JP2009269990A - 布用接着剤剥し剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶剤を使用せずに構成し、剥離効果も優れ安全性も担保できるような布用接着剤剥し剤の開発を課題とする。
【解決手段】化粧品原料である軽質流動イソパラフィン99.9%〜95.0%、及び同じく化粧品原料であるオレンジ油0.1%〜5.0%を攪拌混合してできる布用接着剤剥し剤が課題を解決できることを見出した。
【選択図】なし
【解決手段】化粧品原料である軽質流動イソパラフィン99.9%〜95.0%、及び同じく化粧品原料であるオレンジ油0.1%〜5.0%を攪拌混合してできる布用接着剤剥し剤が課題を解決できることを見出した。
【選択図】なし
Description
本発明は、布用接着剤剥し剤に関する。
現在流通しているシール剥し剤は、有機溶剤を使用しているため沸点が低く、布地を剥離させようとすると、液剤を塗布した時点で揮発し、乾燥が速いため剥離がうまくいかず、また名前を油性マジックで記入した場合、布地に滲みや移りが生じる。更に、引火点も低いため家庭内では火気や喚起等について制限が設けられていた。
特開平11−12597号公報(特許文献1)には、カルボキシエチルチオコハク酸塩、界面活性剤、テルペノイド、水からなる粘着シール剥離剤組成物が示されている。特開平7−316534号公報(特許文献2)には、アミド系有機溶剤と水溶性界面活性剤及びイソプレン化合物を必須とした水溶性剥離剤組成物が示されている。また、特開2007−70436号公報(特許文献3)には、炭素数5〜8の脂環式炭化水素とヒドロキシプロピルセルロースを含む剥離剤組成物が示されている。
しかしながら、いずれも布用接着剤の剥し剤としては十分な機能を果たしていない。従って、有機溶剤を使用せずに構成し、布用接着剤に有効な剥し剤の開発が求められているところである。
有機溶剤を使用せずに構成し、剥離効果も優れ安全性も担保できるような布用接着剤剥し剤の開発を課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、化粧品原料である軽質流動イソパラフィン及び同じく化粧品原料であるオレンジ油を使用することにより解決できることを見出した。
すなわち、本発明は
(1)軽質流動パラフィン及びオレンジ油からなる布用接着剤剥し剤、
(2) 軽質流動パラフィンが99.9%〜95.0%、オレンジ油が0.1%〜5.0%であることを特徴とする(1)記載の布用接着剤剥し剤
に関する。
(1)軽質流動パラフィン及びオレンジ油からなる布用接着剤剥し剤、
(2) 軽質流動パラフィンが99.9%〜95.0%、オレンジ油が0.1%〜5.0%であることを特徴とする(1)記載の布用接着剤剥し剤
に関する。
本発明は、有機溶剤を使用せずに、化粧品原料のみからなる布用接着剤剥し剤であるため、剥離効果も優れ安全性も担保でき、従来にない布用接着剤剥し剤を提供することができる。
本発明の布用接着剤剥し剤は、軽質流動パラフィン及びオレンジ油からなっており、その量は軽質流動パラフィンが99.9%〜95.0%、オレンジ油が0.1%〜5.0%からなっている。特に軽質流動パラフィンが98%、オレンジ油が2%の配合が最も好ましい。本発明品は両成分を単に攪拌混合することにより得ることができるので、極めて容易に製することができる。
従来は、軽質流動パラフィンは親油剤及びエモリエント剤として化粧品原料に用いられ、オレンジ油は香料及び溶剤として化粧品原料に用いられてきた。
また本発明において布とは、綿等の天然物及び化学繊維等いずれの布に対しても、本発明の接着剤剥し剤の効果を発揮することができる。
本発明により、剥離効果も優れかつ安全性も担保できる布用接着剤剥し剤を提供することができる。
〔実施例1〕
以下の測定環境において本発明の「布用接着剤剥し剤」の効果を確認した。
以下の測定環境において本発明の「布用接着剤剥し剤」の効果を確認した。
室温湿度; 室温平均 24℃ 湿度平均 40%
試験検体; ヤマト株式会社製 アラビックボンド「布用ボンド」
日本フィリン株式会社製 本発明品「布用接着剤剥し剤」(軽質流動パ ラフィン98%、オレンジ油2%)
試験試料;(a)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを20枚作成し、 布1枚に「布用ボンド」を2gとり良く延ばした後、もう1枚を重ね上 から中温度に設定したアイロンで接着させ使用。
(b)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを10枚作成し、 布片面に油性マジックで文字を記入し乾燥させた後使用。
試験方法;(1)剥離試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(a)をセ ットし、本発明品を3g塗布し、5分間放置した後の剥離状態を確認し 、これを5回行い判定する。
(2)滲み試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(b)をセ ットし、本発明品を3g塗布し、5分間放置した後の油性マジックの滲 み具合を確認し、これを5回行い判定する。
試験結果;(1)剥離試験;判定基準 1=剥離良好 2=ほぼ剥離 3=普通
4=剥離しづらい 5=剥離しない
(2)滲み試験;判定基準 1=滲み無し良好 2=ほぼ滲みなし 3=普通
4=かなり滲む 5=文字が読めない程滲む
試験検体; ヤマト株式会社製 アラビックボンド「布用ボンド」
