JP2009264685A - 膨張弁 - Google Patents

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久寿 広田
Isao Sendo
功 仙道
Takeyasu Nishiyama
武泰 西山
Takanao Kumakura
孝尚 熊倉
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Abstract

【課題】特に膨張弁を低圧配管内に収容したタイプの空調装置において、低温環境下においてもその機能を良好に発揮できるようにする。
【解決手段】ある態様の膨張弁1は、冷凍サイクルに設けられて動作し、上流側から導入された冷媒をボディ10内の弁部を通過させることにより膨張させてエバポレータへ供給し、エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して弁部の開度を制御する。この膨張弁1は、弁部の下流側の圧力が基準圧力以下となるのを規制する形状記憶合金からなるスプリング44(圧力低下規制構造)を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は膨張弁に関し、特に自動車用空調装置の冷凍サイクルに設けられ、上流側から導入された高温・高圧の冷媒を膨張させて低温・低圧の冷媒にしてエバポレータへ送出する膨張弁に関する。
自動車用空調装置の冷凍サイクルには一般に、循環する冷媒を圧縮するコンプレッサ、圧縮された冷媒を凝縮するコンデンサ、凝縮された冷媒を気液に分離するレシーバ、分離された液冷媒を絞り膨張させて霧状にして送出する膨張弁、その霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により車室内の空気を冷却するエバポレータが設けられている。
膨張弁としては、エバポレータから導出された冷媒が所定の過熱度をもつように、例えばエバポレータ出口における冷媒の温度および圧力を感知して弁部を開閉し、エバポレータへ送出する冷媒の流量を制御する温度式膨張弁が用いられる(例えば特許文献1参照)。この膨張弁のボディには、レシーバからエバポレータへ向かう冷媒を通過させる第1の通路と、エバポレータから戻ってきた冷媒を通過させてコンプレッサへ導出する第2の通路とが形成されている。その第1の通路には、エバポレータへ向かう冷媒の流量を調整する弁部が設けられている。ボディの端部には、第2の通路を流れる冷媒の温度および圧力を感知して弁部の開度を制御するパワーエレメントが設けられている。この膨張弁のボディにおける第1の通路の入口ポートにはレシーバから延びる高圧配管が接続され、出口ポートにはエバポレータへ向かう低圧配管が接続される。また、第2の通路の入口ポートにはエバポレータから延びる戻り配管が接続され、出口ポートにはコンプレッサへ向かう低圧配管が接続される。
ところで、このような冷凍サイクルを循環させる冷媒には一般にフロン(HFC−134a)が使用されているが、地球温暖化係数が大きいことから、その大気への漏洩対策が必要となる。上述した膨張弁の構造においては、ボディと各配管との接続部、ボディとパワーエレメントとの連結部等の各部位において冷媒の外部漏れが発生する可能があるためである。特に、膨張弁の入口ポートにおける高圧配管の継手部分においては通過する冷媒圧力が高くなるため、出口ポートにおける低圧配管の継手部分よりもフロンがシール部材を浸透して外部に漏れる可能性がある。
そこで、本出願人は、エバポレータからコンプレッサへ向かう戻り低圧配管内に膨張弁をそっくり収容し、その低圧配管内で膨張弁と高圧配管およびエバポレータ入口配管との接続を行うようにした膨張弁の装着構造を提案している(例えば特許文献2参照)。この構造によれば、仮に高圧配管の接続部においてフロンが外部に漏洩したとしても、その接続部が低圧配管内に収容されているため、フロンが大気に漏れることはない。
特開2002−115938号公報 特開2008−57949号公報
しかしながら、このように膨張弁を低圧配管内に収容したことにより、車両が低温環境下におかれたときに別の問題が発生する可能性がある。すなわち、熱負荷が小さい低温環境下においては、空調装置を駆動してもコンプレッサが小容量運転を行うために冷媒の循環量そのものが少ない。一方、パワーエレメントが低圧配管内の温度をそのまま感知する構成であるため、その低温感知により開弁方向へ十分に作動せず、その結果、エバポレータ側に十分な流量の冷媒を供給できずに空調装置の除湿機能が十分に発揮されなくなる可能性がある。一方、空調装置の作動により膨張弁から僅かながら冷媒が導出されるのでエバポレータの冷却は進行する。その結果、エバポレータの温度が過度に低下し、熱交換により付着した水滴を凍結させてしまうおそれもあった。このような凍結が発生すると、エバポレータの熱交換機能を著しく低下させることになる。
すなわち、パワーエレメントの外表面が大気に露出された従来の構成においては、パワーエレメントが冷媒温度のみならずエンジンルーム等の外部周辺温度を感じることができるため、低温環境下においても膨張弁を適度に開弁させて必要な流量を確保することができた。また、その流量確保によってエバポレータを通過する冷媒圧力を維持することができた。エバポレータの冷媒圧力はその冷媒温度に比例するため、このように冷媒圧力が確保されることにより、冷媒温度がエバポレータの凍結温度まで低下することを防止できたのである。しかし、膨張弁を低圧配管内に収容した対策後の構成においては、パワーエレメントが感知する温度がもともと低いために、その流量を確保することが困難となる。つまり、エバポレータを通過する冷媒の圧力および温度を凍結を防止可能な一定以上に保持することが困難となる。
なお、このようなエバポレータの凍結等の問題は、外部環境によっては膨張弁を低圧配管内に収容したタイプの空調装置のみならず、パワーエレメントの外表面が大気に露出された従来の構成においても発生する可能性がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特に膨張弁を低圧配管内に収容したタイプの空調装置において、低温環境下においてもその機能を良好に発揮できるようにすることにある。
本発明のある態様の膨張弁は、冷凍サイクルに設けられて動作し、上流側から導入された冷媒をボディ内の弁部を通過させることにより膨張させてエバポレータへ供給し、エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して弁部の開度を制御する。この膨張弁は、弁部の下流側の圧力が基準圧力以下となるのを規制する圧力低下規制構造を有する。
ここでいう「弁部の下流側の圧力」は、冷凍サイクルにおけるエバポレータの出口側の温度を推し量れるものであればよく、そのボディ内における弁部の下流側の圧力であってもよいし、膨張弁とエバポレータとの間の圧力であってもよい。あるいは、エバポレータの下流側の圧力であってもよい。「基準圧力」は、エバポレータの凍結の可能性がある圧力を基準に設定することができる。例えば、その凍結範囲の上限圧力や、安全率をかけてその上限圧力よりも所定量高い圧力として設定してもよい。
この態様によると、弁部の下流側の圧力が基準圧力以下となるのが規制されるため、低温環境下においてもエバポレータの温度をその凍結を防止できる程度には保持できる。その結果、低温環境下においても冷凍サイクルの機能を良好に発揮させることができる。
具体的には、ボディを貫通する冷媒通路の中間部に設けられた弁孔に接離して弁部を開閉する弁体と、基準圧力が満たされる密閉空間と、被感知圧力としてエバポレータから戻ってきた冷媒の圧力が導入される開放空間とを仕切る感圧部材を有し、被感知圧力を感知した感圧部材の変位を弁体に伝達することにより弁部を開閉駆動する感圧部と、を備えてもよい。感圧部材は、被感知圧力が低下したときに弁体の開弁方向に変位し、被感知圧力が上昇したときに弁体の閉弁方向に変位してもよい。
