JP2009275763A - 弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池スタックを冷却する液状の冷媒が通流する通流路51aを有し、通流路51aを横断する弁軸52と、弁体53と、を含むバタフライ型の弁装置であって、弁軸52は、駆動側となる一端側の軸受がリップシール52bでシールされているとともに、非駆動側となる他端側の軸受が樹脂製の液中軸受52cとされて、その側方がキャップシール52dでシールされており、キャップシール52dと液中軸受52cとの間には、通流路51aから液中軸受52cを通じて流入してくる冷媒の流入室55が形成され、流入室55と通流路51aとの間には、流入室55に溜まった空気を通流路51aに向けて排出するための排出路56が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このスロットルバルブでは、吸入空気の通路を横断する弁軸の一端側が、玉軸受で支持されるとともにリップシールでシールされており、他端側が、同じく玉軸受で支持されるとともにキャップシールで他端側からシールされた構造となっている。
また、冷媒の充填時等に、キャップシールの内側に空気溜りが生じてしまう。
したがって、液中軸受により弁軸を低摩擦で好適に支持することができ、長期間にわたって安定した弁軸の回動動作を維持することができる。このことは、耐久性に優れ、信頼性に優れた燃料電池システムの実現に寄与する。
また、流入室に溜まった空気を排出路を通じて通流路に排出することができるので、冷媒の変動量を減少することができ、冷媒を貯留するために用いられるリザーブタンクの小型化も可能になる。
また、冷媒が導入部を通じて液中軸受から流入室にスムーズに流入するようになり、流入室に溜まった空気が排出路を通じて通流路にスムーズに排出されることとなる。
したがって、空気溜りがより一層生じ難くなり、長期間にわたって安定した弁軸の回動動作を維持することができる。このことは、より耐久性に優れ、より信頼性に優れた燃料電池システムの実現に寄与する。
はじめに本実施形態の弁装置が適用される燃料電池システムについて説明する。
図1において、本実施形態の弁装置が適用される燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、掃気時にカソード系からアノード系に掃気ガスを導く掃気ガス系と、燃料電池スタック10を冷却する冷媒を冷却する冷却ラインと、を備えている。
本実施形態では、冷媒として冷却水を用いている。なお、冷却水としては、例えば、ロングライフクーラント等を使用することができる。
そして、制御装置2は、燃料電池システム1の全体を制御する機能を有するとともに、冷却ラインに備わる弁装置としての流量制御弁50の開度の調節、アノード系に備わるコンプレッサ31と冷却ラインに備わる冷却水ポンプ61を駆動するモータMの駆動を制御する機能を有する。
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層されることで構成されたスタックであり、複数の単セルは電気的に直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータおよびカソードセパレータと、を備えている。
カソードセパレータには、各MEAのカソードに対して空気を給排するため単セルの積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セルの面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔および溝がカソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。
2H2→4H++4e− …(1)
O2+4H++4e−→2H2O …(2)
アノード系は、燃料電池スタック10よりも上流側に水素タンク21を備えている。
水素タンク21は、配管22a、遮断弁22、配管22bを通じてアノード流路11に接続されている。そして、燃料電池自動車のイグニッションがオンされ、燃料電池スタック10の起動が要求されて制御装置2により遮断弁22が開かれると、水素タンク21の水素が配管22a等を介してアノード流路11に供給されるようになっている。
カソード系は、コンプレッサ31を備えている。コンプレッサ31は、配管32、図示しない加湿器を介して、カソード流路12に接続されている。そして、制御装置2の指令にしたがって作動すると、コンプレッサ31は、酸素を含む空気を取り込み、空気をカソード流路12に供給するようになっている。また、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10の掃気時には、これを掃気する掃気手段として機能するようになっている。
なお、コンプレッサ31を駆動する駆動モータMは、燃料電池スタック10および燃料電池スタック10の少なくとも一方の発電電力を充放電する高圧バッテリ(図示しない)を電源として作動する。
冷却ラインは、燃料電池スタック10を冷却するための冷却水が通流する経路である。本実施形態では、燃料電池スタック10とラジエータ63との間が冷却配管62によって接続されており、冷却水が循環する循環経路が構成されている。
冷却ラインには、冷却水ポンプ61、弁装置としての流量制御弁50、ラジエータ63、リザーブタンクRが設けられている。
また、ラジエータ63は、冷却配管62を通じて通流する冷却水を介して外気と熱交換し、燃料電池スタック10の放熱を行うものである。
具体的に、流量制御弁50は、ボディ51と、このボディ51に形成され、冷却配管62に連通する断面略円形の通流路51aと、この通流路51aを横断する弁軸52と、この弁軸52に設けられた弁体53と、を備え、弁軸52がその軸線方向の一端側から駆動機構57によって回動駆動されるように構成されたバタフライ型の弁である。この例では、通流路51aを挟んで、弁軸52の一端側となる右側(以下、駆動側というときがある)に、駆動機構57が配置され、これとは反対側の弁軸52の他端側となる左側(以下、非駆動側というときがある)が、後記するキャップシール52dでシールされる構成について説明するが、駆動機構57やキャップシール52dが配置される側を限定する趣旨ではない。
