JP2009281295A - 可変容量型ターボチャージャ - Google Patents

可変容量型ターボチャージャ

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JP2009281295A JP2008134699A JP2008134699A JP2009281295A JP 2009281295 A JP2009281295 A JP 2009281295A JP 2008134699 A JP2008134699 A JP 2008134699A JP 2008134699 A JP2008134699 A JP 2008134699A JP 2009281295 A JP2009281295 A JP 2009281295A
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Abstract

【課題】ノズルベーンを備えた可変容量型ターボチャージャに対し、各部材に熱膨張が生じた場合にもノズルベーンの支持位置を安定的に維持することが可能な可変容量型ターボチャージャを提供する。
【解決手段】ノズルベーン96を支持するノズルプレート94の内周面94dとセンタハウジング51bのスリーブ51fとの間にシュラウドプレート98を嵌め込む。このシュラウドプレート98を線膨張係数の高い材料とし、各部材が熱膨張した場合におけるノズルプレート94とセンタハウジング51bとの間のがたつきを防止する。シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間でハーフビードガスケット99を挟持し、このハーフビードガスケット99からの付勢力をシュラウドプレート98を介してノズルプレート94に付与して、ノズルサイドクリアランスを適正に管理する。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば自動車用エンジン等に適用される可変容量型ターボチャージャに係る。特に、本発明は、ノズルベーンの動作によってタービン回転数を調整可能とした可変容量型ターボチャージャの構造の改良に関する。
従来より、自動車用エンジン等に適用されるターボチャージャ(過給機)は、タービンホイールと、コンプレッサホイール(コンプレッサインペラとも呼ばれる)とをタービンシャフト(ロータシャフトとも呼ばれる)により連結し、これらをハウジング内に収納した構成となっている。そして、タービンハウジングに形成された排気ガス流路を通過する排気ガスの圧力を受けてタービンホイールが回転し、タービンシャフトを介してコンプレッサホイールが回転する。これにより、コンプレッサハウジングの吸入空気流路に導入された吸入空気を過給、すなわち圧縮して吸気マニホールドに向けて吐出するようになっている。
また、ターボチャージャの一種として、例えば下記の特許文献1や特許文献2に開示されているように、タービン側を可変容量化した可変容量型ターボチャージャが知られている。この種のターボチャージャは、タービンハウジングの排気ガス流路に、この排気ガス流路の流路面積を可変とするノズルベーン(可動ベーンとも呼ばれる)が配設されている。そして、例えば、エンジンの低回転時にノズルベーンを回動させて流路面積(スロート面積)を減少させることで、排気ガスの流速を増加させ、これにより、エンジン低速域から高い過給圧を得ることができるようになっている。
上記ノズルベーンの支持構造としては、各特許文献にも開示されているように、上記タービンシャフトを回転自在に支持しているベアリングハウジング(センタハウジングとも呼ばれる)に組み付けられたプレート部材(特許文献1ではノズルバックプレートと称している)に回動軸を介してノズルベーンが回動可能に支持されている。例えば特許文献1に開示されているものでは、ベアリングハウジングにおけるタービンハウジング側の端部に段差部を形成しておく一方、プレート部材の内周端部に、上記段差部の形状に略合致する凹部を形成しておき、この凹部を段差部に重ね合わせることで、ベアリングハウジングに対するプレート部材の位置決めを行っている。これにより、ベアリングハウジングに対するノズルベーンの回動軸心位置(上記回動軸の位置)も位置決めされることになる。
特開平11−125120号公報 特開2005−163783号公報
ところで、従来のノズルベーンの支持構造にあっては、上述した如く、プレート部材に回動軸を介してノズルベーンを支持しており、このプレート部材はベアリングハウジング等のハウジング部材に支持されている。このため、仮に、ターボチャージャの製造時に、ハウジング部材の軸心(タービンホイールの回転軸心に一致)に対して、各ノズルベーンの支持位置(ノズルベーンの回動中心である上記回動軸の軸心)がそれぞれ等距離(ハウジング部材の軸心を中心とする円周上の点)に配設されていたとしても、ハウジング部材およびプレート部材の熱膨張によって、その位置が適正位置から半径方向にずれてしまう可能性があった。つまり、上記ノズルベーンは高温の排気ガスが直接的に接触するので、このノズルベーンを支持しているプレート部材の温度も上昇しやすく、その熱膨張量は大きくなる傾向にある。一方、上記ハウジング部材には、冷却水通路が形成されており、内部に冷却水が流れていることで強制的に冷却されているため熱膨張量は小さい。このようにプレート部材の温度上昇量とハウジング部材の温度上昇量とに差が生じやすい構成となっている。このため、これら部材の熱膨張量の差によって、プレート部材とハウジング部材との当接位置、例えばプレート部材の内周面とハウジング部材の外周面との間に僅かな隙間が生じてしまい、ハウジング部材に対するプレート部材の組付け位置が安定せず、その結果、各ノズルベーンの支持位置として半径方向にズレを生じさせることになってしまう。特に、プレート部材の構成材料とハウジング部材の構成材料とが異なっており、これらの線膨張係数が互いに異なっている場合には顕著である。
