JP2009269978A - 架橋オレフィン重合体およびその製造方法 - Google Patents

架橋オレフィン重合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軟質で、かつ高い架橋率を有する架橋オレフィン重合体を提供すること。
【解決手段】下記の(A)および(B)を満たすα−オレフィン重合体の架橋反応により得られる、架橋率が20%以上の架橋オレフィン重合体。
(A)炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体、炭素数8〜30のα−オレフィン二種以上の共重合体、ならびに炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体であって炭素数8〜30のα−オレフィン単位が50モル%以上でありエチレン単位および/またはプロピレン単位が50モル%未満の共重合体、から選ばれるα−オレフィン重合体
(B)固有粘度〔η〕が0.1〜4.0dl/g
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素数8〜30のα−オレフィンの重合体を用いた架橋オレフィン重合体及びその製造方法に関し、詳しくは、衝撃吸収材、粘着剤、オイル吸収剤、電子部品の封止及び接着剤などの用途に好適な、炭素数8〜30のα−オレフィンの重合体を用いた架橋オレフィン重合体及びその製造方法に関する。
高分子化学の分野においては、分子構造の制御(例えば、分岐構造や架橋構造の形成等)によって物性を改良する技術が知られ、現在様々な分野で利用されている。さらに、オレフィン重合体は酸やアルカリに対する耐性があり、安価であるという長所を有するため、オレフィン重合体に分岐構造や架橋構造を付与する試みも行われている。
例えば、特許文献1は、特定の触媒を用いてα−オレフィンの重合反応を行うことで得られる分岐を有する重合体および当該重合体を含有する接着剤組成物を開示する。特許文献2は、特定のα−オレフィン重合体と架橋剤との反応により得られる架橋オレフィン重合体を開示する。特許文献3は、α−オレフィンモノマーとその重合体の混合物を電子線で架橋させ、感圧接着剤を得るという技術を開示する。
上記技術はいずれも分岐構造や架橋構造を有するオレフィン重合体に関するものであり、接着剤等における利用が期待される。しかしながら、上記文献に記載の技術においては架橋構造の形成に関して効率や均一性の面で問題があり、得られる架橋オレフィン重合体の性能を低下させる原因になっていた。具体的には、特許文献1に記載の技術に関しては、高分子量の重合体を用いるため溶融が困難であり、架橋反応を溶液中で行う必要があり、効率面に関して問題がある。特許文献2に記載の技術に関しては、実施例の開示によれば十分な架橋構造を示していないことが推測されるが、用途によってはさらに高い架橋率の達成が望まれる。特許文献3に記載の技術に関しては、架橋反応において均一な混合が困難であり、モノマーが残存したり、不均一な架橋構造が形成するというおそれがある。
特表2000−512683号公報 特開2006−131784号公報 米国特許第5112882号明細書
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、軟質で、かつ高い架橋率を有する架橋オレフィン重合体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定のα−オレフィンを用いた比較的低分子量の重合体を原料として架橋反応を行うことで、上記性質を有する架橋オレフィン重合体が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、以下の架橋オレフィン重合体及びその製造方法を提供するものである。
1.下記の(A)および(B)を満たすα−オレフィン重合体の架橋反応により得られる、架橋率が20%以上の架橋オレフィン重合体、
(A)炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体、炭素数8〜30のα−オレフィン二種以上の共重合体、ならびに炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体であって炭素数8〜30のα−オレフィン単位が50モル%以上でありエチレン単位および/またはプロピレン単位が50モル%未満の共重合体、から選ばれるα−オレフィン重合体
(B)固有粘度〔η〕が0.1〜4.0dl/g
2.α−オレフィン重合体が、メタロセン触媒を用いて製造されたものである、上記1に記載の架橋オレフィン重合体、
3.架橋反応前の混合物全量を基準として過酸化物を0.1〜10質量%使用し、当該過酸化物の1時間半減期温度より高い温度で架橋反応を行って得られたものである、上記1または2に記載の架橋オレフィン重合体、
4.下記の(A)および(B)を満たすα−オレフィン重合体を原料として、架橋反応前の混合物全量を基準としてラジカル発生剤を0.1〜10質量%用いて架橋反応を行う、架橋オレフィン重合体の製造方法、
(A)炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体、炭素数8〜30のα−オレフィン二種以上の共重合体、ならびに炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体であって炭素数8〜30のα−オレフィン単位が50モル%以上でありエチレン単位および/またはプロピレン単位が50モル%未満の共重合体、から選ばれるα−オレフィン重合体
(B)固有粘度〔η〕が0.1〜4.0dl/g
5.ラジカル発生剤として過酸化物を用いて架橋反応を行う、上記4に記載の架橋オレフィン重合体の製造方法、
6.過酸化物の1時間半減期温度より高い温度で架橋反応を行う、上記5に記載の架橋オレフィン重合体の製造方法、
7.酸素濃度5vol%以下の雰囲気下で架橋反応を行う、上記4〜6のいずれかに記載の架橋オレフィン重合体の製造方法。
本発明においては特定のα−オレフィンの重合体を原料として用いることで、架橋反応時の均一性や効率が改善され、架橋オレフィン重合体は、均一で高い架橋率を有するものになる。したがって、本発明の架橋オレフィン重合体は、軟質であり、かつ形状記憶性に優れるという特性を有し、衝撃吸収材、粘着剤、オイル吸収剤、電子部品の封止及び接着剤などの用途において好適に用いられる。
本発明の架橋オレフィン重合体は、特定のα−オレフィン重合体を架橋反応させることで得られる。α−オレフィン重合体としては、炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体、炭素数8〜30のα−オレフィン二種以上の共重合体、ならびに炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体から選ばれるα−オレフィン重合体が用いられる。
