JP2009267367A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン酸化膜のパターンに対して平坦性の高い平坦化処理が可能な半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する前記研磨スラリーを弾性率が300MPa乃至600MPaである前記研磨パッド上に供給した状態で、研磨圧力が50hPa乃至200hPaであり、前記研磨パッドの回転数が10rpm乃至80rpmである条件で前記被研磨体を前記研磨パッドに当接させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、半導体装置の製造プロセスに用いられる平坦化技術としては、化学的機械的研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing法)が主流となっている。特に、シリコン酸化膜のCMPプロセスは、STI(Shallow Trench Isolation)形成やPMD(Pre Metal Dielectric)平坦化等に用いられており、デバイス製造において不可欠であり、半導体装置の製造プロセスにおいて非常に重要な位置づけとなっている。
従来、CMPプロセスにおいて発生するディッシング等の平坦性の劣化は、パターンのデザインにより回避している。しかしながら、大面積の凸部を有するパターンの場合には、パターンのデザインだけではディッシング等の平坦性の劣化を回避できない。このため、大面積の凸部を平坦化する際にディッシング等の平坦性の劣化を生じない技術が求められている。
従来、ディッシングの発生を防止する観点からは、例えば研磨液に少なくとも1つの親水基を有する分子量100以上の有機化合物を添加する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、大面積の凸部の領域を上記従来の技術を用いて平坦化しようとすると、研磨パッドの弾性変形により凸部の端部のみに高圧力が印加され、凸部の中心側に向かうに従って印加される圧力が低下するため、均一な研磨が行われずに平坦性が劣化する、という問題がある。このような現象は、2mm角以上の大面積で、かつ凸部被覆率が80%以上の高密度パターンで顕在化する。
特許第3278532号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シリコン酸化膜のパターンに対して平坦性の高い平坦化処理が可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明の一態様によれば、研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する前記研磨スラリーを弾性率が400MPa乃至600MPaである前記研磨パッド上に供給した状態で、研磨圧力が50hPa乃至200hPaであり、前記研磨パッドの回転数が10rpm乃至80rpmである条件で前記被研磨体を前記研磨パッドに当接させること、を特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
また、本願発明の他の態様によれば、研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、前記研磨スラリーが、表面にカチオン性官能基を有する樹脂粒子と酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有すること、を特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
また、本願発明の他の態様によれば、研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、表面にカチオン性官能基を有する樹脂粒子と酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する前記研磨スラリーを弾性率が400MPa乃至600MPaである前記研磨パッド上に供給した状態で、研磨圧力が50hPa乃至200hPaであり、前記研磨パッドの回転数が10rpm乃至80rpmである条件で前記被研磨体を前記研磨パッドに当接させること、を特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、シリコン酸化膜のパターンに対して平坦性の高い平坦化処理が可能な半導体装置の製造方法を提供することができる、という効果を奏する。
図1は、この発明の実施形態に従った半導体装置の製造方法により平坦化処理を実施する処理対象の一例を示す断面図である。 図2は、この発明の実施形態に従った半導体装置の製造方法を適用してシリコン酸化膜の平坦化処理を行う研磨装置の概略構成を示す模式図である。 図3は、従来のシリコン酸化膜のCMP処理を説明するための模式図である。 図4は、この発明の一実施形態に従った高弾性率の研磨パッドによるシリコン酸化膜のCMP処理を説明するための模式図である。 図5は、この発明の他の実施形態に従ったカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を研磨スラリーに含有させることによる作用を説明するための模式図である。 図6は、この発明の他の実施形態に従ったカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を研磨スラリーに含有させることにより、酸化セリウム粒子が研磨パッドに固定された状態を説明するための模式図である。 図7は、高弾性率の研磨パッドと、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させた研磨スラリーと、を組み合わせた場合のCMP処理を説明するための模式図である。 図8は、この発明の実施形態に従った試料を説明するための模式図である。 図9は、この発明の実施形態に従った試料を説明するための模式図である。 図10は、この発明の実施形態に従った実施例のCMP処理条件を示す図である。 図11は、この発明の実施形態に従った比較例のCMP処理条件を示す図である。 図12は、この発明の実施形態に従った実施例のCMP処理条件を示す図である。 図13は、この発明の実施形態に従った比較例のCMP処理条件を示す図である。 図14は、この発明の実施形態に従ったパターンAの試料の実施例および比較例のCMP処理結果を示す図である。 図15は、この発明の実施形態に従ったパターンBの試料の実施例および比較例のCMP処理結果を示す図である。 図16は、この発明の実施形態に従ったパターンBの試料の実施例および比較例のCMP処理結果を示す図である。 図17は、この発明の実施形態に従ったパターンBの試料の実施例および比較例のCMP処理結果を示す図である。 図18は、この発明の実施形態に従った実施例と比較例とのCMP処理後の研磨面の状態を示す模式図である。 図19は、この発明の実施形態に従った実施例の研磨スラリーにおけるアニオン性界面活性剤の含有量と酸化セリウムの凝集粒子径との関係を示す図である。 図20は、研磨スラリーの温度を変化させた場合のζ(ゼータ)電位の変化を示す特性図である。 図21は、研磨スラリーの温度が高温である場合の酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤との吸着状態を示す模式図である。 図22は、研磨スラリーの温度が低温である場合の酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤との吸着状態を示す模式図である。 図23は、シリコン酸化膜のCMP処理での、研磨荷重と研磨速度との関係の研磨スラリー温度による変化の一例を示す特性図である。 図24は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにおける凹部保護状態を示す模式図である。 図25は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーにおける凹部保護状態を示す模式図である。 図26は、酸化セリウム粒子の含有量が多い研磨スラリーを用いたCMP処理時のシリコン酸化膜−研磨パッド間の状態を説明するための模式図である。 図27は、酸化セリウム粒子の含有量が少ない研磨スラリーを用いたCMP処理時のシリコン酸化膜−研磨パッド間の状態を説明するための模式図である。 図28は、この発明の実施形態に従った半導体装置の製造方法を適用してシリコン酸化膜のCMP処理を行う研磨装置の概略構成を示す模式図である。 図29は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを用いたシリコン酸化膜のCMP処理における研磨パッドの表面温度特性の一例を示す特性図である。 図30は、この発明の実施形態に従った試料を説明するための模式図である。 図31は、この発明の実施形態に従った実施例のCMP処理条件を示す図である。 図32は、この発明の実施形態に従った試料を説明するための模式図である。 図33は、この発明の実施形態に従った研磨パッドの深さと弾性率との関係の一例を示す特性図である。 図34は、この発明の実施形態に従った試料を説明するための模式図である。 図35は、この発明の実施形態に従った実施例および比較例のスクラッチの発生状態とグローバル平坦性を示す図である。 図36は、この発明の実施形態に従った実施例および比較例のグローバル平坦性を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変型例も包含する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を適用してCMPにより平坦化処理を実施する処理対象の一例である半導体基板10を示す断面図である。半導体基板10は、凸部13aと凹部14aとからなる微細なパターンが形成された凸部被覆率(凸部の割合)が80%以上である2mm角以上の領域を有するシリコン基板11上に、絶縁膜としてシリコン酸化膜12が形成されている。なお、シリコン基板11には、トランジスタの拡散層やゲート等の各種のデバイス部分が適宜形成されているが、ここでは図示を省略している。また、シリコン酸化膜12には、凸部13と凹部14とが形成されている。ここで、凸部被覆率が80%以上で2mm角以上の領域に及んで微細なパターンが形成されている場合、この微細なパターンがシリコン酸化膜12成膜時に閉塞し、大面積の凸部13が形成される。以下では、このような凸部13に対して平坦性の高い平坦化処理を行うことが可能な半導体装置の製造方法について説明する。
図2は、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を適用して半導体基板10のシリコン酸化膜12の平坦化処理を行う研磨装置の概略構成を示す模式図である。この研磨装置は、回転可能な研磨定盤(研磨テーブル)21と、研磨定盤21上に貼付されたポリウレタン樹脂からなる研磨パッド22と、研磨定盤21の上方に配置されており、回転可能な真空チャックホルダ23と、研磨液タンクに接続されるとともに吐出部が研磨パッド22近傍まで延出した研磨液供給用配管24を備えて構成されている。研磨対象となる試料20は、研磨パッド22に被研磨面が対向するように真空チャックホルダ23に真空チャックされる。また、研磨液供給用配管24は、研磨液の供給量を制御する手段(図示せず)を備えている。
つぎに、この研磨装置を用いて半導体基板10のシリコン酸化膜12にCMPを施して平坦化処理を行う方法について説明する。
図3は、従来のシリコン酸化膜のCMP処理を説明するための模式図である。図3に示されるように、シリコン酸化膜12のCMP処理に際して、研磨パッド101上に酸化セリウム粒子103とアニオン性界面活性剤102とを含有する研磨スラリーが供給される。ここで、アニオン性界面活性剤102としては、例えばポリカルボン酸またはその塩を使用することができ、研磨パッド101とシリコン酸化膜12との間で、アニオン性界面活性剤102が砥粒である酸化セリウム粒子103を被覆した状態となっている。
