JP2009270676A - 変速機の同期装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、変速機の同期装置において、同期装置の軸方向長さを長くすることなく、逆テーパー面の傾斜角度も確実に確保しつつも、再同期現象が生じないようにできる変速機の同期装置を提供することを目的とする。
【解決手段】シンクロナイザリング7のシンクロチャンファ11は、径外周側に大きく突出するように形成しており、その最外端部11Aは、径方向において、スリーブスプライン9の平行案内面9eに、略一致する位置(破線参照)に設定している。
【選択図】図1

Description

この発明は、変速機の同期装置に関し、特に、シンクロナイザリングを利用して、クラッチハブスリーブと遊転ギアの回転を同期させて、両者を噛合連結する変速機の同期装置に関する。
従来より、手動変速機等の変速機では、変速段を切換え操作する際に、同期装置を用いてクラッチハブスリーブと遊転ギアとの回転を同期させて連結するように構成している。
例えば、図6に示すように、変速機のカウンター軸などの回転軸CS上には、1速用遊転ギア1と2速用遊転ギア2を回動自在に軸支しており、この二つの遊転ギア2,3の間に、回転軸CSにスプライン結合されたクラッチハブ3を設けている。
このクラッチハブ3の径外周部には、スプラインを介して軸方向にスライド移動可能なハブスリーブ4を設けると共に、各遊転ギア1,2のクラッチハブ3側(中央側)には、それぞれ1速用コーン5と2速用コーン6を設けている。そして、この1速用コーン5とハブスリーブ4、それと2速用コーン6とハブスリーブ4の間には、それぞれシンクロナイザリング7,8を設けている。
このようにして構成された同期装置Sは、例えば、図示しないシフトフォークによって、ハブスリーブ4が1速側にスライド移動させられると、このハブスリーブ4がシンクロナイザリング7を押圧するため、シンクロナイザリング7の傾斜面7aが1速コーン5の傾斜面5aに当接摺動する。これにより、1速用遊転ギア1の回転が回転軸CSの回転と同期する。
そして、ハブスリーブ4がさらに1速側にスライド移動させられると、ハブスリーブ4内周のスリーブスプライン9が1速用コーン5外周のスプライン10に噛合して、クラッチハブ3と1速遊転ギア1が連結固定される。これにより、同期装置Sによる1速への変速操作が完了することになる。
ところで、所定段位に変速した場合には、ハブスリーブ4のスリーブスプライン9がコーン5のスプライン10と噛合して、エンジンの駆動トルクを伝達することになるが、駆動トルクが車輪側(逆方向)から作用した場合等には、ハブスリーブに噛合い方向と逆方向の力が作用して、スリーブスプライン9がコーン5のスプライン10から抜けるような動き(いわゆるギア抜け)が生じることがある。
そこで、例えば、下記特許文献1には、スリーブスプラインとコーン部のスプラインの噛合面に、軸方向に傾斜する逆テーパー面を設けて、ハブスリーブに抜け方向の力が作用した場合でも、容易にギア抜けが生じないようにした同期装置が提案されている。
特開2008−51142号公報
ところで、手動変速機等の変速機では、変速操作の操作力が、ある一定の操作荷重となることが求められる。
しかし、前述の特許文献1のように、ハブスリーブ等のスプラインに逆テーパー面を設けた場合には、いわゆる「再同期現象」が生じて、変速操作の後半で再度、操作荷重が増加するおそれがあった。
この再同期現象について、図7の模式図で説明する。
この模式図において、9はハブスリーブのスリーブスプラインで、11はシンクロチャンファ、10は1速用コーン(ギア側)のスプライン(以下、ギアスプライン)である。このうち、スリーブスプライン9とギアスプライン10の噛合面(側面)には、それぞれ逆テーパー面9a,10aを形成している。そして、スリーブスプライン9の逆デーパー面9aのスプライン中央側には、切り上げ角部9bを形成して、スリーブスプライン9の厚みを確保するように構成している。