また、通流路51aの側壁には、後記する排出路56の排出口56aが開口している。
一方、弁軸52の他端側の側方をシールするキャップシール52dは、弾性を有する部材から形成されて円板状を呈しており、ボディ51の他端側に形成される有底円筒部54の内壁に係止されて、挿通孔51cに通じる有底円筒部54の開口部を液密にシールする。したがって、液中軸受52cは、挿通孔51cを通じて通流路51aから流入した冷却水に没する状態となる。
ここで、液中軸受52cは、例えば、フッ素樹脂やフェノール樹脂等の合成樹脂材からなる樹脂製であり、冷却水中で使用された場合に極めて安定した摺動特性を示すものが用いられている。
このような液中軸受52cは、挿通孔51cに通じる段状部51c1に配置されて圧入等によって固定されている。
そして、流入室55と通流路51aとの間には、冷却水の充填時等に流入室55に溜まった空気を通流路51aに向けて排出するための排出路56が形成されている。
また、排出路56の排出口56aは、前記のように通流路51aの側壁に開口しているが、その開口位置は、図3に示すように、弁軸52の軸線方向(軸線方向一端側)から見て、閉弁位置に回動した弁体53によって塞がれることのない位置に形成されている。つまり、排出路56の排出口56aは、弁体53の回動位置に左右されることがなく、常に、通流路51aに連通するようになっている。これによって、排出路56の排出口56aが弁体53に邪魔されず、排出路56を通じた空気抜きが良好に行われることとなる。
DCモータ58は、例えば、図示しない駆動部から供給される電力で駆動し、駆動部は、制御装置2から入力される指令に基づいてDCモータ58に電力を供給する。DCモータ58の出力軸は、弁軸52の一端部に図示しない連結手段等によって連結されており、DCモータ58の回動が直接に弁軸52へ伝達されるようになっている。なお、ギア伝達等による駆動機構を用いて、DCモータ58の出力を弁軸52に伝達するように構成してもよい。
例えば、この例では、リターンスプリング59aと補助スプリング59bとの付勢力が釣り合う位置を、弁体53の開弁位置に設定してある。つまり、DCモータ58の駆動力が弁軸52に作用していない状態では、弁体53が、開弁位置となるように設定されている。
冷却水を充填する際には、冷却配管62等に設けられた図示しない冷却水充填口から冷却水を充填する。
図4(a)に示すように、通流路51a内で冷却水の水位W1が上昇してきて、導入口である挿通孔51cに冷却水が流入すると、冷却水は、液中軸受52cと弁軸52との隙間を通じて流入室55に流れ込む。
したがって、液中軸受52cにより弁軸52を低摩擦で好適に支持することができ、長期間にわたって安定した弁軸52の回動動作を維持することができる。このことは、耐久性に優れ、信頼性に優れた燃料電池システム1の実現に寄与する。
また、流入室55に溜まった空気を排出路56を通じて通流路51aに排出することができるので、冷却水の変動量を減少することができ、冷却水を貯留するために用いられる、リザーブタンクRの小型化も可能になる。
また、冷却水の充填時等に、冷却水が挿通孔51cを通じて液中軸受52cから流入室55にスムーズに流入するようになり、流入室55に溜まった空気が排出路56を通じて通流路51aにスムーズに排出されることとなる。
したがって、空気溜りがより一層生じ難くなり、長期間にわたって安定した弁軸52の回動動作を維持することができる。このことは、より耐久性に優れ、より信頼性に優れた燃料電池システム1の実現に寄与する。
この変形例では、弁体53の縁部に膨出部53aが設けられており、この膨出部53aは、弁体53が閉弁位置(全閉位置)に回動した際に、通流路51aに開口した排出路56の排出口56aを塞ぐようになっている。つまり、膨出部53aは、弁体53が閉弁位置にあるときに、排出路56の排出口56aを塞ぐ状態に対向配置されるようになっており、排出路56の通流を遮断するようになっている。
このような場合には、弁体53が閉弁位置に回動されると、排出路56を通じた冷却水の通流が遮断されるようになり、排出路56をバイパス路として冷却水が通流するのを好適に阻止することができる。
なお、この例では弁体53に設けた膨出部53aで、排出路56の排出口56aを塞ぐようにしたものを示したが、これに限られることはなく、排出路56の形成位置や弁体53の厚さ寸法等を調整することによって、弁体53が閉弁位置に回動した状態で、弁体53の周縁部によって排出路56の排出口56aを塞ぐように構成してもよい。
50 流量制御弁(弁装置)
51a 通流路
51c 挿通孔(導入部)
52 弁軸
52a 玉軸受(軸受)
52b リップシール
52c 液中軸受
52d キャップシール
53 弁体
55 流入室
56 排出路
56a 排出口
Claims (4)
- 燃料電池スタックを冷却する液状の冷媒が通流する通流路を有し、
前記通流路を横断する弁軸と、前記弁軸に設けられた弁体と、を含み、前記弁軸がその軸線方向の一端側から回動駆動されるように構成されたバタフライ型の弁装置であって、
前記弁軸は、駆動側となる一端側の軸受がリップシールでシールされているとともに、
非駆動側となる他端側の軸受が樹脂製の液中軸受とされて、その側方がキャップシールでシールされており、
前記キャップシールと前記液中軸受との間には、前記通流路から前記液中軸受を通じて流入してくる冷媒の流入室が形成され、
前記流入室と前記通流路との間には、前記流入室に溜まった空気を前記通流路に向けて排出するための排出路が形成されていることを特徴とする弁装置。 - 前記通流路の側壁には、前記液中軸受に冷媒を導く導入部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
- 前記排出路は、前記液中軸受の鉛直方向の上側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弁装置。
- 前記弁体は、前記通流路に開口した前記排出路の排出口を、閉弁位置に回動した状態で塞ぐように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の弁装置。
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