従来、シリコン酸化膜12のCMPにおいて一般的に使用されている研磨パッド101は、弾性率が300MPa程度と小さく、CMP処理時に弾性変形しやすい。また、従来、シリコン酸化膜12のような硬質材料のCMP処理において一般的に使用されている研磨圧力は30hPa乃至700hPa程度であるが、生産効率を向上させるためにこの範囲の中でも高い圧力が使用されている。また、従来、シリコン酸化膜12のような硬質材料のCMP処理において一般的に使用されている研磨パッド101の回転数は5rpm〜200rpm程度であるが、生産効率を向上させるためにこの範囲の中でも高い回転数が使用されている。すなわち、シリコン酸化膜12は、銅(Cu)などの材料と比較して硬い材料であり、研磨されにくい。このため、生産効率を向上させるために上記の範囲の中でも高圧力、高回転の条件が使用されているが、このような条件ではCMP処理時に研磨パッド101が弾性変形しやすい。
そして、例えば凸部被覆率が80%以上である2mm角以上の面積を有するシリコン酸化膜12にCMP処理を施す場合には、シリコン酸化膜12の凸部13のエッジ部に圧力が集中し、該エッジ部の研磨が選択的に進行する。これに対し、凸部13のエッジ部分から中央部へ向かうにつれて圧力は低下し、シリコン酸化膜12の凸部13の中央部近辺は実質的に圧力が印加されづらく、研磨が進行しにくい。この結果、平坦性(グローバル平坦性)が低下する傾向がある。
そこで、一実施の形態では、弾性率が400MPa乃至600MPaである高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに、研磨条件は研磨圧力を50hPa乃至200hPaとし、研磨パッドの回転数を10rpm乃至80rpmとして研磨を行う。ここで、弾性率は、ナノインデンター法により測定した値である。なお、動的粘弾性測定法により、研磨パッド全体(バルク部)の弾性率を測定することもできる。
図4は、一実施の形態における高弾性率の研磨パッドによるシリコン酸化膜のCMP処理を説明するための模式図である。図4に示されるように、シリコン酸化膜12のCMP処理に際して、研磨パッド22上に酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とを含有する研磨スラリーが供給される。ここで、アニオン性界面活性剤32として、従来と同様にポリカルボン酸またはその塩を使用することができ、研磨パッド22とシリコン酸化膜12との間で、アニオン性界面活性剤32が砥粒である酸化セリウム粒子31を被覆した状態となっている。
一実施の形態では、高弾性率の研磨パッド22を用いることで、CMP処理時における研磨パッド22の弾性変形を抑制することができ、さらに、研磨圧力を低く設定することで、CMP処理時における研磨パッド22の弾性変形をさらに抑制することができる。これに加えて、研磨パッド22の回転数を低く設定することで、研磨粒子である酸化セリウム粒子31が研磨パッド22外へ飛散しづらくなり、酸化セリウム粒子31が研磨パッド22へ固定されやすくなり、平坦性を改善するとともに効率的なCMP処理が可能となる。
研磨パッド22の弾性率が400MPa未満である場合には、CMP処理時に研磨パッド22が大きく弾性変形してしまい、シリコン酸化膜12の平坦性の改善効果が小さい。研磨パッド22の弾性率が600MPaよりも大である場合には、研磨面におけるスクラッチが増加する。
また、研磨圧力が50hPa未満である場合には、研磨速度が低下(凸部研磨力が低下)し、シリコン酸化膜12の平坦性の改善効果が小さい。研磨圧力が200hPaより大きい場合には、研磨パッド22の弾性変形が大きくなり、シリコン酸化膜12の平坦性の改善効果が小さい。また、研磨パッド22の回転数が10rpm未満である場合には、遠心力の低下により研磨面における研磨スラリーの供給不足が発生し、研磨速度が低下する。研磨パッドの回転数が80rpmより大きい場合には、遠心力により研磨面に酸化セリウム粒子31が保持されづらく、シリコン酸化膜12の平坦性が劣化する虞が生じる。
このような高弾性率の研磨パッド22としては、例えば無発泡材により構成された研磨パッドが挙げられるが、これに限定されるものではなく、発泡材料により構成された高弾性率の研磨パッドを用いることもできる。
また、従来の研磨スラリーでは、図3に示すようにアニオン性界面活性剤102に被覆された砥粒である酸化セリウム粒子103が研磨パッド101に固定されていないため、遊離砥粒がシリコン酸化膜12の凹部14に進入し、凹部14の研磨を進行させる。さらに、遊離砥粒によりシリコン酸化膜12の凸部13を研磨するのに有効な砥粒(酸化セリウム粒子103)が減少し、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比が低下し、シリコン酸化膜12の平坦性が不十分となる傾向がある。
そこで、他の実施の形態では、アニオン性界面活性剤32(例えばポリカルボン酸またはその塩)に被覆された研磨粒子(酸化セリウム粒子31)の研磨パッド22への固定化効果を高めるため、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33とを含有する研磨スラリーを使用する。図5は、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33を研磨スラリーに含有させることによる作用を説明するための模式図である。
研磨パッド(研磨布)22と樹脂粒子33は、ともに有機材料であり、有機材料同士の分子間力(ファンデルワールス力)によって両者は相互作用しやすい。しかも、一般にポリウレタン樹脂からなる研磨パッド22の表面は、ポリウレタン樹脂の加水分解により、OH基やCOOH基が存在し、マイナスに帯電している。このため、電気的相互作用によりカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33は研磨パッド22に吸着する。さらに、砥粒である酸化セリウム粒子31を被覆しているアニオン性界面活性剤32はマイナスに帯電しているため、同じく電気的相互作用によりカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33は酸化セリウム粒子31にも吸着する。
したがって、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とを含有する研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33を含有させることで、研磨パッド22に対する砥粒(酸化セリウム粒子31)固定の作用が発生し、砥粒(酸化セリウム粒子31)のシリコン酸化膜12の凹部14への進入を抑制するため、シリコン酸化膜12の凸部13のみを効率的に研磨することが可能になる。図6は、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33を研磨スラリーに含有させることにより、酸化セリウム粒子31が研磨パッド22に固定された状態を説明するための模式図である。さらに、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33がシリコン酸化膜12上に吸着し、シリコン酸化膜12の凹部14を保護するため、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比が向上し、シリコン酸化膜12の平坦性を改善することが可能になる。
ここで、研磨スラリーにおけるカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の濃度は、0.001wt%〜10wt%とすることが好ましい。カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の濃度が0.001wt%未満の場合には、シリコン酸化膜12の平坦性の改善効果が小さい。カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の濃度が10wt%より大である場合には、研磨速度が低下し、またシリコン酸化膜12の平坦性の改善効果が小さい。
また、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の平均粒子径は、10nm〜3μmの範囲のものを用いることが好ましい。カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の平均粒子径が10nm未満の場合には、シリコン酸化膜12の平坦性の改善効果が小さい。カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の平均粒子径が3μmより大である場合には、粒子凝集が生じ、研磨面のスクラッチが増加する。
図7は、高弾性率(高硬度)の研磨パッドと、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させた研磨スラリーと、を組み合わせた場合のCMP処理を説明するための模式図である。図7に示すように、上述した無発泡材(無発泡ポリウレタン樹脂)より構成した高弾性率(高硬度)の研磨パッド22と、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33を含有させた研磨スラリーと、を組み合わせてCMP処理を行うことにより、CMP処理時における研磨パッド22の弾性変形を抑制し、また酸化セリウム粒子31を研磨パッド22へ固定することができ、シリコン酸化膜12の平坦性をさらに改善することができる。
また、本実施の形態では、アニオン性界面活性剤32の分子量を低分子量化することで、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32の凝集を緩和する。これにより、研磨圧力に敏感な研磨速度を得ることができ、シリコン酸化膜12の平坦性を向上させることができる。これは、アニオン性界面活性剤32の低分子量化により、砥粒(研磨粒子)である酸化セリウム粒子31の表面に吸着した界面活性剤の疎水部相互作用が弱くなり、粒子凝集を緩和することができるためである。
ここで、アニオン性界面活性剤32の分子量は、500〜10,000とし、好ましくは500〜5,000とする。アニオン性界面活性剤32の分子量が500未満である場合には、アニオン性界面活性剤32による酸化セリウム粒子31の被覆が不十分となり、研磨圧力が低い場合でも研磨が進みやすいためシリコン酸化膜12の平坦性が不十分となる虞があり、また研磨面におけるスクラッチが増加する。アニオン性界面活性剤32の分子量が10,000より大である場合には、酸化セリウム粒子31の凝集が大きくなるため研磨速度が低下し、シリコン酸化膜12の平坦性が不十分となる虞がある。
また、研磨スラリーにおけるアニオン性界面活性剤32の濃度は、0.001wt%〜10wt%の範囲とすることが好ましい。アニオン性界面活性剤32の濃度が0.001wt%未満の場合は、シリコン酸化膜12の平坦性が不十分となる虞がある。アニオン性界面活性剤32の濃度が10wt%より大である場合は、シリコン酸化膜12の平坦性が不十分となる虞があり、また研磨面のスクラッチが増加する。
一方、研磨スラリーにおける砥粒である酸化セリウム粒子31の濃度は、0.05wt%〜10wt%の範囲とすることが好ましい。酸化セリウム粒子31の濃度が0.05wt%未満の場合には研磨速度が低下する。酸化セリウム粒子31の濃度が10wt%より大である場合には研磨面におけるスクラッチが増加する。
