JP2009274078A - 熱間鍛造用金敷 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工材の表面割れ及び内部欠陥の圧着を簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】被加工材2を金敷本体3によって圧下をすることで被加工材2の鍛造を行う熱間鍛造用金敷1において、被加工材2に対向する金敷本体3の対向面6側に、金敷本体3での圧下の際に被加工材2の拘束を行う複数の円弧状の凹凸部7を設け、円弧状の凹凸部7の配置及び形状を適正化する。また、金敷本体3の対向面6側に、凹凸部7を対向面6の縦横に亘って配置して、凹凸部7の配置及び形状を適正化する。
【選択図】図2
【解決手段】被加工材2を金敷本体3によって圧下をすることで被加工材2の鍛造を行う熱間鍛造用金敷1において、被加工材2に対向する金敷本体3の対向面6側に、金敷本体3での圧下の際に被加工材2の拘束を行う複数の円弧状の凹凸部7を設け、円弧状の凹凸部7の配置及び形状を適正化する。また、金敷本体3の対向面6側に、凹凸部7を対向面6の縦横に亘って配置して、凹凸部7の配置及び形状を適正化する。
【選択図】図2
Description
本発明は、被加工材を圧下をすることで被加工材の鍛造を行う熱間鍛造用金敷に関するものである。
従来より、金属系材料等の被加工材を金敷によって圧下することによって被加工材の鍛造を行う鍛造方法が様々開示されている。これらの鍛造方法では、被加工材の鍛造後における表面疵の発生や内部欠陥を抑制するために、金敷の大きさや形状が様々開発されている(例えば、特許文献1〜特許文献3)。
特許文献1の自由鍛造方法は、金敷の表面を階段状に段差を付け、金敷の段差部に被加工材を順に送って圧下することによって、被加工材の内部欠陥の発生を抑制するようにしている。
特許文献1の自由鍛造方法は、金敷の表面を階段状に段差を付け、金敷の段差部に被加工材を順に送って圧下することによって、被加工材の内部欠陥の発生を抑制するようにしている。
特許文献2の熱間自由鍛造方法は、凹凸部を有する金敷を被加工材に対して圧下することによって、被加工材の表面のデッドメタル(素材が全く流動しないこと)の発生を抑え、被加工材の表面疵の発生を抑制するようにしている。
特許文献3の熱間鍛錬方法は、材料幅の0.4〜0.7倍の幅で、且つ、材料高さの0.3〜0.5倍の軸方向長さを有する金敷を用いて、予備加熱した金属材料の表面層を冷却しながら鍛錬を行うようにしている。この特許文献3では、素材形状に合わせた幅の広い金敷を用いて圧下を行うと共に、材料の表面層を冷却させることによって圧下荷重の内部への伝達を促進し、内部欠陥の圧着を行っている。
特開2006−341267号公報
特開2002−219547号公報
特開平6−277783号公報
特許文献3の熱間鍛錬方法は、材料幅の0.4〜0.7倍の幅で、且つ、材料高さの0.3〜0.5倍の軸方向長さを有する金敷を用いて、予備加熱した金属材料の表面層を冷却しながら鍛錬を行うようにしている。この特許文献3では、素材形状に合わせた幅の広い金敷を用いて圧下を行うと共に、材料の表面層を冷却させることによって圧下荷重の内部への伝達を促進し、内部欠陥の圧着を行っている。
特許文献1では、階段状の段差により被加工材の鍛造を行っていたので、数回程度の圧下によって被加工材の表面に表面疵(表面割れ)が発生し易いという問題がある。
特許文献2では表面疵を抑えることを目的としているため、内部欠陥を圧着して抑制することができないという問題がある。
特許文献3では、内部欠陥の圧着を行うために被加工材の冷却をする必要があり生産性が低下するという問題がある。
つまり、特許文献1〜3の技術を用いても、鍛造した際に、被加工材の表面割れと内部欠陥の圧着(内部欠陥の抑制)との両方を効率良く行うことは非常に困難であった。
特許文献2では表面疵を抑えることを目的としているため、内部欠陥を圧着して抑制することができないという問題がある。