特に、ボディが、冷媒通路の一端部に設けられた入口ポートを介して上流側の高圧配管に接続されるとともに、冷媒通路の他端部に設けられた出口ポートを介してエバポレータの入口へつながる低圧配管に接続されるものであり、エバポレータの出口とコンプレッサの入口との間の戻り低圧配管内に、ボディと感圧部を含む当該膨張弁全体、入口ポートと高圧配管との接続部、および出口ポートと低圧配管との接続部が配置されるものである場合、感圧部が低温をより感知しやすくなる。その結果、弁部の下流側の圧力が基準圧力に近づく可能性が高くなるため、上記効果をより有効に発揮することができる。
本発明によれば、特に膨張弁を低圧配管内に収容したタイプの空調装置において、低温環境下においてもその機能を良好に発揮できるようになる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明の膨張弁を自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される温度式膨張弁として具体化している。
本実施の形態の冷凍サイクルは、図示しないコンプレッサ、コンデンサ、レシーバ、膨張弁およびエバポレータを含む冷媒循環回路に、冷媒としての代替フロン(HFC−134a)を循環させて車室内の空調を行うシステムとして構成されている。コンプレッサにて圧縮された高温・高圧の冷媒は、コンデンサにて凝縮され、レシーバにて気液に分離される。このとき分離された液冷媒は、膨張弁1により絞り膨張されて霧状となり、エバポレータへ送られる。その霧状の冷媒はエバポレータにて蒸発され、その蒸発潜熱により車室内の空気が冷却される。エバポレータとの熱交換により冷却と除湿が行われた空気は、その一部がヒータを通過するよう制御されるなどして温度調整が行われる。
図1は、第1の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁1は、エバポレータからコンプレッサへ向かう戻り低圧配管内にそっくり収容される態様の温度式膨張弁として構成され、ボディ10の内部に弁部が設けられている。ボディ10の端部には、弁部を開閉駆動するパワーエレメント12が装着されている。
ボディ10の側部には高圧の冷媒を導入する入口ポート14が設けられ、下部には低圧の冷媒を導出する出口ポート16が設けられている。これらのポートは、ボディ10の内部で直交する冷媒通路を介して連通している。その冷媒通路の中間部には区画壁18が設けられ、その区画壁18を貫通するように弁孔20が形成されている。そして、弁孔20に下流側から対向するように弁体22が配置されている。区画壁18は、弁体22との対向部において凹状に形成された段部を有し、その段部の中央を貫通するようにガイド孔24が形成されている。弁孔20は、その段部においてガイド孔24の周りに所定の間隔で設けられた複数の貫通孔により形成される。冷媒通路において区画壁18の上流側が高圧冷媒通路26となり、下流側が低圧冷媒通路28となる。
ボディ10の上部には内外を連通させる連通孔30が形成されており、細径部32を介して高圧冷媒通路26に連通している。弁体22には長尺状の作動ロッド34が一体に設けられている。作動ロッド34は、ガイド孔24に摺動可能に挿通され、細径部32を貫通して連通孔30に到るように延設されている。作動ロッド34の上端部には円筒状のガイド部材36が圧入されている。ガイド部材36は、連通孔30の内壁に沿って摺動可能に支持されている。すなわち、弁体22は、作動ロッド34がガイド孔24および連通孔30に沿ってガイドされつつ軸線方向に駆動されることにより、弁部の開閉方向に動作する。本実施の形態においては、連通孔30の径と弁孔20の径とが実質的に等しく構成されており、その結果、弁体22に直接または間接的に作用する高圧の冷媒による圧力がキャンセルされている。
弁孔20の下流側開口端縁によって弁座38が形成されており、弁体22の上端部近傍のテーパ面が弁座38に着脱することにより弁部が開閉される。細径部32とガイド部材36との間に形成される空間にはOリング40が配置されており、内外の気密性を保持している。ボディ10の下端開口部にはリング状のアジャスト部材42が圧入され、アジャスト部材42と弁体22との間には、弁体22を閉弁方向に付勢するスプリング44(「付勢部材」に該当する)が介装されている。スプリング44のばね荷重は、アジャスト部材42のボディ10への圧入量により調整することができる。その圧入量により弁部の開弁圧力、つまり膨張弁1のセット値が調整される。
パワーエレメント12は、中空のハウジング50と、ハウジング50内を密閉空間S1と開放空間S2とに仕切るように配設されたダイアフラム52(「感圧部材」に該当する)とを含んで構成されている。ハウジング50は、ともにステンレスからなる有蓋状のアッパーハウジング54および段付円筒状のロアハウジング56からなり、これらの開口部を突き合わせてその外縁部にステンレス等の金属薄板からなるダイアフラム52の外縁部を挟むようにして組み付けられる。ハウジング50は、アッパーハウジング54とロアハウジング56との間にダイアフラム52を挟んだ状態でその接合部の外周に沿ってTIG溶接等が施されることにより、容器状に形成されている。密閉空間S1は感温室を構成し、アッパーハウジング54内に基準圧力を保持するための冷媒ガスなどが充填された後、その上面中央に設けられた孔をボール状の封体58にて封止することにより密閉されている。封体58は、例えばステンレス等から構成される。
ロアハウジング56の内周面には、ボディ10の先端部に形成された雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されている。そして、ロアハウジング56の下半部がボディ10の上端部に螺合されることにより、パワーエレメント12がボディ10に固定されるように構成されている。ロアハウジング56の側面には、内外を連通させる複数の通気孔60が周方向に所定の間隔で設けられている。開放空間S2は感圧室を構成し、後述するように通気孔60を介してエバポレータの下流側を流れる冷媒が導入される。その冷媒の導入量は、通気孔60の大きさや数を変更することによって調整可能となっている。
ダイアフラム52の下面中央には有底円筒状のディスク62が当接配置されている。ディスク62は、ロアハウジング56の内壁部に摺動可能に外挿されている。ガイド部材36の先端面はロアハウジング56内に露出し、ディスク62は、ダイアフラム52とガイド部材36との間に挟まれるようにして支持されている。ディスク62の開口端がロアハウジング56の底部に係止されるとにより、ダイアフラム52の下死点位置(開弁方向への変位量)が規制される。
以上の構成において、本実施の形態のスプリング44には、いわゆる形状記憶合金からなり、弁部の下流側の温度を感知してそのばね荷重が変化するものが用いられる。すなわち、その下流側温度がエバポレータを凍結させる可能性があるとして予め設定した基準温度以下になったときにばね荷重が小さくなるように変化して弁部を開弁し易くさせる。その結果、低温環境下において冷凍サイクルを循環する冷媒の流量を増加させて、エバポレータの下流側の圧力を上昇させることができる。このような低温環境下においては実質的にエバポレータの出口側の冷媒に過熱度がないため、エバポレータの下流側の圧力は、その下流側の温度に比例する。このため、エバポレータを流れる冷媒の温度を凍結温度以上に保持することができる。
図2は、冷凍サイクルにおける膨張弁の配管取り付け構造を表す断面図である。図3は、図2のA−A断面図である。
本実施の形態において、図示しないエバポレータと膨張弁1とは、同図に示される複数の配管を介して接続されている。上述のように、膨張弁1は、エバポレータの出口とコンプレッサの入口との間の戻り低圧配管内にそっくり収容され、エバポレータの出口側温度を直接感知して動作するように構成されている。
