JP2009265597A - 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体上に液晶化合物を含有する組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、該透明支持体がラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムからなることを特徴とする光学補償フィルム;及び偏光子と、前記光学補償フィルムとを少なくとも有する偏光板である。また、前記偏光板を有する液晶表示装置である。
【選択図】なし
Description
一方、光学フィルムの作製に有用なポリマー材料が種々提案され、例えば、ラクトン環含有重合体を利用した光学フィルムが提案されている(特許文献2及び3)。
また、本発明は、正面及び斜め方向のコントラストが改善された液晶表示装置を提供することを課題とする。
[1] 透明支持体上に液晶化合物を含有する組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、該透明支持体がラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムからなることを特徴とする光学補償フィルム。
[2] 前記ラクトン環単位を有する重合体が、下記一般式(1)で表される単位を有する重合体であることを特徴とする[1]の光学補償フィルム。
[5] 前記透明支持体が、1分子中に2個以上の芳香族環を有するレターデーション上昇剤を更に含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム。
[6] 前記透明支持体と前記光学異方性層との間に、配向膜を有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム。
[7] 偏光子と、[1]〜[6]のいずれかの光学補償フィルムとを少なくとも有する偏光板。
[8] [7]の偏光板を少なくとも一枚有する液晶表示装置。
また、本発明によれば、正面及び斜め方向のコントラストが改善された液晶表示装置を提供することができる。
[光学補償フィルム]
本発明は、透明支持体上に液晶化合物を含有する組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、該透明支持体がラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムからなることを特徴とする光学補償フィルムに関する。本発明では、透明支持体として、ラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムを用いることで、光学補償フィルムとしての消光度を低下させている。本発明の光学補償フィルムは、消光度0.0015以下を達成可能である。この消光度は、小さければ小さいほどよいが、許容できる上限の値は、消光度と共に連動して変化する他のパラメータの値(例えばヘイズ値など)を考慮して決定される。なお、消光度は、クロスニコルに配置した2枚の偏光板間に、透過率が最小になるように位相差膜を配置した時に測定される透過光量を、偏光板をパラニコルにして光学補償フィルムを置かない時の透過光量で割った値として測定することができる。
本発明では、前記透明支持体として、ラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムを用いる。
・ ラクトン環単位を有する重合体(以下、「ラクトン環含有重合体」という)
本発明に使用可能なラクトン環含有重合体は、重合体中にラクトン環構造を有するものであり、好ましくは下記一般式(1)で表されるラクトン環構造を有するものである。
ラクトン環含有重合体構造中の一般式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造の含有割合は、(メタ)アクリル酸エステルを重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜90質量%であり、水酸基含有単量体を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。不飽和カルボン酸を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。一般式(2a)で表される単量体を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
一般式(1a)で表される単量体としては、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸tert−ブチルなどが挙げられる。これらの中でも、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、耐熱性向上効果が高い点で、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。一般式(1a)で表される単量体は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用可能なグルタル酸無水物単位含有重合体は、下記一般式(3)で表される単位を有する重合体であることが好ましい。
一般式(4):―[CH2―C(R41)(COOR42)]―
一般式(4)中、R41は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R42は炭素数1〜6の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、又は1個以上炭素数以下の数の水酸基もしくはハロゲンで置換された炭素数1〜6の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基を表す。
一般式(5):CH2=C(R41)(COOR42)
このような単量体の好ましい具体例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル及び(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが含まれ、中でもメタクリル酸メチルが最も好ましく用いられる。これらはその1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸単位としては、例えば、下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
一般式(6):―[CH2―C(R51)(COOH)]―
ここでR51は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
