JP2009273463A - リガンド活性化転写レギュレータータンパク質 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細胞内受容体由来の改変されたリガンド結合ドメインと作動可能に連結したヌクレオチド結合ドメインを含む融合タンパク質、さらに転写制御ドメインも含む融合タンパク質、該融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、発現ベクター、およびトランスフェクションされた細胞。該ヌクレオチド結合ドメインは、約3ないし約18ヌクレオチドの隣接する標的ヌクレオチド配列に結合する亜鉛フィンガーペプチドである。該融合タンパク質は、遺伝子治療に用いられる。
【選択図】図10
Description
本願は、1999年10月25日に出願された、Carlos F. Barbas III, Michael Kadan、およびRoger R. Beerliの、"Recombinant Ligand Activated Transcriptional Regulator Polypeptides."なる発明の名称の、米国特許出願番号09/433,042の一部継続出願である。米国特許出願番号09/433,042を引用することにより本明細書に完全に含める。
本発明の分野は遺伝子発現の制御である。特に、リガンド活性化融合タンパク質(本明細書ではキメラレギュレーターとも呼ばれる)および遺伝子発現の制御のためのその使用を提供する。融合ポリペプチドは細胞内受容体に由来する1または複数の亜鉛フィンガーポリペプチドドメインおよびリガンド結合ドメイン(LBD)を含むDNA結合ドメインを含む。
細胞内受容体は、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモンおよびビタミンAおよびDを含むさまざまなホルモンおよびエフェクター分子の核への作用を介在する関連タンパク質のスーパーファミリーである。細胞内受容体の本ファミリーのメンバーは、基本型のリガンド活性化転写因子である。これらの受容体は、2つの基本的な機能のドメイン:約66アミノ酸を含むDNA結合ドメイン(DBD)および約300アミノ酸を有する受容体のC末端側の半分に位置するリガンド結合ドメイン(LBD)を含む。受容体は、熱ショックタンパク質のような不活性化因子と関連しているため、ホルモン(リガンド)の不存在下では不活性である。リガンドが結合すると、受容体は不活性複合体から解離してダイマー化し、このことによりそれらはDNAと結合できるようになり、転写を調節できる。
リガンド活性化転写レギュレーターとして機能するポリペプチドおよびこのようなポリペプチドをコードする核酸分子を提供する。ポリペプチドは、任意の所望の内在性または外因性遺伝子を標的とし得るリガンド活性化転写レギュレーターの融合タンパク質である。融合タンパク質の変異体は、内在性または外因性のリガンドに関して異なる選択性および感受性を有するように設計され得る。
本明細書で提供される融合タンパク質は、細胞内受容体由来のリガンド結合ドメイン(本明細書においてLDBと表される)、好ましくは、LBDが生じた自然の細胞内受容体と比較して修飾されたリガンド特異性を有するLBD、および任意の所望の特異性に調整され得る核酸結合ドメイン(本明細書においてDBDと表される)を含む。融合タンパク質は、また、転写制御ドメイン(本明細書においてTRDと表される)、特にレプレッサーまたはアクチベータードメインを含み得る。ドメインを実施可能なように(operativebly)連結すると、得られる融合タンパク質はリガンド制御標的転写因子として機能する。
融合タンパク質は植物種ならびに動物において使用され得る。特定の細菌性またはウイルス性病原体に耐性のトランスジェニック植物を作成し得る。
LBDは細胞内受容体、特にステロイドホルモン受容体由来のものである。LBDの由来となる受容体は、グルココルチコイド受容体、ミネラルコルチコイド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイン酸受容体、レチノイドX受容体、ビタミンD受容体、COUP−TF受容体、エクジソン受容体、Nurr−I受容体、オーファン受容体およびその変異体を含むが、これらに限定されない。これらの種類の受容体は、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、グルココルチコイド−α受容体、グルココルチコイド−β受容体、アンドロゲン受容体および甲状腺ホルモン受容体を含むが、これらに限定されない。LBDは、好ましくは、内在性のリガンドと比較して外因性のリガンド、例えば薬物と優先的に結合するようにリガンド選択性を改変するように修飾される。
標的化されたおよび特異的な転写制御を達成するため、DBDは少なくとも1つの亜鉛フィンガーモジュラーユニットを含み、そして標的遺伝子に結合するよう設計される。亜鉛フィンガーの核酸結合ドメインは、ヌクレオチドの選択された配列に結合する少なくとも2つの亜鉛フィンガーモジュールを含む。任意の亜鉛フィンガーまたはモジュラー部分を使用し得る。DBDによって、リガンド結合ドメインの由来となる受容体中の天然の亜鉛フィンガードメインが置換されるか、または補われる。
融合タンパク質の亜鉛フィンガーヌクレオチド結合部分は、トランケーションまたは伸張による野生型亜鉛フィンガータンパク質由来のものであるか、またはそれから作成されたものであるか、あるいはサイト・ダイレクト突然変異誘発法による、またはさまざまなモジュラーユニットの組み合わせによる、または手順の組み合わせによる野生型由来のポリペプチドの変異体として誘導されまたは作成され得る。
融合タンパク質は、また、転写制御ドメインを含み得る。好ましい実施態様において、転写制御ドメインは転写活性化ドメインを含む。好ましくは、該転写制御ドメインは、望ましくない免疫応答の誘発を避けるため、ヒトを含む哺乳動物の転写制御ドメインと少なくとも90%の配列同一性を有する。
得られる融合タンパク質をコードする核酸分子もまた提供される。該核酸は、タンパク質の発現に適したベクターおよび/または遺伝子治療に適したベクター中に含まれ得る。ベクターを含む細胞もまた提供される。典型的に、該細胞は真核細胞である。他の実施態様において、該細胞は原核細胞である。
融合タンパク質または融合タンパク質をコードするベクターを含む組成物も提供される。融合タンパク質または該タンパク質をコードしている核酸および融合タンパク質による活性化のために選択された制御領域を有する標的遺伝子をコードする核酸の組合せも提供される。
内在性および外因性遺伝子の発現を制御する方法が提供される。該方法は、有効量または有効濃度の融合タンパク質または核酸分子、例えば融合タンパク質をコードするベクターを含む組成物を細胞に投与することにより実施される。融合タンパク質の核酸結合ドメイン(DBD)は、細胞のゲノム内のまたは細胞外から投与された核酸分子内の標的核酸配列に結合するように選択され、転写制御ドメイン(TRD)は、標的核酸結合ドメインに実施可能なように連結した選択されたプロモーターから転写を制御するように選択される。細胞外から投与された核酸分子は、目的の遺伝子をコードし、プロモーターおよび応答エレメントのようなエレメントを含む制御領域に実施可能なように連結された発現カセットを含む。
図面の説明
本明細書の一部を構成する図面において:
1.定義
特記しない限り、本明細書で使用するすべての技術および科学用語は、本発明の属する分野における通常の知識を有する者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開出願および他の刊行物およびGenBankの配列、および本明細書の記載のいかなる部分を引用した他のデータベースを、引用することによりそれらの全体を本明細書に含める。
A.一般
融合タンパク質は、リガンド結合ドメインおよび核酸結合ドメインを含むように構成され、当該核酸結合ドメインは、リガンド結合ドメインと同じ受容体からは誘導されない。これら2つのドメインの封入(inclusion)は、内在性または外因性の核酸分子に存在する標的核酸配列に配列特異的に結合し得る。その配列特異的結合のリガンド依存制御もまた提供される。その融合タンパク質にはまた、内在性または外因性の遺伝子の発現を促進、抑制または活性化する役割をする転写調節ドメインが含まれ得る。その転写制御はまた、リガンド依存である。
リガンド結合ドメインは、細胞内受容体から誘導され、好ましくは核ホルモン受容体から誘導される。細胞内受容体のLBDには、カルボキシ末端から約300アミノ酸が含まれ、修飾されるかまたは修飾されずに使用され得る。
亜鉛フィンガーはモジューラー核酸結合ペプチドである。亜鉛フィンガー、またはそのモジュール、またはその変異体を用い、標的配列と特異的に相互作用する融合タンパク質を構成し得る。亜鉛フィンガーは偏在タンパク質であり、多くが十分に特性解析されている。例えば、特有の特異性を有する亜鉛フィンガーのC2H2クラスに基づく亜鉛フィンガーの作成および選択の方法および規則が知られている(例えば、国際特許出願WO98/54311および国際特許出願95/19431参照;また、米国特許番号5,789,538;Beerli et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 2758-2763; Beerli et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95: 14628-14633;また1998年10月16出願、国際特許出願番号WO 00/23464で発行される米国特許出願番号09/173,941)。典型的な標的配列を本明細書で提供する。
融合タンパク質中の核酸結合ドメインは、亜鉛フィンガーモジューラードメインを含み、そしてデザインされて、融合タンパク質または融合タンパク質をコードする核酸を組み合わせて投与する内在性遺伝子または外因性遺伝子中に存在する標的核酸配列に結合する。
DNAに結合する亜鉛フィンガーヌクレオチド結合ポリペプチド、および特にDNAに結合する亜鉛フィンガードメインは、2つの亜鉛フィンガードメイン間の“リンカー”領域の試験により同定され得る。リンカーアミノ酸配列TGEK(P)(配列番号19)は、典型的には、DNAに結合する亜鉛フィンガードメインを示す。そのため、特定の亜鉛フィンガーヌクレオチド結合ポリペプチドが、リンカーアミノ酸の試験によりDNAまたはRNAに好ましくは結合するかどうか決定することができる。
