JP5617032B2 - 膨こう性測定方法 - Google Patents
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Description
(検量線の作成)
従来の膨こう性測定法を用いて膨こう性を測定した、国内外のたばこ黄色種のたばこ刻を、粉砕機で粉状にした。編み目約1mmの粉砕機のふるいを通過した葉たばこ粉末を、検量線作成試料として用いた。検量線作成試料について、800〜2500nmの近赤外波長領域に関し、0.5nm間隔で透過吸収スペクトルを測定した。具体的には、石英製バイアル瓶(29mm径)に検量線作成試料を1〜2g程度詰め、専用具で鎮圧した後、近赤外線分光測定装置(FOSS NIRSystems社製、型式:XM−1100)を用いて、バイアル瓶の底面から近赤外線を照射し、波長毎に反射する近赤外線を検出してレファレンス強度との違いから透過吸収スペクトルを測定した。
膨こう性値が未知である黄色種たばこ刻について、近赤外分光法によりスペクトル測定を行い、上記検量線を用いて膨こう性を推定した。まず、検量線作成試料の調製と同様にして、膨こう性値が未知である黄色種たばこ刻を粉砕機で粉状にし、ふるいにかけて測定試料とした。透過吸収スペクトルを測定し、スペクトル測定後に微分処理した波長1342.5nm、1736.5nm、1830.5nm、2345.0nm、および2432.5nmにおける吸光度および推定式(A5)を用いて、測定試料43サンプルについて膨こう性推定値を算出した。なお、1サンプルの測定に要する時間は、1分以下である。
(検量線の作成)
検量線作成試料を、国内外のたばこバーレー種177サンプルとした以外は、実施例1と同様にして、重回帰分析によって検量線を作成した。その結果、以下の推定式(B1)〜(B5)を得ることができた。下記推定式によって得られるYが膨こう性の推定値である。K(1)〜K(5)は、それぞれ、スペクトル測定後に微分処理された、波長1152.5nm、2263.5nm、2360.0nm、1792.5nm、および1892.5nmにおける吸光度を示している。
膨こう性値が未知であるバーレー種たばこ刻について、近赤外分光法によりスペクトル測定を行い、上記検量線を用いて膨こう性を推定した。まず、検量線作成試料の調製と同様にして、膨こう性値が未知であるバーレー種たばこ刻を粉砕機で粉状にし、ふるいにかけて測定試料とした。透過吸収スペクトルを測定し、スペクトル測定後に微分処理した波長1152.5nm、1792.5nm、1892.5nm、2263.5nm、および2360.0nmにおける吸光度および推定式(B5)を用いて、測定試料47サンプルについて膨こう性推定値を算出した。
(検量線の作成)
検量線作成試料を、国内外のたばこオリエント種71サンプルとした以外は、実施例1と同様にして、重回帰分析によって検量線を作成した。その結果、以下の推定式(C1)〜(C5)を得ることができた。下記推定式によって得られるYが膨こう性の推定値である。K(1)〜K(5)は、それぞれ、スペクトル測定後に微分処理された、波長2264.0nm、2357.0nm、1515.5nm、1701.0nm、および1207.0nmにおける吸光度を示している。
膨こう性値が未知であるオリエント種たばこ刻について、近赤外分光法によりスペクトル測定を行い、上記検量線を用いて膨こう性を推定した。まず、検量線作成試料の調製と同様にして、膨こう性値が未知であるオリエント種たばこ刻を粉砕機で粉状にし、ふるいにかけて測定試料とした。透過吸収スペクトルを測定し、スペクトル測定後に微分処理した波長1207.0nm、1515.5nm、1701.0nm、2264.0nm、および2357.0nmにおける吸光度および推定式(C5)を用いて、測定試料19サンプルについて膨こう性推定値を算出した。
(検量線の作成)
検量線作成試料をたばこ黄色種176サンプル、バーレー種177サンプルおよびオリエント種71サンプルの計424サンプルとした以外は、実施例1と同様にして、重回帰分析によって検量線を作成した。その結果、以下の推定式(D1)〜(D5)を得ることができた。下記推定式によって得られるYが膨こう性の推定値である。K(1)〜K(5)は、それぞれ、スペクトル測定後に微分処理された、波長1341.0nm、2439.0nm、2355.0nm、2077.5nm、および1977.0nmにおける吸光度を示している。