エバポレータは、アルミニウムからなる図示しない複数のプレートを積層して構成され、そのヘッダ部分に冷媒を導入する冷媒入口および冷媒を導出する冷媒出口を有する。ヘッダ部からはその冷媒入口につながる入口配管70、冷媒出口につながる出口配管72が延出しており、それぞれ接続プレート74,76を介して低圧配管78、戻り配管80に接続されている。低圧配管78は、膨張弁1の出口ポート16に接続されており、戻り配管80は、膨張弁1を収容する筒状のケース82に接続されている。本実施の形態においては、ケース82が「戻り低圧配管」を構成する。ケース82の戻り配管80と反対側の開口端には、コンプレッサの入口につながる低圧配管84が接続されている。低圧配管84は、レシーバにつながる高圧配管86を内挿した2重管構造を有する。高圧配管86は、ケース82内を延びており、膨張弁1の入口ポート14に接続されている。
冷媒通路を構成する各配管等の接続構造は次のようになっている。ケース82は、膨張弁1の全体を収容可能な内径を有する円筒状をなし、その一端側が縮管されて戻り配管80の一端に接合されている。戻り配管80の一端には半径方向外向きに突出したフランジ部が形成され、その先端側に屈曲加工された溝にシール用のOリング90が装着されている。この戻り配管80の一端部がケース82の縮管部に内挿され、そのケース82の一端部が内方へ加締められることにより、両配管が気密に接合されている。なお、本実施の形態においてはケース82を円筒状としたが、円筒以外の筒状体であってもよい。
一方、低圧配管84の先端にも半径方向外向きに突出したフランジ部が形成され、その先端側に屈曲加工された2つの溝にシール用のOリング92がそれぞれ装着されている。ケース82の他端にも半径方向外向きに突出するフランジ部が形成され、低圧配管84の一端部がそのフランジ部をケース82のフランジ部に突き当てるようにしてケース82の他端部に内挿されている。これら両フランジ部がパイプクランプ94を介して結合されることにより、両配管が気密に接合されている。一方、高圧配管86の一端部はやや拡管され、その拡管部に屈曲加工された溝にOリング87が装着されている。高圧配管86の一端部が膨張弁1の入口ポート14に圧入されることにより、高圧配管86がボディ10に気密に接続され、入口ポート14から導入された冷媒がエバポレータを経ずにケース82内に漏洩するのが防止されている。
また、ケース82の側部には、円ボス状の開口接続部96が突設されている。低圧配管78の一端部は拡管されてケース82の内部に延出し、その基端部に屈曲加工された溝にはOリング92が装着されている。この低圧配管78の一端部がケース82の開口接続部96に内挿され、開口接続部96の先端部が内方へ加締められることにより、両配管が気密に接合されている。膨張弁1は、そのボディ10の下流側端部にOリング98を装着させた状態で低圧配管78の開口端部に圧入されている。これにより、出口ポート16から導出された冷媒がエバポレータを経ずにケース82内に漏洩するのが防止されている。
低圧配管78および戻り配管80は、ともに湾曲して延び、その他端側が共通の接続プレート76に装着されている。一方、エバポレータから延出する入口配管70および出口配管72は、その先端部が共通の接続プレート74に装着されている。接続プレート74と接続プレート76とが対向配置された状態で、入口配管70をOリング73を介して低圧配管78に挿通し、出口配管72をOリング75を介して戻り配管80に挿通する。そして、その状態で接続プレート74と接続プレート76とを図示しないボルト等で締結すことにより、各配管が気密に接合されている。このように、ケース82内に膨張弁1の全体、入口ポート14と高圧配管86との接続部、出口ポート16と低圧配管78との接続部が配置される。その結果、例えばOリング87を介して高圧の冷媒が微少漏れしたとしても漏れるのは戻り低圧配管の中となり、大気に漏れることはない。
図4は、膨張弁の特性を表す図である。(A)は、スプリング44のばね荷重と膨張弁1の出口側温度との関係を表している。同図の横軸が膨張弁1の出口側の冷媒温度を表し、縦軸がスプリング44のばね荷重を表している。(B)は、膨張弁1の弁開度特性とその出口側温度との関係を表している。同図の横軸が膨張弁1の出口側の冷媒温度を表し、縦軸が膨張弁1の開度を表している。
膨張弁1の開弁特性を左右するスプリング44は、温度サイクルに対して可逆的に変化する二方向性の形状記憶効果を有しており、温度に応じて閉弁方向の付勢力が変化する形状記憶合金ばねからなる。すなわち、スプリング44は、感知する冷媒の温度が所定の温度範囲以下にあるときにマルテンサイト相となり、そのばね荷重が小さくなる。冷媒の温度が上昇してスプリング44の変態点を超えて所定の温度範囲に入ると、スプリング44は、相変態してオーステナイト相(母相)になり、温度変化に対してばね荷重が比例的に変化するようになる。冷媒の温度がさらに上昇して所定の温度範囲を超えると、そのばね荷重の増加率が急激に低下して飽和状態になり、それ以上温度が上昇してもばね荷重は増加しなくなる。逆に、このようにばね荷重が大きな状態から冷媒の温度が低下してスプリング44の変態点を下回ると、スプリング44は、相変態してばね荷重の小さい状態になる。本実施の形態においては、スプリング44が弁部の下流側に配置されているため、同図(A)に示すように、膨張弁1の出口側温度に応じてそのばね荷重が変化するようになる。なお、図中の矢印はばね荷重の変化の方向を表しており、ばね荷重が上昇するときと下降するときとで所定のヒステリシスが生じているが、これは、パワーエレメント12の温度感知によるダイアフラム52の変位等によるものである(以下、同様)。
本実施の形態では、この変態点の温度がエバポレータの凍結を生じさせない程度となる形状記憶合金ばねが用いられ、車両が特に低温環境下にないときには、ばね荷重が大きい側で安定した状態となる。一方、膨張弁1の出口側温度(つまり弁部の下流側温度)が所定温度となる状態を境にばね荷重が小さくなり、スプリング44による閉弁方向の付勢力が減少する。その結果、同図(B)に示すように膨張弁1の弁開度は大きくなる。このため、車両が低温環境下におかれても、エバポレータ側に十分な冷媒を流すことができる。その結果、エバポレータを流れる冷媒の圧力低下、つまりエバポレータの温度低下を抑制することができ、エバポレータを凍結させることなく、除湿等を含む車両空調装置の性能を良好に保つことができる。
次に、膨張弁の動作について説明する。
車両用空調装置が停止しているとき、パワーエレメント12の密閉空間S1(感温室)に封入されたガスは凝縮されて圧力が低くなっているので、図1に示したように、ダイアフラム52は閉弁方向(同図の上方)へ変位する。その変位がディスク62および作動ロッド34を介して弁体22に伝達され、膨張弁1は全閉状態となる。
ここで、車両用空調装置が起動すると、コンプレッサによって冷媒が吸引されるので、ケース82内の圧力が低下する(図2参照)。その結果、パワーエレメント12がこれを感知してダイアフラム52が開弁方向へ変位する。その変位が弁体22に伝達され、膨張弁1は開弁状態へ移行する。一方、コンプレッサによって圧縮された冷媒はコンデンサにて凝縮され、レシーバにて気液分離された液冷媒が高圧配管86を通じて膨張弁1の入口ポート14に供給されるようになる。なお、図2における矢印は、冷媒の流れ方向を示している。高温・高圧の液冷媒は、膨張弁1を通過するときに絞り膨張され、低温・低圧の気液混合冷媒となって出口ポート16を出る。その冷媒は、低圧配管78および入口配管70を介してエバポレータに供給され、その内部で蒸発されることにより車室内温度との熱交換を行う。エバポレータを通過した冷媒は、出口配管72、戻り配管80、ケース82および低圧配管84を介してコンプレッサに戻る。
パワーエレメント12の開放空間S2は通気孔60を介してケース82の内部と連通しているので、エバポレータから戻ってきた冷媒がケース82を通過するとき、その冷媒が導入されてその温度および圧力がパワーエレメント12によって検出される。すなわち、車両用空調装置の起動当初においては、エバポレータから戻ってくる冷媒は、車室内の高温の空気との熱交換によってその温度が高くなっており、パワーエレメント12はその温度を感知し、密閉空間S1の圧力が高くなる。これにより、ダイアフラム52は、ディスク62がロアハウジング56の底面に当接するまで開弁方向に変位し、膨張弁1は全開状態になる。