合成亜鉛フィンガーは、既知配列特異性に基づき集合し得る。多数の亜鉛フィンガーヌクレオチド結合ポリペプチドが作成され、GNNトリプレットを含む標的ヌクレオチドに対する結合特異性に関し試験された。当該データより、3つすべての初期DNA接触位置(−1、3、および6)の顕著な保存が、所定標的のウイルス性クローンのすべてについて観察されることが示される(実施例1参照、また1998年10月16日出願の、国際出願番号WO00/23464として発行されている米国特許出願番号09/173,941)。
亜鉛フィンガーヌクレオチド結合ペプチドドメインは、トランケーションまたは伸張により野生型亜鉛フィンガータンパク質から、または部位特異的変異誘発の方法よるか当該手順の組合せにより野生型誘導性ポリペプチドの変異体として誘導または作成され得る(例えば、亜鉛フィンガーペプチドの設計および構成のための方法を記載した米国特許出願番号5,789,538)。変異誘発を行い、共通配列の1以上のリピート中の非保存残基を置換え得る。トランケートした亜鉛フィンガーヌクレオチド結合タンパク質はまた変異誘発し得る。
亜鉛フィンガーから誘導される機能性モジューラードメインの同定のための当分野に既知の任意の方法およびその組合せが用いられ得る。亜鉛フィンガー結合モチーフに結合する亜鉛フィンガーの変異体または他のポリペプチドを同定する典型的な方法が提供される。当該方法に使用されるコンポーネントには、第一の誘導性プロモーターに実施可能なように連結した推定または修飾亜鉛フィンガーペプチドをコードする核酸分子および第二の誘導性プロモーターに実施可能なように連結したレポーター遺伝子および亜鉛フィンガーヌクレオチド結合モチーフが含まれ、この場合、インキュベーションは、コンポーネントが相互作用し得るのに充分な条件の下、行われ、レポーター遺伝子の発現において推定DBDペプチドの影響の測定が提供される。
当業者に既知の任意のTRDが選択されるが、それらは細胞内受容体中に存在する。TRDは、DBDが標的とする遺伝子の転写を調節し、その発現の調節に効果を為すように選択される。TRDは、細胞中または外因的に加えられた構成中の内在性遺伝子の発現を調節するように選択され得る。外因的に加えられた遺伝子の場合、遺伝子の調節領域は、望ましいTRDと相互作用するように選択され得る。DBDと組み合わせたTRDの同定、作成および試験は、本明細書ではERB−2およびインテグリンβ3について例示する。
転写調節ドメインは当分野に既知である。典型的で好ましい転写リプレッサードメインは、ERD、KRAB、SID、デアセチラーゼ、および誘導体、マルチマーおよびその組合せであり、KRAB−ERD、SID−ERD、(KRAB)2、(KRAB)3、KRAB−A、(KRAB−A)2、(SID)2(KRAB−A)−SIDおよびSID−(KRAB−A)といったものである。
転写リプレッサーは当業者に既知であり、任意のそのリプレッサーを本明細書で使用し得る。当該リプレッサーは、上記開示のような核酸結合ドメインに実施可能なように連結されるポリペプチドである。当該レプレッサーは結合ドメインの実施可能に結合しており、結合ドメインを介して標的ヌクレオチドに結合するとき、転写を阻害または防止するように作用するような態様で結合ドメインに接している。当該リプレッサードメインは、当分野に既知の任意の連結手順を用い結合ドメインに連結され得る。2つのドメイン間のリンカー部分を含む必要があり得る。そのリンカー部分は、典型的にはドメイン間にスペーシングを提供するアミノ酸残基の短い配列である。リンカーが結合またはリプレッサードメインの任意の機能を妨げない限り、任意の配列を用い得る。
典型的で好ましい転写活性ドメインは、転写を調節する任意のタンパク質またはファクターを含む。典型的な転写調節ドメインは、以下に限らないが、VP16、TA2、VP64、STAT6およびrelAを含む。
DNA結合特異性および治療可能性を有するペプチドを産生する1以上のドメインを含む亜鉛フィンガーモジューラードメインおよびペプチドの産生を例示するため、標的配列は、ヒトインテグリンβ3およびerbB−2(Ishii et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84: 4374-4378)ゲノム配列に基づき同定された。
インテグリンαvβ3はインテグリンファミリーの最も混交したメンバーであり、血管由来管組織のマーカーとして同定された。例えば、インテグリンαvβ3は、通常の皮膚ではなくヒト創傷肉芽組織の血管において発現の促進が見られる。血管形成の誘導後、血管は、このプロセスを通らない血管と比較したαvβ3発現において4倍の増加が見られる。インテグリンαvβ3の環状ペプチドまたはモノクローナル抗体アンタゴニストは、ヒヨコ漿尿膜におけるサイトカインまたは腫瘍誘導性血管形成を阻止すると報告されている。そのため、インテグリンαvβ3発現の阻害は、腫瘍誘導性血管形成を阻止するアプローチを提供する。
ErbB受容体ファミリーのメンバーはヒト悪性腫瘍の増加に重要な役割をする。特に、ErbB−2は、乳、卵巣、肺、胃および唾液腺を含む多数部分で生ずる高い割合のヒト腺癌における遺伝子複製および/または転写調節解除の結果として過剰発現する。ErbB−2の発現増加は、本質的に、内在性チロシンキナーゼの構造的活性を導く。多くの臨床的研究により、ErbB−2発現の増加が見られる腫瘍患者は予後がより悪い(poorer)ことが示される。そのため、ヒトの癌の異所発現の高い発生、および過剰発現腫瘍の攻撃的な振舞い(aggressive behavior)により、ErbB−2が治療で注目すべき(attractive)標的となる。
標的遺伝子が外因性遺伝子であり、特に治療産物をコードする遺伝子である実施態様では、当該遺伝子は、融合タンパク質が特異的相互作用するプロモーターおよび調節領域に実施可能なように連結する発現カセットとして提供される。当該カセットは、内在性遺伝子の転写を目的とする融合タンパク質および適当なプロモーター中に存在する相当する亜鉛フィンガードメインにより認識される少なくとも1つのポリヌクレオチドドメインを含む。典型的に、調節可能発現カセットには、3から6の応答エレメントを含み、リガンド活性化転写調節融合タンパク質の核酸結合ドメインと相互作用する。
1.核酸の送達
標的細胞中への核酸分子の導入に適当な複合ウイルス性および非ウイルス性方法が当業者に利用可能である。細胞の遺伝的修飾は、遺伝子治療の分野で既知の1以上の技術を用い行われ得る(Human Gene Therapy, April 1994, Vol. 5, p. 543-563; Mulligan, R.C. 1993)。
核酸構成物を細胞に送達するためのウイルス性形質導入法を本明細書では意図している。本明細書で用いる適当なDNAウイルスベクターには、以下に限らないが、アデノウイルス(Ad)、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルスまたはポリオウイルスが含まれる。本明細書で用いる適当なRNAウイルスには、以下に限らないが、レトロウイルスまたはSindbisウイルスが含まれる。幾つかのそのDNAおよびRNAウイルスは、本明細書の使用に適するように存在することが当業者に理解し得る。アデノウイルスベクターは、真核細胞中への遺伝子導入に特に有用であることが証明され、広く当業者に利用されており、本明細書での使用に適当である。
遺伝子治療のための“非ウイルス性”送達技術には、DNAリガンド複合体、アデノウイルスリガンドDNA複合体、DNAの直接導入、CaPO4沈殿、遺伝子銃技術、エレクトロポレーション、リポソーム法およびリポフェクションが含まれる。任意のこれらの方法は、当業者に利用可能であり、本明細書の使用に適当である。他に適当な方法が当業者に利用可能であり、本明細書では任意の利用可能なトランスフェクション方法を用い得ることが理解できる。
a.細胞に対する構成物の送達
細胞は、インビボ、ex vivoまたはインビトロでトランスフェクトされ得る。当該細胞は、患者から単離された最初の細胞または最初の細胞から誘導された細胞系としてトランスフェクトされ、細胞が最終的に投与される患者にとっては必然的に自己由来ではない。ex vivoまたはインビトロトランスフェクション後、当該細胞を宿主に移植し得る。当該細胞の遺伝学的修飾は、遺伝子治療の分野で知られる1以上の技術を用い行い得る(例えば、(1994) Human Gene Therapy 5: 543-563)。
リガンドは、同様に、経口、非経口、静脈、筋肉内および他の既知経路を含む任意の適当な型の投与により送達され得る。任意の既知医薬製剤を意図する。
示されているように、リガンドは、天然に存在するリガンドであるが、好ましくは、LBDが修飾され特異的に相互作用する非天然リガンドである。LBDを修飾する方法は、そのリガンドをスクリーニングする方法として既知である。
医薬的に許容される担体において、治療的に有効量の融合タンパク質または融合タンパク質をコードする核酸分子が含まれる医薬組成物もまた提供される。別の亜鉛フィンガーヌクレオチド結合ドメインを有する1以上の融合タンパク質を含む医薬組成物を意図する。発現カセットを含む医薬組成物および当該リガンドを含む組成物もまた提供する。多数の組成物を含む組合せもまた提供する。
ここで、溶解するかまたは分散する活性成分を含む薬理学組成物の製剤が知られる。典型的なその組成物は、液体溶液または懸濁液、水性または非水性の何れかのように滅菌注入し得るように製剤化されるが、使用前の液体における溶液または懸濁液に適当な固体型もまた製剤化される。当該製剤はまた、エマルジョンとなり得る。錠剤および他の固体型も意図する。
内在性および外因性遺伝子の発現の制御の方法を提供する。特に、リガンド依存方法を提供する。当該方法の実施において、有効な結合量リガンドの存在下、有効量の融合タンパク質にさらされる融合タンパク質の核酸結合ドメインと相互作用する配列を含む標的核酸分子であって、それは、融合タンパク質と同時に加え得るか、または融合タンパク質の後に加え得る。融合タンパク質の核酸結合ドメインは、標的核酸分子の一部に結合し、当該リガンドは融合タンパク質のリガンド結合ドメインに結合する。暴露は、インビトロ、インシトゥまたはインビボで生じ得る。