このように各ノズルベーンの支持位置が適正位置からずれてしまうと、ノズルベーンの回動角度を適正に制御しても、各ノズルベーンそれぞれにおけるタービンホイールに対する角度にバラツキが生じてしまい、目的とする過給性能を得ることができなくなってしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ノズルベーンを備えた可変容量型ターボチャージャに対し、各部材に熱膨張が生じた場合であってもノズルベーンの支持位置を安定的に維持することが可能な可変容量型ターボチャージャを提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、ノズルベーンを支持しているプレート部材と、タービンを回転自在に支持しているハウジング部材との間に位置決め部材を介在させ、これら各部材が熱膨張した場合には、プレート部材とハウジング部材との間の空間の拡大量に対して、位置決め部材の膨張量が同等またはそれ以上となるように、この位置決め部材を線膨張係数の高い材料で形成し、これにより、プレート部材とハウジング部材との間でのがたつき発生を防止している。
−解決手段−
具体的に、本発明は、ノズルベーンを支持するプレート部材と、一端にタービンブレードを、他端にコンプレッサブレードを有し、タービンブレードに気体が当たることにより回転してコンプレッサブレードによる過給動作を行うタービンと、このタービンを回転自在に支持するハウジング部材とを備えた可変容量型ターボチャージャを前提とする。この可変容量型ターボチャージャに対し、上記プレート部材における内周側に向かう面とハウジング部材における外周側に向かう面との間に、プレート部材の半径方向に延びる位置決め部材を嵌め込む。そして、この位置決め部材を、上記プレート部材を構成する材料の線膨張係数よりも高い線膨張係数を有する材料により形成している。
この種のターボチャージャは、上記プレート部材に支持されているノズルベーンの姿勢(例えば回動位置)を変化させることでタービン側の流路面積(スロート面積)を変化させ、これによってタービンブレードに向かって流れる気体(排気ガス)の流速を変化させて、ターボチャージャの過給性能を可変とすることができるものとなっている。そして、上記解決手段によれば、このような状況で、上記プレート部材、ハウジング部材、位置決め部材が温度上昇すると、これら各部材は熱膨張(例えば半径方向へ熱膨張)することになるが、上記プレート部材とハウジング部材との間に嵌め込まれている位置決め部材の線膨張係数が高いため、この熱膨張に伴うプレート部材とハウジング部材との間の空間の拡大量に対して、位置決め部材の膨張量が同等またはそれ以上となる。つまり、プレート部材とハウジング部材との間の空間が拡大しても、それを埋めるように位置決め部材が膨張することになり、位置決め部材がプレート部材やハウジング部材の各面から離れてしまうといった状況は生じない。即ち、プレート部材とハウジング部材との間でのがたつき発生が防止され、ハウジング部材に対するプレート部材の組付け位置を安定的に得ることができる。言い換えると、熱膨張が生じても、ハウジング部材の軸心位置とプレート部材の軸心位置とにズレを生じさせることがない。その結果、各ノズルベーンの支持位置にズレを生じさせることがなく、ノズルベーンの制御姿勢に応じた適切な過給性能を得ることができる。
また、上述した解決手段の構成に加えて以下の構成を付加することが好ましい。つまり、上記タービンブレードとハウジング部材との間の空間に、上記プレート部材とハウジング部材とをタービンの軸心に沿う方向で互いに離間する方向への付勢力を与えることでプレート部材の上記軸心方向の位置を規制する弾性部材を配設した構成である。
これによれば、プレート部材には、ノズルベーンに向かう弾性力が付与された状態となる。このため、ノズルベーンがプレート部材側に向けて熱膨張した場合には、この弾性力に抗する方向へのプレート部材の移動が可能になり、これらノズルベーンとプレート部材との間のノズルサイドクリアランスが狭くなりすぎて摺動抵抗が著しく大きくなってしまうといった状況を回避することができる。また、プレート部材にはノズルベーンに向けての所定の弾性力が付与されているので、上記ノズルサイドクリアランスが広がりすぎるといったこともなく、このノズルサイドクリアランスを常に適正に維持することが可能になる。
上記位置決め部材の形状および弾性部材の配設形態として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、位置決め部材に、プレート部材における内周側に向かう面に当接する当接部と、プレート部材においてノズルベーンの配設位置とは反対側に位置して軸心に略直交する方向に延びる面に当接する当接部とを備えさせる。また、上記弾性部材を、ハウジング部材と位置決め部材との間に配設して、位置決め部材を介してプレート部材に付勢力を付与する構成としている。
これによれば、位置決め部材は弾性部材からの付勢力を受けて、ノズルベーンに向かう方向の弾性力をプレート部材に付与することになる。このため、位置決め部材に、熱膨張によってプレート部材とハウジング部材との間でのがたつき発生を防止する機能と、ノズルベーンとプレート部材との間のノズルサイドクリアランスを適正に維持するための機能とを兼ね備えさせることができる。
