JP2009266858A - 有機エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥液性バンク材を使用せずに選択塗布を可能とする画素構造を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス装置は、基板54と、基板54に形成された有機平坦化層52と、有機平坦化層52に形成された複数の画素電極26と、少なくとも1つの開口部48を有し、開口部48内に画素電極26の一部が配置され、画素電極26の周縁部を覆うように、画素電極26と有機平坦化層52とに形成された複数の絶縁膜46と、を含み、隣り合う2つの絶縁膜46の間の領域には、画素電極26の下層の有機平坦化層52が露出している。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法に関するものである。
従来から、カラーフィルタ基板の着色層、有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の有機機能層及び微細な配線パターン等を液滴吐出法を用いて形成する方法が提案されている。この液滴吐出法によれば、材料を必要な箇所に必要なだけ配置することができるため、材料使用量の削減や形成時間の短縮化を図ることができる。
このような液滴吐出法では、液状の材料、或いは、材料を液体に含有させた液状体を吐出するため、材料を基板上に配置する場合には、液滴吐出法によって吐出した液体が流れ出さないよう、基板上に予めバンクと呼ばれるバンクを形成し、このバンク間に液体を吐出配置している。そして、バンク間に配置された液体が乾燥或いは焼成されることによって、最終的に、バンク間に着色層、有機機能層或いは配線パターンが形成される。
ところで、液滴吐出法において液体を所定領域、即ちバンク間に配置する際には、バンク間において液滴吐出法によって吐出された液体を濡れ広がらせる必要がある。ここで、液体が濡れ広がらない場合には、液体の液滴の膜厚等にムラが生じ、均一な機能を発揮することができなくなる。又、バンク間から液体が食み出した場合には、混色等の不良原因となる場合もある。そこで、例えば、プラズマ処理によって、バンク間の親液性を高めたり、バンクに撥液性を与えたりすることによって、液体が確実にバンク間においてのみ濡れ広がらせる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、アクティブマトリクス型の有機EL装置においては素子配線の高密度化による配線間容量の低減や絶縁耐圧確保のためのアクリル樹脂等の有機平坦化層を画素下層に配置する構造が一般的である。
特開2000−323276号公報
しかしながら、上記のような基板構造においては平坦化層及び撥液性バンク材としてアクリル等の有機樹脂膜が使用されるが、これらはレジスト材に比べると材料費が高いうえ、数μmの厚膜で使用するため加工生産性が低い問題があり、工程としては削減したいものである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]基板と、前記基板の表面に形成された有機平坦化層と、前記有機平坦化層の表面に形成された複数の画素電極と、少なくとも1つの開口部を有し、前記開口部内に前記画素電極の一部が配置され、前記画素電極の周縁部を覆うように、前記画素電極と前記有機平坦化層との表面に形成された複数の絶縁膜と、を含み、隣り合う2つの前記絶縁膜の間の領域には、前記画素電極の下層の前記有機平坦化層が露出していることを特徴とする有機EL装置。
これによれば、素子基板上の画素電極の下層に形成された有機平坦化層を基板最表面に露出させ、自己整合的な選択塗布を可能とするため、撥液性バンクの形成なしに選択塗布を可能とする画素構造が得られ、画素電極上に撥液性バンク構造を設けることなく選択塗布塗り分けを可能とする。又、上記構造において、画素電極の周縁部からのリーク防止のため画素電極の周縁部を絶縁膜でカバーしているので、画素電極と共通電極との間でのリーク・ショートを防止する。これにより、撥液性バンク材を使用せずに選択塗布を可能とする画素構造を提供する。
[適用例2]上記有機EL装置であって、前記有機平坦化層の前記領域の表面は、撥液性を有しており、前記領域に囲まれた、前記絶縁膜及び前記開口部内の前記画素電極の表面は、前記有機平坦化層の前記領域の表面よりも弱い撥液性を有することを特徴とする有機EL装置。
これによれば、素子基板上の画素電極の下層に形成された有機平坦化層を基板最表面に露出させ、撥液性を有することにより、より精度の高い自己整合的な選択塗布を可能とするため、撥液性バンクの形成なしに選択塗布を可能とする画素構造が得られ、画素電極上に撥液性バンク構造を設けることなく選択塗布塗り分けを可能とする。又、上記構造において、画素電極の周縁部からのリーク防止のため画素電極の周縁部を絶縁膜でカバーしているので、画素電極と共通電極との間でのリーク・ショートを防止する。これにより、撥液性バンク材を使用せずに選択塗布を可能とする画素構造を提供する。
[適用例3]上記有機EL装置であって、前記絶縁膜及び前記開口部内の前記画素電極の表面に形成された有機発光層を含み、前記有機発光層は、インクジェット塗布により形成されていることを特徴とする有機EL装置。
これによれば、より精度の高い塗り分けができる。
[適用例4]上記有機EL装置であって、前記有機平坦化層の前記領域の形状は、凸形状であることを特徴とする有機EL装置。
これによれば、隣り合う塗布領域のインクの混合が起きないように規制する。
[適用例5]上記有機EL装置であって、前記絶縁膜は、複数の前記開口部を有していることを特徴とする有機EL装置。
これによれば、精度の低い吐出装置での塗布にも対応できる。高精細発光画素にも対応できる。
