JP2009270170A - 気相成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自公転する複数の基板の温度差を簡単に解消することができ、均一な薄膜を形成することができる気相成長方法を提供する。
【解決手段】サセプタ12の周方向に複数個が回転可能に設けられたプレート受け台13と、プレート受け台13にそれぞれ保持される載置プレート14と、サセプタ裏面側の加熱手段と、サセプタ12の回転により載置プレート14を自公転させる構造とを備え、自公転構造にて載置プレート14及び載置プレート14上に載置した基板を自公転させるとともに、加熱手段により載置プレート14を介して基板を加熱しながら成膜室内に原料ガスを導入し薄膜形成する気相成長方法において、載置プレート14を、上部の大径部と下部の小径部とを有し、大径部と小径部との間の下向き段部を有する形状とし、下向き段部をプレート受け台13の内周に設けた上向き段部の上に着脱可能に載置するとともに、基板の温度に応じて小径部の厚さを調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、気相成長方法に関し、詳しくは、基板を自公転させながら基板面に薄膜を気相成長させる自公転型の気相成長装置における基板温度を制御する方法に関する。
成膜室(チャンバー)内のサセプタに保持した基板を加熱手段で所定温度に加熱した状態で成膜室内に原料ガスを供給し、前記基板面に薄膜を堆積させる気相成長装置として、サセプタを回転させて成膜中の基板を自公転させることにより、複数枚の基板に均一に薄膜を形成できるようにした自公転機構を備えた自公転型気相成長装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、基板温度が薄膜の成長に大きな影響を与えるため、基板とサセプタとの間に調整板を介在させ、調整板の厚さを調節することによって複数の基板の温度を均一化することも行われている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−243060号公報 特開2007−273660号公報
特許文献2に記載された調整板を採用することで、複数の基板の温度差を解消することはできるが、サファイアなどで形成される調整板を最適な厚さの円盤状に形成するのに手間を要するという問題があった。
そこで本発明は、自公転する複数の基板の温度差を簡単に解消することができ、均一な薄膜を形成することができる気相成長方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の気相成長方法は、気相成長装置の成膜室内に回転可能に設けられた円盤状のサセプタと、該サセプタの周方向に複数個が回転可能に設けられたリング状のプレート受け台と、該プレート受け台にそれぞれ保持された複数の載置プレートと、前記サセプタの裏面側に設けられた加熱手段と、サセプタの回転に伴って前記載置プレートを自公転させる自公転構造とを備え、該自公転構造によって前記載置プレート及び該載置プレート上に載置した基板を自公転させるとともに、前記加熱手段により前記載置プレートを介して基板を加熱しながら前記成膜室内に原料ガスを導入して基板表面に薄膜を形成する気相成長方法において、前記載置プレートを、上部の大径部と下部の小径部とを有し、該大径部と小径部との間の下向き段部を有する形状とし、該下向き段部を前記プレート受け台の内周に設けられた上向き段部の上に着脱可能に載置するとともに、前記載置プレートに載置した基板の温度に応じて前記小径部の厚さを調節することを特徴としている。
本発明の気相成長方法によれば、加熱手段に対向する載置プレートの小径部の厚さを調節して小径部の下面と加熱手段との距離を変化させることによって載置プレートの表面温度を制御することができ、複数の載置プレートにそれぞれ載置される各基板の温度差を解消することができ、均一な薄膜を形成することができる。また、載置プレートは、前述の調整板に比べて厚く形成されるため、小径部の厚さを所定の厚さに調節する加工も容易に行うことができる。
図1は本発明の気相成長方法を実施するための気相成長装置の一形態例を示す断面正面図、図2は同じく要部の断面正面図である。
この気相成長装置は、石英ガラスで覆われた成膜室11内に円盤状のサセプタ12を回転可能に設けるとともに、該サセプタ12の外周部に歯車が形成されたプレート受け台13を介して、基板設置ステーションとなる複数の載置プレート14を回転可能に設けた自公転型気相成長装置であって、8枚の基板(図示せず)に同時に薄膜を形成することができるように形成されている。サセプタ12は、成膜室11の底面中央部を貫通した回転軸15により支持されており、サセプタ12の下方には、載置プレート14を加熱する加熱手段であるヒーター16が設けられている。また、成膜室11のサセプタ12の表面側中央部には、原料ガスを導入する導入部17が設けられ、成膜室11の外周部には排出部18が設けられている。
前記プレート受け台13は、内周に載置プレート14を載置するための上向き段部13aを設けたリング状に形成されており、その外周面には、サセプタ12の外周部に設けられた固定内歯車12aに対応した外歯車13bが形成されている。また、前記載置プレート14は、上部の大径部14aと下部の小径部14bとを有する段付円盤状に形成されており、大径部14aと小径部14bとの間に形成される下向き段部14cが前記プレート受け台13の上向き段部13aの上に着脱可能に載置された状態で保持される。
この気相成長装置を使用して基板上に薄膜を形成する際には、ヒーター16により載置プレート14を介して基板を所定温度に加熱しながら、導入部17から成膜室11内に原料ガスを導入し、排気ガスを排出部18を通して成膜室11内から排出する。このとき、回転軸15によってサセプタ12が回転駆動されることにより、載置プレート14及び基板は自公転機構により自公転する。