日本フィリン株式会社製 本発明品「布用接着剤剥し剤」(軽質流動パ ラフィン98%、オレンジ油2%)
試験試料;(a)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを20枚作成し、 布1枚に「布用ボンド」を2gとり良く延ばした後、もう1枚を重ね上 から中温度に設定したアイロンで接着させ使用。
(b)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを10枚作成し、 布片面に油性マジックで文字を記入し乾燥させた後使用。
試験方法;(1)剥離試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(a)をセ ットし、本発明品を3g塗布し、5分間放置した後の剥離状態を確認し 、これを5回行い判定する。
(2)滲み試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(b)をセ ットし、本発明品を3g塗布し、5分間放置した後の油性マジックの滲 み具合を確認し、これを5回行い判定する。
試験結果;(1)剥離試験;判定基準 1=剥離良好 2=ほぼ剥離 3=普通
4=剥離しづらい 5=剥離しない
(2)滲み試験;判定基準 1=滲み無し良好 2=ほぼ滲みなし 3=普通
4=かなり滲む 5=文字が読めない程滲む
5回の試験において、剥離良好またはほぼ剥離でき、また滲みがないか、滲みがほぼ無いという結果が出て、本発明品の有効性が確認できた。
なお、本発明品の内容成分が布地にシミにならないかを確認したところ、使用時輪ジミになったが、1回洗濯を行うことにより除去できることが判明した。
〔実施例2〕
本発明品と他類似品との効果の比較試験を行った。
本発明品と他類似品との効果の比較試験を行った。
室温湿度; 室温平均 26℃ 湿度平均 35%
試験検体; 布用ボンドとしてヤマト株式会社製 アラビックボンド「布用ボンド」 を使用
A社製 IPA系有機溶剤
B社製 ケトン系有機溶剤
C社製 石油系炭化水素・リモネン・酢酸エステル
D社製 アルコール系有機溶剤
E社製 ミネラルスプリット
本発明品(軽質流動パラフィン98%、オレンジ油2%)
試験試料;(a)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを20枚作成し、 布1枚に「布用ボンド」を2gとり良く延ばした後、もう1枚を重ね上 から中温度に設定したアイロンで接着させ使用。
(b)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを10枚作成し、 布片面に油性マジックで文字を記入し乾燥させた後使用。
試験方法;(1)剥離試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(a)をセ ットし、各接着剤剥離剤を3g塗布し、5分間放置した後の剥離状態を 比較確認し、これを判定する。
(2)滲み試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(b)をセ ットし、各接着剤剥離剤を3g塗布し、5分間放置した後の油性マジッ クの滲み具合を比較確認し、これを判定する。
試験結果;(1) 剥離試験;判定基準 1=剥離良好 2=ほぼ剥離 3=普通
4=剥離しずらい 5=剥離しない
(2)滲み試験;判定基準 1=滲み無し良好 2=ほぼ滲みなし 3=普通
4=かなり滲む 5=文字が読めない程滲む
試験検体; 布用ボンドとしてヤマト株式会社製 アラビックボンド「布用ボンド」 を使用
A社製 IPA系有機溶剤
B社製 ケトン系有機溶剤
C社製 石油系炭化水素・リモネン・酢酸エステル
D社製 アルコール系有機溶剤
E社製 ミネラルスプリット
本発明品(軽質流動パラフィン98%、オレンジ油2%)
試験試料;(a)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを20枚作成し、 布1枚に「布用ボンド」を2gとり良く延ばした後、もう1枚を重ね上 から中温度に設定したアイロンで接着させ使用。
(b)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを10枚作成し、 布片面に油性マジックで文字を記入し乾燥させた後使用。
試験方法;(1)剥離試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(a)をセ ットし、各接着剤剥離剤を3g塗布し、5分間放置した後の剥離状態を 比較確認し、これを判定する。
(2)滲み試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に試料(b)をセ ットし、各接着剤剥離剤を3g塗布し、5分間放置した後の油性マジッ クの滲み具合を比較確認し、これを判定する。
試験結果;(1) 剥離試験;判定基準 1=剥離良好 2=ほぼ剥離 3=普通
4=剥離しずらい 5=剥離しない
(2)滲み試験;判定基準 1=滲み無し良好 2=ほぼ滲みなし 3=普通
4=かなり滲む 5=文字が読めない程滲む
本試験の結果は表2から明らかなように、本発明品が剥離試験及び滲み試験において優れており、また本試験の滲みの状態は、図1にも示してあるとおり、本発明品(6)が他社製品と比較して格段に優れていることが分かる。また、表2から本発明品の引火点が他社製品よりかなり高いことも分かる。なお、図1においてはA、B、C、D、E及び本発明品を順番に1、2、3、4、5、6と表示している。
〔実施例3〕
