JP2009275574A - 可変容量型ターボチャージャ - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルベーンを備えた可変容量型ターボチャージャに対し、スロート面積を大きくする場合およびスロート面積を小さくする場合共に、十分な過給性能を実現することが可能な可変容量型ターボチャージャを提供する。
【解決手段】可変容量型ターボチャージャのノズルベーンを内周側の第1ノズルベーン96Aと外周側の第2ノズルベーン96Bとに2分割し、第1ノズルベーン96Aに対応して第1可変ノズルベーン機構を、第2ノズルベーン96Bに対応して第2可変ノズルベーン機構を備えさせ、各ノズルベーン96A,96Bを互いに独立して回動可能な構成とする。第2ノズルベーン96Bの第2ベーンシャフト97Bを筒状にして第2可変ノズルベーン機構に連結し、第1ノズルベーン96Aの第1ベーンシャフト97Aを筒状の第2ベーンシャフト97Bの内部を通過させて第1可変ノズルベーン機構に連結する。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば自動車用エンジン等に適用される可変容量型ターボチャージャに係る。特に、本発明は、ノズルベーンの動作によってタービン回転数を調整可能とした可変容量型ターボチャージャの構造の改良に関する。
従来より、自動車用エンジン等に適用されるターボチャージャ(過給機)は、タービンホイールと、コンプレッサホイール(コンプレッサインペラとも呼ばれる)とをタービンシャフト(ロータシャフトとも呼ばれる)により連結し、これらをハウジング内に収納した構成となっている。そして、タービンハウジングに形成された排気ガス流路を通過する排気ガスの圧力を受けてタービンホイールが回転し、タービンシャフトを介してコンプレッサホイールが回転する。これにより、コンプレッサハウジングの吸入空気流路に導入された吸入空気を過給、すなわち圧縮して吸気マニホールドに向けて吐出するようになっている。
また、ターボチャージャの一種として、例えば下記の特許文献1〜3に開示されているように、タービン側を可変容量化した可変容量型ターボチャージャが知られている。この種のターボチャージャは、タービンハウジングの排気ガス流路に、この排気ガス流路の流路面積を可変とする複数のノズルベーン(可動ベーンとも呼ばれる)が配設されている。
具体的には、タービンホイールの軸線を中心としてこのタービンホイールの外周側に、上記複数のノズルベーンが周方向に沿って等間隔に配設され、これらノズルベーンが、互いに同期して回動(開閉動作)するようになっている。そして、これらノズルベーンの開度を変更して、互いに隣り合うノズルベーン間の流路面積(スロート面積)を変化させることにより、タービンホイールに向けて導入される排気ガスの流速を調整する。このようにして排気ガスの流速調整を行うことにより、タービンホイールおよびコンプレッサホイールの回転速度を調整して、燃焼室に導入される空気の圧力が調整される。こうした燃焼室への吸入空気量の調整を行うことにより、エンジンの出力向上と燃焼室内の異常燃焼防止との両立が可能となっている。
特開2007−303380号公報 特開2007−524022号公報 特開昭61−40405号公報
ところで、従来の一般的なノズルベーンは所謂ストレートな翼形状(ノズルベーンの回動軸心に沿った方向から見た場合の中心線が直線状となっている翼形状:特許文献1に開示されているノズルベーンの形状を参照)となっている。このため、上記スロート面積を小さくするようにノズルベーンを回動させた場合に、タービンホイールに形成されているタービンブレードとノズルベーンの先端部分(排気ガス流れ方向の下流側の先端部分)との距離が長くなり、この距離が適切に得られなくなって排気ガスの流れ特性が悪化してしまう場合が多かった。
そこで、特許文献2に開示されているように、ノズルベーンの形状として、上記先端部分を内側(タービンブレード側)に向けて湾曲させることが提案されている。これによれば、スロート面積を小さくするようにノズルベーンを回動させた場合であっても、ノズルベーンの先端部分はタービンブレード側に向かって延びることになるため、この先端部分とタービンブレードとの距離を適正な長さに近付けることができ、排気ガスの流れ特性の悪化を抑制できる。
しかしながら、このようにノズルベーンの先端部分を湾曲させた場合、上記スロート面積を大きくするようにノズルベーンを回動させた状態では、ノズルベーンの先端部分(湾曲部分)の延長方向が、タービンホイールに向かって流れる排気ガスの流線方向に沿わなくなり、この湾曲部分の存在が流路抵抗となってしまう可能性がある。このため、このスロート面積を大きくする方向へのノズルベーンの回動許容範囲が大きく制限されてしまい、その結果、ターボチャージャの可変容量幅が大きく制約されてしまって、ノズルベーンを備えさせたことによる効果を十分に発揮させることができなくなってしまう。
つまり、従来のストレート形状のノズルベーンでは、上記スロート面積を大きくするようにノズルベーンを回動させる際には問題がないが、スロート面積を小さくするようにノズルベーンを回動させた場合に過給性能が十分に得られない可能性がある。逆に、先端部分を湾曲させた形状のノズルベーンでは、上記スロート面積を小さくするようにノズルベーンを回動させる際には問題がないが、スロート面積を大きくするようにノズルベーンを回動させた場合に過給性能が低下する可能性がある。
尚、特許文献3には、ノズルベーンの一部分のみを回動可能とし、他の部分を回動不能とする構成が開示されている。ところが、この構成では、上記回動不能部分の角度として、スロート面積を大きくする場合およびスロート面積を小さくする場合ともに良好な角度となるような固定位置を予め設定しておくことは難しく、過給性能の低下を招く状況を無くすことはできないものであった。
