JP2009271367A - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム Download PDF

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昇 大本
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孝幸 伊藤
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泰一 大南
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Abstract

【課題】用紙に形成される像の位置合わせを適切に行なうことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の感光体4A,4Bのそれぞれのニップ部(画像転写位置)の間に、転写材の先端の検出を行なう先端検出センサ14Bと、転写材搬送ガイド19とが配置される。転写材搬送ガイド19の位置を変更することで、転写材搬送経路11の位置が調整される。転写材搬送経路の位置が変化することで、左の感光体4Aの転写位置から右の感光体4Bの転写位置までに転写材が移動する距離が変わる。これにより、転写材の搬送時間を調整することができる。
【選択図】図5

Description

この発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、用紙に像を形成する位置を補正することができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
電子写真式の画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)では、用紙への印字位置を調整するためのレジスト制御が行なわれている。これは、画像形成装置において、トナー像と用紙との位置関係を良好に保つためのものである。レジスト制御を行なうために、用紙の先端を検出するセンサと、トナー像が転写ポイントに到達するタイミングを検出する機構とを備える画像形成装置が知られている。
下記特許文献1は、各転写ローラーの上流に転写材先端検知センサを設けた画像形成装置を開示している。
モノクロ画像形成装置の転写部の代表的な例として、感光体と転写ローラーとで用紙(転写材の一例)を挟持および搬送しながら、感光体上のトナー画像を用紙に転写する構成がある。このような構成で、感光体への画像の書出しタイミング(感光体への画像の露光タイミング、または書込みタイミングともいう。)は、転写部の上流に配置された、転写材先端検出センサの検出タイミングに基づいて決定される。
ただし、そのようにタイミングを決定しても、検出位置から転写位置(感光体と転写ローラーとの間のニップ部)までの搬送経路を用紙が搬送される時間のばらつきで、用紙が想定した時間通りに転写位置に到達するとは限らない。特に転写材の特性(厚みや剛性)が異なる場合は、その時間は、大きく変化する場合がある。時間のばらつきは、転写材上に転写される画像の位置のばらつきに繋がる。そのばらつきは、書込み基準位置(理想の書込み位置)に対して例えば±1mm程度になる。
カラー画像形成装置の転写部の代表的な例として、(1)中間転写ベルト方式と、(2)直接転写搬送ベルト方式とがある。
上記(1)の中間転写ベルト方式においては、まず、4つの感光体上でそれぞれの色の画像が作像される。それらの各感光体から一旦、中間転写ベルトに画像が転写される。最後にまとめて中間転写ベルトから転写材に、4色の画像が転写される。
このように第1工程として、感光体から中間転写ベルトに画像が転写される。中間転写ベルトは、一般の多種多様な転写材と比べ、安定的な速度で搬送することが可能である。そのため、各感光体からの転写画像に搬送方向のずれが発生することはほとんどなく、あったとしても、それは例えば10μm以下程度の無視できるレベルである。各感光体には、Y/M/C/K(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)などの異なる色で画像が作像されている。それらが中間転写ベルト上に転写されたときに、転写位置にばらつきが生じると、「色ずれ」が生じることとなる。色ずれが生じると、著しく画像品質が劣化する。
第2工程としては、中間転写ベルトから転写材に画像が転写される。この工程は、モノクロ画像形成装置で、転写ローラーにより転写材に画像が転写される工程と同様である。このときの書込み位置のばらつきは、例えば±1mm程度になる。
この位置ばらつきに関しては、中間転写ベルト上で4色重ね合わさせた画像がまとめて転写されるため、「色ずれ」は発生しない。
上記(2)の直接転写搬送ベルト方式においては、4つの感光体上で作像されたそれぞれの色の画像は、直接、転写材上に転写されていく。転写材は、感光体と転写ローラーとに挟まれた領域を、用紙搬送ベルトにバックアップ保持された状態で搬送される。
この方式において、転写材は用紙搬送ベルトに吸着されている。このため、転写材の搬送速度は、用紙搬送ベルトの速度にならっている。用紙搬送ベルトの搬送速度は、中間転写ベルトと同様に安定的に保つことが可能である。このため直接転写搬送ベルト方式においては、様々な種類の転写材を、安定的に搬送することが可能である。すなわち、各感光体から転写材に直接転写される転写画像に、搬送方向のずれが発生することはほとんどない。あったとしても、それは例えば10μm以下程度の無視できるレベルである。
ただし直接転写搬送ベルト方式においても、転写材が用紙搬送ベルトに吸着されるタイミングはばらつく。これは、モノクロ画像形成装置で、転写材が先端検出位置から転写位置まで運ばれるのに要する時間がばらつくのと同様である。これにより、やはり転写材上の書込み位置のばらつきは、例えば±1mm程度になる。しかし、転写材が用紙搬送ベルトに吸着されてしまえば、あとは安定的な速度で搬送可能なため、「色ずれ」は発生しない。
上記(1)および(2)の2種類のカラータンデム方式においては、4サイクル方式と比較してプリント速度が速いというメリットがあるものの、いずれもベルトを使用しているために、それが低コスト化のネックとなっている。そこで、ベルトを用いないベルトレスタンデム方式が以下の特許文献2において提案されている。
ここでいうベルトレスタンデム方式とは、中間転写ベルトや、直接転写方式に用いられる用紙搬送ベルトを使用しない方式であり、複数の感光体と複数の転写ローラーとの対によって、転写材を挟持および搬送しながら、感光体の画像を転写していく方式である。
特開2006−65111号公報 特開平7−319254号公報
ベルトレスタンデム方式のカラープリンタにおいては、ベルトなどの安定した搬送速度を保持しやすいバックアップ部材なしで転写材を搬送することになる。これにより、第1の転写部(例えばY色転写部)から第2の転写部(例えばM色転写部)まで、転写材が到達する時間にばらつきが発生しやすい。この時間のばらつきは、各転写部で転写される画像の送り方向のばらつきとなる。このばらつきは「色ずれ」に繋がり、著しい画像品質の劣化を引き起こす。このようにベルトレスタンデム方式においては、色位置合わせ精度に関して、課題が多い。
その解決策として、上記特許文献1で提案されている方法を採用することが考えられる。すなわち、以下のような手法である。
従来のカラータンデムプリント方式では、画像書込みタイミングを調節するための転写材の先端検出センサは、1ヶ所に用いられている。すなわち中間転写ベルト方式では、2次転写(中間転写ベルトから転写材への転写)に対して、転写材搬送上流部の1ヶ所に先端検出センサが設けられている。直接転写搬送ベルト方式では、搬送ベルトに転写材を吸着させる位置近辺の1ヶ所に先端検出センサが設けられている。
ベルトレスタンデム方式では、第1の転写部から第2の転写部までの転写材搬送時間がばらつきやすいので、特許文献1のように、各転写部の上流それぞれに対応するように、先端検出センサを設けることが考えられる。この先端検出結果から、各転写部に位置する感光体へ画像書込みを開始するタイミングを決定するものである。
ところがこの方法においても、以下のような問題がある。プリンタの小型化を進めていくと、転写部(ニップ部)の上流に設ける先端検出センサの位置と、感光体の大きさとによって、以下のような関係が成立することとなる。すなわち、
感光体上の露光位置から転写位置までに画像が移動する距離をL1、
転写材搬送経路上の先端検出センサの位置から転写位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、
L1>L2
という関係が成立することが考えられる。
この場合は、転写材の先端をセンサで検出した時点で、感光体上への露光は既に始まっている。このため、書込みタイミング(露光タイミング)を調整することは不可能である。
センサの検出結果が想定の時間に対してずれている場合は、「色ずれ」が生じることとなり、著しい画像品質の劣化を引き起こす。
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、転写材に形成される像の位置合わせを適切に行なうことができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、転写材に転写する像を担持する像担持体と、像担持体に対向して設けられる転写部と、転写材搬送経路において、像担持体および転写部のニップ部の上流における転写材の搬送状態を検出する検出部と、転写材をニップ部へと導くための、転写材搬送ガイドと、像担持体上に像の書込みを行なう書込部と、検出部の検出結果に基づいて、転写材搬送ガイドの位置を調整する調整部とを備える。