(a)に示すように、変速操作の際には、シンクロナイザリング7(図6参照)が1速用コーン5の傾斜面5aに当接摺動した後(同期した後)に、スリーブスプライン9がシンクロチャンファ11とギアスプライン10を掻き分けて軸方向に進行していく。
その後、(b)に示すように、スリーブスプライン9が軸方向に進行していくと、ギアスプライン10がスリーブスプライン9の逆テーパー面9aに当接して周方向(矢印方向)に移動する。これにより、シンクロチャンファ11も同様に周方向(矢印方向)に移動する。
このため、スリーブスプライン9の切り上げ角部9bがシンクロチャンファ11に当接して(P点参照)、再度、シンクロナイザリング7を押圧することになる。こうして、1速用コーン5との間で再度、同期(当接摺動)が生じることになる。
この現象が、「再同期現象」であり、この現象によってハブスリーブをスライド移動させる際に操作荷重が増加して、変速操作の後半に操作荷重が再度増加するのである。
この再同期現象を回避する構造としては、例えば、ギアスプラインとシンクロチャンファの軸方向クリアランスを調整して、シンクロチャンファの周方向の移動を防いだり、また、逆テーパー面の傾斜角度を緩やかにして、シンクロチャンファの周方向の移動を防ぐことが考えられる。
しかし、ギアスプラインとシンクロチャンファの軸方向クリアランスを長くすると、同期装置の軸方向長さが長くなり、変速機が軸方向に大型化するという問題が生じる。また、逆テーパー面の傾斜角度を緩やかにした場合には、ハブスリーブに抜け方向の力が作用した場合にギア抜けが生じやすくなるという問題が生じる。
そこで、本発明は、変速機の同期装置において、同期装置の軸方向長さを長くすることなく、逆テーパー面の傾斜角度も確実に確保しつつも、再同期現象が生じないようにできる変速機の同期装置を提供することを目的とする。
この発明の変速機の同期装置は、回転軸上に固設されたクラッチハブと、該クラッチハブの外周に軸方向に摺動可能に設置されたハブスリーブと、該ハブスリーブの内周面に形成されたスリーブスプラインと、前記回転軸に回動自在に設置された被同期ギアと、該被同期ギアに設けられて前記スリーブスプラインと噛合い可能なギアスプラインと、前記スリーブスプラインと前記ギアスプラインとの間に設けられたシンクロナイザリングと、を備えた変速機の同期装置であって、前記スリーブスプラインの噛合面に、ギア抜けを防止する逆テーパー面を形成し、前記シンクロナイザリングの最外径部を前記スリーブスプラインの逆テーパー面よりも径外方側で且つ前記ギアスプラインの最外径部よりも径外方側に位置するように形成して、前記スリーブスプラインの逆テーパー面の径外方側には該逆デーパー面の傾斜角よりも緩やかな案内角で形成されたシンクロ案内面を設けたものである。
上記構成によれば、変速操作時に、スリーブスプラインの径外方側に設けたシンクロ案内面によって、シンクロナイザリングの最外径部を、軸方向に案内することになる。
このため、シンクロナイザリングが同期後に周方向に移動することがなく、スリーブスプラインの切り上げ角部に、シンクロナイザリングの最外径部(シンクロチャンファ)が当接するのを防ぐことができる。
この発明の一実施態様においては、前記シンクロ案内面を、軸方向に平行な平行面で形成したものである。
上記構成によれば、シンクロ案内面が軸方向に平行な平行面であるため、変速操作時に、シンクロナイザリングの最外径部(シンクロチャンファ)を、軸方向に平行に案内することができる。
よって、変速操作時に、シンクロナイザリングが周方向に全く移動しないため、操作荷重の増加を確実に防ぐことができる。
また、シンクロ案内面の加工についても、スリーブスプラインをスプライン加工するだけでよいため、成形性を高めることができる。
よって、複雑な成形加工を行なうことなく、シンクロ案内面を成形できる。
この発明の一実施態様においては、前記逆テーパー面の径方向長さを、前記シンクロ案内面の径方向長さよりも長く設定したものである。
上記構成によれば、逆テーパー面の方を、シンクロ案内面よりも大きく確保することができる。
このため、ギア抜け荷重が作用した際に、逆テーパー面にかかる面圧を低くできるため、スリーブスプラインの耐トルク荷重を高めることができる。
