JP5794166B2 - Uoe鋼管の製造方法 - Google Patents

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本発明は、UOE鋼管の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、溶接欠陥の発生を抑制できるUOE鋼管の製造方法に関する。
UOE鋼管の製造では、例えば、以下の手順により、平板状の鋼板を略円管状のオープンパイプとする。
(1)鋼板の幅方向の両側端部を、エッジプレナーで開先加工して開先形状を形成する。
(2)開先加工を施した鋼板の幅方向の両側縁部を、C成形によって曲げ変形させる。
(3)C成形を施した鋼板の中央部を、U成形によって曲げ変形させて略U字状とする。
(4)U成形を施した鋼板を、O成形によって曲げ変形させて略O字状とし、オープンパイプを得る。
また、UOE鋼管の製造では、例えば、以下の手順によりオープンパイプからUOE鋼管を得ることができる。
(5)オープンパイプの突き合わせ部(端部を近接させた部分)を仮付け溶接する。
(6)仮付け溶接した突き合わせ部を、サブマージアーク溶接によって内面溶接する。
(7)内面溶接した突き合わせ部を、サブマージアーク溶接によって外面溶接して素管とする。
(8)得られた素管を拡管機によって所望の寸法に仕上げるとともに形状を整えてUOE鋼管を得る。
上述のUOE鋼管の製造手順のうちで(2)の開先加工を施した鋼板の縁部を曲げ変形させるC成形では、金型を用いる。この場合、鋼板の上面に当接する上金型および鋼板の下面に当接する下金型を鋼板の縁部にそれぞれ配置する。この状態で上金型を下降させることにより、上金型および下金型よって鋼板の縁部をプレス成形する。
このようなC成形に用いられる上金型および下金型は長さが1〜2m程度のものが多用されるが、被加工材である鋼板の長さは、例えば、12mである。このように被加工材である鋼板の長さは工具である金型より長いことから、鋼板の全長を一度にプレス成形することはできない。このため、C成形では、鋼板の縁部を上金型および下金型でプレス成形した後で鋼板を上金型および下金型の長さに応じて長手方向に送る。この処理を繰り返すことにより、鋼板の全長をプレス成形する。なお、U成形およびO成形では、通常、被加工材である鋼板の全長が一度にプレス成形される。
また、C成形では、O成形により得られるオープンパイプで突き合わせ部に発生するピーキング(突き合わせ部が突出した状態または窪んだ状態)を抑制することが要求される。
図1は、オープンパイプに発生するピーキングを示す図である。同図には、ピーキングが抑制されたオープンパイプ11を示す。C成形で適切に鋼板の縁部がプレス成形されると、オープンパイプは、同図に実線で示すように、ピーキングが抑制されて略真円状となる。一方、C成形で鋼板の縁部に付与する変形量が過少であると、同図に2点鎖線で示すように、突き合わせ部が突出した状態となりオープンパイプ11にピーキングが発生する。また、C成形で鋼板の縁部に付与する変形量が過多であると、突き合わせ部が窪んだ状態となりオープンパイプ11にピーキングが発生する。
このピーキングは、同図に示すように、基準長さl(例えば150mm)においてオープンパイプの外面の高さが変化する量P(以下、単に「ピーキング量」ともいう)を用いて評価することができる。このピーキング量Pは、C成形で鋼板の縁部に付与する変形量が過少となり、オープンパイプで突き合わせ部が突出するほど、増加する傾向を有する。一方、C成形で鋼板の縁部に付与する変形量が過多となり、オープンパイプで突き合わせ部が窪むほど、減少する傾向を有する。
UOE鋼管の製造においてオープンパイプでピーキングを抑制する方法に関し、例えば、特許文献1がある。特許文献1に開示されるUOE鋼管の製造方法では、鋼板にC成形を施す際に、鋼板の強度情報を所得し、この強度情報に基づいて鋼板の縁部に付与する成形力といった条件を求め、その条件に従ってプレス成形する。これにより、強度が互いに異なる鋼板について、C成形の条件を適切にすることができ、オープンパイプでピーキングを抑制できるとしている。
特開2009−6358号公報
C成形において、鋼板の縁部に付与する成形力の条件を適切に設定し、オープンパイプでピーキングを抑制した場合でも、得られるUOE鋼管にアンダーカットと呼ばれる溶接金属が不足して開先面が露出するまたは溶接金属が凹む溶接欠陥が生じる場合がある。