[適用例6]画素電極と共通電極との間に有機発光層が形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子を有する有機EL装置の製造方法であって、有機平坦化層を形成する工程と、前記有機平坦化層の表面の所定の位置に前記画素電極を形成する工程と、前記画素電極の表面の所定の位置に絶縁膜を形成する工程と、少なくとも前記有機平坦化層の表面に第1の表面処理を行う工程と、前記有機平坦化層によって囲まれた領域に前記有機発光層を形成する工程と、を含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
これによれば、有機平坦化層の表面に施された第1の表面処理によって、インクジェットプロセスによる有機発光層を画素毎のばらつきを抑えて形成することができる。
[適用例7]上記有機EL装置の製造方法であって、前記第1の表面処理を行う工程の前に、少なくとも前記画素電極と前記絶縁膜との表面に第2の表面処理を行う工程を含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
これによれば、有機平坦化層の表面に施された第1の表面処理と、画素電極と絶縁膜との表面に施された第2の表面処理とによって、インクジェットプロセスによる有機発光層を画素毎のばらつきを抑えて形成することができる。
[適用例8]上記有機EL装置の製造方法であって、前記第1の表面処理する工程は、前記有機平坦化層の表面に対してCF4プラズマ処理を行うことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
これによれば、第1の表面処理する工程では、有機平坦化層の表面に対してCF4プラズマ処理が行われる結果、有機平坦化層表面が弗素化され、液体をよくはじくようになる。
[適用例9]上記有機EL装置の製造方法であって、前記第2の表面処理する工程は、前記画素電極と前記絶縁膜との表面に対して酸素プラズマ処理、UV照射処理、オゾン含有ガスへの暴露処理のうちいずれか1つ以上の処理を行うことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
これによれば、第2の表面処理する工程では、画素電極と絶縁膜との表面に対して酸素プラズマ処理、UV照射処理、オゾン含有ガスへの暴露処理のうちいずれか1つ以上の処理が行われ、画素電極と絶縁膜との表面が液体となじむようになる。
[適用例10]上記有機EL装置の製造方法であって、前記有機発光層は、インクジェット法により形成されることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
これによれば、有機発光層を含む有機薄膜がインクジェット法により形成される結果、絶縁膜に囲まれたそれぞれの素子形成領域に、滴下される有機薄膜を構成するインク化された組成物の量のばらつきを抑えることができる。又スピンコート法、スプレー法等と比べて、高価な有機EL材料を無駄にせず、追加のプロセスを増やすことなくRGBの発光材料を塗り分けることができる。
以下、図面を参照し、有機エレクトロルミネッセンス装置の一実施形態である有機エレクトロルミネッセンス発光装置(有機EL発光装置)について説明する。尚、各実施形態で参照する図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて表示している。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る有機EL発光装置2を構成するマトリクス状に形成された複数の画素領域の回路構成図であり、図2は、同装置の画素10の平面構造を示す図であって、主にTFT(薄膜トランジスタ)等の画素駆動部分を示す。図3は、同装置の画素10の平面構造を示す図であって、画素間を区画する絶縁膜等を示す。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面構成図である。尚、図3では図面を見易くするために対向基板の図示を省略している。
本実施形態に係る有機EL発光装置2は、図1に示すように、複数の走査線12と、これら走査線12に対して交差する方向に延びる複数の信号線14と、これら信号線14に並列に延びる複数の共通給電線16と、がそれぞれ配線されたもので、走査線12及び信号線14の各交点に、画素10が設けられて構成されたものである。
信号線14に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路18が設けられている。一方、走査線12に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路20が設けられている。画素10の各々には、走査線12を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT22と、このスイッチング用TFT22を介して信号線14から供給される画像信号を保持する保持容量Capと、保持容量Capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用TFT24と、この駆動用TFT24を介して共通給電線16に電気的に接続したときに共通給電線16から駆動電流が流れ込む画素電極26と、この画素電極26と共通電極28との間に挟み込まれる有機発光層30と、が設けられている。画素電極26と共通電極28と有機発光層30とによって構成される素子が有機EL素子(有機発光素子)である。
