JP2009269873A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保存安定性が良好で、べた付かず、肌なじみが良く、なめらかな使用感で、保湿効果、皮脂除去効果に優れるとともに、低刺激で安全性の優れた皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】 ケイ酸関連物質と果汁とエタノールからなる皮膚化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は皮膚化粧料に関する。詳しくは、保存安定性が良好で、べた付かず、肌なじみが良く、なめらかな使用感で、保湿効果、皮脂除去効果に優れるとともに、低刺激で安全性の優れた皮膚化粧料に関する。
従来、皮膚化粧料には、グリコールやグリセリンといった水和力の高い成分を用いて柔軟効果、保湿効果を得る化粧料や、アミノ酸やピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF(天然保湿因子)成分を用いて水分保持機能自身を高めて保湿効果を得る化粧料があった。グリコールやグリセリン等の成分を用いた場合には、効果を高めるために多量に配合するとべたつきを生じることとなり、NMF成分は微量で保湿効果を得ることができるが、保存時に変色、変臭などの問題が生じることがあった。一方、植物果実の果汁はビタミン類、α−ヒドロキシ酸、ミネラル等の様々な植物性活性要素を含有しており、新陳代謝を活発にするとともに収斂作用や保湿作用を有している。しかし、これらを化粧水等に配合すると経時変化により着色や「おり」等を生じるなど安定性が悪くなり易かった。
例えば、エリスリトールとNMF成分の組合せである化粧料の技術(特許文献1参照)や、ポリアスパラギン酸塩を保湿剤として配合する技術(特許文献2参照)、植物果実果汁を配合した化粧料の技術(特許文献3参照)があった。一方、ケイ酸関連物質を配合する技術としては、表皮角質化促進剤(特許文献4参照)、コラーゲン代謝改善剤(特許文献5参照)があった。
特開2004−2217号公報 特開平6−157237号公報 特開平9−175982号公報 特許第3227378号公報 特許第3187636号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、使用時にべたつき感を感じる傾向があり、特許文献2の技術では、保存時ににおいが生じ、しっとり感に欠けることがあった。特許文献3の技術では、経時変化により着色やおりが生じ、安定性が悪くなりやすかった。特許文献4の技術は、皮膚バリアー機能を改善する化粧料の技術であり、本発明の保存安定性及び使用感に関する記載はなかった。特許文献5の技術は、コラーゲン代謝を改善する化粧品の技術であり、本発明の保存安定性及び使用感に関する記載はなかった。
上記の状況に鑑み、本発明は、保存安定性が良好で、べた付かず、肌なじみが良く、なめらかな使用感で、保湿効果、皮脂除去効果に優れるとともに、低刺激で安全性の優れた皮膚化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ケイ酸関連物質と果汁とエタノールを配合することによって上記課題を解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の皮膚化粧料は、下記成分(A)〜(C)を含有することを特徴とするものである。
(A)ケイ酸関連物質
(B)果汁
(C)エタノール
本発明の皮膚化粧料は、保存安定性が良好で、べた付かず、肌なじみが良く、なめらかな使用感で、保湿効果、皮脂除去効果に優れるとともに、低刺激で安全性の優れた皮膚化粧料を提供することができる。
本発明の皮膚化粧料で用いる(A)ケイ酸関連物質は、ケイ酸及びその塩を指し、例えばメタケイ酸、オルトケイ酸、メタ二ケイ酸、メタ三ケイ酸等のケイ酸及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩等であり、具体的にはメタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、水ガラス等が挙げられる。
ケイ酸塩は、水に不溶であること、メタケイ酸、オルトケイ酸は溶液中にしか存在しないこと、メタケイ酸塩のカルシウム塩、マグネシウム塩は水に不溶であることから、本発明の皮膚化粧料としては、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、水ガラスが利用しやすいため好ましい。
本発明の皮膚化粧料で用いる(A)ケイ酸関連物質の製剤への配合量は、特に制限されないが、皮膚化粧料に対して0.0001〜0.5質量%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.1質量%の範囲である。この範囲では、使用感に優れ、皮膚刺激などの安全性が向上可能な製剤を得ることができる。
また、本発明の皮膚化粧料で用いる(B)果汁としては、例えば、オレンジ果実、リンゴ果実、いちご果実、レモン果実、モモ果実等の果実を圧搾などにより得られた果汁を挙げることができる。更に好ましくは、柑橘系果実から得られるオレンジ果汁、レモン果汁である。
これらの果汁は、必要に応じて、1種又は2種以上を用いることができる。これらの果汁の製剤への配合量は前記果汁の配合量の合計量が皮膚化粧料に対して0.001〜10質量%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜5質量%の範囲である。この範囲では、皮膚刺激などの安全性が向上可能で、好感触な製剤を得ることができる。