前記特許文献1では、オープンパイプでピーキングを抑制することは検討されているが、オープンパイプから得られるUOE鋼管で溶接欠陥が発生する問題については検討されていない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、オープンパイプの開先幅の変動を低減でき、得られるUOE鋼管の溶接欠陥を抑制できるUOE鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、ピーキングが抑制されたオープンパイプで、シーム溶接後のUOE鋼管に溶接欠陥が発生する原因を調査したところ、オープンパイプの突き合わせ部における開先幅の変動に起因していることを明らかにした。ここで、突き合わせ部の開先幅wは、前記図1に示すように、一方の端部の開先面と鋼管外面とにより形成される稜線から他方の端部の開先面と鋼管外面とにより形成される稜線までの距離である。
図2は、オープンパイプにおける長手方向の位置と開先幅との関係を示す図である。オープンパイプの開先幅は、レーザー距離計を走査させてオープンパイプの突き合わせ部およびその周辺のプロファイルを測定し、そのプロファイルから算出した。このようにプロファイルを測定した後で開先幅を算出する処理をオープンパイプの全長で行い、その一部を抜き取って同図に示す。
同図に示すように、オープンパイプの開先幅は、長手方向で一定でなく、周期的に変動していることが確認される。このようにオープンパイプの突き合わせ部における開先幅が変動すると、内面溶接および外面溶接でサブマージアーク溶接を行う際、開先幅の変動に伴って溶接電極と開先との距離も変動することから、溶接時のアークが不安定状態となる。さらに、開先幅の変動に伴ってその断面積も変化することから、局所的に溶接金属が不足する箇所が発生し、開先面の露出や溶接金属の凹みといった溶接欠陥が発生する。
オープンパイプで開先幅の変動が発生する理由は明確でないが、以下の理由が推測される。C成形では、鋼板の長手方向の一部をプレス成形する処理を複数回行うことにより鋼板の全長をプレス成形する。この鋼板の長手方向の一部をプレス成形する際に、鋼板のうちで金型周辺に位置する部分に引張応力が発生し、局所的に鋼板の端部の各エッジが伸びる。複数回のプレス成形によって局所的な鋼板の端部の各エッジの伸びが積み重ねられ、その結果、鋼板の端部の各エッジが波打った状態となり、得られるオープンパイプの開先幅に周期的な変動が発生する。
そこで、本発明者は、オープンパイプで開先幅が変動するのを低減するため、鋭意検討を重ね、種々の試験を行った結果、以下の知見を得た。得られたオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形において上金型および下金型で加工する鋼板の縁部の加工幅を調整すれば、得られるオープンパイプで開先幅の変動を低減でき、UOE鋼管に溶接欠陥が発生するのを抑制できる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(2)のUOE鋼管の製造方法を要旨としている。なお、下記(1)のUOE鋼管の製造方法は、本発明の参考例である。
(1)鋼板に開先加工、C成形、U成形およびO成形の順で処理を施しUOE鋼管を製造する方法において、前記C成形を、鋼板の上面に当接する上金型および鋼板の下面に当接する下金型によって鋼板の縁部をプレス成形することにより行い、前記O成形により得られたオープンパイプで開先幅の変動およびピーキングを確認し、確認した開先幅の変動およびピーキングに応じ、前記C成形において前記上金型および前記下金型で加工する鋼板の縁部の加工幅を調整することを特徴とするUOE鋼管の製造方法。
(2)前記オープンパイプで開先幅の変動およびピーキングを確認し、確認した開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整する際、前記開先幅の変動として開先幅の最大値と最小値との差を用いるとともに、前記ピーキングとしてピーキング量を用い、下記(a)〜(d)のいずれかに記載の条件に従って前記C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整することを特徴とする上記(1)に記載のUOE鋼管の製造方法。
(a)H<H”かつP<P”である場合にrを維持する。
(b)H<H”かつP≧P”である場合にrを増加させる。
(c)H≧H”かつP<P”である場合にrを減少させる。
(d)H≧H”かつP≧P”である場合に前記上金型および前記下金型を交換する。
ここで、Hは開先幅の最大値と最小値との差(mm)、H”は開先幅の最大値と最小値との差に対する閾値(mm)、Pはピーキング量(mm)、P”はピーキング量に対する閾値(mm)、rは鋼板の縁部の加工幅(mm)とする。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、下記の顕著な効果を有する。
(1)O成形後のオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形において上金型および下金型で加工する鋼板の縁部の加工幅を調整する。
(2)上記(1)により、オープンパイプの開先幅の変動を低減できる。
