JP2009271502A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いた場合、高コントラストと分散安定性の両立を実現し、かつ現像性の良好なカラーフィルタ用着色組成物を提供する。
【解決手段】顔料、溶剤および分散剤を含有する顔料分散液、バインダー樹脂並びに光重合開始剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該顔料が、臭素化亜鉛フタロシアニンを含有する顔料であり、該光重合開始剤が、下記一般式(I)

で表されるオキシムエステル系化合物であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置に関する。更に詳しくは、臭素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料を溶剤と分散剤を用いて分散した顔料分散液と、特定の光重合開始剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物、この着色組成物を用いて画素を形成したカラーフィルタ、及び、このカラーフィルタを備えた液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタを製造する方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法が知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
近年、技術革新の流れは急速であり、カラーフィルタに対しては、より高透過、高コントラスト且つ高濃度が要求されている。カラーフィルタの色を決める色材としては、耐熱、耐光性等の観点から一般には顔料が用いられるが、顔料種としては、固有の透過吸収スペクトルが可視光波長領域でバックライトの蛍光体スペクトルと合致するものが好適に用いられている。例えば、緑色顔料としては古くからハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料が各種黄色顔料との組み合わせにより実用化されている。
一方、コントラストを上げるためにはカラーフィルタ層における光散乱を最小限に抑制することが重要であり、上記有機顔料をソルベントソルトミリング法、ドライミリング法等によって、一次粒子径として数10nmのサイズまで微粒化して用いるのが一般的である。しかしながら、粒子径が小さくなればなるほど表面積が増大することから、高分子分散剤等の吸着量が不足して再凝集を起こしやすく、分散系が不安定になりやすい。従って、コントラストを上げるために微粒化した有機顔料を如何に安定に分散液として存在させるかが、近年極めて重要な技術課題となっている。
こうした環境下、近年、緑色画素の高輝度化に関して、特許文献1ないし2に記載のような、特定の色相を有する新しいフタロシアニン緑色顔料が提案され、従来のハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料との差異化が実現された。しかしながら、当該新規緑色顔料はコントラストを上げるために微細化していくと分散安定性が極度に低下し、二次凝集体による光散乱の影響で、テレビ用としてはコントラストが不十分になるという問題点があった。
こうした問題を解決するために、例えば、特許文献2には、顔料分散体を調製するための分散剤として(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共
栄社化学社製)、メガファックF171、F172、F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、ソルスパース13240、20000、24000、26000、28000等の各種ソルスパース分散剤(アビシア社製)、ディスパービック111、161、162、163、164、182、2000、2001等の各種ディスパービック分散剤(ビックケミー社製)、ア
ジスパーPB711、PB411、PB111、PB821、PB822等の各種アジスパー分散剤(味の素ファイ
ンテクノ社製)等の高分子分散剤を用いることが示されており、実施例にはその中でもビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK-2001」が例示されている。しかしながら、本発明者らの検証によれば、これらの高分子分散剤を用いても、上記の微粒化された新しいフタロシアニン緑色顔料の分散安定性を保つには不十分であり、再凝集による増粘や、経時凝集によるコントラスト低下等の問題があった。
更に、微粒化された新しいフタロシアニン緑色顔料分散液を用いたカラーフィルタ用着色組成物は、特異的に微小な異物が発生しやすいことがわかった。異物は着色組成物製造直後から観察されるものもあるが、組成物の保管中に発生するものもある。検討の結果、異物の発生は着色組成物には必須である光重合性開始剤が特に深く関与していることが明らかになった。
一方、カラーフィルタ用着色組成物の中でも緑色は照射光に対する高感度化が最も困難な色である。これは他の色に比べ顔料自体の着色力が低く顔料の含有量が必然的に高くなること、また緑色の最大透過率波長は約530nmであり、450nm以下の透過率はほぼ0に近い。フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ製造に汎用に使われる露光機は高圧水銀灯であり、これに対応した光重合開始剤には紫外部から410nm付近までの光に対して硬化反応を起こすことができるものもあるが、緑色に関しては長波長部の光エネルギーを利用できない。着色組成物の感度が不十分であると規定の線幅を得られず、極端な場合、塗膜の硬化性が劣り、透明な塗膜にならない現象も起きる。またカラーフィルタはパネル化するときに配向膜を塗布するが、塗膜硬化性が低いと配向膜溶剤として汎用に使われているN−メチルピロリドン(NMP)に対して、顔料を主とする析出物が発生してしまう。つまり微粒化された新しいフタロシアニン緑色顔料分散液を用いたカラーフィルタ用着色組成物に関しては、充分な感度を持ちながら異物の発生を抑えた組成物を得ることは非常に困難であった。
特開2004−70342号公報 特開2004−70343号公報
本発明は上述の課題に鑑みてなされたもので、その目的は下記の通りである。
(a)緑色画素の高輝度化を目的として臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いた場合に、これまで問題となっていた、高コントラストでの分散安定性の両立を実現したカラーフィルタ用着色組成物を提供すること。
(b)同時に透明性が高く、異物の発生が抑えられ、NMPに接したときにも析出物がでないカラーフィルタ用組成物を提供すること。
(c)上記カラーフィルタ用着色組成物を用いて、高品質のカラーフィルタを提供すること。
(d)上記カラーフィルタ基板を使用した、高品質の液晶表示装置を提供すること。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を含有する分散液に、バインダー樹脂とある種の光重合開始剤を組み合わせて用いることによって、着色組成物の異物が少なく、配向膜塗布工程でも析出物が発生せず、液晶テレビ用として十分な高輝度、高コントラスト領域となるよう微粒化された顔料についても、十分な分散安定性や現像性等を実現し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、複数の関連する発明から成り、各発明の要旨は、次の(1)〜(16)の通りである。
(1)顔料、溶剤及び分散剤を含有する顔料分散液、バインダー樹脂並びに光重合開始剤を含有する着色組成物であって、該顔料が、臭素化亜鉛フタロシアニンを含有する顔料
であり、該光重合開始剤が、下記一般式(I)
〔式中、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル
基、炭素数3〜20のヘテロアリール基又は炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。或いは、R1はXまたはYと結合
し、環を形成していてもよい。
2は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数
4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素基、及び/又は芳香族複素基を示す。
Yは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。〕
で表されるオキシムエステル系化合物であることを特徴とする着色組成物。
(2)前記一般式(I)において、Yが、置換基を有していてもよい、フェニル基又はフェニル基若しくは芳香族複素環単環由来の1価の基に1以上の環が縮合してなる縮合環基であることを特徴とする前記(1)に記載の着色組成物。
(3)前記一般式(I)において、Yが、置換基を有していてもよいフェニル基であることを特徴とする前記(2)に記載の着色組成物。
(4)前記一般式(I)において、Yが、フェニル基に1以上の環が縮合してなる縮合環基であり、該縮合環基は置換基を有していてもよいことを特徴とする前記(2)に記載の着色組成物。
(5)前記一般式(I)において、Yが、フェニル基の2,3−位、3,4−位、及び4,5−位から選ばれた少なくとも1箇所に、5または6員環が1〜3個縮合してなる2〜4縮合環由来の基であり、該基は置換基を有していてもよいことを特徴とする前記(4)に記載の着色組成物。
(6)前記一般式(I)において、Yにおけるフェニル基に縮合する環が、炭化水素環であることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の着色組成物。
(7)前記一般式(I)において、Yにおけるフェニル基に縮合する環が芳香族炭化水素環、及び/又は芳香族複素環であることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の着色組成物。
(8)前記一般式(I)において、Yが、芳香族複素環由来の1価の基に、1以上の環が縮合してなる縮合環基であり、該基は置換基を有していてもよいことを特徴とする前記(1)に記載の着色組成物。
(9)前記一般式(I)において、Yが、置換基を有していてもよい2〜4縮合環基であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の着色組成物。
(10)前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(i)で表される化合物であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の着色組成物。
〔式中、R1、R2及びYは、前記一般式(I)におけると同義である。環X2は、ベンゼ
ン環Xに縮合した環を示し、単環でも、2以上の環からなる縮合環でもよい。また環X2は、ベンゼン環X1のどの位置に縮合していてもよい。ベンゼン環X及びこれに縮合する環X2は、更に置換基を有していてもよい。〕
(11)前記一般式(i)において、環X2が複素環であることを特徴とする前記(10
)に記載の着色組成物。
(12)前記一般式(i)における、ベンゼン環X1および環X2からなる縮合環基が、2又は3縮合環由来の2価の基であることを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の着色組成物。
(13)分散剤が、親溶媒性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体であって、そのアミン価が80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下(有効固形分換算)のブロック共重合体を含有する分散剤であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の着色組成物。
(14)顔料の平均一次粒径が0.04μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の着色組成物。
(15)カラーフィルタ用である前記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の着色組成物。
(16)前記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて作成した画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
(17)前記(16)に記載のカラーフィルタと、液晶駆動用基板を対向させ、両者の間に液晶を封入してなることを特徴とする液晶表示装置。
本発明は以下に挙げる効果を奏する。
(a)緑色画素の高輝度化を目的として臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いた場合に、高コントラストで分散安定性の両立を実現したカラーフィルタ用着色組成物を提供し得る。
(b)同時に透明性が高く、異物の発生が抑えられ、NMPに接したときにも析出物がでない。
(c)上記カラーフィルタ用着色組成物を用いて、高品質のカラーフィルタを提供し得る。
(d)上記カラーフィルタを使用した、高品質の液晶表示装置を提供し得る。
(a)、(b)は、いずれも、着色板の平行透過光および直交透過光の色度を測定する方法を説明するための模式的な図である。 緑色顔料分散液を用いて形成した緑色画素について、XYZ表色系色度図の色度座標(x、y)を測定する際に用いる光源の発光スペクトルを表わす図である。 実施例及び比較例の測定に用いた偏光板の特性を示すスペクトル図である。
以下に、本発明の構成要件等について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
尚、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル、及び/又はメタクリル」、「アクリレート、及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸、及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。また「全固形分」とは、顔料分散液または着色組成物に含まれる、後記する溶剤成分以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
又、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表される値である。なお、測定方法については後述する。一方、「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定することで算出する。
[1]顔料分散液
先ず、本発明に係る顔料分散液の各構成成分を説明する。本発明に係る顔料分散液は、顔料、溶剤及び分散剤を必須成分とし、更に要すれば、上記成分以外の他の添加物等が配合されていてもよい。
以下、各構成成分を説明する。
[1−1]顔料
本発明に係る顔料分散剤に使用される顔料としては、臭素化亜鉛フタロシアニン顔料が必須である。
通常の亜鉛フタロシアニンは1分子中に16個の水素原子を有しており、これらの水素原子を臭素原子ないし塩素原子で置換したものが、本発明で使用される臭素化亜鉛フタロシアニン顔料である。中でも1分子中に臭素原子を平均13個以上含有する臭素化亜鉛フタロシアニンが、極めて高い透過率を示し、カラーフィルタの緑色画素を形成するのに適している点から好ましい。更には、1分子中に臭素原子を13〜16個有し、且つ1分子中に塩素を含まないか又は平均3個以下有する臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましく、特に1分子中に臭素原子を平均14〜16個有し、且つ1分子中に塩素原子を含まないか又は平均2個以下有する臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましい。
このような臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、特開昭50−130816号公報等に開示されている公知の製造方法で製造できる。例えば、芳香環の水素原子の一部又は全部が臭素の他、塩素等のハロゲン原子で置換されたフタル酸やフタロニトリルを適宜出発原料として使用して、顔料を合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いてもよい。
他の方法としては、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等の混合物からなる110〜170℃程度の溶融物中で、亜鉛フタロシアニンを臭素ガスで臭素化する方法が挙げられる。この方法においては、溶融塩中の塩化物と臭化物の比率を調節したり、塩素ガスの導入量や反応時間を変化させたりすることによって、臭素含有量の異なる種々の臭素化亜鉛フタロシアニンの比率を任意にコントロールすることができる。
反応終了後、得られた混合物を塩酸等の酸性水溶液中に投入すると、生成した臭素化亜鉛フタロシアニンが沈殿する。その後、ろ過、洗浄、乾燥等の後処理を行って、臭素化亜鉛フタロシアニンを得る。
こうして得られた臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を、必要に応じてアトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベントソル
トミリング法やソルベントボイリング法等で顔料化することによって、透過率やコントラストの高い緑色を発色する臭素化亜鉛フタロシアニン顔料が得られる。顔料化方法には特に制限は無いが、容易に結晶成長を抑制でき、且つ比表面積の大きい顔料粒子が得られる点でソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
ソルベントソルトミリングとは、合成直後の粗顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。具体的には、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー、もしくは、特開2006−77062号公報に記載されているような環状の固定円盤と同心の回転円盤の間隙部分の形成された粉砕空間を有する連続混練機等が好適に使用される。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。又、これら無機塩の粒子径は0.5〜50μmであることがより好ましい。このような無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することで容易に得られる。
こうして得られた臭素化亜鉛フタロシアニンは、単独で使用してもよいが、臭素化率ないし塩素化率の異なる臭素化亜鉛フタロシアニンや、本発明の効果を損なわない範囲で、中心金属が他の金属に置換された臭素化フタロシアニン等と混合して用いることができる。塩素化率及び臭素化率を変えることや、中心金属を変えることにより顔料としての色調が変わり、再現できる色相のバリエーションが増えることが期待できる。又、同じ緑色顔料でもC.I.ピグメントグリーン(P.G.)36や7等のハロゲン化銅フタロシアニンと混合しても良い。
臭素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料の平均一次粒径は、通常0.1μm以下、好ましくは0.04μm以下、より好ましくは0.03μm以下、さらに好ましくは0.025μm以下であり、また通常0.005μm以上である。平均一次粒径が大きすぎると、消偏特性が悪化してコントラストが不十分となり、ひどい場合には透過率が低下するといった、根本的な色特性を劣化させる懸念や、粗粒を形成して、突起異物によるカラーフィルタの歩留り低下や、プロセスフィルターの閉塞の原因になる等、生産上の問題が生じる場合があり、逆に小さすぎると、比表面積が増大することによる分散安定性不良や、顔料が分子状態に近づくことによる耐熱、耐光性の悪化等の問題が生じる場合がある。
尚、顔料の平均一次粒径は次の方法で求めることができる。すなわち、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から一次粒径を測定し平均粒径を求める。有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求めた後、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
個々の顔料粒子の粒径:X,X,X,X,・・・・,X,・・・・・・X
平均粒径 = ΣX/m