このような構成のもとに、走査線12が駆動されてスイッチング用TFT22がオンとなると、そのときの信号線14の電位が保持容量Capに保持され、保持容量Capの状態に応じて、駆動用TFT24のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT24のチャネルを介して共通給電線16から画素電極26に電流が流れ、更に有機発光層30を通じて共通電極28に電流が流れることにより、有機発光層30は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、図2に示す画素10の平面構造をみると、画素10は、画素電極26の四辺が、信号線14、共通給電線16、走査線12、及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。画素電極26の近傍には、スイッチング用TFT22と駆動用TFT24とが設けられている。
スイッチング用TFT22は、矩形の島状の半導体層32を主体としてなるトップゲート型の薄膜トランジスタであり、半導体層32と交差する走査線12が、当該交差部分でスイッチング用TFT22のゲート電極となっている。又、半導体層32には、図示上下方向に延在する信号線14から走査線12に沿う方向に延びた分岐配線14aがコンタクトホールc1を介して電気的に接続されている。更に、半導体層32には、画素電極26の図示右側に配された平面視矩形状の中継電極34が、コンタクトホールc2を介して電気的に接続されている。
駆動用TFT24は、矩形の島状の半導体層36を主体としてなるトップゲート型の薄膜トランジスタであり、ゲート電極38とソース電極40(共通給電線16の一部)とドレイン電極42とを備えている。ドレイン電極42は、図示しないコンタクトホールを介して画素電極26と電気的に接続されている。ゲート電極38は、半導体層36と重なる位置から図示下側へ延びて保持容量Capの電極44と一体に形成されている。更に、電極44は、図示下側へ延びており、それと平面的に重なって配置された中継電極34とコンタクトホールc3を介して電気的に接続されている。従って、中継電極34を介して駆動用TFT24のゲートと、スイッチング用TFT22のドレインと、が電気的に接続されている。
次に、図3に示す画素10の平面構造をみると、複数の絶縁膜46は、画素電極26の形成領域に対応した開口部48を有しており、この開口部48に先の有機発光層30及び共通電極28が形成されるようになっている。絶縁膜46は、1つの開口部48を有している。開口部48内に画素電極26の一部が配置されている。絶縁膜46は、画素電極26の周縁部50を覆うように、画素電極26と有機平坦化層52との上に跨って形成されている。絶縁膜46の外周においては画素電極26の下層の有機平坦化層52が露出している。隣り合う2つの絶縁膜46の間の領域には、画素電極26の下層の有機平坦化層52が露出している。この有機平坦化層52には、素子基板(基板)54(図4参照)に形成された駆動用TFT24と、有機平坦化層52上に形成される有機EL素子56(図4参照)とを電気的に接続するためのコンタクトホール58が形成されている。
又、図4に示す画素10の断面構造をみると、素子基板54には、駆動用TFT24が設けられており、駆動用TFT24を覆って形成された複数の絶縁膜を介した素子基板54には、有機EL素子56が形成されている。
本実施形態では、開口率を低下させることのないアクティブマトリックス方式で駆動させる有機EL素子の構造として、図4に示されるトップエミッション型構造を採用している。即ち有機EL素子56から発した光は、図4中下側の素子基板54側からではなく、図4中上側の有機EL素子56の表面から射出される構造となっている。これにより、素子基板54側から光を取り出していた従来の有機EL素子とは異なり、TFTや配線の存在しない有機EL素子56側から光を取り出すので、開口率の低下を招くことなく、有機発光層30からの光を取り出すことが可能になる。有機EL素子56は、素子基板54上に形成された有機平坦化層52及び絶縁膜46に囲まれる領域内に設けられた有機発光層30を主体として構成され、この有機発光層30を、画素電極26と共通電極28との間に挟持した構成を備えている。
素子基板54は、従来のボトムエミッション型の有機EL素子と同様に、石英ガラス、硼酸塩ガラス、燐酸塩ガラス、燐珪酸ガラス、珪酸塩ガラス等の各種ガラス材料や、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等の各種樹脂材料の他に、単結晶を含む各種セラミックス材料や各種金属材料等を用いることができる。素子基板54を覆う下地層60が形成されており、この下地層60には、アクティブマトリックス方式で有機EL素子を駆動するための駆動用TFT24や配線が所定の位置に形成されている。この図4に示される駆動用TFT24は、以下に示されるようにして形成される。
駆動用TFT24は、半導体層36に形成されたソース領域36a、ドレイン領域36b、及びチャネル領域36cと、半導体層36表面に形成されたゲート絶縁膜62を介してチャネル領域36cに対向するゲート電極38と、を主体として構成されている。ゲート絶縁膜62及びゲート電極38を覆う第1層間絶縁膜64が形成されており、この第1層間絶縁膜64及びゲート絶縁膜62を貫通して半導体層36に達するコンタクトホール66,68内に、それぞれドレイン電極42、ソース電極40が埋設され、各々の電極はドレイン領域36b及びソース領域36aに導電接続されている。第1層間絶縁膜64上には、ドレイン電極42及びソース電極40を覆う第2層間絶縁膜70が形成されており、この第2層間絶縁膜70には、有機平坦化層52が形成されている。