本発明で用いる炭素数8〜30のα−オレフィンは、具体的には、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセンなどが挙げられる。
α−オレフィンの炭素数は、より好ましくは8〜20であり、特に好ましくは8〜14である。α−オレフィンの炭素数が8を下回ると、架橋オレフィン重合体の架橋率が低下するおそれがあり、30を上回るとα−オレフィン重合体の分子量分布や融点範囲が広がり、架橋反応の制御が困難になり架橋オレフィン重合体の物性が低下するおそれがある。
本発明においては、炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体の他にも共重合体を使用することができる。共重合体を用いることで、重合体の融点(加工性)及び結晶性(溶解性)の制御が容易となり、架橋オレフィン重合体の製造条件の調整や架橋オレフィン重合体の物性制御が容易になる。
本発明において、炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体を使用する場合、炭素数8〜30のα−オレフィン単位の含有量は50モル%以上であり、エチレン単位および/またはプロピレン単位の含有量は50モル%未満である。炭素数8〜30のα−オレフィン単位の含有量は好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは85〜100モル%である。炭素数8〜30のα−オレフィン単位の含有量が50モル%以上であると、α−オレフィン重合体が適度の融点あるいはガラス転移温度を有するために、ラジカル発生剤を室温程度の低温で混合することができ、加熱して架橋した際に、高い架橋率を達成することができる。
本発明で用いるα−オレフィン重合体の固有粘度[η]は0.1〜4.0dl/g、好ましくは0.2〜3.0dl/g、さらに好ましくは0.3〜2.5dl/gである。[η]が0.1dl/g未満であると架橋率が低下するおそれがある。一方、4.0dl/gを超えると、架橋反応を行う際の均一性が低下し、ラジカル発生剤の分散性が低下しやすくなる。また、融点が高くなる傾向があり溶融が困難になるため架橋反応の反応条件が制限される。
本発明で用いるα−オレフィン重合体は、GPC法により測定した分子量分布(Mw/Mn)は3.5以下が好ましく、より好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.5以下である。3.5以下であることで、架橋効率を挙げることができる。
なお、上記の分子量分布(Mw/Mn)は、GPC法により、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnより算出した値である。
GPC測定装置
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
測定条件
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:145℃
流速:1.0ミリリットル/分
試料濃度:2.2mg/ミリリットル
注入量:160マイクロリットル
検量線:Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
本発明で用いるα−オレフィン重合体は、アイソタクチック構造が好ましく、α−オレフィン連鎖部に由来する立体規則性指標値MMが、50モル%以上が好ましく、より好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは55〜85モル%、特に好ましくは55〜80モル%である。MMが50モル%以上の場合、α−オレフィン重合体の結晶性が向上し、べたつきが少なく、架橋前の作業等において扱いが容易になる。また特に、融点や混合性の制御を目的にする際は、MMの上限値を上記のように規定することが好ましい。このようにα−オレフィン重合体が適度な立体規則性を有することで、本発明の架橋オレフィン重合体を得ることができる。
なお、MMが80%以上の場合は、α−オレフィンとして1−オクテンを用いることが好ましい。1−オクテンを用いることで、融点をもたなくなり、架橋前の作業性が容易になる。
立体規則性指標値MMは、T.Asakura,M.Demura,Y.Nishiyamaにより報告された「Macromolecules,24,2334(1991)」で提案された方法に準拠して求めた。すなわち、13C−NMRスペクトルで、側鎖α位のCH2炭素が立体規則性の違いを反映して分裂して観測されることを利用してMMを求めることができる。このMMの値が大きいほどアイソタクティシティーが高いことを示す。13C−NMRの測定は以下の装置、条件にて行った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:230mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
測定温度:130℃
パルス幅:45°
積算回数:10000回
また、立体規則性指標値MMは以下のようにして計算した。すなわち、混合溶媒に基づく大きな吸収ピークが、127〜135ppmに6本見られ、これらのピークのうち、低磁場側から4本目のピーク値を131.1ppmとし、化学シフトの基準とする。このとき側鎖α位のCH2炭素に基づく吸収ピークが34〜37ppm付近に観測される。このとき、以下の式を用いてMM(モル%)を求める。
MM=[(36.2〜35.3ppmの積分強度)/(36.2〜34.5ppmの積分強度)]×100
本発明で用いるα−オレフィン重合体は、融点が観測されないか、または観測される場合は50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましい。上記条件を満たすことで、架橋反応をする際にラジカル発生剤との混合がしやすくなり、作業性が向上する。
なお、上記融点は以下の方法により求める。すなわち、示差走査型熱量計(DSC)を用い、該共重合体を窒素雰囲気下190℃で5分間保持した後、−50℃まで5℃/分で降温させ、−50℃で5分間保持後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから融点(Tm)を求める。
本発明で用いるα−オレフィン重合体は、以下に示すメタロセン系触媒を用いて製造することができ、その中でも特に、アイソタクチックポリマーを合成できる、C2対称及び、C1対称の遷移金属化合物を用いることが好ましい。すなわち、(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B−2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、α−オレフィンを重合させる方法である。
