JP5332360B2 - 水栓装置 - Google Patents
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Description
また、マイクロ波などの送信波が被検知体に当たると反射波を生じる。この反射波を受信することにより人体などの被検知体を検知することができるので、これをセンサ部として水栓装置の吐水の自動制御に使用する技術も知られている。
また、電波のドップラー効果を利用して動体を検知し、外部機器の制御を行う技術が知られている(特許文献2を参照)。
また、本発明の他の一態様によれば、吐水部と、前記吐水部への水路を開閉するバルブと、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、前記センサ部からの検知信号を複数の周波数帯域に分別するフィルタ部と、前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定する判定部と、前記判定部からの信号に基づいて前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、を備え、前記判定部は、前記検知信号の周波数が周波数に関して設けられた第1の閾値を超え、かつ、前記検知信号の電圧強度が電圧強度に関して設けられた第2の閾値を超えた後に、前記周波数が周波数に関して設けられた前記第1の閾値よりも高い第3の閾値を超え、かつ、前記電圧強度が電圧強度に関して設けられた前記第2の閾値よりも高い第4の閾値を超え、その後前記周波数が低下して第1の閾値を下回り、かつ、前記電圧強度が低下して前記第2の閾値を下回った場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をすること、を特徴とする水栓装置が提供される。
図1は、本発明の実施の形態に係る水栓装置を例示するための模式斜視図である。
また、図2は、水栓装置の構成を表すためのブロック図である。
図1、図2に示すように水栓装置1は、センサ部100と、制御部200と、吐水部30と、を備えている。
吐水部30と対峙する側面(前面45)にセンサ部100を設けるようにすれば、水栓装置1の近くにいる使用者が水栓装置1を使用する際に手などの被検知体を差し出しやすい。また、使用者が手を差し出す場所を迷わずに洗浄を行うことも可能となる。
また、吐水部30と対峙する位置から水栓装置1を使用する場合においても、対峙する側面(前面45)側から左右方向の側面(左側面42、右側面44)に設けられたセンサ部100を目視又は認識することが容易となる。そのため、光電センサのように検知位置が不明確となり吐水操作を行うための検知位置が何処にあるのかを迷うということも低減させることができる。なお、電波を用いたセンサとする場合には、デザイン性を損なわないようにするため受水部から目視出来ない様に隠蔽することも可能である。その場合には、センサ近傍に誘導手段を設け、その誘導手段に対して操作を行うようにすることができる。そのようにすれば、デザイン性を損なわず、且つ操作に迷うことなく使用することが可能となる。
センサ部100には、アンテナ112、送信部114、受信部116、ミキサ部118が設けられている。送信部114に接続されたアンテナ112からは、高周波、マイクロ波あるはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が放射される。具体的には、アンテナ112からは、例えば10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ112を経由して受信部116に入力される。ここで、アンテナは、図3(a)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図3(b)に表したように、送信部114にはアンテナ112aを接続し、受信部116にはアンテナ112bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部118にそれぞれ入力されて合成され、例えばドップラー効果が反映された検知信号(反射信号)が出力される。ミキサ部118から出力された検知信号は、制御部200に向けて出力される。
図4は、制御部を例示するためのブロック図である。
図4に示すように、制御部200には、フィルタ部210、判定部230、バルブ制御部240、バルブ250が設けられている。また、フィルタ部210には、フィルタ210aと、フィルタ210bとが設けられている。フィルタ210aは、例えば、所定の周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。そして、フィルタ210bはフィルタ210aの周波数帯域よりも高い周波数帯域の検知信号を通過させるフィルタとすることができる。
なお、本実施の形態においては、水栓装置を使用する使用者の動きや、また使用者が持っている洗浄物の動きに対して検知を行い吐水制御を行うようにしているが、その際100Hz未満の信号を検知することにより判別を行うようにしている。
使用者が通常行う動作、例えば手の挿入や引き抜き、歩行等は100Hz未満の信号となる。そのため、100Hz未満の信号を検知することにより、一般的な人体の動作を判別することが可能となる。また、100Hz以上の高い周波数を検知すると、近傍にある蛍光灯ノイズ(100Hz、120Hz)や、通信機等で使用される通信ノイズ、水栓装置を使用しない動き(水栓装置の近傍を手が横切る、水栓装置の近傍で走る)等から得られる検知信号をキャンセルすることが可能となる。そのため、ノイズ等による誤検知を防止することが可能となる。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c ・・・式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×106m/s)
