JP2009263970A - 水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吐水部30と、バルブ250と、センサ部100と、フィルタ部210と、判定部230と、判定部230からの信号に基づいてバルブ250の開閉を制御するバルブ制御部240とを備え、判定部230は、第1の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を検知信号の信号強度が超えたことを検知した後、第1の周波数帯域よりも低い第2の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を検知信号の信号強度が超えたことを検知し、その後に第1の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を検知信号の信号強度が超えたことを検知した場合には、吐水部30からの吐水を行う判定をする水栓装置。
【選択図】図1
Description
また、マイクロ波などの送信波が被検知体に当たると反射波を生じる。この反射波を受信することにより人体などの被検知体を検知することができるので、これをセンサ部として水栓装置の吐水の自動制御に使用する技術も知られている。
また、電波のドップラー効果を利用して動体を検知し、外部機器の制御を行う技術が知られている(特許文献2を参照)。
また、本明細書において、「検知信号を検知する」とは、「各周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を、検知信号の信号強度が超えたことを検知する」ことを意味している。
また、図2は、水栓装置の構成を表すためのブロック図である。
図1、図2に示すように水栓装置1は、センサ部100と、制御部200と、吐水部30と、を備えている。
センサ部100は、高周波センサである。センサ部100は、マイクロ波あるいはミリ波などの高周波の電波を放射(送信)し、放射した電波の被検知体からの反射波を受信する。そして、被検知体に関する情報(被検知体の有無や状態)を含む反射波に基づいた検知信号を出力する。
吐水部30と対峙する側面(前面45)にセンサ部100を設けるようにすれば、水栓装置1の近くにいる使用者が水栓装置1を使用する際に手などの被検知体を差し出しやすい。また、使用者が手を差し出す場所を迷わずに洗浄を行うことも可能となる。
また、吐水部30と対峙する位置から水栓装置1を使用する場合においても、対峙する側面(前面45)側から左右方向の側面(左側面42、右側面44)に設けられたセンサ部100を目視又は認識することが容易となる。そのため、光電センサのように検知位置が不明確となり吐水操作を行うための検知位置が何処にあるのかを迷うということも低減させることができる。なお、電波を用いたセンサとする場合には、デザイン性を損なわないようにするため受水部から目視出来ない様に隠蔽することも可能である。その場合には、センサ近傍に誘導手段を設け、その誘導手段に対して操作を行うようにすることができる。そのようにすれば、デザイン性を損なわず、且つ操作に迷うことなく使用することが可能となる。
センサ部100には、アンテナ112、送信部114、受信部116、ミキサ部118が設けられている。送信部114に接続されたアンテナ112からは、高周波、マイクロ波あるはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が放射される。具体的には、アンテナ112からは、例えば10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ112を経由して受信部116に入力される。ここで、アンテナは、図3(a)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図3(b)に表したように、送信部114にはアンテナ112aを接続し、受信部116にはアンテナ112bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部118にそれぞれ入力されて合成され、例えばドップラー効果が反映された検知信号(反射信号)が出力される。ミキサ部118から出力された検知信号は、制御部200に向けて出力される。
図4は、制御部を例示するためのブロック図である。
図4に示すように、制御部200には、フィルタ部210、判定部230、バルブ制御部240、バルブ250が設けられている。また、フィルタ部210には、フィルタ210a、フィルタ210b、フィルタ210cが設けられている。フィルタ210aは、例えば、所定の周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。また、フィルタ210bはフィルタ210aの周波数帯域よりも高い周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。そして、フィルタ210cはフィルタ210bの周波数帯域よりも高い周波数の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。例えば、フィルタ210aを通過する周波数を0Hz近傍(例えば、0Hz以上、10Hz以下)とすることができる。また、フィルタ210bを通過する周波数を35Hz以上、45Hz以下とすることができる。フィルタ210cを通過する周波数を75Hz以上、95Hz以下とすることができる。ただし、これに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