このように、これまでのノズルベーンを備えた可変容量型ターボチャージャは、スロート面積を大きくする場合およびスロート面積を小さくする場合共に、過給性能に支障を来すことなく、また、ターボチャージャの可変容量幅を大きく確保できるものとはなっておらず、これらを両立するための構成が求められていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ノズルベーンを備えた可変容量型ターボチャージャに対し、スロート面積を大きくする場合およびスロート面積を小さくする場合共に、十分な過給性能を実現することが可能な可変容量型ターボチャージャを提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、回動可能なノズルベーンを有する可変容量型ターボチャージャに対し、ノズルベーンを複数に分割し、これら分割された各ベーンをそれぞれ独立して回動可能な構成とすることで、ノズルベーン全体の回動姿勢(形状)として、内燃機関の運転状態等に応じた最適な形状が得られるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、可変ノズルベーン機構によって開閉駆動可能とされたノズルベーンがタービンホイールの外周側に備えられ、このノズルベーンの開度を変化させることにより、上記タービンホイールに向かって流れる気体の流路面積を変化させて過給圧を可変とする可変容量型ターボチャージャを前提とする。この可変容量型ターボチャージャに対し、上記ノズルベーンを、上記気体の流れに沿う方向に亘って複数のベーン体に分割する。そして、上記可変ノズルベーン機構を、上記各ベーン体それぞれに対応して設けられた複数のベーン体駆動手段により構成して、各ベーン体駆動手段を互いに独立して駆動することによって、各ベーン体の全てが、それぞれ互いに独立して駆動する構成としている。ここで、互いに独立して駆動する各ベーン体とは、1つのノズルベーンを構成する個々のベーン体それぞれを言う。つまり、タービンホイールの外周側において周方向に亘って複数のノズルベーンが配設され、それぞれのノズルベーンが、例えば第1ベーン体と第2ベーン体とに分割されている場合には、この第1ベーン体と第2ベーン体とが互いに独立して駆動することを意味している。この場合、各第1ベーン体は連動して開閉駆動し、また、各第2ベーン体も連動して開閉駆動することになる。
この種のターボチャージャは、上記ノズルベーンの姿勢(例えば回動位置)を変化させることでタービン側の流路面積(スロート面積)を変化させ、これによってタービンホイールに向かって流れる気体(排気ガス)の流速を変化させて、ターボチャージャの過給性能を可変とすることができるものとなっている。そして、上記解決手段によれば、このような状況で、分割された各ベーン体のそれぞれに対応して設けられた複数のベーン体駆動手段を互いに独立して駆動することによって、各ベーン体の全てを、それぞれ互いに独立して駆動することができる。例えば、ノズルベーンを第1ベーン体と第2ベーン体とに2分割した場合には、これらベーン体を同一方向に駆動(回動)させたり、互いに反対方向に駆動(回動)させたりすることができ、しかも、その駆動量(回動角度)をそれぞれ個別に調整することもできる。このため、ノズルベーン全体の姿勢(形状)としては、内燃機関の運転状態等に応じた最適な形状を得ることができ、スロート面積(気体の流路面積)を大きくする場合およびスロート面積を小さくする場合共に、十分な過給性能を実現することが可能となる。
上記ノズルベーンおよび可変ノズルベーン機構の構成として、より具体的には以下のものが挙げられる。上記ノズルベーンを、タービンホイールの軸線を中心としてこのタービンホイールの外周側において周方向に亘って複数配設する。また、これら各ノズルベーンに、上記ベーン体として、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置する第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置する第2ベーン体とを備えさせる。そして、上記可変ノズルベーン機構に、上記ベーン体駆動手段として、上記各ノズルベーンにおける第1ベーン体同士を互いに同期させて回動させる第1ベーン体駆動手段と、上記各ノズルベーンにおける第2ベーン体同士を互いに同期させて回動させる第2ベーン体駆動手段とを備えさせた構成としている。
これにより、各ノズルベーンにおける第1ベーン体同士は同一方向(同一回転方向)および同一駆動量(同一回転角度)で駆動し、また、各ノズルベーンにおける第2ベーン体同士も同一方向(同一回転方向)および同一駆動量(同一回転角度)で駆動することになる。このため、それぞれのノズルベーン同士の間で形成される複数の気体流路の形状としては、全てが略同一形状となり、タービンホイールの回転の安定化に伴って、ターボチャージャの安定した過給性能を維持することができる。
ノズルベーンを2分割し、2つのベーン体駆動手段を備えさせた場合において、各ベーン体とベーン体駆動手段との連結構造としては以下のものが挙げられる。
先ず、上記ノズルベーンに、上記ベーン体として、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置し且つこの気体の流れに沿う方向の上流側端部を回動支点とする第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置し且つこの気体の流れに沿う方向の下流側端部を回動支点とする第2ベーン体とを備えさせる。また、上記可変ノズルベーン機構に、上記ベーン体駆動手段として、上記第1ベーン体をその回動支点を中心に回動させる第1ベーン体駆動手段と、上記第2ベーン体をその回動支点を中心に回動させる第2ベーン体駆動手段とを備えさせる。そして、上記第1ベーン体の回動支点に、この第1ベーン体と第1ベーン体駆動手段とを連結する第1支持軸を、上記第2ベーン体の回動支点に、この第2ベーン体と第2ベーン体駆動手段とを連結する第2支持軸をそれぞれ配設する。この第2支持軸の中心部に貫通孔を形成しておき、この貫通孔に第1支持軸を挿通し、この第1支持軸の先端部分を第2支持軸の貫通孔から突出させて第2ベーン体駆動手段に連結させた構成としている。