特許文献3では、内部欠陥の圧着を行うために被加工材の冷却をする必要があり生産性が低下するという問題がある。
つまり、特許文献1〜3の技術を用いても、鍛造した際に、被加工材の表面割れと内部欠陥の圧着(内部欠陥の抑制)との両方を効率良く行うことは非常に困難であった。
そこで、本発明は、被加工材の表面割れ及び内部欠陥の圧着を簡単に行うことができる金敷を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明の手段は、被加工材を圧下をすることで前記被加工材の鍛造を行う熱間鍛造用金敷において、前記被加工材に対向する対向面側に、前記鍛造の際に被加工材の拘束を行う複数の円弧状の凹凸部を設け、前記対向面において前記被加工材の幅方向の両端部から式(1)で規定される距離(L)までの領域内に、少なくとも2つ以上の凹凸部が設けられており、前記凹凸部の配列ピッチ(P)を式(2)を満たすように設定し、前記凹凸部の配列ピッチ(P)と凹凸部の高さ(H)との関係を式(3)を満たすように設定し、前記凹凸部の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(4)を満たすように設定している点にある。
即ち、本発明の手段は、被加工材を圧下をすることで前記被加工材の鍛造を行う熱間鍛造用金敷において、前記被加工材に対向する対向面側に、前記鍛造の際に被加工材の拘束を行う複数の円弧状の凹凸部を設け、前記対向面において前記被加工材の幅方向の両端部から式(1)で規定される距離(L)までの領域内に、少なくとも2つ以上の凹凸部が設けられており、前記凹凸部の配列ピッチ(P)を式(2)を満たすように設定し、前記凹凸部の配列ピッチ(P)と凹凸部の高さ(H)との関係を式(3)を満たすように設定し、前記凹凸部の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(4)を満たすように設定している点にある。
本発明の他の手段は、加工材を圧下をすることで前記被加工材の鍛造を行う熱間鍛造用金敷において、前記被加工材に対向する対向面側に、前記鍛造の圧下の際に被加工材の拘束を行う複数の凹凸部を縦横に亘って配置しており、前記対向面の横方向に並べる凹凸部の個数を少なくとも3つ以上に設定し、前記対向面の縦方向に並べる凹凸部の個数を少なくとも2つ以上に設定し、前記凹凸部の横方向における配列ピッチ(P1)と凹凸部の高さ(H)との関係を式(5)を満たすように設定し、前記凹凸部の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(6)を満たすように設定している点にある。
本発明によれば、被加工材の表面割れ及び内部欠陥の圧着を簡単に行うことができる。
本発明の熱間鍛造用金敷について説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、金敷1は、ビレットやブルーム等の鋳片2を鍛造するものであって、鋳片(被加工材)2に対して圧下を行う上下移動可能な金敷本体3と、この金敷本体3の下側に上下移動不能に固定されて被加工材2が載置される載置台4とを備えている。
金敷本体3は、当該金敷本体3での圧下の際に被加工材2の表面の移動を拘束する拘束部5を備えている。詳しくは、被加工材2と対向する金敷本体3の表面6(対向面ということがある)に拘束部5が設けられ、この拘束部5は、円弧状に形成された複数の凹凸部7により構成されている。
[第1実施形態]
図1に示すように、金敷1は、ビレットやブルーム等の鋳片2を鍛造するものであって、鋳片(被加工材)2に対して圧下を行う上下移動可能な金敷本体3と、この金敷本体3の下側に上下移動不能に固定されて被加工材2が載置される載置台4とを備えている。
金敷本体3は、当該金敷本体3での圧下の際に被加工材2の表面の移動を拘束する拘束部5を備えている。詳しくは、被加工材2と対向する金敷本体3の表面6(対向面ということがある)に拘束部5が設けられ、この拘束部5は、円弧状に形成された複数の凹凸部7により構成されている。