一般式(7):CH2=C(R51)(COOH)
・ 他の熱可塑性樹脂
本発明に支持体として用いられるフィルムは、前記ラクトン環単位含有重合体又はグルタル酸無水物単位含有重合体以外の熱可塑性樹脂を1種以上含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂等のゴム質重合体;などが含まれる。ゴム質重合体は、表面に、前記ラクトン環単位含有重合体等と相溶し得る組成のグラフト部を有するのが好ましく、また、ゴム質重合体の平均粒子径は、フィルム状とした際の透明性向上の観点から、100nm以下である事が好ましく、70nm以下であることがさらに好ましい。
その他の熱可塑性樹脂としてアクリロニトリル−スチレン系共重合体を用いる場合、その製造方法は、乳化重合法や懸濁重合法、溶液重合法、バルク重合法等を用いることが可能であるが、得られるフィルムの透明性や光学性能の観点から溶液重合法かバルク重合法で得られたものであることが好ましい。
本発明において透明支持体として用いるフィルムは、前記ラクトン環単位含有重合体等とともに、レターデーション上昇剤を含有していてもよい。「レターデーション上昇剤」とは、添加されることによって、少なくとも無添加のものと比較して、面内レターデーション(Re)及び厚み方向のレターデーション(Rth)の少なくとも一方の絶対値を増加させる性質を有する剤をいう。レターデーション上昇剤は、1分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物から選択されるのが好ましい。1分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物の分子では、通常、2つの芳香族環の立体配座を立体障害しなければ、2つの芳香族環は、同一平面を形成する。本発明者の研究によれば、ラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムのレターデーションを上昇させるためには、複数の芳香族環により同一平面を形成することが重要である。かかるレターデーション上昇剤の例には、特開2002−363343号公報の段落番号[0011]〜[0031]に記載された化合物と実質的に同一の、直線的な分子構造を有する棒状化合物;特開2000−111914号公報の段落番号[0011]〜[0085]に記載された化合物と、実質的に同一の、立体障害しない立体配座となっている2つの芳香族環を含有する化合物;少なくとも1つの芳香族環を置換基として有する1,3,5−トリアジン化合物;及び、特開2001−166144号公報に記載された、ポルフィリン骨格を有する化合物;が含まれる。
特に、少なくとも一つの芳香族環を置換基として有する1,3,5−トリアジン化合物が好ましい。この場合、該トリアジン環がもう一つの芳香環となる。
具体的には、特開2001−166144号公報の段落番号[0016]に記載の一般式(I)で表される1,3,5−トリアジン化合物がレターデーション上昇剤として好ましい。
本発明において支持体として用いられるポリマーフィルムは、種々の添加剤から選らばれる1種以上を含んでいてもよい。
添加剤の例には、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;サリチル酸フェニル、(2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;リン酸トリス(ジブロモプロピル)、リン酸トリアリル、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;及び難燃剤;などが含まれる。
本発明において、支持体として用いるポリマーフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前記ラクトン環単位含有重合体等と、必要に応じて、レターデーション上昇剤、及び他の熱可塑性樹脂などを、公知の混合方法で混合して得られたポリマー組成物を、フィルム状に成形することにより得られる。さらに、フィルム状に成形後、延伸することによって延伸フィルムとしてもよい。
例えば、上記1,3,5−トリアジン環系の化合物をレターデーション上昇剤として前記ラクトン環単位含有重合体に混合することで、Reが0〜200nm程度、及びRthが0〜500nm程度のポリマーフィルムを製造することができる。
これらの処理の詳細については、高分子表面改質(近代編集社)P.88〜、高分子表面の基礎と応用(下)(化学同人)P.31〜、大気圧プラズマの原理・特徴と高分子フィルム・ガラス基板の表面改質技術(技術情報協会)等にそれぞれ記載があり、その内容を参照することができる。
本発明の光学補償フィルムは、液晶組成物からなる光学異方性層を有する。前記液晶組成物は、硬化性であるのが好ましい。前記液晶組成物は、少なくとも一種の液晶化合物を含有する。該液晶化合物としては、棒状液晶化合物又はディスコティック液晶化合物が好ましい。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。これらの棒状液晶化合物の固定は、棒状液晶化合物の末端構造に重合性基を導入(後述の円盤状液晶と同様)し、この重合・硬化反応を利用して行われている。具体例としては、重合性ネマチック棒状液晶化合物を紫外線硬化した例が特開2006−209073号公報に記載されている。また、上述の低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。高分子液晶化合物は、以上のような低分子液晶化合物に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶化合物を用いた光学補償シートについては、特開平5−53016号公報等に記載がある。
ディスコティック液晶化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶化合物は、下記式(A)で表わされる化合物であることが好ましい。
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Pは重合性基であり;そして、nは3〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(又はPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基又はアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(A)において、nは3〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に0.1〜50質量%の範囲にあり、0.5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