又、色相の調整には、少なくとも1種以上の黄色顔料と組み合わせることが可能である。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(P.Y.)1、1:1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、126、127、128、129、138、139、150、151、152、153、154、155、156、16
1、16 2、164、166、167、168、169、170、171、172、1 73、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、199、200、202、203、204、205、206、207、208等が挙げられるが、中でもP.Y.83、138、139、150、180、185が好ましく、特にP.Y.138、150、185が好ましい。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの黄色顔料の平均一次粒子径は、通常0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下より好ましくは0.04μm以下である。顔料の微粒化に際しては、上述したソルベントソルトミリングのような手法が好適に用いられる。
本発明の顔料分散液における顔料の含有量は、固形分全量に対し、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下であり、また通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上である。
又、本発明のカラーフィルタ用着色組成物における顔料の含有量は、固形分全量に対し、通常75重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下であり、また通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上である。
顔料の量が多すぎると、顔料の分散状態が維持されにくく、凝集や沈降が生じ、結果として増粘や輝度、コントラストの低下という問題が生じる可能性があり、また少なすぎると、色濃度が薄く、カラーフィルタとして充分に機能しないという問題が生じる可能性がある。
[1−2]溶剤
溶剤は、本発明に係る顔料分散液や後述する着色組成物において、顔料、分散剤のほか、場合により配合した上記以外の成分等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
かかる溶剤としては、各成分を溶解または分散させることができるものであればよい。
このような溶剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類。
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルア
セテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類。
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類。
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類。
アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類。
タノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノールグリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類。
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類。
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類。
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類。
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類。
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類。
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類。
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類。
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類。
上記に該当する市販の溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィー法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、溶剤としては沸点が100〜200℃(圧力1013.25[hPa]条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜190℃の沸点をもつものである。
上記溶剤中、塗布性、表面張力等のバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
又、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の溶剤を併用してもよい。併用する溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる着色組成物の粘度が上がっていく等の保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5重量%〜30重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。
又、150℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。このような高沸点の溶剤を併用することにより、着色組成物は乾きにくくなるが、急激に乾燥することによる顔料分散体の相互関係の破壊を起こし難くする効果がある。高沸点溶剤の含有量は、溶剤に対して3重量%〜50重量%が好ましく、5重量%〜40重量%がより好ましく、5重量%〜30重量%が特に好ましい。高沸点溶剤の量が少なすぎると、例えばスリットノズル先端で色材成分等が析出・固化して異物欠陥を惹き起こす可能性があり、また多すぎると組成物の乾燥温度が遅くなり、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こすことが懸念される。
尚、沸点150℃以上の溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
インクジェット法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、溶剤としては、沸点が、通常130℃以上300℃以下であり、好ましくは、150℃以上280℃以下である。沸点が低すぎると、得られる塗膜の均一性が不良になる傾向がある。逆に沸点が高すぎると、後述するように、硬化性樹脂組成物の乾燥抑制の効果は高いが、熱焼成後においても塗膜中に残留溶剤が多く存在し、品質上の不具合を生じたり、真空乾燥などでの乾燥時間が長くなり、タクトタイムを増大させるなどの不具合を生じたりする場合がある。
又、溶剤の蒸気圧は、得られる塗膜の均一性の観点から、通常10mmHg以下、より好ましくは5mmHg以下、さらに好ましくは1mmHg以下のものが使用できる。
なお、インクジェット法によるカラーフィルタ製造において、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微細であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。より好ましくは、沸点が200℃以上、特に好ましくは沸点が220℃以上である溶剤を含有する。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、顔料分散液および/またはカラーフィルタ用着色組成物に含まれる全溶剤中、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上が最も好ましい。高沸点溶剤が50重量%未満である場合には、液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されない場合がある。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中では、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジ
アセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
更に、顔料分散液や着色組成物の粘度調整や固形分の溶解度調整のためには、沸点が180℃より低い溶剤を一部含有することも効果的である。このような溶剤としては、低
粘度で溶解性が高く、低表面張力であるような溶剤が好ましく、エーテル類、エステル類やケトン類などが好ましい。中でも特に、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノールアセテートなどが好ましい。
一方、溶剤がアルコール類を含有すると、インクジェット法における吐出安定性が劣化する場合がある。よって、アルコール類は全溶剤中20重量%以下とすることが好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
本発明の着色組成物全体に占める溶剤の含有量は、特に制限はないが、その上限は通常99重量%以下とする。溶剤が99重量%を超える場合は、顔料、分散剤等が少なくなり過ぎて塗布膜を形成するには不適当である。一方、溶剤含有量の下限は、塗布に適した粘性等を考慮して、通常65重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは75重量%以上である。
[1−3]分散剤
本発明に係る着色組成物に使用される分散剤としては、カラーフィルタ用の顔料分散液又は着色組成物に通常用いることができる分散剤であれば特に制限されないが、親溶媒性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体であって、そのアミン価が80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下(有効固形分換算)であるブロック共重合体が特に好ましい。
中でも、(メタ)アクリル系ブロック共重合体が好ましく、以下、(メタ)アクリル系ブロック共重合体である場合を例に前記分散剤について説明する。
Bブロックは、窒素原子を含む官能基を有し、該官能基としては1〜3級アミノ基が好ましい。1〜3級アミノ基を有する単量体の含有割合は、該共重合体を構成する単量体組成において、20モル%以上であることが好適であり、より好ましくは50モル%以上である。1〜3級アミノ基としては、好ましくは−NR4142(但し、R41及びR42は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。)で表され、これを含む部分構造(繰返し単位)として好ましいものは、例えば下記式で表される。
(但し、R41及びR42は、上記のR41及びR42と同義であり、R43は炭素数1以上のアルキレン基、R44は水素原子又はメチル基を示す。)
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基、エチレン基が好ましく、R44は水素原子もしくはメチル基であるのが好ましい。このような部分構造としては下記式で表されるジメチルアミノエチルアクリレートやジメチルアミノエチルメタアクリレート由来の構造等が、特に好適に用いられる。
(式中、R44は前述と同義である。)
上記の如きアミノ基を含有する部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上のアミノ基含有部分構造は、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。またアミノ基を含有しない部分構造が、Bブロック中に一部含まれていてもよく、そのような部分構造の例としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。かかるアミノ基を含まない部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、かかるアミノ基非含有部分構造はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
一方、分散剤のブロック共重合体を構成する、親溶媒性のAブロックは、上述したアミノ基等の窒素原子含有官能基を有さず、上述したBブロックを構成するモノマーと共重合しうるモノマーから成るものであれば、特に制限は無い。
親溶媒性のAブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチルアクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸クロライド等の(メタ)アクリル酸塩系モノマー;酢酸ビニル系モノマー;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル等のグリシジルエーテル系モノマー等のコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
中でも、Aブロックとしては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(すなわち、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート由来の部分構造を含む)ものが好ましい。更に、本発明の着色組成物に用いられる分散剤が(メタ)アクリル系共重合体である場合、下記式(VIII)で表される部分構造を有するAブロックが特に好ましい。
(式中、nは1〜5の整数を示すが、1分子中に上記ユニット、即ち一般式(VIII)が複数ある場合、nは同一でも異なっていてもよい。
又、R1は水素原子またはメチル基を示し、
Vは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。又、Vとして、エチル基であることが特に好ましい。)
上記式(VIII)で表される部分構造は、該(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体換算で1分子中に3〜20モル%含まれていることが好ましく、3〜10モル%含まれていることが最も好ましい。
詳細の作用機構は不明であるが、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート由来の部分構造、特に上記式にて表される部分構造を有することにより、水素結合性を高めることが可能であり、分散溶媒との親和性が向上し、分散系の安定性が増すものと考えられる。
本発明で用いる(メタ)アクリル系分散剤は、このようなAブロックとBブロックとからなる、ABブロック又はABAブロック共重合型高分子化合物である。中でもABブロック共重合体が好ましい。このようなブロック共重合体は、例えば以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。
アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば下記スキームで表される。
ラジカルリビング重合法(ニトロキシル法、ATRP法)は重合活性種がラジカルであり、例えば下記スキームで表される。
このような(メタ)アクリル系ブロック共重合体を合成するに際しては、特開昭60−89452号公報、特開平9−62002号公報、P. Lutz, P. Masson et al, Polym. Bull. 12, 79 (1984)、B. C. Anderson, G. D. Andrews et al, Macromolecules, 14, 1601 (1981)、K. Hatada, K. Ute, et al, Polym. J. 17, 977 (1985)、K. Hatada, K. Ute, et al, Polym. J.18, 1037 (1986)、右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36、366(1987)、東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46、189(1989)、M. Kuroki, T. Aida, J. Am. Chem. Sic, 109, 4737 (1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985)、D. Y. Sogoh, W. R. Hertler et al, Macromolecules, 20, 1473 (1987)、K. Matyaszewski et al, Chem. Rev.2001,101,2921-2990等に記載の公知の方法を採用することができる。
本発明に係るABブロック共重合体およびABAブロック共重合体の、固形分1g中のアミン価は、好ましくは80〜150mgKOH/gであり、より好ましくは90〜150mgKOH/gであり、更に好ましくは100〜140mgKOH/gである。
アミン価が低すぎると、顔料表面への吸着力が不十分となり、十分な分散安定性を得ることができない。一方、アミン価が高すぎると逆にAブロックの分子量が不十分になることを意味するため、分散安定性が劣る。言い換えれば、最適な分散性を発現するためのアミン価が上記範囲にある、ということになる。
なお、分散剤のアミン価(有効固形分換算)は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表し、次の方法により測定する。100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/L HClO酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[wt%]を表す。)
又、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常50mgKOH/g以下、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下である。
本発明においては、上述のものと同様の構造を有する市販の(メタ)アクリル系ブロック共重合体を適用することもできる。
本発明に係る着色組成物は、親溶媒性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるABブロック共重合体またはABAブロック共重合体であり、そのアミン価が80mgKOH/g(有効固形分換算)以上である分散剤を用いることが必須である。分散剤としてこのようなブロック共重合体を用いることにより、顔料表面への強固な高分子吸着と、高い溶媒親和性を同時に満たすことができるため、高い分散安定性を発現することができる。又、アミン価を高めることで特に酸性処理された顔料表面への吸着力が増すため、一層分散安定性が向上する。
特に、Bブロックにおける窒素原子を含む官能基成分のうち少なくとも20モル%以上が1〜3級アミノ基であることが好ましい。これより少ないと、たとえアミン価として80mgKOH/g以上だったとしても十分な吸着力を得ることができず、高い分散安定性が得られない場合もある。
尚、顔料の平均一次粒径が小さいときには、比表面積が増大することで単位面積当たりの分散剤吸着量が少なくなる。このような場合に、上述したABブロック共重合体または
ABAブロック共重合体からなる分散剤は、他の構造の分散剤と比べて効果の差が非常に顕著に現れるため、特に好適に用いられるものである。
本発明に係る着色組成物は、上述したブロック共重合体からなる分散剤以外の分散剤を含有していてもよい。このような分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)、SOLSPERSE(ゼネカ社製)、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を単独で使用してもよく、上述したブロック共重合体からなる分散剤を含む2種以上の分散在を任意の組み合わせ及び比率で混合して使用してもよい。
本発明における分散剤は、顔料分散液中の顔料全量に対して通常5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは14〜50重量%、さらに好ましくは14〜28.5重量%程度使用することが好ましい。