また、上記位置決め部材自体に上記弾性部材としての機能を付加することで、上述したような弾性部材を不要とする構成も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、位置決め部材に、上記プレート部材とハウジング部材とをタービンの軸心に沿う方向で互いに離間する方向への付勢力を与えることでプレート部材の上記軸心方向の位置を規制する弾性部材としての機能を備えさせた構成である。
本発明では、ノズルベーンを支持しているプレート部材と、タービンを回転自在に支持しているハウジング部材との間に嵌め込まれている位置決め部材の熱膨張によって、プレート部材とハウジング部材との間でのがたつき発生を防止できるようにしている。このため、プレート部材に支持されている各ノズルベーンの支持位置にズレを生じさせることがなく、ノズルベーンの制御姿勢に応じた適切な過給性能を得ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に、本発明に係る可変容量型ターボチャージャを適用した場合について説明する。可変容量型ターボチャージャの構成について説明する前に、ディーゼルエンジン全体の概略構成について説明する。
−エンジンの構成−
図1は本実施形態に係るディーゼルエンジン1(以下、単にエンジンという)およびその制御系統の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、ECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、図示しないシリンダヘッドに形成された吸気ポートに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッドに形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、NOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75およびDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。
このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト52aを介して連結されたタービンホイールアッセンブリ52cおよびコンプレッサホイール52bを備えている。コンプレッサホイール52bは吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイールアッセンブリ52cは排気管73内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイールアッセンブリ52cに備えられたタービンホイールが受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール52bを回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイールアッセンブリ52c側に可変ノズルベーン機構が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。この可変ノズルベーン機構の具体構成については後述する。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、CPU、ROM、RAMおよびバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。
−ターボチャージャ5−
次に、上記ターボチャージャ(可変容量型ターボチャージャ)5、および、このターボチャージャ5に備えられた可変ノズルベーン機構9について説明する。
図2は、タービンシャフト52aの軸心に沿ったターボチャージャ5の断面図であり、図3は、タービンホイールアッセンブリ52cの一部分を拡大して示す断面図である。また、図4は、可変ノズルベーン機構9の正面図(可変ノズルベーン機構9をコンプレッサホイール52b側から見た図)であって、ノズルベーン開度が大きく設定された状態を示している。更に、図5は、可変ノズルベーン機構9の背面図(可変ノズルベーン機構9をコンプレッサホイール52b側とは反対側から見た図)であって、ノズルベーン開度が大きく設定された状態を示している。
上記ターボチャージャ5は、可変容量型(可変ノズル式)ターボチャージャーとして構成されており、図2に示す如く、ハウジング51と、このハウジング51に回転自在に収納されたタービンシャフト52aと、このタービンシャフト52aの一端側(図2における右側)に取付けられたコンプレッサホイール52bと、タービンシャフト52aの他端側(図2における左側)に取付けられたタービンホイールアッセンブリ52cとを備えている。これらタービンシャフト52a、コンプレッサホイール52bおよびタービンホイールアッセンブリ52cによって回転体であるタービン52が構成されている。
上記ハウジング51は、コンプレッサハウジング51a、センタハウジング(ベアリングハウジング:ハウジング部材)51b、タービンハウジング51cが一体的に組み付けられて構成されている。つまり、中央のセンタハウジング51bの両側にコンプレッサハウジング51aおよびタービンハウジング51cがそれぞれ組み付けられている。
上記コンプレッサハウジング51aは、中央部(軸心部分)から空気を取り入れて外部へ放出することが可能な形状となっている。
