JP2009270795A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】パラレルフロー型熱交換器を、気液二相状態で流入した冷媒を良好な混合状態で各偏平チューブに分配でき、且つ偏流改善にも役立つ構造とする。
【解決手段】熱交換器1は、間隔を置いて平行に配置された上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3と、上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3の間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路5を上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3の内部に連通させた偏平チューブ4と、偏平チューブ4間に配置されたコルゲートフィン6を備える。冷媒流入側である下部ヘッダパイプ3の内部には、各偏平チューブ4の冷媒流入部に、冷媒攪拌体10を配置する。冷媒攪拌体10はスチールウールからなる。
【選択図】図1
【解決手段】熱交換器1は、間隔を置いて平行に配置された上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3と、上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3の間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路5を上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3の内部に連通させた偏平チューブ4と、偏平チューブ4間に配置されたコルゲートフィン6を備える。冷媒流入側である下部ヘッダパイプ3の内部には、各偏平チューブ4の冷媒流入部に、冷媒攪拌体10を配置する。冷媒攪拌体10はスチールウールからなる。
【選択図】図1
Description
本発明はパラレルフロー型の熱交換器に関する。
2本のヘッダパイプの間に複数の偏平チューブを配置して偏平チューブ内部の冷媒通路をヘッダパイプの内部に連通させるとともに、偏平チューブ間にコルゲートフィン等のフィンを配置したパラレルフロー型の熱交換器はカーエアコンや建物用空気調和機の室外側ユニットなどに広く利用されている。
パラレルフロー型熱交換器の一例を図7に示す。熱交換器1は、上部ヘッダパイプ2と下部ヘッダパイプ3を互いに間隔を置いてそれぞれ水平に、すなわち互いに平行する形で配置し、上部ヘッダパイプ2と下部ヘッダパイプ3の間に垂直に延びる偏平チューブ4を所定ピッチで複数配置したものである。偏平チューブ4はアルミニウム等熱伝導の良い金属を押出成型した細長い成型品であり、内部には冷媒を流通させる冷媒通路5が形成されている。冷媒通路5は断面形状及び断面面積の等しいものが図7の奥行き方向に複数個並び、そのため偏平チューブ4はハーモニカのような断面を呈している。各冷媒通路5は上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3の内部に連通する。
偏平チューブ4同士の間にはコルゲートフィン6が配置される。上部ヘッダパイプ2及び下部ヘッダパイプ3と偏平チューブ4、及び偏平チューブ4とコルゲートフィン6はそれぞれ溶着またはロウ付けにより固定される。偏平チューブ4の他、上部ヘッダパイプ2、下部ヘッダパイプ3、及びコルゲートフィン6もアルミニウム等熱伝導の良い金属からなる。
下部ヘッダパイプ3の一端には冷媒流入口7が設けられている。上部ヘッダパイプ2には、冷媒流入口7と同じ側の端に、冷媒流出口8が設けられている。
上部ヘッダパイプ2と下部ヘッダパイプ3の間に多数の偏平チューブ4を設け、偏平チューブ4間にコルゲートフィン6を設けた構造であるから、パラレルフロー型熱交換器1の放熱(吸熱)面積は大きく、効率的に熱交換を行うことができる。
パラレルフロー型熱交換器の熱交換効率を向上させるため、これまでにも様々な工夫がなされている。特許文献1に記載された例では、冷媒流入側ヘッダパイプの冷媒流入部に、流入するガス冷媒と液冷媒とを混合拡散して流通させる気液拡散体が配置されており、流入した気液二相の冷媒は気液拡散体を通過する際に混合される。これにより、各偏平チューブにガス冷媒と液冷媒をほぼ均等に分配することができ、熱交換効率を向上させることができる。