また、本発明の皮膚化粧料で用いる(C)エタノールの製剤への配合量は皮膚化粧料に対して0.1〜20質量%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは3〜15質量%の範囲である。この範囲では、安定に配合しながら、皮膚刺激などの安全性が向上可能で、好感触な製剤を得ることができる。
本発明の皮膚化粧料の使用方法としては、肌に直接塗布してもよいが、コットン、ティッシュペーパー、不織布等の含浸可能な材質のものに適量含ませて、ふき取って使用する方法が好ましい。コットン等で、ふき取ることにより、皮脂等の汚れが除去でき、肌なじみ等の肌実感において好感触を得ることができる。
本発明の皮膚化粧料には、上記原料の他、一般に化粧料に適用される各種の原料や成分を本発明の効果を損ねない範囲で適宜配合することができる。このような原料、成分としては、多価アルコール、水、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、キレート剤、薬剤、植物エキス等が挙げられる。
本発明の皮膚化粧料としては、化粧水、美容液、ボディローション等の皮膚化粧料があげられる。さらに、製品の形態についても特に制限はないが液状、二層状、ジェル状等に適用が可能である。
以下、実施例及び比較例をもって本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例を含め、本発明の全説明において、配合割合は全て質量%である。
(化粧水の製法)
精製水にメタケイ酸ナトリウム、果汁を溶解する(水相)。エタノールにフェノキシエタノールを溶解する(アルコール相)。水相、アルコールを混合して調製する。
《実施例1〜8、比較例1〜3》
常法により実施例1〜8と比較例1〜3の皮膚化粧料を調製した。この11種類の皮膚化粧料を、熟練したパネラー20名がそれぞれ使用し、(イ)使用感についての官能評価(肌なじみ、なめらか感、べたつきの無さ及び刺激感の無さの4項目)及び(ロ)効果の測定評価(保湿効果及び皮脂除去効果の2項目)の6項目について評価を実施し、表1に示す評価を得た。また、別途保存安定性についても評価した。これらの評価基準は下記に示す。
(官能評価)
20名中「良い」と答えた人数 評 価
15人以上 ◎
10〜14人 ○
5〜9人 △
0〜4人 ×
(保湿効果)
CORNEOMETER((株)インテグラル社製)を用いて頬部の皮膚水分量を測定した。化粧水でふき取って、10分後の肌の水分量を測定した(温度20℃ 湿度50%)。なお、評価基準は下記に示す。
評 価
水分量60以上 ○
水分量50以上60未満 △
水分量50未満 ×
(皮脂除去効果)
SEBUMETER SM815((株)インテグラル社製)を用いて頬部の皮脂量を測定した。化粧水ふき取り前の皮脂量と、ふき取り後の皮脂量を測定し、以下の計算式で皮脂除去率(%)を求めた。
皮脂除去率(%)=100−(ふき取り後の皮脂量/ふき取り前の皮脂量×100)なお、評価基準は下記に示す。
評 価
皮脂除去率30%以上 ◎
皮脂除去率20%以上30%未満 ○
皮脂除去率15%以上20%未満 △
皮脂除去率15%未満 ×
(保存安定性評価)
実施例および比較例のサンプルをガラスビンに入れ、5℃と40℃で1ヶ月間放置後の状態及び外観を観察し、明らかに異常が認められる場合(変色、析出)を×で表し、わずかに異常が認められる場合(変色、析出)を△で表し、異常が認められない場合を○で表した。
Figure 2009269873
《実施例9》
化粧水
エタノール 10.0
メタケイ酸ナトリウム 0.01
オレンジ果汁(香栄興業(株)製) 1.0
グリセリン 1.0
炭酸水素ナトリウム 0.01
炭酸ナトリウム 0.01
EDTA−4Na 0.01
フェノキシエタノール 0.05
香料 適 量
精製水 残 余
(合計100)
常法により調製した実施例9の化粧水は、刺激が無く、すべすべ感、しっとり感、保存安定性に優れたものであった。
《実施例10》
美容液
グリセリン 5.0
1.3ブチレングリコール 5.0
エタノール 3.0
メタケイ酸ナトリウム 0.001
オレンジ果汁 2.0
コモソルブルSA(セーレン社製) 0.1
カルボマー 0.12
水酸化カリウム 0.05
EDTA−4Na 0.01
ユーキシルPE9010 0.1
香料 適 量
精製水 残 余
(合計100)
常法により調製した実施例10の美容液は、刺激が無く、肌なじみが良く、べたつきがなく、すべすべ感、保存安定性に優れたものであった。
《実施例11》
ボディローション
1.3ブチレングリコール 15.0
メタケイ酸ナトリウム 0.05
エタノール 5.0
オレンジ果汁 0.5
レモン果汁 1.0
水溶性セラミドRC(一丸ファルコス社製) 0.1
フェノキシエタノール 0.1
香料 適 量
精製水 残 余
(合計100)
常法により調製した実施例11のボディローションは、べた付かず、肌なじみが良く、しっとり感、保存安定性にすぐれたものであった。

Claims (3)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含有する皮膚化粧料。
    (A)ケイ酸関連物質
    (B)果汁
    (C)エタノール
  2. 果汁が、柑橘系果実から得られる果汁である請求項1に記載の皮膚化粧料。
  3. 使用方法が、コットン等に含ませて、ふき取って使用する請求項1または2のいずれか1項に記載の皮膚化粧料。
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