分散剤が多すぎると、輝度や耐熱性の低下が生じる傾向があり、また少なすぎると顔料の分散力が不十分となり、顔料分散液が増粘する傾向がある。
[1−4]分散助剤
本発明に係る着色組成物には、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために分散助剤として顔料誘導体等を添加しても良い。顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接またはアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホンアミド基及びその4級塩、スルホン酸基が挙げられ、より好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していても良いし、置換数の異なる化合物の混合物でも良い。顔料誘導体の具体例としてはアゾ顔料のスルホン酸誘導体、フタロシアニン顔料のスルホン酸誘導体、キノフタロン顔料のスルホン酸誘導体、イソインドリン顔料のスルホン酸誘導体、アントラキノン顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン顔料のスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロール顔料のスルホン酸誘導体、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体等が挙げられる。
中でも好ましくは、緑色顔料分散液の色相との干渉が少ない顔料の誘導体が好ましく、より好ましくはピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体、ピグメントイエロー139のスルホン酸誘導体、ピグメントブルー15のスルホン酸誘導体である。
顔料誘導体の添加量は、顔料に対して通常0.1重量%以上、また、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。添加量が少ないとその効果が発揮され難い傾向があり、逆に添加量が多過ぎると分散性、分散安定性がかえって悪くなることもある。
[1−5]分散樹脂
本発明に係る顔料分散液には、着色組成物に使用することができるバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部または全部を含有していてもよい。具体的には、後述する顔料分散液の調製における分散処理工程において、前述の分散剤とともにバインダー樹脂を含有させることにより、該バインダー樹脂は、分散剤との相乗効果で分散安定性に寄与し、結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。このように、分散処理工程に
使用される樹脂を、分散樹脂と称することがある。
[2]着色組成物
本発明の着色組成物は、少なくとも前述した顔料分散液および後述するバインダー樹脂を含有していればよく、これら以外の成分としては、カラーフィルタ形成材料として使用できるものであれば、特に制限無く使用できる。例えば、特開昭60−184202号公報等に記載されたいわゆるリフトオフ方式のカラーフィルタ製造工程に用いる熱硬化性樹脂組成物、特開2004−220036号公報等に記載されたインクジェット方式のカラーフィルタ製造工程に用いる熱硬化性樹脂組成物、後述する光重合性樹脂組成物等、いずれのタイプの樹脂組成物であってもよい。着色組成物が光重合性組成物である場合には、光重合開始系を必須成分とする。
以下、本発明の着色組成物が光重合性樹脂組成物である場合を例に、詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[2−1]バインダー樹脂
バインダー樹脂としては、前述したように、どのような手段により硬化する着色組成物とするかにより、好ましい樹脂は異なる。光重合性樹脂組成物の場合、バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号等の各公報に記載される公知の高分子化合物を使用することができるが、好ましくは
[2−1−1]エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂、
[2−1−2]主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂、
[2−1−3]上記[2−1−2]の樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂、
[2−1−4](メタ)アクリル系樹脂、
[2−1−5]カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
等が挙げられる。以下、これら各樹脂について説明する。
[2−1−1]エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
特に好ましい樹脂の一つとして、「エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」が挙げられる。
上記[2−1−1]のバインダー樹脂を構成する「エポキシ基含有(メタ)アクリレート」としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる「他のラジカル重合性単量体」としては、下記一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
式(1)中、R1〜R8は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示すが、R7及びR8互いに連結して環を形成していてもよい。
式(1)において、R7とR8が互いに連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和の何れでもよく、又、炭素数が5〜6であるのが好ましい。
中でも、一般式(1)で表される構造としては、下記式(1a)、(1b)、又は(1c)で表される構造が好ましい。
バインダー樹脂にこれらの構造を導入することによって、本発明の着色組成物をカラーフィルタや液晶表示素子に使用する場合に、該着色組成物の耐熱性を向上させ、該着色組成物を用いて形成された画素の強度を増すことが可能となる。
尚、一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、当該構造を有する限り公知の各種のものが使用できるが、特に下記一般式(2)で表されるものが好ましい。
式(2)中、R9は水素原子又はメチル基を示し、R10は前記一般式(1)の構造を示す。
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体において、前記一般式(1) で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来す
る繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
尚、前記一般式(1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体等のビニル芳香族類;ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−iso−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等のビニル化合物類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド類;N−(メタ)アクリロイルフタルイミド等が挙げられる。
これら「他のラジカル重合性単量体」の中で、着色組成物に優れた耐熱性及び強度を付
与させるためには、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、及びモノマレイミドから選択された少なくとも一種を使用することが有効である。特に「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、これらスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、及びモノマレイミドから選択された少なくとも一種に由来する繰返し単位の含有割合が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
その溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶剤の使用量は、得られる共重合体100重量部に対し、通常30〜1000重量部、好ましくは50〜800重量部である。溶剤の使用量がこの範囲外では共重合体の分子量の制御が困難となる。
又、共重合反応に使用されるラジカル重合開始剤は、ラジカル重合を開始できるものであれば、特に限定されるものではなく、通常用いられている有機過酸化物触媒やアゾ化合物触媒を使用することができる。その有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものが挙げられる。
その具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
又、アゾ化合物触媒としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等が挙げられる。
これらの中から、重合温度に応じて、適当な半減期のラジカル重合開始剤が1種又は2種以上使用される。ラジカル重合開始剤の使用量は、共重合反応に使用される単量体の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
共重合反応は、共重合反応に使用される単量体及びラジカル重合開始剤を溶剤に溶解し、攪拌しながら昇温して行ってもよいし、ラジカル重合開始剤を添加した単量体を、昇温、攪拌した溶剤中に滴下して行ってもよい。又、溶剤中にラジカル重合開始剤を添加し昇温した中に単量体を滴下してもよい。反応条件は目標とする分子量に応じて自由に変えることができる。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートが少なすぎると、後述する重合性成分及びアルカリ可溶性成分の付加量が不十分となる場合があり、一方、エポキシ基含有(メタ)アクリレートが多すぎて、他のラジカル重合性単量体が少なすぎると、耐熱性や強度が不十分となる可能性がある。
続いて、エポキシ樹脂含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基等で置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。不飽和一塩基酸の付加割合が少なすぎると、着色組成物の経時安定性等に関して、残存エポキシ基による悪影響が懸念される。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、及び/又は無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は
1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。この付加割合が多すぎると、現像時の残膜率が低下する場合があり、少なすぎると溶解性が不十分となる可能性がある。尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
又、現像性を向上させるために、生成したカルボキシル基の一部に、重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
又、この両方を付加させてもよい。
重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物の具体例としては、フェニル基やアルキル基を有するグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。市販品として、例えば、ナガセ化成工業社製の商品名「デナコールEX−111」、「デナコールEX−121」、「デナコールEX−141」、「デナコールEX−145」、「デナコールEX−146」、「デナコールEX−171」、「デナコールEX−192」等がある。
尚、このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されており、既に公知である。
上述のバインダー樹脂の、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。分子量が3000未満であると、耐熱性や膜強度に劣る可能性があり、100000を超えると現像液に対する溶解性が不足する傾向がある。又、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
[2−1−2]主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂
主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基を有していれば特に限定されず、通常、カルボキシル基を含有する重合性単量体を重合して得られる。
カルボキシル基含有重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等のビニル系単量体;アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、或いはそれらの無水物等の酸或いは無水物を付
加させた単量体等が挙げられる。これらは複数種使用してもよい。
中でも好ましいのは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸であり、更に好ましいのは、(メタ)アクリル酸である。
又、主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂は、上記のカルボキシル基含有重合性単量体に、カルボキシル基を有さない他の重合性単量体を共重合させてもよい。
他の重合性単量体としては、特に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン及びその誘導体等のビニル芳香族類;N−ビニルピロリドン等のビニル化合物類;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマー等のマクロモノマー類等が挙げられる。これらは複数種併用してもよい。
特に好ましいのは、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドである。
主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂は、さらに水酸基を有していてもよい。水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらを上述の各種単量体と共重合させることにより、カルボキシル基および水酸基を有する樹脂を得ることができる。
主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂として、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルマレイミド等の水酸基を含まない重合性単量体と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体との共重合体;(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体;(メタ)アクリル酸とスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とスチレンとα−メチルスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とシクロヘキシルマレイミドとの共重合体等が挙げられる。
顔料分散性に優れる点からは、特にベンジル(メタ)アクリレート、及び/又はシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む共重合体樹脂が好ましい。
本発明における主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂の酸価は、通常30〜500mgKOH/g、好ましくは40〜350mgKOH/g、さらに好ましくは50〜300mgKOH/gである。
又、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2000〜80000、好ましくは3000〜50000、さらに好ましくは4000〜30000である。重量平均分子量が小さすぎると、着色組成物の安定性に劣る傾向があり、大きすぎると、後述するカラーフィルタや液晶表示装置に使用する場合に、現像液に対する溶解性が悪化する傾向がある。
[2−1−3][2−1−2]の樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂
前記、主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂の、カルボキシル基部分にエポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂も特に好ましい。エポキシ基含有不飽和化合物としては、分子内にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有するものであれば特に限定されるものではない。
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジル−α−エチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の非環式エポキシ基含有不飽和化合物も挙げることができるが、耐熱性や、後述する顔料の分散性の観点から、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が好ましい。
ここで、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、その脂環式エポキシ基として、例えば、2,3−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕基等が挙げられる。又、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基に由来するものであるのが好ましく、好適な脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、下記一般式(3a)〜(3m)で表される化合物が挙げられる。
式(3a)〜(3m)中、R11は水素原子又はメチル基を、R12はアルキレン基を、R13は2価の炭化水素基をそれぞれ示し、nは1〜10の整数である。
一般式(3a)〜(3m)における、R12のアルキレン基は、炭素数1〜10であるものが好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が例示できるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。又、R13の炭化水素基としては、炭素数が1〜10であるものが好ましく、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられる。
これらの脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、一般式(3c)で表される化合物が好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記[2−1−2]の樹脂のカルボキシル基部分に、前記エポキシ基含有不飽和化合物を付加させるには、公知の手法を用いることができる。例えば、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有不飽和化合物とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;ピリジン、トリフェニルホスフィン等の触媒の存在下、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより、樹脂のカルボキシル基にエポキシ基含有不飽和化合物を導入することができる。
エポキシ基含有不飽和化合物を導入したカルボキシル基含有樹脂の酸価は、通常10〜200mgKOH/g、好ましくは20〜150mgKOH/g、より好ましくは30〜150mgKOH/gである。
