、製造工程や効果などは、全て本発明の実施の形態1に準ずる。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3における支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。なお、図13において、ハッチングを施した部分は断面を表している。図13における支点軸受ユニット300は、内方部材として、支点軸受ユニット100、200における調整リング123、円すい状軌道面120、121の代わりに、内輪103を用いている。内輪103には、先述した第3の接触面としての軸受溝110が形成されており、玉109は軸受溝110の曲面と1点接触する。また、スリーブ102は玉109と2点接触する。したがって、スリーブ102は、円すい面形状を有し、玉109と接触する第1の接触面と、第1の接触面に交差する円すい面形状を有し、玉109と接触する第2の接触面と(いずれも図13中では円すい状軌道面122)を含んでいる。
支点軸受ユニット300のように、スリーブ102が玉109と2点接触する構造であれば、内側軌道面はR面の軸受溝110であってもよい。玉109は、スリーブ102とは2つの接触面(いずれも円すい状軌道面122)にて2点接触、軸受溝110と1点接触することにより合計3点接触する。玉109とスリーブ102との2つの接触点が決まれば、内側軌道面がR面の軸受溝110であっても、玉109と軸受溝110との接触点はほぼ1箇所に決まる。したがって、このように玉109を、内方部材の軸受溝110と1点接触、外方部材であるスリーブ102と2点接触することにより3点接触させた支点軸受ユニット300は、実施の形態1における支点軸受ユニット100と、機能面、効果面において同様である。本発明の実施の形態3は、以上の各点で、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態3の説明において、上述しなかった構成や条件、工程や効果などは、全て本発明の実施の形態1に準ずる。
ところで、本発明の支点軸受ユニットにおいては、玉109が内側軌道面および外側軌道面と合計3点で接触していれば、接触角が一意的に決定される。その結果、転動体荷重を安定させ、トルクの変動を抑制させることができる。したがって、合計3点で接触させるために、たとえば、内方部材である調整リング123に内側軌道面として、互いに交差する2つのR面の軸受溝を設け、外方部材であるスリーブ102に外側軌道面として1つのR面の軸受溝を設け、玉109がそれぞれの軸受溝と1点ずつ、合計3点で接触する構成としても、上述と同様の効果を奏する。
また、先述したように、内側軌道面および外側軌道面を円すい状軌道面とすることにより、スイングアーム用軸受の剛性が向上し、スイングアーム用軸受の回転精度および位置決め精度が向上する。また、円すい面形状は軸受溝を形成するR面形状の加工よりも容易であるため、加工のコストを低減できる可能性がある。以上のような効果を有するため、玉が合計3点で接触する構成と、上述した第1の接触面、第2の接触面、第3の接触面の少なくともいずれかは円すい面形状を有しているという構成とを適宜組み合わせた、以下のような様々な種類の支点軸受ユニットを形成しても、たとえば上述した各実施の形態における支点軸受ユニットと同様の効果を奏するため好ましい。
以下、上述した様々な種類の支点軸受ユニットの構成について、図1中に丸点線で囲んだ「20」の領域の拡大断面図のみを提示しながら説明する。図14は、内方部材に互いに交差する2つのR面の軸受溝を、外方部材に1つの軸受溝を備え、玉がそれぞれの軸受溝と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。図14に示すように、玉109が軌道面と接触する3つの接触面のうち第1の接触面、第2の接触面が内方部材である調整リング123に内側軌道面として備わっており、両接触面は互いに交差している。また、第3の接触面が外方部材であるスリーブ102に外側軌道面として備わっている。そしてそれらの接触面はすべて、軌道面としてのR面の軸受溝111となっている。この支点軸受ユニットは、上述した第1の接触面、第2の接触面、第3の接触面のすべてがR面の軸受溝111となっているが、玉109がそれぞれの軸受溝と合計3点で接触しているため、接触角が一意的に決定され、転動体荷重を安定させ、トルクの変動を抑制させることができるという効果を奏するため、好ましい事例と考えられる。なお、たとえば図2における「30」の領域など、下側の玉109においても同様に軸受溝と3点で接触する構成となっていてもよい。また、図14においては、内方部材すなわち内側軌道面と2点、外方部材すなわち外側軌道面と1点で接触する構成となっているが、逆に内方部材と1点、外方部材と2点で接触する構成となっていてもよい。
