JP2009267197A - リアクトル - Google Patents

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千尋 河合
Takuji Kozu
卓司 神頭
Masayuki Kato
雅幸 加藤
Mutsumi Ito
睦 伊藤
Shinichiro Yamamoto
伸一郎 山本
Hajime Kawaguchi
肇 川口
Kazuhiko Futai
和彦 二井
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Abstract

【課題】小型で、且つ放熱性能に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、コイル巻回部2cを有するコア2と、コイル巻回部2cに配置されるコイル3とを備える。また、リアクトル1が取り付けられる冷却ベースB側に位置するコイル3のコイル設置面3iに、放熱層4が配置されている。そして、放熱層4は、コイル3側に配されて炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカーで構成されるウィスカー層4wと、冷却ベースB側に配されるセラミックスといった絶縁性無機材料の板(CE板)4eとを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車のDC‐DCコンバータの構成部品などに利用されるリアクトルに関する。特に、小型で、且つ放熱性能に優れるリアクトルに関する。
従来、磁性材料からなるコアと、このコアに配置されるコイルとを備えるリアクトルが知られている。代表的なリアクトルの構造としては、開口部を有するアルミケース内にリアクトルを収容し、このケース内に樹脂を注入してリアクトルを封止した構造が挙げられる。このケースは、リアクトルの駆動時に発熱するコイルやコアを冷却するための冷却ベース(冷却器)に取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2007‐129146号公報(図5)
しかし、従来のリアクトルでは、放熱性能の更なる向上が難しい。
昨今、ハイブリッド自動車などのDC‐DCコンバータの構成部品に利用されるリアクトルは、高周波化、大電流化が求められており、発熱量が増大するコイルやコアを冷却するため、リアクトルの放熱性能を更に向上させる必要がある。また、リアクトルの小型軽量化を実現するためには、ケースを省略することが好ましい。
特許文献1では、ケースを省略し、コイルと冷却器との間にシリコーン系樹脂製のシートを配置する構成を開示しているが、特許文献1に記載のシリコーン系樹脂の熱伝導率は3W/m・K以下であり、この構成では、要求される放熱性能を達成することが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、小型で、且つ放熱性能に優れるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、コイル巻回部を有するコアとコイル巻回部に配置されるコイルとを備え、リアクトルが取り付けられる冷却ベース側に位置するコイルの設置面に放熱層が配置されている。そして、放熱層は、コイル側に配されて炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカーで構成されるウィスカー層と、冷却ベース側に配される絶縁性無機材料の板とを有することを特徴とする。
本発明のリアクトルは、冷却ベースに取り付けた際、コイルと冷却ベースとの間に放熱層が配置される構成である。この放熱層は、コイルと接触する側に比較的高い熱伝導性を有するセラミックス、具体的には炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカーの集合体から成るウィスカー層が形成され、更にこのウィスカー層の冷却ベース側にシリコーン系樹脂よりも熱伝導率が高い無機材料の板を有する。そのため、本発明のリアクトルは、高温になり易いコイルの熱を、コイルと接触するウィスカー層、無機材料の板、冷却ベースと順に効率よく伝えて放熱することができるので、放熱性能に優れる。また、本発明のリアクトルは、ケースに収容せず、冷却ベースに直接取り付けられるため、ケースを省略することができ、小型軽量化を実現できる。
