JP2009275268A - フェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】介在物に起因し表面欠陥の発生がなく、延性に優れ、かつリジングの小さいフェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.30%以下、Mn:0.30〜1.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.02%以下、N:0.01〜0.08%、Cr:16.0〜18.0%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、Cr炭窒化物の析出したフェライト結晶粒からなる組織とを有し、圧延方向と板厚方向がつくる断面において、板厚方向の平均フェライト結晶粒径Dzと圧延方向の平均フェライト結晶粒径Dlの比Dz/Dlが0.7以上であり、かつCr炭窒化物の観察視野に占める面積率Spが2%以上、平均円相当径Dpが0.5μm以上であるフェライト系ステンレス冷延鋼板;ただし、Cr炭窒化物のSpやDpは、SEMにより2000倍で観察して求めたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェライト系ステンレス冷延鋼板、特に、介在物に起因した表面欠陥の発生がなく、延性に優れ、かつリジングの小さいフェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法に関する。
フェライト系ステンレス冷延鋼板は、安価で耐食性に優れているので、建築材料、輸送機器、家庭電化製品、厨房機器、化学プラント、貯水槽、自動車部品などの様々な用途に使用されている。しかし、フェライト系ステンレス冷延鋼板には、延性に乏しく、また、加工の際にリジングと呼ばれる表面凹凸が発生するという欠点がある。
そこで、これまでフェライト系ステンレス冷延鋼板の延性やリジング特性を向上させる技術が種々検討されている。例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.01%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.3%以下、P:0.010〜0.040%、S:0.01%以下、Cr:8〜30%、Al:1.0%以下、Ti:0.05〜0.5% およびN:0.04%以下を含有し、かつ8≦Ti/(C+N)≦30である組成の鋼板において、フェライト結晶粒度が6.0以上で、かつ鋼板中のTi系析出物の平均粒径Dpが0.05〜1.0μmであるTi添加フェライト系ステンレス鋼板が開示されている。また、特許文献2には、質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:10〜35%、N:0.02%以下を含有し、さらにTi/(C+N)が4以上かつTi:0.30%以下およびNb/(C+N)が7以上かつNb:0.50%以下を1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物とからなり、熱延板焼鈍時の1μm以下の析出物数が100μm2あたり100個以下である加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼が開示されている。さらに、特許文献3には、質量%で、C:0.02〜0.05%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、N:0.02〜0.05%、Cr:15〜18%、Al:0.10〜0.30%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有する鋼片を、1100〜1250℃に加熱後、熱間圧延を実施し、最終パス出側温度950℃以上で熱間圧延を終了し、熱間圧延後、20〜80℃/sの冷却速度で500〜650℃の巻取温度まで冷却して、フェライト+マルテンサイトの複合組織からなり、かつ体積率で10〜20%のマルテンサイトを有する熱延板を得、得られた熱延板に引き続き850〜980℃の温度範囲で180〜300sの焼鈍を行い、次いで15℃/s以上の冷却速度で急冷して熱延焼鈍板を得、さらに該熱延焼鈍板に、冷間圧延そして仕上げ焼鈍を施す耐リジング性、プレス成形性に優れ、表面性状の良好なアルミニウム含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法が開示されている。
特開2004-84067号公報 特開平9-263903号公報 特開平9-111354号公報