特開2008−39304号公報
特許文献1記載のパラレルフロー型熱交換器では、気液拡散体から偏平チューブまで、冷媒が長い距離を流れねばならない場合、折角混合した冷媒が途中で再び気液分離してしまうことがある。また、ヘッダパイプの冷媒流入部からの距離や、冷却用空気の風速分布などが原因で生じる、偏平チューブ同士の間での冷媒流量の偏り、すなわち偏流に対しては、特許文献1記載の構成では十分に改善に寄与できない。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、パラレルフロー型熱交換器を、気液二相状態で流入した冷媒を良好な混合状態で各偏平チューブに分配でき、且つ偏流改善にも役立つ構造とすることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、間隔を置いて平行に配置された複数のヘッダパイプと、前記複数のヘッダパイプの間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路を前記ヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブとを備えた熱交換器において、前記複数のヘッダパイプのうち、冷媒流入側のヘッダパイプの内部には、前記各偏平チューブの冷媒流入部に、冷媒攪拌体を配置したことを特徴としている。
この構成によると、気液二相状態の冷媒は、偏平チューブの冷媒通路に入る直前で攪拌される。このため、ヘッダパイプの冷媒流入部から遠く離れた偏平チューブにも気液混合状態の良好な冷媒を供給することができ、熱交換器全体の熱交換効率を向上させることができる。
上記構成の熱交換器において、どの偏平チューブに配置されるものであるかに応じて前記冷媒攪拌体の流通抵抗に差をつけることが好ましい。
このような構成にすれば、そのままにしておくと冷媒流量が多くなってしまう偏平チューブには流通抵抗の大きい冷媒攪拌体を組み合わせ、逆にそのままにしておくと冷媒流量が少なくなってしまう偏平チューブには流通抵抗の小さい冷媒攪拌体を組み合わせて、偏平チューブ毎の冷媒流量を均等化し、熱交換量を均等化することができる。これにより、温度分布の偏りが是正され、熱交換器全体の有効利用が可能となって、熱交換効率が向上する。
上記構成の熱交換器において、前記冷媒攪拌体は素材の集合からなり、集合の粗密により前記流通抵抗の差を得ることが好ましい。
このような構成にすれば、流通抵抗に差のある何通りもの冷媒攪拌体を容易に製作することができる。
上記構成の熱交換器において、前記冷媒攪拌体がスチールウールからなることが好ましい。
このような構成にすれば、冷媒攪拌体を簡便に、また安価に調達することができる。
本発明によると、気液二相状態の冷媒は偏平チューブの冷媒通路に入る直前で攪拌されるから、ヘッダパイプの冷媒流入部から遠く離れた偏平チューブにも気液混合状態の良好な冷媒を供給することができ、熱交換器全体の熱交換効率を向上させることができる。また、冷媒攪拌体の流通抵抗に差をつけることにより、冷媒の偏流問題を改善できる。
以下本発明の第1実施形態を図1に基づき説明する。図1はパラレルフロー型熱交換器の概略構造を示す垂直断面図である。なお、図7に示した従来構造の熱交換器と機能的に共通する要素には図7で用いたのと同じ符号を付し、説明は省略する。第2実施形態以下の実施形態についても同様とする。
熱交換器1は、冷媒流入側である下部ヘッダパイプ3の内部に冷媒攪拌体10を備えている。冷媒攪拌体10は、気液二相状態で流入する冷媒を攪拌し、気相冷媒と液相冷媒を混合させるためのものである。冷媒攪拌体10にはステンレススチールの線材を素材とするスチールウールを用いる。各偏平チューブ4の冷媒流入部に1個ずつ冷媒攪拌体10を配置する。冷媒攪拌体10は下部ヘッダパイプ3の内径にほぼ等しい直径の円筒体に成形されている。
冷媒流入口7から流入した気液二相状態の冷媒は、各偏平チューブ4の冷媒通路5に入る直前で攪拌され、ガス冷媒と液冷媒が良く混合した状態で冷媒通路5を流れる。このため、特定の冷媒通路5ではガス冷媒が多く、他の特定の冷媒通路5では液冷媒が多いといった不均衡が生じにくく、各偏平チューブ4にガス冷媒と液冷媒がほぼ均等に分配され、熱交換器1全体としての熱交換効率が向上する。