なお、本実施の形態においては、水栓装置を使用する使用者の動きや、また使用者が持っている洗浄物の動きに対して検知を行い吐水制御を行うようにしているが、その際100Hz未満の信号を検知することにより判別を行うようにしている。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c ・・・式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×106m/s)
センサ部100に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表されるように、その速度vに比例した周波数ΔFを含む検知信号が得られる。検知信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には相関関係がある。そのため、センサ部100(ミキサ部118)から出力された検知信号の高い周波数成分をフィルタ210a、フィルタ210bを介することで所定の周波数帯域に分割し、ドップラー周波数ΔFを測定するようにすれば、速度vを求めることができる。また、各周波数帯域の移り変わりなどを見れば速度の変化(減速/加速)を知ることができる。そして、例えば、判定部230において水栓装置を使用するための検知動作を行っていると判定された場合には、バルブ制御部240によりバルブ250を開放して吐水を行うようにすることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.50〜10.55GHzまたは24.05〜24.25GHzの周波数が使用できる。
また、説明の便宜上、検知信号を3つの周波数帯域に分割する場合を例示したが、これに限定されるわけではない。例えば、検知信号を2つの周波数帯域に分割することもできるし、4つ以上の周波数帯域に分割することもできる。周波数帯域の分割数を多くすれば、被検知体の動作状況の解析をさらに詳細に行うことができる。また、検知信号を2つの周波数帯域に分割するようにすれば、フィルタ部210の構成を簡略化することができる。
そのため、ハードウエアにより詳細な周波数設定を行う場合、抵抗及びキャパシタの抵抗値や容量の持つ公差が小さいものを選択するようにすれば、設定した周波数帯域に近い値でフィルタリングを行うことが可能となる。
図5は、フィルタ部において検知された検知信号を例示するための模式グラフ図である。なお、図5(a)、図5(e)は75Hz以上、95Hz以下の周波数成分を通過させるフィルタを通過した検知信号を例示するための模式グラフ図である。また、図5(b)、図5(d)は35Hz以上、45Hz以下の周波数成分を通過させるフィルタを通過した検知信号を例示するための模式グラフ図である。また、図5(c)は0Hz近傍(0Hz以上、10Hz以下)の周波数成分を通過させるフィルタを通過した検知信号を例示するための模式グラフ図である。なお、各図とも縦軸は電圧(信号強度)を表し、横軸は周波数を表している。更に、図5(a)、(b)、(c)、(d)の並びに関しては時系列的に並べられており、時間が経過するにつれ図5(a)から図5(d)へ移り変わるようになっている。また、前述したように、移動速度が速いほど検知される周波数が高く、センサ部100との距離が近いほど電圧(信号強度)は高くなる。
また、各周波数帯域には所定の大きさの信号強度(電圧)の閾値が設けられ、検知信号の信号強度がこの閾値を超えたことで各周波数帯域における検知信号が検知されるようになっている。
ここで、手などの被検知体をセンサ部100に検知させるためには、まず離れたところからセンサ部100の検知範囲に被検知体を近づける。この際、目的の場所に的確に被検知体を移動させたいので、検知範囲に近づくほど移動速度を減速させ、最終的にはセンサ部100の検知範囲内で最も遅い速度になるか略静止させることになる。
このような被検知体の動作を検知したセンサ部100からは、次のような検知信号が出力される。すなわち、まず、図5(a)に示すような高い周波数帯域(移動速度が速い領域)において各フィルタの中でも最も大きな電圧が出力される。この場合、センサ部100からの距離が遠いためセンサ部から放射された電波が被検知体に届くまでに減衰する。そして、減衰した電波が被検知体に反射して更に減衰されるため、電圧自体は図中A部に示すように低いものとなる。
例えば、センサ部100の検知範囲内に鍋などの物を置いた場合には、その後の移動にはある程度の時間を要する(しばらくは放置される)。これに対し、水栓装置1を使用するための検知動作である場合には、その後、手などの被検知体を洗浄水が吐水される領域へすぐに移動させることが多い。そのため、このような動作をも考慮に入れれば、誤検知を防止することが可能となる。
なお、図5(a)〜図5(e)に例示をした検知信号の周波数の変化の状況から吐水の可否判定を行うことができるが、図5(a)〜図5(e)に例示をした5段階の推移を必ずしも検知する必要はない。例えば、略停止の前後における周波数の変化の状況から吐水の可否判定を行うこともできる。そのようにすれば、迅速な判定を行うことができる。
また、最も低い周波数帯域(例えば、0Hz近傍;0Hz以上、10Hz以下)に設けられる閾値を、他の周波数帯域に設けられる閾値よりも大きくすることが好ましい。