このような金敷1では、平坦な載置台4に被加工材2を載置した後、金敷本体3を下降させて金敷本体3の対向面6で被加工材2の表面を押圧することによって、鍛錬を行うことができる。金敷本体3によって被加工材2を押圧すると、被加工材2の表面が圧下する方向と直交する方向(例えば、図1の紙面左右方向)に移動して材料(被加工材2)が流動するが、本発明の拘束部5、即ち、凹凸部7によって圧下時の材料の流動を抑制し、被加工材2の内部に大きな歪みを与えることで、内部欠陥を減少させている。
以下、金敷本体の対向面に設けられた凹凸部について、図2及び図3を用いて詳しく説明する。説明の便宜上、図2の左右方向を横方向又は幅方向、図2の上下方向を縦方向又は軸方向とする。
以下、金敷本体の対向面に設けられた凹凸部について、図2及び図3を用いて詳しく説明する。説明の便宜上、図2の左右方向を横方向又は幅方向、図2の上下方向を縦方向又は軸方向とする。
図2に示すように、金敷本体3の対向面6において、当該対向面6の横方向両端部側に複数の凹凸部7が設けられ、これらの凹凸部7は、対向面6の縦方向の一端から他端に延びる円弧状としている。対向面6の横方向一方側に設けられた各凹凸部7は中心OAが同じである同心円状のもので、対向面6の横方向他方側に設けられた各凹凸部7も中心OBが同じである同心円状のものとなっている。
金敷本体3の下側に設けられる被加工材2を基準にすると、この被加工材2と接する対向面6の領域(オーバラップ領域)に、凹凸部7が設けられるものとなっていている。被加工材2の端部(横方向端部)から対向面6の中心部に向けて距離Lが式(1)を満たすまでの領域(オーバラップ領域A1)に、少なくとも2つ以上の凹凸部7が設けられるものとなっている。
金敷本体3の下側に設けられる被加工材2を基準にすると、この被加工材2と接する対向面6の領域(オーバラップ領域)に、凹凸部7が設けられるものとなっていている。被加工材2の端部(横方向端部)から対向面6の中心部に向けて距離Lが式(1)を満たすまでの領域(オーバラップ領域A1)に、少なくとも2つ以上の凹凸部7が設けられるものとなっている。
言い換えれば、被加工材2の端部から25%(B/5)内側に入るオーバラップ領域A1に2つ以上の凹凸部7が設けられるものとなっている。さらに、詳しくは、1つのオーバラップ領域A1毎に1つ以上の凹凸部7が設けられている。
図2及び図3に示すように、対向面6の横方向両端部側に位置するぞれぞれの凹凸部7において、隣り合う凹凸部7の配列ピッチPは式(2)を満たすものとなっている。
図2及び図3に示すように、対向面6の横方向両端部側に位置するぞれぞれの凹凸部7において、隣り合う凹凸部7の配列ピッチPは式(2)を満たすものとなっている。
各凹凸部7の配列ピッチPと凹凸部7の高さHとの関係は、式(3)を満たすものとなっている。即ち、凹凸部7の基端から先端部までの高さHと、凹凸部7の先端部間の配列ピッチPとの関係は式(3)を満たすものとなっている。
各凹凸部7は、横断面視で基部から先端にいくにしたがって当該凹凸部7の頂部に向けて次第に傾斜するV字状の形状に形成されている。言い換えれば、各凹凸部7の形状は楔形のとなっている。各凹凸部7の先端部における開き角度θ、即ち、楔形を形成する第1傾斜面10と第2傾斜面11とのなす角θは、式(4)を満たすものとなっている。なお、各凹凸部7の先端部12は面取りとなったR状になっている。
以上、本発明の金敷1によれば、金敷本体3の対向面6側に、金敷本体3での圧下の際に被加工材2の拘束を行う複数の円弧状の凹凸部7を設け、被加工材2の両端部から中心に向けての距離Lが式(1)を満たすまでの対向面6の領域内に少なくとも2つ以上の凹凸部7を設け、隣り合う凹凸部7の配列ピッチPを式(2)を満たすように設定し、凹凸部7の配列ピッチPと凹凸部7の高さHとの関係を式(3)を満たすように設定し、凹凸部7の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度を式(4)を満たすように設定している。