また、上記コンプレッサハウジング51a内に収納されているコンプレッサホイール52bは、ロックナット52dによってタービンシャフト52aに固定されており、このタービンシャフト52aとともに一体的に回転する。コンプレッサホイール52bには複数のコンプレッサブレードが設けられており、コンプレッサホイール52bが回転すると、このコンプレッサブレードにより、空気が遠心力により半径方向外側に加速されて圧縮されるようになっている。このため、コンプレッサハウジング51aの中央部に空気が導入されると、この空気が、回転するコンプレッサホイール52bのコンプレッサブレードにより圧縮され、この圧縮された空気が吸気マニホールド63に向けて吸気管64に吐出されるようになっている。
上記コンプレッサホイール52bに隣接してシールリングカラー52eが配置されている。このシールリングカラー52eは上記タービンシャフト52aを取囲む形状となっている。
上記センタハウジング51bはターボチャージャ5の軸心方向の略中央部に配設されている。このセンタハウジング51bにはスラストベアリング52fが設けられている。このスラストベアリング52fは上記タービンシャフト52aのスラスト方向の荷重を受け止めるためのベアリングであり、オイルなどにより潤滑される。
上記センタハウジング51bには、タービンシャフト52aの回転を保持するためのフローティングベアリング52gが設けられている。このフローティングベアリング52gはタービンシャフト52aのラジアル方向の荷重を保持する。フローティングベアリング52gとタービンシャフト52aとの間には油膜が介在しており、フローティングベアリング52gがタービンシャフト52aに直接接触しないようになっている。さらに、フローティングベアリング52gとセンタハウジング51bとの間にも油膜が存在し、フローティングベアリング52gがセンタハウジング51bと直接接触しないようになっている。このフローティングベアリング52gはリテーナリング52hにより位置決めされている。
次に、可変ノズルベーン機構9について説明する。この可変ノズルベーン機構9は、上記センタハウジング51bとタービンハウジング51cとの間に形成されたリンク室91に配設されている。
この可変ノズルベーン機構9は、上記リンク室91に収納されたユニゾンリング92と、このユニゾンリング92の内周側に位置し、ユニゾンリング92に一部が係合する複数のアーム93,93,…(図4参照)と、タービンハウジング51cに対してターボチャージャ軸心方向で当接するように配設されたノズルプレート(NVプレート:プレート部材)94(図3参照)と、上記複数本のアーム93,93,…を駆動させるためのメインアーム95と、上記アーム93に接続されてノズルベーン96を駆動するベーンシャフト97とを備えている。このベーンシャフト97は上記ノズルプレート94に回転自在に支持されて、各アーム93と各ノズルベーン96とをそれぞれ回動一体に連結している。
また、本実施形態では、上記タービンハウジング51cが、鋳物で成る本体部51c−aと板金で成るプレート部51c−bとの2つの部材が一体的に組み付けられて構成され(図3参照)、軽量化が図られている。
また、このタービンハウジング51cにはハウジングプレート51eが取り付けられている。このハウジングプレート51eは、上記ノズルプレート94と対向する位置に配設されており、このノズルプレート94との間に上記ノズルベーン96の配設空間を形成している。つまり、これらノズルプレート94とハウジングプレート51eとの間で排気ガスの流路が形成され、この流路内にノズルベーン96が配設された構成となっている。このため、ノズルプレート94およびハウジングプレート51eは、ノズルベーン96の回動軸心方向の両側に位置してノズルベーン96の端面に対向するように配設されている。そして、ノズルプレート94とノズルベーン96の端面との間の隙間、ハウジングプレート51eとノズルベーン96の端面との間の隙間(これら隙間をノズルサイドクリアランスと呼ぶ)は、摺動抵抗が大きくならない範囲でできる限り小さくして、ノズルベーン96,96同士の間で形成される排気ガスの流路に排気ガスを流すようにする(ノズルサイドクリアランスからの排気ガスの漏れを少なくする)ことが好ましい。このノズルサイドクリアランスを適切に調整するための構成については後述する。
この可変ノズルベーン機構9は、タービンブレードの外周側に等間隔に配設された複数(例えば12枚)のノズルベーン96,96,…の回動角度(回動姿勢)を調整するための機構であり、上記メインアーム95に接続されている駆動リンク95aを所定の角度だけ回動させることにより、その回動力がメインアーム95、ユニゾンリング92、アーム93,93,…を介してノズルベーン96,96,…に伝わり、各ノズルベーン96,96,…が連動して回動する構成とされている。
具体的には、上記駆動リンク95aは駆動シャフト95bを中心に回動可能となっている。この駆動シャフト95bは、駆動リンク95aおよびメインアーム95と回動一体に連結されている。具体的に、駆動シャフト95bは、ノズルプレート94を貫通するように配設されており、この駆動シャフト95bはメインアーム95に接続されている。そして、駆動リンク95aの回動に伴って駆動シャフト95bが回動すれば、この回動力がメインアーム95に伝えられる。メインアーム95の内周側端部は駆動シャフト95bに固定され、外周側端部はユニゾンリング92に係合している。このため、駆動シャフト95bを中心としてメインアーム95が回動すると、この回動力がユニゾンリング92に伝えられる。ユニゾンリング92の内周面には各アーム93,93,…の外周側端部が嵌まり合っており、ユニゾンリング92が回動すると、この回動力はアーム93,93,…に伝えられる。具体的に、ユニゾンリング92はノズルプレート94に対して周方向に摺動可能に配設されており、その内周縁に設けられた複数の凹部92a,92a,…それぞれには、上記メインアーム95およびアーム93,93,…の外周側端部が嵌め合わされている。各アーム93,93,…はベーンシャフト97を中心として回動することが可能であり、アーム93の回動はベーンシャフト97に伝えられる。ベーンシャフト97はノズルベーン96と連結されているため、ノズルベーン96はベーンシャフト97およびアーム93とともに回動することになる。