(Re(λ)及びRth(λ))
本明細書では、Re(λ)は波長λにおける面内レターデーション(nm)を意味し、及びRth(λ)は波長λにおける厚み方向レターデーション(nm)を意味する。
測定対象のフィルムのRe(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において各波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法により、厚み方向レターデーションRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(10)及び式(11)よりRthを算出することもできる。
また式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
また、本明細書において、測定波長を特に付記しない場合は、波長550nmにおけるRe及びRthであるとする。
本明細書において、支持体用フィルム及び光学補償フィルムのヘイズ値は、JIS K−7136に準じて測定した値である。
本発明の光学補償フィルムは、透明支持体そのもののヘイズが小さいのみならず、該透明支持体上に光学異方性層を形成しても、そのことによるヘイズの上昇が小さく、光学補償フィルムとしても、ヘイズが小さいという特徴がある。本発明に用いる透明支持体のヘイズは、0〜0.2%程度であり、当該支持体上に光学異方性層を形成した本発明の光学補償フィルムでも、ヘイズ0.3%以下を達成可能である。光学異方性層を形成することによるヘイズの上昇は0.08%以下であるのが好ましい。
本発明は、偏光膜と、本発明の光学補償フィルムとを少なくとも有する偏光板にも関する。本発明の偏光板の一例は、偏光膜の一方の表面の保護フィルムとして、本発明の光学補償フィルムを有する偏光板である。保護フィルムとして用いる場合は、支持体であるラクトン環単位含有共重合体等を含有するポリマーフィルムの裏面(配向膜が形成されていない側の面)を、所望により表面処理して親水化してから、偏光膜の表面に貼り付けるのが好ましい。
偏光膜には、例えば、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素にて染色し、延伸を行うことによって得られる偏光膜などが用いられる。
偏光膜の他方の表面にも保護フィルムが貼り付けられているのが好ましく、かかる保護フィルムとしては、セルロースアシレートフィルムや環状ポリオレフィン系ポリマーフィルム等が用いられる。
本発明の光学補償フィルム及び偏光板は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような、様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。
合成例1:ラクトン環含有重合体ペレット(P−1)の作製
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した30L反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)8000g、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)2000g、4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK)10000g、n−ドデシルメルカプタン5gを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、開始剤としてt−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート{化薬アクゾ(株)製、「カヤカルボン Bic−75」(商品名)}5.0gを添加すると同時に、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート10.0gとMIBK230gからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜120℃)で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
メタクリル酸メチル20質量部、アクリルアミド80質量部、過硫酸カリウム0.3質量部、イオン交換水1500質量部を反応器中に仕込み、単量体が完全に重合体に転化するまで、反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保ち、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体系懸濁剤水溶液を調製した。
メタクリル酸(MAA) 30質量部
メタクリル酸メチル(MMA) 70質量部
t−ドデシルメルカプタン 0.6質量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4質量部
製造例1:支持体(SP−1)の作製
上記ペレット(P−1)とアクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂{東洋スチレン(株)製、「トーヨーAS AS20」(商品名)}をP−1/AS樹脂=90/10の質量比で単軸押出し機(φ=30mm)を用いて混錬することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。このペレットをメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、溶液キャスト法で60μmのフィルム(SP−1)を作製した。
得られたフィルムについてKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=−2.0nm、JIS K−7136に準じて測定したヘイズ値は0.15%であった。
製造例1で得られた支持体(SP−1)のフィルムを、100℃で0.1m/分の速度で1.5倍に単軸延伸することで50μmの延伸フィルム(SP−2)を得た。
合成例2で得られたペレット(P−2)をMEKに溶解させ、溶液キャスト法で60μmのフィルム(SP−3)を作製した。
上記ペレット(P−1)とアクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂{東洋スチレン(株)製、「トーヨーAS AS20」(商品名)}をP−1/AS樹脂=90/10の質量比で単軸押出し機(φ=30mm)を用いて混錬することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。このペレット及び、下記構造のレターデーション上昇剤1をペレット/レターデーション上昇剤=100/3の質量比でメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−4)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであった。