凹凸部7を円弧状(同心円状)にすることによって、縦方向(軸方向)への被加工材2の表面側の材料の流動を拘束することに加えて、横方向(幅方向)への被加工材2の表面側の材料の流動を拘束することができる。即ち、凹凸部7を円弧状にすることによって、1つの凹凸部7(1つのライン)で軸方向及び幅方向の材料の流動を同時に2方向から拘束することが可能となる。
しかも、円弧状となった凹凸部7を幅方向両端部に設けているので、これらによって、圧下時に幅方向両側に移動する材料の流動を同時に抑えることができる。
しかも、円弧状となった凹凸部7を幅方向両端部に設けているので、これらによって、圧下時に幅方向両側に移動する材料の流動を同時に抑えることができる。
被加工材2の両端部から中心に向けての距離Lが式(1)を満たすまでの対向面6の領域内に少なくとも2つ以上の凹凸部7を設けているので、式(1)を満たさないものに比べて(被加工材2から25%内側のオーバラップ領域A1に凹凸部7がない)、広範囲に亘って被加工材2の材料の流動を拘束でき(拘束できる範囲が大)であるため、大きな歪みを内部に与えることができる。なお、式(1)を満たさないものは、内部欠陥を十分に減少させることができなかった。
隣り合う凹凸部7の配列ピッチPを式(2)を満たすように設定していると共に、凹凸部7の配列ピッチPと凹凸部7の高さHとの関係を式(3)を満たすように設定しているので、圧下した際に凹凸部7間に被加工材2の材料が充填され易くなり、その結果、被加工材2の流動を確実に抑制することができる。隣り合う凹凸部7の配列ピッチPが式(2)を満たさない場合は、凹凸部7の配列ピッチPが狭すぎるために材料が当該配列ピッチPに入り難く、凹凸部7の配列ピッチPと凹凸部7の高さHとの関係が式(3)を満たさない場合は、凹凸部7の高さHが小さ過ぎるために、被加工材2の材料の拘束を十分に行うことができず、また、凹凸部7の高さHが高過ぎるために、被加工材2の材料の表面に表面疵(表面割れ)を発生させてしまう。
隣り合う凹凸部7の配列ピッチPを式(2)を満たすように設定していると共に、凹凸部7の配列ピッチPと凹凸部7の高さHとの関係を式(3)を満たすように設定しているので、圧下した際に凹凸部7間に被加工材2の材料が充填され易くなり、その結果、被加工材2の流動を確実に抑制することができる。隣り合う凹凸部7の配列ピッチPが式(2)を満たさない場合は、凹凸部7の配列ピッチPが狭すぎるために材料が当該配列ピッチPに入り難く、凹凸部7の配列ピッチPと凹凸部7の高さHとの関係が式(3)を満たさない場合は、凹凸部7の高さHが小さ過ぎるために、被加工材2の材料の拘束を十分に行うことができず、また、凹凸部7の高さHが高過ぎるために、被加工材2の材料の表面に表面疵(表面割れ)を発生させてしまう。
凹凸部7の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(4)を満たすように設定しているので、表面割れを発生させることなく、凹凸部7で囲まれた領域への材料の充填を容易にして、被加工材2の表面の拘束をより低荷重で行うことができる。
[第2実施形態]
図4〜図5に示す金敷は、第1実施形態の拘束部を変形したものである。
拘束部5は、対向面6の縦横に亘って凹凸部7を配置することで構成されたもので、当該凹凸部7は、対向面6の横方向(幅方向)に配列ピッチP1をおいて並べられた複数の第1凹凸部7aと、対向面6の縦方向(軸方向)に配列ピッチP2をおいて並べられた複数の第2凹凸部7bとを備えている。
[第2実施形態]
図4〜図5に示す金敷は、第1実施形態の拘束部を変形したものである。
拘束部5は、対向面6の縦横に亘って凹凸部7を配置することで構成されたもので、当該凹凸部7は、対向面6の横方向(幅方向)に配列ピッチP1をおいて並べられた複数の第1凹凸部7aと、対向面6の縦方向(軸方向)に配列ピッチP2をおいて並べられた複数の第2凹凸部7bとを備えている。