Figure 2009269978
〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E1,E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられるが、これらの中ではオレフィン共重合活性などの点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及び珪素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。また、E1及びE2は互いに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。
また、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。該Xの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE1,E2又はXと架橋していてもよい。該Yのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類などを挙げることができる。
次に、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
このような架橋基としては、例えば、一般式
Figure 2009269978
(Dは炭素、ケイ素又はスズ、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基で、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、又互いに結合して環構造を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)
で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基などを挙げることができる。これらの中で、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。
qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、一般式(II)
Figure 2009269978
で表される二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物が好ましい。
上記一般式(II)において、M,A1,A2,q及びrは、一般式(I)と同じである。
1はσ結合性の配位子を示し、X1が複数ある場合、複数のX1は同じでも異なっていてもよく、他のX1又はY1と架橋していてもよい。このX1の具体例としては、一般式(I)のXの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
1はルイス塩基を示し、Y1が複数ある場合、複数のY1は同じでも異なっていてもよく、他のY1又はX1と架橋していてもよい。このY1の具体例としては、一般式(I)のYの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
4〜R9はそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少なくとも一つは水素原子でないことが必要である。また、R4〜R9は互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。なかでも、R6とR7は環を形成していること及びR8とR9は環を形成していることが好ましい。R4及びR5としては、酸素、ハロゲン、珪素などのヘテロ原子を含有する基が共重合活性が高くなり好ましい。
この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子間の架橋基にケイ素を含むものが好ましい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジ−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(3−メチル−4−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2'−ジメチルシリレン)(2,1'−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジ

エニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン) ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジイソプロピルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジイソプロピルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレンインデニル)(2,2'−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル) ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2'−ジフェニルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2'−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレン)(2,2'−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジイソプロピルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジイソプロピルシリレン)(2,2'−ジイソブロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレン)(2,2'−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジフェニルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジイソプロピルシリレン)(2,2'−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジメチルシリレン)(2,2'−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1'−ジイソプロピルシリレン)(2,2'−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドなど及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げることができる。もちろんこれらに限定されるものではない。