しかしながら、特許文献1と2に記載のフェライト系ステンレス鋼板では、多量のTiが含有されているため、Ti系介在物に起因した表面欠陥が発生しやすいという問題がある。また、特許文献3に記載の方法で製造されたフェライト系ステンレス鋼板では、Al含有量が高いため、AlNの析出によって圧延方向に展伸したフェライト結晶粒が生成しやすくなり、リジングを十分に小さくできないのみならず、Al系介在物に起因した表面欠陥が発生しやすいという問題がある。
本発明は、介在物に起因した表面欠陥の発生がなく、延性に優れ、かつリジングの小さいフェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、介在物に起因した表面欠陥の発生がなく、延性に優れ、かつリジングの小さいフェライト系ステンレス冷延鋼板について鋭意検討した結果、以下のことを見出した。
i) Tiを添加せず、Al量を低減すれば、介在物の生成が抑制され、表面欠陥の発生を防止できる。
ii) 板厚方向のフェライト結晶粒径に比較して、圧延方向のフェライト結晶粒径を過度に大きくしなければ、リジングを小さくできる。
iii) 固溶のC、Nを、できる限り大きなCr炭窒化物として析出させれば、延性を向上できるとともに、ii)のようなフェライト結晶粒の制御が可能になる。
iv) こうしたCr炭窒化物の制御は、熱間圧延後の巻取り条件と巻取り後の熱延板熱処理条件により可能である。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.30%以下、Mn:0.30〜1.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.02%以下、N:0.01〜0.08%、Cr:16.0〜18.0%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、Cr炭窒化物の析出したフェライト結晶粒からなる組織とを有し、圧延方向と板厚方向がつくる断面において、板厚方向の平均フェライト結晶粒径Dzと圧延方向の平均フェライト結晶粒径Dlの比Dz/Dlが0.7以上であり、かつCr炭窒化物の観察視野に占める面積率Spが2%以上、平均円相当径Dpが0.5μm以上であることを特徴とするフェライト系ステンレス冷延鋼板を提供する。ただし、Cr炭窒化物のSpやDpは、走査型電子顕微鏡(SEM)により2000倍で観察して求めたものである。
本発明のフェライト系ステンレス冷延鋼板は、例えば、上記の成分組成を有するスラブを、熱間圧延し、400〜700℃の巻取温度で巻取った後、200〜700℃の温度範囲で5時間以上保持後750〜850℃の温度範囲で1時間以上保持する熱延板熱処理を施し、酸洗後、圧下率60%以上で冷間圧延し、750〜850℃の温度範囲で20〜240秒間保持する焼鈍を施すことを特徴とする方法により製造できる。
本発明により、介在物に起因した表面欠陥の発生がなく、延性に優れ、かつリジングの小さいフェライト系ステンレス冷延鋼板を製造できるようになった。
以下に、本発明であるフェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法の詳細を説明する。
1) 成分組成(以下の成分含有量の単位を示す「%」は、「質量%」を表す。)
C:0.01〜0.08%
Cは、熱間圧延後の巻取り時にマルテンサイトに固溶させ、その後の熱処理で粗大なCr炭化物として析出させると、冷間圧延・焼鈍後の延性やリジングを改善する。こうした効果を得るには、C量を0.01%以上とする必要がある。一方、C量が0.08%を超えると、Cr炭化物の量が過剰になり、延性が低下する。したがって、C量は0.01〜0.08%とする。
Si:0.30%以下
Si量が0.30%を超えると、硬質化し、延性が低下する。したがって、Si量は0.30%以下とする。
Mn:0.30〜1.0%
Mnは、オーステナイト生成元素であり、熱間圧延後の巻取り時にC、Nを固溶させるマルテンサイトの生成を促進するため、その後の熱延板熱処理で粗大なCr炭窒化物を析出させて延性やリジングの改善を図る上で効果的な元素である。こうした効果を得るには、Mn量を0.30%以上とする必要がある。一方、Mn量が1.0%を超えると、MnSの析出が促進され、耐食性が低下する。したがって、Mn量は0.30〜1.0%とする。
P:0.05%以下
P量が0.05%を超えると、フェライト粒界への偏析により脆化が激しくなるとともに、硬質化により延性が著しく低下する。したがって、P量は0.05%以下とする。
S:0.01%以下
S量が0.01%を超えると、耐食性が著しく低下する。したがって、S量は0.01%以下とする。
Al:0.02%以下
Alは、フェライト生成元素であるので、熱間圧延後の巻取り時にC、Nを固溶させるマルテンサイトの生成を抑制する。Al量が0.02%を超えると、巻取り時にマルテンサイト相の生成が著しく抑制され、その後の熱延板熱処理で粗大なCr炭窒化物を析出させることができなくなり、延性やリジングの改善を図れない。したがって、Al量は0.02%以下とする。
N:0.01〜0.08%