上記ペレット(P−1)とアクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂{東洋スチレン(株)製、「トーヨーAS AS20」(商品名)}をP−1/AS樹脂=90/10の質量比で単軸押出し機(φ=30mm)を用いて混錬することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。このペレット及び、下記構造のレターデーション上昇剤2をペレット/レターデーション上昇剤=100/5の質量比でメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、溶液キャスト法で85μmのフィルムを得た。さらに100℃で0.1m/分の速度で幅方向に1.25倍にテンター延伸することで80μmの延伸フィルム(SP−5)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したところ、面内レターデーションRe=38nm(遅相軸:幅方向)、厚み方向レターデーションRth=180nmであり、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤2を下記構造のレターデーション上昇剤3に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−6)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであり、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤2を下記構造のレターデーション上昇剤4に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−7)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであり、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤2を下記構造のレターデーション上昇剤5に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−8)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであり、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤2を下記構造のレターデーション上昇剤6に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−9)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであり、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤2を下記構造のレターデーション上昇剤7に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−10)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであり、ヘイズ値は0.15%であった。
(配向膜の形成)
製造例4で作製した支持体(SP−4)の片面に大気圧プラズマ処理(電極:積水化学工業(株)製、条件:雰囲気酸素濃度:3体積%(97%窒素)、周波数:30Hz、フィルム搬送速度:1m/分)して、片面を親水化処理した。親水化処理により、水の接触角は90°から28°に低減し、充分に親水化されていた。
この処理面に、下記の組成の配向膜形成用硬化性組成物を#14のワイヤーバーで24mL/m2のウエット塗布量で塗布して、100℃で2分間乾燥した。配向膜1の厚さは、1.0μmであった。
下記式の変性ポリビニルアルコール 40質量部
水 728質量部
メタノール 228質量部
グルタルアルデヒド 2質量部
クエン酸 0.08質量部
クエン酸モノエチルエステル 0.29質量部
クエン酸ジエチルエステル 0.27質量部
クエン酸トリエチルエステル 0.05質量部
光学異方性層形成用液晶組成物1:
メチルエチルケトン 102.00質量部
下記構造式に示す円盤状液晶化合物1 41.01質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート(V360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)
0.11質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)
0.34質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 1.35質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 0.45質量部
下記構造式に示すフルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.03質量部
下記構造式に示すフルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.23質量部
配向膜を塗工したロール状態のフィルムを送り出し、その先に配置されたラビング装置によって搬送方向に沿って逆回転にラビングロールを回転させて配向膜の表面をラビング処理し、続いてラビング処理面を超音波除塵した。除塵後に、ラビング処理面に、上記組成の光学異方性層形成用液晶組成物1の塗布液を#3のワイヤーバーで5.2ml/m2のウエット塗布量で塗布して、120℃で1.5分間乾燥して、配向させ、その後、80℃にフィルム温度を保った状態で120W/cmのメタルハライドランプで照射量500mJ/cm2のUV光を照射して、重合反応を進行させて、配向状態を固定して、光学異方性層1を形成し、巻き取り部でロールフィルム状態に巻き取った。光学異方性層1の厚さは、1.4μmであった。得られたフィルムの光学異方性層のみをガラス板に転写してKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定した結果、Re=50nm、Rth=86nmであった。フィルムのヘイズは0.20%、消光度は0.0010であった。表1に光学補償フィルムの構成を、表2に評価結果を示す。
以上の様にして、光学補償フィルム1を作製した。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