遺伝子治療の方法を提供する。融合タンパク質を、タンパク質としてまたは当該タンパク質をコードする核酸として何れかとして投与し、ヒトのような哺乳類中の細胞または組織に送達する。当該融合タンパク質は、ゲノム内の特定配列(内在性遺伝子)、または発現カセットの一部として投与される外因的付加された遺伝子の何れかを標的とする。融合タンパク質の投与前、投与と同時または投与後、融合タンパク質中のLBDと特異的に相互作用するリガンドを投与する。標的遺伝子が外因性である実施態様では、ベクター中に存在し得る発現カセットを、融合タンパク質と同時または融合タンパク質の投与後に投与する。これらの方法は、任意の遺伝的疾患の処置、後天性疾患および任意の他の病状の処置を目的とする。疾患には、癌のような細胞増殖異常が含まれる。その治療は、融合またはタンパク質の何れかとしての、または細胞中で発現する核酸分子によりコードされる亜鉛フィンガーヌクレオチド結合ポリペプチドを含む融合タンパク質による異常を有する動物の細胞中への導入により治療効果を為す。融合タンパク質または核酸分子の送達は、本明細書に記載の方法を含む当業者に既知の任意の方法により行い得る。例えば、キメラウイルスまたはコロイド状分散システムのような組換え発現ベクターを用い行い得る。
設計特異的亜鉛フィンガードメインの構成および試験
変異体亜鉛フィンガータンパク質をデザインし、特異的DNA配列(表1)に選択的に結合するように構成した。以下の表1は、配列(配列番号77−92)を要約したものであり、GNNトリプルレットの16実施態様の最も高い選択性を示している。
F2XXX:
5'-ビオチン-GGACGCN'N'N'CGCGGGTTTTCCCGCGNNNGCGTCC-3'(配列番号25)
ここで、NNN=16トリプルレットのGNNセットまたはTGAの何れかであり、N’N’N’=その相補鎖である。
F2NNN:
5'-GGACGCN'N'N'CGCGGGTTTTCCCGCGNNNGCGTCC-3'(配列番号25)
ここで、NNN=64存在するトリプルレットのすべての混合物であり、N’N’N’=その相補鎖である。
亜鉛フィンガーファージディスプレイライブラリーのパンニングは、ビオチニル化標的部位ヘアピンオリゴを用いる溶液中で行った。7ラウンドのパンニングを以下の通り行った:一夜培養物から調製したファージを、種々の量の非ビオチニル化特異的競争物ヘアピンオリゴに事前に結合させ、その後、標的部位オリゴを添加した。事前の結合は、1%Blotto、5mM DTT、4μgシーアリングしたニシン精子DNAおよび100μlファージ調製物を含むZinc緩衝液A400μl中で行った。典型的に、標的オリゴよりも10倍少ない特異的競争物を、最初のラウンドのパンニングに用いた。その後のパンニングラウンドについて、特異的競争物の量は、最後パンニングラウンドの最高12μgまで逐次的に増加させた。室温で30分後、0.4μgビオチニル化標的ヘアピンオリゴを含むZinc緩衝液A100μlを加えた。RTで2.5時間から3.5時間後、標的オリゴに結合したファージは、Dynabeads M−280懸濁液(Dynal)50μlを加え、RTで1時間インキュベーションすることにより回収した。当該ビーズを磁石で回収し、2%Tween−20および5mM DTTを含むZinc緩衝液A(10mM Tris、pH7.5/90mM KCl/1mM MgCl2/90μM ZnCl2)で10回洗浄し、5mM DTTを含むZinc緩衝液Aで1回洗浄した。ファージは、RT、30分間で、10mg/mlトリプシンを含むTBS25μlで溶出させた。Super Broth75μlの添加の後、溶出ファージを、37℃シェーカー中で30分間のE. coliER2537培養物5mlに感染させた。当該体積を10mlに増やし、カルベニシリンを加え濃度20μg/mlとした。この段階で、多くの出力ファージ(output phage)の数を、カルベニシリン含有LB寒天プレートに感染細菌のアリコートをプレーティングすることにより、決定した。37℃の1時間の振盪後、カルベニシリン濃度を50μg/mlに増加させた。37℃の1時間を越える振盪の後、1013pfuヘルパーファージを加え、当該培養物をRTで数分間インキュベーションした。次いで、カルベニシリン(50μg/ml)およびZnCl2(90μM)を含むSuper Broth90mlを加え、当該培養物を37℃で2時間インキュベーションした。最終濃度70μg/mlのカナマイシンとなる添加において、当該培養物を37℃シェーカーで一夜インキュベーションした。ファージを、PEG沈殿により培養物上清から精製し、更なるラウンドのパンニングのため1%BSAおよび5mM DTTを含むZinc緩衝液A2ml中に再懸濁した。ファージの数を、E. coliER2537の感染のためファージプレップの種々の希釈を用い、その後、カルベニシリン含有LB寒天プレートにプレーティングすることにより、測定した。7ラウンドのパンニング後、亜鉛フィンガーcDNAを、マルトース結合タンパク質(MBP)融合物として亜鉛フィンガータンパク質を発現し得る、pMal−C2(New England Biolabs)の誘導物である細菌性発現ベクターpMal−CSS中にサブクローニングした。
3フィンガータンパク質をコードするDNAを作成するため、F2コーディング領域を、選択または設計したF2変異体からPCR増幅し、PCRオーバーラップ伸張によりアセンブルした。他に、Zif268またはSp1Cフレームワークを有するDNAをコードする3フィンガータンパク質は、それぞれ、8または6オーバーラッピングオリゴヌクレオチドから合成した。Sp1Cフレームワーク構成物は、以下のように作成した。
亜鉛フィンガーコーディング配列を含むプラスミドpMal構成物を、エレクトロポレーションにより、E. coli株XL−1Blue中に形質転換した。Super Broth3mlをインキュベーションし、37℃で一夜増殖させた。次の日、当該培養物を50mlコニカルチューブ中で1:20希釈し、37℃でOD600=0.5となるまで増殖させた。IPTGを最終濃度0.3mMとなるよう添加し、インキュベーションを2時間続けた。当該培養物を20分間遠心分離し、次いで、ペレットを、5mM fresh DTTを含むZinc緩衝液A400μl中に再懸濁した。次いで、当該サンプルを6回、乾燥氷/エタノール中で凍結させ、37℃水で融解し、最終的に30秒間遠心分離し、30分間氷上に放置し、その後、上清を使用した。
PBS中の濃度0.2μg/25μlのストレプトアビジンを96ウェルプレートの各ウェルに加え、37℃で1時間インキュベーションした。当該プレートを水で2回洗浄し、次いで、PBS中0.1μg/25μlのビオチニル化オリゴヌクレオチドまたは全くのPBSを適当なウェルに加え、1時間37℃でインキュベーションした。当該プレートを2回水で洗浄し、次いで、各ウェルをPBS中3%BSAで満たし、1時間37℃でインキュベーションした。BSAを洗浄せずに取り除き、5mM DTTを含むZinc緩衝液A中に希釈した適当な抽出物25μlを適当なウェルに加えた。当該結合反応は、1時間室温で行うことができた。当該プレートを8回水で洗浄し、次いで、Zinc緩衝液A中のα−MBPmAbおよび1%BSAをウェルに添加し、室温で30分間インキュベーションした。当該プレートを8回水で洗浄し、次いで、Zinc緩衝液A中、アルカリホスファターゼに結合した抗マウスmAbを添加し、当該プレートを30分間室温でインキュベーションした。最後に8回水で洗浄した後、アルカリホスファターゼ基質25μlおよび展開剤(developer)を各ウェルに添加した。インキュベーションは、室温で行い、各ウェルのOD405を30分および1時間の時点で測定した。
etsリプレッサー因子(ERF)リプレッサードメイン(ERD)(Sgouras et al. (1995) EMBO J. 14: 4781-4793)のアミノ酸473から530をコードするcDNAを、Taq DNAポリメラーゼを用い4つのオーバーラッピングオリゴヌクレオチドから作成した;KOX1(Margolin et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 4509-4513)のKRABドメインのアミノ酸1から97をコードするcDNAを、6つのオーバーラッピングオリゴヌクレオチドからアセンブルした;Mad sin3相互作用ドメイン(SID)(Ayer et al. (1996) Mol. Cell. Biol. 16: 5772-5781)のアミノ酸1から36をコードするcDNAは、3つのオーバーラッピングオリゴヌクレオチドからアセンブルされた。VP16転写活性ドメイン(Sadowski et al., (1988) Nature 335: 563-564)のアミノ酸413から489のコーディング領域は、pcDNA3/C7−C7−VP16(Liu et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94: 5525-5530)からPCR増幅された。テトラマー性リピートのVP16's最小活性化ドメインをコードし、アミノ酸437から447を含むVP64DNA(Seipel et al. (1992) EMBO 13: 4961)は、2対の相補性オリゴヌクレオチドから作成した。すべての生じたエフェクタードメインコード化フラグメントは、標準的クローニング手順により、亜鉛フィンガーコーディング領域に融合され、それによって、それぞれ得られた構成物は、内部SV40核局所シグナルおよびC末端HAデカペプチドタグを含んでいた。融合構成物は、哺乳類細胞中で発現するためpcDNA3中にクローニングした。
ヌクレオチド−584から−1(ATGコドンについて)を包含するインテグリンβ3プロモーターフラグメントは、ヒトゲノムDNAから、プライマーb3p(Nhe1)−f(5'-GAGGAGGAGGCTAGCGGGATGTGGTCTTGCCCTCAACAGGTAGG-3')(配列番号32)およびb3p(Hind3)−b(5'-GAGGAGGAGAAGCTTCTCGTCCGCCTCCCGCGGCGCTCCGC-3')(配列番号33)、ならびにTaq Expand DNA Polymerase mix(Boehringer)を用い、PCR増幅した。サイクリング条件は、94℃で30分間;40×(94℃で1分間、62℃で30分間、72℃で2.5分間);72℃で10分間であった。10%DMSOは反応混合物中に存在した。
すべてのトランスフェクションのため、HeLa細胞を24ウェルディッシュにプレートし、40−60%の集密で使用した。典型的に、レポータープラスミド200ng(pGL3−プロモーター構成物または陰性対照としてpGLbasic)およびエフェクタープラスミド(pcDNA3中の亜鉛フィンガー構成物または陰性対照として空(empty)のpcDNA3)を、リポフェクタミン剤(Gibco BRL)を用いトランスフェクトした。細胞抽出物は、トランスフェクト後約48時間で調製した。ルシフェラーゼ活性は、Progemaルシフェラーゼアッセイ試薬を用い、MicroLumat LB96P照度計(EG&G Berthold)中で測定した。