Nは、Cと同様、熱間圧延後の巻取り時にマルテンサイトに固溶させ、その後の熱延板熱処理で粗大なCr窒化物として析出させると、冷間圧延・焼鈍後の延性やリジングを改善する。こうした効果を得るには、N量を0.01%以上とする必要がある。一方、N量が0.08%を超えると、Cr窒化物の量が過剰になり、延性が低下する。したがって、N量は0.01〜0.08%とする。
Cr:16.0〜18.0%
Crは、フェライト系ステンレス冷延鋼板の表面に不動態皮膜を形成して耐食性を向上させる。こうした効果を得るには、Cr量を16.0%以上とする必要がある。一方、Crは、Alと同様、フェライト生成元素であるので、熱間圧延後の巻取り時にC、Nを固溶させるマルテンサイトの生成を抑制する。特に、Cr量が18.0%を超えると、マルテンサイトの生成が著しく抑制され、その後の熱延板熱処理で粗大なCr炭窒化物を析出させることができなくなり、延性やリジングの改善を図れない。したがって、Cr量は16.0〜18.0%とする。
残部はFeおよび不可避的不純物であるが、不可避的不純物の量は可能な限り低減することが好ましい。
2) 組織
2.1) 板厚方向の平均フェライト結晶粒径Dzと圧延方向の平均フェライト結晶粒径Dlの比Dz/Dl:0.7以上
冷間圧延・焼鈍後の鋼板において圧延方向と板厚方向がつくる断面を観察したとき、板厚方向の平均フェライト結晶粒径Dzに比べて圧延方向の平均フェライト結晶粒径Dlが大きすぎると、すなわちDz/Dlが0.7未満だと、変形挙動の等しい領域が圧延方向に大きくなり、リジングが大きくなる。したがって、Dz/Dlは0.7以上とする。
ここで、板厚方向の平均フェライト結晶粒径Dzと圧延方向の平均フェライト結晶粒径Dlは、圧延方向と板厚方向がつくる断面を研磨後、王水で腐食し、光学顕微鏡で100倍で観察し、板厚方向と圧延方向に貫く線分を描き、それぞれの線分と交わるフェライト結晶粒の数でそれぞれの線分の長さを除して求めた。
2.2) Cr炭窒化物の観察視野に占める面積率Sp:2%以上、平均円相当径Dp:0.5μm以上
フェライト系ステンレス冷延鋼板においては、C、Nは、その大部分がCr炭窒化物として析出しているが、なるべくCr炭窒化物が大きく析出していることが、優れた延性を得る上で好ましい。これは、固溶C、Nが存在したり、Cr炭窒化物が微細だと、固溶強化、析出強化の効果が大きくなって延性の低下を招くためである。したがって、圧延方向と板厚方向がつくる断面において、Cr炭窒化物の観察視野に占める面積率Spは2%以上、平均円相当径Dpは0.5μm以上とする。なお、こうしたCr炭窒化物は、熱間圧延後の巻取り条件と巻取り後の熱延板熱処理条件を最適化することにより形成されるが、上記した冷間圧延・焼鈍後のフェライト結晶粒の制御にも効果的な役割を演じる。
ここで、圧延方向と板厚方向がつくる断面におけるCr炭窒化物のSpとDpは、SEMにより鋼板の板厚方向1/2位置を2000倍で5視野観察し、画像解析して求めた平均値である。なお、平均円相当径とは、観察されるCr炭窒化物と同じ面積を持つ円の直径を平均したものである。
3) 製造条件
上述したように、本発明のフェライト系ステンレス冷延鋼板は、例えば、本発明の範囲内にある成分組成を有するスラブを、熱間圧延し、400〜700℃の巻取温度で巻取った後、200〜700℃の温度範囲で5時間以上保持後750〜850℃の温度範囲で1時間以上保持する熱延板熱処理を施し、圧下率60%以上で冷間圧延後、750〜850℃の温度範囲で20〜240秒間保持する焼鈍を施すことにより製造できる。
まず、本発明の成分組成に調整した鋼を、転炉または電気炉などで溶製(一次精錬)し、さらに脱炭処理(いわゆる二次精錬)を施す。二次精錬は、強攪拌真空酸素脱炭法(いわゆるVOD法)で行うことが好ましい。得られた溶鋼は、連続鋳造法あるいは造塊法によってスラブとする。鋳造は、生産性の高い連続鋳造法が好ましい。
次いで、スラブを必要に応じて再加熱し、熱間圧延して熱延板とした後、400〜700℃の巻取温度で巻取る。本発明の成分組成では、700℃以下の温度で巻取ることによってオーステナイトからフェライトへの変態を抑制し、C、Nを固溶させるに十分な量のマルテンサイトの生成させることができる。また、巻取りの形状を安定させるため、巻取温度は400℃以上にする必要がある。