又、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2000〜100000、好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜30000である。[2−1−4](メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルを単量体成分とし、これらを重合してなるポリマーをいう。好ましい(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマー[2−1−4a]、及び下記一般式(4)及び/又は(5)で表される化合物を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー[2−1− 4b]、を挙げることができる。
式(4)中、R1aおよびR2aは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を示す。
式(5)中、R1bは水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示し、L3
2価の連結基又は直接結合を示し、Xは下記式(6)で表される基又は置換されていてもよいアダマンチル基を示す。L3は下記式(6)におけるR3b又はR4bと結合して環を形
成していてもよい。
式(6)中、R2b、R3b、R4bは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は有機基を示し、L1、L2は2価の連結基を示し、L1、L2および上記式(5)におけるL3の2以上が互いに結合して環を形成していてもよい。
[2−1−4a](メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマー
(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含む単量体成分を重合してなるポリマーは、顔料との親和性が高いという点で、好ましく用いられる。
単量体成分中における前記(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートの割合は、特に制限されないが、全単量体成分中(メタ)アクリル酸は、通常10〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。また、ベンジル(メタ)アクリレートは、全単量体成分中、通常5〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。(メタ)アクリル酸の量が多すぎると、現像の際、塗膜表面が荒れやすくなる傾向があり、少なすぎると、現像不可能になる場合がある。また、ベンジル(メタ)アクリレートの量は、多すぎても少なすぎても、分散が困難になる傾向がある。
[2−1−4b]一般式(4)及び/又は(5)で示される化合物を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー
まず、一般式(4)の化合物について説明する。
一般式(4)で表されるエーテルダイマーにおいて、R1aおよびR2aで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。なお、R1aおよびR2aは、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。
これらの中でも特に、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。
これらエーテルダイマーは、1種のみ単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記アクリル系樹脂を得る際の、単量体成分中における前記エーテルダイマーの割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、通常2〜60重量%、好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。エーテルダイマーの量が多すぎると、重合の際、低分子量のものを得ることが困難になったり、あるいはゲル化し易くなったりする場合があり、一方、少なすぎると、透明性や耐熱性等の塗膜性能が不充分となる場合がある。
続いて、一般式(5)の化合物について説明する。
一般式(5)中、R1bは、好ましくは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子、メチル基である。
又、一般式(6)中、R2b、R3b、R4bの有機基としては、それぞれ独立に、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、又はアシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1のカルボキシル基、又は炭素数1〜15のアシルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基である。
2b、R3b、R4bの中で好ましい置換基としては、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基である。
1、L2は2価の連結基、L3は2価の連結基又は直接結合であれば特に限定されない
が、少なくともL1又はL2のどちらかは炭素数1以上の連結基であるのが好ましい。また、L1、L2、L3は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜15のアルキレン、−O−
、−S−、−C(=O)−、炭素数1〜15のアルケニレン、フェニレン、あるいはそれらの組み合わせが好ましい。
1、L2、L3の好ましい組合せとしては、L3は直接結合、炭素数1〜5のアルキレン、又はR3bあるいはR4bと結合して形成する環であり、L1、L2は炭素数1〜5のアルキレンである。
又、一般式(6)の好ましいものとしては、下記一般式(7)で表される化合物を挙げることができる。
式(7)中、R2b、R3b、R4b、L1、L2は、式(6)におけると同義であり、R5b、R6bは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は有機基を示す。
一般式(7)中、R5b、R6bの有機基としては、それぞれ独立に、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、又はアシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基、炭素数1〜15のアシル基、炭素数1のカルボキシル基、又は炭素数1〜15のアシルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基である。
5b、R6bの中で好ましい置換基としては、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアル
キル基である。
又、R1bのアルキル基、R2b、R3b、R4b、の各有機基、L1、L2、L3の2価の連結
基、Xのアダマンチル基は、それぞれ独立に、置換基を有していてよく、具体的には、例えば以下の置換基を挙げることができる。
ハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、アミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、アミルチオ基、t−アミルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、t−オクチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキルチオ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルオキシ基;ビニルチオ基、プロペニルチオ基、ヘキセニルチオ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルチオ基;−COR17で表されるアシル基;カルボキシル基;−OCOR18で表されるアシルオキシ基;−NR1920で表されるアミノ基;−NHCOR21で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR22で表されるカーバメート基;−CONR2324で表されるカルバモイル基;−COOR25で表されるカルボン酸エステル基;−SO3NR2627
表されるスルファモイル基;−SO328で表されるスルホン酸エステル基;2−チエニ
ル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基;トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等。
尚、R17〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。
又、上記置換基の位置関係は特に限定されず、複数の置換基を有する場合、同種でも異なっていてもよい。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
本発明に係る[2−1−4b]のポリマーを構成する単量体成分中、一般式(5)の割合は、特に制限されないが、通常は全単量体成分中0.5〜60重量%、好ましくは1〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。多すぎると、分散剤として使用する場合、分散液の分散安定性が低下する場合があり、一方、少なすぎると、地汚れ適性が低下する場合がある。
本発明における[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂は、[2−1−4a]および[2
−1−4b]のポリマーを含め、いずれも酸基を有することが好ましい。酸基を有するこ
とにより、得られる着色組成物が、酸基とエポキシ基が反応してエステル結合を形成する架橋反応(以下、酸−エポキシ硬化と略する)により硬化が可能な着色組成物、あるいは未硬化部をアルカリ現像液で顕像可能な組成物、とすることができる。前記酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基等が挙げられる。
これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマー、及び/又は「重合後に酸基を付与しうるモノマー」(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として使用すればよい。なお「重合後に酸基を付与しうるモノマー」を単量体成分として使用する場合には、重合後に、後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられるが、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。
これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分が、前記酸基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
又、[2−1−4](メタ)アクリル系樹脂は、ラジカル重合性二重結合を有するものであってもよい。
前記(メタ)アクリル系樹脂にラジカル重合性二重結合を導入するには、例えば「重合後にラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマー」(以下「ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合した後に、後述するようなラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行えばよい。
重合後にラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー等が挙げられる。これらラジカル重合性二重結合を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分が、前記ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
本発明に係る(メタ)アクリル系樹脂が、[2−1−4a]で説明した、前記一般式(4)の化合物を必須の単量体成分とするポリマーである場合、エポキシ基を有することが好ましい。
エポキシ基を導入するには、例えば、エポキシ基を有するモノマー(以下「エポキシ基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合すればよい。
前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらエポキシ基を導入
するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分が、前記エポキシ基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、通常は全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%であるのがよい。
[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分は、上記必須の単量体成分のほかに、必要に応じて、他の共重合可能なモノマーを含んでいてもよい。他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。これら共重合可能な他のモノマーは、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
又、特に(メタ)アクリル系樹脂の一部または全部を、後述するように分散剤として用いる場合は、(メタ)アクリル酸ベンジルを用いることが好ましく、その含有量は、通常全単量体成分中1〜70重量%、好ましくは5〜60重量%であるのがよい。
前記(メタ)アクリル系樹脂を得る際の単量体成分が、前記共重合可能な他のモノマーをも含む場合、その含有割合は特に制限されないが、95重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましい。
次に、[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂の製造方法(重合方法)について説明する。
前記単量体成分の重合方法に特に制限はなく、従来公知の各種方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度=[単量体成分の全重量/(単量体成分の全重量+溶媒重量)]×100とする)は、使用する単量体成分の種類や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なる。重合温度に関しては、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは重合温度60〜130℃である。また重合濃度に関しては、好ましくは重合濃度5〜50%、さらに好ましくは10〜40%である。
又、重合時に溶媒を用いる場合には、通常のラジカル重合反応で使用される溶媒を用いればよい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分を重合する際には、必要に応じて、重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤に特に制限は無いが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
尚、開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、通常は全単量体成分に対して0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
又、分子量調整のために、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸がよい。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、通常は全単量体成分に対して0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
尚、一般式(4)の化合物を必須の単量体成分として使用する場合、前記重合反応においては、エーテルダイマーの環化反応が同時に進行するものと考えられるが、このときのエーテルダイマーの環化率は必ずしも100モル%である必要はない。
前記アクリル系樹脂を得る際に、単量体成分として、前述した酸基を付与しうるモノマーを用いることにより酸基を導入する場合、重合後に酸基を付与するための処理を行う必要がある。該処理は、用いるモノマーの種類によって異なるが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有するモノマーを用いた場合には、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマーを用いた場合には、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加させるか、もしくは、まず(メタ)アクリル酸のような酸を付加させ、結果生じた水酸基に、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマーを用いた場合には、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させればよい。
前記[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂を得る際に、単量体成分として、前述したラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマーを用いることによりラジカル重合性二重結合を導入する場合、重合後にラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行う必要がある。
該処理は、用いるモノマーの種類によって異なるが、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーを用いた場合には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の、エポキシ基とラジカル重
合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いた場合には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の、水酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の、エポキシ基を有するモノマーを用いた場合には、(メタ)アクリル酸等の酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させればよい。
前記[2−1−4]の(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくはGPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が2000〜200000、より好ましくは4000〜100000である。重量平均分子量が200000を超える場合、高粘度となりすぎ塗膜を形成しにくくなる場合があり、一方2000未満であると、十分な耐熱性を発現しにくくなる傾向がある。
前記(メタ)アクリル系樹脂が酸基を有する場合、好ましい酸価は30〜500mgKOH/g、より好ましくは50〜400mgKOH/gである。酸価が30mgKOH/g未満の場合、アルカリ現像に適用することが難しくなる場合があり、500mgKOH/gを超える場合、高粘度となりすぎ塗膜を形成しにくくなる傾向がある。
尚、前記(メタ)アクリル系樹脂成分のうち、一般式(4)で示される化合物を必須の単量体成分とするポリマーは、それ自体公知の化合物であり、例えば、特開2004−300203号公報及び特開2004−300204号公報に記載の化合物を挙げることが出来る。
[2−1−5]カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂
エポキシアクリレート樹脂は、エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させることにより合成される。かかる反応生成物は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ樹脂が原料であり、かつ「アクリレート」が代表例であるので、慣用に従いこのように命名したものである。