その後、作製した光学補償フィルム1の光学異方性層1を形成した面の反対側の面を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前記偏光膜の一方の面に貼り付け、前記偏光膜の他方の面には、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理を行った市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を貼り付けた。このようにして、偏光板1を作製した。
TN型液晶セルを使用した22インチの液晶表示装置(ACER製 AL2216W)に設けられている一対の偏光板(上側偏光板、及び下側偏光板)を剥がし、代わりに作製した偏光板1を、光学異方性層が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けて、偏光板1を2枚有するTNモード液晶表示装置1を作製した。このとき、観察者側の偏光板(上側偏光板)の透過軸と、バックライト側の偏光板(下側偏光板)の透過軸とが直交するように各偏光板を配置した。
常温常湿(25℃60%RH)の部屋で1週間放置した前記液晶表示装置を測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、パネル正面方向におけるコントラスト比(白表示時の透過率/黒表示時の透過率)、及び、左右/上下のコントラスト視野角(コントラスト10以上を維持する視野角)を評価した。評価結果を表2に示す。
製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに、以下に示す製造法にて作製した支持体(SP−11)を用い、表面親水化処理を大気圧プラズマ処理から以下に示す鹸化処理に変更した以外は実施例1と同様にして配向膜形成、光学異方性層を形成することによって、光学補償フィルム2を作製した。実施例1と同様にして光学補償フィルム2を片面に有する偏光板2を作製し、実施例1と同様にしてTNモード液晶表示装置2を作製し、同様の評価を行った。表1に光学補償フィルムの構成を、表2に評価結果を示す。
下記表に示す組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。セルロースアシレートは、全アシル置換度が2.83のものを用いた。
アセチル置換度2.83のセルロースアシレート 100質量部
トリフェニルフォスフェート 8質量部
ビフェニルフォスフェート 4質量部
メチレンクロライド 293質量部
メタノール 71質量部
1−ブタノール 2質量部
アセチル置換度2.83のセルロースアシレート 100質量部
トリフェニルフォスフェート 8質量部
ビフェニルフォスフェート 4質量部
メチレンクロライド 314質量部
メタノール 76質量部
1−ブタノール 2質量部
シリカ微粒子(AEROSIL972、日本アエロジル(株)製)
0.8質量部
得られた透明支持体の片面に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10mL/m2塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除し、その後、100℃で15秒間乾燥して、片面を鹸化処理した。
製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例5で作製した支持体(SP−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、鹸化処理、配向膜形成を行った。
以下の組成の光学異方性層形成用液晶組成物2の塗布液を調製した。
光学異方性層形成用液晶組成物2:
メチルエチルケトン 147.78質量部
上記円盤状液晶化合物1 41.01質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート(V360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)
0.23質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 1.35質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 0.45質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー
(メガファックF780、(大日本インキ化学工業(株)製) 0.45質量部
以上のようにして、光学補償フィルム3を作製した。
光学補償フィルム1の代わりに光学補償フィルム3を用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板3を作製した。
(OCBモード液晶セルの作製)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、液晶セルの厚さを7.2μmに設定した。液晶セルの間隙にΔnが0.1396の液晶化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向したOCBモード液晶セルを作製した。
上記ベンド配向液晶セルと、上記一対の偏光板3とを組み合わせて液晶表示装置を作製した。
なお、ベンド配向液晶セルと、一対の偏光板との配置は、偏光板が第1の光学異方性層、及びベンド配向液晶セルの基板が対面し、ベンド配向液晶セルのラビング方向とそれに対向する第1の光学異方性層のラビング方向とが反平行になるようにした。
作製したベンド配向液晶セルを挟むように、それぞれ別の透明基板に、視認側、及びバックライト側に偏光板をそれぞれ貼り付けた。
偏光板の第1の光学異方性層が前記透明基板に対向し、ベンド配向液晶セルのラビング方向とそれに対向する第1の光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置し、ベンド配向液晶セルの大きさが20インチである液晶表示装置を作製した。
(表示性能評価)
実施例1と同様にして、パネル正面方向におけるコントラスト比(白表示時の透過率/黒表示時の透過率)を評価した。結果を表1に示す。
製造例5で作製した支持体(SP−5)の代わりに特開2007−147966公報中に記載の比較例3で用いられているセルロースアシレートフィルム(CA−2)と同様にして膜厚88μmのフィルムSP−12を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したところ、面内レターデーションRe=36nm(遅相軸:幅方向)、厚み方向レターデーションRth=175nmであった。