有機平坦化層52は、素子基板54に形成された駆動用TFT24や配線等の上に絶縁性材料によって形成されている。有機平坦化層52の厚さは少なくとも2μmは必要で、望ましくは3〜5μmである。この絶縁性材料としては、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂等の有機材料を例として挙げることができる。この有機平坦化層52及び第2層間絶縁膜70には、素子基板54に形成された駆動用TFT24と、有機平坦化層52上に形成される有機EL素子56の画素電極26とを電気的に接続するためのコンタクトホール58が形成されている。この有機平坦化層52及び第2層間絶縁膜70に貫設されたコンタクトホール58に画素電極26の一部が埋設されている。そして画素電極26とドレイン電極42とが導電接続されることで、駆動用TFT24と画素電極26(有機EL素子56)とが電気的に接続されている。有機平坦化層52が露出した領域は、撥液性を有している。
有機平坦化層52には、画素電極26が形成されている。画素電極26は、素子基板54の有機平坦化層52上の有機EL素子56を配置する箇所に、導電性材料をパターニングすることによって形成されている。画素電極26に用いられる導電性材料は、主に金属であり、Al,Mg,Mg−Ag合金等を用いることができる。尚、画素電極26は、有機平坦化層52に形成されたコンタクトホール58を通じて、素子基板54の駆動用TFT24と電気的に接続される。
有機平坦化層52には、無機絶縁材料からなる複数の絶縁膜46が形成されている。絶縁膜46は、画素電極26の周縁部を覆うように配置されている。絶縁膜46は、画素電極26の周縁部に一部乗り上げるように配置されている。絶縁膜46は、少なくとも1つの開口部48を有している。開口部48内に画素電極26の一部が配置されている。絶縁膜46は、SiO2やTiO2等の無機材料から構成され、画素形成領域の周囲を囲むように形成されている。この絶縁膜46は、画素電極26の境界部において、有機発光層30又は電子注入層72の成膜不良が発生した場合に、共通電極28と画素電極26とがショートしないようにする機能を持っている。将来、画素電極26と共通電極28とがショートしないプロセスが確立されれば、絶縁膜46は形成する必要は無い。隣り合う2つの絶縁膜46の間には、画素電極26の下層の有機平坦化層52が露出している。画素電極26と絶縁膜46との露出した領域は、親液性を有している。絶縁膜46の外周においては画素電極26の下層の有機平坦化層52が露出した構造となっている。絶縁膜46及び開口部48内の画素電極26の表面は、親液性を有している。或いは、有機平坦化層52の領域の表面よりも弱い撥液性を有している。
有機EL素子56は、画素電極26上に、正孔注入輸送層74と有機発光層30と電子注入層72とを積層し、この電子注入層72を覆う共通電極28を形成することにより構成されている。
正孔注入輸送層74は、画素電極26及び絶縁膜46上に形成され、有機発光層30に正孔を注入する層である。正孔注入輸送層74は撥液性を有している領域を避けて選択的に形成されている。つまり、有機平坦化層52の領域の表面よりも弱い撥液性を有している画素電極26及び画素電極26周辺をカバーする絶縁膜46の上にのみ正孔注入輸送層74が形成され、正孔注入輸送層74の画素分離、RGB塗り分けが可能となる。正孔注入輸送層74は、画素電極26の表面を覆って形成されており、その周縁部は、画素電極26中央側に延出された絶縁膜46の端縁部を覆っている。この正孔注入輸送層74を構成する材料として、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物や、芳香族アミン誘導体(TPD、α−TPD等)、MTDATA、銅フタロシアニン、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、フェニルアミン誘導体等を例として挙げることができる。例えば正孔注入輸送層74の材料は、バイトロンP等のPEDOT/PSSを使用している。
有機発光層30は、正孔注入輸送層74上に形成され、画素電極26からの正孔と後述する電子注入層72からの電子とが、この有機発光層30で再結合するときのエネルギによって、光を発する。有機発光層30は撥液性を有している領域を避けて選択的に形成されている。つまり、有機平坦化層52の領域の表面よりも弱い撥液性を有している正孔注入輸送層74の上にのみ有機発光層30が形成され、有機発光層30の画素分離、RGB塗り分けが可能となる。有機発光層30は、インクジェット塗布により形成されている。この有機発光層30を構成する材料として、ポリフルオレン系高分子誘導体、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体を例として挙げることができる。有機発光層30の材料は、ADS106RE(アメリカンダイソース)等の高分子ポリマーを使用している。又、有機発光層30を赤色に発光させるには、ローダミン、DCMの誘導体、ナイルレッド等を上記の有機発光層30を構成する材料に添加し、有機発光層30を緑色に発光させるには、キナクリドン、クマリン6等を上記の有機発光層30を構成する材料に添加し、そして、有機発光層30を青色に発光させるには、ペリレン、テトラフェニルブタジエン等を上記の有機発光層30を構成する材料に添加する。
電子注入層72は、有機発光層30を通過してきた正孔が共通電極28に到達しないようにブロックすると共に、共通電極28と有機発光層30との界面で共通電極28の電子注入機能を調整する役割を有し、有機発光層30上に形成されている。この電子注入層72の厚さは、1〜3nmであることが望ましい。電子注入層72は撥液性を有している領域を避けて選択的に形成されている。つまり、有機平坦化層52の領域の表面よりも弱い撥液性を有している有機発光層30の上にのみ電子注入層72が形成され、電子注入層72の画素分離、RGB塗り分けが可能となる。この電子注入層72を構成する材料として、金属弗化物又は金属酸化物を用いることができる。金属弗化物としては、LiF,NaF,KF,CsF,MgF2,CaF2,SrF2,BaF2,又はLiFとNaFとの混合物等を例として挙げることができる。又、金属酸化物としては、Al,Si,Cu,Ag,In,Th,V,Li,Na,K,Rb,Cs,Mg,Ca,Sr,Ba,Fe,Cr,Ta,W,Mo,Coの酸化物等を例として挙げることができる。特に、電子注入層72として、有機EL素子の特性を向上させる効果が大きいLiFを用いることが望ましい。