そして、エバポレータから戻ってくる冷媒の温度が低下してくると、密閉空間S1の圧力が低くなるため、それに応じてダイアフラム52が閉弁方向へ変位する。その結果、膨張弁1は、閉弁方向に動作してこれを通過する冷媒の流量を制御するようになる。通常の環境下においては、膨張弁1は、エバポレータの出口側の冷媒温度を感知して、その冷媒が所定の過熱度を保持するようにエバポレータに供給する冷媒の流量を制御する。これにより、コンプレッサには常に過熱状態の冷媒が戻るため、安定した運転が行われる。一方、冬場など特に車両が低温環境下におかれても、弁部の下流側の温度が設定温度以下になるとスプリング44のばね荷重が小さくなって開弁し易くなるため、必要な冷媒の流量を確保し、除湿性能の低下やエバポレータの凍結を防止または抑制することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る膨張弁は、弁部とは別にその上流側と下流側とを連通させる連通路、およびその連通路を開閉する差圧弁を備えた点が異なる以外は第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図5は、第2の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁201のボディ210には、弁孔20とは別に弁部の上流側と下流側とを連通させる連通路202が設けられ、さらにその連通路202を高圧冷媒通路26側から開閉可能な差圧弁205が配設されている。なお、本実施の形態において、弁部の下流側で弁体22を閉弁方向に付勢するスプリング144は、第1の実施の形態のような形状記憶効果を有しない通常のスプリングである。
図6は、差圧弁の構成を表す拡大図である。(A)は図5の差圧弁205を拡大した図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。
差圧弁205は、連通路202の開口部よりもやや大きな外形を有する弁体部211と、弁体部211の4つの角隅部から連通路202の内方へそれぞれ延出する4つの脚部とを含んで構成される。弁体部211において連通路202との対向面には、その周縁部に沿ってやや隆起した着脱部213が形成され、この着脱部213が連通路202の開口端縁に着脱することにより連通路202を開閉する。4つの脚部は、着脱部213のやや内側にて延出し、そのうち一対の脚部214が他の一対の脚部215よりもやや長くなっている。一対の脚部215の各先端には爪部216が形成されている。図5に戻り、ボディ210と弁体部211との間には差圧弁205を開弁方向に付勢するスプリング218が介装されているが、差圧弁205が開弁方向に動作しても爪部216が連通路202の壁面に係止されるため、その連通路202からの脱落は防止される。
図7は、差圧弁の開弁特性を表す図である。同図の横軸は差圧弁205の前後差圧を表し、縦軸は差圧弁205の開度を表している。
図示のように、差圧弁205は、その前後差圧(つまり弁部の上流側と下流側との差圧)が予め定める基準差圧ΔP0よりも小さくなったときに開弁し、連通路202を介した冷媒の流れを許容する。すなわち、低温環境下においてはコンプレッサの吐出容量が少ないため、弁部の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との差圧も小さくなる。膨張弁201は、弁体22が閉弁状態あるいは微少開度状態にあったとしても、差圧弁205がこの差圧の低下を検知して連通路202を開放することで必要な冷媒の流量が確保され、除湿性能の低下を抑制し、エバポレータの凍結を防止することができる。
なお、本実施の形態では、弁部をバイパスする連通路202を開閉する差圧弁の一態様を示したが、同様の機能を有する差圧弁の具体的構成としは種々の態様が考えられる。図8は、変形例に係る差圧弁およびその周辺の構成を表す図である。(A)は、差圧弁およびその周辺を図5の状態を基準に上方からみた断面図である。(B)は、(A)における差圧弁単体のB方向矢視図である。
差圧弁220は、連通路202の開口部よりも大きな外形を有する弁体部221と、弁体部221の連通路202との対向面に突設された円筒状のボディ223とを含んで構成される。ボディ223は、連通路202に進退可能に挿通されるが、その先端近傍の外周面には半径方向外向きに突出する係止部224が形成されている。弁体部221の連通路202との対向面には、その周縁部に沿ってやや隆起した環状の着脱部222が形成され、この着脱部222が連通路202の開口端縁に着脱することにより連通路202を開閉する。連通路202における係止部224との対向部には、ボディ223の長手方向に延びる溝部228が形成され、係止部224を収容している。このため、スプリング218によって弁体部221が開弁方向に付勢されても、係止部224が溝部228の後端面に係止され、差圧弁220の連通路202からの脱落は防止される。
図9は、他の変形例に係る差圧弁の構成を表す図である。(A)は差圧弁の断面図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。
差圧弁230は、連通路202の開口部よりも大きな外形を有する弁体部231と、弁体部231の周縁部の対称な位置に設けられた一対の脚部232とを含んで構成される。弁体部231の連通路202との対向面には、その周縁部に沿ってやや隆起した着脱部236が形成され、この着脱部236が連通路202の開口端縁に着脱することにより連通路202を開閉する。一対の脚部232は、外側に突出する凸部234が形成されており、この凸部234が連通路202の壁面に係止されることにより、差圧弁230の連通路202からの脱落が防止される。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁部の上流側と下流側とを連通させる連通路を開閉する弁の構成が異なる以外は第2の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第2の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図10は、第3の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。図11は、開閉弁およびその周辺の構成を表す拡大図である。
図10に示すように、膨張弁301のボディ310には、弁孔20とは別に弁部の上流側と下流側とを連通させる連通路302と、その連通路302を開閉する開閉弁305が設けられている。
図11に示すように、開閉弁305は、連通路302に高圧冷媒通路26側から対向配置された柱状の弁体312(「第2の弁体」に該当する)と、弁体312を開閉方向に駆動する感温アクチュエータとを有する。感温アクチュエータは、感温部としての板状のバイメタル316と、そのバイメタル316を支持する円板状の支持部材318を含んで構成される。バイメタル316は熱膨張率の異なる2つの金属薄板を貼り合わせて構成されており、その周縁部が支持部材318に固定されている。バイメタル316の中央よりやや外側には、冷媒を通過させることが可能な複数の通気孔320が設けられている。弁体312の側部には、ばね受け部材322が嵌着されており、そのばね受け部材322とボディ310との間にはばね受け部材322を介して弁体312を開弁方向に付勢するスプリング324が介装されている。支持部材318はボディ310に圧入固定されており、弁体312がスプリング324によってバイメタル316に当接状態に保持されている。
図12は、開閉弁の弁開度特性を表す図である。同図の横軸は、膨張弁301の入口側温度(高圧冷媒通路26の温度)を表し、縦軸は開閉弁305の弁開度を表している。