好ましくは検出部は、転写材の先端が到達したことを検出する。
好ましくは像担持体は感光体であり、転写部は転写ローラーである。
好ましくは調整部は、転写材搬送ガイドを、その下流に位置する像担持体の回転軸を回転中心として移動させる。
好ましくは画像形成装置は、検出部において、像担持体上のトナー画像を読取り、画像安定化制御を行なう。
好ましくは書込部は、検出部による検出が行なわれる前に像の書込みを開始する。
好ましくは像担持体は、複数色のそれぞれに対応するものが複数設けられ、転写部は、複数の像担持体のそれぞれに対応するものが複数設けられ、転写材搬送ガイドは、複数の像担持体のそれぞれに対応するものが複数設けられ、検出部は、複数の像担持体、およびそれらに対応する複数の転写部の少なくとも1つの組におけるニップ部の上流における転写材の搬送状態を検出し、調整部は、少なくとも1つの組における像担持体に対応する転写材搬送ガイドの位置を調整する。
好ましくは複数の像担持体、および複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の転写部は、複数の像担持体を内側とする円弧状に配置される。
好ましくは複数の像担持体、および複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の転写部は、それらの転写ニップ部を結ぶ線が直線状であり、転写ニップ部からの転写材排出方向が、転写ニップ部を結ぶ線よりも転写部側となるように配置される。
好ましくは複数の像担持体、および複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の転写部は、複数の像担持体を外側とする円弧状に配置される。
好ましくは画像形成装置は、複数の転写材搬送ガイドを1つの駆動源により順次調整する。
好ましくは複数の転写材搬送ガイドのうち、ある転写材搬送ガイドを調整している間は、他の転写材搬送ガイドは退避状態とされる。
好ましくは書込部の像担持体上への書込みタイミングは、その像担持体よりも上流にある像担持体に対応する検出部の検出結果に基づいて決定される。
好ましくは最上流の像担持体において、像担持体上の画像の書込位置からニップ部の位置までに画像が移動する距離をL1とし、最上流の像担持体の上流にある検出部の位置からニップ部の位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、L1<L2の関係が成り立ち、最上流の像担持体に対応する転写材搬送ガイドは、調整部で調整されずに固定される。
好ましくは最上流の像担持体において、像担持体上の画像の書込位置からニップ部の位置までに画像が移動する距離をL1とし、最上流の像担持体の上流にある検出部の位置からニップ部の位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、L1>L2の関係が成り立ち、最上流の像担持体に対応する転写材搬送ガイドは、調整部で調整される。
好ましくは最上流の像担持体において、像担持体上の画像の書込位置からニップ部の位置までに画像が移動する距離をL1とし、最上流の像担持体の上流にある検出部の位置からニップ部の位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、L1>L2の関係が成り立ち、最上流の像担持体に対応する転写材搬送ガイドは、調整部で調整されずに固定される。
好ましくは画像形成装置は、複数の像担持体のうちの所定の像担持体の下流に設置された、次の像担持体に対応する検出部による検出結果を、所定の像担持体に対する画像の書込みタイミングと、所定の像担持体に対する転写材搬送ガイドの位置調整量との少なくとも一方にフィードバックする。
好ましくは複数の像担持体のうちの最下流の像担持体の下流位置にも、転写材の搬送状態を検出するための検出部が設けられる。
この発明の他の局面に従うと、転写材に転写する像を担持する像担持体と、像担持体に対向して設けられる転写部と、転写材搬送経路において、像担持体および転写部のニップ部の上流における転写材の搬送状態を検出する検出部と、転写材をニップ部へと導くための、転写材搬送ガイドと、像担持体上に像の書込みを行なう書込部とを備えた画像形成装置の制御方法は、検出部の検出結果に基づいて、転写材搬送ガイドの位置を調整する調整ステップを備える。
この発明のさらに他の局面に従うと、転写材に転写する像を担持する像担持体と、像担持体に対向して設けられる転写部と、転写材搬送経路において、像担持体および転写部のニップ部の上流における転写材の搬送状態を検出する検出部と、転写材をニップ部へと導くための、転写材搬送ガイドと、像担持体上に像の書込みを行なう書込部とを備えた画像形成装置の制御プログラムは、検出部の検出結果に基づいて、転写材搬送ガイドの位置を調整する調整ステップをコンピューターに実行させる。
これらの発明に従うと、検出部の検出結果に基づいて、転写材搬送ガイドの位置を調整することができる。これにより、転写材に形成される像の位置合わせを適切に行なうことができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、YMCK(イエロー・マゼンタ・シアン・ブラック)のすべての色を1サイクルで印刷する、タンデム方式のカラープリンタである。タンデム方式のカラープリンタでは、複数色の感光体が直列に配置される。用紙を通紙および搬送させながら、各色のトナー画像を感光体から用紙に順次転写することで、カラー画像が形成される。
すなわち画像形成装置は、中間転写ベルトや直接転写ベルトを用いない、ベルトレスタンデム方式を採用している。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
図を参照して画像形成装置1は、給紙カセット2と、給紙部3と、Y色感光体4Aと、M色感光体4Bと、C色感光体4Cと、K色感光体4Dと、Y色転写ローラー(転写部)5Aと、M色転写ローラー(転写部)5Bと、C色転写ローラー(転写部)5Cと、K色転写ローラー(転写部)5Dと、定着部6と、排紙部7とを備える。
給紙カセット2には、画像を形成するための用紙が収容されている。用紙の有無は、センサにより検出される。用紙がセットされていない場合、または印字中に用紙が無くなった場合には、センサが状況を検出し、表示パネル等でユーザに知らせる。給紙カセット2の前方(図において右側)には、給紙カセット2内の用紙を画像形成部(画像書込部)へ送り出すための給紙部3が備えられている。画像形成装置1には、装置の制御を行なうCPU等を含むコントローラー(画像データ処理部)51が備えられている。
画像形成装置1は、直接にまたはネットワークを介し、コンピューターに接続して使用される。コンピューターからは、用紙に印字する画像データが、画像形成装置内のコントローラー51に転送される。画像形成部は、転送された画像データに基づいて、Y色感光体4A上に潜像を形成する。現像部は、その潜像に従い、現像材によりY色感光体4A上に像を形成する。Y色感光体4A上に形成された現像材による像は、Y色転写ローラー5Aによって用紙へ転写される。この用紙は、給紙カセット2内の用紙が、給紙部3から送り出されたものである。用紙は、給紙部3より、用紙に対する画像の位置が適切となるように制御され、Y色転写ローラー5Aに搬送される。同様に、M色感光体4BとM色転写ローラー5Bとによる転写処理、C色感光体4CとC色転写ローラー5Cとによる転写処理、およびK色感光体4DとK色転写ローラー5Dとによる転写処理が各色連続して行なわれる。各色転写ローラー5A〜5Dで現像材が転写された用紙は、定着部6に送られ、熱と圧力が加えられる。用紙上の現像材は、定着部6を通過することにより、用紙に定着すると同時に発色する。その後、用紙は排紙部7に排出される。これにより、画像形成が完了する。
感光体4A〜4D、および転写ローラー5A〜5Dが設置される位置は、画像形成部9を構成する。
図2は、画像形成部9の構成例を示す側面図である。
図2では、画像形成部9の構成を簡略化して示しており、4個の感光体4A〜4Dが水平に一列に並んだ状態にあるものとしている。画像形成部9は、像担持体である感光体4A〜4Dと、感光体4A〜4D上に潜像の書込みを行なう画像書込部16A〜16Dと、感光体4A〜4D上の潜像を現像してトナー像を形成する不図示の現像器と、感光体4A〜4Dと対になり感光体4A〜4D上に形成されたトナー像を用紙10上に転写するための転写ローラー5A〜5Dと、搬送されてくる用紙10の先端がそれぞれの位置に到達したことを検出するためのタイミングセンサ13、および先端検出センサ14A〜14Dと、用紙を搬送するための搬送ローラー15とを備えている。
給紙部3から送り出された用紙10は、タイミングセンサ13でその先端を検出された後、一定時間経過後に停止する。この際に、用紙10の先端は搬送ローラー15に突き当てられる。これにより用紙のスキューが補正される。
画像書込部16A〜16Dは、タイミングセンサ13の検出タイミングを元に画像の書込みのタイミングを決定する。画像書込部16A→画像書込部16Dの順に書込み開始のタイミングは遅くなる。