このようにして基板に薄膜を形成する際に、載置プレート14の前記小径部14bの厚さを調節することにより、小径部14bの下面とヒーター16の発熱面との距離を変化させてヒーター16から載置プレート14に伝わる熱量を制御することができ、複数の載置プレート14にそれぞれ載置される複数の各基板の温度差を解消することができる。すなわち、小径部14bの厚さDを薄くすると小径部14bの下面とヒーター16の発熱面との距離dが長くなり、ヒーター16から載置プレート14への伝熱量が低下することから、載置プレート14の上面の温度、即ち基板温度を低くすることができる。なお、プレート受け台13及び載置プレート14の材質は任意であるが、例えば、SiCコートカーボンにて製作することができる。
例えば、載置プレート14の製作誤差などにより、ヒーター16の温度条件を一定にしても基板に温度差を生じることがある。このような場合、最も基板温度が高くなっている載置プレートの小径部の下面部分を、基板の温度差に応じた量だけ研削加工して小径部14bの下面とヒーター16の発熱面との距離dを長くすることにより、この載置プレートの表面温度を下げることができ、基板温度が最も低かった載置プレートと基板温度が高かった載置プレートとの温度差を小さくすることができる。
このとき、プレート受け台13の上向き段部13aに載置される下向き段部14cより下方の部分を加工するため、載置プレート14の下向き段部14cより上方の形状は変化しないことから、載置プレート14の上に載置する基板の位置が変化することはなく、原料ガスなどの流れに悪影響を及ぼすおそれがない。
図1に示した構成の気相成長装置を使用して薄膜を形成する実験を行った。まず、8個の載置プレート14として、載置プレート下部の小径部14bの厚さDが9mmのものをすべて使用してLED用の薄膜を形成した。原料ガスには、アンモニア、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを使用し、ドーピングガスにはモノシラン及びシクロペンタジエニルマグネシムを、キャリアガスに窒素及び水素をそれぞれ使用した。ヒーター16の温度は835℃に設定した。
形成した8枚の薄膜から得た各LEDの発光波長(PL波長)を各基板設置ステーション毎に測定した。その結果を図3に示す。この結果から、小径部14bの厚さDが9mmの同一仕様の載置プレートを使用した場合、PL波長の最大値と最小値との差が8nmあることがわかった。
次に、小径部14bの厚さDが5mm、7mm、8mm、9mmの4種類の載置プレートを2個ずつ使用して前述の条件で薄膜を形成し、載置プレート下部の厚み(小径部14bの厚さD)とPL波長との関係を調査した。その結果を図4に示す。この結果から、載置プレート下部の厚みが1mm増加すると、PL波長が約5.5nm短くなることがわかった。また、基板温度が1℃低くなるとPL波長が2nm長くなることがわかっており、載置プレート下部の厚みが1mm増加すると、約2.8℃上昇することもわかった。
そこで、図3に示した結果を参照し、PL波長が最も長く、基板温度が最も低かった基板設置ステーションNo.6を基準とし、他の基板との温度差を解消するため、他の基板設置ステーションに設置する載置プレートの下面を表1に示す量だけ研削加工し、小径部14bの厚さDを薄くした。
Figure 2009270170
加工後の載置プレートを対応する基板設置ステーションにそれぞれ設置した状態で、前記条件にて8枚の薄膜を形成し、各薄膜から得たLEDのPL波長を各基板設置ステーション毎に測定した。その結果を図5に示す。この結果から、PL波長の測定結果や基板温度の測定結果に基づいて小径部14bの厚さDを異なるものとすることにより、PL波長の最大値と最小値との差を8nmから2.6nmに小さくできることがわかる。
本発明を実施可能な気相成長装置の一形態例を示す断面正面図である。 同じく要部の断面正面図である。 実施例1において、小径部の厚さが9mmのものをすべて使用したときの基板設置ステーションNo.とLEDの発光波長(PL波長)との関係を示す図である。 実施例1において、載置プレート下部の厚みとPL波長との関係を示す図である。 各基板設置ステーションに載置プレート下面を研削加工して載置プレート下部の厚みが異なる載置プレートをそれぞれ設置したときの基板設置ステーションNo.とLEDの発光波長(PL波長)との関係を示す図である。
符号の説明
11…成膜室、12…サセプタ、12a…固定内歯車、13…プレート受け台、13a…上向き段部、13b…外歯車、14…載置プレート、14a…大径部、14b…小径部、14c…下向き段部、15…回転軸、16…ヒーター、17…導入部、18…排出部

Claims (1)

  1. 気相成長装置の成膜室内に回転可能に設けられた円盤状のサセプタと、該サセプタの周方向に複数個が回転可能に設けられたリング状のプレート受け台と、該プレート受け台にそれぞれ保持された複数の載置プレートと、前記サセプタの裏面側に設けられた加熱手段と、サセプタの回転に伴って前記載置プレートを自公転させる自公転構造とを備え、該自公転構造によって前記載置プレート及び該載置プレート上に載置した基板を自公転させるとともに、前記加熱手段により前記載置プレートを介して基板を加熱しながら前記成膜室内に原料ガスを導入して基板表面に薄膜を形成する気相成長方法において、前記載置プレートを、上部の大径部と下部の小径部とを有し、該大径部と小径部との間の下向き段部を有する形状とし、該下向き段部を前記プレート受け台の内周に設けられた上向き段部の上に着脱可能に載置するとともに、前記載置プレートに載置した基板の温度に応じて前記小径部の厚さを調節することを特徴とする気相成長方法。
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