なお、酸化セリウム粒子31は、一次粒子径が5nm〜100nmの範囲のものを用いることが好ましい。一次粒子径が5nm未満の場合は、研磨速度が低下する。一次粒子径が100nmより大である場合は粒子が凝集しやすくなり、研磨スラリーにおいて凝集した粒子の沈降が生じるため、研磨面におけるスクラッチが増加する。酸化セリウム粒子31の一次粒子径は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)や走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で直接測定することができ、本実施の形態ではTEMによる測定値を基準としている。
また、酸化セリウム粒子31の二次粒子径は、50nm〜3μmの範囲であることが好ましい。二次粒子径が50nm未満の場合には、研磨速度が低下する。二次粒子径が3μmより大である場合、研磨面におけるスクラッチが増加する。二次粒子径は、ブラウン運動による散乱光の揺らぎによって粒子径を測定する、一般に用いられている動的な光散乱法による測定値である。
上述したように、一実施の形態にかかる半導体装置の製造方法によれば、凸部被覆率が80%以上である2mm角以上のパターンを有するシリコン酸化膜12の平坦化処理において、弾性率が400MPa乃至600MPaである高弾性率(高硬度)の研磨パッド22を用いるとともに、研磨圧力を50hPa乃至200hPaとし、研磨パッド22の回転数を10rpm乃至80rpmとして研磨を行う。これにより、CMP処理時における研磨パッド22の弾性変形を抑制することができ、また研磨粒子である酸化セリウム粒子31が研磨パッド22へ固定されやすくなり、平坦性を改善するとともに効率的なCMP処理が可能となる。
また、他の実施の形態にかかる半導体装置の製造方法によれば、凸部被覆率が80%以上である2mm角以上のパターンを有するシリコン酸化膜12の平坦化処理において、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33とを含有する研磨スラリーを使用する。これにより、砥粒(酸化セリウム粒子31)のシリコン酸化膜12の凹部14への進入を抑制し、砥粒(酸化セリウム粒子31)を研磨パッド22に対して固定するため、シリコン酸化膜12の凸部13のみを効率的に研磨することが可能になる。しかも、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33がシリコン酸化膜12上に吸着し、シリコン酸化膜12の凹部14を保護するため、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比が向上し、シリコン酸化膜12の平坦性を改善することが可能になる。
さらに、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法によれば、凸部被覆率が80%以上である2mm角以上のパターンを有するシリコン酸化膜12の平坦化処理において、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33とを含有する研磨スラリーの使用、並びに研磨圧力および研磨パッド22の回転数を低く設定した状態での高弾性率(高硬度)の研磨パッド22の使用のうち、少なくとも一つの条件を満たす状態で、アニオン性界面活性剤32の分子量を低分子量化することで、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32の凝集を緩和する。これにより、研磨圧力に敏感な研磨速度を得ることができ、シリコン酸化膜12の平坦性を向上させることが可能になる。
したがって、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法によれば、シリコン酸化膜12のパターンに対して平坦性の高い平坦化処理が可能である。
上述したような本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等のデバイスの製造に用いて好適である。CMOSイメージセンサー等のデバイスでは、半導体チップ内において周辺回路部等と大面積を占める画素部とが存在するが、画素部は周辺回路部よりも微細なパターンを密に有する。このため、画素部では、例えばゲート等の微細で密なパターン間の窪みが、1層目の金属配線層下でトランジスタ等が形成された基板を覆うPMD成膜時に閉塞し、その結果として画素部に大面積の凸部の領域が形成される場合がある。
そして、大面積の凸部をCMPにより平坦化した場合には、ディッシングが発生して平坦性が劣化する虞があるが、画素部のパターンはデザイン制約が厳しく、デザインによりこの問題を回避することはできない。一方、大面積の凸部において、閉塞したPMD膜に対してリソグラフィー法およびRIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチング法を適用して微細な凹凸パターンを形成した上で、CMPにより平坦化する方法も考えられる。しかしながらこの場合は、CMPに適した凹凸パターンのデザインに多大な労力を要し、かつ工程数やプロセスコストの大幅な増大を招くという問題も生じる。そこで、上述したような本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を用いることにより、画素部に形成される大面積の凸部の領域に対しても、工程数等の増大を招くことなく平坦性の高い平坦化処理が可能である。
以下、上述した実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を適用した実施例について、比較例と比較しながら説明する。図8は、パターンAの試料を説明するための模式図である。まず、図8に示すように、シリコン基板41A上に通常のリソグラフィー法およびドライエッチング法により高さ600nmの段差43Aを形成し、段差43Aのラインアンドスペースの寸法を変更させることにより、凸部被覆率が高い(90%)領域A−90と凸部被覆率が低い(10%)領域A−10とを有するパターンAを形成した。領域A−90と領域A−10とは、それぞれ4mm□の面積を有する。このシリコン基板41A上に、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO膜)42Aを1,100nmの厚さで形成し、パターンAの試料40を作製した。シリコン酸化膜42Aには、凸部45Aと凹部46Aとが形成されている。
図9は、パターンBの試料を説明するための模式図である。図9に示すように、シリコン基板41B上に通常のリソグラフィー法およびドライエッチング法により250nmの段差43Bを形成し、それぞれ1mm□、2mm□、3mm□、4mm□、5mm□、6mm□、7mm□、8mm□のパターンBを形成した。このシリコン基板41B上に、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO膜)42Bを700nmの厚さで形成し、パターンBの試料50を作製した。シリコン酸化膜42Bには、凸部45Bと凹部46Bとが形成されている。
次に、図2に示した研磨装置を用いたCMP法により、パターンA、Bのそれぞれの試料を凹部の研磨量が200nm以上程度となるまで研磨し、シリコン酸化膜(SiO膜)のパターンの平坦化を行った。なお、図10にはパターンAの各実施例(実施例1〜実施例8)の詳細なCMP処理条件を、図11にはパターンAの各比較例(比較例1〜比較例6)の詳細なCMP処理条件を、図12にはパターンBの各実施例(実施例11〜実施例20)の詳細なCMP処理条件を、図13にはパターンBの各比較例(比較例11〜比較例18)の詳細なCMP処理条件を示している。CMP法における研磨スラリーおよび研磨パッドは、具体的には以下のものを用いた。
<研磨スラリー>
研磨スラリーは、純水に酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤と、さらに所望によりカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有させたものを用いた。研磨スラリーの調製条件を以下に示す。
[酸化セリウム]
砥粒としての酸化セリウムには、全ての実施例および比較例において、日立化成工業株式会社製DLS2(一次粒径100nm)を使用し、研磨スラリーに0.5wt%の濃度で含有させた。
[アニオン性界面活性剤]
実施例1〜実施例6、実施例11〜実施例18、比較例1〜比較例4および比較例11〜比較例16では、花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:TK75(分子量6,000)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。実施例7および実施例19では、花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:KDH93(分子量1,000)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。また、実施例8および実施例20では、花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:KDH93(分子量700)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。比較例5、比較例6、比較例17および比較例18では、研磨スラリーにアニオン性界面活性剤を含有させていない。
[カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子]
実施例1〜実施例3、実施例5、実施例11〜実施例13、実施例15、比較例6および比較例18では、図10〜図13に示す平均粒径を有するJSR株式会社製のアミノ基を有するポリスチレン(PST)を使用し、研磨スラリーに0.1wt%の濃度で含有させた。実施例4、実施例6〜実施例8、実施例14、実施例18〜実施例20では、図10および図12に示す平均粒径を有するJSR株式会社製のアミノ基を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用し、研磨スラリーに0.1wt%の濃度で含有させた。実施例16、実施例17、比較例1、比較例2、比較例11〜比較例14では、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子は含有させていない。また、比較例3〜比較例5、比較例15〜比較例17では、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子の代わりに、図11および図13に示す平均粒径を有するJSR株式会社製のカルボキシル基を有するポリスチレン(PST)を使用し、研磨スラリーに0.1wt%の濃度で含有させた。
<研磨パッド>
実施例1〜実施例5、実施例11〜実施例15、比較例1、比較例3〜比較例6、比較例11、比較例12、比較例15〜比較例18、では、ロームアンドハース株式会社製IC1000/Suba400(弾性率300MPa)を使用した。実施例6〜実施例8、実施例16〜実施例20、比較例2、比較例13、比較例14では、日本ミクロコーティング株式会社製 NCP−1(弾性率553MPa)を使用した。
そして、本発明の実施例である実施例1〜実施例8、実施例11〜実施例20と、比較対象である比較例1〜比較例6、比較例11〜比較例18と、の各条件でパターンA、Bのそれぞれの試料のCMP処理を行った。実施例の分類は以下の通りである。なお、パターンAの各実施例(実施例1〜実施例8)および各比較例(比較例1〜比較例6)では、研磨パッドの回転数および研磨圧力は全て同一条件である。
(実施例1〜実施例5)
カチオン性表面官能基としてアミノ基を有する樹脂粒子を、樹脂粒子サイズを変化させて含有させた研磨スラリーを使用。
(実施例6)
高弾性率(高硬度)研磨パッドを使用し、且つカチオン性表面官能基としてアミノ基を有する樹脂粒子を含有させた研磨スラリーを使用。
(実施例7、実施例8)