原料となるエポキシ樹脂として、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004等」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−201」、ジャパンエポキシレジン社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル社製の「DEN−438」)、(o,m,p−)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、フルオレンエポキシ樹脂(例えば、新日鐵化学社製のカルドエポキシ樹脂「ESF−300」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によ
るフェノール樹脂をグリシジル化したジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「XD−1000」、大日本インキ社製の「EXA−7200」、日本化薬社製の「NC−3000」、「NC−7300」)、および下記構造式で示されるエポキシ樹脂(特開平4−355450号公報参照)、等を好適に用いることができる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の他の例としては共重合型エポキシ樹脂が挙げられる。共重合型エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイド等(以下「共重合型エポキシ樹脂の第1成分」と称す。)と、これら以外の1官能エチレン性不飽和基含有化合物(以下、「共重合型エポキシ樹脂の第2成分」と称す。)、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、下記一般式(8)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上とを反応させて得られた共重合体が挙げられる。
式(8)中、R61は水素又はエチル基、R62は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、rは2〜10の整数である。
一般式(8)の化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記共重合型エポキシ樹脂の分子量は約1000〜200000が好ましい。また、上記共重合型エポキシ樹脂の第1成分の使用量は、上記共重合型エポキシ樹脂の第2成分に対して好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。
このような共重合型エポキシ樹脂としては、具体的には日油社製の「CP−15」、「CP−30」、「CP−50」、「CP−20SA」、「CP−510SA」、「CP−50S」、「CP−50M」、「CP−20MA」等が例示される。
原料エポキシ樹脂の分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として、通常200〜20万、好ましくは300〜100000の範囲である。重量平均分子量が上記範囲未満であると被膜形成性に問題を生じる場合があり、逆に、上記範囲を越えた樹脂ではα,β−不飽和モノカルボン酸の付加反応時にゲル化が起こりやすくなる場合があり、製造が困難となることもある。
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸及びメタクリル酸であり、特にアクリル酸が反応性に富むため好ましい。
エステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、アクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、アクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、アクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、クロトン酸−2−サクシノイルオキシエチル等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル及びアクリル酸−2−フタロイルオキシエチルであり、特にアクリル酸−2−マレイノイルオキシエチルが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルとエポキシ樹脂との付加反応は、公知の手法を用いることができ、例えば、エステル化触媒存在下、50〜150℃の温度で反応させることにより実施することができる。エステル化触媒としてはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの使用量は、原料エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルが付加したエポキシ樹脂に、更に付加させる多塩基酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、好ましくは、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、特に好ましい化合物は、無水テトラヒドロフタル酸及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。多塩基酸無水物の付加反応に関しても公知の手法を用いることができ、α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルの付加反応と同様な条件下で継続
反応させることにより実施することができる。
多塩基酸無水物の付加量は、生成するエポキシアクリレート樹脂の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲となるような量が好ましく、更に20〜140mgKOH/gの範囲が特に好ましい。樹脂の酸価が小さすぎるとアルカリ現像性に乏しくなり、また、樹脂の酸価が大きすぎると硬化性能に劣る傾向が認められる。
その他、カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂としては、例えば特開平6−49174号公報記載のナフタレン含有樹脂;特開2003−89716、特開2003−165830、特開2005−325331、特開2001−354735号公報記載のフルオレン含有樹脂;特開2005−126674、特開2005−55814、特開2004−295084号公報等に記載の樹脂を挙げることができる。
又、市販のカルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂を用いることもでき、市販品としては例えばダイセル社製の「ACA−200M」等を挙げることが出来る。
バインダー樹脂としては、また、例えば特開2005−154708号公報等に記載のアクリル系のバインダーも用いることができる。
上述した各種バインダー樹脂のうち、 [2−1−1]の「エポキシ基含有(メタ)アク
リレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」が特に好ましい。
本発明におけるバインダー樹脂としては、前述の各種バインダー樹脂のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前述の各種バインダー樹脂は、特に前述の分散剤等との併用による相乗効果により、分散安定性に寄与し、結果として分散剤の添加量を減少させることができるため、現像性が向上した、具体的には例えば、基板上の非画像部に未溶解物が残存することなく基板との密着性に優れた、高濃度の色画素を形成し得るといった効果を奏し、好ましい。
バインダー樹脂の一部を前述の分散剤や分散助剤等とともに、後述する分散処理工程に使用する場合、バインダー樹脂は、顔料分散液中の顔料全量に対して5〜200重量%程度使用することが好ましく、10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
このように、分散処理工程に使用するバインダー樹脂としては、前述した各種樹脂を使用することができるが、特に[2−1−4](メタ)アクリル系樹脂が好ましく、その中でも前記一般式(4)で表される化合物を必須とするモノマー成分を重合してなるポリマーが最も好ましい。
分散剤とともに分散処理工程に使用する場合、そのバインダー樹脂の酸価は10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上が最も好ましく、また500mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下が最も好ましい。酸価が高すぎると、高粘度となり合成が困難になる傾向があり、また低すぎるとアルカリ現像に適用することが難しくなる場合がある。
又、分散剤とともに分散処理工程に使用する場合、そのバインダー樹脂のGPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、1000以上が好ましく、1500以上がより好ましく、2000以上が最も好ましく、また200000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、30000以下が最も好ましい。分子量が大きすぎると、アルカリ現像に適用することが困難になる傾向があり、また分子量が小さすぎると、分散安定性が低下する場合がある。
本発明の着色組成物において、バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、また、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。バインダー樹脂の含有量がこの範囲よりも少ないと、膜が脆くなり、基板への密着性が低下することがある。逆に、この範囲よりも多いと、露光部への現像液の浸透性が高くなり、画素の表面平滑性や感度が悪化する場合がある。
[2−2]その他の固形分
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、更に、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、光重合性モノマー、光重合開始系成分、有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物、界面活性剤、熱重合防止剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤、染料等が挙げられる。
[2−2−1]光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明の着色組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述の光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明における単量体は、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも含有する概念を意味する。
エチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、それとモノヒドロキシ化合物とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、又は、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であっても良い。代表例としては、例えば、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物としては、例えば、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等も有用である。
又、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール、及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣る傾向がある。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、東亞合成社製TO1382として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーの他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
又、本発明において、上述したエチレン性化合物は、分子量が750以下、好ましくは700以下、かつ二重結合当量が180以下、好ましくは170以下であるものが適当である。またそれらの下限は特に限定されず、付加重合が可能な化学構造をとり得る範囲であればよい。
これらの中でも、画素の“かけ”を少なくし、より直線性に優れた画素を形成できる点からは、比較的分子量が小さく、かつ二重結合当量が小さい化合物が好ましい。
尚、得られるカラーフィルタ用着色組成物の感度の点からは分子量が250を超えるエチレン性化合物を使用することが好ましい。この様な化合物としては、特にペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。これらは、前述の分子量が400以下、かつ二重結合当量が150以下(より好ましくは110以下)
であるエチレン性化合物と組み合わせて使用することにより、バランスのよい組成物が得られるため好ましい。
これらのエチレン性化合物の配合率は、本発明の着色組成物の全固形分中、通常0重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。また、色材に対する比率は、通常0重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。[2−2−2]光重合開始系
光重合開始剤は、通常、加速剤及び必要に応じて添加される増感色素等の付加剤との混合物(光重合開始系)として用いられる。光重合開始系は、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始系成分を構成する光重合開始剤として、本発明においては、下記一般式(I)
〔式(I)中、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のア
ルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。あるいは、R1はXま
たはYと結合し、環を形成していてもよい。
2は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数
4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素基、及び/又は芳香族複素基を示す。
Yは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。〕で表されるオキシムエステル系化合物を必須の成分として使用する。
上記オキシムエステル系化合物(I)において、Y−C(=O)−X部分は吸光部を形成し、オキシム構造部:−C(−R1)=N−OR2部分がラジカル発生部位となる。吸光部:Y−C(=O)−Xが効率よく光を吸収し、吸収したエネルギーをオキシム構造部に効率的に移動させることにより高感度が達成される。Y−C(=O)−X部分で表されるような吸光部は、特に組成物中に高濃度で添加される場合には、分子同士が会合し、見かけ上複数分子が単分子として振る舞うことにより、吸光度および吸収効率が低下する傾向があると考えられる。なお、本発明に係るオキシムエステル系化合物(I)は、Yの部分を嵩高い基とすることにより、高濃度で添加した場合にも高い吸光度を有することができるため好ましい。
又、オキシム構造部でラジカル発生に活用しやすい三重項エネルギーを、Y−C(=O)−X部分が高効率で生成することが重要であり、分子内での効率的なエネルギー移動を達成するべく、なるべくY−C(=O)−X部分とオキシム構造部を空間的に近接させることが重要である。
前記一般式(I)で表される化合物は、Y−C(=O)−X部分に、一重項状態から三重項状態への状態変化の効率の高いベンゾフェノン構造またはこれに類似の構造を含有するため、吸収した光を効率よく三重項エネルギーに変換することができる。
更に、前記一般式(I)で表される化合物は、ベンゾフェノン構造またはこれに類似の構造が、分子内での空間的回転により、オキシム構造部とオーバーラップしやすい化合物であるため、分子内での効率的なエネルギー移動が可能となり、より高感度を達成することができる。
一般式(I)において、Xは置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素基および/または芳香族複素基の基を表す。
Xとして、具体的には、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、クリセン環、フェナントレン環、アズレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、インデン環等の芳香族炭化水素環からなる縮合環由来の基;アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、ベンゾチアゾール環等の芳香族炭化水素環と芳香族複素環からなる縮合環由来の基等が挙げられる。
これらはいずれも、任意の置換基を有していてもよい。この「任意の置換基」については後述する。
一般式(I)で表される化合物の中でも、特に下記一般式(i)で表される化合物、即ち、一般式(I)におけるX基が、一般式(i)におけるベンゼン環Xおよびこれに縮合する環Xで表される構造である化合物が好ましい。
〔式中、R1、R2およびYは、前記一般式(I)におけると同義である。環X2は、ベン
ゼン環X1に縮合した環を示し、単環でも、2以上の環からなる縮合環でもよい。また環
2は、ベンゼン環Xのどの位置に縮合していてもよい。ベンゼン環X1およびこれに縮合する環X2は、さらに置換基を有していてもよい。〕
一般式(i)で表される化合物は、ベンゼン環Xが−C(=O)−Yと共にベンゾフェノン構造またはその類似構造を形成しうるため、吸光度が高いと共に、一重項状態から3重項状態への励起効率が高いので好ましい。
一般式(I)におけるXとしては芳香族複素環を含む基が好ましく、特に一般式(i)においてベンゼン環Xに縮合する環X2が複素環である場合が好ましい。
又、Xは通常2〜4縮合環由来の2価の基であり、分子量が比較的小さくなる点から2または3縮合環由来の2価の基が好ましく、組成物の光硬化に使用する照射光の波長に適
合しやすい点からは、3縮合環由来の2価の基がより好ましい。
一般式(I)におけるX、および一般式(i)においてベンゼン環X1および環X2が形成する構造として、特に好ましいのはカルバゾール環由来の基である。Xがカルバゾール基由来の基である場合は、露光時の照射光への適合性に加えて、堅牢な骨格であるため、好ましい。
一般式(I)において、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜
25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらのアルキル基、アルケニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基はいずれも置換基を有していてもよい。Rをこのような基とすることにより、Rがフェニル基等である化合物に比べて、光に対する感度が高くなる。又、化合物の合成も容易であるため、工業的な観点からも好ましい。
1の炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは1〜6のアルキル基である。
1の炭素数2〜25のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が挙げられ
、好ましくはプロペニル基等の炭素数3〜12のアルケニル基、より好ましくは2〜5のアルケニル基である。
1の炭素数3〜20のヘテロアリール基としては、チオニル基、フリル基、イミダゾ
リル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等が挙げられ、好ましくは炭素数3〜15、より好ましくは炭素数4〜10のヘテロアリール基である。R1の炭素数4〜2
5のヘテロアリールアルキル基としては、チオニルメチル基、フルフリル基、イミダゾリルメチル基、ベンズチアゾリルメチル基、ベンズオキサゾリルメチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数4〜10のヘテロアリールアルキル基である。