本発明における絶縁性無機材料の板は、熱伝導率の高い材料で構成されているものとする。具体的には、熱伝導率αが、3W/m・K超、特に20W/m・K以上、更には特に30W/m・K以上の材料で構成されていることが好ましい。また、放熱層は、コイル近傍に配置されるため、磁気特性を考慮すると、全体が非磁性の材料で構成されていることが好ましい。以上のような特性を有する材料としては、非磁性の絶縁性無機材料が挙げられる。この絶縁性無機材料の板は、コイルと接触するウィスカー層の冷却ベース側に位置し、冷却ベースとコイルとの絶縁を確保するための機能を有する。さらに、放熱層は、ウィスカー層と絶縁性無機材料の板とから構成する他、絶縁性無機材料の板の冷却ベース側に更に導電性無機材料の層を有する構成としてもよい。
上記絶縁性無機材料には、セラミックスが好適に利用できる。具体的には、窒化珪素(Si3N4):α=20〜150W/m・K程度、アルミナ(Al2O3):α=20〜30W/m・K程度、窒化アルミニウム(AlN):α=200〜250W/m・K程度、窒化硼素(BN):α=50〜65W/m・K程度、及び炭化珪素(SiC):α=50〜130W/m・K程度から選択される少なくとも一種が挙げられる。即ち、絶縁性無機材料の板は、一種の材料で構成されていてもよいし、複数種の材料を積層して、部分的に熱伝導率を異ならせてもよい。上記セラミックスのうち、窒化珪素は、熱伝導率が高く、アルミナや窒化アルミニウム、炭化珪素よりも曲げ強度に優れる点で好ましい。
上記絶縁性無機材料の板は、上記セラミックスの板材により構成することができ、例えば粉末焼結法で作製することで、種々の大きさ、形状のものを容易に得ることができる。市販品を利用してもよい。
上記ウィスカー層は、炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカーで構成され、高い電気絶縁性を有しているため、放熱層とコイルとの短絡を確実に防止することができる。
本発明におけるウィスカー層は、上記絶縁性無機材料の板表面から板厚方向に成長していることが好ましい。
このように複数のウィスカーが絶縁性無機材料の板表面から板厚方向に成長していることで、放熱層をコイルに配置した際、ウィスカーがコイル表面の凹部に入り込み、コイルと放熱層との間に生じる隙間をウィスカー層で埋めることができる。そのため、ウィスカー層(放熱層)とコイルとの密着性が高まり、放熱層とコイルとの接触面積が増大する結果、コイルと放熱層間の接触熱抵抗を低減することができ、リアクトルの放熱性能を更に向上させることができる。
ウィスカー層は、0.5mm以上であることが好ましく、0.5mm以上とすることで、コイルと放熱層との間に生じる隙間を確実に埋めることができる。
ここで、本発明における炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカー層は、例えば以下のようにして形成することができる。
まず、上記した絶縁性無機材料の板を用意し、この絶縁性無機材料の板表面にアルミニウムの膜を予め形成しておく。アルミニウム膜の形成方法は、特に問わないが、例えば、絶縁性無機材料の板にアルミニウム箔を貼り合わせたり、板表面にアルミニウムを溶融めっきや蒸着することで形成することができる。
次に、この絶縁性無機材料の板を炭化水素雰囲気中で加熱する。この工程により、板表面の少なくとも一部に炭化アルミニウムを主成分とする相が形成され、板表面から炭化アルミニウムのウィスカーが板厚方向に成長することになる。その結果、表面に炭化アルミニウムのウィスカー層が形成された絶縁性無機材料の板を得ることができる。このとき、炭化アルミニウムのウィスカーは、Al4C3結晶を含むものであるが、非晶質を含む場合がある。