高弾性率(高硬度)研磨パッド、低分子量界面活性剤およびカチオン性表面官能基としてアミノ基を有する樹脂粒子を含有させた研磨スラリーを使用し、低分子量界面活性剤の分子量を変量。
(実施例11〜実施例15)
カチオン性表面官能基としてアミノ基を有する樹脂粒子を、樹脂粒子サイズを変化させて含有させた研磨スラリーを使用。
(実施例16、実施例17)
高弾性率(高硬度)研磨パッドを使用するとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定。
(実施例18)
高弾性率(高硬度)研磨パッドを使用するとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定し、且つカチオン性表面官能基としてアミノ基を有する樹脂粒子を含有させた研磨スラリーを使用。
(実施例19、実施例20)
高弾性率(高硬度)研磨パッドを使用するとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定し、低分子量界面活性剤およびカチオン性表面官能基としてアミノ基を有する樹脂粒子を含有させた研磨スラリーを使用し、低分子量界面活性剤の分子量を変量。
パターンAの試料の実施例および比較例のCMP処理結果として、凸部45Aと凹部46Aとの段差量(グローバル平坦性)を図10および図11に示す。パターンAの試料の領域A−90における凸部45Aと凹部46Aとの段差量(グローバル平坦性)と、凹部46Aの研磨量とを図14に示す。
また、パターンBの試料の実施例および比較例のCMP処理結果として、凸部45Bと凹部46Bとの段差量(グローバル平坦性)を図12、図13、図15〜図17に示す。図17は、実施例16、実施例18および比較例11における凸部面積1mm□〜8mm□の試料について、凹部46Bの研磨量と、凸部45Bと凹部46Bとの段差量(グローバル平坦性)と、の関係をそれぞれまとめて示したものである。
まず、パターンAの試料については、パターンAの試料の凸部被覆率が低い(10%)領域A−10では、図10および図11からわかるように、実施例および比較例ともグローバル平坦性は段差が小さい値(50nm未満)となっており、良好な平坦性が得られている。
一方、パターンAの試料の凸部被覆率が高い(90%)領域A−90については、実施例1〜実施例5では段差量が比較例1よりも大きく減少しており、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させたことによるグローバル平坦性の改善効果が認められる。図18は、実施例1と比較例1とのCMP処理後の研磨面の状態を示す模式図である。比較例1では、CMP処理後の研磨面42bが領域A−10において低く、凸部被覆率が高い(90%)領域A−90と凸部被覆率が低い(10%)領域A−10とでのグローバル平坦性が良くないのに対して、実施例1ではCMP処理後の研磨面42aが略平坦面に近い状態となり、良好な平坦性を有する。
また、実施例1〜実施例5、比較例1とは研磨パッドの弾性率を変更した実施例6と比較例2とを比べた場合も、実施例6では段差量が比較例2よりも大きく減少しており、研磨パッドの弾性率の条件が変わった場合でも、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させたことによるグローバル平坦性の改善効果が認められる。
さらに、実施例6からアニオン性界面活性剤の分子量を変量した実施例7および実施例8では実施例6以上に段差量が減少しており、アニオン性界面活性剤の分子量を変量した場合でも、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させたことによるグローバル平坦性の改善効果が認められる。
また、実施例1〜実施例5と、比較例3および比較例4とを比べると、実施例1〜実施例5では段差量が比較例3および比較例4よりも大きく減少しており、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーに対してアニオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させてもグローバル平坦性の改善効果は得られず、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーに対してカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させたことによるグローバル平坦性の改善効果が認められる。そして、比較例3および比較例4と、比較例5とを比べると、研磨スラリーにアニオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させる場合、アニオン性界面活性剤を含有させないと、さらに段差量が大きい値となる。
また、実施例1と比較例6とを比べると、実施例1では段差量が比較例6よりも大きく減少しており、酸化セリウムを含む研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させることによりグローバル平坦性の改善を図る際には、アニオン性界面活性剤を一緒に含有させることが必要であると言える。
したがって、上記の結果から、パターンAの試料において、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを使用することによるグローバル平坦性の改善効果が認められる、といえる。
つぎに、パターンBの試料については、1mm□の凸部面積を有するパターンでは、図12および図13からわかるように、実施例および比較例ともグローバル平坦性は段差が小さい値(50nm未満)となっており、良好な平坦性が得られている。
6mm□の凸部面積を有するパターンでは、図12および図13からわかるように、比較例では少なくてもグローバル平坦性は100nmより段差大となっているが、実施例では段差が小さい値(50nm未満)となっており、良好な平坦性が得られている。
実施例11〜実施例15では段差量が比較例11よりも減少しており、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させたスラリーを使用したことによるグローバル平坦性の改善効果が認められる。また、比較例15および比較例16より、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにアニオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させた場合は、実施例11〜実施例15のようなグローバル平坦性の改善効果が得られないことがわかる。そして、比較例17および比較例18では、段差量は同等の非常に大きな値となり、酸化セリウムを含む研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させることによりグローバル平坦性の改善を図る際には、アニオン性界面活性剤を一緒に含有させることが必要であると言える。
実施例16および実施例17では、グローバル平坦性が比較例11および比較例12よりも大きく減少しており、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに、研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定したことによるグローバル平坦性の改善効果が認められる。また、比較例13および比較例14より、高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いても、研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定しないと、グローバル平坦性の改善効果が不十分であることがわかる。
また、実施例18では、グローバル平坦性が実施例16および実施例17よりも更に減少しており、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーの使用と、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定すること、との組み合わせによるグローバル平坦性のさらなる改善効果が認められる。
実施例19および実施例20では、段差量が比較例11よりも110nm以上減少しており、酸化セリウムとアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを使用し、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定し、さらにアニオン性界面活性剤の分子量を低分子量化することによるグローバル平坦性のさらなる改善効果が認められる。
また、8mm□の凸部面積を有するパターンのグローバル平坦性も、図12および図13からわかるように、6mm□の凸部面積を有するパターンと同様の傾向を有し、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを使用すること、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定すること、アニオン性界面活性剤の分子量を低分子量化すること、によるグローバル平坦性の改善効果が認められる。
また、実施例16、実施例18および比較例11を比べると、図15〜図17からわかるように、従来の研磨スラリーおよび研磨パッドを用いた比較例11では、平坦化特性の凸部面積への依存性が大きい。すなわち、凸部面積が大きくなるに従って、平坦化するのに要する凹部研磨量が多くなる。凹部の研磨量を大きくしないと(深く削らないと)、凸部と凹部との段差量が小さくならず、平坦化特性が良くないことがわかる。
それに対して、実施例16および実施例18では、図15〜図17からわかるように平坦化特性の凸部面積への依存性が小さい。すなわち、凸部面積が大きくなっても、平坦化するのに要する凹部研磨量の増分が少ない。これは、実施例16および実施例18では、研磨パッドの弾性変形を抑制するとともに、砥粒を研磨パッドに固定化しているため、凸部45Bのみを選択的に効率良く平坦化することが可能になるためである。すなわち、より少ない凹部研磨量で、高いグローバル平坦性を実現することが可能であるといえる。
図19は、アニオン性界面活性剤の分子量が6,000である実施例18と、アニオン性界面活性剤の分子量が1,000である実施例19と、の研磨スラリーにおけるアニオン性界面活性剤の含有量と酸化セリウムの凝集粒子径(二次粒子径)との関係を示す図である。図19においては、nは凝集粒子径の測定回数を表しており、CMP処理前において凝集粒子径を2回(n=1、n=2)測定したものを示している。凝集粒子径は、動的な光散乱法による測定値である。
アニオン性界面活性剤の分子量が6,000である場合は、アニオン性界面活性剤を0.85wt%含有させると、酸化セリウムの凝集粒子径が300nmを超えている。一方、アニオン性界面活性剤の分子量が1,000である場合は、アニオン性界面活性剤を0.85wt%含有させた場合でも、酸化セリウムの凝集粒子径が200nm程度である。
一般的に、アニオン性界面活性剤の含有量が増えると酸化セリウム粒子の凝集粒子径が増大する傾向にあるが、アニオン性界面活性剤の分子量を低分子化することにより、酸化セリウム粒子の凝集粒子径の増大を抑制できることがわかる。これにより、研磨圧力に敏感な研磨速度を得ることができ、シリコン酸化膜の平坦性を向上させることができる。
ここで、アニオン性界面活性剤の分子量が6,000である実施例18と、アニオン性界面活性剤の分子量が1,000である実施例19と、について6mm□の凸部面積を有するパターンおよび8mm□の凸部面積を有するパターンのグローバル平坦性を比較すると、実施例19が実施例18よりも更に改善されていることがわかる。これより、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを使用し、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定し、さらにアニオン性界面活性剤の分子量を低分子量化することによりグローバル平坦性の格段の改善効果が認められる、といえる。