共通電極28は、電子注入層72上に形成される。この共通電極28は透明な導電性材料から構成され、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)等を用いることができる。共通電極28には、保護層が形成されていてもよい。
このような構成を有する有機EL素子が、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)毎に作製され、更にはこのRGBからなる有機EL素子を1つの単位として、この単位を基板上に複数配列することによって有機EL装置が作製される。
ここで、このようなトップエミッション型の有機EL装置の製造方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法の処理工程を示すフローチャートであり、図7〜図9は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程を示す図であり、有機EL装置が製造されていく過程の断面図が示されている。
先ず、有機平坦化層形成工程では、図7(A)及び(B)に示すように、有機EL素子駆動用のドライバや配線、画素毎のスイッチング素子である駆動用TFT24等を形成した素子基板54上に、有機平坦化層52を形成する(ステップS100)。有機平坦化層52は、例えばアクリルを2〜3μmの厚さでスピンコート塗布等により成膜して、プリベーク、露光、現像後にキュア(焼成(200〜230℃))することにより作成される。この有機平坦化層52は、駆動用TFT24等が形成されている部分とその他の部分で、表面の凹凸がなくなる程度の厚さを有することが望ましい。そのためには、駆動用TFT24や配線がなされていない素子基板54の表面から少なくとも2μmの厚さ、望ましくは3〜5μmの厚さの有機平坦化層52を形成する必要がある。その後、有機平坦化層52に、素子基板54に形成された駆動用TFT24や配線と接続するためのコンタクトホール58を形成する。
次に、画素電極形成工程では、図7(C)に示すように、有機平坦化層52上に画素電極26となる導電性材料をスパッタや蒸着又はその他の成膜手段によって形成した後、フォト・エッチングプロセスを用いて、形成した導電性材料の薄膜を所定の画素形成位置に、画素電極形状にパターニングする(ステップS110)。例えば、画素電極形成工程では、先ず、有機平坦化層52の上面に電極層となるITO膜をスパッタ法、蒸着法等の公知の手法を用いて有機平坦化層52の全面にわたって300nmの厚みに形成する。次に、基板に形成したITO膜の表面全体にレジストを2000〜3000rpmのスピンコーティングで1.7μmの厚さに塗布する。その後、フォトマスクを用いての露光、現像を行って、レジストマスクを形成する。次に、レジストマスクをマスクとしてSiO2/ITO膜にエッチング(王水や弗酸等のウェットエッチング等)を行って、画素電極26をパターニング形成した後、アルカリ液でレジストマスクを剥離、除去する。次に、所定温度、例えば200〜230℃で脱水工程(ベーク工程)を行い、画素電極26を形成する。このとき、有機平坦化層52に形成されたコンタクトホール58内にも画素電極26が成膜されるので、有機EL素子56の画素電極26と駆動用TFT24の端子とが、コンタクトホール58を介して接続されるようになる。
尚、スパッタや蒸着等の成膜手段における真空プロセスにおいて、画素電極26を構成する導電性材料の表面を、アルゴンガス等の不活性ガスによって逆スパッタすることが望ましい。画素電極である画素電極26は、フォト・エッチングプロセスによってパターン形成されるので、画素電極26表面が酸化された状態にあると共に、フォト・エッチングプロセスで使用された有機物が残留している状態にある。そこで、アルゴンガス等の不活性ガスによって逆スパッタを行うことによって、表面の酸化膜が除去されると共に、残留している有機物が分解、除去され、画素電極26表面がクリーニングされ、活性化される。
次に、絶縁膜形成工程では、図8(A)及び(B)に示すように、絶縁膜46を、パターニングした画素電極26上及び有機平坦化層52上に形成し、フォト・エッチングプロセスを用いて、画素電極26の開口部48及び撥液性領域92が所定形状に開口するようにパターニングする(ステップS120)。例えば、絶縁膜形成工程では、先ず、画素電極26及び有機平坦化層52の上面に絶縁膜46となるSiO2、SiN膜等をCVD等の公知の手法を用いて画素電極26及び有機平坦化層52の全面にわたって300nmの厚みに形成する。次に、基板に形成したSiO2、SiN膜等の表面全体にレジストを2000〜3000rpmのスピンコーティングで1.7μmの厚さに塗布する。その後、フォトマスクを用いての露光、現像を行って、レジストマスク90を形成する。次に、レジストマスク90をマスクとしてSiO2、SiN膜等にエッチング(弗酸或いはドライ)を行って、絶縁膜46をパターニング形成した後、アルカリ液でレジストマスクを剥離、除去する。次に、所定温度、例えば200〜230℃で脱水工程(ベーク工程)を行い、絶縁膜46を形成する。このとき画素電極26の周縁部50(図3参照)は絶縁膜46によって覆われるように絶縁膜46がレイアウトされていなければならない。これは画素電極26の周縁部50を絶縁カバーすることによって共通電極28とのリーク、ショートを防止するためである。