詳しくは、第1凹凸部7aは、横方向に少なくとも3つ以上配置されたもので、この実施形態では、12個の第1凹凸部7aが横方向に所定の配列ピッチP1をおいて並べられたものとなっている。各第1凹凸部7aは、対向面6の一端から他端に亘って延びる略直線状のものであって、各第1凹凸部7aの横方向(幅方向)の配列ピッチP1は一定となっている。
また、第2凹凸部7bは、縦方向に少なくとも2つ以上配置されたもので、この実施形態では、4個の第2凹凸部7bが縦方向に所定の配列ピッチP2をおいて並べられたものとなっている。各第2凹凸部7bは、対向面6の一端から他端に亘って延びる略直線状のものであって、各凹凸部7の縦方向(軸方向)の配列ピッチP2は一定となっている。
また、第2凹凸部7bは、縦方向に少なくとも2つ以上配置されたもので、この実施形態では、4個の第2凹凸部7bが縦方向に所定の配列ピッチP2をおいて並べられたものとなっている。各第2凹凸部7bは、対向面6の一端から他端に亘って延びる略直線状のものであって、各凹凸部7の縦方向(軸方向)の配列ピッチP2は一定となっている。
第1凹凸部7aにおいて、第1凹凸部7aの横方向における配列ピッチP1と凹凸部7の高さHとの関係は式(5)を満たすものとなっている。即ち、第1凹凸部7aの基端から先端部までの高さHと、第1凹凸部7aの先端部(頂部12の配列ピッチP1との関係は式(5)を満たすものとなっている。
第1凹凸部7a及び第2凹凸部7bは、断面視で基部から先端にいくにしたがって当該凹凸部7の先端部12へ向けて傾斜するV字状の形状に形成されている。言い換えれば、各凹凸部7の形状は楔形のとなっている。各凹凸部7の先端部12における開き角度θ、即ち、楔形を形成する第1傾斜面10と第2傾斜面11とのなす角θは、式(6)を満たすものとなっている。なお、各凹凸部7の先端部12は面取りとなったR状になっている。
以上、本発明の金敷1によれば、第2実施形態では、対向面6の横方向に並べる凹凸部7aの個数を少なくとも3つ以上に設定し、対向面6の縦方向に並べる凹凸部7bの個数を少なくとも2つ以上に設定している。また、本発明の金敷1によれば、凹凸部7の横方向における配列ピッチP1と凹凸部7の高さHとの関係を式(5)を満たすように設定し、凹凸部7の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度θを式6を満たすように設定している。
凹凸部7を縦横に配置する、即ち、第1凹凸部7aと第2凹凸部7bとをクロスライン状(十字状)に配置することによって、第1凹凸部7aによって横方向(幅方向)への被加工材2の表面側の材料の流動を拘束し、第2凹凸部7bによって縦方向(軸方向)への被加工材2の表面側の材料の流動を拘束することができる。そして、第1凹凸部7aと第2凹凸部7bとの囲まれた領域によって、被加工材2の流動を完全に拘束することができる。
対向面6の横方向に配置する凹凸部7の個数を少なくとも3つ以上に設定し、対向面6の縦方向に配置する凹凸部7の個数を少なくとも2つ以上に設定しているので、十分に材料を拘束することができ、大きな歪みを内部に与えることができる。
対向面6の横方向に配置する凹凸部7の個数を少なくとも3つ以上に設定し、対向面6の縦方向に配置する凹凸部7の個数を少なくとも2つ以上に設定しているので、十分に材料を拘束することができ、大きな歪みを内部に与えることができる。
凹凸部7の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(6)を満たすように設定しているので、表面割れを発生させることなく、凹凸部7で囲まれた領域への材料の充填を容易にし、材料の表面の拘束を低荷重で行うことができる。
なお、第2実施形態では、第1凹凸部7a及び第2凹凸部7bの形状を直線状のものとしていたが、第2実施形態の変形例である図6に示すように、第1凹凸部及び第2凹凸部を円錐状の突起にしてもよい。