また、他の族又はランタノイド系列の金属元素の類似化合物であってもよい。また、上記化合物において、(1,1’−)(2,2’−)が(1,2’−)(2,1’−)であってもよく、(1,2’−)(2,1’−)が(1,1’−)(2,2’−)であってもよい。
次に、(B)成分のうちの(B−1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III),(IV)
(〔L1−R10k+a(〔Z〕-b・・・(III)
(〔L2k+a(〔Z〕-b・・・(IV)
(ただし、L2はM2、R11123、R13 3C又はR143である。)
〔(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、〔Z〕-は、非配位性アニオン〔Z1-及び〔Z2-、ここで〔Z1-は複数の基が元素に結合したアニオン、即ち〔M112・・・Gf-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、〔Z2-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニンなどの大環状配位子を示す。kは〔L1−R10〕,〔L2〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。〕
で表されるものを好適に使用することができる。
ここで、L1の具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなどのニトリル類などを挙げることができる。
10の具体例としては水素,メチル基,エチル基,ベンジル基,トリチル基などを挙げることができ、R11,R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基などを挙げることができる。
13の具体例としては、フェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基などを挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニンなどを挙げることができる。
また、M2の具体例としては、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I3などを挙げることができ、M3の具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Znなどを挙げることができる。
また、〔Z1-、即ち〔M112・・・Gf〕において、M1の具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。
また、G1,G2〜Gfの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,フェノキシ基など、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコシル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−t−ブチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基など、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基など、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素などが挙げられる。
また、非配位性のアニオン、即ちpKaが−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基〔Z2-の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3-,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO4-,トリフルオロ酢酸アニオン(CF3CO2-,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF6-,フルオロスルホン酸アニオン(FSO3-,クロロスルホン酸アニオン(ClSO3-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3/SbF5-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(FSO3/AsF5-,トリフルオロメタンスルホン酸/5−フッ化アンチモン(CF3SO3/SbF5-などを挙げることができる。
このような前記(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、即ち(B−1)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀などを挙げることができる。
(B−1)は一種用いてもよく、又二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
Figure 2009269978
(式中、R15は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。尚、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
Figure 2009269978
(式中、R15及びwは前記一般式(V)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
前記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。
例えば、(a)有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(b)重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(c)金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(d)テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、更に水を反応させる方法などがある。