また、冷媒攪拌体10としてスチールウールを用いたので、冷媒攪拌体10を簡便且つ安価に調達することができる。なお冷媒攪拌体10として用いることができるのはスチールウールに限られない。有孔セラミック、有孔焼結金属、連続気泡の発泡樹脂なども使用可能である。
続いて本発明の第2実施形態を図2に基づき説明する。図2はパラレルフロー型熱交換器の概略構造を示す垂直断面図である。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、冷媒攪拌体10の構造である。すなわち、第1実施形態では1本の偏平チューブ4に1個の冷媒攪拌体10を対応させたが、第2実施形態では、偏平チューブ列の左端に位置する偏平チューブ4から右端に位置する偏平チューブ4までカバーする、1個の長い冷媒攪拌体10を設けることとした。この構成であっても、冷媒通路5に入る直前で冷媒を攪拌し、ガス冷媒と液冷媒を良く混合させて冷媒通路5に流すことができる。このため、各偏平チューブ4にガス冷媒と液冷媒がほぼ均等に分配され、熱交換器1全体としての熱交換効率が向上する。
第1実施形態の構成では1本の偏平チューブ4に対し1個の冷媒攪拌体10を配置する必要があり、組み立て作業の工数が多かったが、第2実施形態ではその工数を大幅に削減することができる。
続いて本発明の第3実施形態を図3に基づき説明する。図3はパラレルフロー型熱交換器の概略構造を示す垂直断面図である。
第2実施形態では1個の冷媒攪拌体10が全ての偏平チューブ4をカバーしていたが、第3実施形態では第2実施形態の冷媒攪拌体10を複数に分割し、1個の冷媒攪拌体10が偏平チューブ列の一定区間ずつをカバーするものとした。図3では1個の冷媒攪拌体10が3本ないし2本の偏平チューブ4をカバーしている。この構成でも冷媒は冷媒通路5に入る直前で攪拌され、ガス冷媒と液冷媒が良く混じった状態で冷媒通路5を通過する。このため、各偏平チューブ4にガス冷媒と液冷媒がほぼ均等に分配され、熱交換器1全体としての熱交換効率が向上する。
続いて本発明の第4実施形態を図4に基づき説明する。図4はパラレルフロー型熱交換器の概略構造を示す垂直断面図である。
第4実施形態は、第1実施形態と同様、1本の偏平チューブ4に対し1個の冷媒攪拌体10を配置しているが、次の点が第1実施形態と異なる。すなわち第4実施形態では、冷媒攪拌体10を構成するスチールウールの密度が、冷媒流入口7に近い冷媒攪拌体10では疎であり、冷媒流入口7から遠ざかるにつれ密となっている。このため、冷媒流入口7に近い冷媒攪拌体10は流通抵抗が比較的小さく、冷媒流入口7から遠い冷媒攪拌体10は流通抵抗が比較的大きい。
下部ヘッダパイプ3の内部では、右端の行き止まり部に近くなるほど圧力が高まり、それに比例して偏平チューブ4の冷媒流量が多くなる傾向が生じる。この傾向をそのままにしておけば、各偏平チューブ4の冷媒流量は不均等となる。第4実施形態では、そのままにしておくと冷媒流量が多くなってしまう偏平チューブ4には比較的流通抵抗の大きい冷媒攪拌体10が組み合わせられ、逆にそのままにしておくと冷媒流量が少なくなってしまう偏平チューブ4には比較的流通抵抗の小さい冷媒攪拌体10が組み合わせられるから、偏平チューブ4毎の冷媒流量を均等化し、熱交換量を均等化することができる。これにより、温度分布の偏りが是正され、熱交換器1全体の有効利用が可能となって、熱交換効率が向上する。
冷媒攪拌体10として、素材であるステンレス線材の集合からなるスチールウールを用いれば、様々な圧縮力で圧縮することにより、素材の集合の粗密度が異なる、すなわち流通抵抗に差がある何通りもの冷媒攪拌体10を、容易に製作することができる。有孔セラミックや有孔燒結金属も素材の集合であり、これらも粗密度の差で流通抵抗を異ならせることができる。
続いて本発明の第5実施形態を図5に基づき説明する。図5はパラレルフロー型熱交換器の概略構造を示す垂直断面図である。