製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例1で作製した支持体(SP−1)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム5、偏光板5、TNモード液晶表示装置3を作製した(実施例3)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例6で作製した支持体(SP−6)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム6、偏光板6、TNモード液晶表示装置4を作製した(実施例4)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例7で作製した支持体(SP−7)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム7、偏光板7、TNモード液晶表示装置5を作製した(実施例5)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例8で作製した支持体(SP−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム8、偏光板8、TNモード液晶表示装置6を作製した(実施例6)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例9で作製した支持体(SP−9)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム9、偏光板9、TNモード液晶表示装置7を作製した(実施例7)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例10で作製した支持体(SP−10)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム10、偏光板10、TNモード液晶表示装置8を作製した(実施例8)。
レターデーション上昇剤1をレターデーション上昇剤3に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−13)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであった。また、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤1をレターデーション上昇剤4に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−14)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであった。また、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤1をレターデーション上昇剤5に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−15)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであった。また、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤1をレターデーション上昇剤6に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−16)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであった。また、ヘイズ値は0.15%であった。
レターデーション上昇剤1をレターデーション上昇剤7に置き換えた以外は製造例4と同様にして、溶液キャスト法で80μmのフィルム(SP−17)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、面内レターデーションRe=0.5nm、厚み方向レターデーションRth=92nmであった。また、ヘイズ値は0.15%であった。
合成例2で得られたペレット(P−2)、及びレターデーション上昇剤1をペレット/レターデーション上昇剤=100/6の質量比でメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、溶液キャスト法で60μmのフィルム(SP−18)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したしたところ、Re=2nm、及びRth=93nmであった。また、ヘイズ値は0.16%であった。
合成例2で得られたペレット(P−2)、及びレターデーション上昇剤1をペレット/レターデーション上昇剤=100/3の質量比でメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、溶液キャスト法で60μmのフィルムを作製した。さらに100℃で0.1m/分の速度で幅方向に1.17倍にテンター延伸することで53μmの延伸フィルム(SP−19)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したところ、面内レターデーションRe=75nm(遅相軸:幅方向)、厚み方向レターデーションRth=62nmであった。また、ヘイズ値は0.17%であった。
製造例18で得られたSP−18を100℃で0.1m/分の速度で幅方向に1.25倍にテンター延伸することで50μmの延伸フィルム(SP−20)を作製した。得られたフィルムの光学特性をKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定したところ、面内レターデーションRe=40nm(遅相軸:幅方向)、厚み方向レターデーションRth=182nmであった。また、ヘイズ値は0.17%であった。
製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例13で作製した支持体(SP−13)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム11、偏光板11、TNモード液晶表示装置9を作製した(実施例9)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例14で作製した支持体(SP−14)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム12、偏光板12、TNモード液晶表示装置10を作製した(実施例10)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例15で作製した支持体(SP−15)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム13、偏光板13、TNモード液晶表示装置11を作製した(実施例11)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例16で作製した支持体(SP−16)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム14、偏光板14、TNモード液晶表示装置12を作製した(実施例12)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例17で作製した支持体(SP−17)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム15、偏光板15、TNモード液晶表示装置13を作製した(実施例13)。