亜鉛フィンガードメインのモジューラー性および各亜鉛フィンガーが3bpのDNA配列を認識するという事実に基づき、幾つかのストラテジーを用い、好ましくは1から3のフィンガーを伴い、望ましいDNA結合特異性anを有する亜鉛フィンガータンパク質を作成する。例えば、18bp標的配列に結合する6フィンガータンパク質のインビトロの開発は、図1の概略のストラテジーに従った。標的配列は、6つの3bpサブサイトに分けられる(A−F)。最初の段階では、中央のフィンガー2が無作為化されたZif268に基づく亜鉛フィンガーファージディスプレイライブラリーは、2野生型フィンガーの配列中の全6サブサイトに対し選択される。所定の標的を必要とするすべてのフィンガー2変異体の上手くいった産生の後、ハーフ・サイト1(ABC)またはハーフ・サイト2(DEF)の何れかを認識する3フィンガータンパク質をコードするcDNAは、PCRオーバーラッピング伸張を介し構成される。最終的に、標準クローニング手順を用い、18bp標的部位全体を認識する6フィンガータンパク質をコードする遺伝子を構成する。
亜鉛フィンガーがGまたはTを用い5’位でG含有トリプレットと結合することを示す従前に行われたパンニング実験は、他のトリプレットに結合する亜鉛フィンガーよりも容易に得られる。亜鉛フィンガー標的配列は、18bp配列の各トリプレット中に1以上のG’が含まれ、そして各トリプレットはGまたはTで開始するように選択された(表2)。これらの要求に適合させるためにerbB−2標的B2を、2塩基により分けられる2つの半分に分割した。適当な亜鉛フィンガー間のより長いリンカーペプチドはまた、分割部位の認識用となり得る。Blast配列類似性探索は、各標的配列で行われ得、各18bp配列がヒトゲノム中の特有の部位に特異的であることを確認した(最大の類似性が許容される:16/18bp同一性)。
Zif268−C7(“C7”)のフィンガー2でDNAと接触に影響を与えるアミノ酸残基(Wu et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92: 344-348)は、PCRオーバーラップ伸張突然変異誘発ストラテジーを用い広範囲で無作為化した。2種の無作為化ストラテジーを用い、2つのサブライブラリーを、pComb3ファージディスプレイベクター(Barbas et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88: 7978-7982)を用い構成した。サブライブラリーは、それぞれ約4×109の独立したクローンを保有する。
試みが行われ、部位特異的変異誘発を用い、認識ヘリックスを修飾することにより幾つかの亜鉛フィンガードメインの結合特異性を改善した。ファージディスプレイ選択のデータおよび構造上の情報により、突然変異体の設計が導かれる。ヘリックスの1および5位は、認識において直接役割を担うとは予想されないけれども、特異性の最善の改良は、常に、これらの位置に修飾が含まれることである(Segal et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 2758-2763および表1)。これらの残基は、非配列特異的特質の親和性に寄与する、リン酸バックボーン接触の形成が観察される。そのため、非特異的接触の除去は、複合体の全体的安定性に対する特異的接触の重要性を増大させ得、それにより、特異性を促進させ得る。
9bpのDNA配列を認識する3フィンガータンパク質を産生するための2種のストラテジーを用いた。各ストラテジーは、亜鉛フィンガードメインのモジューラー性に基づき、表1に定義の5’−GNN−3’型のトリプレットを認識する亜鉛フィンガードメインのファミリーの利点を生ずる。5’−(GNN)6−3’erbB−2標的部位e2cのハーフ・サイト(HS)1および2を認識する、2つの3フィンガータンパク質は、第一のストラテジーにおいて、PCRアセンブリストラテジーを用い、事前に定義したフィンガー2(F2)ドメイン変異体を互いに融合することにより、産生した。
9bpのDNA配列の認識は、複合ゲノム内の特有部位への特異性には重要ではない。対照的に、18bpの連続DNA配列を認識する6フィンガータンパク質は、ヒトゲノム中の単一部位を決定し、そのため、遺伝子特異的転写スイッチの産生に重要な先行条件を満たす。erbB−2標的配列e2cに結合する6フィンガータンパク質は、単一の制限酵素消化により3フィンガー構成物から産生され、F2、Zif268およびSp1Cフレームワーク鋳型DNA(これらのタンパク質の配列の場合、Beerli et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95: 14628-14633参照)でクローニングされた。インテグリンβ3標的配列b3bおよびb3c2に結合する6フィンガータンパク質は、Sp1Cバックボーンを用い産生されるのみであった。精製MBP融合タンパク質のELISA分析により、各6フィンガータンパク質は、非標的5’−(GNN)6−3’部位またはタンデムリピートのZif268標的部位に対する交差反応を僅かに伴って、特異的標的配列を認識できることが示された。
亜鉛フィンガードメインおよび転写リプレッサーおよびアクチベーターを含有する融合タンパク質の構築
遺伝子特異的転写のレギュレーターとして亜鉛フィンガータンパク質の使用を示すために、E2C(Sp1)、B3B(Sp1)、B3C2(Sp1)の6フィンガータンパク質を多数のエフェクタードメインと融合した(Beerli et al.(198)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95:14628-14633)。転写リプレッサーは、3つのヒト誘導リプレッサードメインどれかを亜鉛フィンガータンパク質に付着させることによって生じた。最初のリプレッサータンパク質を、ets2repressor factor(ERF)の473〜530個のアミノ酸によって定義されるERF repressor domein(ERD)を用いて調製した(Sgouras et al.(1995)EMBO J. 14:4781-4793)。このドメインは、etsファミリーの転写因子の活性へのERFのアンタゴニスト的効果を媒介する。合成リプレッサーを亜鉛フィンガータンパク質のC末端との融合によって構築した。
ルシフェラーゼリポーター遺伝子と連結したerbB-2プロモーターフラグメントを含有するレポーター構成物を生成し、erbB-2特異的合成転写レギュレーターの特異的活性を試験した。該標的レポータープラスミドはATG開始コドンに関してヌクレオチド−758から−1を含み、一方、コントロールレポータープラスミドはヌクレオチド−1571から−24を含有し、そのため、−24位から−7位に含まれるE2C結合部位の1つのヌクレオチド以外の全ては欠損している。両プロモーターフラグメントは、HeLa細胞に一時的にトランスフェクションした場合に、以前の知見と一致して、同様の活性を示した。亜鉛フィンガーリプレッサードメイン融合構成物のerbB-2プロモーター活性への影響を試験するために、Hela細胞を、各亜鉛フィンガー発現ベクターとルシフェラーゼリポーター構成物とを用いて一時的にコトランフフェクションを行った(Beerli et al.,(1998)Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A.95:14628-14633)。顕著な抑制を、各構成物で観察した。該ERDおよびSID融合タンパク質は、約50および80%の抑制を各々生成した。最も高いリプレッサーは、KRAB融合タンパク質であった。このタンパク質は、erbB-2プロモーター活性を完全に抑制した。この観察された残存活性は、プロモーターを含まないpGL3リポーターのバックグラウンドレベルであった。対照的に、該タンパク質のどれもがE2C標的部位を欠損する該コントロールerbB-2プロモーター構成物の顕著な抑制を導かないため、抑制は確かにE2C(Sp1)タンパク質とその標的部位との特異的結合によって事実媒介されることを示している。どれかのエフェクタードメインを欠損する亜鉛フィンガータンパク質の発現は、約30%の弱い抑制を生じ、SIDおよびKRAB構成物で見られる殆どの抑制は、それらのエフェクタードメイン、むしろDNA結合単独で生じることを示している。この所見は、抑制機構が伸長よりむしろ転写開始の積極的な阻害であることを強く示唆するものであった。RNAポリメラーゼIIによって転写開始が一旦始まると、亜鉛フィンガータンパク質はポリメラーゼの作用によってDNAから容易に置換されるようにみえる。
インテグリンβ3プロモーターに対する転写レギュレーター特異性の活性を試験するために、インテグリンβ3プロモーターのコントロール下に、ルシフェラーゼオープンリーディングフレームを含有するリポータープラスミドを構築した。上記記載の2つのerbB-2プロモーターフラグメントと比較すると、該インテグリンβ3プロモーターフラグメントは非常に低い活性を示す。実際、いくつかの実験では、バックグラウンド以上のルシフェラーゼ活性の活性化は全く検出されず、KRAB融合タンパク質の効果に関する分析を防げた。しかし、VP64融合タンパク質を試験すると、インテグリンβ3プロモーターの効率的活性が観察された。B3B(Sp1)−VP64およびB3C2(Sp1)−VA64は、各々12および22倍転写を刺激した。erbB-2の活性に対する効果は全く検出されなかったので転写活性は特異的であった。
プロゲステロン受容体変異体を含む融合タンパク質構成物
ステロイド受容体ファミリー群をアミノ酸配列比較すると、それらは一般に多くの規定されたドメインを含み、N末端DNA結合ドメインともう少しC末端に位置したリガンド結合ドメインを包含することが示された。重要なことは、これらドメインはモジュラーであって、プロゲステロン受容体(PR)のDNA結合ドメインはGal4DNA結合ドメインと上手く交換する。この構成物のNまたはC末端にVP16活性化またはKRABリプレッサードメインを添加することにより、リガンド依存性方法でGal4応答性リポーターを制御し得るタンパク質を得た。これらの研究において使用したリガンド結合ドメインの重要な性質は、少しのC末端欠失を有する突然変異株PRから誘導されることである。この変異体は、プロゲステロンに応答できず、RU486などのプロゲステロンアンタゴニストにのみ応答性であり、この系をイン・ビボ用途に適切なものとしている。