また、上記第1支持軸の中心部に貫通孔を形成しておき、この貫通孔に第2支持軸を挿通し、この第2支持軸の先端部分を第1支持軸の貫通孔から突出させて第1ベーン体駆動手段に連結させた構成としてもよい。
これら構成によれば、比較的小さなスペースで、第1ベーン体と第1ベーン体駆動手段との連結構造、および、第2ベーン体と第2ベーン体駆動手段との連結構造を得ることができる。また、上記貫通孔の軸心と、この貫通孔に挿通される支持軸の軸心とを一致させれば、分割された各ベーン体を互いに同一回動軸回りに回動させることが可能になり、よりいっそうの省スペース化を図ることができる。
上記ノズルベーンを、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置する第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置する第2ベーン体とに分割した場合において、上記第1ベーン体と第2ベーン体とを、気体の流れに沿う方向の長さ寸法が互いに異なる構成としてもよい。
本発明では、ノズルベーンを複数に分割し、これら分割された各ベーンをそれぞれ独立して回動可能な構成としている。このため、ノズルベーン全体の回動姿勢(形状)として、内燃機関の運転状態等に応じた最適な形状を得ることができ、気体の流路面積を大きくする場合および流路面積を小さくする場合共に、十分な過給性能を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に、本発明に係る可変容量型ターボチャージャを適用した場合について説明する。可変容量型ターボチャージャの構成について説明する前に、ディーゼルエンジン全体の概略構成について説明する。
−エンジンの構成−
図1は本実施形態に係るディーゼルエンジン1(以下、単にエンジンという)およびその制御系統の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、ECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、図示しないシリンダヘッドに形成された吸気ポートに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッドに形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、NOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75およびDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。
このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト52aを介して連結されたタービンホイールアッセンブリ52cおよびコンプレッサホイール52bを備えている。コンプレッサホイール52bは吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイールアッセンブリ52cは排気管73内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイールアッセンブリ52cに備えられたタービンホイールが受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール52bを回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変容量型(可変ノズル式)ターボチャージャであって、タービンホイールアッセンブリ52c側に可変ノズルベーン機構が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。この可変ノズルベーン機構の具体構成については後述する。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、CPU、ROM、RAMおよびバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。
−ターボチャージャ5−
次に、上記ターボチャージャ(可変容量型ターボチャージャ)5、および、このターボチャージャ5に備えられた可変ノズルベーン機構9について説明する。
本実施形態に係るターボチャージャ5の特徴として、図6(可変ノズルベーン機構9の背面図(可変ノズルベーン機構9をコンプレッサホイール52b側とは反対側から見た図))に示すように、可変ノズルベーン機構9によって回動動作を行うノズルベーン96,96,…としては、先端側(排気ガス流れ方向の下流側:タービンホイールアッセンブリ52cの中心側)に位置する第1ノズルベーン(第1ベーン体)96A,96A,…と、基端側(排気ガス流れ方向の上流側:タービンホイールアッセンブリ52cの外周側)に位置する第2ノズルベーン(第2ベーン体)96B,96B,…とを備えている。また、上記可変ノズルベーン機構9に、第1可変ノズルベーン機構(第1ベーン体駆動手段)9Aと第2可変ノズルベーン機構(第2ベーン体駆動手段)9Bとの2つの可変ノズルベーン機構を備えさせている。そして、第1ノズルベーン96A,96A,…は、第1可変ノズルベーン機構9Aに連結され、この第1可変ノズルベーン機構9Aの駆動に伴って第1ノズルベーン96A,96A,…が回動するようになっている。一方、第2ノズルベーン96B,96B,…は、第2可変ノズルベーン機構9Bに連結され、この第2可変ノズルベーン機構9Bの駆動に伴って第2ノズルベーン96B,96B,…が、上記第1ノズルベーン96A,96A,…とは独立して回動するようになっている。詳しくは後述する。