よって、再同期現象の発生を防ぎつつも、スリーブスプラインの耐久性を高めることができる。
この発明によれば、シンクロナイザリングが同期後に周方向に移動することを防げるため、スリーブスプラインの切り上げ角部にシンクロナイザリングのシンクロチャンファが当接するのを防ぐことができる。
よって、変速機の同期装置において、同期装置の軸方向長さを長くすることなく、逆テーパー面の傾斜角度も確実に確保しつつも、再同期現象が生じないようにできる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図6は本発明の前提となる変速機の同期装置を示す断面図である。この図を利用して変速機の同期装置について説明する。
変速機の同期装置Sは、図6に示すように、変速機の回転軸たるカウンター軸CS上にスプライン結合によって固定されたクラッチハブ3と、このクラッチハブ3の径外周部に軸方向にスライド移動自在に設置されたハブスリーブ4と、カウンター軸CS上で遊転する1速遊転ギア1に固設された1速用コーン5と、同様にカウンター軸CS上で遊転する2速遊転ギア2に固設された2速用コーン6と、1速用コーン5とハブスリーブ4の間及び2速用コーン6とハブスリーブ4の間にそれぞれ設けられたシンクロナイザリング7,8と、を備えて構成している。
この同期装置Sは、ハブスリーブ4を図示しないシフトフォークで、軸方向にスライド移動させることにより、クラッチハブ4と各コーン5,6を連結して、各段位に変速するように構成している。
具体的には、例えば、ハブスリーブ4を1速側(図面右側)にスライド移動させると、ハブスリーブ4が1速側のシンクロナイザリング7を押圧して、この押圧されたシンクロナイザリング7が傾斜面7aを介して1速用コーン5に摺動当接する。この摺動当接により、1速遊転ギア1の回転がクラッチハブ3の回転と同じになり、1速遊転ギア1とカウンター軸CSとが同期されることになる。
そして、ハブスリーブ4を、さらに1速側にスライド移動させると、ハブスリーブ4の内周面に設けたスリーブスプライン9と、1速用コーン5の外周面に設けたギアスプライン10とが噛合して、ハブスリーブ4が1速用コーン5に連結されることになる。
こうして、クラッチハブ3と1速遊転ギア1を連結することで、1速への変速操作を行なうようにしている。
本実施形態では、この同期装置Sのうち、ハブスリーブ4のスリーブスプライン9と、シンクロナイザリング7のシンクロチャンファ11と、1速用コーン5のギアスプライン10の形状や位置関係を工夫することで、変速操作時における、いわゆる再同期現象を防止するようにしている。
具体的には、図1に示す、図6のZ部分を示した詳細断面図と、図2に示す、図1の各線の矢視断面図とにより説明する。
図1に示すように、前述のハブスリーブ4のスリーブスプライン9は、上下方向(径方向)に比較的背の高いスプラインによって形成しており、所定の厚みを有するように構成している。
スリーブスプライン9の側端部(噛み込み先端部・図1で右側)には、シンクロチャンファ11等を掻き分けるために、チャンファ面9cを形成している(図2(a)参照)。このチャンファ面9cのチャンファ角αは、前後均等で約90度に設定している。
また、スリーブスプライン9の噛合面9d(スプライン側面)には、チャンファ面9cからスリーブスプライン9の中央側(噛み込み歯元側)に延びる、逆テーパー面9aと平行案内面9eとを形成している。
逆テーパー面9aは、スリーブスプライン9の噛合面9dの径内周側に形成しており、図2(b)に示すように、スリーブスプライン9の中央側に向かうに従って徐々に細くなる所定の傾斜角θ1で形成している。この傾斜角θ1はギア抜け荷重が作用した場合でもギア抜けが生じない程度の角度に設定している。
平行案内面9eは、スリーブスプライン9の噛合面9dの径外周側に形成しており、図2(a)に示すように、スリーブスプライン9の軸方向に平行に延びるように形成している。そして、この平行案内面9eは、スリーブスプライン9をスプライン加工することによって成形している。