センサ部100に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表されるように、その速度vに比例した周波数ΔFを含む検知信号が得られる。検知信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には相関関係がある。そのため、センサ部100(ミキサ部118)から出力された検知信号の高い周波数成分をフィルタ210a、フィルタ210bを介することで所定の周波数帯域に分割し、ドップラー周波数ΔFを測定するようにすれば、速度vを求めることができる。また、各周波数帯域の移り変わりなどを見れば速度の変化(減速/加速)を知ることができる。そして、例えば、判定部230において水栓装置を使用するための検知動作を行っていると判定された場合には、バルブ制御部240によりバルブ250を開放して吐水を行うようにすることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.50〜10.55GHzまたは24.05〜24.25GHzの周波数が使用できる。
また、説明の便宜上、検知信号を2つの周波数帯域に分割する場合を例示したが、これに限定されるわけではない。例えば、検知信号を3つ以上の周波数帯域に分割することもできる。周波数帯域の分割数を多くすれば、被検知体の動作状況の解析をさらに詳細に行うことができる。
そのため、ハードウエアにより詳細な周波数設定を行う場合、抵抗及びキャパシタの抵抗値や容量の持つ公差が小さいものを選択するようにすれば、設定した周波数帯域に近い値でフィルタリングを行うことが可能となる。
また、ハードウエアまたはソフトウエアにより構成されたフィルタを適宜選択するようにするか、両者を組み合わせることでフィルタ部を構成するようにしてもよい。
ここで、一般的には、センサ部に検知させるために手などの被検知体を検知範囲に近づける場合には、検知範囲に近づくほど減速させ、略静止させる場合が多い。ところが、使用者によっては、手を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)を行い検知範囲内で被検知体を加速させる場合がある。
次に、使用者が手を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)を行った場合について説明をする。
図5は、使用者が水栓装置を使用するためにセンサ部に手を近づける様子を例示をするための模式図である。なお、図5(a)はセンサ部に手を近づける様子を表している。また、図5(b)は等速で手が近づく場合にセンサ部から出力される検知信号の波形を表し、図5(c)は減速しながら手が近づく場合にセンサ部から出力される検知信号の波形を表している。
これに対し、手20がセンサ部100へ減速運動で接近する場合には、図5(c)に例示をしたような波形の検知信号がセンサ部100から出力される。すなわち、手20が接近することで受信波が強くなるので、時間とともに検知信号の振幅が大きくなる。そして、図5(c)の場合には、手20がセンサ部100へ減速運動で接近するため、時間とともに検知信号の波長は長くなる(周波数が低くなる)。
なお、一般的な手20の動きでは、検知信号の周波数は100Hzである。
そのため、A部からB部にかけて行われる一連の動作を認識することができるので、これをもって使用者が水栓装置を使用するためにセンサ部に手を近づけていると判定することができる。
すなわち、判定部230においては、検知信号の周波数と電圧強度がそれぞれ所定の値を超えた後に(被検知体の接近が検知された後に)、周波数と電圧強度がそれぞれ増加したことを検知した場合(被検知体をセンサ部側に素早く返すような動作を検知した場合)には、吐水部からの吐水を行う判定をすることができる。
なお、本明細書において、「電圧強度」とは検知信号の電圧値の振幅を表している。例えば、電圧強度が増加するとは振幅が大きくなることを表している。
図6(a)に例示をしたような動作を行った後に、図7(b)に示すような動作が行われた場合には、図8に示すような検知信号の波形が現れる。すなわち、前段に現れる手を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)を行った際に現れる波形(B部)の後に、波長が長く(周波数が低く)、かつ振幅幅が漸減するような波形(C部)が現れることになる。
なお、図7(a)に示すような動作が行われた場合には、B部とC部との間に波長(周波数)がB部とほぼ同等で振幅幅がやや小さい波形が現れることになる。ただし、その後に図7(b)に示すような動作が行われることには変わりがないため、図7(a)に示すような動作を手20を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)の一連の動作と取り扱うことができる。すなわち、図7(a)に示すような動作を波長(周波数)がほぼ同等の図6(a)に示すような動作に含めて取り扱うことができる。
すなわち、判定部230においては、周波数と電圧強度とが増加したことを検知した後に(被検知体をセンサ部側に素早く返すような動作を検知した後に)、周波数と電圧強度とが減少したことを検知した場合には(被検知体が離れたことを検知した場合には)、吐水部からの吐水を行う判定をすることができる。この場合、周波数と電圧強度とが減少し、接近時の値に達した場合に吐水部からの吐水を行う判定をすることもできる。
なお、説明の便宜上、被検知体を人の手20としたがこれに限定されるわけではなく、例えば、手に持った包丁などであってもよい。
図9は、判定部における判定の手順を例示するためのフローチャートである。
なお、図9に例示をしたフローチャートでは、手20を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)が行われた場合の他に、手20を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)が行われなかった場合をも判定するようにしている。
これは、被検知体の接近動作に伴う信号であるかを識別するためである。また、電圧強度に関しても同様に、所定の値のものが検知されたか否かが判定される。このようにすれば、ノイズを除去することができるので誤判定を抑制することができる。なお、これらの判定は、検知信号の周波数が周波数に関して設けられた所定の閾値を超え、かつ、検知信号の電圧強度が電圧強度に関して設けられた所定の閾値を超えたか否かで判定することができる。
次に、電圧強度がS1において説明をした閾値よりも高い範囲に予め設定されている所定の閾値を超えているかが判定される(S2)。
これは、被検知体の接近にともない電圧強度が増加するので、閾値を設けて所定の距離まで被検知体が接近したことを確認するためである。このようにすれば、水栓装置の使用意図を持ってセンサ部に接近しているのかをも識別することができる。