尚、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)触媒成分と(B)触媒成分との使用割合は、(B)触媒成分として(B−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲が望ましく、上記範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。また、(B−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。また、触媒成分(B)としては(B−1),(B−2)を単独又は二種以上組み合わせて用いることもできる。
また、本発明で用いるα−オレフィン重合体を製造する際の重合用触媒は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
16 vAlJ3-v ・・・(VII)
〔式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
で示される化合物が用いられる。
前記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、更に好ましくは1:10ないし1:1000の範囲が望ましい。
該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの共重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になると共に、共重合体中に多量に残存し、好ましくない。
本発明で用いるα−オレフィン重合体の製造においては、触媒成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができる。該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好ましい。
本発明で用いるα−オレフィン重合体において、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。
重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜20MPa(gauge)、更に好ましくは常圧〜10MPa(gauge)である。
本発明で用いるα−オレフィン重合体の製造方法において、水素を添加すると重合活性が向上するので好ましい。水素を用いる場合は、通常、常圧〜5MPa(gauge)、好ましくは常圧〜3MPa(gauge)、更に好ましくは常圧〜2MPa(gauge)である。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、α−オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いてもよい。尚、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
重合に際しては、前記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。予備重合は、メタロセン系触媒に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はないが、エチレン、プロピレンおよび炭素数8〜30のα−オレフィンから選ばれるオレフィンを用いることが有利である。
予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができる。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度〔η〕(135℃デカリン中で測定)が0.1デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1ミリモル当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。また、重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類、使用量、共重合温度の選択、更には水素存在下での重合などがある。窒素などの不活性ガスを存在させても良い。
以上の方法により、本発明で用いるα−オレフィン重合体を効率よく得ることができる。
本発明の架橋オレフィン重合体は、上記方法により得られたα−オレフィン重合体を架橋反応させることで得られる。架橋反応においては、例えば、ラジカル発生剤や電子線照射によってラジカルを発生させて行なうことができる。
ラジカル発生剤としては、例えば各種過酸化物が挙げられる。過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシドが挙げられる。市販品としては、日本油脂製のパーヘキシン25B、パーブチルD、パーブチルC、パーヘキサ25B、パークミルD、パーブチルP、パーブチルH、パーヘキシルH、パークミルH、パーオクタH、パークミルP、パーメンタH、パーブチルSM、パーメックN、ペロマーAC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサCD、パーテトラA、パーヘキサC、パーヘキサ3M、パーヘキサHC、パーヘキサTMH、パーブチルIF、パーブチルZ、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーヘキサ25Z、パーブチルE、パーブチルL、パーヘキサ25MT、パーブチルI、パーブチル355、パーブチルMA、パーヘキシルI、パーブチルIB、パーブチルO、パーヘキシルO、パーシクロO、パーヘキサ250、パーオクタO、パーブチルPV、パーヘキシルPV、パーブチルND、パーヘキシルND、パーシクロND、パーオクタND、パークミルND、ダイパーND、パーロイルSOP、パーロイルOPP、パーロイルMBP、パーロイルEEP、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルIB、パーロイルSA、パーロイルS、パーロイルO、パーロイルL、パーロイル355、ナイパーBW、ナイパーBMT、ナイパーCS等が挙げられる。
上記過酸化物以外のラジカル発生剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩などが挙げられる。また、上記過酸化物とナフテン酸コバルトあるいは芳香族アミンなどを組み合わせたレドックス開始剤も使用可能である。また、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾ−ジ−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物を使用することができる。