同様に、製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例2で作製した支持体(SP−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム16、偏光板16、TNモード液晶表示装置14を作製した(実施例14)。
製造例4で作製した支持体(SP−4)の片面に実施例1と同様に大気圧プラズマ処理を行い、該処理面に配向膜を形成した。
下記の組成の光学異方性層形成用液晶組成物3の塗布液を調製した。
メチルエチルケトン 270.0質量部
円盤状液晶化合物1 10.0質量部
下記の円盤状液晶化合物2 90.0質量部
下記の空気界面配向制御剤1 1.0質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 1.0質量部
製造例4で作製した支持体(SP−4)の代わりに製造例5で作製した支持体(SP−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、支持体SP−5の表面に対して大気圧プラズマ処理を行い、該処理面に配向膜を形成した。
実施例2と同様にして、光学異方性層形成用液晶組成物2の塗布液を調製し、前記配向膜の表面に塗布し、光学補償フィルム18を作製した。
この光学補償フィルム18を用い、実施例2と同様に偏光板18、OCBモード液晶表示装置3を作製し、表示性能評価を行った。
製造例3で作製した支持体(SP−3)を用いたこと以外は実施例1と同様に、支持体SP−3の表面を大気圧プラズマ処理、該処理面に配向膜を形成した。
実施例15と同様にして、光学異方性層形成用液晶組成物3の塗布液を調製し、前記配向膜の表面に塗布し、光学補償フィルム19を作製し、これを有する偏光板19を作製した。
26インチのTN型液晶セルを使用した液晶表示装置(LC−26HU25、Xoceco社製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板19を、光学補償フィルム19が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とが直交するように配置した。このようにして、TNモード液晶表示装置16を作製した。
実施例1と同様にして、正面コントラスト及び視野角を評価した。
(温湿度変化による輝度変化の評価)
さらに作製した液晶表示装置16について、電源OFF状態で2時間以上放置した状態から電源ONにして5分以内に上下左右の辺の中央で、端部から1cm中心寄りの点での輝度を輝度計(TOPCON製BM−5)で測定し、その平均を求めたところ、0.3cd/cm2であった。さらに点灯後1時間経過した時点で同様の測定を行ったところ、0.5cd/cm2であった。即ち、液晶表示装置16の温度変化による輝度変化は、0.2cd/cm2であった。
また、作製した液晶表示装置16を、電源OFF状態で25℃・10%RH下に24時間放置し、点灯後すぐに同様の測定を行ったところ、0.5cd/cm2であった。即ち、液晶表示装置16の湿度変化による輝度変化は、0.2cd/cm2であった。
製造例18で作製した支持体(SP−18)を用いたこと以外は実施例1と同様に、支持体SP−18の表面を大気圧プラズマ処理し、該処理面に配向膜を形成した。
実施例15と同様に、光学異方性層形成用液晶組成物3の塗布液を調製し、前記配向膜の表面に塗布し、光学補償フィルム20を作製し、これを有する偏光板20を作製した。
偏光板20を用い、実施例17と同様にしてTNモード液晶表示装置17を作製し、表示性能評価を行った。
製造例18で作製した支持体(SP−18)を用いたこと以外は実施例1と同様に、支持体SP−18の表面を大気圧プラズマ処理し、該処理面に配向膜を形成した。
下記の組成の光学異方性層形成用液晶組成物4の塗布液を調製した。
メチルエチルケトン 270.0質量部
上記円盤状液晶化合物2 100.0質量部
空気界面配向制御剤1 1.0質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 1.0質量部
偏光板21を用い、実施例17と同様にしてTNモード液晶表示装置18を作製し、表示性能評価を行った。
製造例19で作製した支持体(SP−19)を用いたこと以外は実施例1と同様に、支持体SP−19の表面を大気圧プラズマ処理を行い、該処理面に配向膜を形成した。
次に、配向膜を有するロール状態に巻き取られた長尺のフィルムを送り出し、搬送方向の下流に配置されたラビング装置によって、搬送方向に沿って逆回転にラビングロールを回転させて、配向膜の表面をラビング処理し、続いてラビング処理面を超音波除塵した。除塵後に、ラビング処理面に、上記組成の光学異方性層形成用液晶組成物2の塗布液を#2のワイヤーバーで3.5mL/m2のウエット塗布量で塗布して、120℃で1.5分間乾燥して、液晶を配向させた。その後、80℃にフィルム温度を保った状態で120W/cmのメタルハライドランプで照射量500mJ/cm2のUV光を照射して、重合反応を進行させて、配向状態を固定して、光学異方性層5を形成し、巻き取り部でロールフィルム状態に巻き取った。光学異方性層5の厚さは、1.4μmであった。得られたフィルムの光学異方性層5のみをガラス板に転写してKOBRA 21ADHにて測定波長550nmでの光学特性を測定した結果、Re=32nm、Rth=90nmであった。フィルムのヘイズ値は0.21%、消光度は0.0011であった。以上の様にして、光学補償フィルム22を作製した。
製造例19で作製した支持体(SP−19)を用いたこと以外は実施例1と同様に、支持体SP−19の表面を大気圧プラズマ処理し、該処理面に配向膜を形成した。
下記の組成の光学異方性層形成用液晶組成物5の塗布液を調製した。
メチルエチルケトン 270.0質量部
上記円盤状液晶化合物1 10.0質量部
上記円盤状液晶化合物2 90.0質量部