用紙の搬送速度は用紙種類や環境により変化する。このため、用紙10がタイミングセンサ13で検出されてから、感光体4Aと転写ローラー5Aとの接触部分であるニップ部(転写ポイント)に到達するまでの時間にはばらつきが存在する。同様に、感光体4B〜4Dのそれぞれと転写ローラー5B〜5Dとのそれぞれとのニップ部に到達するまでの時間においても、ばらつきが存在する。
ばらつき量は、用紙種類や画像形成装置が設置された環境により変化する。ばらつきの範囲は予め実験により知ることができる。
画像書込部16A〜16Dは、用紙10上の所定の位置にトナー像が転写されるように、タイミングを演算してそれぞれの感光体4A〜4Dへの書込み処理を行なう。
搬送ローラー15は、用紙10と感光体4A上の画像との用紙搬送方向の位置関係が合致するタイミングで、用紙10を感光体4Aと転写ローラー5Aとのニップ部へ送り込む。
用紙10は、感光体4Aと転写ローラー5Aとのニップ部で1色目の画像が転写された後、順次、感光体4Bと転写ローラー5B、感光体4Cと転写ローラー5C、感光体4Dと転写ローラー5Dのニップ部に搬送され、それぞれ2、3、4色目の画像が転写されてカラー画像が形成される。一般的には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色でカラー画像が形成される。カラー画像が形成された用紙10は、定着部6に送られてトナー像が定着された後、排紙部7に排出される。
各ニップ部の上流に設けた先端検出センサ14A〜14Dは、用紙10の先端がニップ部の近傍に到達したことを検出する。この検出結果に基づく一連の制御に関しては、後述する。
なお、先端検出センサ14B〜14Dからそれぞれのニップ部までの距離は、画像書込部16B〜16Dによる感光体4B〜4Dへの画像書込みポイントから画像がニップ部に移動するまでの距離よりも短く設定されている。これは、装置をコンパクトに構成することを目的としたものである。
図3は、先端検出センサと画像書込みポイントとの位置関係を示す図である。
ここでは先端検出センサ14Aと感光体4Aの画像書込みポイント“A”との位置関係が記載されているが、先端検出センサ14B〜14Dと感光体4B〜4Dの画像書込みポイントとの位置関係も同様である。
先端検出センサ14Aの検出ポイント“C”と、ニップ部(転写ポイント)“B”との間の距離がL2で示されている。画像書込みポイント“A”から画像がニップ部“B”に移動するまでの距離がL1で示されている。
用紙10の移動速度と感光体4Aの表面部分の移動速度とは通常は同じである。このために、L2<L1の関係が成立する場合には、用紙10の先端が先端検出センサ14Aの検出ポイント“C”に達しているときには、すでに画像書込部16Aは画像の書込みを開始していなければならない。このため、画像書込部16Aによる画像の書込み開始のタイミングは、タイミングセンサ13が用紙先端を検知したタイミングを基に決定される。
図4は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図を参照して、タイミングセンサ13および先端検出センサ14A〜14Dの検出情報が画像形成装置の備えるCPU31に入力される。搬送ローラー15は、搬送ローラー駆動モーター34により駆動される。感光体4A〜4Dのそれぞれは、感光体駆動モーター37A〜37Dにより駆動される。CPU31がモーターの駆動速度を調節することで、搬送ローラー15の駆動速度を変化させることが可能である。
画像書込部16A〜16Dは、レーザダイオード(またはLED)やポリゴンミラーなどの走査系により構成され、CPU31によりその駆動タイミングが制御される。
CPU31には、外部機器(外部PC(パーソナルコンピュータ))と通信を行なうための入出力I/F41と、画像書込部16A〜16Dのそれぞれで書き込まれた潜像の現像を行なうトナー現像器43A〜43Dと、定着器6とが接続される。
CPU31は、タイミングセンサ13の検出信号に従って、搬送ローラー駆動モーター34を制御して搬送ローラー15により用紙を搬送させる。それと共にCPU31は、感光体駆動モーター37A〜37Dを制御して感光体4A〜4Dを回転させる。また、画像書込部16A〜16Dに書込みデータを送り、感光体4A〜4D上に潜像を形成する。
CPU31は、先端検出センサ14A〜14Dの検出信号を得ると、その出力タイミングが規定のタイミングであるかどうかチェックする。規定のタイミングであれば、その状態を継続する。
規定のタイミングでない場合、CPU31は、画像の位置を用紙に合わせるように調整する。
なお、感光体が1つの場合においても本発明を実施することは可能であり、その場合、先端検出センサ、画像書込部、現像器、感光体駆動モーターは、それぞれ1つでよい。
なお、搬送ローラー駆動モーター34は独立したモーターである必要はなく、感光体駆動モーターが兼用していても構わない。
さらにCPU31には、転写部それぞれにおける搬送ガイドの位置を移動させる搬送ガイド移動機構49A〜49Dが接続されている。
搬送ガイド移動機構49A〜49Dは、先端検出センサ14A〜14Dによる用紙先端の検出結果に基づいて、搬送ガイドの位置を移動させることで、用紙搬送時間を調整し、色ずれを防止するものである。
またCPU31には、画像形成装置を動作させるためのプログラムや画像データなどを記憶するためのEEPROM、RAMなどから構成される記憶部51が接続されている。記憶部51内には、プログラム51aが格納されている。
図5は、転写部間の構成の例を示す第1の図である。
なおここでは、感光体4Aおよび4Bの間の構成を示しているが、感光体4Bおよび4C、または感光体4Cおよび4Dの間の構成も同様である。
図において、それぞれがニップ部を構成する、感光体4Aおよび転写ローラー5Aの組、および感光体4Bおよび転写ローラー5Bの組とからなる2組の転写部の間に、先端検出センサ14Bおよび転写材搬送ガイド19が配置されている。転写材は図中の左から右へと搬送される。
転写材搬送ガイド19の位置を、図に示すように変更することで(図では転写材搬送ガイド19の位置として5か所が示されている)、転写材搬送経路11の位置が、適正な位置に調整される(図では転写材搬送経路11の位置として、転写材搬送ガイド19の5か所の位置にそれぞれ対応する5か所が示されている)。
転写材搬送経路の位置が変化することで、左の感光体4Aの転写位置から、右の感光体4Bの転写位置までに転写材が移動する距離が変わる。これにより、転写材の搬送時間を調整することができる。
図6は、転写部間の構成の例を示す第2の図である。
転写部間の構成は、図5のものではなく図6に示すものであってもよい。図5と図6の違いは、2つの転写ニップ間の用紙のループ形状が異なる点である。図5では上に凸のループ形状であるのに対して、図6では、逆に下に凸のループ形状となっている。
すなわち図5では、感光体の軸とそれに対応する転写ローラーの軸とを結ぶ直線同士は、平行である。これに対して図6では、感光体の軸とそれに対応する転写ローラーの軸とを結ぶ直線同士は、「ハ」の字の形状となっている(ニップ部は、円弧状に配列することとなる)。このような感光体などの配置の差と、転写材搬送ガイド19の配置の差から、用紙のループ形状が異なっている。
図7は、転写材搬送ガイドの位置と転写材搬送経路との関係を示す図である。
(A)の列および(B)の列は、それぞれ図5および6の構成に対応している。すなわち(A)と(B)とでは、2組の感光体および転写ローラーの位置関係が異なっている。もちろん、この2つの例以外の位置関係であっても構わない。
(A)および(B)において、縦に並んだ5個の図は、転写材搬送ガイド10を標準位置から、右側の感光体4Bの回転軸を中心に、−2度/−1度/±0度(標準)/+1度/+2度、回転させた状態を示している。角度は、反時計回り方向がプラス方向であるものとする。このような回転に伴い、転写材搬送経路が変化していることが示されている。
図8は、図7の転写材搬送経路の変化を示す第1の図である。
ここでは、図7の転写材搬送経路の変化がグラフ化されている。横軸は転写材搬送ガイドの角度の変化を示しており、縦軸は2つのニップ部間にわたる用紙の長さ(すなわち2つのニップ部間の転写材搬送経路の長さ)を示している。
グラフ中、四角の点と点線とで図5および図7(A)の、各感光体とそれに対応する転写ローラーとを結ぶ直線同士が並行であり、その直線が各感光体の配列方向に対して垂直である構成を示している。また、丸の点と実線とで図6および図7(B)の、各感光体とそれに対応する転写ローラーとを結ぶ直線が「ハ」の字形状である構成を示している。
図5および図7(A)の構成では、ニップ部間において用紙は上向きに湾曲した形状となる。転写材搬送ガイドをプラス方向(反時計回り方向)に移動させると、転写材搬送ガイドは用紙から離れる方向に向かって移動するため、用紙の撓みは少なくなる。これにより、ニップ間の用紙長さは短くなる。
図6および図7(B)の構成では、ニップ部間において用紙は下向きに湾曲した形状となる。転写材搬送ガイドをプラス方向(反時計回り方向)に移動させると、転写材搬送ガイドは用紙から離れる方向に向かって移動するため、用紙の撓みは多くなる。これにより、ニップ間の用紙長さは長くなる。
このように、転写材搬送ガイドの位置を移動させることで、ニップ間距離(転写材搬送経路)を、調整可能である。
図9は、図7の転写材搬送経路の変化を示す第2の図である。
グラフ中、四角の点と点線とで図5および図7(A)の構成が、丸の点と実線とで図6および図7(B)の構成が示されている。