(3)その結果、得られるUOE鋼管の溶接欠陥の発生を抑制できる。
オープンパイプに発生するピーキングを示す図である。 オープンパイプにおける長手方向の位置と開先幅との関係を示す図である。 C成形機の構成を示す模式図である。 本発明のUOE鋼管の製造方法の工程例を表すフローチャートである。 本発明例および比較例により得られたUOE鋼管の溶接欠陥の発生率を示す図である。
以下に、本発明のUOE鋼管の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図3は、C成形機の構成を示す模式図である。同図には、被加工材である鋼板21と、C成形機22とを示す。C成形機22は、鋼板21の左縁側上面に当接する左側上金型23と、鋼板21の左縁側下面に当接する左側下金型24とを備える。一方、C成形機22は、鋼板21の右縁側上面に当接する右側上金型25と、鋼板21の右縁側下面に当接する右側下金型26とを備える。また、C成形機22は、左側上金型23および右側上金型25を昇降(同図のハッチングを施した矢印参照)させるプレス用油圧装置(図示なし)を備える。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、C成形において上金型および下金型で加工する鋼板の縁部の加工幅rを調整する。同図に示すC成形機22では、左側上金型および左側下金型が鋼板の幅方向の位置を変更可能にする左側油圧装置(図示なし)を備えている。その左側油圧装置は、コントローラ(図示なし)が接続さており、コントローラに位置情報を入力して左側油圧装置を作動させることにより、左側上金型および左側下金型を所望の位置に変更可能である。このようにしてC成形機22は、鋼板の左側縁部の加工幅rを調整できる。
同様に、右側上金型および右側下金型が鋼板の幅方向の位置を変更可能にする油圧装置(図示なし)を備え、右側油圧装置には上記コントローラ(図示なし)が接続さている。これにより、コントローラに位置情報を入力して右側油圧装置を作動させることにより、右側上金型および右側下金型を所望の位置に変更し、鋼板の右側縁部の加工幅rを調整できる。この鋼板の縁部の加工幅rを本発明のUOE鋼管の製造方法で調整する手順について、下記図4のフローチャートを参照しながら説明する。
図4は、本発明のUOE鋼管の製造方法の工程例を表すフローチャートである。図中のS1〜S10は加工工程を表す。同図に示す本発明のUOE鋼管の製造方法の工程例では、開先加工、C成形、U成形、O成形、開先幅の測定、ピーキング量の測定、仮付け溶接、内面溶接、外面溶接および拡管の順に行う。このような工程例によってn枚(ただし、nは整数)の鋼板を、1枚目からn枚目まで順に処理を施してUOE鋼管とする場合について説明する。
UOE鋼管の製造に際し、まず、開先加工工程にて、1枚目となる鋼板の幅方向の両側端部に開先加工を施す(S1)。
開先加工が施された1枚目の鋼管を、C成形にて、鋼板の幅方向の両側縁部を曲げ変形させる(S2)。C成形は、上金型および下金型でプレス成形することにより行う。1枚目となる鋼板のC成形では、鋼板の縁部の加工幅rは、鋼板の材質および寸法、工具の寸法等に応じて操業実績に基づき、O成形後のオープンパイプでピーキングが抑制されるように設定する。
C成形が施された1枚目の鋼板に、U成形およびO成形を順に施すことにより、オープンパイプとする(S3およびS4)。
O成形により1枚目の鋼板から得られたオープンパイプについて、開先幅wを測定する。前記図2に示すように、開先幅は周期的に変動していることから、測定結果を用いて開先幅の変動を確認する(S5)。開先幅の変動の確認は、例えば、開先幅をオープンパイプの長手方向にわたって測定し、その結果から開先幅の最大値および最小値を求め、その差を算出することによって確認することができる。また、標準偏差を算出することによって開先幅の変動を確認することもできる。
また、O成形により1枚目の鋼板から得られたオープンパイプについて、ピーキングを確認する(S6)。ピーキングは、例えば、レーザー距離計を走査させてオープンパイプの突き合わせ部およびその周辺のプロファイルを測定し、前記図1に示すピーキング量Pを算出することにより確認できる。
ピーキングを確認した後、1枚目の鋼板から得られたオープンパイプに、仮付け熔接、内面溶接、外面溶接および拡管を順に施しUOE鋼管を得る(S7〜S10)。
続いて、2枚目の鋼板によるUOE鋼管の製造を説明する。2枚目の鋼板には、1枚目の鋼板と同様に開先加工を施す(S1)。
