JP2009264319A - 消音装置 - Google Patents

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利明 中山
Yoshitaka Nishio
佳高 西尾
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Abstract

【課題】消音装置1において、低周波音及び高周波音のいずれの場合にも吸気通路2からの騒音を低減する。
【解決手段】消音装置1は、吸気通路2の一部分をなす内管3と、内管3の外周側に配されて、内管3との間に容積室4を形成する外管5とを備えた、二重管構造を呈している。また、消音装置1は、容積室4と外管5の外部とを連通する連通孔12を開閉するリード弁15を備え、リード弁15は、吸気通路2を伝播する音波が高周波音のときには連通孔12を開き、低周波音のときには、連通孔12を閉じて容積室4を密閉する。これによれば、低周波音の場合には、容積室4が密閉されるので、低周波音に対して薄膜10が共振することでレゾネータの効果を発揮し、吸気音及び透過音を低減することができる。また、高周波音の場合にも、吸気通路2を伝播する音波を薄膜10により透過させて吸気音を低減し、外管5により透過音を遮音することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関にて発生した音が吸気通路を伝播して外部に漏れ出ることによる騒音を低減する消音装置に関する。
従来、吸気通路からの騒音を低減する消音装置として、吸気通路の途中に配された二重管構造の消音ダクトがある(特許文献1参照)。
この消音ダクト100は、図3に示すように、吸気通路101の一部をなすとともに薄膜102を有する内管103と、内管103の外周側に配されて、内管103との間に容積室104を形成するように配された外管105と、外管105の内周面に設けられた吸音材106とで構成されている。そして、吸気通路101を伝播する音波を薄膜102により透過させて吸気通路101内の音波(以下、吸気音と呼ぶ)を低減し、吸気通路101の外部に透過された音波(以下、透過音と呼ぶ)を外管105及び吸音材106により減衰させ、結果として、吸気通路101からの騒音(吸気音及び透過音を含む総合的な騒音)を低減している。
しかし、この消音ダクト100は、エンジン回転数が高いときに生じる高周波数域の音波(以下、高周波音と呼ぶ)の低減には効果があるが、エンジン回転数が低いときに生じる低周波数域の音波(以下、低周波音と呼ぶ)の場合には、透過音を外管105及び吸音材106で遮音することができず、吸気通路101からの騒音が大きくなってしまう虞がある。
さらに、従来の消音装置として、内管と外管の間の容積室を密閉し、内管の薄膜が低周波数で共振するように構成し、レゾネータ効果により消音する消音ダクトがある(特許文献2)。
しかし、この消音ダクトでは、低周波音しか減衰することができず、薄膜の共振周波数帯から外れる高周波音については、レゾネータの効果が得られないため消音することができない。
特開2004−346750 特開2003−322062
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、低周波音及び高周波音のいずれの場合にも吸気通路からの騒音を低減することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の消音装置は、内燃機関に空気を供給するための吸気通路の一部分をなす内管と、内管の外周側に配されて、内管との間に容積室を形成する外管とを備える。また、内管の管壁は、少なくとも一部が薄膜により形成され、外管の管壁には、容積室と外管の外部とを連通する連通孔が設けられている。
また、消音装置は、連通孔を開閉するリード弁を備える。そして、リード弁は、吸気通路を伝播する音波の周波数が所定周波数よりも大きい高周波数のときに連通孔を開き、所定周波数よりも小さい低周波数のときに連通孔を閉じて容積室を密閉する。
これによれば、低周波音の場合には、容積室が密閉されるので、薄膜が低周波音に対して共振するように設定することで、レゾネータの効果により吸気音及び透過音を低減することができる。
また、容積室が密閉された状態では高周波音の消音はできないので、高周波音の場合には、容積室を開放する。しかし、高周波音の場合は、透過音は外管に連通孔が開いていても、小さい寸法のものであれば外管により十分に遮音できる。このため、高周波音の場合にも、吸気通路を伝播する音波を薄膜により透過させて吸気音を低減し、外管により透過音を遮音することができる。
この結果、リード弁で連通孔の開閉を高周波音と低周波音で切り替えることにより、高周波音・低周波音のいずれの場合にも、吸気音と透過音との両方を低減することができるため、吸気通路からの騒音を低減することができる。
最良の形態1の消音装置は、内燃機関に空気を供給するための吸気通路の一部分をなす内管と、内管の外周側に配されて、内管との間に容積室を形成する外管とを備える。また、内管の管壁は、少なくとも一部が薄膜により形成され、外管の管壁には、容積室と外管の外部とを連通する連通孔が設けられている。
また、消音装置は、連通孔を開閉するリード弁を備える。そして、リード弁は、吸気通路を伝播する音波の周波数が所定周波数よりも大きい高周波数のときに連通孔を開き、所定周波数よりも小さい低周波数のときに連通孔を閉じて容積室を密閉する。
〔実施例1の構成〕