膨こう性値が未知である黄色種、バーレー種およびオリエント種それぞれのたばこ刻について、近赤外分光法によりスペクトル測定を行い、上記検量線を用いて膨こう性を推定した。まず、検量線作成試料の調製と同様にして、膨こう性値が未知である黄色種、バーレー種またはオリエント種のたばこ刻を粉砕機で粉状にし、ふるいにかけて測定試料とした。透過吸収スペクトルを測定し、スペクトル測定後に微分処理した波長1341.0nm、1977.0nm、2077.5nm、2355.0nm、および2439.0nmにおける吸光度および推定式(D5)を用いて、黄色種43サンプル、バーレー種47サンプル、およびオリエント種19サンプルについて膨こう性推定値を算出した。
(検量線の作成)
検量線作成試料を、国内外のたばこ黄色種640サンプル、バーレー種568サンプル、オリエント種142サンプルおよび在来種71サンプルの計1421サンプルとして、それぞれについて、実施例1の同様の手法により透過吸収スペクトルを測定した。測定した透過吸収スペクトルと従来の手法により測定した膨こう性との相関をPLS回帰分析を用いて解析した。詳細には、上記近赤外線分光測定装置に内蔵された汎用VISIONソフト(FOSS NIRSystems社製)を用いて、各透過吸収スペクトルを2次微分法でスペクトル変換し、主成分分析を行った後に、PLS回帰分析によって検量線を作成した。その結果、決定係数(R2)が0.8977である実用上十分な相関が認められる検量線が得られた。
膨こう性値が未知である黄色種、バーレー種、オリエント種および在来種のたばこ刻について、近赤外分光法によりスペクトル測定を行い、上記検量線を用いて膨こう性を推定した。まず、検量線作成試料の調製と同様にして、膨こう性値が未知である黄色種、バーレー種、オリエント種または在来種のたばこ刻を粉砕機で粉状にし、ふるいにかけて測定試料とした。波長800nm〜2500nmの領域内で、0.5nm毎に吸収スペクトルを測定し、上記で得た推定式を用いて、黄色種213サンプル、バーレー種189サンプル、オリエント種47サンプルおよび在来種24サンプルの計473サンプルについて膨こう性推定値を算出した。
(検量線の作成)
検量線作成試料を、国内外のたばこ黄色種284サンプル、バーレー種221サンプル、オリエント種63サンプおよび在来種63サンプルの計631サンプルとして、それぞれについて、実施例1と同様の手法により透過吸収スペクトルを測定した。ただし、測定には、粉状にした試料ではなく、たばこ刻自体を用いた。測定した透過吸収スペクトルと従来の手法により測定した膨こう性との相関を、実施例5と同様の手法によりPLS回帰分析を用いて解析した。その結果、決定係数(R2)が0.8811である実用上十分な相関が認められる検量線が得られた。
(近赤外分光法による膨こう性の測定)
膨こう性値が未知である黄色種、バーレー種、オリエント種および在来種のたばこ刻について、近赤外分光法によりスペクトル測定を行い、上記検量線を用いて膨こう性を推定した。まず、検量線作成試料の調整と同様にして、膨こう性値が未知である黄色種、バーレー種、オリエント種および在来種のたばこ刻をそのまま測定試料とした。波長800〜2500nmの領域内で、0.5nm毎に吸収スペクトルを測定し、上記で得た推定式を用いて、黄色種93サンプル、バーレー種72サンプル、オリエント種21サンプル、および在来種21サンプルの計207サンプルについて膨こう性推定値を算出した。
Claims (3)
- 粉末形態であるたばこ原料の試料に近赤外線を照射し、透過吸収スペクトルまたは拡散反射スペクトルを測定する工程と、
測定された上記透過吸収スペクトルまたは上記拡散反射スペクトルを用いて、予め作成された検量線から膨こう性推定値を算出する工程とを含むことを特徴とするたばこ原料の膨こう性測定方法。 - 膨こう性が既知である複数の上記原料の試料の透過吸収スペクトルまたは拡散反射スペクトルを用いて、多変量解析によって上記検量線を作成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の膨こう性測定方法。
- 上記多変量解析は、重回帰分析またはPLS回帰分析であることを特徴とする請求項2に記載の膨こう性測定方法。
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