ヒトエストロゲン受容体リガンド結合ドメインを含有する組替えリガンド活性化転写性調節融合タンパク質
ヒトエストロゲン受容体は、ステロイド受容体タンパク質の例として図2に示される。方形の下のこの数字は、各ドメインのボーダーを定義するアミノ酸残基の位置を示す。A/Bは、アミノ末端活性化機能1(AF−1)のドメインであり、CはDNA結合ドメインであり、Dはhinge領域と呼ばれ、Eはリガンド結合ドメインであり、またこれは活性化機能2(AF−2)も包含し、Fはカルボキシ末端に最も近い部分で、そのドメインの機能が完全には確立されない。ホモ二量体化複合体に関与し安定化するタンパク質の領域は、C、DおよびEドメインに分散している。ステロイド受容体リガンド結合ドメインの領域(図2中の領域E)に加えて、天然DBD中の領域およびhinge領域(各々領域CおよびD)が、該受容体のホモ二量体化に分担する。C2H2含有受容体の機能に関するこれらの領域の重要性を示すために、3つの異なる鎖長LBDフラグメントを含有するタンパク質が構築された。これらの異なる鎖長のLBD構成物により、A、BおよびC(図3)を設計した。LBDフラグメントAは、「最小の」LBDフラグメントとして一般的に引用されるものを示す。いくつかの研究は、hinge領域が、ステロイド受容体LBD−キメラタンパク質において重要な役割を担うこと;フラグメントBはLBDとhingeを示すことを示唆している。エストロゲン受容体の、天然CまたはDNA結合領域は、C4−C4クラスの2つの亜鉛フィンガーを含有する。該5'またはアミノ末端フィンガーはDNA特異的接触に寄与する;該3'フィンガーはDNA結合ドメイン二量体複合体を安定化するために寄与する。3'天然亜鉛フィンガーの寄与を利用するように、3'天然亜鉛フィンガーが保持され、C2H2亜鉛フィンガー配列に直接融合したLBDフラグメントCが包含される。
最初に、pcDNAC7VP16中、C7を含有するSfiIフラグメントをSfiI切断後のpMaI/E2C(hs1)から単離したE2C(hs1)フラグメントで置換することによって、介在性構成物pcDNAE2CVP16を構築した。次に、pcDNAE2CVP16をSpeIで切断し、1kbのフラグメントを単離した。このSpeIフラグメントを、pcDNA−E2CLBDASTA2を作ったpcDNAC7LBDASTA2の大きなSpeIフラグメントに連結した。同様の過程を行い、pcDNAE2CLBDBSTA2を構築した。
該融合タンパク質が配列の特異的手法でDNAに結合することを示すため、またタンパク質の化学量論:DNA結合を評価するために、標準的な電気泳動シフトまたはゲルリターデーションアッセイを行った。
ZFP−LBD融合タンパク質による形質転換遺伝子発現のリガンド依存性調節
形質転換遺伝子発現を調節するための融合タンパク質C7LBD A、BおよびCの能力を評価するために、標準的なコトランスフェクションリポーターアッセイを行った。SV40プロモーターフラグメントの上流とホタルルシフェラーゼ(pGL3Pro;Promega)をコードするリポータータンパク質を挿入したダイレクト・リピートC7結合部位(6×2C7)の6つのコピーを含有する6×2C7pGL3Lucとして知られるリポーター構成物を、構築された融合タンパク質と共に形質移入し、以下に記載したようにアッセイした。
1.C7ASTA2、C7BSTA2:VP16最小ドメイン三量体で形成するC7LBDAまたはBショート
2.C7BS−STAT:STAT6カルボキシ活性化ドメインで形成するC7LBDBショート
3.C7BS VP16:完全長のVP16アクチベージョンドメインで形成するC7LBDBショート
4.C7AS nlsVP16:nlsによって先行した完全長のVP16を有するC7LDAショート
レポーター構成物に依存するC7−PBD−VP16構成物のリガンド独立活性
初期の試験では、C7−PBD−VP16構成物は高い基底活性(即ち、リガンド依存性)を示した。従って、C7−PBD−VP16を、本来のもの、即ちGal4を基にした構成物GL914VPc'と比較したが、それは報告によると非常に低い基底活性を示した。GL914VPc'タンパク質は6×Gal4−SV40プロモータールシフェラーゼリポーターについて試験した場合、それは、C7−PBD−VP16以上に高い基底活性を示した。エフェクター/リポーターの割合が変動しても、両方の系で基底活性に対して効果を示さなかった。しかし、至適な誘導のための割合は、GL914VPc’およびC7−PBD−VP16について異なり、各々1/30および1/10であることがわかった。
DNA結合ドメインのハーフ・サイトのスペーシングおよび配向性の至適化
天然に存在するステロイドホルモン受容体は、通常インバート・リピート、即ちパリンドロームSREに結合する。しかし、幾つかの場合では、結合においていくらかの柔軟性が存在する場合に示された。ダイレクト・リピートおよびインバート・リピートもまた応答性配列として役に立つ。ステロイド受容体を基にしたスィッチ構成物の結合のために全部で18のC7ダイマーTATAルシフェラーゼリポーター構成物の2つのハーフ・サイトの至適スペーシングおよび配向性を測定するために調製した。0〜5個の介在塩基のスペーサーによって直接的に各6つのC7ダイマーを逆転させ、リピート配向性を裏返した。これらの各リポーター構成物に対するRU486応答性C7−PBD−VP64タンパク質の試験により、RU486誘導性活性がリポーターの各々で観察されたことから、実際完全にいくつかの柔軟性が存在することが明らかになったことがわかった(表7-9以下;記載の値は2つの定量値の平均と標準偏差である)。各リポーターの応答性の程度において明らかに相違があった。
C7−PBD−リプレッサードメイン融合タンパク質構成物
制御し得る転写リプレッサーとしてPBD融合タンパク質の使用を評価するために、C7−PBDを多数のリプレッサードメイン(表10、以下)と融合した。
ルシフェラーゼリポーターアッセイで試験した場合、多くのリプレッサー構成物は有意な活性はなかった。C7−PBD−KK(2つのKRAB−Aボックスの二量体を含有する)は、25−50%の抑制を再現的に導いたが、殆どがRU486依存性であった。しかし、RU486非依存性のより強固な抑制は、C7−PBD−SKD構成物で観察された。
3フィンガー−PBD−VP64ホモ/ヘテロ二量体によるerbB−2プロモーター活性の制御
C7−PBD−VP16スイッチタンパク質が、5塩基対のスペーシングC7部位の10個のダイレクト・リピートを含有する10×C7リポーター構成物を制御するこができたが、このことはスイッチダイマーがこの特異的なスペーシングを有するダイレクト・リピートに結合し得ることを示す。erbB−2プロモーター活性のリガンド依存性制御に関するホモおよびヘテロ二量体の3フィンガーPBD融合タンパク質の潜在的な使用を評価するために、該プロモーター領域を(GNN)3N5(GNN)3モチーフの存在についてスクリーンした。4つの二量体標的部位(E2E、E2F、E2GおよびE2H)を同定した。E2Eは18塩基対E2C標的配列とオーバーラップし、ホモ二量体に関する結合部位として機能し得る。別の3つの部位はヘテロ二量体結合部位として機能するための潜在力を持つ。3フィンガータンパク質を獲得したその7つは、F2ステッチによって生成されELISA(表11、以下)によって結合するために分析した。次いで、erbB−2特異的なスイッチ構成物を、各3フィンガータンパク質のPBD−VP64への融合によって生じ、erbB−2プロモーター活性を制御するそれらの能力を試験した。該値は、2回の測定の平均および標準偏差である。ヘテロ二量体E2F−PBD−VP64スイッチのみが、erbB−2プロモーターの検出可能な制御を導いた。この制御は、RU486に依存性ではなくC7−PBD−VP16およびC7−PBD−VP64タンパク質の高い基底活性に一致する。
N末端エフェクタードメインを有するエストロゲンおよびプロゲステロン受容体融合タンパク質
エストロゲン受容体(ER)リガンド結合ドメイン(EBD)を用いて、組替え体リガンド応答性ポリペプチドを構築した。Myc−ER融合構成物を、Eliane Muller から得、EBDコード領域の起源として使用した。ヒト野生型アミノ酸配列を含有するというよりはむしろ、Myc−ERは、もはやエストロゲンを結合しないがエストロゲンアンタゴニスト4−OHタモキシフェンを結合することを示すポイントミューテーション(aa282−599、G525R)マウスEBDを含有し、そして逆説的にそれによって逆に活性となった。血清がエストロゲンを含有するためでなく、全ての組織培養培地で存在するフェノールレッドがエストロゲンアゴニストとして作用するために、これはイン・ビボの適用への、そして組織培養実験への利点を示す。
核ホルモンLBDに融合した3フィンガータンパク質を用いる標的化自然プロモーター
3フィンガースイッチホモおよびヘテロ二量体についての以下の標的配列を、ヒトerbB−2(E2)およびインテグリンβ3(B3)プロモーターにおいて同定した。
核標的リガンド結合ドメインに融合した6フィンガータンパク質を用いる標的化自然プロモーター
「6フィンガーヘテロ二量体」
記載したいずれかのフォーマットを用いて単一の18塩基部位への結合に対する6フィンガータンパク質の制御は失敗した。同様に、C7−PBD−VP64タンパク質は単一のC7部位のみを含有するTATAリポーター活性化しなかった。別法として、ヘテロ二量体構成物を調製したが、この中にはただ1つの二量体化パートナーがDNA結合ドメインを含有し、一方他方はエフェクタードメインを含有する。
該形式は以下のものであった:
(1)E2C−PR//PR−VP64
(2)E2C−ER//ER−VP64
制限エンドヌクレアーゼSfilで分解後、C7 3フィンガータンパク質を、標準的なクローニング法によって、6フィンガータンパク質E2C、B3B、B3C2および2C7で置換した。制限エンドヌクレアーゼAsclおよびPaclで分解後、活性化ドメインVP16を、活性化ドメインVP64と抑制ドメインKKおよびSKDで置換した。