即ち、円錐状の凹凸部7を対向面6の横方向(幅方向)の一端から他端にかけて一定の配列ピッチP1で複数配置し、凹凸部7を対向面6の縦方向(軸方向)の一端から他端にかけて一定の配列ピッチP2で複数配置することによって、拘束部5を構成してもよい。
なお、第2実施形態では、第1凹凸部7a及び第2凹凸部7bの形状を直線状のものとしていたが、第2実施形態の変形例である図6に示すように、第1凹凸部及び第2凹凸部を円錐状の突起にしてもよい。
即ち、円錐状の凹凸部7を対向面6の横方向(幅方向)の一端から他端にかけて一定の配列ピッチP1で複数配置し、凹凸部7を対向面6の縦方向(軸方向)の一端から他端にかけて一定の配列ピッチP2で複数配置することによって、拘束部5を構成してもよい。
凹凸部7を円錐状にした場合であっても、凹凸部の横方向における配列ピッチP1と凹凸部7の高さHとの関係は式(5)を満たすものとし、先端部の開き角度(θ)を式(6)を満たすように設定する。
[実施例]
表1は、本発明(第1実施形態及び第2実施形態)の金敷で鍛造を行った実施例と、本発明以外の金敷で鍛造を行った比較例とを示したものである。
[実施例]
表1は、本発明(第1実施形態及び第2実施形態)の金敷で鍛造を行った実施例と、本発明以外の金敷で鍛造を行った比較例とを示したものである。
表1に示すように、実施例及び比較例では、被加工材2の表面割れを評価すると共に、UT評価(超音波測定器)にて被加工材2の内部欠陥を評価した。表1に示すように、表面割れが所定未満(無いもの)であるもの、又は、内部欠陥が所定未満(無いもの)については良好「○」とした。また、表1に示すように、表面割れが所定以上(有るもの)、又は、内部欠陥が所定以上(有るもの)については不良「×」とした。
表1に示す金敷種類の欄において、「R」とは凹凸部7を円弧状にしたもの(第1実施形態に相当)を示し、「Cross」とは凹凸部7を直線状にしたもの(第2実施形態に相当)を示し、「突起」とは凹凸部7を円柱状にしたもの(第2実施形態の変形例、図6)である。
表1に示す金敷種類の欄において、「R」とは凹凸部7を円弧状にしたもの(第1実施形態に相当)を示し、「Cross」とは凹凸部7を直線状にしたもの(第2実施形態に相当)を示し、「突起」とは凹凸部7を円柱状にしたもの(第2実施形態の変形例、図6)である。
実施例1〜実施例3に示すように、円弧状の凹凸部7において、式(2)及び式(3)を満たす場合は、表面割れ及び内部欠陥の評価について良好であった。なお、式(1)に対する実施例1〜実施例3では、式(1)を満たすように、円弧状の凹凸部7を設けている。また、この凹凸部7において、第1傾斜面10と第2傾斜面11とのなす角θは、式(4)を満たすものとしている。
比較例1〜比較例4に示すように、凹凸部7において、式(2)、式(3)、個数が2つ以上、少なくともいずれか1つでも満たさない場合は、表面割れ又は内部欠陥の評価について不良となる結果となった。
比較例1〜比較例4に示すように、凹凸部7において、式(2)、式(3)、個数が2つ以上、少なくともいずれか1つでも満たさない場合は、表面割れ又は内部欠陥の評価について不良となる結果となった。
実施例4〜実施例6に示すように、凹凸部7を縦横に配置したものにおいて、第1凹凸部7a(横)の個数を少なくとも3つ以上に設定し、第2凹凸部7b(縦)の個数を少なくとも2つ以上に設定し、且つ、式(5)を満たした場合は、表面割れ及び内部欠陥の評価について良好であった。なお、この凹凸部7において、第1傾斜面10と第2傾斜面11とのなす角θは、式(6)を満たすものとしている。
一方で、比較例5〜比較例7に示すように、第1凹凸部7a(横)の個数が3つ以上、、第2凹凸部7b(縦)の個数が2つ以上、式(5)の少なくともいずれか1つでも満たさない場合は、表面割れ又は内部欠陥の評価について不良となる結果となった。
一方で、比較例5〜比較例7に示すように、第1凹凸部7a(横)の個数が3つ以上、、第2凹凸部7b(縦)の個数が2つ以上、式(5)の少なくともいずれか1つでも満たさない場合は、表面割れ又は内部欠陥の評価について不良となる結果となった。