2枚目の鋼板にC成形を行う際、1枚目の鋼板から得られたオープンパイプの開先幅の変動およびピーキングに応じ、鋼板の縁部の加工幅rを調整する。例えば、1枚目の鋼板から得られたオープンパイプで開先幅の変動が良好かつピーキングが過多となっている場合、鋼板の縁部の加工幅rを増加させる調整を行う。これにより、C成形で2枚目の鋼板に付与する変形量を増加させ、O成形後のオープンパイプでピーキングを低減できる。また、開先幅の変動が過多かつピーキングが良好となっている場合、鋼板の縁部の加工幅rを減少させる調整を行う。これにより、C成形で2枚目の鋼板に付与される変形量が減少し、鋼板のうちで金型周辺に位置する部分に発生する引張応力が減少し、局所的に鋼板の端部の各エッジが伸びる量も減少することから、O成形後のオープンパイプで開先幅の変動を低減できる。
1枚目の鋼板から得られたオープンパイプで開先幅の変動が良好かつピーキング量が良好となっている場合、鋼板の縁部の加工幅rを変更することなく、2枚目の鋼板にC成形を行う。一方、オープンパイプで開先幅の変動が過多かつピーキング量が過多となっている場合、C成形に用いる上金型および下金型を、より高い曲率を有する上金型および下金型に交換する。この場合、鋼板の縁部の加工幅rを増加させる調整を行うことも考えられる。しかし、単に鋼板の縁部の加工幅rを増加させる調整ではO成形後のオープンパイプでピーキングを低減できるが、開先幅の変動も増加する傾向となる。このため、本発明のUOE鋼管の製造方法は、C成形に用いる上金型および下金型をより高い曲率を有する上金型および下金型に交換する。これにより、鋼板に付与する変形量を増加させてピーキングを低減できるとともに、開先幅の変動も低減できる。
このように鋼板の縁部の加工幅rを調整してC成形が施された2枚目の鋼板に、1枚目の鋼板と同様に、U成形およびO成形を順に施すことにより、オープンパイプとし、そのオープンパイプについて開先幅の変動およびピーキングを順に確認する。さらに、2枚目の鋼板から得られたオープンパイプに、仮付け溶接、内面溶接、外面溶接および拡管を順に施し、UOE鋼管を得る。
3枚目以降の鋼板、例えば、m枚目の鋼板についても(ただし、mは3≦m≦nの整数とする)、開先加工を行った後でC成形を行う際、2枚目の鋼板と同様に、(m−1)枚目の鋼板から得られたオープンパイプの開先幅の変動およびピーキングに応じ、鋼板の縁部の加工幅rを調整する。C成形が施されたm枚目の鋼板に、1枚目の鋼板と同様に、U成形およびO成形を順に施すことにより、オープンパイプとし、そのオープンパイプについて開先幅の変動およびピーキングを順に確認する。さらに、m枚目の鋼板から得られたオープンパイプに、仮付け溶接、内面溶接、外面溶接および拡管を順に施し、UOE鋼管を得る。
このように本発明のUOE鋼管の製造方法は、オープンパイプで開先幅の変動およびピーキングを確認し、確認した開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形において鋼板の縁部の加工幅を調整することにより、オープンパイプでピーキングを発生させることなく、開先幅の変動を低減できる。このため、内面溶接および外面溶接で開先面の露出や溶接金属の凹みといった溶接欠陥が発生するのを抑制でき、高品質のUOE鋼管を得ることができる。
前記特許文献1に記載のUOE鋼管の製造方法では、鋼板の強度等の製造条件が同じであれば、鋼板の縁部に付与する成形力といったC成形の条件も同じとする。これに対し、本発明のUOE鋼管の製造方法では、強度や寸法が同じ複数の鋼板から同じ寸法のUOE鋼管を製造する場合でも、O成形後のオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形における鋼板の縁部の加工幅rを調整する。これは、強度や寸法が同じ複数の鋼板から同じ寸法のUOE鋼管を製造する場合に、鋼板の縁部の加工幅rや鋼板の縁部に付与する成形力といったC成形における条件を同じにしても、O成形後のオープンパイプにおける開先幅の変動に多少の変化が生じることによる。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、O成形後のオープンパイプで開先幅の変動およびピーキングを確認し、確認した開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整する際、開先幅の変動として開先幅の最大値と最小値との差を用いるとともに、ピーキングとしてピーキング量を用い、下記(a)〜(d)のいずれかに記載の条件に従ってC成形における鋼板の縁部の加工幅rを調整するのが好ましい。
(a)H<H”かつP<P”である場合にrを維持する。
(b)H<H”かつP≧P”である場合にrを増加させる。
(c)H≧H”かつP<P”である場合にrを減少させる。
(d)H≧H”かつP≧P”である場合に前記上金型および前記下金型を交換する。
ここで、Hは開先幅の最大値と最小値との差(mm)、H”は開先幅の最大値と最小値との差に対する閾値(mm)、Pはピーキング量(mm)、P”はピーキング量に対する閾値(mm)、rは鋼板の縁部の加工幅(mm)とする。