ここでは、横軸は転写材搬送ガイドの後端部の高さを示しており、縦軸は2つのニップ部間にわたる用紙の長さ(すなわち2つのニップ部間の転写材搬送経路の長さ)を示している。なお、「転写材搬送ガイドの後端部」とは、転写材搬送方向における転写材搬送ガイドの後方の端部であり、図5、6では左端部である。
転写材搬送ガイドをプラス方向(図の右側の感光体の回転軸を中心とした反時計回り方向)に移動させると、転写材搬送ガイドの後端部の高さは低くなる。図5および図7(A)の構成では、転写材搬送ガイドの後端を低くすると、転写材搬送ガイドは用紙から離れる方向に向かって移動するため、用紙の撓みは少なくなる。これにより、ニップ間の用紙長さは短くなる。
図6および図7(B)の構成では、転写材搬送ガイドの後端を低くすると、転写材搬送ガイドは用紙から離れる方向に向かって移動するため、用紙の撓みは多くなる。これにより、ニップ間の用紙長さは長くなる。
以上のように、図5と図6とでは構成の違いにより、ガイドの高さの調整方向は、逆方向となる。
図10は、図5の構成を採用した画像形成部の構成を示す図である。
ここでは4つの感光体PC1〜PC4、それらに対応する4つの転写ローラーT1〜T4、転写材先端検出センサS1〜S4、および転写材搬送ガイドG1〜G4(すなわち4組の画像形成ユニット)により画像形成部が構成されている。転写材は、図中左から右へ搬送される。
1組目のユニットでは左から順に、転写材先端検出センサS1、転写材搬送ガイドG1、および感光体PC1の順に各部材が配列されている。後の組のユニットでも同様の配置とされている。
1組目のユニットでは、L1<L2(図3)の関係が成立する(ここにL1は感光体上の露光位置から転写位置までの画像の移動距離であり、L2は転写材搬送経路上のセンサの転写材の先端検出位置から転写位置までの距離である)。
2〜4組目のユニットでは、L1>L2の関係が成立する。
転写材搬送ガイドG1は固定式(移動せずに固定されたもの)であり、転写材搬送ガイドG2〜G4は、図5および図7(A)のように位置を調整可能なものとする。
図11は、第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートでの処理は、画像形成装置のCPU31が記憶部51に記憶されたプログラム51aに従って動作することにより実行される。なお、ここでは画像形成部9の構成は図10に示すものとする。
ステップS101において、CPU31が転写材先端検出センサS1により転写材の先端を検出するまで待機する。検出したのであれば、CPU31はステップS103で感光体PC1への画像書込部16Aを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC1上の画像が転写されるように、感光体PC1への画像書込タイミングを調節するものである。これにより、転写材の所定の位置に1色目の画像の転写が行なわれる。
ステップS105において、CPU31が転写材先端検出センサS2により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、タイミングセンサ13の検出信号に基づいて、または先端検出センサS1の検出信号に基づいて、感光体PC2への画像書込部16Bを用いた画像書込は開始されている。
ステップS105において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS107で、感光体PC2の前にある転写材搬送ガイドG2の位置を調節することで、感光体PC2上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に2色目の画像の転写が行なわれる。
ステップS109において、CPU31が転写材先端検出センサS3により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、タイミングセンサ13の検出信号に基づいて、または先端検出センサS2の検出信号に基づいて、感光体PC3への画像書込部16Cを用いた画像書込は開始されている。
ステップS109において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS111で、感光体PC3の前にある転写材搬送ガイドG3の位置を調節することで、感光体PC3上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に3色目の画像の転写が行なわれる。
ステップS113において、CPU31が転写材先端検出センサS4により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、タイミングセンサ13の検出信号に基づいて、または先端検出センサS3の検出信号に基づいて、感光体PC4への画像書込部16Dを用いた画像書込は開始されている。
ステップS113において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS115で、感光体PC4の前にある転写材搬送ガイドG4の位置を調節することで、感光体PC4上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に4色目の画像の転写が行なわれる。
1組目の転写材先端検出センサS1、転写材搬送ガイドG1、および感光体PC1では、前述したように、L1<L2の関係がある。このため、転写材先端検出センサS1が転写材の先端を検出した時点で、感光体PC1への露光は開始されていない。そのため、先端検出タイミングが想定からずれる場合、感光体PC1への露光開始タイミングを調整することで「色ずれ」(1色目なので、転写材に対する画像の「位置ずれ」)を防ぐことが可能となる。
それに対して、2〜4組目の転写材先端検出センサS2〜S4、転写材搬送ガイドG2〜G4、および感光体PC2〜PC4の間には、L1>L2の関係がある。このため、転写材先端検出センサS2〜S4が転写材の先端を検出した時点で、感光体PC2〜PC4への露光はすでに開始されている。そのため、先端検出タイミングが想定からずれていることがわかっても、感光体PC2〜PC4への露光開始タイミングを調整することはできない。
そこで本実施の形態では、感光体間に配置された転写材搬送ガイドの位置を変更することで、転写材の搬送時間を調整している。例えば、当初想定よりも搬送時間を長くしたいときは、感光体間の搬送経路が遠回りになるように、転写材搬送ガイドの位置が変更される。逆に、当初想定よりも搬送時間を短くしたいときは、感光体間の搬送経路が最短距離に近づくように、転写材搬送ガイドの位置が変更される。結果として「色ずれ」を防ぐことが可能となる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、感光体などの配置が第1の実施の形態と異なる。
図12は、第2の実施の形態における画像形成装置の感光体列の配置を示す図である。
図中<a>で示される配置は、第1の実施の形態における配置と同じものである。
前述したように、転写ニップ部間における転写材の形状は、上が凸であるもの(図5)と、下が凸であるもの(図6)とが考えられる。下が凸であるものにおいて、転写材搬送経路の調整範囲を大きくしたい場合には、転写材が凸状となるループのためのふところを広く取ることが有利である。
そのためには、図12<b>で示すように、複数の感光体および転写ローラー対を、感光体を円弧の内側とするような円弧状に配置することが望ましい。円弧のR値を小さくする(曲率を大きくする)ことで、よりふところを確保しやすくなる。このような構成により、調整範囲を大きくとりながら、安定した転写材のループ形状を作成することが可能となる。
なお、下が凸状であるループのふところの確保の仕方としては、図12<c>で示す構成を採用してもよい。これは、複数の感光体および転写ローラー対の配列において、それぞれの転写ニップ部を結ぶ線は直線状とし、かつ、転写ニップ部からの転写材の排出方向を、転写ニップ部を結ぶ線よりも転写ローラー側とするものである。
すなわち、<a>においては、感光体の中心とそれに対応する転写ローラーの中心とを結ぶ直線は、転写ニップ部を結ぶ直線と直交することとした。<c>においては、<a>よりも、感光体の中心とそれに対応する転写ローラーの中心とを結ぶ直線を右側に傾けている。これにより、ニップ部から転写材が出てくる方向を下向きにすることができる。
<c>においては、感光体列を直線状にすることができるため、<b>よりも構成を簡略化しやすいという利点がある。
上述の説明では、転写ニップ部間における転写材の形状は、下が凸であるもの(図6)について説明したが、上が凸であるもの(図5)において、転写材搬送経路の調整範囲を大きくしたい場合にも同様の考えが成り立つ。
すなわち、図12<d>で示すように、複数の感光体および転写ローラー対を、感光体を円弧の外側とするような円弧状に配置することが望ましい。
これにより、安定したループ形状を作成しやすくなり、また転写材搬送経路を極力短くすることができる。また、感光体側に付随するプロセスユニットの配置領域も余裕を持って確保できるという利点がある。