開閉弁305は、バイメタル316が高圧冷媒通路26の温度を感知し、その感知温度が予め定めた基準温度よりも小さくなったときに中央部が開弁方向(図の右方向)へ変位する。この基準温度は、その高圧冷媒通路26側の温度から想定されるエバポレータの出口温度が凍結温度以下とならないように設定される。バイメタル316が開弁方向に変位すると、弁体312はスプリング324の付勢力によって開弁状態となり、連通路302を介した冷媒の流れを許容する。すなわち、低温環境下においては弁部の上流側の冷媒温度も低くなるため、バイメタル316ひいては弁体312が連通路302を開放することで必要な冷媒の流量が確保され、除湿性能の低下を抑制し、エバポレータの凍結を防止することができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁部の上流側に弁体を開弁方向に付勢する形状記憶合金ばねを設けた点が異なる以外は第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図13は、第4の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁401の連通孔30には、Oリング40のガイド部材36とは反対側にリング状のばね受け部材412が設けられ、そのばね受け部材412と細径部32との間に、スプリング414(「付勢部材」に該当する)が介装されている。スプリング414は、いわゆる形状記憶合金からなり、ばね受け部材412およびOリング40を介してガイド部材36を閉弁方向(図の上方)に付勢する。この付勢力は、作動ロッド34を介して弁体22に伝達される。弁体22とアジャスト部材42との間には、形状記憶効果を有しない通常のスプリング144が介装されている。
図14は、膨張弁の特性を表す図である。(A)は、スプリング44のばね荷重と膨張弁1の入口側温度との関係を表している。同図の横軸が膨張弁401の入口側の冷媒温度を表し、縦軸がスプリング414のばね荷重を表している。(B)は、膨張弁401の弁開度特性とその入口側温度との関係を表している。同図の横軸が膨張弁401の入口側の冷媒温度を表し、縦軸が膨張弁401の開度を表している。
スプリング414は、第1の実施の形態のスプリング44と同様に、温度サイクルに対して可逆的に変化する二方向性の形状記憶効果を有しており、温度に応じて閉弁方向の付勢力が変化する形状記憶合金ばねからなる。すなわち、スプリング414は、同図(A)に示すように、膨張弁401の入口側温度(弁部の上流側温度)に応じてそのばね荷重が変化するようになる。本実施の形態では、この変態点の温度がエバポレータの凍結を生じさせない程度となる形状記憶合金ばねが用いられ、車両が特に低温環境下にないときには、ばね荷重が大きい側で安定した状態となる。一方、膨張弁401の入口側温度が所定温度となる状態を境にばね荷重が小さくなり、スプリング44による閉弁方向の付勢力が減少する。その結果、同図(B)に示すように、膨張弁401の弁開度が大きくなる。このため、車両が低温環境下におかれても、エバポレータ側に十分な冷媒を流すことができる。その結果、エバポレータを流れる冷媒の圧力低下、つまりエバポレータの温度低下を抑制することができ、エバポレータを凍結させることなく、車両空調装置の性能を良好に保つことができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁部の上流側と下流側とを連通させる連通路を開閉する開閉弁が膨張弁の出口側温度を感知して動作する点を除いては第3の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第3の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図15は、第5の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。図16は、開閉弁の詳細を表す図である。(A)は開閉弁およびその周辺の構成を表す拡大図であり、(B)は(A)のC−C断面図である。
図15に示すように、膨張弁501のボディ510には、弁孔20とは別に弁部の上流側と下流側(膨張弁の出口側)とを連通させる連通路502と、その連通路502を開閉する開閉弁505が設けられている。連通路502はボディ510の側部に開放されており、開閉弁505の感温アクチュエータの一部がエバポレータの出口側の冷媒通路(図2のケース82内)に露出している。
図16(A)に示すように、開閉弁505は、連通路502に高圧冷媒通路26側から対向配置された円板状の弁体512(「第2の弁体」に該当する)と、弁体512と一体成形されたシャフト514と、シャフト514を介して弁体512を開閉方向に駆動する感温アクチュエータとを有する。感温アクチュエータは、感温部としての板状のバイメタル516と、そのバイメタル516を支持する有蓋状の支持部材518を含んで構成される。バイメタル516は、その周縁部は支持部材518の底部周縁に固定されている。支持部材518は、ボディ510の側部に連通路502に連通するように設けられた凹部519に圧入され、内外を気密に保持している。支持部材518の外面が外部に露出しているが、バイメタル516は、その支持部材518の内部空間の温度、つまり連通路502における弁体512の下流側の温度を感知して変位する。シャフト514の弁体512と反対側の端部がバイメタル516の中央に当接しており、バイメタル516の変位がシャフト514を介して弁体512の伝達されて開閉弁505を開閉させる。シャフト514のバイメタル516の近傍にはリング状の係止部材520が固定されており、この係止部材520が凹部519の底部に係止されることにより、シャフト514ひいては弁体512の開弁方向への変位を規制している。同図(B)に示すように、ボディ510におけるシャフト514の挿通部は、その中央部でシャフト514を摺動可能に支持するとともに、その周囲に3箇所の冷媒通路522が形成されるように構成されている。したがって、開閉弁505の開弁時には、高圧冷媒通路26の冷媒の一部がその冷媒通路522を介して下流側へ流れることになる。
図17は、開閉弁の弁開度特性を表す図である。同図の横軸は、膨張弁501の出口側温度を表し、縦軸は開閉弁505の弁開度を表している。
開閉弁505は、バイメタル516が連通路502における弁体512の下流側、つまり膨張弁501の出口側温度を感知し、その感知温度が予め定めた基準温度よりも小さくなったときに中央部が開弁方向(図16の右方向)へ変位する。その結果、弁体512が開弁状態となり、連通路502を介した冷媒の流れを許容する。すなわち、低温環境下においては膨張弁501の下流側の冷媒温度も低くなるため、バイメタル516が弁体512を駆動して連通路502を開放することで必要な冷媒の流量が確保され、除湿性能の低下を抑制し、エバポレータの凍結を防止することができる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁部の上流側とエバポレータの下流側とを直接連通する連通孔と、その連通孔を開閉するバイパス弁とを備えた点を除いては第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図18は、第6の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁601において、ボディ610の側部には高圧冷媒通路26とエバポレータの出口側の冷媒通路(図2のケース82内)とを直接連通する連通孔612が形成され、この連通孔612を開閉するバイパス弁605が設けられている。バイパス弁605は、段付円筒状のハウジング614と、ハウジング614の外側端部を封止するように配置されたバイメタル616(「感温部」に該当する)と、そのバイメタル616に駆動されてその弁部を開閉する弁体618(「第2の弁体」に該当する)とを含んで構成されている。バイメタル616は、その周縁部がハウジング614の下流側開口端部にリング状の支持部材617を挟むように加締め接合されており、ハウジング614とともに感温アクチュエータを構成している。