上記タービンハウジング51cにはタービンハウジング渦室が設けられており、タービンハウジング渦室に排気が供給されて、この排気の流れがタービンホイールアッセンブリ52cを回転させる。この際、上述したように各ノズルベーン96,96,…の回動位置が調整されて、その回動角度を設定することにより、タービンハウジング渦室から排気タービン室へ向かう排気の流量および流速を調整することが可能となっている。これにより、過給性能を調整することが可能になり、例えば、エンジンの低回転時にノズルベーン96,96,…同士の間の流路面積(スロート面積)を減少させるように各ノズルベーン96,96,…の回動位置を調整すれば、排気ガスの流速が増加して、エンジン低速域から高い過給圧を得ることができることになる。
また、上記可変ノズルベーン機構9の駆動リンク95aはモータロッド95cに接続されている。このモータロッド95cは棒状部材であり、図示しない可変ノズルコントローラに接続されている。この可変ノズルコントローラはアクチュエータとしての直流モータ(DCモータ)に接続されており、この直流モータが回転することで、その回転力が歯車機構およびウォーム機構等を介してモータロッド95cに伝わり、このモータロッド95cの移動に伴って駆動リンク95aが回動することにより、上述した如く各ノズルベーン96,96,…が回動する構成となっている。
図4及び図5に示すように、モータロッド95cを図中矢印X方向に引くことで、ユニゾンリング92が図中矢印X1方向に回動し、図5に示すように、各ノズルベーン96,96,…が図中反時計回り方向に回動することでノズルベーン開度が大きく設定される。
また、図6および図7はノズルベーン開度が小さく設定された状態を示しており、図6は可変ノズルベーン機構9の正面図、図7は可変ノズルベーン機構9の背面図である。これら図に示すように、モータロッド95cを図中矢印Y方向に押すことで、ユニゾンリング92が図中矢印Y1方向に回動し、図7に示すように、各ノズルベーン96,96,…が図中時計回り方向に回動することでノズルベーン開度が小さく設定される。
尚、上記ノズルプレート94にはピン94a(図4参照)が差し込まれ、このピン94aにはローラ94bが嵌め合わされている。このローラ94bはユニゾンリング92の内周面をガイドする。これにより、ユニゾンリング92はローラ94bに保持されて所定方向に回動することが可能となっている。また、上記タービンハウジング51cにはスペーサボルト51dが取り付けられている。更に、上記センタハウジング51bの内部には、ターボチャージャ5を冷却するための冷却水が流通する冷却水通路Wが形成されている。
−ノズルプレート94の位置決め構造−
次に、本実施形態の特徴部分である上記ノズルプレート94の位置決め構造について複数の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係るターボチャージャ5のノズルプレート94およびノズルベーン96の周辺を拡大して示す断面図である。
この図8に示すように、上記センタハウジング51bとノズルプレート94との間には、位置決め部材としてのシュラウドプレート98が嵌め込まれている。以下、具体的に説明する。
上記センタハウジング51bにおけるタービン側(図8における左側)の端部には、上記シュラウドプレート98の内周端面を当接させるためのスリーブ51fが形成されている。このスリーブ51fは、センタハウジング51bの端面の内周側部分がタービン側に向けて僅かに突出した略円筒形状に形成されており、その外周面はセンタハウジング51bの軸心方向に沿って延び且つ半径方向外側に向かう内側当接面51gとして形成されている。また、この内側当接面51gは、外周側に所定間隔を存して配設されている上記ノズルプレート94と対向する位置に形成されている。
一方、ノズルプレート94は、上述した如くリング形状の部材であって、その内周面には段部94cが形成されている。この段部94cは、ノズルプレート94の内周面94d(上記センタハウジング51bの内側当接面51gに対向する面)と、この内周面94dにおけるノズルベーン96側とは反対側(図中右側)の端縁から外周側に向かって延びる径方向面94e、この径方向面94eの外周側端縁からノズルベーン96側とは反対側に向かって延びる軸方向面94fとを備えている。
シュラウドプレート98は金属製であって中央部に開口98aを有する円盤形状の部材として形成されている。そして、この中央部の開口98aの内径寸法は上記センタハウジング51bに形成されているスリーブ51fの外径寸法に略一致している。
また、このシュラウドプレート98は、上記開口98aの縁部から外周側に向かって、センタハウジング51bの軸心に対して直交する方向に延びる第1の平板部98bと、この第1の平板部98bの外周端からタービンブレード側(図中左側)に向かって僅かに傾斜しながら外周側に延びる傾斜板部98cと、この傾斜板部98cの外周端から外周側に向かって、センタハウジング51bの軸心に対して直交する方向に延びる第2の平板部98dと、この第2の平板部98dの外周端からノズルベーン96側とは反対側に向かって延びるプレート当接部98eと、このプレート当接部98eの端部から外周側に向かって、センタハウジング51bの軸心に対して直交する方向に延びる第3の平板部98fとを備えている。