なお、転写ニップ部間における転写材の形状に関し、上が凸であるものにおいて、<c>とは逆に、感光体の中心とそれに対応する転写ローラーの中心とを結ぶ直線を左側に傾けることとしてもよい。すなわち、複数の感光体および転写ローラー対の配列において、それぞれの転写ニップ部を結ぶ線は直線状とし、かつ、転写ニップ部からの転写材の排出方向を、転写ニップ部を結ぶ線よりも感光体側とするものである。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態においては、転写材搬送ガイドの駆動機構の構成が第1の実施の形態と異なる。
図13は、図10の構成にガイド位置調整機構を付加した構成を示す図である。
複数の転写材搬送ガイドそれぞれのガイド位置を調整するために、それら各々に駆動源を設けることとしてもよい。しかしこの場合、コストを下げることができないという問題がある。
そこで第3の実施の形態においては、複数の転写材搬送ガイドG2〜G4を駆動するために1つの駆動部材(モータ)63が用いられている。駆動部材63は、シャフト61を回転させる。
シャフト61には、転写材搬送ガイドG2〜G4のそれぞれを移動させるためのガイド位置調整用カム60a〜60cが接続されている。ガイド位置調整用カム60a〜60cが回転することで、それぞれに接触する転写材搬送ガイドG2〜G4は位置を変える。
転写材搬送ガイドの機能は、下流の感光体と転写ローラーとのニップ部に、転写材先端を搬入させることである。このため、転写材搬送ガイドの位置は、上流から下流へ向けて順次調整していけばよく、同時に動作させる必要はない。
そこで図13では、1つの駆動源で3つのカムを回転させて、上流から順に転写材搬送ガイドの位置を調整していくものである。これによりコストをかけずに、搬送ガイドによる印字位置の調整が可能となる。
図14は、ガイド位置調整用カム60a〜60cの構成を示す図である。
ここでは1つのシャフトにその中心が固定されるガイド位置調整用カム60a〜60cの位相差が示されている。図中、カムの回転方向は反時計回りである。
シャフト61の周囲は、回転方向に3つのエリアA1〜A3に分割されている。各エリアの中心角度は、120°である。
ガイド位置調整用カム60aは、エリアA1において突出部分を有する。これによりガイド位置調整用カム60aは、エリアA1において転写材搬送ガイドG2の高さを調整する。すなわちエリアA1がガイド高さ調整エリアとなる。またガイド位置調整用カム60aは、エリアA2およびA3においては突出部分を有さない。これによりガイド位置調整用カム60aは、エリアA2およびA3において転写材搬送ガイドG2を最も低い位置に退避させ、高さ調整を行なわない。すなわちエリアA2およびA3は、ガイド退避エリアとなる。
ガイド位置調整用カム60bは、エリアA2において突出部分を有する。これによりガイド位置調整用カム60bは、エリアA2において転写材搬送ガイドG3の高さを調整する。すなわちエリアA2がガイド高さ調整エリアとなる。またガイド位置調整用カム60bは、エリアA3およびA1においては突出部分を有さない。これによりガイド位置調整用カム60bは、エリアA3およびA1において転写材搬送ガイドG3を最も低い位置に退避させ、高さ調整を行なわない。すなわちエリアA3およびA1は、ガイド退避エリアとなる。
ガイド位置調整用カム60cは、エリアA3において突出部分を有する。これによりガイド位置調整用カム60cは、エリアA3において転写材搬送ガイドG4の高さを調整する。すなわちエリアA3がガイド高さ調整エリアとなる。またガイド位置調整用カム60cは、エリアA1およびA2においては突出部分を有さない。これによりガイド位置調整用カム60cは、エリアA1およびA2において転写材搬送ガイドG4を最も低い位置に退避させ、高さ調整を行なわない。すなわちエリアA1およびA2は、ガイド退避エリアとなる。
各ガイド高さ調整エリアにおいてカムの形状は、カムの回転に従いまずは転写材搬送ガイドを最大の高さに持ち上げ、その後緩やかに転写材搬送ガイドの高さを低くしてゆくように形成されている。
前述のように、転写材搬送ガイドの調整は上流から順次行なってゆけばよい。しかしながら、下流の転写材搬送ガイドを調整する際に、上流の転写材搬送ガイド上では転写材が通過中である。このため、カムの動きによって、転写材の搬送が阻害されたり負荷になったりすることがあってはならない。
図14に示すカム形状にすることで、以下の2つの制御を行なうことができる。
(1) 1つの転写材搬送ガイドの位置を調整しているときは、他の転写材搬送ガイドを退避させる。
(2) 転写材搬送ガイドの位置は、転写材が遠回りする位置(図13では最も転写材搬送ガイドが高くなっている位置)から、転写材経路が最短距離に近づく方向の1方向で調整する。
3つのカムは1本の軸に固定されており、3つのカムは一体的に同時に回転する。カムおよび転写材搬送ガイドは、転写材の先端を狙いの時間で、ニップ部へ送り込むことを目的としている。送り込んでしまえば、転写材搬送ガイドはなくてもよい。
たとえば図13において、2個目の感光体から3個目の感光体へと用紙を搬送するときに、その間にある転写材搬送ガイドG3の位置を調整する場合を想定する。このとき用紙は、1個目の感光体と2個目の感光体にニップされている状態となる。その用紙の腹は、1個目の感光体と2個目の感光体との間に配置された転写材搬送ガイドG2に接触していることになる。
カムのシャフト61を回転させることで、用紙の腹を押してしまうことがあると、1個目の感光体または2個目の感光体の転写ニップ位置ですべりが生じてしまうことになる。
従って、2個目と3個目の感光体の間にある転写材搬送ガイドG3を調整するときには、1個目と2個目の感光体の間にある転写材搬送ガイドは、用紙から逃げる方向へ移動しなければならない。
このため図14に示されるように、カム形状は上記(1)および(2)の条件を満たすようにしている。これにより、上流側の転写材の搬送に影響を与えないようにすることができる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第4の実施の形態においては、図11のフローチャートで示される制御に代えて、図15に示される制御が行なわれる。
図11で説明した制御方法では、2個目のガイドG2の調整幅<3個目のガイドG2の調整幅<4個目のガイドG2の調整幅、というように、誤差が積み重なりやすい下流に用紙が進むにつれて、ガイドの調整幅を大きく設定する必要がある。このことは、スペース的、またはコスト的な課題となりうる。
本実施の形態では、そのようなことが起こりにくくなるように制御が行なわれる。転写材先端を検出したときに、その検出位置の1つ下流側の感光体での画像書込みが既に始まっているため、転写材搬送ガイドの位置を調整することで、転写材の搬送時間を調整することを第1の実施の形態では行なっていた。
転写材先端を検出したときに、その検出位置の2つ下流側の感光体では画像の書込みが始まっていないことがあり得る(これは、感光体の径や配置による)。本実施の形態ではそのような場合を想定するものであり、転写材先端検出センサの検出結果に基づき、予め感光体への書込みタイミングを調整し、書込みを開始した後、直近の転写材先端検出センサの検出結果に基づいて、転写材搬送ガイド位置を設定するものである。
このような処理により、誤差が積み重なることがなくなり、上流から下流までのすべての転写材搬送ガイドの調整幅を同等に設定することが可能となる。
図15は、第4の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートでの処理は、画像形成装置のCPU31が記憶部51に記憶されたプログラム51aに従って動作することにより実行される。なお、ここでは画像形成部9の構成は図10に示すものとする。
ステップS201において、CPU31が転写材先端検出センサS1により転写材の先端を検出するまで待機する。検出したのであれば、CPU31はステップS203で感光体PC1への画像書込部16Aを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC1上の画像が転写されるように、感光体PC1への画像書込タイミングを調節するものである。これにより、転写材の所定の位置に1色目の画像の転写が行なわれる。
また、ステップS203での処理と同様に、CPU31はステップS205で感光体PC2への画像書込部16Bを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が感光体PC2の転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC2上の画像が転写されるように、感光体PC2への画像書込タイミングを調節するものである。
ステップS207において、CPU31が転写材先端検出センサS2により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、ステップS205での設定に基づいて、感光体PC2への画像書込部16Bを用いた画像書込は開始されている。
ステップS207において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS209で、感光体PC2の前にある転写材搬送ガイドG2の位置を調節することで、感光体PC2上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に2色目の画像の転写が行なわれる。