図2は、タービンシャフト52aの軸心に沿ったターボチャージャ5の断面図であり、図3は、タービンホイールアッセンブリ52cの一部分を拡大して示す断面図である。また、図4は、第1可変ノズルベーン機構9Aの正面図(第1可変ノズルベーン機構9Aをコンプレッサホイール52b側から見た図)である。また、図5は、第2可変ノズルベーン機構9Bの正面図(第2可変ノズルベーン機構9Bをコンプレッサホイール52b側から見た図)である。また、図6は、可変ノズルベーン機構9の背面図(可変ノズルベーン機構9をコンプレッサホイール52b側とは反対側から見た図)であって、ノズルベーン開度が大きく設定された状態を示している。更に、図7は、図6におけるVII−VII線に沿った断面図である。
上記ターボチャージャ5は、可変容量型(可変ノズル式)ターボチャージャーとして構成されており、図2に示す如く、ハウジング51と、このハウジング51に回転自在に収納されたタービンシャフト52aと、このタービンシャフト52aの一端側(図2における右側)に取付けられたコンプレッサホイール52bと、タービンシャフト52aの他端側(図2における左側)に取付けられたタービンホイールアッセンブリ52cとを備えている。これらタービンシャフト52a、コンプレッサホイール52bおよびタービンホイールアッセンブリ52cによって回転体であるタービン52が構成されている。
上記ハウジング51は、コンプレッサハウジング51a、センタハウジング(ベアリングハウジング)51b、タービンハウジング51cが一体的に組み付けられて構成されている。つまり、中央のセンタハウジング51bの両側にコンプレッサハウジング51aおよびタービンハウジング51cがそれぞれ組み付けられている。
上記コンプレッサハウジング51aは、中央部(軸心部分)から空気を取り入れて外周側へ放出することが可能な形状となっている。
また、上記コンプレッサハウジング51a内に収納されているコンプレッサホイール52bは、ロックナット52dによってタービンシャフト52aに固定されており、このタービンシャフト52aとともに一体的に回転する。コンプレッサホイール52bには複数のコンプレッサブレードが設けられており、コンプレッサホイール52bが回転すると、このコンプレッサブレードにより、空気が遠心力によって半径方向外側に加速されて圧縮されるようになっている。このため、コンプレッサハウジング51aの中央部に空気が導入されると、この空気が、回転するコンプレッサホイール52bのコンプレッサブレードにより圧縮され、この圧縮された空気が吸気マニホールド63に向けて吸気管64に吐出されるようになっている。
上記コンプレッサホイール52bに隣接してシールリングカラー52eが配置されている。このシールリングカラー52eは上記タービンシャフト52aを取囲む形状となっている。
上記センタハウジング51bはターボチャージャ5の軸心方向の略中央部に配設されている。このセンタハウジング51bにはスラストベアリング52fが設けられている。このスラストベアリング52fは上記タービンシャフト52aのスラスト方向の荷重を受け止めるためのベアリングであり、オイルなどにより潤滑される。
上記センタハウジング51bには、タービンシャフト52aの回転を保持するためのフローティングベアリング52gが設けられている。このフローティングベアリング52gはタービンシャフト52aのラジアル方向の荷重を保持する。フローティングベアリング52gとタービンシャフト52aとの間には油膜が介在しており、フローティングベアリング52gがタービンシャフト52aに直接接触しないようになっている。さらに、フローティングベアリング52gとセンタハウジング51bとの間にも油膜が存在し、フローティングベアリング52gがセンタハウジング51bと直接接触しないようになっている。このフローティングベアリング52gはリテーナリング52hにより位置決めされている。
次に、可変ノズルベーン機構9について説明する。この可変ノズルベーン機構9は、上記センタハウジング51bとタービンハウジング51cとの間に形成されたリンク室91に配設されている。
この可変ノズルベーン機構9には、上述した如く、第1ノズルベーン96A,96A,…を駆動するための第1可変ノズルベーン機構9A、および、第2ノズルベーン96B,96B,…を駆動するための第2可変ノズルベーン機構9Bが備えられている。これら第1可変ノズルベーン機構9Aおよび第2可変ノズルベーン機構9Bは、上記リンク室91内で互いに重ね合わされるように配設されている。第1可変ノズルベーン機構9Aに対して第2可変ノズルベーン機構9Bがノズルベーン96側(タービンブレード側)に配設されている。
これら可変ノズルベーン機構9A,9Bの基本構造は互いに同一である。ここでは、先ず、第1可変ノズルベーン機構9Aについて説明する。尚、第2可変ノズルベーン機構9Bを示している図5においては、第1可変ノズルベーン機構9Aの構成部材に対応する構成部材または同一の構成部材について、図4で使用していた符号「A」を「B」に代えて記載し、以下では、この第2可変ノズルベーン機構9Bの構成部材についての説明を省略している。