そして、上記開口98aの縁部から上記プレート当接部98eの外周面までの長さ寸法は、上記センタハウジング51bに形成されているスリーブ51fの外周面である上記内側当接面51gから上記ノズルプレート94の内周面94dまでの長さ寸法に略一致、または、この長さ寸法よりも僅かに長く設定されており、このシュラウドプレート98が、センタハウジング51bとノズルプレート94との間に嵌め込まれている。つまり、シュラウドプレート98の開口98aの内周面がセンタハウジング51bスリーブ51fの内側当接面51gに、シュラウドプレート98のプレート当接部98eの外周面がノズルプレート94の内周面94dにそれぞれ強圧された状態で、センタハウジング51bとノズルプレート94との間にシュラウドプレート98が嵌め込まれている。これにより、シュラウドプレート98はセンタハウジング51bに対するノズルプレート94の支持位置を位置決めし、センタハウジング51bの軸心位置とノズルプレート94の軸心位置とを一致させる機能を有していることになる。
そして、本実施形態の特徴の一つとして、上記シュラウドプレート98は、上記センタハウジング51bおよびノズルプレート94を構成している金属材料よりも線膨張係数の高い金属材料により形成されている。具体的な一例を挙げると、センタハウジング51bは鋳鉄、ノズルプレート94は線膨張係数の低いステンレス(例えばSUS410)、シュラウドプレート98は線膨張係数の高いステンレス(例えばSUS304)が適用される。これら部材の材料はこれに限定されるものではないが、上記ノズルプレート94およびシュラウドプレート98の構成材料としては耐熱性の高い材料であることが好ましい。
また、上記シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間には弾性部材としてのハーフビードガスケット99が配設されている。このハーフビードガスケット99は、ばね鋼等の弾性を有する金属材料により形成されており、円盤形状の部材として形成されている。そして、このハーフビードガスケット99は、上記シュラウドプレート98の第2の平板部98dに当接する第1当接部99aと、センタハウジング51bの端面に当接する第2当接部99bと、これら第1当接部99aと第2当接部99bとの間に亘り、シュラウドプレート98の第2の平板部98dの延長方向に対して傾斜した傾斜部99cとを備えている。
このハーフビードガスケット99は、外力が作用していない状態では、上記第1当接部99aの外側面(図中左側の面)と第2当接部99bの外側面(図中右側の面)との間の長さ寸法は、上記シュラウドプレート98の第2の平板部98dとセンタハウジング51bの端面との間の隙間寸法よりも大きくなっている。このため、図8に示すように、ハーフビードガスケット99がシュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間に配設された状態では、これらシュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間で挟み込まれてハーフビードガスケット99が弾性変形している。このため、ハーフビードガスケット99の第1当接部99aはシュラウドプレート98の第2の平板部98dに強圧され、ハーフビードガスケット99の第2当接部99bはセンタハウジング51bの端面に強圧された状態で、このハーフビードガスケット99は、シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間に配設されている。
以下、上記シュラウドプレート98およびハーフビードガスケット99を備えさせたことによる作用効果について説明する。
ターボチャージャ5の作動に伴い、センタハウジング51b、ノズルプレート94、シュラウドプレート98が共に温度上昇し、これら各部材が熱膨張(例えば半径方向へ熱膨張)した場合、上記センタハウジング51bとノズルプレート94との間に嵌め込まれているシュラウドプレート98は線膨張係数が高いため、この熱膨張に伴うセンタハウジング51bとノズルプレート94との間の空間の拡大量(半径方向への拡大量:具体的には、上記スリーブ51fの外周面である内側当接面51gとノズルプレート94の内周面94dとの間の拡大量)に対して、シュラウドプレート98の膨張量(半径方向への膨張量)が同等またはそれ以上となる。つまり、センタハウジング51bとノズルプレート94との間の空間が半径方向に拡大しても、それを埋めるようにシュラウドプレート98が半径方向に膨張することになり、シュラウドプレート98がセンタハウジング51bとノズルプレート94の各面から離れてしまうといった状況は生じない。つまり、シュラウドプレート98の開口98aの内周面がセンタハウジング51bのスリーブ51fの内側当接面51gに強圧された状態、および、シュラウドプレート98のプレート当接部98eの外周面がノズルプレート94の内周面94dに強圧された状態が維持される。また、シュラウドプレート98の半径方向への膨張量はその全周に亘って均一である。これにより、センタハウジング51bとノズルプレート94との間でのがたつき発生が防止され、センタハウジング51bに対するノズルプレート94の組付け位置を安定的に得ることができる。言い換えると、熱膨張が生じても、センタハウジング51bの軸心位置とノズルプレート94の軸心位置とにズレを生じさせることがない。その結果、各ノズルベーン96,96,…の支持位置にズレを生じさせることがなく、ノズルベーン96,96,…の制御姿勢に応じた適切な過給性能を得ることができる。