またCPU31は、ステップS211で感光体PC3への画像書込部16Cを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が感光体PC3の転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC3上の画像が転写されるように、感光体PC3への画像書込タイミングを調節するものである。
ステップS213において、CPU31が転写材先端検出センサS3により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、ステップS211での設定に基づいて、感光体PC3への画像書込部16Cを用いた画像書込は開始されている。
ステップS213において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS215で、感光体PC3の前にある転写材搬送ガイドG3の位置を調節することで、感光体PC3上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に3色目の画像の転写が行なわれる。
またCPU31は、ステップS217で感光体PC4への画像書込部16Dを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が感光体PC4の転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC4上の画像が転写されるように、感光体PC4への画像書込タイミングを調節するものである。
ステップS219において、CPU31が転写材先端検出センサS4により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、ステップS217での設定に基づいて、感光体PC4への画像書込部16Dを用いた画像書込は開始されている。
ステップS219において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS221で、感光体PC4の前にある転写材搬送ガイドG4の位置を調節することで、感光体PC4上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に4色目の画像の転写が行なわれる。
このようにして、転写材先端検出センサの検出結果により、下流にあってまだ画像の書込みが行なわれていない感光体の画像書込みタイミング(画像書込み位置)が設定される。また、その感光体の前にある転写材搬送ガイドの位置を調節することで、その感光体上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように微調整を行なうことができる。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。
図16は、第5の実施の形態における転写材搬送ガイドの位置調整の方法を説明するための図である。
転写材搬送ガイド19の先端部(図における右端部)と感光体4との位置関係は、転写性や転写材の突入性などの性能に大きく影響を及ぼす。そこで、転写材搬送ガイドを移動させるためには、それらの位置関係を崩さないようにすることが必要である。本実施の形態ではそれを容易にするために、図16に示すように転写材搬送ガイド19を、感光体4の回転軸4aを中心に回動するように設置された転写材搬送ガイド保持部材19aで保持することとしている。
これにより、転写材搬送ガイド19と感光体4との位置関係を所定の関係に保つことが容易となる。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。
図10で示すような、感光体および転写ローラーの対が4組あり、それらに対応するように、転写材先端検出センサと転写材搬送ガイドとがそれぞれ4個ある構成を考える。1個目から2個目の感光体、2個目から3個目の感光体、3個目から4個目の感光体の間は、同じ間隔にする場合が多い。このため2個目以降の感光体(PC2〜PC4)と、それらそれぞれに対応する転写材先端検出センサ(S2〜S4)との距離は、図10のように同じになる
それに対して、1個目の感光体PC1と、それに対応する転写材先端検出センサS1との距離は、画像形成装置の転写材搬送経路の配置の仕方により、2個目以降とは異なる場合が多い。
感光体上の露光位置から画像が転写位置に到るまでの距離をL1、転写材搬送経路上の転写材の先端検出位置から転写位置までの距離をL2とする。1個目の感光体PC1と、それに対応する転写材先端検出センサS1との間の距離が、L1<L2の関係を満たす場合は、転写材の先端を検出したときに感光体への書込みが開始されていない。この場合は第1の実施の形態のように、転写材搬送ガイドで転写材の搬送時間を調整するよりも、感光体の書込みタイミングで画像の位置を調整した方が、低コストで求める性能を達成できる。
図17は、第6の実施の形態における画像形成部の構成を示す図である。
第6の実施の形態では図に示すように、4組の感光体および転写ローラーと、それらに対応する転写材先端検出センサ、および転写材搬送ガイドが配置される。
感光体上の露光位置から画像が転写位置に到るまでの距離をL1、転写材搬送経路上の転写材の先端検出位置から転写位置までの距離をL2とする。第6の実施の形態では、1個目の感光体PC1と、それに対応する転写材先端検出センサS1との間の距離が、L1>L2の関係を満たす。すなわち転写材の先端を検出したときに、感光体への書込みが開始されている。
1個目の感光体による画像の転写材上の位置ずれは、2個目以降の感光体による画像とは異なり、直接「色ずれ」とはならない。すなわち、1個目の感光体による画像が転写材上でずれてしまった場合、2個目以降の感光体の画像を1個目の画像に合わせにいけば、「色ずれ」にはならない。
転写材上の画像の「位置ずれ」と比べて、「色ずれ」の方が人間の目には目立ちやすく、要求精度に10倍程度の差がある。以上の点を考慮して、転写材が1個目の感光体に搬送されるタイミングの誤差が「位置ずれ」の要求精度を満たす場合は、転写材搬送ガイドの位置移動による転写材の搬送時間の調整は省くことが可能である。
その際には、1個目の感光体の上流に配置された転写材先端検出センサも省くことが可能である。1個目の感光体での「位置ずれ」量は、1個目の感光体への画像の書込みタイミングと、1個目と2個目の感光体の間に設置された先端検出センサによる用紙先端検出タイミングとから算出可能である。この算出された位置ずれ量と転写材先端検出センサの出力とに基づいて、2個目の感光体以降においては転写材搬送ガイドを移動させることで、転写材のニップ部への突入タイミングを調整するものである。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。
転写材先端検出センサで検出を行ない、その結果から転写材搬送ガイドの位置を移動させて転写材の搬送時間を調整するという方法においては、センサ検出後、転写材が転写ニップ部まで搬送される時間をある値に想定して制御が行なわれている。
しかしながら、そのセンサから転写ニップ部までの搬送時間の想定値は、紙種、トナー付着量、環境、耐久劣化など、種々の条件で変化する可能性がある。想定値が変化すると、色ずれを減らすことができなくなってしまう。
そこで第7の実施の形態では、転写材先端検出センサから、その下流にある転写材先端検出センサまでの転写材の移動時間が計測される。これにより、転写材先端検出センサの位置から転写ニップ部までの転写材の搬送時間が推定され、搬送時間の想定値にフィードバックされる。想定値に基づいて画像の書込みタイミングや搬送ガイドの位置調整量を調整することで、種々の条件にも対応して「色ずれを減らすこと」が可能となる。
画像形成部の構成としては、図12に示されるいずれの形態を採用してもよいが、本実施の形態では、図18の構成を採用することとしている。
図18は、第7の実施の形態における画像形成装置の画像形成部を示す図である。
ここでは、図10の構成に加えて、最下流の感光体PC4の下流部にも転写材先端検出センサS5を設けることとしている。
図19は、第7の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートでの処理は、画像形成装置のCPU31が記憶部51に記憶されたプログラム51aに従って動作することにより実行される。
ステップS301において、CPU31が転写材先端検出センサS1により転写材の先端を検出するまで待機する。検出したのであれば、CPU31はステップS303で感光体PC1への画像書込部16Aを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC1上の画像が転写されるように、感光体PC1への画像書込タイミングを調節するものである。これにより、転写材の所定の位置に1色目の画像の転写が行なわれる。
また、ステップS303での処理と同様に、CPU31はステップS305で感光体PC2への画像書込部16Bを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が感光体PC2の転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC2上の画像が転写されるように、感光体PC2への画像書込タイミングを調節するものである。
ステップS307において、CPU31が転写材先端検出センサS2により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、ステップS305での設定に基づいて、感光体PC2への画像書込部16Bを用いた画像書込は開始されている。