また、逆テーパー面9aのスリーブスプライン中央側には、立ち上がり傾斜面9fを隣接して形成している。この立ち上がり傾斜面9fは、図2(b)に示すように逆テーパー面9aによって細くなったスリーブスプライン9の厚みを、所定の厚みtに戻すために形成している。そして、その端部には、立ち上げ角部9bを形成している。
このように、スリーブスプライン9の噛合面9dに、逆テーパー面9aと平行案内面9eとそれぞれ成形することによって、図2(c)に示すように、スリーブスプライン9を径方向に段差がある凸断面形状となるように構成している。
そして、逆テーパー面9aの径方向長さL1の方が平行案内面9eの径方向長さL2よりも長くなるように設定することで、逆テーパー面9aの方を大きくなるように構成している。
前述のシンクロナイザリング7のシンクロチャンファ11は、径外周側に大きく突出するように形成しており、その最外端部11Aは、径方向において、スリーブスプライン9の平行案内面9eに、略一致する位置(図1の破線参照)に設定している。
シンクロチャンファ11の噛み込み側(図1で左側)には、チャンファ面11bを形成しており、このチャンファ面11bのチャンファ角βも、前後均等で約90度に設定している(図2(a)参照)。
また、このシンクロチャンファ11のチャンファ面11bは、図1に示すように、径内方側の方が大きくなるように形成しており(斜めの稜線11c参照)、径外方側では、シンクロチャンファ11の平行側面11dの割合が多くなるように構成している。
このため、後述するように、シンクロチャンファ11をスリーブスプライン9の平行案内面9eで案内する際には、安定してシンクロチャンファ11を軸方向に案内することができる。
前述の1速用コーン5のギアスプライン10は、このシンクロチャンファ11の最外端部11Aよりも径内周側に位置するように形成しており、その最外端部10Aは、径方向において、スリーブスプライン9の逆テーパー面9aに略一致する位置(図1の一点鎖線参照)に設定している。
また、ギアスプライン10の噛み込み側(図1で左側)には、チャンファ面10bを形成しており、このチャンファ面10bのチャンファ角γも、前後均等で約90度に設定している(図2(b)参照)。
そして、ギアスプライン10の噛合面(スプライン側面)には、チャンファ面10bからギア側(噛み込み歯元側・図1で右側)に延びるように、逆テーパー面10cを形成している。
そして、この逆テーパー面10cは、スリーブスプライン9の逆テーパー面9aと噛合するように、逆テーパー面9aの傾斜角θ1と同じ傾斜角θ2で徐々に細くなるように形成している(図2(b)参照)。
このように構成された、スリーブスプライン9とシンクロチャンファ11とギアスプライン10の変速操作時の作動について、図3、図4によって説明する。図3は、A−A線断面位置での変速操作時のスリーブスプライン等の動きを示した作動図、図4は、B−B線断面位置での変速操作時のスリーブスプライン等の動きを示した作動図である。
まず、図3及び図4の(1)に示すように、変速操作する前には、スリーブスプライン9とシンクロチャンファ11・ギアスプライン10は、それぞれ離間した状態で位置している。
ハブスリーブ4(図6参照)を、軸方向に変速操作していくと、(2)に示すように、スリーブスプライン9がシンクロチャンファ11に当接して、シンクロナイザリング7(図6参照)を押圧する。これにより、シンクロナイザリング7が摺動当接して、1速遊転ギア1(図6参照)の回転とカウンター軸の回転が同期される。
その後、(3)に示すように、スリーブスプライン9がシンクロチャンファ11を掻き分けて、シンクロチャンファ11の側方を通過していく。このとき、図4の(3)に示すように、スリーブスプライン9の平行案内面9eがシンクロチャンファ11を軸方向に案内するため、シンクロナイザリング7の周方向の動きが規制されて、シンクロチャンファ11が周方向に移動するのを防止する。
これにより、ギアスプライン10とスリーブスプライン9が噛み合った際に、逆テーパー面9a,10cの働きによってギアスプライン10が周方向に移動したとしても(図3の(4)参照)、シンクロチャンファ11は随伴することなく、その周方向の位置を維持する。