これにより、C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整する操作をシステム化することができる。例えば前記図3に示すプレス成形機において開先幅の最大値と最小値との差Hおよびピーキング量Pを入力すれば、上記(a)〜(d)の記載の条件に従って鋼板の縁部の加工幅rを設定してコントローラに出力する手段を設ける。このようにしてC成形における鋼板の縁部の加工幅rの調整を省力化できる。
開先幅の最大値と最小値との差に対する閾値H”は、理論上の開先幅、すなわち、変動が0(ゼロ)の場合の開先幅およびUOE鋼管で要求される品質に応じて適宜設定することができる。また、ピーキング量に対する閾値P”は、ピーキングが抑制された場合、すなわち、オープンパイプが真円状となった場合でのピーキング量およびUOE鋼管で要求される品質に応じて適宜設定することができる。
上記(b)で鋼板の縁部の加工幅を増加させる場合、増加量は鋼板の幅等に応じて適宜設定することができるが、例えば、m枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm、(m−1)枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm-1とした時、rm=1.01×rm-1とすることができる。また、上記(c)で鋼板の縁部の加工幅を減少させる場合、減少量は鋼板の幅等に応じて適宜設定することができるが、例えば、m枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm、(m−1)枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm-1とした時、rm=0.99×rm-1とすることができる。なお、上記(a)で鋼板の縁部の加工幅を維持する場合、m枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm、(m−1)枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm-1とした時、rm=rm-1とすればよい。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、オープンパイプでピーキングが抑制されたC成形の条件から、鋼板の縁部の加工幅を調整することによってオープンパイプで開先幅の変動を低減することを目的としている。このため、本発明のUOE鋼管の製造方法は、オープンパイプでピーキングによって突き合わせ部が窪んだ状態となり難く、突き合わせ部が突出した状態となり易い。したがって、本発明のUOE鋼管の製造方法は、上記(a)〜(d)ではピーキング量Pについて下限を特に規定しない。
本発明のUOE鋼管の製造方法による効果を検証するため、鋼板からUOE鋼管を得る試験を行った。
[試験方法]
本試験では、前記図4に示す本発明のUOE鋼管の製造方法の工程例によって鋼板をオープンパイプとし、そのオープンパイプの開先幅の変動およびピーキングを確認した後、突き合わせ部をシーム溶接してUOE鋼管を得た。また、C成形では、前記図3に示す構成のC成形機を用いた。
本試験で用いた被加工材である鋼板および得られたUOE鋼管の一例は下記の通りであった。
鋼板:幅3696mm、厚さ30.9mm、長さ12500mm
開先加工部の寸法:外面開先角度(開先面と端面がなす角度)25°、開先切削深さ13.5mm
UOE鋼管:外径1214mm、肉厚30.9mm、長さ12.5m、鋼種 API規格X70グレード
本発明例では、オープンパイプで開先幅の変動およびピーキングを確認し、確認した開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整した。その際、開先幅の変動として開先幅の最大値と最小値との差を用いるとともに、ピーキングとしてピーキング量を用いた。
開先幅は、レーザー距離計を走査させてオープンパイプの突き合わせ部およびその周辺のプロファイルを測定し、得られたプロファイルから開先幅を算出した。開先幅は、鋼管の全長にわたって測定し、トップ側の管端から1000mmの位置から、ボトム側の管端から1000mmの位置までの範囲における最大値および最小値を求めた。ここで、開先幅の変動を評価する際に管端の周辺を除くのは、長手方向の鋼板の両端に取り付けられるタブ板の影響を除いて開先幅の変動を評価するためである。
ピーキング量は、レーザー距離計を走査させてオープンパイプの突き合わせ部およびその周辺のプロファイルを測定し、得られたプロファイルから基準長さlを1000mmとしてピーキング量を算出した。ピーキング量は、トップ側の管端から1000mmの位置、長手方向の中央位置およびボトム側の管端から1000mmの位置の3点で測定し、その平均値を用いた。