実施例1の消音装置1の構成を、図1を用いて説明する。消音装置1は、例えば、内燃機関(図示せず)のスロットル装置(図示せず)とエアクリーナ(図示せず)との間に配されて、吸気通路2からの騒音を低減するために用いられる。
消音装置1は、内燃機関に空気を供給するための吸気通路2の一部分をなす内管3と、内管3の外周側に配されて、内管3との間に容積室4を形成する外管5とを備えた、二重管構造を呈している。
内管3は、上流側及び下流側の端部が、吸気通路2の一部を形成する吸気管8に接続されている。管壁9の一部が薄膜10で形成されており、吸気通路2を伝播する音波を透過可能となっている。また、薄膜10は、後に詳述する容積室4の密閉状態時に低周波音に対して共振できるように、低周波数域に共振周波数を有するよう設計されている。
外管5は、内管3の外周側に、内管3の外周面と外管5の内周面に筒状の隙間が形成されるように設けられて、内管3との間に容積室4が形成される。また、外管5の管壁11には、容積室4と外管5の外部とを連通する1つの連通孔12が設けられている。
また、消音装置1は、連通孔12を開閉するリード弁15を備える。リード弁15は、薄板状を呈しており、一端側が管壁11に固定され、他端側が自由端となっている。そして、リード弁15は高周波数域に固有振動数を有し、自由端となっている他端側によって連通孔12の開閉が行われる。
すなわち、リード弁15は、エンジン回転数が低く、吸気通路2を伝播する音波の周波数が所定周波数よりも小さい低周波数のときには連通孔12を閉じており、容積室4を密閉している。そして、エンジン回転数が上昇していき、吸気通路を伝播する音波の周波数が所定周波数よりも大きい高周波数になると、リード弁15が連通孔12を開く。
尚、本発明では、高周波数とは、エンジン回転数が高いときに生じ、外管5のみにより透過音を所定レベルに遮音できる程度の比較的高い周波数をいい、低周波数とは、エンジン回転数が低いときに生じ、外管5のみによる透過音の遮音が不十分である比較的低い周波数をいう。そして、所定周波数は、高周波数と低周波数の境界として設定される。つまり、所定周波数よりも小さいものを低周波数、所定周波数よりも大きいものを高周波数としている。
〔実施例1の効果〕
実施例1の消音装置1は、容積室4と外管5の外部とを連通する連通孔12を開閉するリード弁15を備え、リード弁15は、吸気通路2を伝播する音波が高周波音のときには連通孔12を開き、低周波音のときには、連通孔12を閉じて容積室4を密閉する。
これによれば、低周波音の場合には、容積室4が密閉されるので、低周波音に対して薄膜10が共振することでレゾネータの効果を発揮し、吸気音及び透過音を低減することができる。なお、実際に、連通孔12が開いている場合と閉じている場合とで、低周波音域での吸気音・透過音の大きさを測定したところ、吸気音・透過音共に、連通孔12が閉じている場合の方が開いている場合よりも小さくなったという結果が得られている。
また、容積室4が密閉された状態では、薄膜10の共振周波数帯から外れる高周波音の消音はできないので、高周波音の場合には、容積室4を開放している。しかし、高周波音の場合は、透過音は外管5に連通孔12が開いていても、小さい寸法のものであれば外管5によって十分に遮音できる。なお、実際に、連通孔12が開いている場合と閉じている場合の、高周波音域での吸気音・透過音の大きさを測定したところ、吸気音は連通孔12が開いている場合の方が閉じている場合よりも小さく、透過音は連通孔12が開いている場合と閉じている場合とで同レベルに抑えられているという結果が得られている。
このため、高周波音の場合にも、吸気通路2を伝播する音波を薄膜10により透過させて吸気音を低減し、外管5により透過音を遮音することができる。
この結果、低周波音の場合も、高周波音の場合も、吸気音と透過音との両方を低減することができるため、吸気通路2からの騒音を低減することができる。
また、リード弁15で連通孔12の開閉を切り替える構成であるので、複雑な制御回路や構造は不要であり、製造コストを抑えることができる。
実施例2の消音装置1の構成を、図2を用いて説明する。消音装置1は、管壁11に2つの連通孔12が設けられている。そして、リード弁15は、2つの連通孔12に亘って設けられた1枚の薄板の中央が管壁11に固定され、薄板の両端が自由端となって、連通孔12を開閉可能に構成されている。
〔変形例〕
実施例1及び2の消音装置1は、スロットル装置とエアクリーナとの間に配されていたが、エアクリーナよりも上流に配してもよい。
消音装置の側部断面図である(実施例1)。 消音装置の側部断面図である(実施例2)。 消音装置の側部断面図である(従来例)
符号の説明
1 消音装置
2 吸気通路
3 内管
4 容積室
5 外管
9 内管の管壁
10 薄膜
11 外管の管壁
12 連通孔
15 リード弁

Claims (1)

  1. 内燃機関に空気を供給するための吸気通路の一部分をなす内管と、
    前記内管の外周側に配されて、前記内管との間に容積室を形成する外管とを備える消音装置であって、
    前記内管の管壁は、少なくとも一部が薄膜により形成され、
    前記外管の管壁には、前記容積室と前記外管の外部とを連通する連通孔が設けられ、
    前記連通孔を開閉するリード弁を備え、
    前記リード弁は、
    前記吸気通路を伝播する音波の周波数が所定周波数よりも大きい高周波数のときに前記連通孔を開き、前記所定周波数よりも小さい低周波数のときに前記連通孔を閉じて前記容積室を密閉することを特徴とする消音装置。
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