本発明のラジカル発生剤としては、紫外線照射によりラジカルを発生させるものでもよく、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン及びその誘導体の他、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−クロロアントラセン、2−メチルアントラキノン、チオキサントン、ジフェニルジサルファイド、ジメチルジチオカーバメート等が挙げられ、この場合紫外線強度は、通常1〜100mJ/cm2が用いられる。
ラジカル発生剤の使用量は特に制限はなく、目的とする架橋オレフィン重合体の物性に応じて適宜選定されるが、架橋反応前の混合物中の含有量は通常0.1〜10質量%であり、好ましくは0.5〜8質量%である。含有量が0.1質量%以上であると、架橋量が十分なものとなるため架橋の効果が発現される。一方、10質量%以下であると残存ラジカル発生剤の除去プロセスも不要であるため工業的に有利である。
ラジカル発生剤は、液体、または固体をそのまま使用することもできるが、安全面からの必要に応じて、有機溶剤に溶解、あるいは懸濁して使用することもできる。この場合、反応温度により溶剤は選択されるが、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが用いられる。
電子線照射によってラジカルを発生させる場合、従来公知の方法を利用することができる。電子線の場合の加速電圧としては0.1〜10MeV、照射線量としては1〜500kGyの範囲が適当である。線源としては、例えばタングステンフィラメントが挙げられる。
本発明で行う架橋反応においては、ラジカル発生剤を使用することが好ましく、過酸化物を使用することがより好ましい。
架橋方法としては特に制限はないが、例えばα−オレフィン重合体と、上記のラジカル発生剤とを、ロールミル、バンバリーミキサー、押出し機などを用いて、連続的に溶融混練して反応させる方法、あるいは無溶媒、またはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンなどの炭化水素系溶剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤や、液化α−オレフィンなどの適当な有機溶媒中において、バッチで反応させる方法を用いることができる。
本発明の架橋オレフィン重合体は、原料として特定のα−オレフィンを用いた比較的低分子量の重合体を使用する。さらに当該α−オレフィン重合体は適度な立体規則性を有するものである。したがって、α−オレフィン重合体の融点を低くすることができるため、溶媒を使用しなくても溶融により架橋反応を行うことができ、反応効率面において有利になり、高い架橋率が得られると予想される。またα−オレフィン重合体が軟質であることで、架橋反応時の混合が容易であることも高い架橋率に影響すると予想される。上記の理由で、高い架橋率を達成する向上させる場合は、溶媒を使用せず溶融させて架橋反応を行うことが好ましい。
反応温度は、目的に合わせて適宜決定できるが、溶融する場合は通常、10〜200℃、好ましくは20〜180℃であり、溶液反応の場合は通常、10〜100℃、好ましくは10〜60℃である。本発明のα−オレフィン重合体は比較的低い融点を有するため、溶融する際に必ずしも高い温度を必要とはしない。したがって、架橋時の副反応である炭化水素鎖の開裂が起こりにくく、目的の架橋オレフィン重合体を得ることができる。
また架橋率を上げるためにはラジカル発生剤の1時間半減期温度より高いことが好ましく、より好ましくは10℃以上高い温度であり、さらに20℃以上高い温度が好ましい。
本発明において、架橋率を向上させるためには反応系中の酸素濃度を制御することが好ましく、酸素濃度5vol%以下の雰囲気下で架橋反応を行うことが好ましく、1vol%以下がより好ましい。
上記方法によって得られる本発明の架橋オレフィン重合体は、架橋率が20%以上のものである。なお、本発明において架橋率は以下の計算式(I)によって求められる。
架橋率(%)=乾燥後のn−ヘプタン不溶部の質量(g)/1g×100 (I)
ここで、乾燥後のn−ヘプタン不溶部の質量とは、1gの架橋オレフィン重合体を10gのn−ヘプタンに65℃で30分間浸漬し、n−ヘプタン不溶部をろ過により分離し、80℃にて1時間減圧乾燥した後の質量である。
本発明の架橋オレフィン重合体の架橋率は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。なお、架橋反応時において架橋率を制御する場合は、上記のようにラジカル発生剤の種類や量、温度、酸素濃度等の調整によって行うことができる。
本発明の架橋オレフィン重合体は、軟質で、かつ高い架橋率を達成することができる。すなわち、軟質であり、かつ形状記憶性に優れるという特性を有し、衝撃吸収材、粘着剤、オイル吸収剤、電子部品の封止及び接着剤などの用途において好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
〔立体規則性指標値MM〕
上記の方法により求めた。
〔固有粘度[η]〕
上記の方法により求めた。
〔分子量分布(Mw/Mn)〕
上記の方法により求めた。
〔融点〕
上記の方法により求めた。
〔架橋率の測定方法〕
20mLのサンプル瓶に架橋オレフィン重合体1gおよび10gのn−ヘプタンを混合し、キャップをした後、65℃の湯浴につけた。30分後にろ紙を用いて分離した後、80℃、1時間減圧乾燥し、残留した架橋オレフィン重合体(ヘプタン不溶部)の質量を測定した。下式より架橋率を算出した。
架橋率(%)=乾燥後のn−ヘプタン不溶部の質量(g)/1g×100
なお、ろ紙は、JIS P3801:1995に記載の5種A〔ろ水時間(s)が70以下、湿潤破裂強さ(kPa)が1.47以上、沈殿保持性が水酸化鉄〕を用いた。
〔加熱加重後の変形率の測定方法〕
約4mm×10mm×10mmに切り出した架橋オレフィン重合体を2.0cm四方のテフロン(登録商標)シート2枚の間に該シート間が約4mmになるように挟み、さらに該シートの上から100gの分銅を載せ、150℃で、1時間放置した。その後、分銅を外し、該シート間隔を測定し、下記の式より加熱加重後の変形率を算出した。
加熱加重後の変形率={(加熱加重前のシート間距離−加熱加重後に加重を外したときのシート間距離)/加熱加重前のシート間距離}×100
製造例1
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの製造
シュレンク瓶に(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデン)のリチウム塩3.0g(6.97mmol)をTHF(テトラヒドロフラン)50mlに溶解し−78℃に冷却した。ヨードメチルトリメチルシラン2.1ml(14.2mmol)をゆっくりと滴下し室温で12時間撹拌した。