絶縁膜46は、例えばCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって有機平坦化層52及び画素電極26の全面にSiO2、TiO2、SiN等の無機物膜を形成し、次にこの無機物膜をエッチング等によりパターニングして形成し、画素電極26上の画素領域に開口部48を設けることにより形成する。この結果、絶縁膜46は、画素電極26の周縁部50上に乗り上げるように形成される。尚、絶縁膜46の開口部48の形状としては、図4に示されるように、画素電極26に対応してそれぞれ形成してもよいが、図6に示されるように、絶縁膜46は複数の開口部48を有していてもよい。図6に示すように、RGBの各色の発光部を同じ列(又は同じ行)に形成する場合には、その各色の列(又はその各色の行)の画素電極26をまとめて囲むように絶縁膜46の開口部48を形成してもよい。上記の構造を取ることにより別紙図のように絶縁膜46の外周においては画素電極26の下層の有機平坦化層52が露出した構造となる。
次に、親液性処理工程では、図8(C)に示すように、画素電極26及び絶縁膜46の表面に対して酸素プラズマ処理、UV照射処理、オゾン含有ガスへの暴露処理等を1つ以上行う(ステップS130)。この処理によって、画素電極26及び絶縁膜46表面に残留している有機物の異物を分解除去することができ、画素電極26及び絶縁膜46表面を活性化させることができる。更に、画素電極26及び絶縁膜46表面の組成物に対する接触角が小さくなり、表面が親液性となるので、後述するインクジェットプロセスで打ち込まれる組成物とのなじみがよくなるという効果を有する。
次に、撥液性処理工程では、有機平坦化層52の表面の撥液性領域92に対してCF4プラズマ処理を行う(ステップS140)。このCF4プラズマ処理によって、有機平坦化層52の撥液性領域92表面が弗素化され、撥液性を示すようになる。これによって、後述するインクジェットプロセスで打ち込まれる組成物のパターニングが良好になるという効果を有する。
次に、正孔輸送層形成工程では、図9(A)〜(C)に示すように、インクジェットプロセスによって、正孔注入材料を溶解させた組成物を各画素形成領域76(図9(C)参照)に打ち込んで、所定温度で減圧(〜10−4Pa)する脱水工程(ベーク工程)を行う。その結果、正孔注入輸送層74が含有していた水分を放出することで正孔注入輸送層74を形成する(ステップS150)。
このインクジェットプロセスによって吐出されるインク化された組成物の液滴が、基板に到達する時の位置精度は±5〜15μmの範囲である。インクジェットヘッド78から吐出されるインク化された組成物の液滴80が、画素形成領域76から外れて有機平坦化層52側にずれてしまった場合でも、上述した工程によって、有機平坦化層52の表面は撥液性処理がなされ、画素電極26と絶縁膜46とは上述した工程によって親液性処理がなされているので、組成物の液滴80は有機平坦化層52と接触している部分では有機平坦化層52の表面からはじかれ、最終的に画素形成領域76内におさまるように移動する。この状態で、組成物の液滴80を乾燥させると、所定の画素形成領域76内に正孔注入輸送層74が形成される。このとき、表面が撥液性処理された有機平坦化層52が存在するので、画素形成領域76から組成物の流出を防止することができる。このように、インクジェットヘッド78から吐出される組成物の液滴80の位置精度が多少ずれても、画素形成領域76内に組成物の液滴80を高精度に入れることができる。尚、1つの画素形成領域76には、組成物を乾燥させたときに所定の厚さとなるように、複数滴の組成物を滴下してもよい。
次に、有機発光層形成工程では、乾燥して所定の厚さに形成された電子注入層72上にインクジェットプロセスによって、赤色、緑色又は青色の高分子材料をそれぞれ溶解させた有機発光層30を構成する材料の組成物を、対応する画素形成領域76内に打ち込んで、所定温度で減圧(〜10−4Pa)する脱水工程(ベーク工程)を行う。その結果、組成物が含有していた水分を放出することで有機発光層30を形成する(ステップS160)。この有機発光層形成工程の形成も、上述したステップS150の正孔注入輸送層形成工程で用いたインクジェットプロセスと同様にして行われる(図省略)。インクジェットヘッド78から吐出される組成物の液滴80は、例えばADS106RE(アメリカンダイソース)等の高分子ポリマーをキシレン等の有機溶剤に溶解させたものを用い、真空乾燥、アニールによりポリマー固形分を残すことで薄膜形成する。
次に、電子注入層形成工程では、乾燥して所定の厚さに形成された有機発光層30上にインクジェットプロセスによって、正孔注入材料を溶解させた組成物を各画素形成領域76に打ち込んで、所定温度で減圧(〜10−4Pa)する脱水工程(ベーク工程)を行う。その結果、組成物が含有していた水分を放出することで電子注入層72を形成する(ステップS170)。この電子注入層72の形成も、上述したステップS150の正孔注入輸送層形成工程で用いたインクジェットプロセスと同様にして行われる(図省略)。インクジェットヘッド78から吐出される組成物の液滴80は、例えばバイトロンP等のPEDOT/PSSを水系溶媒に溶解させたものを用い、真空乾燥、アニールによりポリマー固形分を残すことで薄膜形成する。
次に、共通電極形成工程では、電子注入層72の上に、スパッタや蒸着又はその他の成膜手段によって透明な共通電極28を形成する(ステップS180)。