したがって、上記の結果から、パターンBの試料において、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを使用すること、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定すること、上記の組み合わせおよび更にアニオン性界面活性剤の分子量を低分子量化すること、によるグローバル平坦性の改善効果が認められる、といえる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、上述した酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを使用する場合において、研磨スラリーの温度上昇に起因した研磨特性の低下を抑制して平坦化特性を向上させる実施の形態について説明する。
酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを用いるCMP法での平坦化工程において、研磨スラリー中に含有する砥粒である酸化セリウム粒子数が多いと、シリコン酸化膜−砥粒(酸化セリウム粒子)−研磨パッド間の研磨作用が大きくなり、シリコン酸化膜−砥粒(酸化セリウム粒子)−研磨パッド間の摩擦が多くなるため、研磨開始後の早い段階で研磨スラリーの温度上昇が発生する。ここで、研磨スラリーの温度が上昇すると、研磨スラリーのζ(ゼータ)電位が負に増大する。そして、研磨スラリーのζ(ゼータ)電位が負に増大した場合には、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とが吸着し易くなり、酸化セリウム粒子に対してより多くのアニオン性界面活性剤が、より強固に吸着して凝集する。
例えば図6に示すように、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33を研磨スラリーに含有させることにより、酸化セリウム粒子31が研磨パッド22に固定され、さらに、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33がシリコン酸化膜12上に吸着してシリコン酸化膜12の凹部14を保護するため、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比が向上し、シリコン酸化膜12の平坦性を改善することが可能になる。しかしながら、研磨スラリーの温度が上昇すると、砥粒(酸化セリウム粒子)に吸着するアニオン性界面活性剤が多くなりすぎて、アニオン性界面活性剤による砥粒(酸化セリウム粒子)の表面保護効果により、高研磨速度である凸部13の研磨速度を顕著に低下させる。この結果、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比が低下する。研磨速度の選択比の低下は、平坦化特性の悪化につながる。
図20は、砥粒である酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤であるポリカルボン酸アンモニウムとを含有する研磨スラリーの温度を変化させた場合のζ(ゼータ)電位の変化を示す特性図である。研磨スラリーの温度条件は、室温、50℃、70℃の3種類である。ζ(ゼータ)電位は、電気泳動法により測定した値である。
図20に示すように、研磨スラリーのζ(ゼータ)電位は、研磨スラリーの温度が室温の場合は−30.1mVであるのに対して、50℃では−35.2mV、70℃では−44.9mVと、研磨スラリーの温度が高くなるにつれて負に増大している。これにより、50℃の研磨スラリーでは、室温の研磨スラリーよりも砥粒(酸化セリウム粒子)に対してより多くのアニオン性界面活性剤がより強固に吸着して凝集する。また、70℃の研磨スラリーでは、50℃の研磨スラリーよりも砥粒(酸化セリウム粒子)に対してさらに多くのアニオン性界面活性剤がより強固に吸着して凝集する。
すなわち、50℃の研磨スラリーは、室温の研磨スラリーよりもアニオン性界面活性剤による砥粒(酸化セリウム粒子)の表面保護効果が大きくなり、シリコン酸化膜のCMP処理時において、高研磨速度である凸部研磨速度を顕著に低下させる。さらに、70℃の研磨スラリーは、50℃の研磨スラリーよりもアニオン性界面活性剤による砥粒(酸化セリウム粒子)の表面保護効果が大きくなり、シリコン酸化膜のCMP処理時に、高研磨速度である凸部研磨速度をさらに顕著に低下させる。
したがって、50℃の研磨スラリーを用いたシリコン酸化膜のCMP処理では、室温の研磨スラリーを用いた場合よりも凸部13と凹部14との研磨速度の選択比が低下し、平坦化特性が悪化する。また、70℃の研磨スラリーを用いたシリコン酸化膜のCMP処理では、50℃の研磨スラリーを用いた場合よりも凸部13と凹部14との研磨速度の選択比がさらに低下し、平坦化特性がさらに悪化する。
なお、上記の研磨スラリーにおいてはカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させていないが、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させた場合においても研磨スラリーの温度上昇によるζ(ゼータ)電位の変化が研磨に及ぼす影響は上記と同じである。
そこで、本実施の形態においては、CMP処理時における研磨スラリーの温度を低下させることで、砥粒(酸化セリウム粒子)に対するアニオン性界面活性剤の吸着状態を緩和させて、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比の低下を抑制し、平坦化特性を向上させる。
図21は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーの温度が高温である場合の酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤との吸着状態を示す模式図である。図22は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーの温度が低温である場合の酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤との吸着状態を示す模式図である。図21に示すように、研磨スラリーの温度が高温である場合は、酸化セリウム粒子に対して多くのアニオン性界面活性剤が強固に吸着して凝集する。それに対して、研磨スラリーの温度が低温である場合は、図22に示すように、酸化セリウム粒子に対するアニオン性界面活性剤の吸着状態が緩和され、酸化セリウム粒子に吸着するアニオン性界面活性剤の数が、研磨スラリーの温度が高温である場合よりも減少する。
これにより、研磨スラリーの温度が低温である場合は、研磨スラリーの温度が高温である場合に比べてアニオン性界面活性剤による砥粒(酸化セリウム粒子)の表面保護効果が減少し、高研磨速度である凸部研磨速度の低下を抑制することができる。この結果、凸部13と凹部14間の研磨速度の選択比の低下を抑制し、平坦化特性の悪化を防止することができる。
図23は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーを用いたシリコン酸化膜のCMP処理での、研磨荷重と研磨速度との関係の研磨スラリー温度による変化の一例を示す特性図である。図23において、線分Aは、所定の研磨荷重以降において研磨スラリーを冷却して研磨スラリー温度を低下させた場合の特性を示す。線分Bは、研磨スラリーの冷却を行わない場合の特性を示す。
図23に示すように、研磨スラリーを冷却して研磨スラリー温度を低下させた場合(線分A)は、研磨荷重を大きくするに従って研磨速度が大きく増大する。一方、研磨スラリー温度を低下させない場合(線分B)は、研磨荷重の増大に伴って研磨速度も増大するが、研磨スラリー温度を低下させた場合(線分A)ほど研磨速度が大きく増大しない。したがって、同じ研磨荷重でCMP法でのシリコン酸化膜の平坦化を行う場合は、研磨スラリー温度を低下させることにより、より速い研磨速度を得ることができる。そして、この効果は、研磨荷重が大きくなるほど顕著になる。
したがって、研磨時における研磨スラリー温度を低下させることで、研磨スラリーの温度上昇に起因した酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤との凝集による凸部13と凹部14との研磨速度の選択比の低下を抑制することができる。そして、研磨スラリーへのカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子の添加による凹部保護効果との相乗効果により、凸部と凹部との研磨速度の選択比が飛躍的に向上し、平坦化特性を向上させることができる。
図24は、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とを含有する従来の研磨スラリーを用いた場合の凹部保護状態を示す模式図である。図25は、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33とを含有する研磨スラリーを用いた場合の凹部保護状態を示す模式図である。
酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とを含有する研磨スラリーを用いた場合は、図24に示すように研磨荷重の小さい領域、すなわちシリコン酸化膜12の凹部14では、酸化セリウム粒子31に対してアニオン性界面活性剤32が吸着して凝集することにより、凹部14を選択的に保護するという効果が得られる。また、酸化セリウム粒子31に対するアニオン性界面活性剤32の吸着には荷重依存性がある。このため、研磨荷重の大きい領域、すなわちシリコン酸化膜12の凸部13では、酸化セリウム粒子31に対するアニオン性界面活性剤32の吸着状態が緩和され、酸化セリウム粒子31に吸着するアニオン性界面活性剤32の数が、シリコン酸化膜12の凹部14よりも減少する。これにより、凸部13では凹部14よりも研磨速度が大きく増大し、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比を高め、平坦化特性を向上させる。
酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33を含有する研磨スラリーを用いた場合は、図25に示すように、研磨荷重の小さい領域、すなわちシリコン酸化膜12の凹部14では、酸化セリウム粒子31に対してアニオン性界面活性剤32が吸着して凝集することにより、凹部14を選択的に保護するという効果が得られる。さらに、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33がシリコン酸化膜12上に吸着することにより、凹部14を選択的に保護するという効果が得られる。
一方、研磨荷重の大きい領域、すなわちシリコン酸化膜12の凸部13では、図24の場合と同様に、酸化セリウム粒子31に対するアニオン性界面活性剤32の吸着状態が緩和される。また、シリコン酸化膜12に対するカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の吸着には、酸化セリウム粒子31に吸着したアニオン性界面活性剤32と同様に、荷重依存性があり、荷重により吸着状態が変わる。すなわち、研磨荷重の大きい領域、すなわち凸部13では、シリコン酸化膜12に対するカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の吸着状態が緩和され、シリコン酸化膜12へ吸着するカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33の数が、凹部14よりも減少する。これにより、凸部13では凹部14よりもさらに研磨速度が大きく増大し、凸部13と凹部14との研磨速度の選択比をより高めて、シリコン酸化膜12の平坦性を改善することが可能になる。