本発明品(軽質流動パラフィン98%、オレンジ油2%)を、各社の布用ボンド製品及びワッペン製品に試して、剥離効果の比較確認を行った。
本発明品(軽質流動パラフィン98%、オレンジ油2%)を、各社の布用ボンド製品及びワッペン製品に試して、剥離効果の比較確認を行った。
室温湿度;室温平均 25℃ 湿度平均 40%
試験検体;ヤマト株式会社製 接着剤成分;ウレタン樹脂
T社製 接着剤成分;天然ゴム・CMC・アンモニア水
U社製 接着剤成分;ウレタン樹脂
V社製 接着剤成分;ナイロン樹脂
W社製 接着剤成分;ポリオレフィン樹脂
X社製 接着剤成分;EVA樹脂
Y社製 接着剤成分;ポリオレフィン樹脂
試験試料;(a)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを14枚作成し、 布1枚
に各検体を重ね高温度に設定したアイロンで接着させ使用。
(b)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを14枚作成し、 各検体に油性マジックで文字を記入し乾燥させた後使用。
試験方法;(1)剥離試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に各検体をセット し、本発明品の接着剤剥し剤を3g塗布し、5分間放置した後の剥離状 態を確認する。
(2)滲み試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に各検体をセット し、本発明品の接着剤剥し剤を3g塗布し、5分間放置した後の油性マ ジックの滲み具合を確認する。
試験結果;(1) 剥離試験;判定基準 ○=剥離良好 △=普通 ×=剥離しない
(2)滲み試験;判定基準 1=滲み無し良好 2=ほぼ滲みなし 3=普通
4=かなり滲む 5=文字が読めない程滲む
試験検体;ヤマト株式会社製 接着剤成分;ウレタン樹脂
T社製 接着剤成分;天然ゴム・CMC・アンモニア水
U社製 接着剤成分;ウレタン樹脂
V社製 接着剤成分;ナイロン樹脂
W社製 接着剤成分;ポリオレフィン樹脂
X社製 接着剤成分;EVA樹脂
Y社製 接着剤成分;ポリオレフィン樹脂
試験試料;(a)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを14枚作成し、 布1枚
に各検体を重ね高温度に設定したアイロンで接着させ使用。
(b)綿布(白)を15cm×10cmにカットしこれを14枚作成し、 各検体に油性マジックで文字を記入し乾燥させた後使用。
試験方法;(1)剥離試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に各検体をセット し、本発明品の接着剤剥し剤を3g塗布し、5分間放置した後の剥離状 態を確認する。
(2)滲み試験;40cm×25cmのアルミタッパ内に各検体をセット し、本発明品の接着剤剥し剤を3g塗布し、5分間放置した後の油性マ ジックの滲み具合を確認する。
試験結果;(1) 剥離試験;判定基準 ○=剥離良好 △=普通 ×=剥離しない
(2)滲み試験;判定基準 1=滲み無し良好 2=ほぼ滲みなし 3=普通
4=かなり滲む 5=文字が読めない程滲む
本試験の結果は表3から明らかなように、本発明品はいずれの接着剤に対しても剥離効果が優れておりまた滲みも無く、本発明品が各種布用接着剤の良好な剥し剤として効果を発揮することを確認した。
Claims (2)
- 軽質流動パラフィン及びオレンジ油からなる布用接着剤剥し剤。
- 軽質流動パラフィンが99.9%〜95.0%、オレンジ油が0.1%〜5.0%であることを特徴とする請求項1記載の布用接着剤剥し剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008121214A JP2009269990A (ja) | 2008-05-07 | 2008-05-07 | 布用接着剤剥し剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008121214A JP2009269990A (ja) | 2008-05-07 | 2008-05-07 | 布用接着剤剥し剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009269990A true JP2009269990A (ja) | 2009-11-19 |
Family
ID=41436847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008121214A Pending JP2009269990A (ja) | 2008-05-07 | 2008-05-07 | 布用接着剤剥し剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009269990A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106854762A (zh) * | 2016-12-27 | 2017-06-16 | 深圳市新合富力科技有限公司 | 镁铝合金除胶剂 |
-
2008
- 2008-05-07 JP JP2008121214A patent/JP2009269990A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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