また、上記ハーフビードガスケット99は、シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間で挟み込まれて弾性変形しているため、シュラウドプレート98を介してノズルプレート94をノズルベーン96側に弾性付与することができる。具体的には、ハーフビードガスケット99の第1当接部99aがシュラウドプレート98の第2の平板部98dをノズルベーン96側に向けて押圧し、その押圧力を受けたシュラウドプレート98の第3の平板部98fがノズルプレート94の径方向面94eに押圧力を与え、これにより、ノズルプレート94がノズルベーン96側に向かって押圧されている。
このような状態で、ノズルプレート94やノズルベーン96が熱膨張した場合、上記弾性力に抗してノズルプレート94がノズルベーン96から後退する方向へ移動することが可能であるので、上記ノズルサイドクリアランスが無くなって摺動抵抗が増大してしまうといった状況を回避できる。また、上記弾性力が作用しているため、ノズルサイドクリアランスが広くなり過ぎることもない。
更に、上記弾性力により、ハーフビードガスケット99は、シュラウドプレート98の第2の平板部98dおよびセンタハウジング51bの端面にそれぞれ強圧されているので、これら当接部分でのシール性が高く確保されている。このため、タービンハウジング51cに流れ込んできた排気ガスの一部がタービンホイールアッセンブリ52cの背面側に流れ込もうとしても、上記シール機能が発揮されていることで、シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間の空間を経てタービンシャフト52aの外周囲にまで排気ガスが達してしまうことを防止できる。これにより、排気ガスのエネルギを効果的に利用して高い過給性能を確保することができる。
また、本実施形態では、上記ハーフビードガスケット99を、センタハウジング51bに形成された冷却水通路Wに対向する位置に配設している。このため、ハーフビードガスケット99の熱膨張量を低減することができ、上記シール機能を安定的に発揮させることができる。また、ハーフビードガスケット99を、高い耐熱性を有する材料で形成する必要がないので、コストの低廉化を図ることもできる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記ハーフビードガスケット99に代えてウェーブワッシャ(弾性部材)99’を備えさせた点が上記第1実施形態のものと異なっている。その他の構成は第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、ウェーブワッシャ99’の構成および機能について主に説明する。
図9は、本実施形態に係るターボチャージャ5のノズルプレート94およびノズルベーン96周辺を拡大して示す断面図である。
この図9に示すように、上記シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間にはウェーブワッシャ99’が配設されている。このウェーブワッシャ99’は、センタハウジング51bの周方向に亘って連続して往復するような波板形状とされたリング状の金属製部材であり、シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの間で挟み込まれることによりセンタハウジング51bの軸心に沿う方向での弾性力を発生させるようになっている。この弾性力により、上述した実施形態におけるハーフビードガスケット99と同様の機能を発揮する。
本実施形態においてシュラウドプレート98を備えさせたことによる作用効果は上記実施形態の場合と同様である。また、ウェーブワッシャ99’を備えさせたことによる作用効果は上記実施形態におけるハーフビードガスケット99を備えさせたことによる作用効果と同様である。
従って、本実施形態においても、上記実施形態の場合と同様に、センタハウジング51bとノズルプレート94との間でのがたつき発生が防止され、センタハウジング51bに対するノズルプレート94の組付け位置を安定的に得ることができる。その結果、各ノズルベーン96,96,…の支持位置にズレを生じさせることがなく、ノズルベーン96,96,…の制御姿勢に応じた適切な過給性能を得ることができる。
また、ウェーブワッシャ99’を備えさせたことにより、上記ノズルサイドクリアランスが無くなって摺動抵抗が増大してしまうといった状況を回避できる。また、上記弾性力が作用しているため、ノズルサイドクリアランスが広くなり過ぎることもない。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、上述したハーフビードガスケット99やウェーブワッシャ99’を備えさせず、ハーフビードガスケット99と同様の機能をシュラウドプレート98に備えさせた点が上記各実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記各実施形態のものと同様であるので、ここでは、シュラウドプレート98の機能について主に説明する。
図10は、本実施形態に係るターボチャージャ5のノズルプレート94およびノズルベーン96周辺を拡大して示す断面図である。
本実施形態におけるシュラウドプレート98は、外力が作用していない状態では、上記第3の平板部98fの位置が第1の平板部98bの位置よりも第2の平板部98d寄り(図10における左側寄り)に形成されている。このため、図10に示すように、シュラウドプレート98がノズルプレート94とセンタハウジング51bとの間に配設された状態では、上記第3の平板部98fと第1の平板部98bとが同一平面上に位置するように弾性変形している。このため、シュラウドプレート98には、図中に矢印で示すように弾性力(反力)が発生している。つまり、上記第3の平板部98fがノズルプレート94の径方向面94eに、第1の平板部98bがセンタハウジング51bの端面にそれぞれ強圧されている。これら付勢力は、ノズルプレート94をノズルベーン96側に弾性付与すると共に、シュラウドプレート98とセンタハウジング51bとの当接部分でのシール性を高く確保することに寄与する。これにより、シュラウドプレート98に、上述した各実施形態におけるハーフビードガスケット99と同様の機能を兼用させることができ、排気ガスの一部がタービンホイールアッセンブリ52cの背面側に流れ込むことを阻止できて、高い過給性能を確保することができる。