図15は、内方部材に1つのR面の軸受溝と1つの円すい状軌道面とを備え、外方部材に1つの軸受溝を備え、玉がそれぞれの軸受溝および円すい状軌道面と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。図14に示す3つの接触面がすべて軸受溝である構成に対して、たとえば図15に示すように、互いに交差する第1の接触面および第2の接触面の少なくとも一方が円すい面形状を有する形状としてもよい。また、たとえば内方部材である調整リング123に備わっている第1の接触面が軸受溝111、第2の接触面が円すい状軌道面142となっているが、たとえば第1の接触面が円すい状軌道面142、第2の接触面が軸受溝111となっていてもよい。なお、たとえば図2における「30」の領域など、下側の玉109においても同様に3点で接触する構成となっていてもよい。図15においても、内方部材と2点、外方部材と1点で接触する構成となっているが、逆に内方部材と1点、外方部材と2点で接触し、外方部材の軌道面のうちいずれか一方が円すい状軌道面となった構成となっていてもよい。
図16は、内方部材に1つのR面の軸受溝と1つの円すい状軌道面とを備え、外方部材に1つの円すい状軌道面を備え、玉がそれぞれの軸受溝および円すい状軌道面と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。図16においては、第1の接触面は軸受溝111、そして第2の接触面は円すい状軌道面142、第3の接触面は円すい状軌道面122となっている。図16は、図15に示す構成に対して、さらに第3の接触面が円すい状軌道面となってもよいことを示す。この場合も、たとえば内方部材である調整リング123に備わっている第1の接触面が軸受溝111、第2の接触面が円すい状軌道面142となっているが、たとえば第1の接触面が円すい状軌道面142、第2の接触面が軸受溝111となっていてもよい。なお、たとえば図16に示す構成に対して、さらに第2の接触面も円すい状軌道面とすれば、先述した本発明の実施の形態1に示す支点軸受ユニット100の構成に順じたものとなる。なお、たとえば図2における「30」の領域など、下側の玉109においても同様に3点で接触する構成となっていてもよい。図16においても、内方部材と2点、外方部材と1点で接触する構成となっているが、逆に内方部材と1点、外方部材と2点で接触し、外方部材の軌道面のうちいずれか一方が円すい状軌道面となった構成となっていてもよい。
図17は、内方部材に互いに交差する2つのR面の軸受溝を、外方部材に1つの円すい状軌道面を備え、玉がそれぞれの軸受溝と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。このように、第3の接触面が円すい状軌道面であって、第1および第2の接触面が軸受溝であってもよい。なお、たとえば図2における「30」の領域など、下側の玉109においても同様に3点で接触する構成となっていてもよい。図17においても、内方部材と2点、外方部材と1点で接触する構成となっているが、逆に内方部材と1点、外方部材と2点で接触し、外方部材の軌道面のうちいずれか一方が円すい状軌道面となった構成となっていてもよい。
すなわち、以上に述べた、第1の接触面、第2の接触面、第3の接触面のうち、いずれか1つが軸受溝で、他の2つが円すい状軌道面であってもよいし、上記3つの接触面のうちいずれか2つが軸受溝で、他の1つが円すい状軌道面であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、支点軸受ユニットの転動体荷重の変動を小さくしてその制御を容易にすることにより、スイングアームのトルクを安定させる技術として、特に優れている。
本発明の実施の形態1における、スイングアームに組み込まれた支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。 図1中に丸点線で囲んだ「20」の領域の拡大断面図である。 図1中に丸点線で囲んだ「30」の領域の拡大断面図である。 図3における円すい状軌道面120に対して面粗さ向上加工を施す領域を表わす概略図である。 図1の線分V−Vにおける断面模式図である。 本発明における支点軸受ユニットの製造工程の順序および対象となる部材を示す表である。 複数個の玉を輪状に配置させるための治具を示す概略図である。 図7の線分VIII−VIIIにおける断面模式図である。 (A)複数個の玉をスリーブの外側軌道面に接触するように配置させた状態を示す概略図である。(B)さらに軸を配置させた状態を示す概略図である。(C)さらに調整リングを配置させた状態を示す概略図である。 バニシング加工を用いて、軌道面のうち転動体である玉と接触する領域のみの面粗度Raを小さくした状態を示すデータのグラフである。 本発明の実施の形態における、玉の転動する軌道面を加工する態様を示す断面概略図である。 本発明の実施の形態2における支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。 本発明の実施の形態3における支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。 内方部材に互いに交差する2つのR面の軸受溝を、外方部材に1つの軸受溝を備え、玉がそれぞれの軸受溝と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。 