ハウジング614は、その内側端部が縮管してボディ610に螺合固定されており、その縮管部615の基端部に設けられた段差により弁座620が形成されている。弁体618は、弁座620に高圧冷媒通路26側から着脱可能に対向配置され、その中央部から延出するシャフト622の先端がバイメタル616の中央部に当接している。シャフト622のバイメタル616の近傍にはリング状の係止部材624が固定されており、この係止部材624が縮管部615の下流側端部に係止されることにより、シャフト622ひいては弁体618の開弁方向への変位を規制している。ハウジング614の下流側開口端部はバイメタル616によって封止されているが、バイメタル616の側壁の複数箇所には内外を連通する連通孔626が形成されている。このため、バイパス弁605の開弁時には、高圧冷媒通路26からの冷媒は、その弁部を介してハウジング614に流入し、連通孔626を介してケース82内に導出される。なお、弁体22とアジャスト部材42との間には、形状記憶効果を有しない通常のスプリング144が介装されている。
図19は、バイパス弁の動作を表す図である。(A)はその閉弁状態を表し、(B)は開弁状態を表している。図20は、バイパス弁の弁開度特性を表す図である。同図の横軸はエバポレータの出口側温度を表し、縦軸はバイパス弁605の弁開度を表している。
バイパス弁605は、バイメタル616がエバポレータの出口側温度(ケース82を流れる冷媒温度)を感知し、その感知温度が予め定めた基準温度よりも高い状態においては図19(A)に示すように閉弁状態を保持する。なお、この基準温度は、エバポレータを凍結させる可能性がある凍結温度範囲に基づいて設定される。一方、その感知温度がその基準温度以下になると、図19(B)に示すようにバイメタル616の中央部が開弁方向(図の右方向)へ変位する。その結果、弁体618が開弁状態となり、高圧冷媒通路26の冷媒を連通孔626を介してケース82内に導出する。すなわち、図20にも示すように、低温環境下においてはエバポレータの下流側の冷媒温度も低くなるため、バイメタル616が弁体618を駆動してその弁部を開放することで下流側への必要な冷媒流量が確保され、エバポレータの下流側の冷媒の圧力および温度を保持する。その結果、除湿性能の低下を抑制し、エバポレータの凍結を防止することができる。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、パワーエレメントの内部に感温アクチュエータとしてのバイメタルが配設された点を除いては第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図21は、第7の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁701において、パワーエレメント712の内部には、バイメタルからなる円板状のスナップディスク710(「感温部材」に該当する)が配設されている。スナップディスク710は、車両が低温環境下にない通常の制御状態においては、図示のようにその中間部がダイアフラム52から離間する方向に湾曲しているため、弁部の開閉制御に実質的に影響を与えることはない。一方、低温環境下においてケース82内の冷媒温度が低下し、その結果、密閉空間S1の温度が基準温度以下に低下すると、スナップディスク710の感温温度が低下してその中央が下方に変位し、その結果、ダイアフラム52等を介して弁体22が開弁方向に付勢され、弁部を開弁状態に保持するようになる。
図22は、膨張弁の弁開度特性を表す図である。(A)は、スナップディスク710の温度に対する変位の様子を表している。同図の横軸はスナップディスク710の感温温度を表し、縦軸はその開弁方向へのストロークを表している。(B)は、膨張弁701の下流側温度に対する弁開度の変化を表している。同図の横軸はスナップディスク710の感温温度を表し、縦軸は膨張弁701の弁開度を表している。
図示のように、エバポレータの出口側温度、つまりスナップディスク710の感温温度が低下すると、そのスナップディスク710の中央部が反転するようにして開弁方向に変位する。その結果、膨張弁701が所定量開弁して下流側への必要な冷媒流量が確保され、除湿性能の低下を抑制してエバポレータの凍結を防止することができる。なお、同図(B)においては感温温度が上昇するにつれて膨張弁701の開度が増加する例を示しているが、この部分の特性は、スプリング144によるばね荷重など、膨張弁701のセット値によって変わりうる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁部の上流側に形状記憶合金ばねではなく、通常のスプリングを設けた点が異なる以外は第4の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第4の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図23は、第8の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁801の連通孔30には、Oリング40のガイド部材36とは反対側にリング状の一対のばね受け部材811,812と、その間に介装されたスプリング814(「第2の付勢部材」に該当する)が設けられている。スプリング814は、形状記憶効果を有しない通常のスプリングである。ばね受け部材811は、その外周部が連通孔30に圧入されて固定されており、その中央に形成された円孔に作動ロッド34を挿通している。一方、ばね受け部材812は、その中央に形成された円孔に作動ロッド34を挿通するとともに連通孔30内に変位可能に支持されており、スプリング814により開弁方向に付勢されている。作動ロッド34の長手方向の中間部には、下方に向けて拡径されたテーパ状の係止部35が設けられており、作動ロッド34が図の上方に変位して閉弁状態に近づくと、スプリング814による開弁方向の付勢力が係止部35を介して作動ロッド34、ひいては弁体22に伝達される。すなわち、スプリング814は、膨張弁801の閉弁状態の近傍においてのみ、スプリング144による閉弁方向の付勢力に対抗する開弁方向の付勢力を作用させるため、弁体22に作用するスプリングによる荷重が二段階に変化するようになる。
図24は、膨張弁の特性を表す図である。(A)は、弁体22に作用するばね荷重と膨張弁801の入口側温度との関係を表している。同図の横軸が膨張弁801の入口側の冷媒温度を表し、縦軸がスプリング144とスプリング814との閉弁方向のばね荷重の合力を表している。(B)は、エバポレータの出口側圧力と、膨張弁801の弁開度特性との関係を表している。同図の横軸がエバポレータの出口側の冷媒温度を表し、縦軸が膨張弁801の弁体22の開弁方向へのストロークを表している。
スプリング814は、同図(A)に示すように、膨張弁801の入口側温度(弁部の上流側温度)が低下して弁開度が小さくなると、スプリング814による開弁方向への付勢力が発生するため、トータルとして閉弁方向のばね荷重が減少する。その結果、弁開度特性として同図(B)に示すような2段階特性を有するようになり、エバポレータの出口側圧力が小さくなったときの弁開度を保持することができる。その結果、車両が低温環境下におかれても、エバポレータ側に十分な冷媒を流すことができる。
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁開度について2段階特性を有する点では第8の実施の形態と共通するが、弁部の構造が異なる以外は第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態等と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図25は、第9の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。図26は、その膨張弁の弁部の拡大図である。