図4に示すように、第1可変ノズルベーン機構9Aは、上記リンク室91に収納されたユニゾンリング92Aと、このユニゾンリング92Aの内周側に位置し、ユニゾンリング92Aに一部が係合する複数のアーム93A,93A,…と、タービンハウジング51cに対してターボチャージャ軸心方向で当接するように配設されたノズルプレート(NVプレート)94(図3参照)と、上記複数本のアーム93A,93A,…を駆動させるためのメインアーム95Aと、上記アーム93Aに接続されて第1ノズルベーン96Aを駆動する第1ベーンシャフト97Aとを備えている。本実施形態では、この第1ノズルベーン96Aと第1ベーンシャフト97Aとが一体形成されている(図7参照)。この第1ベーンシャフト97Aは上記ノズルプレート94に回転自在に支持されて(実際には、後述するように、第2可変ノズルベーン機構9Bの第2ベーンシャフト97Bを介してノズルプレート94に回転自在に支持されている)、各アーム93Aと各第1ノズルベーン96Aとをそれぞれ回動一体に連結している。より具体的には、この第1可変ノズルベーン機構9Aのユニゾンリング92Aとノズルプレート94との間には、上記第2可変ノズルベーン機構9Bが配設されているので、上記第1ベーンシャフト97Aは、この第2可変ノズルベーン機構9Bの内部を通過して、第1可変ノズルベーン機構9Aの各アーム93Aと各第1ノズルベーン96Aとをそれぞれ回動一体に連結している。これら第1ベーンシャフト97Aと第2可変ノズルベーン機構9Bとの関係の詳細構造については後述する。
また、本実施形態では、上記タービンハウジング51cが、鋳物で成る本体部51c−aと板金で成るプレート部51c−bとの2つの部材が一体的に組み付けられて構成され(図3参照)、軽量化が図られている。
また、このタービンハウジング51cにはハウジングプレート51eが取り付けられている。このハウジングプレート51eは、上記ノズルプレート94と対向する位置に配設されており、このノズルプレート94との間に上記ノズルベーン96の配設空間を形成している。つまり、これらノズルプレート94とハウジングプレート51eとの間で排気ガスの流路が形成され、この流路内にノズルベーン96が配設された構成となっている。このため、ノズルプレート94およびハウジングプレート51eは、ノズルベーン96の回動軸心方向の両側に位置してノズルベーン96の端面に対向するように配設されている。そして、ノズルプレート94とノズルベーン96の端面との間の隙間、ハウジングプレート51eとノズルベーン96の端面との間の隙間(これら隙間をノズルサイドクリアランスと呼ぶ)は、摺動抵抗が大きくならない範囲でできる限り小さくされて、ノズルベーン96,96同士の間で形成される排気ガスの流路に排気ガスを流すようにする(ノズルサイドクリアランスからの排気ガスの漏れを少なくする)ことが好ましい。
この第1可変ノズルベーン機構9Aは、上記メインアーム95Aに接続されている駆動リンク95Aaを所定の角度だけ回動させることにより、その回動力が、メインアーム95A、ユニゾンリング92A、アーム93A,93A,…を介して第1ノズルベーン96A,96A,…に伝わり、各第1ノズルベーン96A,96A,…が連動して回動する構成とされている。
具体的には、上記駆動リンク95Aaは駆動シャフト95Abを中心に回動可能となっている。この駆動シャフト95Abは、駆動リンク95Aaおよびメインアーム95Aと回動一体に連結されている。具体的に、駆動シャフト95Abは、ノズルプレート94を貫通するように配設されており、この駆動シャフト95Abはメインアーム95Aに接続されている。そして、駆動リンク95Aaの回動に伴って駆動シャフト95Abが回動すれば、この回動力がメインアーム95Aに伝えられる。メインアーム95Aの内周側端部は駆動シャフト95Abに固定され、外周側端部はユニゾンリング92Aに係合している。このため、駆動シャフト95Abを中心としてメインアーム95Aが回動すると、この回動力がユニゾンリング92Aに伝えられる。ユニゾンリング92Aの内周面には各アーム93A,93A,…の外周側端部が嵌まり合っており、ユニゾンリング92Aが回動すると、この回動力はアーム93A,93A,…に伝えられる。具体的に、ユニゾンリング92Aはノズルプレート94に対して周方向に回動可能に配設されており、その内周縁に設けられた複数の凹部92Aa,92Aa,…それぞれには、上記メインアーム95Aおよびアーム93A,93A,…の外周側端部が嵌め合わされている。各アーム93A,93A,…は第1ベーンシャフト97Aを中心として回動することが可能であり、アーム93Aの回動力は第1ベーンシャフト97Aに伝えられる。第1ベーンシャフト97Aは第1ノズルベーン96Aと連結されているため、この第1ノズルベーン96Aは第1ベーンシャフト97Aおよびアーム93Aとともに回動することになる。
また、上記第1可変ノズルベーン機構9Aの駆動リンク95Aaはモータロッド95Acに接続されている。このモータロッド95Acは棒状部材であり、図示しない可変ノズルコントローラに接続されている。この可変ノズルコントローラはアクチュエータとしての直流モータ(DCモータ)に接続されており、この直流モータが回転することで、その回転力が歯車機構およびウォーム機構等を介してモータロッド95Acに伝わり、このモータロッド95Acの移動に伴って駆動リンク95Aaが回動することにより、上述した如く各第1ノズルベーン96A,96A,…が回動する構成となっている。
図4に示すように、モータロッド95Acを図中矢印C方向に引くことで、ユニゾンリング92Aが図中矢印C1方向に回動し、図6に矢印C2で示すように、各第1ノズルベーン96A,96A,…が図中反時計回り方向に回動する。逆に、モータロッド95Acを図中矢印D方向に押すことで、ユニゾンリング92Aが図中矢印D1方向に回動し、図6に矢印D2で示すように、各第1ノズルベーン96A,96A,…が図中時計回り方向に回動する。
次に、第2ノズルベーン96B,96B,…を駆動するための第2可変ノズルベーン機構9Bについて説明する。上述した如く、第2可変ノズルベーン機構9Bの大部分の構造は第1可変ノズルベーン機構9Aの構造と同一である。つまり、図5に示すように、ユニゾンリング92B、アーム93B、メインアーム95B、駆動リンク95Ba、駆動シャフト95Bb、モータロッド95Bc、凹部92Ba等の構成は、第1可変ノズルベーン機構9Aのものと同様である。従って、これらの構成についての説明はここでは省略する。