このため、シンクロチャンファ11が立ち上げ角部9bに当接するのを防止して、いわゆる再同期現象を防ぐことができる。
そして、(4)に示すように、さらに、スリーブスプライン9を軸方向に移動させていくと、シンクロチャンファ11の平行側面11bがスリーブスプライン9の噛合面9dに当接して、シンクロチャンファ11がスリーブスプライン9間に噛合していくことになる。
一方、ギアスプライン10は、スリーブスプライン9の逆テーパー面9aに沿って周方向に移動して行く。このため、シンクロチャンファ11の中心Qとギアスプライン10の中心Rは周方向でズレることになる(一点鎖線参照)。
最後に、(5)に示すように、スリーブスプライン9を軸方向端部まで押込むと、逆テーパー面9a,10cの働きによって、さらにギアスプライン10が周方向に移動してスリーブスプライン9と噛合する。
こうしてギアスプライン10とスリーブスプライン9が逆テーパー面で噛合することで、ギア抜け方向の荷重が作用した場合でも、ギアスプライン10とスリーブスプライン9との噛合状態が維持され、確実にギア抜けを防止することができる。
以上のように、スリーブスプライン9とシンクロチャンファ11とギアスプライン10が作動することで、本実施形態の同期装置Sによる変速操作が行われる。
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この実施形態の変速機の同期装置Sは、スリーブスプライン9の噛合面9dの径内方側にギア抜けを防止する逆テーパー面9aを形成し、その径外方側に平行案内面9eを形成して、シンクロナイザリング7のシンクロチャンファ11の最外端部11Aをその平行案内面9eに対応する位置に突出するように形成している。
これにより、変速操作時には、スリーブスプライン9の平行案内面9eによって、シンクロナイザリング7のシンクロチャンファ11を軸方向に案内することになる。
このため、シンクロナイザリング7が同期後に周方向に移動することがなく、スリーブスプライン9の切り上げ角部9bに、シンクロチャンファ11が当接するのを防ぐことができる。
よって、変速機の同期装置Sにおいて、同期装置Sの軸方向長さを長くすることなく、逆テーパー面9aの傾斜角θ1も確実に確保しつつも、再同期現象が生じないようにできる。
すなわち、スリーブスプライン9の径方向に並んで逆テーパー面9aと平行案内面9eを設けているため、同期装置S全体で軸方向長さをコンパクトに構成することができ、また、逆テーパー面9aの傾斜角θ1も再同期現象の問題を考慮することなく自由に設定できるため、確実にギア抜け防止を図ることができる。
また、この実施形態では、平行案内面9eを、軸方向に平行な平行面で形成している。
これにより、変速操作時に、シンクロナイザリング7のシンクロチャンファ11を、確実に軸方向に平行に案内することができる。
よって、変速操作時に、シンクロナイザリング7が周方向に全く動かないため、操作荷重の増加を確実に防ぐことができる。
また、平行案内面9eの加工についても、スリーブスプライン9をスプライン加工するだけでよいため、成形性を高めることができる。
よって、複雑な成形加工を施すことなく、シンクロチャンファ11を案内する案内面(9e)を成形できる。
また、この実施形態では、逆テーパー面9aの径方向長さL1を、平行案内面9eの径方向長さL2よりも長く設定している。
これにより、逆テーパー面9aの方を、平行案内面9eよりも大きく確保することができるため、ギア抜け方向の荷重が作用した際に、逆テーパー面9aにかかる面圧を低くでき、スリーブスプライン9の耐トルク荷重を高めることができる。
よって、再同期現象を防ぎつつも、スリーブスプライン9の耐久性を高めることができる。
図5は、スリーブスプラインの側面(噛合面)に形成されるシンクロチャンファの案内面の他の構造を示した断面図である。
他の構造のスリーブスプライン109の案内面は、例えば、実線で示すように、逆テーパー面(破線参照)よりも傾斜角θ3が緩やかな傾斜案内面109eで構成することが考えられる。
この傾斜案内面109eであっても、シンクロチャンファ11(図2参照)の周方向の動きは、逆テーパー面9aより抑えることができるため、変速操作時の再同期現象を防ぐことができる。