本実施の形態では、例えば研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度:wt%)を減少させることにより、研磨スラリーの温度上昇を抑制する。研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度:wt%)を減少させると、研磨時に研磨パッドとシリコン酸化膜との間に介在する酸化セリウム粒子の量が減少する。これにより、シリコン酸化膜−砥粒(酸化セリウム粒子)−研磨パッド間の研磨作用を抑制し、シリコン酸化膜−砥粒(酸化セリウム粒子)−研磨パッド間の摩擦を少なくすることで、研磨スラリーの温度上昇を抑制することができる。
図26は、酸化セリウム粒子31の含有量が多い(濃度が高い)研磨スラリーを用いたCMP処理時のシリコン酸化膜12−研磨パッド22間の状態を説明するための模式図である。図27は、酸化セリウム粒子31の含有量が少ない(濃度が低い)研磨スラリーを用いたCMP処理時のシリコン酸化膜12−研磨パッド22間の状態を説明するための模式図である。研磨スラリーは、酸化セリウム粒子31とアニオン性界面活性剤32とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子33とを含有する。
図26に示すように、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子31の含有量が多い場合は、シリコン酸化膜12−研磨パッド22間に介在する酸化セリウム粒子31の量が多くなる。一方、図27に示すように、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子31の含有量が少ない場合は、シリコン酸化膜12−研磨パッド22間に介在する酸化セリウム粒子31の量は少なくなる。したがって、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子31の含有量を少なくすることで、シリコン酸化膜12−酸化セリウム粒子31−研磨パッド22間の研磨作用を抑制して、シリコン酸化膜12−酸化セリウム粒子31−研磨パッド22間の摩擦を低減し、研磨スラリーの温度上昇を抑制することができる。
そして、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを用いたCMP法においては、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度)を特に0.05wt%以上0.3wt%以下とすることで、研磨スラリーの温度上昇の抑制を図ることができる。研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度)を0.3wt%以下とすることにより、上述したシリコン酸化膜12−酸化セリウム粒子31−研磨パッド22間の摩擦低減効果が大きくなり、より良好な平坦化特性を得ることができる。なお、酸化セリウム粒子31の濃度が0.05wt%未満の場合には研磨速度が低下する。
また、CMP法による研磨時の研磨スラリーの温度上昇を抑制する方法として、研磨時における研磨パッドへの研磨スラリーの供給量を増やす方法が挙げられる。研磨時における研磨パッドへの研磨スラリーの供給量を増やすことにより、研磨に関与して温度上昇した研磨スラリーと、温度上昇していない研磨スラリーとが研磨パッド上において入れ替わる時間が早くなる。これにより、研磨パッド上の研磨スラリーの温度を低下させて、研磨スラリーの温度上昇を抑制することができる。
また、CMP法による研磨時の研磨スラリーの温度上昇を抑制する方法として、図28に示すように研磨パッド22上に気体供給管26を通して気体27を供給する方法が挙げられる。図28は、研磨スラリーの温度上昇を抑制してシリコン酸化膜のCMP処理を行う研磨装置の概略構成を示す模式図である。CMP法による研磨時に研磨パッド22上に気体27を供給することにより、研磨パッド22上に供給されている研磨スラリー25の温度上昇を抑制することができる。研磨パッド22上に供給する気体は特に限定されず、空気、窒素等を用いることができる。
図29は、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを用いたシリコン酸化膜のCMP処理における研磨パッドの表面温度特性の一例を示す特性図である。図29において、横軸はCMP研磨時間(秒)を表し、縦軸は研磨パッドの表面温度(℃)を表す。なお、研磨時には、研磨パッド表面温度(℃)の上昇に伴って、研磨スラリーの温度も研磨パッド表面温度(℃)の上昇と同様なパターンで上昇するため、ここでは研磨パッド表面温度(℃)を示している。
図29において、曲線Aは以下に示す基準条件(条件A)に対応し、曲線Bは基準条件に対して研磨スラリーの流量(供給量)を2倍にした場合(条件B)に対応し、曲線Cは基準条件に対して研磨スラリーの流量(供給量)を2倍にするとともに研磨スラリーの砥粒濃度を1/2倍にした場合(条件C)に対応する。
(基準条件:条件A)
<研磨スラリー>
研磨スラリーは、純水に酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤と、さらにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有させたものを用いた。研磨スラリーの調製条件を以下に示す。
[酸化セリウム]
砥粒としての酸化セリウムには、日立化成工業株式会社製DLS2(一次粒径100nm)を使用し、研磨スラリーに0.5wt%の濃度で含有させた。
[アニオン性界面活性剤]
花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:TK75(分子量6,000)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。
[カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子]
JSR株式会社製のアミノ基を有するポリスチレン(PST、平均粒径:160nm)を使用し、研磨スラリーに0.1wt%の濃度で含有させた。
<研磨パッド>
ロームアンドハース株式会社製IC1000/Suba400(弾性率300MPa)を使用した。
<テーブル回転数>
100rpm
<研磨圧力>
300hPa
<研磨時間>
180秒
<スラリー流量>
190cc/分
<研磨試料>
図30に示すパターンを有する研磨試料60を使用した。図30は、研磨試料60を説明するための模式図である。図30に示す研磨試料60は以下のようにして作製した。まず、シリコン基板61上に通常のリソグラフィー法およびドライエッチング法により高さ600nmの段差63を形成し、段差63のラインアンドスペースの寸法を変更させることにより、凸部被覆率が高い(90%)大面積の凸部の領域AHと凸部被覆率が低い(10%)領域ALとを有するパターンを形成した。領域AHと領域ALとは、それぞれ4mm□の面積を有する。このシリコン基板61上に、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO膜)62を1,500nmの厚さで形成し、研磨試料60を作製した。シリコン酸化膜62には、凸部65と凹部66とが形成されている。
図29に示すように、CMP法による研磨時における研磨パッド表面の最高温度は、基準条件(条件A)では55℃であるのに対して、基準条件に対して研磨スラリーの流量(供給量)を2倍にした条件Bの場合は、略50℃である。このように、研磨スラリーの流量(供給量)を増やすことにより、CMP法による研磨時の研磨パッド表面の温度上昇を抑制することができる。すなわち、研磨パッド上の研磨スラリーの温度上昇を抑制することができる。これにより、研磨スラリーの温度上昇に起因した領域AHと領域ALとの研磨速度の選択比の低下を抑制し、平坦化特性を向上させることができる。
また、基準条件に対して研磨スラリーの流量(供給量)を2倍にするとともに研磨スラリーの砥粒濃度を1/2倍にした条件Cの場合は、CMP法による研磨時における研磨パッド表面の最高温度は略49℃である。また、図29に示すように研磨パッド表面の最高温度は条件Bの場合と同等であるが、最高温度に達するまでの立ち上がりが遅くなっている。すなわち、条件Cの場合は、最高温度に達するまでの時間が条件Bの場合よりも長くなっている。このように、基準条件に対して研磨スラリーの流量(供給量)を増やし、さらに研磨スラリーの砥粒濃度を低減することにより、CMP法による研磨時の研磨パッド表面の最高温度の温度上昇を抑制することができ、また研磨パッド表面の温度が最高温度に達するまでの時間を長くすることができる。すなわち、CMP法による研磨時における研磨パッド上の研磨スラリーの温度上昇を抑制することができ、また研磨パッド上の研磨スラリーの温度が最高温度に達するまでの時間を長くすることができる。これにより、研磨スラリーの温度上昇に起因した領域AHと領域ALとの研磨速度の選択比の低下をより抑制し、平坦化特性をより向上させることができる。
したがって、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法によれば、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度)を0.05wt%以上0.3wt%以下とすることで、研磨スラリーの温度上昇に起因した研磨特性の悪化を抑制して、シリコン酸化膜の凸部と凹部との研磨速度の選択比を改善し、優れた平坦化特性を安定して得ることができる。そして、研磨スラリーへのカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子の添加による凹部保護効果との相乗効果により、凸部と凹部との研磨速度の選択比がさらに向上し、平坦化特性を向上させることができる。また、このような研磨スラリーを弾性率が400MPa乃至600MPaである研磨パッド上に供給した状態で、研磨圧力が50hPa乃至200hPaであり、研磨パッドの回転数が10rpm乃至80rpmである条件でCMP処理を行うことにより、研磨パッドの弾性変形の抑制効果との相乗効果により、凸部と凹部との研磨速度の選択比がさらに向上し、平坦化特性を向上させることができる。
以下、上述した実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を具体的な実施例により説明する。研磨試料として図30に示すパターンを有する研磨試料60を、図28に示した研磨装置を用いたCMP法により、凹部66の研磨量が100nm〜200nm程度となるまで研磨し、シリコン酸化膜(SiO膜)のパターンの平坦化を行った。詳細なCMP処理条件(基本条件)は、以下の通りである。また、スラリー条件およびスラリーの冷却条件を図31(a)にまとめて示す。
<研磨スラリー>
研磨スラリーは、純水に酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤と、さらにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有させたものを用いた。研磨スラリーの調製条件を以下に示す。
[酸化セリウム]
砥粒としての酸化セリウムには、日立化成工業株式会社製DLS2(一次粒径100nm)を使用し、研磨スラリーに0.5wt%の濃度で含有させた。
[アニオン性界面活性剤]
花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:TK75(分子量6,000)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。
[カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子]
JSR株式会社製のアミノ基を有するポリスチレン(PST、平均粒径:160nm)を使用し、研磨スラリーに0.1wt%の濃度で含有させた。
<研磨パッド>
ロームアンドハース株式会社製IC1000/Suba400(弾性率300MPa)を使用した。
<テーブル回転数>
100rpm
<研磨圧力>
300hPa
<研磨時間>
180秒
<スラリー流量>
190cc/分
そして、本発明の実施例である実施例21〜実施例25と、比較対象である比較例21との各条件で研磨試料のCMP処理を行った。実施例および比較例の分類は以下の通りである。
(実施例21)
基本条件
(実施例22)
基本条件に対して、研磨スラリーの流量を2倍(380cc/分)に変量。
(実施例23)
基本条件に対して、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度を1/2倍(0.25wt%)に変量。
(実施例24)
基本条件に対して、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度を1/2倍(0.25wt%)に変量、且つ研磨スラリーの流量を2倍(380cc/分)に変量。
(実施例25)
基本条件に対して、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度を1/2倍(0.25wt%)に変量、且つ研磨スラリーの流量(380cc/分)を2倍に変量。さらに、研磨中における研磨パッドに対する窒素(N)ガスの噴射による研磨スラリーの冷却を実施。
(比較例21)
基本条件に対して、研磨スラリーにおいてカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を使用しない。
実施例21〜25および比較例21のCMP処理結果として、凸部65と凹部66との段差量(グローバル平坦性)を、A〜Gのレベルに分けて図31(a)に示す。グローバル平坦性のレベルは、凸部65と凹部66との段差量(nm)に対応してA〜Gの7つに分類している。7つのレベルのうち、レベルAが最も段差量が少なくグローバル平坦性が良好なレベルである。グローバル平坦性のレベルの分類を図31(b)に示す。
図31からわかるように、基本条件である実施例21は、基本条件に対して研磨スラリーにおいてカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を使用していない比較例21よりもグローバル平坦性のレベルが良好である。これにより、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーにカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子を含有させることによるグローバル平坦性向上の効果が認められる。
次に、実施例21と実施例22とを比較すると、基本条件に対して研磨スラリーの流量を2倍に変量した実施例22の方が実施例21よりもグローバル平坦性のレベルが良好である。これにより、研磨スラリーの流量を増量して研磨スラリーの温度上昇を抑制したことによるグローバル平坦性の向上効果が認められる。
また、実施例21と実施例23とを比較すると、基本条件に対して研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度を1/2倍に変量して、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度)を0.3wt%以下にした実施例23の方が実施例21よりもグローバル平坦性のレベルが良好である。これにより、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度を0.3wt%以下に低減させて研磨スラリーの温度上昇を抑制したことによるグローバル平坦性の向上効果が認められる。
また、実施例22および実施例23と、実施例24とを比較すると、実施例24の方が実施例22および実施例23よりもグローバル平坦性のレベルが良好である。これにより、研磨スラリーの流量の増量および研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度の低減を併用することによる、さらなるグローバル平坦性の向上効果が認められる。
また、実施例24と実施例25とを比較すると、実施例25の方が実施例24よりもグローバル平坦性のレベルが良好である。これにより、研磨スラリーの流量の増量および研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の濃度の低減を併用した場合において、研磨中における窒素(N)ガスの噴射による研磨スラリーの冷却を実施したことによるグローバル平坦性のさらなる向上効果が認められる。
したがって、上記の結果から、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とカチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子とを含有する研磨スラリーを用いた研磨試料60に対するCMP処理において、研磨スラリーの流量を増量したことによるグローバル平坦性の向上効果、研磨スラリーにおける酸化セリウム粒子の含有量(濃度)を0.3wt%以下にしたことによるグローバル平坦性の向上効果、および研磨中における研磨パッドに対する窒素(N)ガスの噴射によるグローバル平坦性の向上効果が認められる、といえる。
(第3の実施の形態)
一般に、CMP法によるシリコン酸化膜(SiO膜)からなる被研磨体の平坦化処理を行う際には、研磨を行う前に、研磨パッドに対して表面の目立て処理(ドレッシング処理)を行う。ここで、第1の実施の形態において説明したように、研磨パッドに高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定する場合、ドレッシング処理が施された後の研磨パッドの表層部(以下、単に表層部と呼ぶ)の表面状態も、研磨特性に大きな影響を及ぼす。このため、ドレッシング処理では、表層部の表面状態を、研磨に適する状態にすることが重要である。しかしながら、特に高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いた場合、ドレッシング処理後の表層部の表面状態が必ずしも研磨に適する状態となるわけではなく、研磨スラリーが保持できずに所望の研磨速度や平坦化特性が得られなくなる懸念があった。
研磨パッドに対するドレッシング処理においては、ドレッサーの種類やドレッシング条件を変更することにより、得られる表層部の表面状態は変化し、表層部の弾性率の値や表層部の深さは変化する。そして、表層部の表面状態が、所定の適切な範囲を逸脱すると、CMP法による研磨において問題が発生する虞がある。
そこで、本実施の形態では、表層部の表面状態がシリコン酸化膜(SiO膜)からなる被研磨体の平坦化処理に適するように、ドレッシング処理により形成される表層部の弾性率と表層部の深さ(厚さ)とを調整することで、表層部の表面状態に起因した研磨特性の悪化を抑制し、平坦化特性を向上させる。
本実施の形態においては、ドレッシング処理後の表層部が、研磨パッドの表面からの深さ(厚さ)が20μm乃至100μmであり、且つ弾性率が50MPa以上400MPa未満である低弾性率部となるようにドレッシング処理を実施する。そして、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーを用いたCMP処理により、シリコン酸化膜(SiO膜)の平坦化処理を行う。ドレッシング処理後の表層部がこのような条件を満たすことにより、研磨特性に影響を与える研磨砥粒を表層部に適切に保持し、且つ研磨パッドとシリコン酸化膜(SiO膜)の研磨面との接触面積を十分に確保できるという効果が得られ、良好な研磨特性を安定して得ることができる。
表層部の深さが浅すぎる場合(20μm未満)は、研磨面のスクラッチが増加する。また、表層部を低弾性率にしている効果が十分に得られず、研磨砥粒(酸化セリウム粒子)を表層部に適切に保持することが困難となる。また、研磨パッドとシリコン酸化膜(SiO膜)の研磨面との接触面積を十分に確保できない。一方、低弾性率部の深さが深すぎる場合(100μmより大)は、全体が低弾性率である研磨パッドを使用した場合と研磨特性がさほど変わらず、研磨時のディッシングが大きくなりグローバル平坦性が悪化する。
また、表層部の弾性率が低すぎる場合(50MPa未満)は、研磨時のディッシングが大きくなり、グローバル平坦性が悪化する。一方、表層部の弾性率が高すぎる場合(400MPa以上)は、バルクの弾性率に近く、表層部としての機能が十分に発揮されないために研磨砥粒を適切に保持することが困難となり、また研磨パッドと被研磨体の研磨面との接触面積を十分に確保することができない。
なお、弾性率と表層部の深さにはある程度の相関関係があり、バルクの弾性率が400MPa乃至600MPaである研磨パッドでは、表層部の深さが20μm未満である場合は、表層部の弾性率は400MPa以上となることが多い。また、表層部の深さが100μmを超えると、表層部の弾性率は50MPa未満となることが多い。
図32は、本実施の形態にかかる研磨試料70を説明するための模式図である。まず、図32に示すように、シリコン基板71上に通常のリソグラフィー法およびドライエッチング法により高さ600nmの段差73を形成し、段差73のラインアンドスペースの寸法をL/S=20μm/20μmとした4mm□の面積を有するパターンを形成した。このシリコン基板71上に、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO膜)72を1100nmの厚さで形成し、研磨試料70を作製した。シリコン酸化膜72には、大面積の凸部75と凹部76とが形成されている。
このような研磨試料70を、図2に示した研磨装置を用いたCMP法により凹部76の研磨量が100nm程度になるまで研磨し、シリコン酸化膜(SiO膜)のパターンの平坦化を行った。CMP処理条件は以下の通りである。
<研磨スラリー>
研磨スラリーは、純水に酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有させたものを用いた。研磨スラリーの調製条件を以下に示す。
[酸化セリウム]
砥粒としての酸化セリウムには、日立化成工業株式会社製DLS2(一次粒径100nm)を使用し、研磨スラリーに0.5wt%の濃度で含有させた。
[アニオン性界面活性剤]
花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:TK75(分子量6,000)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。
<テーブル回転数>
60rpm
<研磨圧力>
150hPa
このようなCMP処理条件において、バルク部の弾性率が400MPa乃至600MPaであり、表層部の弾性率が50MPa未満である研磨パッドを用いて平坦化処理を行うと、研磨後の大面積の凸部75におけるディッシング量は、ディッシング量>100nmとなる。一方、バルク部の弾性率が400MPa乃至600MPaであり、表層部の弾性率が50MPa以上400MPa未満である研磨パッドを用いて平坦化処理を行うと、研磨後の大面積の凸部75におけるディッシング量は、ディッシング量<40nmとなる。