溶媒を留去し、エーテル50mlを加えて飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。分液後、有機相を乾燥し溶媒を除去して(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.88mmol)を得た(収率84%)。
次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に上記で得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04g(5.88mmol)とエーテル50mlを入れた。−78℃に冷却し、n−BuLiのヘキサン溶液(1.54M、7.6ml(1.7mmol))を滴下した。室温に上げ12時間撹拌後、エーテルを留去した。得られた固体をヘキサン40mlで洗浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.06g(5.07mmol)を得た(収率73%)。
1H−NMR(90MHz、THF−d8)による測定の結果は、以下のとおりである。
δ:0.04(s,18H,トリメチルシリル),0.48(s,12H,ジメチルシリレン),1.10(t,6H,メチル),2.59(s,4H,メチレン),3.38(q,4H,メチレン),6.2-7.7(m,8H,Ar-H)
窒素気流下で、上記で得られたリチウム塩をトルエン50mlに溶解した。−78℃に冷却し、ここへ予め−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム1.2g(5.1mmol)のトルエン(20ml)懸濁液を滴下した。滴下後、室温で6時間撹拌した。その反応溶液の溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタンにより再結晶化することにより、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド0.9g(1.33mmol)を得た(収率26%)。
1H−NMR(90MHz、CDCl3)による測定の結果は、以下のとおりである。
δ:0.0(s,18H,トリメチルシリル),1.02,1.12(s,12H,ジメチルシリレン),2.51(dd,4H,メチレン),7.1-7.6(m,8H,Ar-H)
製造例2
固体触媒の製造
窒素で置換した内容積500mlの攪拌機付三つロフラスコにジエトシマグネシウム16gを投入し、次いで脱水処理したオクタン80mlを加えた。40℃に加熱し、四塩化珪素2.4mlを加え、20分間攪拌し、フタル酸−ジ―n−ブチル(DNBP)を3.4ml加えた。溶液を80℃まで昇温し、引き続き摘下ロートを用いて四塩化チタン77mlを滴下した。内温を125℃として2時間接触させた。その後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。脱水オクタン100mlを加え、攪拌しながら125℃まで昇温し、1分間保持した後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。この洗浄操作を7回繰り返した。次いで、四塩化チタン122mlを加え、内温を125℃とし、2時間接触させた。その後、125℃の脱水オクタンによる洗浄を6回繰り返し、固体触媒成分を得た。
実施例1
(1)1−オクテン重合体の製造
加熱乾燥させた内容積1Lの攪拌機付きオートクレーブに、窒素気流下、1−オクテン400mLを投入した後、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.25mL(2.0mmol/mL)を投入した。その後、400rpmで攪拌しながら90℃まで昇温し、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを2.0μmol(10μmol/mLトルエン溶液、0.2mL)及びジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニルボレート)を8.0μmol(20μmol/mLヘプタンスラリー、0.4mL)を投入した。そして水素0.15MPaを導入し、1時間重合を行った。
重合終了後、メタノール3mLを投入し、重合反応を停止させた。脱圧後、反応混合物を減圧乾燥させることにより、1−オクテン重合体205gを得た。得られた1−オクテン重合体の分析値を第1表に示した。
(2)架橋1−オクテン重合体の製造
上記(1)で得られた4.4gの1−オクテン重合体および日本油脂社製パーブチルC(1時間半減期温度:137.3℃)0.04gを20mLのシュレンク瓶に仕込み、ガラス棒でよく混合した。その後、3回窒素置換し、1−オクテン重合体が窒素雰囲気を維持できるように窒素を流通させ、180℃のオイルバスを用いて20分加熱することにより、架橋1−オクテン重合体を得た。架橋1−オクテン重合体の物性値を第1表に示した。
実施例2
(1)1−デセン重合体の製造
加熱乾燥させた内容積1Lの攪拌機付きオートクレーブに、窒素気流下、1−デセン400mLを投入した後、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.25mL(2.0mmol/mL)を投入した。その後、400rpmで攪拌しながら70℃まで昇温し、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを2.0μmol(10μmol/mLトルエン溶液、0.2mL)及びジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニルボレート)を8.0μmol(20μmol/mLヘプタンスラリー、0.4mL)を投入した。そして水素0.1MPaを導入し、1時間重合を行った。
重合終了後、メタノール3mLを投入し、重合反応を停止させた。脱圧後、反応混合物を減圧乾燥させることにより、1−デセン重合体105gを得た。得られた1−デセン重合体の分析値を第1表に示した。
(2)架橋1−デセン重合体の製造
上記(1)で得られた4.2gの1−デセン重合体および日本油脂社製パーブチルC(1時間半減期温度:137.3℃)0.04gを20mLのシュレンク瓶に仕込み、ガラス棒でよく混合した。その後、3回窒素置換し、1−デセン重合体が窒素雰囲気を維持できるように窒素を流通させ、180℃のオイルバスを用いて20分加熱することにより、架橋1−デセン重合体を得た。架橋1−デセン重合体の物性値を第1表に示した。
実施例3
(1)1−テトラデセン重合体の製造
