JP2009275314A - アセテートトウの品質測定方法、その捲縮レベルの制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行中のアセテートトウ(1) の強力値を演算測定する密度量測定装置(4) の近赤外線分光光度計と、得られた強力値をもとに捲縮付与工程(2) のクリンプ圧力条件を変更するアセテートトウ(1) の捲縮制御装置、およびアセテートトウ(1) が捲縮付与工程から梱包工程まで連続して走行する際に、走行するアセテートトウの強力値を測定し、得られた強力値をもとに、捲縮付与工程におけるクリンプ圧力条件を変更するアセテートトウの捲縮制御方法にある。
【選択図】図1
Description
本実施形態によれば、捲縮付与装置2を経て捲縮が付与された連続走行するアセテートトウ1を乾燥機3により乾燥したのち、その密度を密度量測定装置4にて測定し、得られた密度量をもとに捲縮レベルを判定する。
ここで、R =I/Ir (Iはアセテートトウから拡散反射する反射光強度、Irはアセテートトウからの反射光強度)、A=log(1/R)=log(Ir/ I ) である。
なお本発明では、測定装置4で測定して得られた測定値に基づき、捲縮付与装置2の圧力条件を制御することが必要であるが、空気圧を使用する捲縮付与装置2を用い、該捲縮付与装置2に供給される空気の供給圧力を制御することが好ましい。
また、走行するアセテートトウ1の強力値の測定は、近赤外線分光光度計を用いて非接触で行うことが、トウの走行安定性、品質保持の点から好ましい。
X=ln(v0/v1)/ ln(v0/v2)・・・(1)
ここで、Xは補正吸光度であり、v0は参照波長の反射光強度、v1は測定波長の反射光強度、v2は正規化波長の反射光強度を示す。
式(1)から得られる補正吸光度Xから測定波長の吸光度減衰率を算出する。この減衰率とアセテートトウの密度との間には所定の相関のあることが知られている。更に、アセテートトウの密度と捲縮付与レベルとの間にも相関のあることが知られている。なお、本実施形態にあって、上記近赤外線分光光度計には、本発明の制御部としてマイクロコンピュータ49が内蔵されており、上記信号処理部45、データ処理部46及び出力部47は同コンピュータ49に設けられている。アセテートトウ1の前記吸光度減衰率及び密度量は前記データ処理部46の減衰率演算部46a及び密度量演算部46bにてそれぞれ演算され、捲縮付与レベルを評価することができる。
(実施例1)
1フィラメントあたりの繊度:1.9デシテックス、トウ繊度:44000デシテックス、目標強力値:200Nのアセテートトウを捲縮付与装置2の圧力条件を変更することで強力値180〜380N程度のトウを作成した。このトウをサンプリングし、オフラインの状態で密度量測定装置4を用いて吸光度の測定を行った。次に、そのサンプルを破断強力試験し、相関性を求めた結果を表1に示す。密度量測定装置4である近赤外線分光光度計(NIRS)にはジェイティエンジニアリング社製のJE−70N型を使用した。任意の光学フィルターにより1770nmと2220nmと2300nmの3波長の吸光度を選択的に測定し、参照波長1770nmの吸光度に対する測定波長である2220nmの吸光度の比率を求め、更に2300nmで正規化した吸光度と破断強力試験の値の相関性を調査した。この結果、相関係数0.99となった。
図1に示す装置を用い、1フィラメントあたりの繊度:3.3デシテックス、トウ繊度:38900デシテックス、目標強力値:160nのアセテートトウ製造ラインの乾燥工程の下流側に密度量測定装置4を設置し、オンラインで吸光度の測定を行った。この際、捲縮付与装置2の圧力条件を9回変更し、9段階の強力値の異なるトウを作成した。各条件あたり30秒間の吸光度値をコンピュータ内の演算部でモニタリングし平均値を求めた。また、その間のアセテートトウをサンプリングし破断強力試験を行った。この両試験で求めた強力値の結果を表2に示す。オンライン走行の測定となることから密度測定装置4と破断強力試験での測定点が合致していないにも関わらず、相関係数でr=0.9を超える好結果が得られた。
2 捲縮付与装置
3 乾燥機
4 密度量測定装置(近赤外線分光光度計)
5 表示部
41 近赤外線光源部
42 分光部
43 照射部
44 測光部
45 信号処理部
46 データ処理部
46a 減衰率演算部
46b 密度量演算部
46c 記憶部
46d 強力値演算部
47 出力部
49 コンピュータ
Claims (7)
- アセテートトウに照射する近赤外線の参照波長を1770nm、測定波長を2220nmとし、さらに2300nmで正規化すること、
アセテートトウに前記特定波長の近赤外線を照射して、前記各波長の吸光度からアセテートトウの近赤外線減衰率を測定すること、
前記減衰率からアセテートトウの密度量を演算すること、及び
得られる前記密度量から繊維帯の捲縮レベルを判定すること、
を含んでなるアセテートトウの品質測定方法。 - 請求項1に記載された密度量の演算結果から、アセテートトウの密度量と引っ張り破断強度試験による繊維の強力値との相関から予め作成した相関回帰式に基づき強力値を演算して表示することを含んでなる、アセテートトウの品質測定方法。
- 請求項1に記載された品質測定方法により得られる捲縮レベルが規格のレベルから外れたとき、空気圧を利用するクリンプ装置の空気供給圧を制御することを含んでなる、アセテートトウの捲縮レベルの制御方法。
- 請求項2に記載された品質測定方法により得られる繊維の強力値が規格の範囲から外れたとき、空気圧を利用するクリンプ装置の空気供給圧を制御することを含んでなる、アセテートトウの捲縮レベルの制御方法。
- 請求項3又は4に記載されたアセテートトウの捲縮レベルの制御をアセテートトウの製造工程上で連続して行うことを含んでなるアセテートトウの捲縮レベルの制御方法。
- 請求項5に記載された制御方法をオンラインにて連続して実施するための装置にあって、
捲縮付与装置及び乾燥機を経て連続走行するアセテートトウの密度量を演算する密度量演算手段と、当該密度量演算手段による演算結果に基づき前記繊維の強力値を演算する強力値演算手段と、当該強力値演算手段による演算結果を表示する表示手段とを備え、
前記密度量演算手段は近赤外線分光光度計を含んでなり、
当該近赤外線分光光度計は、近赤外線光源、光源照射部、特定波長を透過するフィルターを有する分光部、測光部、信号処理部、及び近赤外線減衰率演算部を含むデータ処理部を有し、
前記特定波長が、1770nmの参照波長、2220nmの測定波長、及び2300nmで正規化された波長であり、
前記強力値演算手段は、アセテートの密度量と繊維の強力値との相関から予め作成した相関回帰式に基づき、前記密度量演算手段により演算された密度量から前記強力値を演算し、その演算結果を上記表示手段に出力する出力部を有してなる、
アセテートトウの捲縮レベルの制御装置。 - 前記強力値の前記演算結果に基づき、空気圧を利用する前記捲縮付与装置の空気供給圧を制御する制御部を有してなる請求項6記載のアセテートトウの捲縮レベルの制御装置。
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