加熱温度は300℃以上とする。加熱温度は、反応効率を考慮すれば450℃以上とすることが好ましく、上限をアルミニウムの融点以下とする。加熱時間は、加熱温度などにもよるが、1時間以上100時間以下の範囲とすることが好ましい。加熱温度や加熱時間を制御することで、炭化アルミニウムのウィスカーの長さを調整することができ、ウィスカー層の厚さを所望の厚さに調整することが可能である。使用する炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n‐ブタン、イソブタン、及びペンタン等のパラフィン系炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテン、及びブタジエン等のオレフィン系炭化水素、アセチレン等のアセチレン系炭化水素、又はこれらの炭化水素の誘導体などが挙げられる。これらの炭化水素の中でも、メタン、エタン、プロパン等のパラフィン系炭化水素は、ガス化し易い点で好ましい。特に好ましくは、メタンである。
炭化アルミニウムは極めて酸化しやすい材料であるため、酸化雰囲気中で加熱することにより容易にアルミナのウィスカーに転化する。熱力学的には炭化アルミニウムは室温でもアルミナに転化するが、プロセスの効率を考えるとアルミナに転化させるための温度は300℃以上が好ましく、より好ましくは450℃以上である。このように、本発明では、極めて簡易な手法でアルミナのウィスカーが得られる。
転化したアルミナのウィスカーの主成分は非晶質である。非晶質アルミナのウィスカーは結晶質アルミナのウィスカーに比べて熱伝導率が低いため、熱抵抗を小さくするためには結晶質にすることが好ましい。結晶質に転化させるためには大凡、1500℃以上での熱処理が必要である。特に、アルミニウム膜において、炭化アルミニウムを主成分とする相に転化させてアルミニウムを残存させないようにすることが好ましい。
本発明のリアクトルは、冷却ベース側に位置するコイルの設置面に放熱層が配置されており、この放熱層がコイル側に配されるウィスカー層と、冷却ベース側に配される絶縁性無機材料の板とを有することで、放熱性能に優れる。また、ケースを省略することで、小型で軽量である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜5を参照して説明する。また、図中において同一部材には同一符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明のリアクトルの斜視図、図2は、本発明のリアクトルを冷却ベースに取り付けた状態での右側面図、図3は、本発明のリアクトルに備えるコアの平面図である。図2において、冷却ベースは断面で示す(後述する図5も同様)。
リアクトル1は、内部に冷媒の循環路(図示せず)が形成された冷却ベースBに直接取り付けられ、磁性材料からなるコア2と、コア2に配置されるコイル3と、コイル3と冷却ベースBとの間に配置される放熱層4とを主要構成部材とする。
コア2は、図3に示すように、対向し合うコイル巻回部2cを有し、閉磁路を形成する環状の部材であり、磁性体部2mとギャップ部2gとからなる。ここでは、磁性体部2mは、軟磁性粉末の圧粉成形体からなり、直方体状ブロック2aと、直方体の角部が湾曲した湾曲状ブロック2bとからなる。ギャップ部2gは、ガラスエポキシ樹脂やアルミナなどの非磁性材料からなる矩形状の板材である。また、ここでは、6つの直方体状ブロック2aと、一対の湾曲状ブロック2bとを用意し、3つの直方体状ブロック2aを一纏まりとした直方体組を一対作製し、これら直方体組を離間した状態で湾曲ブロック2bの間に配置して、これらを接合することで環状のコア2を形成している。コア2の直方体状ブロック2a同士間には、計4つのギャップ部2gが配置されており、各直方体組がそれぞれコイル巻回部2cとなる。
直方体状ブロック2a(直方体組)と湾曲状ブロック2bは、高さ(冷却ベースBにリアクトル1を設置した状態において、冷却ベースB側に位置する下面から上面までの距離)が異なり、図2に示すように側面から見ると、このコア2はH状である。また、コイル巻回部2cの外周にコイル3が配置された状態において、冷却ベースB側に位置するコイル3の面(コイル設置面3i)がコア2の面(コア設置面2i)よりも突出しないように、湾曲状ブロック2bの高さLh(冷却ベースBにリアクトル1を設置した状態において、湾曲状ブロック2bの上下方向の長さ)が設定されており、冷却ベースB側に位置するコア設置面2iが冷却ベースBに接触している。