全てのトランスフェクションに関して、HeLa細胞を24ウェルディッシュ上で培養し、40−60%の密生で用いた。通常、175ngリポータープラスミド (pGL3プロモーター構成物、または負対照としてpGLbasic)および25ngエフェクタープラミド(pcDNA3中の亜鉛フィンガータンパク質、または負対照として含まないpcDNA3.1)を、リポフェクタミン試薬(Gibco BLR)を用いてトランスフェクトした。細胞抽出物をトランスフェクション後の48時間で調製した。ルシフェラーゼ活性を、MicroLumat LB96P照度計(EG & GBerthold)でPromegaルシフェラーゼアッセイ試薬を用いて測定した。
Bombyx mori EcRに対するコード領域を含有するプラスミド (LNCVBE)をF.Gageから得た。Bombyx mori EcRを下記に挙げたプライマーおよびAmpliTaqDNAポリメラーゼ(Hoffmann-LaRoche)を用いて、このプラスミドからPCR増幅した。前方および後方プライマーを選択し、Drosohila EcRをBombyx mori EcRで置換する以外は図14に対応する該構成物を構築した。
このヘテロ二量体を、2つのレポーター、10C7部位を含有するものと62C7部位を含有するものについて、2つの細胞系、HeLaおよびNIHで試験した。全ての場合で、C7−R−VP16構成物のみが、ポナステロンAの存在に依存せずに高い転写活性(840倍)を示した。しかしs、該C7−E−VP16構成物をそれ自身に対して転写活性が非常に低いことを示した。C7−R−VP16//C7−E−VP16共に、C7−R−VP16単独と同じ挙動を示した。
このヘテロ二量体において、RXR上の活性化ドメインを除いて、上記観察された基底活性を排除した。EcRは、DNA結合RXRの存在に依存して活性を与えるDAN結合ドメインを持たない。このヘテロ二量体を、1つのE2P結合部位を含有する、10C7レポーター上の3フィンガータンパク質C7を用いて、またE2Pレポーター上の6フィンガータンパク質E2Cを用いて試験した。両方の場合において、有意な活性は観察されなかった。
C7−R//C7−E−VP16の低い基底活性と、C7−RVP16//C7−E−VP16で見られるような高い活性を組み合わせるためにRXR上の活性ドメインを除くが、EcR上の亜鉛フィンガータンパク質を保持させた。6×2C7レポーターに対してこの配置において、非常に低い基底活性を有する5倍の活性化が観察された。より強力なVP64活性ドメインを用いて同様の構成物も作製した。
このヘテロ二量体構成物は、erbB−2プロモーターの各比6.7/60および2.2/60で5.3倍のタモキシフェン依存性活性を示した。
このヘテロ二量体構成物は、1/10の比で2.9倍のerbB−2プロモーターのタモキシフェン依存性抑制を示した。
この6フィンガーヘテロ二量体構成物は、β3プロモーターの4.5−7.8倍のタモキシフェン依存性活性を示した。
E2C−KRABのアデノウイルス介在送達を用いる内在性ErbB−2遺伝子発現の制御
アデノウイルスベクターを非常に高い力価で生成することができた。これは遺伝子治療用途で有用である。動物モデルにおけるE2C−KRABリプレッサータンパク質の使用を説明するために、アデノウイルスをコードするE2C−KRAB(および、コントロールとして2C7−KRAB)を生成した。アデノウイルス生成のための方法は、詳細に記載する、例えば、He et al.(1998)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.95:2509-2514。
リガンド依存性誘導とリガンド選択性を改良するエストロゲン受容体リガンド結合ドメインへの修飾
エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン中の1つのアミノ酸変異は、遺伝子活性の、基底およびリガンド依存性レベルに対する有意な効果を持ち得る。例えば、エストロゲン受容体残基400位でグリシンをバリンに置換することは脱安定化または温度感受性変異として述べられる(White(1997)Adv. Pharmacol. 40:339-367;Aumais et al.,(1996)J.Biol.Chem.272:12229-12235)。融合タンパク質の特性について、この変異の効果を試験した。アミノ酸を変えた融合タンパク質を構築するための一般方法を以下に記載する。
ZFP−LBD融合タンパク質による導入遺伝子の制御における、最小プロモーター構成の影響
レポーターアッセイに用いられる最小プロモーターの構成は、遺伝子発現のレベルに劇的な影響を与え得る。同様に、天然のステロイド受容体の活性は、異なる標的遺伝子において、それらのプロモーター構成に応じて変化する。本明細書でTATAと呼ぶc−fos遺伝子由来の最小TATAボックスプロモーター断片の上流に6x2C7結合部位を有するレポーター構成物を、制御のレベルに与える影響を示すために構築した。G400VまたはG521R突然変異を含まないか、または含む、C7LBDのAおよびBの融合物を比較した。pGL3 SV40プロモーターで以前に観察されたように、G400VおよびG521R突然変異によって、これらのキメラの基底活性は、これらの突然変異を有さないものと比較して有意に減少した。さらに、G521R突然変異は、タモキシフェンによって選択的に活性化された。この弱い最小プロモーターにおいて、エストロゲンはほんの弱い誘導因子でしかなく、一方4−OH−タモキシフェンは有意に優れていた。この影響は、C7LBDAで、Bに比較してより明らかである;キメラC7LDBA(G400V)において、タモキシフェンはエストロゲンよりも少なくとも10倍は活性が高かった。
pGL3Lucのプロモーター領域の上流に挿入したC7結合部位(GCG TGG GCG)またはE2C結合部位(GGG GCC GGA g)の3コピーのダイレクト・リピートを有するレポーター構成物を、2つの異なるZFP−LBDBs融合タンパク質レギュレーターの標的特異性を評価するために使用した。C7DNA結合ドメインまたはE2C結合ドメインのどちらかを含むZFP−LBDBshortの融合物を構築し、2つの異なるレポーター構成物で試験した。実験は、組換え分子構成物C7LBDBSおよびE2CLBDBSを用いて、ルシフェラーゼレポーター遺伝子構成物のプロモーターの上流に挿入したC7またはE2C結合部位の3回ダイレクト・リピートが、Hela細胞におけるエストロゲン依存性遺伝子発現に与える影響を示すように計画された。エストロゲン依存性誘導は、キメラのDNA結合ドメイン(DBD)がレポーターの結合部位に適合する場合にのみ起こった。E2CLBDキメラは、3x2C7Lucレポーターでルシフェラーゼ活性の増加を示さず、3xE2CレポーターでのC7LBDで、逆もまた真であった。
6つのC2H2亜鉛フィンガーのアレイを含むZFP−LBD融合タンパク質レギュレーターの構築と評価
18bpまでのDNAに結合する亜鉛フィンガーのアレイからなるDNA結合ドメインが、正常なエストロゲン受容体DBDを置換し得るか否かを決定するために、実験を行った。9bpに結合する3つのフィンガーのアレイを含む以前の構成物は、各受容体単量体につき6bpを結合する野生型エストロゲン受容体リガンド結合ドメインの、かなり伝統的な置換物である。大きいDNA結合ドメインがLBD断片に融合されると、立体構造的妨害のために、これらの領域がLBD二量体化ドメインを介する二量体化を妨げる可能性が有る。しかし、6つのフィンガーのアレイは、既に高いDNA特異性と親和性をもたらしたので、これらの融合タンパク質のDNA結合と活性に、二量体化は不要であり得る。融合タンパク質レギュレーターを、2C7の6つのフィンガーのアレイを上記の3つのLBD断片A、BおよびCに融合させることによって調製した。図15は、2C7LBDshortA、BおよびCの集合に必要な、クローニングの段階の概要と説明である。
さらなるレポーター導入遺伝子構成物の構築と評価
誘導可能プロモーターを、3フィンガータンパク質N1の結合部位をベースとして構築した。該プロモーターは、3bpで隔てられたN1部位の5つのダイレクト・リピートを含む;5反復間のスペーシングは6bpである(図23A)。
リガンド存在下でのヘテロダイマー形成
図25は、RU486に誘導される機能的VP64−C7−PR/VP64−CF2−PRヘテロダイマーの形成を示すルシフェラーゼアッセイの結果を表わす。Hela細胞に、対応するエフェクタープラスミドおよびTATAレポータープラスミドを共にトランスフェクションした(C7/CF2−dr0、5'のC7部位からCF2部位、ダイレクト「リピート」、スペーシングなし;C7/C7−dr0、ダイレクト・リピート、スペーシングなし)。24時間後、該細胞を10nM RU486で処理した。トランスフェクションの48時間後、細胞抽出液のルシフェラーゼ活性をアッセイした。
アデノウイルスベクターでのCys2−His2亜鉛フィンガーDBD−ER LBDレギュレーターの構築と評価
エクスビボ(ex vivo)またはインビボのどちらでも、哺乳動物細胞に制御システムの2つの構成要素を効果的に送達するために、一連のアデノウイルスベクターを構築した。これらのベクターは、前初期CMVプロモーターに連結したZFP−LBD融合タンパク質レギュレーターか、または前記のようにC7結合部位の6x2C7配列アレイおよび、SV40由来最小プロモーターもしくはc−fosTATAに連結された制御可能な導入遺伝子のどちらかを含有する。該融合タンパク質レギュレーターベクターおよび制御可能な導入遺伝子ベクターは、次いで様々な割合で混合され、標準的な方法で細胞または動物に送達される。
レフトウイルスITR、CMV前初期プロモーターおよびZFP−LBDレギュレーターを含むシャトルプラスミドを、プラスミドpAvCVIx中で調製した(図26)。このベクターはポリアデニル化配列のすぐ下流にloxP組換え部位を有することに留意されたい。キメラレギュレーターC7LBD As(G521R)、C7LBD Bs(G521R)およびC7LBD Bs(G400V)の完全なリーディングフレームをコードするDNAを、適切なpCDNA構成物から、制限酵素EcoRIおよびNotIでの切断によって切り出した(LBD AsおよびLBD Bs構成物には、それぞれ図4および5を参照のこと)。制限部位突出を埋めるためにZFP−LBDのDNA断片をKlenowで修飾し、平滑末端をpAvCvlxのbp1393のEcoRV部位にライゲーションして、pAvCv−C7LBD As(G521R)、pAvCv−C7LBD Bs(G521R)およびpAvCv−C7LBD Bs(G400V)を生成させた。