そして、封止工程では、上述した工程によって有機EL素子56が形成された素子基板54を封止することによって(ステップS190)、有機EL発光装置2が製造される。素子基板54の封止方法としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で、形成された有機EL素子56の側から素子基板54を透明な対向基板82によって封止する。対向基板82としては、例えば、石英ガラス、硼酸塩ガラス、燐酸塩ガラス、燐珪酸ガラス、珪酸塩ガラス等の各種透明なガラス材料や、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等の各種樹脂材料を用いることができる。このように、有機EL素子56上を不活性ガス雰囲気下で封止することによって、大気中の水分や酸素が有機EL素子56を形成する共通電極28や有機発光層30等に対する影響を抑制するためのガスバリア構造が形成される。
尚、上述したステップS150〜S170のインクジェットプロセスは、蒸着等の成膜手段によって代替することも可能である。
この実施形態によれば、親液性処理工程によって画素電極26及び絶縁膜46の表面を親液性処理し、撥液性処理工程によって有機平坦化層52の表面を撥液性処理することによって、有機平坦化層52の表面と、画素電極26及び絶縁膜46の表面との濡れ性が大きく異なるようにしたので、インクジェットプロセスでの組成物の滴下位置が多少ずれても、滴下した組成物を確実に画素形成領域76に導くことができ、インクジェットプロセスで滴下する組成物の位置精度のばらつきを抑制することができる。これによって、各画素形成領域76内に打ち込まれるインク量のばらつきが抑制されるので、正孔注入輸送層74、有機発光層30及び電子注入層72の膜厚のばらつきも抑制され、歩留り向上や表示品質の改善が達成される。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係る有機EL発光装置4の平面構成図(図10(A))及び断面構成図(図10(B))であり、図10(B)は、図10(A)のX−X線に沿う断面構成図である。有機EL発光装置4の基本構成は第1の実施形態の有機EL発光装置2と同じである。異なるのは、有機平坦化層52の露出面が凸形状である。従って、第1の実施形態と共通の構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の有機EL発光装置4は、図10に示すように、有機平坦化層52の露出している領域が凸形状84に形成されている。有機平坦化層52を素子配線基板表面露出させた領域は凸形状84となるように下層に配線86又は配線86と同時に形成される島状のパターン88が配置されている。
(光書き込みヘッド)
次に、他の実施形態として、有機EL発光装置を用いた光書き込みヘッドについて図11及び図12を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係る光書き込みヘッド用途に好適な構成を具備した有機EL発光装置6の平面構成図である。
図11に示すように、有機EL発光装置6を構成する素子基板54上には、図示しない有機EL素子が配列形成された発光素子領域100が素子基板54の長さ方向に沿って長手に設けられており、発光素子領域100に沿って複数の駆動素子102が配列されている。詳細は省略しているが、発光素子領域100に設けられた各有機EL素子は、各駆動素子102から延びる接続配線104と電気的に接続され、駆動素子102から供給される電気信号により駆動されるようになっている。
本実施形態の有機EL発光装置6も、先の実施形態の有機EL発光装置2,4と同様の封止構造を具備したものとなっている。即ち発光素子領域100に設けられた有機EL素子の表面には図示しない保護層が形成され、発光素子領域100を覆って封止部106が形成されている。そして、発光素子領域100及び封止部106を覆うようにして対向基板82が被着されている。
上記構成を具備した有機EL発光装置6は、先の実施形態に係る有機EL発光装置2,4と同様に、各画素形成領域76内に打ち込まれるインク量のばらつきが抑制されるので、正孔注入輸送層74、有機発光層30及び電子注入層72の膜厚のばらつきも抑制され、歩留り向上や表示品質の改善が達成されるものとなっている。
図12は、上述の有機EL発光装置6を電子写真方式プリンタの光書き込みヘッド(プリンタヘッド)に適用した場合の一例を示す図である。図12において、有機EL発光装置6の光射出方向(図示上方)には光学系108が設けられており、光学系108の上方には感光ドラム(感光体)110が設けられている。有機EL発光装置6は、光学系108に対して光を射出し、光学系108に入射した光は光学系108により集光されて感光ドラム110に入射する。本実施形態では、発光素子領域100(図11参照)に対する歩留り向上や表示品質の改善を実現することが可能であり、電子写真方式プリンタ全体の信頼性を向上することができる。
(電子機器)
図13は、本実施形態に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図13に示す携帯電話200は、上記実施形態の有機EL発光装置を小サイズの表示部202として備え、複数の操作ボタン204、受話口206、及び送話口208を備えて構成されている。
上記実施形態に係る有機EL発光装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、有機ELテレビ、ビューファインダ型或いはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、及びタッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、高輝度、高コントラスト、広視野角の透過表示が可能である。