尚、上述した各基はいずれも置換基を有していてもよい。該置換基については後述する。
としては、置換基を有していてもよいアルキル基が特に好ましい。中でも、製造上の容易さの点からは、無置換のアルキル基が好ましい。また、後述するように一般式(I)で表される化合物を光重合性組成物に使用した場合、該組成物の基板への密着性の観点からは、置換アミノ基で置換されたアルキル基が好ましく、N−アセチル−N−アセトキシアミノ基で置換されたアルキル基が最も好ましい。
一般式(I)において、Rは、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらのアルカノイル基、アルケノイル基、シクロアルカノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリーロイル基、アルキルアミノカルボニル基はいずれも置換基を有していてもよい。Rをこのような基とすることにより、オキシム部の開裂が進みやすく、ラジカルの発生による感度の向上が得られやすくなる。
2の炭素数2〜20のアルカノイル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタ
ノイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル等の炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜7のアルカノイル基である。
2の炭素数3〜25のアルケノイル基としては、クロトノイル基、アクリロイル基等
が挙げられ、好ましくはクロトノイル等の炭素数3〜12、より好ましくは炭素数3〜7のアルケノイル基である。
2の炭素数4〜8のシクロアルカノイル基としては、シクロヘキシルカルボニル基、
メチルシクロヘキシルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基等が挙げられ、好ましくはシクロヘキシルカルボニル等の炭素数4〜8、より好ましくは炭素数4〜7のシクロアルカノイル基である。
2の炭素数7〜20のアリーロイル基としては、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基
、ナフトイル基等が挙げられ、好ましくはナフトイル等の炭素数7〜12、より好ましくは炭素数7〜10のアリーロイル基である。
2の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、プロポシキカルボニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基等の炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
2の炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル
基、p−メチルフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはナフトキシカルボニル基等の炭素数7〜15、より好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基である。
2の炭素数2〜20のヘテロアリール基としては、チオフェニル基、ピロリル基、ピ
リジル基等が挙げられ、好ましくはチオフェニル基等の炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜7のヘテロアリール基である。
2の炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基としては、チオフェンカルボニル基、ピ
ロリルカルボニル基、ピリジンカルボニル基等が挙げられ、好ましくはチオフェンカルボニル基等の炭素数5〜15、より好ましくは炭素数7〜10のヘテロアリーロイル基である。
2の炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基としては、モリホリノカルボニル
基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノカルボニル等の炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10のアルキルアミノカルボニル基である。
上述した各基のうち、露光感度の点から、Rとしてはアカノイル基、シクロアルカノイル、アリーロイル基が好ましく、アカノイル基、アリーロイル基がより好ましい。
尚、R2として上述した各基が有しうる置換基については後述するが、上述した各基と
しては、置換基を有さないものが特に好ましい。
一般式(I)において、Yは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、さらに詳しくは、Yは芳香族炭化水素環または芳香族複素環由来の1価の基であり、これらはいずれも置換基を有していてもよい。なお、Yが芳香族複素環由来の1価の基である場合は、フェニル基に1以上の環が縮合してなる基でも、5または6員環であるヘテロアリール基に1以上の環が縮合してなる基でもよい。
一般式(I)で表される化合物は、前述したように、−(C=O)−基を介してYに含まれるフェニル基または芳香族複素環の部分とXの一部とで、ベンゾフェノン構造またはその類似構造を形成するため、好ましい。
又、前述したように、一般式(I)で表される化合物は、ベンゾフェノン構造またはこれに類似の構造が、分子内での空間的回転により、オキシム構造部とオーバーラップしやすい化合物であるため、分子内での効率的なエネルギー移動が可能となり、より高感度を達成することができるので好ましい。
Yが、フェニル基に1以上の環が縮合してなる縮合環基である場合、該フェニル基の2,3−位、3,4−位および4,5−位から選ばれた少なくとも1箇所に、5または6員環が1〜3個縮合してなる2〜4縮合環由来の基であることが好ましい。また、Yにおけるフェニル基に縮合する環は、炭化水素環であるか、芳香族炭化水素環および/または芳香族複素環であることが好ましい。Yにおけるフェニル基に縮合する環は、量子収率が高い点からは、炭化水素環であることが好ましく、また吸光波長が幅広くなる点からは芳香族環であることが好ましい。
Yの環としては、単環や2〜4縮合環基が好ましく、分子量が大きくなりすぎない点からは、単環や2〜3縮合環基がより好ましく、単環と2縮合環基が特に好ましい。尚、Yが3〜4縮合環由来の基である場合には、吸収波長域が比較的長波長化し、安価な光源にも適応するため、工業的には好ましい。
Yにおける環の具体例としては、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、クリセン環、フェナントレン環、アズレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、インデン環等の2縮合環以上の芳香族炭化水素環由来の基;チエニル基、ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基などの5または6員環である芳香族複素環由来の基;またはアクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾキサゾール環等の芳香族炭化水素環と芳香族複素環からなる縮合環由来の基が挙げられる。
Yの環基としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基および2−ピリジル基が特に好ましく、感度の点からはフェニル基、ナフチル基およびチエニル基が最も好ましい。
上述したYにおける環基が有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜20のアルキルチオ基;−SOR(但し、Rはメチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基)で表されるスルホン酸アルキルエステル基;ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数5〜20のアルコキシ基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜20のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜20のシクロアルキルオキシ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基等の原子数5〜20の環状アミノ基;ジイソプロピルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基等の炭素数4〜20であるジアルキルアミノ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ピリジル基等のヘテロアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;Cl、Br、I、F等のハロゲン原子;テトラヒドロチエニルオキサイド基、等が挙げられる。
これらの中でもアルキル基、アルコキシ基、−SOR、環状アミノ基またはジアルキルアミノ基が好ましく、より感度が向上する点から、環状アミノ基またはジアルキルアミノ基が特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物のうち特に好ましい形態である、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環由来の基である化合物は、例えば下記一般式(III)で表される
〔式中、R1、R2およびYは、前記一般式(I)におけると同義である。R3〜R9は各々独立に水素原子または後述する任意の置換基Zを示す。〕
前述した一般式(I)におけるXが有しうる置換基(一般式(i)におけるベンゼン環Xとこれに縮合する環X2が有しうる置換基)、一般式(I)、(i)および(III)におけるR1およびR2が有しうる置換基、並びに一般式(III)におけるR3〜R9としては、
各々独立に、次の置換基Zから選ばれるものが挙げられる。
[置換基群Z]
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;任意の有機基等を挙げることができる。 その任意の有機基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−アミルチオ基、t−アミルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、t−オクチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアルキル基で置換されていてもよいアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基;ビニルチオ基、プロペニルチオ基、ヘキセニルチオ基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニルチオ基;−COR17で表されるアシル基;カルボキシル基;−OCOR18で表されるアシルオキシ基;−NR1920で表されるアミノ基;−NHCOR21で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR22で表されるカーバメート基;−CONR2324で表されるカルバモイル基;−COOR25で表されるカルボン酸エステル基;−SO3NR2627
表されるスルファモイル基;−SO328で表されるスルホン酸エステル基;2−チエニ
ル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の芳香族複素環基、トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等が挙げられる。
尚、前記のR17〜R28は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、
置換されていてもよいアルカノイル基、置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、または置換されていてもよいアラルキル基を表す。これらの位置関係は特に限定されず、複数の置換基を有する場合、同種でも異なっていてもよい。
上記において、複数の置換基同士が結合して環を形成していてもよく、形成された環は飽和あるいは不飽和の芳香族炭化水素環あるいは芳香族複素環であってもよく、環上にさらに各々置換基を有していてよく、置換基がさらに環を形成していてもよい。
一般式(III)において、R3〜R9は、各々独立に、水素原子または上記置換基群Zから
選ばれるものであるが、置換基群Zのうち、好ましくは、置換基を有していてもよい、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基;置換基を有していてもよいフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基;置換基を有していてもよいピリジル基等の炭素数3〜20のヘテロアリール基;置換基を有していてもよい炭素数7〜18のアラルキル基;置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基が挙げられ、特に好ましくは、アルキル基である。
尚、前記一般式(I)におけるXが有しうる置換基(一般式(i)におけるベンゼン環Xとこれに縮合する環Xが有しうる置換基)として好ましいものは、上記R3〜R9として好ましいものと同様である。
が有しうる置換基としては、−NR1920で表されるアミノ基およびアリール基が好ましく、R19およびR20としては置換されていてもよいアルカノイル基、置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基が好ましい。前述したように、組成物の密着性向上にも有効であることから、N−アセチル−N−アセトキシアミノ基等の−NR1920で表されるアミノ基が特に好ましい。
本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、最も好ましいのは、下記一般式(II)で表される化合物である。
〔式中、R1は、炭素数1〜3のアルキル基、または下記式(IIa)で表される基を示す 。
(式中、R101およびR102は各々独立に、水素原子、フェニル基またはN−アセチル−N−アセトキシアミノ基を示す。)
2は、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xは、窒素原子が1〜4のアルキル基
で置換されていてもよい2価のカルバゾリル基を示す。Yaは、アルキル基で置換されて
いてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。〕本発明に好適な光重合開始剤の具体例を以下に例示するが、本発明で用いる光重合開始剤は、何ら以下のものに限定するものではない。尚、以下において、Meはメチル基を示す。
前記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物は、それ自体既知の方法、例えばWO2002/100903号公報、WO2005/080337号公報、特開2006−36750号公報等に記載の方法に準じて合成することができる。
本発明で用いる光重合開始剤としては、前記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。また、これらのオキシムエステル系化合物(I)と、他の光重合開始剤とを併用することもでき、場合によっては併用による高感度化が期待できる。本発明に係るオキシムエステル系化合物(I)と併用し得る他の光重合開始剤としては、例えば、以下のような化合物を挙げることができる。
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン誘導体。
2−トリクロロメチル−5−(2′−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−(6″−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5一フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体。
2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ビス(3′−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2′−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4′−メトキシフエニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体。
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類。
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体。
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、ジエチルアミノベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体。
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−[4−(
メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1,1,1−トリクロロメチル−(p一ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体。
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体。
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、P−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体。
9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体。9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体。
ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体。
ジ−シクロペンタジエニルTi−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニルTi−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニルTi−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1一イル、ジ−シクロペンタジエニルTi−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニルTi−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニルTi−2,6一ジープルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニルTi−2,4−ジ−フルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニルTi−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニルTi−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニルTi−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等のチタノセン誘導体。
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物。
光重合開始系成分を構成する加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等の複素環を有するメルカプト化合物又は脂肪族多官能メルカプト化合物等が用いられる。
これら他の光重合開始剤や加速剤は、それぞれ1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、前記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物と適宜併用することができる。