コイル3は、平角銅線の表面にエナメル被覆を施した巻線をエッジワイズ巻きした第一コイル3a及び第二コイル3bを用意し、コイル巻回部2cに配置した後、両コイル3a,3bの一方の端部を溶接することで形成されている(図1参照)。連続する巻線によりコイルを形成することも可能であり、この場合、一方のコイル巻回部2cの一端側から他端側に向かって巻線を巻回し、他端側で折り返して、他方のコイル巻回部2cの他端側から一端側に向かって連続的に巻線を巻回すればよい。ここでは、コイル3に折り返しが形成されていないため、その分だけコア長Lc(一方の湾曲状ブロック2bの端面から他方の湾曲状ブロック2bの端面までの距離、図2,3参照)を短くすることができる。
コイル3がコイル巻回部2c(直方体状ブロック2aの直方体組)に配置されると、直方体状ブロック2aはコイル3に覆われ、湾曲状ブロック2bはコイル3から露出した状態となる。
このコア2とコイル3との組立体には、インシュレータ5が設けられている。インシュレータ5は、コイル巻回部2cの外周を覆う筒状部(図示せず)と、コイル3の各端面と当接する一対の鍔部5fとを備える。筒状部は、半割れの角筒片同士を係合することでコイル巻回部2cの外周を覆う。鍔部5fは、筒状部の両端部に対向するように配置され、コイル3の各端面と当接する一対の矩形枠である。インシュレータ5には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶ポリマー(LCP)などの合成樹脂が好適に利用できる。
そして、コイル3には、冷却ベースB側に位置するコイル設置面3iに、放熱層4が配置されている。
放熱層4は、ウィスカー層4wと絶縁性無機材料の板(以下、CE板)4eとから構成され、第一コイル3a及び第二コイル3bの双方のコイル設置面3iを覆うことができる程度の面積を有する板状部材である。CE板4eは、窒化珪素(α=27W/m・K)の板材で構成されている。また、放熱層4は、コイル3と接触するコイル接触面4cと、冷却ベースBと接触するベース接触面4bとを有する。放熱層4のベース接触面4bにグリースなどを塗布しておくと、冷却ベースBとの密着性を高めることができるので好ましい。また、放熱層4のベース接触面4b側にもウィスカー層を形成しておけば、グリースなどを塗布しなくても、冷却ベースBとの密着性を高めることができる。
放熱層4において、コイル接触面4c側にはウィスカー層4wが形成されている。このウィスカー層4wは、CE板4eの表面から垂直方向に成長した複数のウィスカーの集合体から構成されており、厚さが0.5mmである。ウィスカーは、炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカーである。
また、放熱層4は、コイル3から脱落しないように、熱伝導性に優れる接着剤(具体例、ナガセケムテックス株式会社製のシート状熱伝導性エポキシ接着剤(α=5W/m・K))によりコイル3に固定して一体化しておいてもよい。また、放熱層4のベース接触面4bとコア設置面2iとは面一である。
さらに、リアクトル1は、その外周を覆う樹脂被覆部6を備えている。ここでは、樹脂被覆部6は、コア2とコイル3との組立体を作製し、コイル3の外周面の所定箇所に放熱層4を配置した後、金型にセットし、エポキシ樹脂を注型成形することで形成されている。ただし、放熱層4のベース接触面4b及びコア2のコア設置面2iは樹脂被覆部6から露出し、また、別途配線が接続されるコイル3の端部も樹脂被覆部6から突出している。この樹脂被覆部6は、直方体状であり、コア2の湾曲状ブロック2bの湾曲部分を覆う箇所(樹脂被覆部6の四隅)のそれぞれに、冷却ベースBにリアクトル1を固定するためのボルト7(締結部材)が挿通される挿通孔6hが設けられた固定フランジ部6fが設けられている。樹脂被覆部6のコア2及びコイル3を覆う箇所の平均厚さは1〜2mmである。樹脂被覆部6の形状は、特に問わないので、コア2とコイル3との組立体の外形に概ね沿った形状としても構わない。また、固定フランジ部6fの設置箇所、形状(厚さ)、設置個数は、適宜選択することができる。例えば、側面視した場合に湾曲状ブロック2bの外面側から突出するように、或いは正面視した場合にコイル3の側面側から突出するように固定フランジ部6fを設けてもよい。
樹脂被覆部6は、(1)コア2、コイル3及び放熱層4を一体化する、(2)放熱層4をコイル3に確実に固定する、(3)コア2を補強する、(4)外部環境からコア2やコイル3を保護する、(5)周囲に配置される部材との間の絶縁を確保する、といった種々の効果を奏する。