2つの制御可能な導入遺伝子カセットを調製した。一方はpGL3 6x2C7−Luc(実施例5に記載)のように、ルシフェラーゼ導入遺伝子に連結された6x2C7結合部位とSV40最小プロモーター断片を含有した。第2のベクターは、アミノ末端の分泌シグナルと融合したマウスのエンドスタチンをコードするcDNAと連結した6x2C7結合部位およびc−fosTATA最小プロモーターを含有した。この融合タンパク質の完全な配列は、配列番号70および71に列挙されている。
ベクター構築を完了するためには、ウイルスベクターゲノムの残りの部分を含むプラスミドが必要である。図27に示すpSQ3と称するこのプラスミドは、pBR322由来のバックボーン、アンピシリン耐性遺伝子およびアデノウイルス血清型5ゲノムを含む。以前に記述されたように、アデノウイルス血清型5ゲノムはAd5のbp3329から始まり、ライトITRを含み、E2aおよびE3に欠失がある(Gorziglia et al. (1996) J. Virol. 70:4173-4178)。さらに、このプラスミドには2つの重要な特性がある。Ad5配列のすぐ上流のBamHI部位(bp31569)に挿入されたloxP部位と、ウイルスの5'ITRの末端にあるClaI部位である。このClaI部位は、ベクター構築中にプラスミドを線状にしてライトITRを露出させるために使用される。
融合タンパク質レギュレーターAv3CV−C7LBDAS(G521R)、Av3CV−C7LBDBS(G521R)およびAv3CV−C7LBDBS(G400V)をコードする3つのアデノウイルスベクターと、制御可能な導入遺伝子Av3SV−LUCおよびAv3TATA−Endoを含む2つのベクターを構築した。各ベクターは、標準的な手法で生成した。概説すると、各ベクター構成物用に、3種のプラスミド、即ち、pSQ3(事前にClaIで切断)、適するレフトエンドシャトルプラスミド(例えば、pAvCv−C7LBD As(G521R)、またはpAv6X2C7SV40−Luc(lox)、事前にNotIおよびAflIIで切断)、およびCreリコンビナーゼ用の発現プラスミドであるpCMV−CREを、デキサメタゾンで誘導したAE1‐2a細胞に、PromegaのProfection Kitを用いて、重量比3:1:1で共にトランスフェクションした(Gorziglia et al.)。トランスフェクションの約1週間後、細胞を回収し、4サイクルの凍結/融解によって溶解した。生じた細胞溶解物を、デキサメタゾンで誘導した新鮮なAE1‐2a細胞に移し、細胞変性効果(CPE)が観察されるまで約1週間培養を続けた。この過程を、塩化セシウム平衡密度遠心分離法でベクターを精製するのに十分な材料が得られるまで、数サイクル繰り返した。一度精製したら、10mMトリス、1mMEDTA、0.1%SDSを含む緩衝液中で、56℃で15分間ベクターを溶解し、冷やし、260nmの波長での吸光度(OD260)を読んで、ベクターを定量した。OD260の示度を、1OD260ユニット=1.1x1012粒子/mlを用いて、ウイルス粒子の濃度に変換した。
アデノウイルスベクターを用いるインビトロ制御
アデノウイルスベクターによって送達された導入遺伝子が発現を制御する能力を、以下の実験で証明した。Hela細胞を2つのアデノウイルスベクターの混合物に感染させた。一方のベクターは融合タンパク質レギュレーターのどちらか(Av3−C7LBD−A(G521R)またはAv3−C7LBD−B(G52R))を、他方は6x2C7SV40−lucカセットを含む。エフェクターベクターに対する標的ベクターの最適な割合を決定するために、導入遺伝子または標的ベクターの2通りの異なる用量(細胞当り50または250のウイルス粒子)を、3通りの異なる割合のエフェクターベクター(各標的の用量について、細胞当り50、250、750粒子)で試験した。ベクター形質導入の24時間後、細胞を100nM4−OH−タキシフェンで適切に処理した。さらに24時間インキュベートした後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ活性についてアッセイした。Av3CV−C7LBD−A(G521R)ベクターについて、データは、4−OHT非存在下でルシフェラーゼ活性が比較的低レベルであること、4−OHT依存的誘導が強いこと、そして融合タンパク質レギュレーターベクターをより多く使用するのに伴って、luc活性が用量依存的に増加することを示した。試験したキメラレギュレーターベクターの最大用量(細胞当り750粒子)では、細胞当り250および50粒子の標的ベクター用量のとき、基底の460ないし560倍のタモキシフェン特異的誘導が、それぞれ達成された。
C7LBDレギュレーターがインビボで導入遺伝子の発現を制御する有効性を証明するために、3つの重要な変数を評価するように実験を計画した。変数は、1)G400VまたはG521R突然変異のどちらかを含むレギュレーターの有効性、2)標的およびエフェクターベクターの比率、および3)4−OHTの用量、である。G400VおよびG521R突然変異は、以下の点で重要である。G521R突然変異は4−OHTに選択的に応答し、内在性エストロゲンに影響されないが、最大の活性になるためにG400V突然変異より約10倍高い薬剤濃度を必要とする。G400Vはより低い4−OHT用量で活性だが、エストロゲンによる誘導を受けやすく、インビボでより高い基底活性を示し得る。
実験グループには以下のものが含まれる:
ネガティブコントロール−2x1011粒子のAv3Null(導入遺伝子を持たないAdベクター)
ポシティブコントロール−2x1011粒子のAv3RSV−mEndo(RSVプロモーターから構成的にエンドスタチンを発現する)。
1:1As521−1x1011粒子のAv3TATA−mEndoおよび1x1011粒子のAv3Cv−C7LBDAs(G521R)を与えられた;無処理(基底)または+50μgタモキシフェン。
1:1Bs400−1x1011粒子のAv3TATA−mEndoおよび1x1011粒子のAv3Cv−C7LBDBs(G400V)を与えられた;無処理(基底)または+50μgタモキシフェン。
さらに、グループ5および6は、グループ3および4と同様であったが、エフェクターに対する標的の割合を1:3にするために、0.5x1011個のAv3TATA−mEndoベクターおよび1.5x1011個のC7LBDレギュレーターベクターを動物に与えた。グループ3−6は、薬剤無し、50μgおよび500μgタモキシフェン処理のサブグループをれぞれ含んだ。
この実施例で示されたインビトロおよびインビボの結果は、ZFP−LBD融合タンパク質が、アデノウイルスベクターによって効果的に送達され得ること、そして動物で導入遺伝子の高レベルな薬剤依存的制御を引き起こすのに十分な量で発現され得ることを証明している。さらに、融合タンパク質が同じ細胞内で発現されたときでさえ、アデノウイルスベクターで試験した6x2C7最小プロモーター構成物からの発現の基底レベルが比較的低いことが、データに示された。従って、該システムは高度に薬剤依存的であり、ベクターによって送達された導入遺伝子の実質的な制御を可能にしている。合わせて考えると、これらのデータは、遺伝子治療の応用にこのシステムが有効であることを証明している。
レンチウイルスベクターでのCys2−His2亜鉛フィンガーDBD‐ERLBDレギュレーターの構築と評価
組込みベクターシステムでの制御された遺伝子発現を証明するために、実施例19に記載したアデノウイルスベクターを用いる制御システムを用いて、一連のレンチウイルスベクターを開発した。これらのベクターは、前初期CMVプロモーターに連結したZFP−LBD融合タンパク質か、またはC7結合部位の6x2C7配列アレイおよび、SV40由来の最小プロモーターまたはC−fosTATAのどちらかに連結した制御可能な導入遺伝子(eGFPまたはルシフェラーゼ)を含有した。融合タンパク質をコードするベクターと制御可能な導入遺伝子ベクターを、今度はレンチウイルスベクター上清を生成するのに使用できる。該上清を、安定に形質導入されたヒト細胞に単一または並行で使用できる。組込みベクターを含む安定な細胞株を、次いで適切な活性化する薬剤(例えば、4−OH−タモキシフェン)で誘導し、薬剤の存在下および非存在下での遺伝子発現を、誘導倍率として計測することができる。
レンチウイルスベクターとベクター上清の生成には、3つの主な段階がある:
第1に、転写、パッケージ、逆転写および組込み用のウイルスの全シス−エレメントを含むシャトルベクターのバックボーンプラスミドに、目的の遺伝子または領域を挿入する。第2に、レンチウイルスベクターのシャトルプラスミドを、パッケージの機能(gag、polおよびenv)をもたらすプラスミドと共に、ヒト293細胞にトランスフェクションする。典型的には、10μgのベクタープラスミド、10μgのパッケージングプラスミドおよび1μgのエンベローププラスミド(水疱性口内炎ウイルスGエンベロープ)がトランスフェクションに含まれ、Profection Calcium Phosphateトランスフェクションキットを使用する。第3に、レンチウイルスベクターを含む培養物の上清を回収し(トランスフェクション後24から48時間の間に)、未処理のヒト標的細胞に形質導入するために用いる。
内部にCMVプロモーターを有するHIV−1ベースのベクターシステムを、感染性のHIV−1IIIBプロウイルスcDNA(pHIV−IIIB)から構築した。慢性的にHIV−1IIIBに感染したH−9細胞から単離したDNAからのPCRによって、感染性プロウイルスcDNAを生成させた。pHIV−IIIBのgag/polおよびenv配列を、PstI−KpnI断片の切断と切り出しによって除去した。gag/polおよびenv配列と置き換えたものは、唯一のマルチクローニング部位を含むPstI/Kpnポリリンカーであり、中間ベクターp2XLTRを形成させた。正しいベクターRNAプロセッシングに必要なHIVIIIB由来のRev応答エレメント(RRE)を、p2XTRの切除されたgag配列の下流に挿入し、pHIVec構成物を形成させた。pEGFP−N1(Clonthch, Palo Alto, CA)由来のAsel−XbaI CMV−eGFPレポーター断片を、pHIVecのNdeI−Xba部位にクローニングし、pHIVCMVGFPを生成させた。KpnI切断および再ライゲーションによってeGFPを除去して、pHIVCMV−Xを生成させた。