空気界面配向制御剤1 2.0質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 1.0質量部
この光学補償フィルム23を用い、実施例17と同様にして、偏光板23、及びTNモード液晶表示装置20を作製し、表示性能評価を行った。
製造例18で作製した支持体(SP−18)を用いたこと以外は実施例1と同様に、支持体SP−18の表面を大気圧プラズマ処理し、該処理面に配向膜を形成した。
下記の組成の光学異方性層形成用液晶組成物6の塗布液を調製した。
メチルエチルケトン 300.0質量部
下記に示す棒状液晶化合物1 87.0質量部
下記に示す棒状液晶化合物2 13.0質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.4質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー
(メガファックF780、(大日本インキ化学工業(株)製) 0.6質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 1.0質量部
この光学補償フィルム24を用い、実施例17と同様にして、偏光板24、及びTNモード液晶表示装置21を作製し、表示性能評価を行った。
製造例20で作製した支持体(SP−20)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体SP−20の表面を大気圧プラズマ処理し、該処理面に配向膜を形成した。
光学異方性層形成用液晶組成物2の塗布液の代わりに、光学異方性層形成用液晶組成物5の塗布液を用いた以外は実施例2と同様にして、光学補償フィルム25を作製した。
この光学補償フィルム25を用い、実施例2と同様にして、偏光板25、及びOCBモード液晶表示装置4を作製し、表示性能評価を行った。
また、実施例17と同様にして、OCBモード液晶表示装置4の温湿度変化による輝度の変化を評価した。
製造例20で作製した支持体(SP−20)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体SP−20の表面を大気圧プラズマ処理し、該処理面に配向膜を形成した。
下記の組成の光学異方性層形成用液晶組成物7の塗布液を調製した。
メチルエチルケトン 270.0質量部
上記円盤状液晶化合物2 100.0質量部
空気界面配向制御剤1 2.0質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 1.0質量部
この光学補償フィルム26を用い、実施例2と同様にして、偏光板26、及びOCBモード液晶表示装置5を作製し、表示性能評価を行った。
また、実施例17と同様にして、OCBモード液晶表示装置5の温湿度変化による輝度の変化を評価した。
(開環重合環状ポリオレフィンドープの調製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解した後、平均孔径34μmのろ紙及び平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
環状ポリオレフィン溶液A
―――――――――――――――――――――――――――――――――
アートンG(JSR株式会社製) 150質量部
メチレンクロライド 550質量部
エタノール 50質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤分散液
――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒径16nmのシリカ粒子
(aerosil R972 日本アエロジル(株)製) 2質量部
メチレンクロライド 75質量部
エタノール 5質量部
環状ポリオレフィン溶液A 10質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記環状ポリオレフィン溶液を100質量部、及びマット剤分散液を1.1質量を混合し、製膜用ドープを調製した。
上述のドープをバンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が約22質量%でバンドから剥離した。その後テンタークリップで保持し、搬送ゾーンにて延伸を行った後に、130℃で乾燥し巻き取った。できた環状ポリオレフィンフィルムの厚さは30μmであった。このフィルムを真鍮製の上下電極間(アルゴンガス雰囲気)で、グロー放電処理(周波数3000Hz、4200Vの高周波数電圧を上下電極間に引加、20秒処理)して開環重合環状ポリオレフィンフィルムを作製した。
また、実施例17と同様にして、OCBモード液晶表示装置6の温湿度変化による輝度の変化を評価した。
実施例21と同様に、SP−19の支持体に大気圧プラズマ処理し、配向膜を形成した。
下記の組成の塗布液を調製した。
メチルエチルケトン 270.0質量部
下表に示す円盤状液晶化合物(A) 90.0質量部
下表に示す円盤状液晶化合物(B) 10.0質量部
(化35)に示す空気界面配向制御剤1 2.0質量部
光重合開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製 1.0質量部
作製した各光学補償フィルムを用い、実施例21と同様にして、偏光板、及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様に表示性能評価を行った。
Claims (8)
- 透明支持体上に液晶化合物を含有する組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、該透明支持体がラクトン環単位又はグルタル酸無水物単位を有する重合体を含有するフィルムからなることを特徴とする光学補償フィルム。
- 前記透明支持体が、更にシアン化ビニル系単量体から誘導される単位と芳香族ビニル系単量体から誘導される単位とを有する共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記透明支持体が、1分子中に2個以上の芳香族環を有するレターデーション上昇剤を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記透明支持体と前記光学異方性層との間に、配向膜を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 偏光子と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償フィルムとを少なくとも有する偏光板。
- 請求項7に記載の偏光板を少なくとも一枚有する液晶表示装置。
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