以上、本発明によれば、円弧状の凹凸部7を設ける場合は、対向面6において被加工材2の幅方向の両端部から式(1)で規定される距離(L)までの領域内に、少なくとも2つ以上の凹凸部7を設け、凹凸部7の配列ピッチ(P)を式(2)を満たすように設定し、凹凸部7の配列ピッチ(P)と凹凸部7の高さ(H)との関係を式(3)を満たすように設定し、凹凸部7の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(4)を満たすようにすることによって、表面割れが発生しないように内部欠陥を抑制することができ、即ち、表面割れ及び内部欠陥を抑制することができる。
また、凹凸部7を縦横に亘って配置する場合は、対向面6の横方向に並べる凹凸部7の個数を少なくとも3つ以上に設定し、対向面6の縦方向に並べる凹凸部7の個数を少なくとも2つ以上に設定し、凹凸部7の横方向における配列ピッチ(P1)と凹凸部7の高さ(H)との関係を式(5)を満たすように設定し、凹凸部7の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(6)を満たすように設定することによって、表面割れが発生しないように内部欠陥を抑制することができ、即ち、表面割れ及び内部欠陥を抑制することができる。
1 金敷
2 被加工材
3 金敷本体
5 拘束部
6 対向面
7 凹凸部
2 被加工材
3 金敷本体
5 拘束部
6 対向面
7 凹凸部
Claims (2)
- 被加工材を圧下をすることで前記被加工材の鍛造を行う熱間鍛造用金敷において、
前記被加工材に対向する対向面側に、前記鍛造の際に被加工材の拘束を行う複数の円弧状の凹凸部を設けており、
前記対向面において前記被加工材の幅方向の両端部から式(1)で規定される距離(L)までの領域内に、少なくとも2つ以上の凹凸部が設けられており、
前記凹凸部の配列ピッチ(P)を式(2)を満たすように設定し、前記凹凸部の配列ピッチ(P)と凹凸部の高さ(H)との関係を式(3)を満たすように設定し、前記凹凸部の形状を楔形とすると共に、当該先端部の開き角度(θ)を式(4)を満たすように設定していることを特徴とする熱間鍛造用金敷。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008124822A JP2009274078A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | 熱間鍛造用金敷 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008124822A JP2009274078A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | 熱間鍛造用金敷 |
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JP2009274078A true JP2009274078A (ja) | 2009-11-26 |
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ID=41439978
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2009274078A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102161072A (zh) * | 2010-12-17 | 2011-08-24 | 重庆大学 | 一种铝合金环件局部空心镦粗扩径方法 |
-
2008
- 2008-05-12 JP JP2008124822A patent/JP2009274078A/ja active Pending
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