ステップS307において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS309で、感光体PC2の前にある転写材搬送ガイドG2の位置を調節することで、感光体PC2上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に2色目の画像の転写が行なわれる。
またCPU31は、ステップS311で感光体PC3への画像書込部16Cを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が感光体PC3の転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC3上の画像が転写されるように、感光体PC3への画像書込タイミングを調節するものである。
また、ステップS307において転写材が検出されたのであれば、ステップS351で、転写材先端検出センサS2による検出時刻から転写材先端検出センサS1による検出時刻を引くことで、転写材先端検出センサS1の位置から転写材先端検出センサS2の位置に転写材が到達する時間を演算する。これに基づきステップS353で、転写材先端検出センサS1の位置から感光体PC1のニップ部に転写体が到達する推定時間を算出する。算出された時間は、次回からのステップS303およびS305での画像書出しタイミングの設定に用いられる。
ステップS313において、CPU31が転写材先端検出センサS3により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、ステップS311での設定に基づいて、感光体PC3への画像書込部16Cを用いた画像書込は開始されている。
ステップS313において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS315で、感光体PC3の前にある転写材搬送ガイドG3の位置を調節することで、感光体PC3上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に3色目の画像の転写が行なわれる。
またCPU31は、ステップS317で感光体PC4への画像書込部16Dを用いた画像書込位置を設定する。これは、転写材が感光体PC4の転写ニップ部に到る時期を予測することで、転写材上における画像形成位置に感光体PC4上の画像が転写されるように、感光体PC4への画像書込タイミングを調節するものである。
また、ステップS313において転写材が検出されたのであれば、ステップS355で、転写材先端検出センサS3による検出時刻から転写材先端検出センサS2による検出時刻を引くことで、転写材先端検出センサS2の位置から転写材先端検出センサS3の位置に転写材が到達する時間を演算する。これに基づきステップS357で、転写材先端検出センサS2の位置から感光体PC2のニップ部に転写体が到達する推定時間を算出する。算出された時間は、次回からのステップS309での搬送ガイドの位置設定の補正に、およびステップS311での画像書出しタイミングの設定に用いられる。
ステップS319において、CPU31が転写材先端検出センサS4により転写材の先端を検出するまで待機する。なお、ここでの検出が行なわれる前に、ステップS317での設定に基づいて、感光体PC4への画像書込部16Dを用いた画像書込は開始されている。
ステップS319において転写材が検出されたのであれば、CPU31はステップS321で、感光体PC4の前にある転写材搬送ガイドG4の位置を調節することで、感光体PC4上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように調整を行なう。これにより、転写材の所定の位置に4色目の画像の転写が行なわれる。
また、ステップS319において転写材が検出されたのであれば、ステップS359で、転写材先端検出センサS4による検出時刻から転写材先端検出センサS3による検出時刻を引くことで、転写材先端検出センサS3の位置から転写材先端検出センサS4の位置に転写材が到達する時間を演算する。これに基づきステップS361で、転写材先端検出センサS3の位置から感光体PC3のニップ部に転写体が到達する推定時間を算出する。算出された時間は、次回からのステップS315での搬送ガイドの位置設定の補正に、およびステップS317での画像書出しタイミングの設定に用いられる。
ステップS323において、CPU31が転写材先端検出センサS5により転写材の先端を検出するまで待機する。
ステップS323において転写材が検出されたのであれば、ステップS363で、転写材先端検出センサS5による検出時刻から転写材先端検出センサS4による検出時刻を引くことで、転写材先端検出センサS4の位置から転写材先端検出センサS5の位置に転写材が到達する時間を演算する。これに基づきステップS365で、転写材先端検出センサS4の位置から感光体PC4のニップ部に転写体が到達する推定時間を算出する。算出された時間は、次回からのステップS321での搬送ガイドの位置設定の補正に用いられる。
このようにして、転写材先端検出センサの検出結果により、下流にあってまだ画像の書込みが行なわれていない感光体の画像書込みタイミング(画像書込み位置)が設定される。また、その感光体の前にある転写材搬送ガイドの位置を調節することで、その感光体上の画像がニップ部に到達するタイミングで、転写材の画像形成位置がニップ部に到達するように微調整を行なうことができる。
さらに、本実施の形態では転写材先端検出センサ間の転写材の移動時間(移動速度)を検出することで、感光体への画像書込みタイミングを調整したり、搬送ガイドの位置設定の補正を行なったりすることができる。
[実施の形態における効果]
以上のように構成された画像形成装置では、転写材は、複数の画像形成プロセス間を画像を転写されながら搬送される。画像転写部の前に設けられた転写材先端検出センサにより、転写材の通過時刻が測定される。その測定結果に基づき、転写材搬送ガイドの位置が調整されることで、転写材の搬送時間が調整される。
以上のような構成により、転写材搬送ガイドにより転写材の画像転写部への突入タイミングを制御することができるため、画像転写部と転写材先端検出センサとの間の距離を近くすることができる。これにより、装置の小型化が可能であり、各色のプリントに対し色ずれの補正が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
特に、ベルトレスタンデム方式のプリンタにおいて、小型化を進めながらも、各色画像の副走査方向の正確な位置合わせが可能となり、色ずれの少ない高画質の印字を達成することが可能となる。
[その他]
転写材先端検出センサは、転写ニップ間の搬送経路上に配置されていればよい。転写材先端検出センサでの検出後、転写材搬送ガイドを移動調整する必要があるため、転写材先端検出センサは、できるだけ上流(上流に感光体がある場合には、その感光体に近い位置)に設けることが望ましい。また検出精度の観点から、転写材が高さ方向にばらつかない位置に配置することが望ましい。これらの条件を満たすため、例えば図5および6に示されるように、上流の感光体4Aや転写ローラー5Aに近い位置に転写材先端検出センサ14Bを設けることが望ましい。また、転写材先端検出センサ14Bの検出方向は、感光体4Aがある方向(感光体4Aの回転軸に向かう方向など)とすることが望ましい。
また、コストを下げるために、画像安定化のためのセンサに転写材先端検出センサの役割を兼用させることが望ましい。転写材先端検出センサの検出方向を、感光体がある方向(感光体の回転軸に向かう方向など)とすることで、転写材がない場合には転写材先端検出センサで感光体上の未転写トナー像の検出を行ない、画像安定化制御を行なうものである。
なお、画像の位置合わせは用紙の位置を基準に行なってもよいし、上流で用紙に形成された画像の位置を基準に行なってもよい。
また、実施の形態では用紙先端の到達を検出するセンサを用いることとしたが、用紙の搬送速度を検出するセンサを用いてもよい。すなわち、用紙の搬送速度に基づいてニップ部への用紙の到達タイミングを判定し、それにより感光体上の像と用紙との位置関係を補正するものである。
また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。 画像形成部9の構成例を示す側面図である。 先端検出センサと画像書込みポイントとの位置関係を示す図である。 画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 転写部間の構成の例を示す第1の図である。 転写部間の構成の例を示す第2の図である。 転写材搬送ガイドの位置と転写材搬送経路との関係を示す図である。 図7の転写材搬送経路の変化を示す第1の図である。 図7の転写材搬送経路の変化を示す第2の図である。 図5の構成を採用した画像形成部の構成を示す図である。 第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における画像形成装置の感光体列の配置を示す図である。 図10の構成にガイド位置調整機構を付加した構成を示す図である。 ガイド位置調整用カム60a〜60cの構成を示す図である。 第4の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 第5の実施の形態における転写材搬送ガイドの位置調整の方向を説明するための図である。 第6の実施の形態における画像形成部の構成を示す図である。 第7の実施の形態における画像形成装置の画像形成部を示す図である。 第7の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 画像形成装置