C7LBDASをNotIで切断し、T4ポリメラーゼで埋め、EcoRI部位で切断して、AS521R(C7LBD/A(G521R))をコードする断片を得、これをpHIVCMV−XのCMVプロモーターの下流でEcoRI/SmaI制限部位にクローニングした。誘導のコントロールとして、構成的トランスアクチベーターおよびDBDのキメラを含むHIVベクターであるpHIVCMV−C7VP16を生成させた。C7VP16をコードする断片を含むpCDNA3−C7VP16由来のHindIII−NotI制限断片を、pHIVecCMV−XのSma部位でCMVプロモーターの下流に挿入した。
6X2C7TATAルシフェラーゼ断片を含むBamHI−XbaI制限断片を、pTATA6X2CLucから単離し、SpeI‐XbaI制限部位でRREの下流にクローニングした。pGL3−6X2CSvLucから6X2C7Svルシフェラーゼ断片を含むMluI−BstBI制限断片を単離し、SpeI‐XbaI制限部位でRREの下流にクローニングした。
誘導可能レンチウイルスベクターによるHela細胞の形質導入
やや密集したHela細胞を、HIV6X2C7SvLucまたはHIV6X2C7TATALucベクターの上清で24時間形質導入し、続いてHIVAS521Rレンチウイルスベクター上清で形質導入した。細胞を新鮮な培地で24時間感染から回復させ、その後4−OH−タモキシフェン(100または1000nm)を培養に加えてさらに24時間おいた。細胞を標準的なルシフェラーゼ溶解緩衝液で溶解し、凍結融解に処して、ルシフェラーゼアッセイキット(Promega)を用いてルシフェラーゼ活性を分析した。その結果、HIV6X2C7SvLucまたはHIV6X2C7TATALucのどちらかに感染し、続いてHIVCMVAS521Rで形質導入した細胞は、4−OH−タモキシフェンを与えられると、ルシフェラーゼ活性がそれぞれ13.1および11.7倍刺激される結果となることが示された。
以前にHIV6X2C7SvLucまたはHIV6X2C7TATALucのどちらかで形質導入されたHela細胞を、ZFP−LBD融合タンパク質にさらすことなく9回植継いで培養した。10回目の植継ぎで、細胞をHIVCMVAS521Rで24時間形質導入し、続いて100nmタモキシフェンを加えてさらに24時間おいた。結果は、組込まれたHIV6X2C7SvLucまたはHIV6X2C7TATALucベクターを含有するHela細胞株は、AS521Rを含むLVの形質導入+タモキシフェンによって、ルシフェラーゼ発現についてそれぞれ31.4および22.5倍誘導され得ることを示す。
Claims (40)
- 細胞内受容体由来の改変されたリガンド結合ドメイン(LBD)と作動可能に連結したヌクレオチド結合ドメイン(DBD)を含む融合タンパク質であって、
融合タンパク質が、リガンド活性化転写レギュレーターであり;
ヌクレオチド結合ドメインが、亜鉛フィンガーモジュラー部分を含む多指(polydactyl)亜鉛フィンガーであり;
ヌクレオチド結合ドメインの各モジュラー部分が、少なくとも3つのヌクレオチドの隣接するヌクレオチド配列と相互作用し;
LBDのリガンド特異性が、LBDが誘導された天然細胞内受容体のリガンド結合ドメインのリガンド特異性と比較してそのリガンド特異性が変化するように改変され、それによって融合タンパク質を活性化するリガンドがLBDが誘導されたレセプターを活性化するリガンドではなく、そして、
融合タンパク質が少なくとも6つの亜鉛フィンガーモジュラー部分を含む、
融合タンパク質。 - モノマーである、請求項1の融合タンパク質。
- 第1のモノマーおよび第2のモノマーを有するダイマーである、請求項1または請求項2の融合タンパク質。
- ヘテロダイマーである、請求項3の融合タンパク質。
- ホモダイマーである、請求項3の融合タンパク質。
- 作動可能に連結した転写制御ドメインをさらに含む、請求項1−5のいずれかの融合タンパク質。
- 細胞内受容体が核ホルモン受容体である、請求項1−6のいずれかの融合タンパク質。
- 亜鉛フィンガーが、式(GNN)n(ただし、Gはグアニジン、Nは任意のヌクレオチド、そしてnは3ないし6の整数である。)のヌクレオチド配列に結合する、請求項1−7のいずれかの融合タンパク質。
- DBDがC2H2亜鉛フィンガー由来の亜鉛フィンガーモジュラー部分を含む、請求項1−8のいずれかの融合タンパク質。
- 細胞内受容体が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、グルココルチコイド−α受容体、グルココルチコイド−β受容体、ミネラルコルチコイド受容体、アンドロゲン受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイン酸受容体、レチノイドX受容体、ビタミンD受容体、COUP−TF受容体、エクジソン受容体、Nurr−I受容体およびオーファン受容体からなる群から選択される核ホルモン受容体である、請求項1−9のいずれかの融合タンパク質。
- 細胞内受容体がステロイド受容体である、請求項1−9のいずれかの融合タンパク質。
- ホルモン受容体が、プロゲステロン受容体変異体またはエストロゲン受容体変異体である、請求項10の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが転写活性化ドメインを含む、請求項6の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが、VP16、VP64、TA2、STAT−6、p65ならびにそれらの転写活性化活性を有する誘導体類、多量体および組合せからなる群から選択される、請求項6の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが、核ホルモン受容体転写活性化ドメインまたはその転写活性化活性を有する変異体を含む、請求項6の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが、ステロイドホルモン受容体転写活性化ドメインまたはその転写活性化活性を維持している変異体を含む、請求項6の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが、ウイルス転写活性化ドメインまたはその転写活性化活性を維持している変異体を含む、請求項6の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが、VP16転写活性化ドメインまたはその変異体を含む、請求項6の融合タンパク質。
- 転写制御ドメインが、転写抑制ドメインを含む、請求項6の融合タンパク質。
- 転写抑制ドメインが、ERD、KRAB、SID、デアセチラーゼ、ならびにそれらの誘導体類、多量体および組合せ、例えばKRAB−ERD、SID−ERD、(KRAB)2、(KRAB)3、KRAB−A、(KRAB−A)2、(SID)2、(KRAB−A)−SIDおよびSID−(KRAB−A)からなる群から選択される、請求項19の融合タンパク質。
- 転写抑制ドメインが、KRAB−ERD、SID−ERD、(KRAB)2、(KRAB)3、KRAB−A、(KRAB−A)2、(SID)2、(KRAB−A)−SIDおよびSID−(KRAB−A)からなる群から選択されるドメインの組合せである、請求項19の融合タンパク質。
- 配列番号1ないし配列番号18のいずれかに示すヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列を含む、請求項1の融合タンパク質。
- 核酸結合ドメインが、標的核酸分子と約1.0ナノモルより小さい解離定数で結合する、請求項1−22のいずれかの融合タンパク質。
- 2つのリガンド結合ドメインを含む、請求項1−23のいずれかの融合タンパク質。
- リガンド結合ドメインが同じである、請求項24の融合タンパク質。
- リガンド結合ドメインが異なっている、請求項24の融合タンパク質。
- 請求項1−26のいずれかの融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
- 請求項1−26のいずれかの融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むベクター。
- 融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む請求項28のベクターであって、
融合タンパク質が細胞内受容体由来のリガンド結合ドメインと作動可能に連結したヌクレオチド結合ドメインを含み、ヌクレオチド結合ドメインが少なくとも18個のヌクレオチドの隣接するヌクレオチド配列と相互作用する多指C2H2亜鉛フィンガーペプチドまたはそのモジュラー部分であり、
融合タンパク質がリガンド活性化転写レギュレーターである、
ベクター。 - ウイルスベクターである、請求項28または請求項29のベクター。
- ウイルスベクターがDNAウイルスまたはレトロウイルスに由来する、請求項30のベクター。
- アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターからなる群から選択される、請求項30のベクター。
- 請求項28−32のいずれかのベクターを含む単離細胞。
- 真核生物細胞である、請求項33の細胞。
- 有効量の請求項1−26のいずれかの融合タンパク質または融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子;および医薬的に許容し得る賦形剤を含む、遺伝子発現を制御するための医薬組成物。
- 単回投与用に製剤された、請求項35の医薬組成物。
- 請求項1−26のいずれかの融合タンパク質または融合タンパク質をコードする核酸分子;および融合タンパク質または核酸分子の非ウイルス送達を達成するための試剤を含む、非ウイルス送達システム。
- 発現カセットを含む核酸分子をさらに含み、該発現カセットは、融合タンパク質の核酸結合ドメインが相互作用するヌクレオチド配列を含有するものである、請求項37の非ウイルス送達システム。
- 非ウイルス送達を達成するための試剤が、DNA−リガンド複合体、アデノウイルス−リガンド−DNA複合体、DNA直接注入用試剤、CaPO4沈殿用試剤、遺伝子銃法用試剤、エレクトロポレーション用試剤、リポソームおよびリポフェクション用試剤からなる群から選択される、請求項37または請求項38の非ウイルス送達システム。
- 融合タンパク質のヌクレオチド結合ドメインが結合する核酸配列を含む遺伝子の転写を調節するための薬剤の製造における、請求項1−26のいずれかの融合タンパク質または請求項27の核酸分子の使用。
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