膨張弁901の弁体922は、弁座38に対して着脱するテーパ面よりやや上方に、弁孔20に挿脱可能な挿通部923が形成されている。この挿通部923は、同径にて軸線方向に所定長さ延出しているため、弁孔20に挿通された際にその弁孔20との間に所定のクリアランスが形成される。このため、弁体922が閉弁動作に移行した後、その挿通部923が弁孔20へ挿入されてはじめてから弁体922が弁座38に着座するまでは、所定流量の冷媒の流れが許容される。
図27は、膨張弁の特性を表す図である。同図において横軸が弁体922の開弁方向へのストロークを表し、縦軸が弁部を流れる冷媒の流量を表している。
膨張弁901によれば、低温環境下において弁体922が閉弁方向に駆動されても、挿通部923が弁孔20に挿通され始めてからの所定期間、冷媒流量の減少が抑制される。すなわち、冷媒の流量特性として図示のような2段階特性を有するようになり、エバポレータの出口側圧力が小さくなったときの弁開度を相対的に大きく保持することができる。
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁部の構成が若干異なる以外は第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図28は、第10の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。図29は、膨張弁の特性を表す図である。同図において横軸が弁体22の開弁方向へのストロークを表し、縦軸が弁部を流れる冷媒の流量を表している。
図28に示すように、膨張弁1001のボディ1010には、閉弁時においても所定流量の冷媒の流れを許容する冷媒漏洩路が形成されている。すなわち、弁孔1020の弁座38側の開口端部には、部分的に切り欠き部1022が設けられており、図示のような閉弁状態においても。弁部の上流側から下流側への冷媒の漏洩を許容している。
その結果、図29に示すように、低温環境下において弁体22が閉弁状態となっても、その冷媒漏洩路から冷媒が導出されるため、弁部の下流側、つまりエバポレータ側での冷媒圧力の低下を抑制することができる。
図30は、変形例に係る膨張弁の断面図である。
図示のように、冷媒漏洩路を弁部に設けるのではなく、区画壁18の一部に連通孔1025として設けるようにしても、第10の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第11の実施の形態]
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態は、弁体の受圧部の構成が若干異なる以外は第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有する。このため、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図31は、第11の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
図31に示すように、膨張弁1101のボディ1110においては、連通孔30の径が弁孔20の径よりも大きくなるように構成され、それにより高圧依存特性を得るようにしている。すなわち、このような構成では、高圧冷媒通路26を流れる高圧冷媒による圧力がより閉弁方向に作用するようになるが、そのような状態で制御時の弁開度特性(セット値)を設定している。これにより、低温環境下において高圧冷媒の圧力が小さくなると、相対的に高圧依存特性が小さくなり、その結果、相対的に閉弁方向の付勢力が小さくなる。つまり、膨張弁1101の入口側の圧力が低下すると、相対的に弁部の下流側圧力が増加し、エバポレータ側での冷媒圧力の低下を抑制できるようになる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はその特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施の形態の膨張弁は、冷媒として代替フロン(HFC−134a)など使用する冷凍サイクルに好適に適用されるが、本発明の膨張弁は、二酸化炭素のように作動圧力が高い冷媒を用いる冷凍サイクルに適用することも可能である。その場合には、冷凍サイクルにコンデンサに代わってガスクーラなどの外部熱交換器が配置される。その際、パワーエレメント12を構成するダイヤフラム等の強度を補うために、金属製の皿ばね等を重ねて配置してもよい。あるいは、ダイヤフラムに置き換えて皿ばね等を配置してもよい。
上記実施の形態の膨張弁においては、エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知する感圧部材としてダイアフラムを用いる例を示した。感圧部材としてはこのほか、ベローズ等のように圧力を感知して伸縮するものを採用することもできる。しかし、膨張弁全体のコンパクト化を実現するうえでは薄膜状の感圧部材であるダイアフラムを採用するほうが好ましい。
第1の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 冷凍サイクルにおける膨張弁の配管取り付け構造を表す断面図である。 図2のA−A断面図である。 膨張弁の特性を表す図である。 第2の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 差圧弁の構成を表す拡大図である。 差圧弁の開弁特性を表す図である。 変形例に係る差圧弁およびその周辺の構成を表す図である。 他の変形例に係る差圧弁の構成を表す図である。 第3の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 開閉弁およびその周辺の構成を表す拡大図である。 開閉弁の弁開度特性を表す図である。 第4の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 膨張弁の特性を表す図である。 第5の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 開閉弁の詳細を表す図である。 開閉弁の弁開度特性を表す図である。 第6の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 バイパス弁の動作を表す図である。 バイパス弁の弁開度特性を表す図である。 第7の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 膨張弁の弁開度特性を表す図である。 第8の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 膨張弁の特性を表す図である。 第9の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 膨張弁の弁部の拡大図である。 膨張弁の特性を表す図である。 第10の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。 膨張弁の特性を表す図である。 変形例に係る膨張弁の断面図である。 第11の実施の形態に係る膨張弁の断面図である。
符号の説明