尚、この第2可変ノズルベーン機構9Bでは、モータロッド95Bcの配設位置が、上記第1可変ノズルベーン機構9Aのモータロッド95Acの配設位置とは重なり合わない位置に配設されており、可変ノズルベーン機構9全体としての厚さ方向の寸法(軸心方向の寸法)の縮小化を図っている。
この第2可変ノズルベーン機構9Bの特徴として、図5および図7に示すように、第2ベーンシャフト97Bが筒形状となっている。つまり、この第2ベーンシャフト97Bの中心部には貫通孔97Baが形成されている。この貫通孔97Baの内径寸法は、上記第1可変ノズルベーン機構9Aの第1ベーンシャフト97Aの外径寸法に略一致しているか、もしくは、この第1ベーンシャフト97Aの外径寸法に対して僅かに大径に設定されている。また、この第2可変ノズルベーン機構9Bの第2ベーンシャフト97Bは、その外周面部分がアーム93Bに回転一体に接続されている。このため、この第2ベーンシャフト97Bの軸心方向の長さ寸法は、図7に示すように、第1ノズルベーン96Aの端面がノズルプレート94に略接触している状態において、このノズルプレート94における第1ノズルベーン96A側の端面と、第2可変ノズルベーン機構9Bのアーム93Bにおける第1可変ノズルベーン機構9Aのアーム93A側の端面との間の距離に略一致している。これにより、第2ベーンシャフト97Bが、第1可変ノズルベーン機構9Aのアーム93A側に突出することがないようになっており、この第2ベーンシャフト97Bが第1可変ノズルベーン機構9Aに接触することによって各可変ノズルベーン機構9A,9Bの作動に支障を来すといったことがないようになっている。
そして、上記第1可変ノズルベーン機構9Aの第1ベーンシャフト97Aは、上記第2可変ノズルベーン機構9Bの第2ベーンシャフト97Bに形成されている貫通孔97Baに挿通されて、上記第1ノズルベーン96Aとアーム93Aとを回転一体に連結している。つまり、第2可変ノズルベーン機構9Bの第2ベーンシャフト97Bの内部空間(貫通孔97Ba)を利用して、第1可変ノズルベーン機構9Aにおけるアーム93Aから第1ノズルベーン96Aへの動力伝達系路が確保されている。
上記第2可変ノズルベーン機構9Bは、上記メインアーム95Bに接続されている駆動リンク95Baを所定の角度だけ回動させることにより、その回動力がメインアーム95B、ユニゾンリング92B、アーム93B,93B,…、第2ベーンシャフト97Bを介して第2ノズルベーン96B,96B,…に伝わり、各第2ノズルベーン96B,96B,…が連動して回動する構成とされている。
つまり、図5に示すように、モータロッド95Bcを図中矢印E方向に引くことで、ユニゾンリング92Bが図中矢印E1方向に回動し、図6に矢印E2で示すように、各第2ノズルベーン96B,96B,…が図中時計回り方向に回動する。逆に、モータロッド95Bcを図中矢印F方向に押すことで、ユニゾンリング92Bが図中矢印F1方向に回動し、図6に矢印F2で示すように、各第2ノズルベーン96B,96B,…が図中反時計回り方向に回動する。
尚、上記ノズルプレート94にはピン94a(図4および図5参照)が差し込まれ、このピン94aにはローラ94bが嵌め合わされている。このローラ94bは各可変ノズルベーン機構9A,9Bのユニゾンリング92A,92Bの内周面をガイドする。これにより、各ユニゾンリング92A,92Bはローラ94bに保持されて所定方向に回動することが可能となっている。また、上記タービンハウジング51cにはスペーサボルト51dが取り付けられている。更に、上記センタハウジング51bの内部には、ターボチャージャ5を冷却するための冷却水が流通する冷却水通路Wが形成されている。
以上説明したように、第1可変ノズルベーン機構9Aおよび第2可変ノズルベーン機構9Bは、それぞれに備えられたモータロッド95Ac,95Bcを引き操作または押し操作することで、第1ノズルベーン96A,96A,…および第2ノズルベーン96B,96B,…を互いに独立して回動させることが可能な構成とされている。
上記タービンハウジング51cにはタービンハウジング渦室が設けられており、タービンハウジング渦室に排気が供給されて、この排気の流れがタービンホイールアッセンブリ52cを回転させる。この際、上述したように各ノズルベーン96A,96A,…、96B,96B,…の回動位置が互いに独立して調整されて、その回動角度を設定することにより、タービンハウジング渦室から排気タービン室へ向かう排気の流量および流速を調整することが可能となっている。
このようにして各ノズルベーン96A,96A,…、96B,96B,…の回動位置を互いに独立して調整する場合の例について説明する。
例えば、上記スロート面積を小さくするようにノズルベーン96,96,…を回動させる場合、第1ノズルベーン96A,96A,…については、図6に矢印C2で示す方向に回動させて、その先端側がタービンホイールアッセンブリ52cの軸心に向かうような回動位置に設定する。これに対し、第2ノズルベーン96B,96B,…については、図6に矢印E2で示す方向に回動させて、この第2ノズルベーン96Bの中心線がタービンホイールアッセンブリ52cの周方向に沿うような回動位置に設定する。つまり、第1ノズルベーン96A,96A,…と第2ノズルベーン96B,96B,…とを互いに反対方向へ回動させる。これにより、互いに隣り合うノズルベーン96,96同士の第1ノズルベーン96Aと第2ノズルベーン96Bとの間隔は狭くなり、スロート面積は小さくなる。一方、各ノズルベーン96,96,…における第1ノズルベーン96A,96A,…の先端部はタービンホイールアッセンブリ52cのタービンブレードに近付くことになり、この両者の距離を適切に得ることができて、排気ガスの流れ特性の悪化が防止されることになる。