各周波数帯域に設けられる閾値は電圧値である。また、高周波センサからの検知信号の振幅値には、いわゆる距離情報を含んでいる。そして、最も低い周波数帯域(例えば、0Hz近傍;0Hz以上、10Hz以下)は「略静止」状態の周波数帯域であるので、その閾値は静止状態が検知できる値とすることになる。この場合、この最も低い周波数帯域(例えば、0Hz近傍;0Hz以上、10Hz以下)に設けられる閾値を低くすれば、遠くの静止物体をも検知してしまうことになる。そのため、シンクで言えば、鍋や食器等をシンク内部に置いて、手が離遠すると吐水が行われてしまうおそれがある。
一方、最も低い周波数帯域(例えば、0Hz近傍;0Hz以上、10Hz以下)に設けられる閾値を高くすれば(例えば、少なくとも他の周波数帯域に設けられる閾値よりも高くすれば)、センサ近傍の略静止物体しか検知対象とならないため、遠方に物体が置かれた場合においても、検知されることがない。よって人が操作しようとしない限りは吐水を行わないようにすることができるので、誤吐水を防止することが可能となる。
Claims (7)
- 吐水部と、
前記吐水部への水路を開閉するバルブと、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号を複数の周波数帯域に分別するフィルタ部と、
前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定する判定部と、
前記判定部からの信号に基づいて前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
を備え、
前記判定部は、第1の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知した後、前記第1の周波数帯域よりも低い第2の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知し、その後に前記第1の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知した場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をすること、を特徴とする水栓装置。 - 吐水部と、
前記吐水部への水路を開閉するバルブと、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号を複数の周波数帯域に分別するフィルタ部と、
前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定する判定部と、
前記判定部からの信号に基づいて前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
を備え、
前記判定部は、第1の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知した後、前記第1の周波数帯域よりも低い第2の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知し、その後に前記第2の周波数帯域よりも高く、かつ前記第1の周波数帯域とは異なる第3の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の強度信号が超えたことを検知した場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をすること、を特徴とする水栓装置。 - 前記第2の周波数帯域における前記検知信号の信号強度の閾値は、前記第1の周波数帯域における前記検知信号の信号強度の閾値よりも大きいこと、を特徴とする請求項1記載の水栓装置。
- 前記第2の周波数帯域における前記検知信号の信号強度の閾値は、前記第1の周波数帯域および前記第3の周波数帯域における前記検知信号の信号強度の閾値よりも大きいこと、を特徴とする請求項2記載の水栓装置。
- 前記判定部は、前記第2の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知し、前記閾値を超えた状態が予め定められた時間保持された後、前記第1の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知した場合には、前記吐水部からの吐水を行わない判定をすること、を特徴とする請求項1または3に記載の水栓装置。
- 前記判定部は、前記第2の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知し、前記閾値を超えた状態が予め定められた時間保持された後、前記第3の周波数帯域に設けられた信号強度の閾値を前記検知信号の信号強度が超えたことを検知した場合には、前記吐水部からの吐水を行わない判定をすること、を特徴とする請求項2または4に記載の水栓装置。
- 前記第2の周波数帯域は、0Hzを含む周波数帯域であること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の水栓装置。
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JP2012211447A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Toto Ltd | 吐水装置 |
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