リアクトル1の冷却ベースBへの取り付けは、冷却ベースBに設けられたネジ穴Bh(図2参照)に、樹脂被覆部6の固定フランジ部6fの挿通孔6hを位置合わせし、ボルト7をねじ込み締め付けることにより行う。樹脂被覆部6に固定フランジ部6fが一体に設けられていることで、別途固定用部材を用いなくても、冷却ベースBに簡単に取り付けられる。なお、樹脂被覆部6における固定フランジ部6f近傍は、樹脂が厚肉であるが、この厚肉箇所は、リアクトル1の外周の四隅に限定されており、全体的には薄肉であるため、固定フランジ部6fの存在による放熱性能の低下を低減することができる。この取り付けにより、放熱層4及びコア2は、冷却ベースBに接触することになる。
以上説明した実施の形態1に係るリアクトル1は、ケースが不要であり、小型・軽量である上、熱伝導率の高い放熱層4がコイル3と冷却ベースBとの間に介在すると共に、放熱層4のコイル接触面4c側にウィスカー層4wが形成されているので、放熱性能に優れる。
また、リアクトル1は、放熱層4のベース接触面4bとコア2のコア設置面2iとが面一であるため、コア2の熱も冷却ベースBに効率よく伝えることができる。かつ、この構成により、湾曲状ブロック2bの体積を一定とした場合、直方体状ブロック2aと湾曲状ブロック2bの高さが同じであるもの(特許文献1の図5参照)に比べて、平面視した場合におけるコイル3から露出するコア2の面積、即ちコア設置面2iの面積を小さくすることができる。そのため、コア長Lcを短くすることができ、リアクトル1をより小型化することが可能である。
(変形例1‐1)
上記した実施の形態1では、樹脂被覆部6にリアクトル1を冷却ベースBに固定するための固定箇所(固定フランジ部6f)を設けているが、コア2自体にボルトが挿通される挿通孔を設けてもよい。例えば、湾曲状ブロック2bの湾曲部分から外側に突出する部分を設け、この突出部分に挿通孔を設ければ、コア2の磁気特性に影響を及ぼし難い。この突出部分の形状や設置個数は適宜選択することができ、特に問わない。また、このような挿通孔を有するコア2は、軟磁性粉末の圧粉成形体とすることで容易に作製することができる。この突出部分も樹脂被覆部6で覆う場合は、コア2の挿通孔と連続するように樹脂被覆部6にも挿通孔を設けておく。
(変形例1‐2)
その他、樹脂被覆部6に固定フランジ部6f或いはコア2に挿通孔を設けずに、固定用部材を別途用意して、この固定用部材によりリアクトル1を冷却ベースに固定してもよい。図4は、固定用部材を用いて冷却ベースにリアクトル1を取り付けた状態を説明する図である。固定用部材8は、一対の脚部8aと、脚部8a同士を連結する連結部8bとからなる[状の部材であり、樹脂被覆部6の上面に位置する連結部8bがコア2やコイル3を冷却ベース側に押え付ける構成とする。ここでは、ステンレス製の固定用部材8を二個一組で用いている。脚部8aには、ボルト(図示せず)が挿通される挿通孔8hを設けておく。また、連結部8bの中央部分には、湾曲状ブロック2bの外面方向に突出する部分が設けられており、この突出部分が樹脂被覆部6の角部に沿って屈曲している。そのため、リアクトル1が前後左右上下方向に動くことを確実に防止することができる。
さらに、連結部8bの中央部分が樹脂被覆部6の上面に接するように連結部8bを弓状に湾曲させ、連結部の弾性により樹脂被覆部6を押圧して、コア2やコイル3を冷却ベース側に押え付ける構成としてもよい。この構成によれば、ウィスカー層4w(放熱層4)とコイル3との密着性を高める効果も期待できる。
(実施の形態2)
図5は、別の実施の形態に係るリアクトルを冷却ベースに取り付けた状態での右側面図である。リアクトル10も、コア2、コイル3、及び放熱層4を主要構成部材とするものであり、樹脂被覆部を備えていない点が実施の形態1のリアクトル1と異なり、その他の点は同様である。このようなリアクトル10は、構成部材が少ないことから、リアクトルの製造が容易になる。
リアクトル10は、接着剤などにより放熱層4をコイル3に固定して一体化しておくことが好ましい。この構成によれば、例えば冷却ベースBの下面に放熱層4を上方に向けてリアクトル10を取り付ける場合であっても、放熱層4のズレや落下を防止することができ、リアクトルの取り付け作業が行い易い。