加熱乾燥させた内容積1Lの攪拌機付きオートクレーブに、窒素気流下、1−テトラデセン400mLを投入した後、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.25mL(2.0mmol/mL)を投入した。その後、400rpmで攪拌しながら70℃まで昇温し、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを2.0μmol(10μmol/mLトルエン溶液、0.2mL)及びジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニルボレート)を8.0μmol(20μmol/mLヘプタンスラリー、0.4mL)を投入した。そして水素0.1MPaを導入し、1時間重合を行った。
重合終了後、メタノール3mLを投入し、重合反応を停止させた。脱圧後、反応混合物を減圧乾燥させることにより、1−テトラデセン重合体105gを得た。得られた1−テトラデセン重合体の分析値を第1表に示した。
(2)架橋1−テトラデセン重合体の製造
上記(1)で得られた4.0gの1−テトラデセン重合体および日本油脂社製パーブチルC(1時間半減期温度:137.3℃)0.04gを20mLのシュレンク瓶に仕込み、ガラス棒でよく混合した。その後、3回窒素置換し、1−テトラデセン重合体が窒素雰囲気を維持できるように窒素を流通させ、180℃のオイルバスを用いて20分加熱することにより、架橋1−テトラデセン重合体を得た。架橋1−テトラデセン重合体の物性値を第1表に示した。
比較例1
(1)1−オクテン重合体の製造
充分乾燥され、乾燥窒素にて置換された内容積1Lの攪拌装置付きステンレス製オートクレーブに室温下で1−オクテン400mlを投入した。次いで、トリエチルアルミニウム1.0mmol、製造例2で調製した固体触媒成分16.3mg、ジシクロペンチルジメトキシシラン50μmolをオートクレーブに投入した。その後、水素を0.1MPaまで投入後、温度を70℃に昇温し、1時間重合を実施した。次にメタノール5mlを投入し、重合を停止させ、水素を脱圧し降温後、得られた重合溶液を、減圧乾燥することにより1−オクテン重合体105gを得た。得られた1−オクテン重合体の分析値を第1表に示した。
(2)1−オクテン重合体の架橋反応
上記(1)で得られた4.2gの1−オクテン重合体および日本油脂社製パーブチルC(1時間半減期温度:137.3℃)0.04gを20mLのシュレンク瓶に仕込み、ガラス棒でよく混合した。その後、3回窒素置換し、1−オクテン重合体が窒素雰囲気を維持できるように窒素を流通させ、180℃のオイルバスを用いて20分加熱することにより、1−オクテン重合体の架橋反応を行った。但し、1−オクテン重合体の粘度が高く、ラジカル発生剤(パーブチルC)を均一に混合することが困難であった。反応物の物性値を第1表に示した。
比較例2
(1)1−デセン重合体の製造
充分乾燥され、乾燥窒素にて置換された内容積1Lの攪拌装置付きステンレス製オートクレーブに室温下で1−デセン200mlおよび乾燥ヘプタン200mlを投入した。次いで、トリエチルアルミニウム1.0mmol、製造例2で調製した固体触媒成分16.3mg、ジシクロペンチルジメトキシシラン50μmolをオートクレーブに投入した。その後、水素を0.1MPaまで投入後、温度を35℃に昇温し、1時間重合を実施した。次にメタノール5mlを投入し、重合を停止させ、水素を脱圧し降温後、得られた重合溶液を、減圧乾燥することにより1−デセン重合体95gを得た。得られた1−デセン重合体の分析値を第1表に示した。
(2)1−デセン重合体の架橋反応
上記(1)で得られた4.5gの1−デセン重合体および日本油脂社製パーブチルC(1時間半減期温度:137.3℃)0.04gを20mLのシュレンク瓶に仕込み、ガラス棒でよく混合した。その後、3回窒素置換し、1−デセン重合体が窒素雰囲気を維持できるように窒素を流通させ、180℃のオイルバスを用いて20分加熱することにより、1−デセン重合体の架橋反応を行った。但し、1−デセン重合体が硬く、ラジカル発生剤(パーブチルC)を均一に仕込むことができなかった。反応物の物性値を第1表に示した。
Figure 2009269978
本発明によれば、軟質で、かつ高い架橋率を有する架橋オレフィン重合体を得ることができる。本発明の架橋オレフィン重合体は、軟質であり、かつ形状記憶性に優れるという特性を有し、衝撃吸収材、粘着剤、オイル吸収剤、電子部品の封止及び接着剤などの用途において好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 下記の(A)および(B)を満たすα−オレフィン重合体の架橋反応により得られる、架橋率が20%以上の架橋オレフィン重合体。
    (A)炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体、炭素数8〜30のα−オレフィン二種以上の共重合体、ならびに炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体であって炭素数8〜30のα−オレフィン単位が50モル%以上でありエチレン単位および/またはプロピレン単位が50モル%未満の共重合体、から選ばれるα−オレフィン重合体
    (B)固有粘度〔η〕が0.1〜4.0dl/g
  2. α−オレフィン重合体が、メタロセン触媒を用いて製造されたものである、請求項1に記載の架橋オレフィン重合体。
  3. 架橋反応前の混合物全量を基準として過酸化物を0.1〜10質量%使用し、当該過酸化物の1時間半減期温度より高い温度で架橋反応を行って得られたものである、請求項1または2に記載の架橋オレフィン重合体。
  4. 下記の(A)および(B)を満たすα−オレフィン重合体を原料として、架橋反応前の混合物全量を基準としてラジカル発生剤を0.1〜10質量%用いて架橋反応を行う、架橋オレフィン重合体の製造方法。
    (A)炭素数8〜30のα−オレフィンの単独重合体、炭素数8〜30のα−オレフィン二種以上の共重合体、ならびに炭素数8〜30のα−オレフィンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体であって炭素数8〜30のα−オレフィン単位が50モル%以上でありエチレン単位および/またはプロピレン単位が50モル%未満の共重合体、から選ばれるα−オレフィン重合体
    (B)固有粘度〔η〕が0.1〜4.0dl/g
  5. ラジカル発生剤として過酸化物を用いて架橋反応を行う、請求項4に記載の架橋オレフィン重合体の製造方法。
  6. 過酸化物の1時間半減期温度より高い温度で架橋反応を行う、請求項5に記載の架橋オレフィン重合体の製造方法。
  7. 酸素濃度5vol%以下の雰囲気下で架橋反応を行う、請求項4〜6のいずれかに記載の架橋オレフィン重合体の製造方法。
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