開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整する際、前記(a)〜(d)のいずれかに記載の条件に従ってC成形における鋼板の縁部の加工幅を調整した。前記一例の寸法条件では、開先幅の最大値と最小値との差に対する閾値H”を2.5mm、ピーキング量に対する閾値P”を5.0mmとした。m枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm、(m−1)枚目の鋼板の縁部の加工幅をrm-1とした時、前記(a)で鋼板の縁部の加工幅を維持する場合はrm=rm-1とし、前記(b)で鋼板の縁部の加工幅を増加させる場合はrm=1.01×rm-1とし、前記(c)で鋼板の縁部の加工幅を減少させる場合はrm=0.99×rm-1とした。
比較例では、C成形における鋼板の縁部の加工幅を、O成形後のオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じて調整することなく、一定とした。
本発明例では14323本、比較例では1647本のUOE鋼管を得た。本発明例および比較例ともに、得られたUOE鋼管について溶接金属の不足による開先面の露出や溶接金属の凹みといった溶接欠陥の有無を目視により確認した。また、一定の期間ごとに溶接欠陥の発生率(%)を算出し、溶接欠陥の発生率(%)は溶接欠陥の発生が確認されたUOE鋼管の本数を得られたUOE鋼管の本数で除して百分率で表したものである。
[試験結果]
比較例の前記一例の寸法条件では、C成形における鋼板の縁部の加工幅を150mmで一定とし、O成形後のオープンパイプにおける開先幅の最大値と最小値の差は2.2mm程度となった。一方、本発明例の前記一例の寸法条件では、C成形における鋼板の縁部の加工幅を、O成形後のオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じ、150〜230mmの範囲で調整し、O成形後のオープンパイプにおける開先幅の最大値と最小値の差は1.6mm程度となった。
図5は、本発明例および比較例により得られたUOE鋼管の溶接欠陥の発生率を示す図である。同図から、溶接欠陥の発生率が、比較例ではいずれも2.5%以上となったのに対し、本発明例では0.2〜1.3%となった。
したがって、O成形により得られたオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整することにより、オープンパイプで開先幅が変動するのを低減でき、得られるUOE鋼管に溶接欠陥が発生するのを抑制できることが明らかになった。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、下記の顕著な効果を有する。
(1)O成形後のオープンパイプにおける開先幅の変動およびピーキングに応じ、C成形において上金型および下金型で加工する鋼板の縁部の加工幅を調整する。
(2)上記(1)により、オープンパイプで開先幅が変動するのを低減できる。
(3)その結果、得られるUOE鋼管に溶接欠陥が発生するのを抑制できる。
このような本発明のUOE鋼管の製造方法をラインパイプ等に用いられるUOE鋼管の製造に適用すれば、品質および製造歩留りの向上に大きく寄与することができる。
11:オープンパイプ、 21:鋼板、 22:C成形機、 23:左側上金型、
24:左側下金型、 25:右側上金型、 26:右側下金型

Claims (1)

  1. 鋼板に開先加工、C成形、U成形およびO成形の順で処理を施しUOE鋼管を製造する方法において、
    前記C成形を、鋼板の上面に当接する上金型および鋼板の下面に当接する下金型によって鋼板の縁部をプレス成形することにより行い、
    前記O成形により得られたオープンパイプで開先幅の変動およびピーキングを確認し、確認した開先幅の変動およびピーキングに応じ、前記C成形において前記上金型および前記下金型で加工する鋼板の縁部の加工幅を調整する際、
    前記開先幅の変動として開先幅の最大値と最小値との差を用いるとともに、前記ピーキングとしてピーキング量を用い、下記(a)〜(d)のいずれかに記載の条件に従って前記C成形における鋼板の縁部の加工幅を調整することを特徴とするUOE鋼管の製造方法。
    (a)H<H”かつP<P”である場合にrを維持する。
    (b)H<H”かつP≧P”である場合にrを増加させる。
    (c)H≧H”かつP<P”である場合にrを減少させる。
    (d)H≧H”かつP≧P”である場合に前記上金型および前記下金型を交換する。
    ここで、Hは開先幅の最大値と最小値との差(mm)、H”は開先幅の最大値と最小値との差に対する閾値(mm)、Pはピーキング量(mm)、P”はピーキング量に対する閾値(mm)、rは鋼板の縁部の加工幅(mm)とする。
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