リアクトル10を冷却ベースBに固定するには、上記変形例1‐1で説明したように、冷却ベースBにリアクトル10を固定するためのボルト(締結部材、図示せず)が挿通される挿通孔(図示せず)をコア2自体に設けたり、別途固定用部材を利用すればよい。固定用部材は、例えば、一対の脚部と、脚部同士を連結する連結部とからなる[状の部材であり、コアやコイルの外周面に沿った略直線状の連結部がコアやコイルを冷却ベース側に押え付ける構成とする。脚部には、ボルトが挿通される挿通孔を設けておく。また、上記変形例1‐2で説明したように、連結部の中央部分に、湾曲状ブロック2bの外面方向に突出する部分を設け、この突出部分を湾曲状ブロック2bの角部に沿って屈曲させてもよい。
さらに、連結部8bの中央部分を下方に膨出する弓状に湾曲させ、連結部の弾性によりコア2やコイル3を押圧して、コア2やコイル3を冷却ベース側に押え付ける構成としてもよい。この構成によれば、ウィスカー層4w(放熱層4)とコイル3との密着性を高める効果も期待できる。また、固定用部材を用いる場合、固定用部材のコイルと接触する可能性のある箇所に絶縁被覆を設けたり、固定用部材とコイルとの間に絶縁部材を配置することが好ましい。
(変形例I)
上記した実施の形態1,2では、リアクトル1,10を冷却ベースの上面に取り付ける構成を説明したが、冷却ベースの下面にリアクトルを取り付けることもある。リアクトル1,10はいずれも、放熱層をコイルと一体化しておくことができるので、冷却ベースに取り付ける際に、放熱層が落下するなどの恐れがなく、取付作業性に優れる。
(変形例II)
上記した実施の形態1,2では、セラミックスの板の表面にウィスカー層を形成した放熱層を例に説明したが、その他、導電性材料からなる金属板の表面にセラミックス層とウィスカー層とを形成したものを利用することができる。金属板としては、例えば、アルミニウム(α=236W/m・K)、銅(α=390W/m・K)、これらの合金、オーステナイト系ステンレス(例えば、SUS304:α=16.7W/m・K)といった非磁性の金属材料からなるものが挙げられる。セラミックス層は、セラミックスの板材又は箔を用意し、この板材(箔)を金属板に貼り合わせることで形成したり、金属板の表面にPVD法やCVD法を用いてセラミックスの膜を成膜することで形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、コアはケイ素鋼板を積層した積層体で構成してもよい。
本発明のリアクトルは、小型で、且つ放熱性能に優れており、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車のDC‐DCコンバータの構成部品などに好適に利用できる。
実施の形態1に係るリアクトルの斜視図である。 実施の形態1に係るリアクトルの右側面図である。 実施の形態1に係るリアクトルのコア平面図である。 固定用部材を用いて冷却ベースにリアクトルを取り付けた状態を説明する図である。 実施の形態2に係るリアクトルの右側面図である。
符号の説明
1,10 リアクトル
2 コア
2m 磁性体部 2g ギャップ部
2a 直方体状ブロック 2b 湾曲状ブロック 2c コイル巻回部
2i コア設置面
3 コイル
3a 第一コイル 3b 第二コイル 3i コイル設置面
4 放熱層
4c コイル接触面 4b ベース接触面
4w ウィスカー層 4e 絶縁性無機材料の板(CE板)
5 インシュレータ 5f 鍔部
6 樹脂被覆部
6f 固定フランジ部 6h 挿通孔
7 ボルト
8 固定用部材
8a 脚部 8b 連結部 8h 挿通孔
B 冷却ベース Bh ネジ穴

Claims (2)

  1. コイル巻回部を有するコアと、前記コイル巻回部に配置されるコイルとを備えるリアクトルであって、
    リアクトルが取り付けられる冷却ベース側に位置する前記コイルの設置面に、放熱層が配置されており、
    前記放熱層は、前記コイル側に配されて炭化アルミニウム又はアルミナのウィスカーで構成されるウィスカー層と、前記冷却ベース側に配される絶縁性無機材料の板とを有することを特徴とするリアクトル。
  2. 前記ウィスカーが、前記絶縁性無機材料の板表面から板厚方向に成長していることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
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