特に、傾斜案内面109eでシンクロチャンファ11の周方向の動きを抑えることで、前述の平行案内面9eの同期装置よりも、シンクロナイザリング7と1速用コーン5の間の相対的な移動量を少なくできる。
よって、この傾斜案内面109eによると、シンクロナイザリング7と1速用コーン5との間の摩擦を少なくでき、シンクロナイザリング7の耐久性を高めることができる。
また、さらに他の構造のスリーブスプラインの案内面は、例えば、一点鎖線に示すように、外方側に広がる傾斜角θ4で形成される拡張案内面209eで構成することが考えられる。
この拡張案内面209eであれば、シンクロチャンファ11の周方向の動きを、ギアスプライン10(図2参照)の動きと全く逆方向に生じさせることができるため、確実に、変速操作時の再同期現象を防ぐことができる。
よって、この拡張案内面209eによると、再同期現象を防ぐことができ、変速操作時の操作荷重を安定させることができる。
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の被同期ギアは、実施形態の1速遊転ギア1、2速遊転ギア2に対応し、
以下、同様に、
回転軸は、カウンター軸CSに対応し、
シンクロ案内面は、平行案内面9e、傾斜案内面109e、拡張案内面209eに対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる変速機の同期装置に適用する実施形態を含むものである。
本発明の同期装置を用いる変速機は、手動操作で変速を行なう手動変速機だけでなく、アクチュエータで変速を行なう自動変速機であってもよい。また同期装置に用いるシンクロナイザリングもシングルコーンだけではなく、ダブルコーンやトリプルコーン等であってもよい。
図6のZ部分を示した詳細断面図。 図1の各線の矢視断面図で、(a)がA−A線矢視断面図、(b)がB−B線矢視断面図、(c)がC−C線矢視断面図。 A−A線断面位置での変速操作時のスリーブスプライン等の動きを示した作動図。 B−B線断面位置での変速操作時のスリーブスプライン等の動きを示した作動図。 スリーブスプラインの側面(噛合面)に形成されるシンクロチャンファの案内面の他の構造を示した断面図。 本発明の前提となる変速機の同期装置を示す断面図。 再同期現象を説明する模式図。
符号の説明
CS…カウンター軸
1…1速遊転ギア
3…クラッチハブ
4…ハブスリーブ
5…1速用コーン
7…シンクロナイザリング
9…スリーブスプライン
9a…逆テーパー面
9e…平行案内面
10…ギアスプライン
11…シンクロチャンファ
109…スリーブスプライン
109e…傾斜案内面
209e…拡張案内面

Claims (3)

  1. 回転軸上に固設されたクラッチハブと、該クラッチハブの外周に軸方向に摺動可能に設置されたハブスリーブと、該ハブスリーブの内周面に形成されたスリーブスプラインと、前記回転軸に回動自在に設置された被同期ギアと、該被同期ギアに設けられて前記スリーブスプラインと噛合い可能なギアスプラインと、前記スリーブスプラインと前記ギアスプラインとの間に設けられたシンクロナイザリングと、を備えた変速機の同期装置であって、
    前記スリーブスプラインの噛合面に、ギア抜けを防止する逆テーパー面を形成し、
    前記シンクロナイザリングの最外径部を前記スリーブスプラインの逆テーパー面よりも径外方側で且つ前記ギアスプラインの最外径部よりも径外方側に位置するように形成して、
    前記スリーブスプラインの逆テーパー面の径外方側には該逆デーパー面の傾斜角よりも緩やかな案内角で形成されたシンクロ案内面を設けた
    変速機の同期装置。
  2. 前記シンクロ案内面を、軸方向に平行な平行面で形成した
    請求項1記載の変速機の同期装置。
  3. 前記逆テーパー面の径方向長さを、前記シンクロ案内面の径方向長さよりも長く設定した
    請求項1又は2記載の変速機の同期装置。
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