図33は、研磨パッドの表面からの深さ(厚さ)が20μm乃至100μmであり、且つ弾性率が50MPa以上400MPa未満である低弾性率部とされた表層部を有する研磨パッドにおける押し込み深さと弾性率との関係の一例を示す特性図である。図33のデータは、ナノインデンター法により研磨パッドにおける3点を測定した結果である。この研磨パッドは、日本ミクロコーティング株式会社製NCP−1(バルク弾性率550MPa)を使用し、旭ダイヤモンド工業株式会社製ダイヤモンドドレッサー(M−100C)を用いて、荷重100N、ドレッシング時間30秒の条件でドレッシング処理を行い、研磨パッドの表面にバルクに比べて低弾性率となる表層部(低弾性率部)を形成した。図33のデータは、ナノインデンター法により研磨パッドの3点を測定した結果であり、上記の低弾性率部の条件を満たす表層部が形成されていることが分かる。なお、ナノインデンター法の特性により、押し込み深さの測定値の10倍が実施の深さとなる。したがって、図33における5μmの押し込み深さ位置は、実際には50μmの深さ位置である。
以下、本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を具体的な実施例により説明する。まず、研磨パッドの表層部の深さに関する実施例について説明する。図34は、ここで使用した研磨試料80を説明するための模式図である。図34に示すように、シリコン基板81上に通常のリソグラフィー法およびドライエッチング法により250nmの段差83を形成し、5mm□のパターンを形成した。このシリコン基板81上に、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO膜)82を700nmの厚さで形成し、研磨試料80を作製した。シリコン酸化膜82には、凸部85と凹部86とが形成されている。
このような研磨試料80を、図2に示した研磨装置を用いたCMP法により凹部86の研磨量が100nm程度になるまで研磨し、シリコン酸化膜(SiO膜)のパターンの平坦化を行った。詳細なCMP処理条件は、以下の通りである。
<研磨スラリー>
研磨スラリーは、純水に酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有させたものを用いた。研磨スラリーの調製条件を以下に示す。
[酸化セリウム]
砥粒としての酸化セリウムには、日立化成工業株式会社製DLS2(一次粒径100nm)を使用し、研磨スラリーに0.5wt%の濃度で含有させた。
[アニオン性界面活性剤]
花王株式会社製のポリカルボン酸アンモニウム:TK75(分子量6,000)を使用し、研磨スラリーに0.7wt%の濃度で含有させた。
<研磨パッド>
日本ミクロコーティング株式会社製NCP−1(バルク弾性率550MPa)を使用し、旭ダイヤモンド工業株式会社製ダイヤモンドドレッサー(M−100C)を用いて、荷重とドレッシング時間を調整してドレッシング処理を行った。
<テーブル回転数>
60rpm
<研磨圧力>
150hPa
そして、本発明の実施例である実施例31と、比較対象である比較例31、比較例32との各条件で研磨試料80のCMP処理を行った。実施例および比較例の分類は以下の通りである。
(実施例31)
研磨パッドの表面からの深さ(厚さ)が20μm乃至100μmの表層部を有する研磨パッドを使用。
(比較例31)
研磨パッドの表面からの深さ(厚さ)が20μm未満の表層部を有する研磨パッドを使用。
(比較例32)
研磨パッドの表面からの深さ(厚さ)が100μmより大の表層部を有する研磨パッドを使用。
図35は、CMP処理後の研磨試料80の研磨面に対して、スクラッチの発生状態とグローバル平坦性とを評価した結果を示す図である。図35において、スクラッチの発生状態の評価については、研磨面にスクラッチの発生している場合を「×」、研磨面にスクラッチの発生していない場合を「○」で示した。また、グローバル平坦性については、グローバル段差(凸部85と凹部86との段差)が40nm以下の場合を「○」、グローバル段差が40nmより大の場合を「×」で示した。
図35から分かるように、実施例31は、研磨面におけるスクラッチの発生もなく、グローバル平坦性も40nm以下であり良好である。これにより、表面からの深さ(厚さ)が20μm乃至100μmの表層部を有する研磨パッドを使用したことにより、良好な平坦化特性が得られることが認められる。
次に、実施例31と比較例31および比較例32とを比較すると、実施例31は、研磨面におけるスクラッチの発生もなく、グローバル段差も40nm以下でありグローバル平坦性が良好であるのに対して、比較例31では、スクラッチが発生している。また、比較例32では、グローバル段差が40nmより大であり、グローバル平坦性が低下している。
したがって、上記の結果から、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーを用いた研磨試料80に対するCMP処理において、表面からの深さ(厚さ)が20μm乃至100μmの表層部を有する高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定したことによる、平坦化特性の向上効果が認められる、といえる。
次に、研磨パッドの表層部の弾性率に関する実施例について説明する。研磨試料80を、図2に示した研磨装置を用いたCMP法により凹部86の研磨量を100nm程度まで研磨し、シリコン酸化膜(SiO膜)のパターンの平坦化を行った。詳細なCMP処理条件は、以下の通りである。
<研磨スラリー>
研磨スラリーは、実施例31と比較例31および比較例32と全く同様の条件で調製したものを用いた。
<研磨パッド>
旭ダイヤモンド工業株式会社製ダイヤモンドドレッサー(M−100C)を用いて、荷重とドレッシング時間を調整してドレッシング処理を行った。
<テーブル回転数>
60rpm
<研磨圧力>
150hPa
そして、本発明の実施例である実施例32と、比較対象である比較例33との各条件で研磨試料80のCMP処理を行った。実施例および比較例の分類は以下の通りである。なお、以下における弾性率cのレベルは、レベル小:c<50MPa、レベル中:50MPa≦c<400MPa、レベル大:400MPa≦c≦600MPaである。
(実施例32)
日本ミクロコーティング株式会社製NCP−2に対して、荷重100N、ドレッシング時間30秒の条件でドレッシング処理を施し、表層部の弾性率のレベルが「中」であり、バルク弾性率のレベルが「大」である研磨パッドを使用。
(比較例33)
ロームアンドハース株式会社製IC1000/Suba400に対して、荷重200N、ドレッシング時間30秒の条件でドレッシング処理を施し、表層部の弾性率のレベルが「小」であり、バルク弾性率のレベルが「中」である研磨パッドを使用。
図36は、CMP処理後の研磨試料80の研磨面に対して、グローバル平坦性を評価した結果を示す図である。図36においては、グローバル平坦性としてグローバル段差(凸部85と凹部86との段差(nm))を示している。
図36から分かるように、実施例32はグローバル平坦性が33.9nmであり、良好な平坦性が得られている。これにより、表層部の弾性率のレベルが「中」であり、バルク弾性率のレベルが「大」である研磨パッドを用いたことにより、良好な平坦化特性が得られることが認められる。
次に、実施例32と比較例33とを比較すると、実施例32はグローバル平坦性が良好であるのに対して、比較例33ではグローバル段差が176nmでありグローバル平坦性が悪化している。このように、バルク弾性率のレベルが「中」である研磨パッドを用いた場合には、表層部の弾性率をバルクの弾性率よりも小さくしても良好なグローバル平坦性が得られない。
したがって、上記の結果から、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーを用いた研磨試料80に対するCMP処理において、弾性率が50MPa以上400MPa未満である低弾性率部とされた表層部を有する高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定したことによる、平坦化特性の向上効果が認められる、といえる。
そして、上記の実施例31、実施例32および比較例31〜比較例33の結果から、酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する研磨スラリーを用いた研磨試料80に対するCMP処理において、研磨パッドの表面からの深さ(厚さ)が20μm乃至100μmであり、且つ弾性率が50MPa以上400MPa未満である低弾性率部とされた表層部を有する高弾性率(高硬度)の研磨パッドを用いるとともに研磨圧力および研磨パッドの回転数を低く設定することにより、優れた平坦化特性を安定して得られる、といえる。
10 半導体基板、11 シリコン基板、12 シリコン酸化膜、13 凸部、13a 凸部、14 凹部、14a 凹部、20 試料、21 研磨定盤、22 研磨パッド、23 真空チャックホルダ、24 研磨液供給用配管、31 酸化セリウム粒子、32 アニオン性界面活性剤、33 樹脂粒子、40 試料、41A シリコン基板、41B シリコン基板、42A シリコン酸化膜、42B シリコン酸化膜、42a CMP処理後の研磨面、42b CMP処理後の研磨面、43A 段差、43B 段差、45A 凸部、45B 凸部、46A 凹部、46B 凹部、50 試料、60 研磨試料、61 シリコン基板、62 シリコン酸化膜、63 段差、65 凸部、66 凹部、70 研磨試料、71 シリコン基板、72 シリコン酸化膜、73 段差、75 凸部、76 凹部、80 研磨試料、81 シリコン基板、82 シリコン酸化膜、83 段差、85 凸部、86 凹部、101 研磨パッド、102 アニオン性界面活性剤、103 酸化セリウム粒子。

Claims (5)

  1. 研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、
    酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する前記研磨スラリーを弾性率が400MPa乃至600MPaである前記研磨パッド上に供給した状態で、研磨圧力が50hPa乃至200hPaであり、前記研磨パッドの回転数が10rpm乃至80rpmである条件で前記被研磨体を前記研磨パッドに当接させること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、
    前記研磨スラリーが、カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子と酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有すること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 研磨テーブル上に配置された研磨パッドに研磨スラリーを供給した状態で、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜からなる被研磨体と前記研磨パッドとを相対的に摺動させることにより前記被研磨体を化学的機械的に研磨して平坦化する半導体装置の製造方法であって、
    カチオン性の表面官能基を有する樹脂粒子と酸化セリウム粒子とアニオン性界面活性剤とを含有する前記研磨スラリーを弾性率が400MPa乃至600MPaである前記研磨パッド上に供給した状態で、研磨圧力が50hPa乃至200hPaであり、前記研磨パッドの回転数が10rpm乃至80rpmである条件で前記被研磨体を前記研磨パッドに当接させること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 前記被研磨体は、凸部被覆率が80%以上である2mm角以上のパターンを有すること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記アニオン性界面活性剤は、分子量が500〜10000であること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
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