そして、C、Nを固溶させたマルテンサイトの生成した熱延板に、200〜700℃の温度範囲で5時間以上保持の1段目の熱処理を施して粗大なCr炭窒化物を析出させ、引き続き750〜850℃の温度範囲で1時間以上保持の2段目の熱処理を施して板厚方向のフェライト結晶粒の成長を促せば、冷間圧延・焼鈍後の結晶粒が等軸で、方位がランダムとなり、延性を向上できるとともに、リジングを小さくできることになる。1段目の熱処理温度が200℃未満であったり、保持時間が5時間未満だと、粗大なCr炭窒化物を析出できず延性の低下を招くとともに、板厚方向のフェライト結晶粒の成長が抑制されてリジングも大きくなる。また、1段目の熱処理温度が700℃を超えると、Cr炭窒化物の粗大化が不十分のまま再結晶が開始するため、フェライト-マルテンサイト界面に析出したCr炭窒化物により板厚方向のフェライト結晶粒の成長が抑制されてリジングが大きくなる。一方、2段目の熱処理温度が750℃未満であったり、保持時間が1時間未満だと、十分に再結晶しないため、冷間圧延・焼鈍後の延性などが低下する。また、2段目の熱処理温度が850℃を超えると、Cr炭窒化物の溶解が起こり、オーステナイト相が生成し、冷却後にマルテンサイトが生成するため、冷間圧延・焼鈍後に延性の低下を招く。
熱延板熱処理後の熱延板は、酸洗後、圧下率60%以上で冷間圧延され、750〜850℃の温度範囲で20〜240秒間保持する焼鈍が施される。冷間圧延時の圧下率が60%未満だと、歪の付与が不十分となり、焼鈍後に十分な延性や深絞り性が得られない。焼鈍温度が750℃未満であったり、保持時間が20秒間未満だと、再結晶が十分に進行せず、焼鈍後の延性が著しく低下する。一方、焼鈍温度が850℃を超えると、その後の冷却時にマルテンサイトが生成し、延性の低下を招く。また、保持時間が240秒間を超えると、フェライト結晶粒が粗大化してリジングが大きくなる。
なお、焼鈍後は、形状矯正や降伏点伸び除去のため、0.5〜1.5%の伸び率でスキンパス圧延を施すことが好ましい。
表1に示す成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼No.1〜15を、転炉で溶製後二次精練して、連続鋳造法によりスラブとした。これらのスラブを、1200℃に加熱後熱間圧延して板厚4mmの熱延板とし、表2に示す巻取温度で巻取った。次いで、巻取り後の熱延板を、表2に示す1段目の温度で5時間保持後、2段目を温度800℃で2時間保持の条件で熱延板熱処理した。その後、熱処理後の熱延板を、酸洗後冷間圧延して板厚1mmの冷延板とし、750℃以上の温度で60秒間保持(最高到達温度:830℃)の条件で焼鈍し、鋼板No.1〜27を製造した。そして、得られた鋼板の幅方向中央部で組織観察し、上記した方法でフェライト結晶粒のDz/DlやCr炭窒化物のSpとDpを求めた。また、得られた鋼板から圧延方向と平行にJIS 13号引張試験片を各2本採取し、JIS Z 2201に準拠して、歪速度10mm/minで引張試験を行い、2本の試験片による全伸びの平均値を求めた。平均値が32%以上であれば高延性○、32%未満であれば低延性×と評価した。さらに、圧延方向と平行に、JIS 5号引張試験片を各2本採取し、JIS Z 2201に準拠し、試験片の片面を600番の研磨紙にて研磨した後、20%の単純引張予歪を付与し、試験片の中央部で表面粗度計を用いてうねり高さ(リジングに相当)を求め、2本の試験片の平均うねり高さを算出した。平均うねり高さが3μm未満であればリジング良好○、3μm以上であればリジング不良×と評価した。
結果を表2に示す。本発明例である鋼板No.1、4、7、10、12、14、16、18、20では、いずれも延性に優れ、リジングが小さいことがわかる。
なお、本発明例の鋼板には、介在物に起因した表面欠陥も認められなかった。これは、Tiが無添加で、Al量も少ないためと考えられる。
Figure 2009275268
Figure 2009275268

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.30%以下、Mn:0.30〜1.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.02%以下、N:0.01〜0.08%、Cr:16.0〜18.0%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、Cr炭窒化物の析出したフェライト結晶粒からなる組織とを有し、圧延方向と板厚方向がつくる断面において、板厚方向の平均フェライト結晶粒径Dzと圧延方向の平均フェライト結晶粒径Dlの比Dz/Dlが0.7以上であり、かつCr炭窒化物の観察視野に占める面積率Spが2%以上、平均円相当径Dpが0.5μm以上であることを特徴とするフェライト系ステンレス冷延鋼板;ただし、Cr炭窒化物のSpやDpは、走査型電子顕微鏡により2000倍で観察して求めたものである。
  2. 請求項1に記載の成分組成を有するスラブを、熱間圧延し、400〜700℃の巻取温度で巻取った後、200〜700℃の温度範囲で5時間以上保持後750〜850℃の温度範囲で1時間以上保持する熱延板熱処理を施し、酸洗後、圧下率60%以上で冷間圧延し、750〜850℃の温度範囲で20〜240秒間保持する焼鈍を施すことを特徴とするフェライト系ステンレス冷延鋼板の製造方法。
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