内方部材に1つのR面の軸受溝と1つの円すい状軌道面とを備え、外方部材に1つの軸受溝を備え、玉がそれぞれの軸受溝および円すい状軌道面と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。 内方部材に1つのR面の軸受溝と1つの円すい状軌道面とを備え、外方部材に1つの円すい状軌道面を備え、玉がそれぞれの軸受溝および円すい状軌道面と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。 内方部材に互いに交差する2つのR面の軸受溝を、外方部材に1つの円すい状軌道面を備え、玉がそれぞれの軸受溝と合計3点で接触する支点軸受ユニットの、図2における「20」の領域の拡大断面図である。 従来から用いられているスイングアームに組み込まれた支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。 従来から行なわれている、部品の点数を削減させた支点軸受ユニットの構造を示す、断面概略図である。
符号の説明
1 スイングアーム、2 磁気ヘッド、100 支点軸受ユニット、101 軸、102 スリーブ、103 内輪、104 外輪、105 間座、109 玉、110 軸受溝、111 軸受溝、120 円すい状軌道面、120A 面粗さ向上加工領域、121 円すい状軌道面、122 円すい状軌道面、123 調整リング、124 接着面、125 シール、131 軸端支え、132 押さえ治具、133 接着剤たまり、134 ベルト、 135 切り込み、141 円すい状軌道面、142 円すい状軌道面、143 接触点、144 接触点、145 接触点、149 スペーサボール、153 接触点、154 接触点、155 接触点、200 支点軸受ユニット、201 空洞部、202 空洞部、203 フランジ部、204 本体部、210 治具、300 支点軸受ユニット、400 支点軸受ユニット、500 支点軸受ユニット。

Claims (9)

  1. 外周面に円環状の内側軌道面が形成された内方部材と、
    前記内方部材を取り囲むように配置され、前記内側軌道面に対向する円環状の外側軌道面が形成され、ハードディスクドライブのスイングアームが接続された外方部材と、
    前記内側軌道面および前記外側軌道面に接触して配置された複数個の玉とを備え、
    前記内側軌道面および前記外側軌道面のいずれか一方の軌道面は、前記玉と接触する第1の接触面および第2の接触面を有し、
    前記第1の接触面と前記第2の接触面とは互いに交差しており、
    他方の軌道面は、前記玉と接触する第3の接触面を有し、
    前記玉は、前記内側軌道面および前記外側軌道面と合計3点において接触している、スイングアーム用軸受。
  2. 前記第1の接触面および前記第2の接触面の少なくともいずれか一方は円すい面形状を有している、請求項1に記載のスイングアーム用軸受。
  3. 前記第3の接触面は円すい面形状を有している、請求項1または2に記載のスイングアーム用軸受。
  4. 前記内側軌道面および前記外側軌道面においては、前記玉と接触する第1の領域の面粗度Ra(中心線平均粗さ)が、前記第1の領域に隣接する第2の領域の面粗度Raよりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスイングアーム用軸受。
  5. 前記第1の接触面および前記第2の接触面の硬度は、前記第3の接触面の硬度よりも低い、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイングアーム用軸受。
  6. 前記第1の接触面、前記第2の接触面および前記第3の接触面は、バニシング加工されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスイングアーム用軸受。
  7. 前記複数個の玉が2列に並んでおり、
    前記内方部材および前記外方部材は、それぞれ前記2列に対応する一対の前記内側軌道面および前記外側軌道面を有し、
    前記スイングアーム用軸受の回転軸を含む断面において、前記2列のうち一方の列に含まれる前記玉の中心と、前記一方の列に含まれる玉が前記第3の接触面と接触する接触点とを結ぶ第1の直線と、前記2列のうち他方の列に含まれる前記玉の中心と、前記他方の列に含まれる玉が前記第3の接触面と接触する接触点とを結ぶ第2の直線とは、前記玉と前記第3の接触面との接触点から見て径方向外側において交差している、請求項1〜6のいずれか1項に記載のスイングアーム用軸受。
  8. 前記内方部材は、前記一方の列に含まれる、前記玉に接触する前記内側軌道面を有する第1の内方部材と、
    前記第1の内方部材に嵌合され、前記他方の列に含まれる、前記玉に接触する前記内側軌道面を有する第2の内方部材とを備えている、請求項7に記載のスイングアーム用軸受。
  9. 予圧が付与されている、請求項7または8に記載のスイングアーム用軸受。
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