1 膨張弁、 10 ボディ、 12 パワーエレメント、 14 入口ポート、 16 出口ポート、 18 区画壁、 20 弁孔、 22 弁体、 24 ガイド孔、 26 高圧冷媒通路、 28 低圧冷媒通路、 30 連通孔、 34 作動ロッド、 36 ガイド部材、 38 弁座、 40 Oリング、 42 アジャスト部材、 44 スプリング、 50 ハウジング、 52 ダイアフラム、 60 通気孔、 62 ディスク、 70 入口配管、 72 出口配管、 78 低圧配管、 80 戻り配管、 82 ケース、 84 低圧配管、 86 高圧配管、 94 パイプクランプ、 144 スプリング、 201 膨張弁、 202 連通路、 205 差圧弁、 210 ボディ、 220 差圧弁、 223 ボディ、 224 係止部、 228 溝部、 230 差圧弁、 231 弁体部、 232 脚部、 234 凸部、 236 着脱部、 301 膨張弁、 302 連通路、 305 開閉弁、 310 ボディ、 312 弁体、 316 バイメタル、 318 支持部材、 320 通気孔、 401 膨張弁、 412 ばね受け部材、 414 スプリング、 501 膨張弁、 502 連通路、 505 開閉弁、 510 ボディ、 512 弁体、 514 シャフト、 516 バイメタル、 518 支持部材、 522 冷媒通路、 601 膨張弁、 605 バイパス弁、 610 ボディ、 612 連通孔、 614 ハウジング、 615 縮管部、 616 バイメタル、 617 支持部材、 618 弁体、 620 弁座、 622 シャフト、 624 係止部材、 626 連通孔、 701 膨張弁、 710 スナップディスク、 712 パワーエレメント、 801 膨張弁、 811 ばね受け部材、 812 ばね受け部材、 814 スプリング、 901 膨張弁、 922 弁体、 1001 膨張弁、 1010 ボディ、 1020 弁孔、 1022 切り欠き部、 1025 連通孔、 1101 膨張弁、 1110 ボディ、 S1 密閉空間、 S2 開放空間。

Claims (13)

  1. 冷凍サイクルに設けられて動作し、上流側から導入された冷媒をボディ内の弁部を通過させることにより膨張させてエバポレータへ供給し、前記エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して前記弁部の開度を制御する膨張弁であって、
    前記弁部の下流側の圧力が基準圧力以下となることを規制する圧力低下規制構造を有することを特徴とする膨張弁。
  2. 前記ボディを貫通する冷媒通路の中間部に設けられた弁孔に接離して前記弁部を開閉する弁体と、
    基準圧力が満たされる密閉空間と、被感知圧力として前記エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力が導入される開放空間とを仕切る感圧部材を有し、前記被感知圧力を感知した前記感圧部材の変位を前記弁体に伝達することにより前記弁部を開閉駆動する感圧部と、
    を備え、
    前記感圧部材は、前記被感知圧力が低下したときに前記弁体の開弁方向に変位し、前記被感知圧力が上昇したときに前記弁体の閉弁方向に変位することを特徴とする請求項1に記載の膨張弁。
  3. 前記ボディが、前記冷媒通路の一端部に設けられた入口ポートを介して上流側の高圧配管に接続されるとともに、前記冷媒通路の他端部に設けられた出口ポートを介して前記エバポレータの入口へつながる低圧配管に接続されるものであり、
    前記エバポレータの出口とコンプレッサの入口との間の戻り低圧配管内に、前記ボディと前記感圧部を含む当該膨張弁全体、前記入口ポートと前記高圧配管との接続部、および前記出口ポートと前記低圧配管との接続部が配置されるものであることを特徴とする請求項2に記載の膨張弁。
  4. 前記圧力低下規制構造は、前記弁部の上流側および下流側の少なくとも一方の温度を感知し、その温度が設定温度以下となったときに前記弁体への閉弁方向の付勢力を減少させる付勢部材を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  5. 前記圧力低下規制構造は、
    前記ボディ内で前記弁孔とは別に前記弁部の上流側と下流側とを連通させる連通路と、
    前記連通路の開口部に接離してこれを開閉するとともに、前記弁部の上流側と下流側との差圧が予め定める基準差圧よりも小さくなったときに開弁し、前記連通路を介した前記弁部の上流側から下流側への冷媒の流れを許容する差圧弁と、
    を含んで構成されたことを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  6. 前記圧力低下規制構造は、
    前記ボディ内で前記弁孔とは別に前記弁部の上流側と下流側とを連通させる連通路と、
    前記連通路の開口部に接離してこれを開閉する第2の弁体と、前記弁部の上流側または下流側の温度を感知する感温部とを有し、前記感温部が感知した温度が予め定める基準温度よりも小さくなったときに開弁し、前記連通路を介した前記弁部の上流側から下流側への冷媒の流れを許容する開閉弁と、
    を含んで構成されたことを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  7. 前記圧力低下規制構造は、
    前記冷媒通路の前記弁部の上流側と前記戻り低圧配管の内部とを連通させる連通路と、
    前記連通路の開口部に接離してこれを開閉する第2の弁体と、前記戻り低圧配管に露出して前記エバポレータの出口側の温度を感知する感温部とを有し、前記感温部が感知した温度が予め定める基準温度よりも小さくなったときに開弁し、前記連通路を介した前記弁部の上流側から前記エバポレータの出口側への冷媒の流れを許容する開閉弁と、
    を含んで構成されたことを特徴とする請求項3に記載の膨張弁。
  8. 前記圧力低下規制構造は、前記感圧部の密閉空間に配置されてその温度を感知し、その感知温度が予め定める基準温度よりも小さくなったときに前記感圧部材を開弁方向に付勢する感温部材を含んで構成されたことを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  9. 前記圧力低下規制構造は、前記弁部の開度が基準開度以下となったときに、前記弁体に対して開弁方向の付勢力を付与する第2の付勢部材を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  10. 前記弁体に作動ロッドが一体に設けられ、前記感圧部材の変位が前記作動ロッドを介して前記弁体に伝達されるように構成され、
    前記圧力低下規制構造は、予め前記作動ロッドの閉弁方向の受圧面積を、前記弁体の閉弁方向の受圧面積よりも大きくした状態で弁開度特性が得られるように構成しておくことで、前記弁体の前後差圧が小さくなったときにその閉弁方向の力が相対的に小さくなるようにして実現されていることを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  11. 前記弁体は、前記弁孔に所定のクリアランスを形成しつつ挿通される所定長さの挿通部と、その挿通部の基端部において前記弁孔の周縁部に形成された弁座に着脱可能な弁体部とを有し、
    前記圧力低下規制構造は、前記弁体が閉弁方向に動作したときに弁部を流れる冷媒流量がほぼ一定に保持される期間が設けられるようにするようにして実現されていることを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  12. 前記圧力低下規制構造は、前記弁体が閉弁状態にあっても、前記弁部の上流側と下流側とを連通させる冷媒漏洩路からなることを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  13. 冷凍サイクルに設けられて動作し、上流側から導入された冷媒をボディ内の弁部を通過させることにより膨張させてエバポレータへ供給し、前記エバポレータから戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して前記弁部の開度を制御する膨張弁であって、
    前記弁部の下流側の所定位置の温度が基準温度以下となることを規制する温度低下規制手段を有することを特徴とする膨張弁。
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