そして、電圧強度が所定の閾値を超えたことで、被検知体が接近したと判定する。
次に、検知信号の周波数が漸減するかが判定される(S3)。
漸減、すなわち低くなっていけば被検知体が減速していると判定することができる。 この後、被検知体の略停止が検知されたり、被検知体の加速が所定時間内に検知されない場合には、水栓装置を使用するための検知動作と判定することができる。
そのため、次に、電圧強度がS2において説明をした所定の閾値を超えているかが判定される(S4)。
これは、電圧強度により被検知体との距離を確認することで水栓装置の使用意図を再確認するためである。
そして、電圧強度がこの閾値を超えたことで吐水を行う判定をし、バルブ制御部240へ吐水開始(バルブ250の「開」)の指示を行う。
一方、「S3」において検知信号の周波数の漸減(被検知体の減速)が検知された後に検知信号の周波数が高くなるのかが判定される(S5)。この判定は、周波数がS1において説明をした閾値よりも高い範囲に予め設定されている所定の閾値を超えているか否かで行うことができる。
この場合、検知信号の周波数が高くなりこの閾値を超えれば、前述した手20を素早く返すような動作(スナップをきかせるような動作)が行われていると判定することができる。
次に、電圧強度がS2において説明をした所定の閾値を超えているかが判定される(S6)。 これは、「S4」の場合と同様に、電圧強度により被検知体との距離を確認することで水栓装置の使用意図を再確認するためである。
そして、電圧強度が所定の閾値を超えたことで吐水を行う判定をし、バルブ制御部240へ吐水開始(バルブ250の「開」)の指示を行う。すなわち、周波数がS5において説明をした閾値を超え、かつ、電圧強度がS6において説明をした閾値を超えたことで吐水を行う判定をし、バルブ制御部240へ吐水開始(バルブ250の「開」)の指示を行う。
また、「S6」の後に、周波数と電圧強度とが減少し被検知体が離れるのを検知した場合には、吐水部からの吐水を行う判定をすることもできる。
この場合、周波数がS5において説明をした閾値を超え、かつ、電圧強度がS6において説明をした閾値を超え、その後、周波数がS5において説明をした閾値を下回り、かつ、電圧強度がS6において説明をした閾値を下回った場合には、吐水を行う判定をし、バルブ制御部240へ吐水開始(バルブ250の「開」)の指示を行うことができる。
また、周波数がS5において説明をした閾値を超え、かつ、電圧強度がS6において説明をした閾値を超え、その後、周波数がS1において説明をした閾値を下回り、かつ、電圧強度がS1において説明をした閾値を下回った場合には、吐水を行う判定をし、バルブ制御部240へ吐水開始(バルブ250の「開」)の指示を行うこともできる。
Claims (3)
- 吐水部と、
前記吐水部への水路を開閉するバルブと、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号を複数の周波数帯域に分別するフィルタ部と、
前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定する判定部と、
前記判定部からの信号に基づいて前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
を備え、
前記判定部は、前記検知信号の周波数が周波数に関して設けられた第1の閾値を超え、かつ、前記検知信号の電圧強度が電圧強度に関して設けられた第2の閾値を超えた後に、前記周波数が周波数に関して設けられた前記第1の閾値よりも高い第3の閾値を超え、かつ、前記電圧強度が電圧強度に関して設けられた前記第2の閾値よりも高い第4の閾値を超えた場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をすること、を特徴とする水栓装置。 - 吐水部と、
前記吐水部への水路を開閉するバルブと、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号を複数の周波数帯域に分別するフィルタ部と、
前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定する判定部と、
前記判定部からの信号に基づいて前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
を備え、
前記判定部は、前記検知信号の周波数が周波数に関して設けられた第1の閾値を超え、かつ、前記検知信号の電圧強度が電圧強度に関して設けられた第2の閾値を超えた後に、前記周波数が周波数に関して設けられた前記第1の閾値よりも高い第3の閾値を超え、かつ、前記電圧強度が電圧強度に関して設けられた前記第2の閾値よりも高い第4の閾値を超え、その後前記周波数が第3の閾値を下回り、かつ、前記電圧強度が前記第4の閾値を下回った場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をすること、を特徴とする水栓装置。 - 吐水部と、
前記吐水部への水路を開閉するバルブと、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号を複数の周波数帯域に分別するフィルタ部と、
前記分別された検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水の可否を判定する判定部と、
前記判定部からの信号に基づいて前記バルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
を備え、
前記判定部は、前記検知信号の周波数が周波数に関して設けられた第1の閾値を超え、かつ、前記検知信号の電圧強度が電圧強度に関して設けられた第2の閾値を超えた後に、前記周波数が周波数に関して設けられた前記第1の閾値よりも高い第3の閾値を超え、かつ、前記電圧強度が電圧強度に関して設けられた前記第2の閾値よりも高い第4の閾値を超え、その後前記周波数が低下して第1の閾値を下回り、かつ、前記電圧強度が低下して前記第2の閾値を下回った場合には、前記吐水部からの吐水を行う判定をすること、を特徴とする水栓装置。
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