また、上記スロート面積を大きくするようにノズルベーン96,96,…を回動させる場合、第1ノズルベーン96A,96A,…については、排気ガスの流れに対して抵抗とならない姿勢となるようにその回動位置を制御する。これに対し、第2ノズルベーン96B,96B,…については、図6に矢印F2で示す方向に回動させて、この第2ノズルベーン96Bの中心線がタービンホイールアッセンブリ52cの半径方向に沿うような回動位置に設定する。つまり、第1ノズルベーン96A,96A,…の回動動作は第2ノズルベーン96B,96B,…の回動動作の規制を受けることなく、また、第2ノズルベーン96B,96B,…の回動動作は第1ノズルベーン96A,96A,…の回動動作の規制を受けることなく、それぞれが最適な回動位置に設定される。これにより、スロート面積を大きく確保する。
このように、本実施形態では、ノズルベーン96を第1ノズルベーン96Aおよび第2ノズルベーン96Bに分割し、それぞれを独立して回動させることができるように、2つの可変ノズルベーン機構9A,9Bを設けている。このため、ノズルベーン96全体の姿勢(回動姿勢)としては、エンジン1の運転状態等に応じた最適な形状を得ることができ、スロート面積を大きくする場合およびスロート面積を小さくする場合共に、十分な過給性能を実現することが可能となる。
(変形例)
次に、ノズルベーン96の変形例について説明する。図8(a)〜(d)はそれぞれノズルベーン96の変形例であって、ノズルベーン96の回動軸心に沿う方向から見た図である。
図8(a)のものは、第1ノズルベーン96Aの長さ(中心線の長さ)に対して第2ノズルベーン96Bの長さを長く設定したものである。これによれば、ノズルベーン96の湾曲中心点(第1ノズルベーン96Aと第2ノズルベーン96Bとの回動支点:ノズルベーン96の折れ曲がり点)がタービンホイールアッセンブリ52cの半径方向中心寄りに設定されることになる。
また、図8(b)のものは、第2ノズルベーン96Bの長さに対して第1ノズルベーン96Aの長さを長く設定したものである。これによれば、ノズルベーン96の湾曲中心点がタービンホイールアッセンブリ52cの半径方向外周寄りに設定されることになる。
このように第1ノズルベーン96Aの長さおよび第2ノズルベーン96Bの長さを適宜設定することで上記ノズルベーン96の湾曲中心点の最適化を図ることが可能になる。
図8(c)は、第1ノズルベーン96Aおよび第2ノズルベーン96Bを湾曲した翼形状としたものである。これにより、排気ガス流れに乱れを生じさせることなしにタービンホイールアッセンブリ52cの中心に向かって排気ガスをガイドすることができる。
上述した実施形態では、第2可変ノズルベーン機構9Bの第2ベーンシャフト97Bを筒形状とし、その内部に第1可変ノズルベーン機構9Aの第1ベーンシャフト97Aを挿通させていた。これに対し、図8(d)に示すものは、第1可変ノズルベーン機構9Aの第1ベーンシャフト97Aを筒形状とし、その内部に第2可変ノズルベーン機構9Bの第2ベーンシャフト97Bを挿通させた構成とするものである。この場合、上記リンク室91内における第1可変ノズルベーン機構9Aの配設位置と第2可変ノズルベーン機構9Bの配設位置とが入れ替わることになる。尚、この図8(d)で示した構成は、上記図8(a)〜(c)で示した形状のノズルベーン96A,96Bに対しても適用可能である。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、自動車用直列4気筒ディーゼルエンジンに適用されるターボチャージャについて説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。また、ガソリンエンジンに使用されるターボチャージャに対しても本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態における可変容量型ターボチャージャ5では、タービンハウジング51cを、鋳物で成る本体部51c−aと板金で成るプレート部51c−bとの2つの部材で構成していたが、タービンハウジング51c全体が鋳物で構成された一般的なターボチャージャに対しても本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態および変形例では、ノズルベーン96を第1ノズルベーン96Aと第2ノズルベーン96Bとの2分割構造とし、これらを互いに独立して回動させるために第1可変ノズルベーン機構9Aおよび第2可変ノズルベーン機構9Bを備えさせていた。本発明はこれに限らず、ノズルベーン96を3つ以上に分割して構成し、それぞれの分割ノズルベーンに対応して可変ノズルベーン機構を備えさせることにより、全ての分割ノズルベーンを互いに独立して回動させるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態および変形例では、第1ノズルベーン96Aと第2ノズルベーン96Bとが同一軸心を中心として回動する構成としていた。本発明はこれに限らず、第1ノズルベーン96Aと第2ノズルベーン96Bとが互いに異なる軸心を中心として回動する構成としてもよい。また、分割された各ノズルベーン96A,96Bの回動支点の位置としては、ノズルベーン96A,96Bの長手方向の一端部に限らず、長手方向の中央部であってもよい。
実施形態に係るエンジンおよびその制御系統の概略構成図である。 ターボチャージャにおけるタービンシャフトの軸心に沿った断面図である。 ターボチャージャのタービンホイールアッセンブリの一部を拡大して示す断面図である。 第1可変ノズルベーン機構の正面図である。 第2可変ノズルベーン機構の正面図である。 可変ノズルベーン機構の背面図である。 図6におけるVII−VII線に沿った断面図である。 ノズルベーンについての複数の変形例を示す図である。
符号の説明
5 可変容量型ターボチャージャ