光重合開始系成分における前記オキシムエステル系化合物以外の他の光重合開始剤の含有割合は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分中、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.3〜30重量%、より好ましくは0.5〜25重量以下が適当である。
各化合物が発生するラジカルの種類を考慮すると、複数種の光重合開始剤を併用することが好ましく、例えば、前記一般式(I)で表されるオキシムエステル系化合物と、アセトフェノン誘導体、α−アミノアルキルフェノン系化合物、またはチオキサントン誘導体との組み合わせが挙げられる。この場合、アセトフェノン誘導体としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
α−アミノアルキルフェノン系化合物としては2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)-ブタン−1−オン、2−
ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、チオキサントン誘導体としてはチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン等が好ましい。
上記光重合開始系成分の配合割合は、本発明のカラーフィルタ用着色組成物の全固形分中、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。この配合割合が著しく低いと露光光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させることがある。
光重合開始系成分には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素を配合させることができる。これら増感色素としては、特開平4−221958号、同4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号、同5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号、同5−289335号に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号、同54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、同52−112681号、同58−15503号、同60−88005号、同59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。このうち最も好ましいものは、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素もまた1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の着色組成物中に占める増感色素の配合率は、着色組成物の全固形分中、通常0重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、更に好ましくは10重量%以下の範囲である。
[2−2−3]有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物
本発明の着色組成物は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
有機カルボン酸化合物としては、具体的には、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸等のトリカルボン酸等が挙げられる。また、芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸等のフェニル基に直接カルボキシル基が結合したカルボン酸、およびフェニル基から炭素結合を介してカルボキシル基が結合したカルボン酸類が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のもの、具体的には、例えば、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸が好ましい。
有機カルボン酸無水物としては、例えば、脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物が挙げられ、具体的には、例えば、無水酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、無水n−オクタデシルコハク酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸無水物が挙げられる。芳香族カルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水ナフタル酸等が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のもの、具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸が好ましい。
これらの有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物の添加量は、通常、全固形分中0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%の範囲である。
これら分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を添加することによって、高いパターン密着性を保ちながら、着色組成物の未溶解物の残存をより一層低減することが可能である。
[2−2−4]界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤の濃度範囲としては、全組成物量に対して通常0.001重量%以上、好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.3重量%以下の範囲が用いられる。
[2−2−5]熱重合防止剤
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール等が用いられる。熱重合防止剤の配合量は、組成物の全固形分に対し0重量%以上、3重量%以下の範囲であることが好ましい。
[2−2−6]可塑剤
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が用いられる。これら可塑剤の配合量は、組成物の全固形分に対し、通常10重量%以下の範囲であることが好ましい。
[3]着色組成物の調製
次に、本発明の着色組成物(以下これを、「レジスト」と称することがある)を調製する方法を説明する。
まず、顔料、溶剤および分散剤を各所定量秤量し、分散処理工程において、臭素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料を分散させて顔料分散液を調製する。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を使用することができる。この分散処理を行なうことによって色材が微粒子化されるため、着色組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板における画素の透過率が向上する。
顔料を分散処理する際には、上述の通り、分散助剤又は分散樹脂等を適宜併用するのが好ましい。
又、顔料としては上述の臭素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料を含有することが必須ではあるが、調色用に他の顔料と混合して分散を行ってもよい。
サンドグラインダーを用いて分散処理を行なう場合は、0.1から数mm径のガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさ等により適正時間が異なるため、適宜調整する必要がある。
上記分散処理によって得られた顔料分散液に、溶剤、バインダー樹脂、場合によっては、所定量の光重合性モノマー、光重合開始系成分、及び上記以外の成分等を混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程及び混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるため、得られた顔料分散液をフィルタ等によって、ろ過処理することが好ましい。
[4]カラーフィルタ基板の製造
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に上述の着色組成物を用いて画素が形成されたことを特徴とする。
[4−1]透明基板(支持体)
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラス等が挙げられる。これらの中で、耐熱性の観点からガラスまたは耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板及びブラックマトリクス形成基板には、接着性等の表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂等の各種樹脂の薄膜形成処理等を行なってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、また、通常10mm以下、好ましくは7mm以下の範囲とされる。また、各種樹脂の薄膜形成処理を行なう場合、その膜厚は、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。
[4−2]ブラックマトリクス
上述の透明基板上にブラックマトリクスを設け、更に通常は赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明に係るカラーフィルタを製造することができる。上記着色組成物は、赤色、緑色、青色の画素のうち、緑色の画素(レジストパターン)形成用塗布液として使用される。当該緑色レジストを用い、透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリクス形成面上、又は、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブ
ラックマトリクス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像及び熱硬化の各処理を行なって画素画像を形成する。
ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜又はブラックマトリクス用感光性着色樹脂組成物を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム等のクロム化合物、ニッケルとタングステン合金等が用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸及び/又は硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着又はスパッタリング法等により、透明基板上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に着色組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクス用感光性着色樹脂組成物を利用する場合は、黒色の色材を含有する着色樹脂組成物を使用して、ブラックマトリクスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等の黒色色材単独又は複数、もしくは、無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色等の混合による黒色色材を含有する着色組成物を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリクスを形成することができる。
[4−3]画素の形成
画素の形成方法は、使用する着色組成物の種類により異なるが、ここでは着色組成物として光重合性組成物を用いた場合を例に説明する。
ブラックマトリクスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化又は光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色の着色組成物について各々行なうことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
カラーフィルタ用着色組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等によって行なうことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミスト等の影響が全くなく、更には異物発生が抑制される等、総合的な観点から好ましい。
塗布膜の厚さは、大き過ぎるとパターン現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがある一方で、小さ過ぎると顔料濃度を高めることが困難となり、所望の色発現が不可能となることがある。塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。
[4−4]塗布膜の乾燥
基板に着色組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再
度加熱させて乾燥させる。予備乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて適宜選択することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて選択されるが、具体的には、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは70℃以下の範囲であり、乾燥時間は通常15秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常5分間以下、好ましくは3分間以下の範囲である。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い温度が好ましく、具体的には、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは160℃以下、特に好ましくは130℃以下の範囲である。また、乾燥時間は、加熱温度にもよるが、通常10秒以上、中でも15秒以上、また、通常10分以下、中でも5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高過ぎるとバインダー樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗布膜の乾燥工程としては、温度を高めず減圧チャンバー内で乾燥を行なう減圧乾燥法を用いてもよい。
[4−5]露光工程
画像露光は、着色組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行なう。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を形成した後に露光を行なってもよい。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
[4−6]現像工程
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いた塗布膜に対し、上記の光源によって画像露光を行なった後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いて現像を行なうことによって、基板上に画像を形成して製造することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−・ジ−又はトリメチルアミン、モノ−・ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
[4−7]熱硬化処理
現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、また、通常280℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で選ばれ、時間は5分間以上、60分間以下の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。尚、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
尚、本発明のカラーフィルタは、上記した製造方法の他に、(1)溶剤、色材としての臭素化亜鉛フタロシアニン顔料、バインダー樹脂としてのポリイミド系樹脂を含む硬化性着色組成物を、基板に塗布し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっても製造することができる。また、(2)臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を着色インキとして用い、印刷機によって、透明基板上に直接画素画像を形成する方法や、(3)臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を電着液として用い、基板をこの電着液に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法等が挙げられる。更に、(4)臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を塗布したフィルムを、透明基板に貼りつけて剥離し、画像露光、現像し画素画像を形成する方法や、(5)臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を着色インキとして用い、インクジェットプリンターにより画素画像を形成する方法等が挙げられる。カラーフィルタの製造
方法は、カラーフィルタ用着色組成物の組成に応じ、これに適した方法が採用される。
[4−8]透明電極の形成
本発明のカラーフィルタは、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。
[5]液晶表示装置(パネル)
次に、本発明の液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本発明の液晶表示装置は、通常、上記本発明のカラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペーサを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
スペーサは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2〜8μmのものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂膜のフォトスペーサ(PS)を形成し、これをスペーサの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射、及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3以上、また、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。
減圧時の加温保持は、通常10分間以上、60分間以下の範囲とされ、その後、液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口を、UV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[1]緑色顔料の合成
[1−1]合成例1:臭素化亜鉛フタロシアニンの合成
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、600〜700nmに光の吸収を有していた。ハロゲン化は、塩化スルフリル3.1重量部、無水塩化アルミニウム3.7重量部、塩化ナトリウム0.46重量部、亜鉛フタロシアニン1重量部を40℃で混合し、臭素4.4重量部を滴下して行った。80℃で15時間反応し、その後、反応混合物を水に投入し、臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーをろ過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、3.0質量部の精製された臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を得た。