第1の実施形態に係る有機EL発光装置を構成するマトリクス状に形成された複数の画素領域の回路構成図。 同装置の画素の平面構造図。 同装置の画素の平面構造図。 図3のIV−IV線に沿う断面構成図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法の処理工程を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る有機EL発光装置の平面構成図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程を示す図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程を示す図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程を示す図。 第2の実施形態に係る有機EL発光装置の平面構成図及び断面構成図。 本実施形態に係る光書き込みヘッド用途に好適な構成を具備した有機EL発光装置の平面構成図。 本実施形態に係る有機EL発光装置を電子写真方式プリンタの光書き込みヘッド(プリンタヘッド)に適用した場合の一例を示す図。 本実施形態に係る電子機器の一例を示す斜視図。
符号の説明
2,4,6…有機エレクトロルミネッセンス発光装置(有機EL発光装置) 10…画素 12…走査線 14…信号線 14a…分岐配線 16…共通給電線 18…データ側駆動回路 20…走査側駆動回路 22…スイッチング用TFT 24…駆動用TFT 26…画素電極 28…共通電極 30…有機発光層 32…半導体層 34…中継電極 36…半導体層 36a…ソース領域 36b…ドレイン領域 36c…チャネル領域 38…ゲート電極 40…ソース電極 42…ドレイン電極 44…電極 46…絶縁膜 48…開口部 50…周縁部 52…有機平坦化層 54…素子基板(基板) 56…有機EL素子 58…コンタクトホール 60…下地層 62…ゲート絶縁膜 64…第1層間絶縁膜 66,68…コンタクトホール 70…第2層間絶縁膜 72…電子注入層 74…正孔注入輸送層 76…画素形成領域 78…インクジェットヘッド 80…液滴 82…対向基板 84…凸形状 86…配線 88…パターン 90…レジストマスク 92…撥液性領域 100…発光素子領域 102…駆動素子 104…接続配線 106…封止部 108…光学系 110…感光ドラム(感光体) 200…携帯電話 202…表示部 204…操作ボタン 206…受話口 208…送話口。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に形成された有機平坦化層と、
    前記有機平坦化層の表面に形成された複数の画素電極と、
    少なくとも1つの開口部を有し、前記開口部内に前記画素電極の一部が配置され、前記画素電極の周縁部を覆うように、前記画素電極と前記有機平坦化層との表面に形成された複数の絶縁膜と、
    を含み、
    隣り合う2つの前記絶縁膜の間の領域には、前記画素電極の下層の前記有機平坦化層が露出していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、
    前記有機平坦化層の前記領域の表面は、撥液性を有しており、
    前記領域に囲まれた、前記絶縁膜及び前記開口部内の前記画素電極の表面は、前記有機平坦化層の前記領域の表面よりも弱い撥液性を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、
    前記絶縁膜及び前記開口部内の前記画素電極の表面に形成された有機発光層を含み、
    前記有機発光層は、インクジェット塗布により形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、
    前記有機平坦化層の前記領域の形状は、凸形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、
    前記絶縁膜は、複数の前記開口部を有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 画素電極と共通電極との間に有機発光層が形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子を有する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    有機平坦化層を形成する工程と、
    前記有機平坦化層の表面の所定の位置に前記画素電極を形成する工程と、
    前記画素電極の表面の所定の位置に絶縁膜を形成する工程と、
    少なくとも前記有機平坦化層の表面に第1の表面処理を行う工程と、
    前記有機平坦化層によって囲まれた領域に前記有機発光層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記第1の表面処理を行う工程の前に、少なくとも前記画素電極と前記絶縁膜との表面に第2の表面処理を行う工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記第1の表面処理する工程は、前記有機平坦化層の表面に対してCF4プラズマ処理を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記第2の表面処理する工程は、前記画素電極と前記絶縁膜との表面に対して酸素プラズマ処理、UV照射処理、オゾン含有ガスへの暴露処理のうちいずれか1つ以上の処理を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記有機発光層は、インクジェット法により形成されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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