52c タービンホイールアッセンブリ
9 可変ノズルベーン機構
9A 第1可変ノズルベーン機構(第1ベーン体駆動手段)
9B 第2可変ノズルベーン機構(第2ベーン体駆動手段)
96 ノズルベーン
96A 第1ノズルベーン(第1ベーン体)
96B 第2ノズルベーン(第2ベーン体)

Claims (5)

  1. 可変ノズルベーン機構によって開閉駆動可能とされたノズルベーンがタービンホイールの外周側に備えられ、このノズルベーンの開度を変化させることにより、上記タービンホイールに向かって流れる気体の流路面積を変化させて過給圧を可変とする可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記ノズルベーンは、上記気体の流れに沿う方向に亘って複数のベーン体に分割されており、
    上記可変ノズルベーン機構は、上記各ベーン体それぞれに対応して設けられた複数のベーン体駆動手段により構成されていて、各ベーン体駆動手段が互いに独立して駆動することによって、各ベーン体の全てが、それぞれ互いに独立して駆動するよう構成されていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  2. 上記請求項1記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記ノズルベーンは、タービンホイールの軸線を中心としてこのタービンホイールの外周側において周方向に亘って複数配設されており、これら各ノズルベーンは、上記ベーン体として、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置する第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置する第2ベーン体とを備えており、
    上記可変ノズルベーン機構には、上記ベーン体駆動手段として、上記各ノズルベーンにおける第1ベーン体同士を互いに同期させて回動させる第1ベーン体駆動手段と、上記各ノズルベーンにおける第2ベーン体同士を互いに同期させて回動させる第2ベーン体駆動手段とが備えられていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  3. 上記請求項1記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記ノズルベーンは、上記ベーン体として、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置し且つこの気体の流れに沿う方向の上流側端部を回動支点とする第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置し且つこの気体の流れに沿う方向の下流側端部を回動支点とする第2ベーン体とを備えており、
    上記可変ノズルベーン機構には、上記ベーン体駆動手段として、上記第1ベーン体をその回動支点を中心に回動させる第1ベーン体駆動手段と、上記第2ベーン体をその回動支点を中心に回動させる第2ベーン体駆動手段とが備えられており、
    上記第1ベーン体の回動支点には、この第1ベーン体と第1ベーン体駆動手段とを連結する第1支持軸が、上記第2ベーン体の回動支点には、この第2ベーン体と第2ベーン体駆動手段とを連結する第2支持軸がそれぞれ配設されており、
    上記第2支持軸の中心部には貫通孔が形成されていて、この貫通孔に第1支持軸が挿通され、この第1支持軸の先端部分が第2支持軸の貫通孔から突出されて第2ベーン体駆動手段に連結されていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  4. 上記請求項1記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記ノズルベーンは、上記ベーン体として、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置し且つこの気体の流れに沿う方向の上流側端部を回動支点とする第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置し且つこの気体の流れに沿う方向の下流側端部を回動支点とする第2ベーン体とを備えており、
    上記可変ノズルベーン機構には、上記ベーン体駆動手段として、上記第1ベーン体をその回動支点を中心に回動させる第1ベーン体駆動手段と、上記第2ベーン体をその回動支点を中心に回動させる第2ベーン体駆動手段とが備えられており、
    上記第1ベーン体の回動支点には、この第1ベーン体と第1ベーン体駆動手段とを連結する第1支持軸が、上記第2ベーン体の回動支点には、この第2ベーン体と第2ベーン体駆動手段とを連結する第2支持軸がそれぞれ配設されており、
    上記第1支持軸の中心部には貫通孔が形成されていて、この貫通孔に第2支持軸が挿通され、この第2支持軸の先端部分が第1支持軸の貫通孔から突出されて第1ベーン体駆動手段に連結されていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  5. 上記請求項1記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記ノズルベーンは、上記ベーン体として、上記気体の流れに沿う方向の下流側に位置する第1ベーン体と、上記気体の流れに沿う方向の上流側に位置する第2ベーン体とを備えており、
    上記第1ベーン体と第2ベーン体とは、気体の流れに沿う方向の長さ寸法が互いに異なっていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
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