次に、上記臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料1重量部に、粉砕した塩化ナトリウム12重量部、ジエチレングリコール1.8重量部、及びキシレン0.09重量部を双腕型ニーダーに仕込み、70℃で10時間混練し、混練後80℃の水100重量部に取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕した臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
得られた臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析によるハロゲン含有量分析から平均組成ZnPcBr14Cl2で(Pc:フタロシアニン)、1分子中に平均14個の臭素
を含有するものであった。また透過型電子顕微鏡(日立製作所社製H−9000UHR)で測定した一次粒径の平均値は、0.023μmであった。なお顔料の平均一次粒径は、顔料を各々、クロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得、この像から一次粒径を測定し平均粒径を求めた。
[2]分散剤の合成
[2−1]合成例2:分散剤Cの合成
分子量約5000を有するポリエチレンイミン50重量部、n=5のポリカプロラクトン40重量部、及びステアリン酸6重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300重量部と混合し、150℃3時間、窒素雰囲気下にて攪拌した。こうして
合成した分散剤のGPCで測定した重量平均分子量Mwは約9300、アミン価は54mgKOH/g、酸価は10mgKOH/gであった。
尚、アミン価(有効固形分換算)は以下の方法により、溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表し、次の方法により測定した。
<アミン価(有効固形分換算)の測定方法>
100mLのビーカーに、上記合成により得られた分散剤中の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解した。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/L HClO4酢酸溶液にて中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終
点とし次式によりアミン価を求めた。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[wt%]を表す。)
[3]分散樹脂の合成
[3−1]合成例3:分散樹脂Dの合成
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート30重量部、メタクリル酸60重量部、メタクリル酸シクロヘキシル110重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn−ドデシルメルカプタン5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27重量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽および連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。
3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル39.6重量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4重量部、トリエチルアミン0.8重量部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。
室温まで冷却し、重量平均分子量8000,酸価101mgKOH/gの重合体溶液を得た。
[4]緑色顔料分散液の調製
緑色顔料として合成例にて得られた臭素化亜鉛フタロシアニンを7.24重量部及びC.I.ピグメントイエロー150を2.54重量部、また参考例4、5については緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン36を6.31重量部及びC.I.ピグメントイエロー150を3.47重量部使用し、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.00重量部、分散剤として表1に記載の各種を固形分換算で1.96重量部、および表1に記載の分散樹脂を固形分換算で3.26重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ225重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて緑色顔料分散液を調製した。
但し、表1における分散剤AおよびBは以下の化合物である。
<分散剤A:ビックケミー社製分散剤「BYK−LPN6919」>
メタクリル酸系ABブロック共重合体。重量平均分子量Mwは約9000、アミン価は121mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
Bブロックに含まれる、窒素原子含有官能基を有する繰返し単位のうち、約100モル%が下記式(i)で表される構造であり、また下記式(ii)で表される繰返し単位の、Aブロックにおける割合は11モル%であった。
<分散剤B:ビックケミー社製「Disperbyk2000」>
親溶媒性を有するAブロックと、窒素原子含有官能基を有するBブロックからなるメタクリル系ABブロック共重合体。窒素原子含有官能基(吸着基)が主に下記構造
であり、アミン価が約10mgKOH/gである、主鎖がメタクリル酸であるブロック共重合体。
[5]顔料分散液の粘度変化
顔料分散液を調製直後、及び、23℃の恒温槽に7日間静置した後の粘度(20rpm)を東機産業社製E型粘度計「RE−80L」を用いて測定した。各顔料分散液について、調製直後と調製7日後に測定した粘度を表2に示す。
表2より、7日後の粘度変化率は、参考例1及び5の顔料分散液では2%以下であったのに対し、参考例2、3及び4の顔料分散液は100%以上であった。
[6]バインダー樹脂の合成
[6−1]合成例4:バインダー樹脂Eの合成
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。ここにスチレン20重量部、グリシジルメタクリレート57部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成(株)製FA−513M)82重量部を滴下し、更に120℃で2時間攪拌し続けた。次ぎに反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸27重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、120℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダー樹脂FのGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約15000であった。
[7]着色組成物の調製
次に、参考例1にて得られた顔料分散液57.78重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.93重量部、3−エトキシプロピオン酸エチル8.00重量部、さらに他の成分を混合して、表3に示す着色組成物を調製した。
尚、表3中の光重合開始系成分5〜8(オキシムエステル系開始剤G、H、IおよびJ)は、各々以下の化合物である。
(オキシムエステル系開始剤G)
(オキシムエステル系開始剤H)
(オキシムエステル系開始剤I)
(オキシムエステル系開始剤J:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 「Irgacure OXE02」)
[8]着色組成物の評価
[8−1]コントラスト測定
<着色板の作製>
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、AN100)上に、上記着色組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、300mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行った。その後、現像処理を、0
.1重量%炭酸ナトリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で現像を行った。ついで、0.1MPa圧で30秒間スプレー水洗処理を行い、着色組成物塗布基板を作成した。その後、温度230℃で、30分間の熱硬化処理を行い、着色板を得た。
<着色板を用いた着色組成物のコントラスト測定>
図1(a),(b)は、いずれも、着色板の平行透過光および直交透過光の色度を測定する方法を説明するための模式的な図である。まず、図1(a)に示すように、上記で得られた着色板(カラーフィルタに相当。以下「着色板34」と称す)の両側に偏光板33,35を重ねて、偏光板33,35の偏光軸を互いに平行にした状態で、一方の偏光板35の側からバックライト37の光36を当てて、他方の偏光板33を透過した光の輝度Lp(平行透過光の輝度)を色彩輝度計トプコンテクノハウス製「BM−5A」32を使用して、2゜視野の条件で測定した。
次に、図1(b)に示すように、偏光板33,35の偏光軸を互いに直交させた状態で、一方の偏光板35側からバックライト37の光36を当て、他方の偏光板33を透過した光の輝度Lc(直交透過光の輝度)を、色彩輝度計32にて上記Lpと同様に測定した。
尚、バックライト37は、図2に示すような発光スペクトルを有るものを用いた。このスペクトルの測定は、コニカミノルタ製分光放射輝度計CS−1000Aと、光量を制御し、測定を容易にするため、ケンコー社製のフィルタ「NDフィルターND4」を用いて測定し算出した。また、偏光板33,35は、図3のスペクトル特性を持つものを用いた。
上記、着色組成物のコントラストは、平行透過光の輝度Lpと直交透過光の輝度Lcから式Lp/Lcを用いて算出し、上記塗布基板の代わりに素ガラスを用いて測定したときのブランク値は12800であった。その結果を表4に示す。
尚、比較例2、3及び4は透明な塗膜にならず、コントラストが測定できなかった。
[8−2]溶解時間と線幅の測定
<パターン(画素)の製造>
クロムが蒸着されたガラス基板に、着色組成物をそれぞれスピンコート塗布し、80℃のホットプレートにて3分間プリベークを行った。塗布に際しては乾燥後、色座標y=0.600となるように回転数を調整した。
次に、高圧水銀灯により幅25μmの直線状マスクパターンを、150μmギャップで設置し、これを通して、サンプルを60mj/cmで露光した後、0.04重量%水酸化カリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で0.25MPa圧でスプレー現像した。現像した時間は、あらかじめ測定した着色組成物の溶解時間の2倍とした。尚、溶解時間の測定については後述する。基板は現像後、十分な水でリンスした後、クリーンエアで乾燥した。その後、230℃のオーブンにて30分間ポストベークを行った。乾燥後膜厚は2.5μm程度であった。
<線幅の測定>
上記手順で得られたパターンを光学顕微鏡で観測し、その線幅を測定した。その結果を表4に示す。
<着色組成物の溶解時間の測定>
上記<パターン(画素)の製造>と同様に、ガラス基板上に着色組成物を塗布・乾燥し、露光した後、0.04重量%水酸化カリウム水溶液を用いて、現像液温度23℃、圧力0.25MPaで現像したときに、未露光部の着色組成物が現像液へ完全に溶解し、基板が露出した時間を、その着色組成物の溶解時間とした。その結果を表4に示す。
[8−3]異物評価
実施例1〜5、および比較例1〜4で調製した各着色組成物につき、(i)調製後23℃で1日静置したもの、及び(ii)23℃で1日静置した後、35℃の恒温槽で6日間保存したもの、を、5cm角のガラス基板(旭硝子社製「AN100」)上に、乾燥膜厚が2〜3μmの間に入るようにスピンコートし、80℃で3分間加熱し、60mJ/cmで露光して着色板を作製した。
得られた着色板の表面全体を、光学顕微鏡を用いて5倍率で観察し、異物の個数を測定した。その結果を表4に示す。
尚、表4中、○:異物が無い、△:異物が5個以下、×:異物が6個以上を意味する。
[8−4]NMP耐性
N−メチルピロリドン(NMP)を入れたサンプル瓶の中に、[8−3]異物評価における(i)と同様に作製した着色板を、その長さの半分が浸漬するよう設置して蓋をし、23℃で30分間静置した。
着色板を取り出した後、水洗し、圧空を吹き付けて乾燥した。
着色板のNMP非浸漬部分の、浸漬部との境界付近を、光学顕微鏡を用いて5倍率で観察した。その結果を表4に示す。
尚、観察部分の表面状態について、表4中では以下のように評価した。
○:NMPへの浸漬部分と差が無く、表面が滑らか
×:表面に僅かな析出物が見られる。NMP非浸漬部の表面が粗面化しているか、不明瞭ではあるがNMP浸漬部/非浸漬部の境界が判別できる。
××:表面に明らかな析出物が見られ、NMP浸漬部/非浸漬部の境界線が明確に判別できる。
表4の結果から分かるように、実施例1〜5の着色組成物と比較して、比較例1の着色組成物は異物の発生およびNMP耐性が劣り、比較例2〜4はそもそも透明な塗膜が得られなかった。また、光重合開始系成分として、オキシムエステル系化合物とアセトフェノン誘導体を併用した実施例5は、他の実施例と比べて光重合開始系成分の総含有量が同等
又は少ないにもかかわらず、さらに高い感度を示した(線幅の太いパターンが得られた)。
即ち、これらの結果を総合すると、実施例1〜5の着色組成物は比較例1〜4の着色組成物に比べて高感度で、コントラストが高く、経時に渡り異物の発生が抑えられ、良好なNMP耐性をもつものであり、その有用性は極めて高いことがわかる。
以上の結果より、次のことが明らかである。
(1)本発明の着色組成物は、経時での粘度上昇が少なく、高感度でコントラストが高い等の優れた特性を有するものであり、緑色画素の高輝度化を目的として臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いた場合にこれまで問題となっていた、異物発生の抑制とNMP耐性を実現できる。
(2)本発明の着色組成物を用いて作製したカラーフィルタは高輝度、高コントラストを同時に実現可能とした極めて高品質のものである。
本発明は、次のように有用な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明の着色組成物は、緑色画素の高輝度化を目的として臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いた場合にこれまで問題となっていた、高コントラストと分散安定性の両立を実現し得る。
2.上記着色組成物は、高輝度、高コントラスト及び長期保存安定性に優れる。
3.上記着色組成物を緑色画素として用いたカラーフィルタは極めて高い色特性を有する。
4.本発明に係る液晶表示装置は、高輝度、高コントラストを同時に満足した緑色画素を有する極めて高品質なカラーフィルタを使用しているため、極めて高品質である。
32 色彩輝度計
33,35 偏光板
34 着色板
36 光
37 バックライト

Claims (17)

  1. 顔料、溶剤及び分散剤を含有する顔料分散液、バインダー樹脂並びに光重合開始剤を含有する着色組成物であって、該顔料が、臭素化亜鉛フタロシアニンを含有する顔料であり、該光重合開始剤が、下記一般式(I)


    〔式中、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル
    基、炭素数3〜20のヘテロアリール基又は炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。或いは、R1はXまたはYと結合
    し、環を形成していてもよい。
    2は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数
    4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
    Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素基、及び/又は芳香族複素基を示す。
    Yは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。〕
    で表されるオキシムエステル系化合物であることを特徴とする着色組成物。
  2. 前記一般式(I)において、Yが、置換基を有していてもよい、フェニル基又はフェニル基若しくは芳香族複素環単環由来の1価の基に1以上の環が縮合してなる縮合環基であることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記一般式(I)において、Yが、置換基を有していてもよいフェニル基であることを特徴とする請求項2に記載の着色組成物。
  4. 前記一般式(I)において、Yが、フェニル基に1以上の環が縮合してなる縮合環基であり、該縮合環基は置換基を有していてもよいことを特徴とする請求項2に記載の着色組成物。
  5. 前記一般式(I)において、Yが、フェニル基の2,3−位、3,4−位、及び4,5−位から選ばれた少なくとも1箇所に、5または6員環が1〜3個縮合してなる2〜4縮合環由来の基であり、該基は置換基を有していてもよいことを特徴とする請求項4に記載の着色組成物。
  6. 前記一般式(I)において、Yにおけるフェニル基に縮合する環が、炭化水素環であることを特徴とする請求項4又は5に記載の着色組成物。
  7. 前記一般式(I)において、Yにおけるフェニル基に縮合する環が芳香族炭化水素環、及び/又は芳香族複素環であることを特徴とする請求項4または5に記載の着色組成物。
  8. 前記一般式(I)において、Yが、芳香族複素環由来の1価の基に、1以上の環が縮合
    してなる縮合環基であり、該基は置換基を有していてもよいことを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
  9. 前記一般式(I)において、Yが、置換基を有していてもよい2〜4縮合環基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色組成物。
  10. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(i)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色組成物。
    〔式中、R1、R2及びYは、前記一般式(I)におけると同義である。環X2は、ベンゼ
    ン環Xに縮合した環を示し、単環でも、2以上の環からなる縮合環でもよい。また環X2は、ベンゼン環X1のどの位置に縮合していてもよい。ベンゼン環X及びこれに縮合する環X2は、更に置換基を有していてもよい。〕
  11. 前記一般式(i)において、環X2が複素環であることを特徴とする請求項10に記載
    の着色組成物。
  12. 前記一般式(i)における、ベンゼン環X1および環X2からなる縮合環基が、2又は3縮合環由来の2価の基であることを特徴とする請求項10又は11に記載の着色組成物。
  13. 分散剤が、親溶媒性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体であって、そのアミン価が80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下(有効固形分換算)のブロック共重合体を含有する分散剤であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の着色組成物。
  14. 顔料の平均一次粒径が0.04μm以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の着色組成物。
  15. カラーフィルタ用である請求項1〜14のいずれか1項に記載の着色組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて作成した画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  17. 請求項16に記載のカラーフィルタと、液晶駆動用基板を対向させ、両者の間に液晶を封入してなることを特徴とする液晶表示装置。
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