2 給紙カセット
3 給紙部
4A(PC1) Y色感光体
4B(PC2) M色感光体
4C(PC3) C色感光体
4D(PC4) K色感光体
5A(T1) Y色転写ローラー(転写部)
5B(T2) M色転写ローラー(転写部)
5C(T3) C色転写ローラー(転写部)
5D(T4) K色転写ローラー(転写部)
6 定着部
7 排紙部
9 画像形成部
10 用紙(転写材)
11 転写材搬送経路
13 タイミングセンサ
14A〜14D(S1〜S5) 先端検出センサ
15 搬送ローラー
16A〜16D 画像書込部
19(G1〜G4) 転写材搬送ガイド
19a 転写材搬送ガイド保持部材
49A〜49D 搬送ガイド移動機構
60A〜60C ガイド位置調整用カム
61 シャフト
63 駆動部材(モーター)

Claims (20)

  1. 転写材に転写する像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に対向して設けられる転写部と、
    転写材搬送経路において、前記像担持体および前記転写部のニップ部の上流における前記転写材の搬送状態を検出する検出部と、
    前記転写材を前記ニップ部へと導くための、転写材搬送ガイドと、
    前記像担持体上に像の書込みを行なう書込部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記転写材搬送ガイドの位置を調整する調整部とを備えた、画像形成装置。
  2. 前記検出部は、前記転写材の先端が到達したことを検出する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体は感光体であり、
    前記転写部は転写ローラーである、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記調整部は、前記転写材搬送ガイドを、その下流に位置する像担持体の回転軸を回転中心として移動させる、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記検出部において、像担持体上のトナー画像を読取り、画像安定化制御を行なう、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記書込部は、前記検出部による検出が行なわれる前に像の書込みを開始する、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、複数色のそれぞれに対応するものが複数設けられ、
    前記転写部は、前記複数の像担持体のそれぞれに対応するものが複数設けられ、
    前記転写材搬送ガイドは、前記複数の像担持体のそれぞれに対応するものが複数設けられ、
    前記検出部は、前記複数の像担持体、およびそれらに対応する前記複数の転写部の少なくとも1つの組におけるニップ部の上流における前記転写材の搬送状態を検出し、
    前記調整部は、前記少なくとも1つの組における像担持体に対応する転写材搬送ガイドの位置を調整する、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記複数の像担持体、および前記複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の転写部は、前記複数の像担持体を内側とする円弧状に配置される、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記複数の像担持体、および前記複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の転写部は、それらの転写ニップ部を結ぶ線が直線状であり、転写ニップ部からの転写材排出方向が、転写ニップ部を結ぶ線よりも転写部側となるように配置される、請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記複数の像担持体、および前記複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の転写部は、前記複数の像担持体を外側とする円弧状に配置される、請求項7に記載の画像形成装置。
  11. 前記複数の転写材搬送ガイドを1つの駆動源により順次調整する、請求項7から10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記複数の転写材搬送ガイドのうち、ある転写材搬送ガイドを調整している間は、他の転写材搬送ガイドは退避状態とされる、請求項7から11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記書込部の像担持体上への書込みタイミングは、その像担持体よりも上流にある像担持体に対応する検出部の検出結果に基づいて決定される、請求項7から12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 最上流の像担持体において、像担持体上の画像の書込位置からニップ部の位置までに画像が移動する距離をL1とし、
    前記最上流の像担持体の上流にある検出部の位置から前記ニップ部の位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、
    L1<L2
    の関係が成り立ち、
    前記最上流の像担持体に対応する転写材搬送ガイドは、前記調整部で調整されずに固定される、請求項7から13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 最上流の像担持体において、像担持体上の画像の書込位置からニップ部の位置までに画像が移動する距離をL1とし、
    前記最上流の像担持体の上流にある検出部の位置から前記ニップ部の位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、
    L1>L2
    の関係が成り立ち、
    前記最上流の像担持体に対応する転写材搬送ガイドは、前記調整部で調整される、請求項7から13のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 最上流の像担持体において、像担持体上の画像の書込位置からニップ部の位置までに画像が移動する距離をL1とし、
    前記最上流の像担持体の上流にある検出部の位置から前記ニップ部の位置までに転写材が移動する距離をL2とすると、
    L1>L2
    の関係が成り立ち、
    前記最上流の像担持体に対応する転写材搬送ガイドは、前記調整部で調整されずに固定される、請求項7から13のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 前記複数の像担持体のうちの所定の像担持体の下流に設置された、次の像担持体に対応する検出部による検出結果を、前記所定の像担持体に対する画像の書込みタイミングと、前記所定の像担持体に対する転写材搬送ガイドの位置調整量との少なくとも一方にフィードバックする、請求項7から16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 前記複数の像担持体のうちの最下流の像担持体の下流位置にも、転写材の搬送状態を検出するための検出部が設けられる、請求項7から17のいずれかに記載の画像形成装置。
  19. 転写材に転写する像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に対向して設けられる転写部と、
    転写材搬送経路において、前記像担持体および前記転写部のニップ部の上流における前記転写材の搬送状態を検出する検出部と、
    前記転写材を前記ニップ部へと導くための、転写材搬送ガイドと、
    前記像担持体上に像の書込みを行なう書込部とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記転写材搬送ガイドの位置を調整する調整ステップを備えた、画像形成装置の制御方法。
  20. 転写材に転写する像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に対向して設けられる転写部と、
    転写材搬送経路において、前記像担持体および前記転写部のニップ部の上流における前記転写材の搬送状態を検出する検出部と、
    前記転写材を前記ニップ部へと導くための、転写材搬送ガイドと、
    前記像担持体上に像の書込みを行なう書込部とを備えた画像形成装置の制御プログラムであって、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記転写材搬送ガイドの位置を調整する調整ステップをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
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