このように、本実施形態では、上述したハーフビードガスケット99やウェーブワッシャ99’を備えさせる必要が無いため、部品点数の削減及びコストの低廉化を図ることができる。
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態は、自動車用直列4気筒ディーゼルエンジンに適用されるターボチャージャについて説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。また、ガソリンエンジンに使用されるターボチャージャに対しても本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態では、ノズルプレート94およびシュラウドプレート98を共にステンレス製としたが、これらの構成材料はこれに限定されるものではない。
また、上述した実施形態における可変容量型ターボチャージャ5では、タービンハウジング51cを、鋳物で成る本体部51c−aと板金で成るプレート部51c−bとの2つの部材で構成していたが、タービンハウジング51c全体が鋳物で構成された一般的なターボチャージャに対しても本発明は適用可能である。
実施形態に係るエンジンおよびその制御系統の概略構成図である。 ターボチャージャにおけるタービンシャフトの軸心に沿った断面図である。 ターボチャージャのタービンホイールアッセンブリの一部を拡大して示す断面図である。 ノズルベーン開度が大きく設定された状態における可変ノズルベーン機構の正面図である。 ノズルベーン開度が大きく設定された状態における可変ノズルベーン機構の背面図である。 ノズルベーン開度が小さく設定された状態における可変ノズルベーン機構の正面図である。 ノズルベーン開度が小さく設定された状態における可変ノズルベーン機構の背面図である。 第1実施形態におけるノズルベーンおよびその周辺部を示す断面図である。 第2実施形態におけるノズルベーンおよびその周辺部を示す断面図である。 第3実施形態におけるノズルベーンおよびその周辺部を示す断面図である。
符号の説明
5 可変容量型ターボチャージャ
51b センタハウジング(ハウジング部材)
51g 内側当接面
52 タービン
9 可変ノズルベーン機構
94 ノズルプレート(プレート部材)
94d 内周面
94e 径方向面
96 ノズルベーン
98 シュラウドプレート(位置決め部材)
98e プレート当接部
98f 第3の平板部
99 ハーフビードガスケット(弾性部材)
99’ ウェーブワッシャ(弾性部材)

Claims (4)

  1. ノズルベーンを支持するプレート部材と、一端にタービンブレードを、他端にコンプレッサブレードを有し、タービンブレードに気体が当たることにより回転してコンプレッサブレードによる過給動作を行うタービンと、このタービンを回転自在に支持するハウジング部材とを備えた可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記プレート部材における内周側に向かう面とハウジング部材における外周側に向かう面との間には、プレート部材の半径方向に延びる位置決め部材が嵌め込まれており、この位置決め部材は、上記プレート部材を構成する材料の線膨張係数よりも高い線膨張係数を有する材料により形成されていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  2. 上記請求項1記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記タービンブレードとハウジング部材との間の空間には、上記プレート部材とハウジング部材とをタービンの軸心に沿う方向で互いに離間する方向への付勢力を与えることでプレート部材の上記軸心方向の位置を規制する弾性部材が配設されていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  3. 上記請求項2記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    位置決め部材は、プレート部材における内周側に向かう面に当接する当接部と、プレート部材においてノズルベーンの配設位置とは反対側に位置して軸心に略直交する方向に延びる面に当接する当接部とを備えており、
    上記弾性部材は、ハウジング部材と位置決め部材との間に配設されて、位置決め部材を介してプレート部材に付勢力を付与していることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
  4. 上記請求項1記載の可変容量型ターボチャージャにおいて、
    上記位置決め部材は、上記プレート部材とハウジング部材とをタービンの軸心に沿う方向で互いに離間する方向への付勢力を与えることでプレート部材の上記軸心方向の位置を規制する弾性部材としての機能を備えていることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ。
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