第5実施形態は、第2実施形態に第4実施形態の思想を適用したものである。すなわち第5実施形態では、偏平チューブ列の左端に位置する偏平チューブ4から右端に位置する偏平チューブ4までカバーする、1個の長い冷媒攪拌体10の中で、所定の偏平チューブ4に対応する箇所に、高抵抗部10aを形成した。高抵抗部10aは、冷媒攪拌体10を部分的に圧縮するか、別部品である冷媒攪拌体をその箇所にはめ込むことにより構成できる。高抵抗部10aの流通抵抗は、冷媒流入口7に近い高抵抗部10aほど小さく、冷媒流入口7から遠い高抵抗部10aほど大きい。
第5実施形態の構成では、そのままにしておくと冷媒流量が多くなってしまう偏平チューブ4には流通抵抗の大きい高抵抗部10aを組み合わせ、逆にそのままにしておくと冷媒流量が少なくなってしまう偏平チューブ4には、流通抵抗の小さい高抵抗部10aを組み合わせるか、あるいは高抵抗部10aを組み合わせないこととすることにより、偏平チューブ4毎の冷媒流量を均等化し、熱交換量を均等化することができる。これにより、温度分布の偏りが是正され、熱交換器1全体の有効利用が可能となって、熱交換効率が向上する。
続いて本発明の第6実施形態を図6に基づき説明する。図6はパラレルフロー型熱交換器の概略構造を示す垂直断面図である。
第6実施形態は第3実施形態に第4実施形態の思想を適用したものである。すなわち第6実施形態では、偏平チューブ列の一定区間ずつをカバーする冷媒攪拌体10の流通抵抗が、冷媒流入口7に近い冷媒攪拌体10では流通抵抗が比較的小さく、冷媒流入口7から遠い冷媒攪拌体10では流通抵抗が比較的大きくなるようにした。この構成によっても偏平チューブ4毎の冷媒流量が均等化され、熱交換量が均等化する。これにより、温度分布の偏りが是正され、熱交換器1全体の有効利用が可能となって、熱交換効率が向上する。
これまでの説明では、熱交換器1は水平な上部ヘッダパイプ2と下部ヘッダパイプ3を備え、上部ヘッダパイプ2と下部ヘッダパイプ3の間には複数の偏平チューブ4が垂直に配置されているものとしてきたが、熱交換器1の形式はこれに限定されない。偏平チューブが斜めに傾いていてもよい。ヘッダパイプの数が2本を超えるもの、例えば上部ヘッダパイプ、中間ヘッダパイプ、下部ヘッダパイプの3本のヘッダパイプを備え、側面形状が「く」の字になっているパラレルフロー型熱交換器であってもよい。あるいは、ヘッダパイプが垂直で偏平チューブが水平なパラレルフロー型熱交換器であってもよい。
以上、本発明の各実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明はパラレルフロー型熱交換器に広く利用可能である。
1 パラレルフロー型熱交換器
2 上部ヘッダパイプ
3 下部ヘッダパイプ
4 偏平チューブ
5 冷媒通路
6 コルゲートフィン
7 冷媒流入口
8 冷媒流出口
10 冷媒攪拌体
2 上部ヘッダパイプ
3 下部ヘッダパイプ
4 偏平チューブ
5 冷媒通路
6 コルゲートフィン
7 冷媒流入口
8 冷媒流出口
10 冷媒攪拌体
Claims (4)
- 間隔を置いて平行に配置された複数のヘッダパイプと、前記複数のヘッダパイプの間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路を前記ヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブとを備えた熱交換器において、
前記複数のヘッダパイプのうち、冷媒流入側のヘッダパイプの内部には、前記各偏平チューブの冷媒流入部に、冷媒攪拌体を配置したことを特徴とする熱交換器。 - どの偏平チューブに配置されるものであるかに応じて前記冷媒攪拌体の流通抵抗に差をつけることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記冷媒攪拌体は素材の集合からなり、集合の粗密により前記流通抵抗の差を得ることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
- 前記冷媒攪拌体がスチールウールからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008123273A JP2009270795A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | 熱交換器 |
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